JP2014163015A - 紙を圧縮する装置及びその装置を使用する方法 - Google Patents

紙を圧縮する装置及びその装置を使用する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】改善した紙圧縮装置を提供する。
【解決手段】紙を圧縮する装置は、ブランケット搬送ロール1,2,3上を走行するゴム製ブランケット4の運動方向を横切るようにレール14に沿って移動可能な加工機構13を含み、紙ウエブ9に微細な縮緬状の構造を付与する。ゴム製ブランケット4の外面を研削又は粗削りするために、例えば一日に一回、用いられる加工機構13は、駆動可能な加工ホイール15を有し、該加工ホイールは、ブランケット搬送ロールの軸線と平行する軸線の周りを回転可能であり、且つ、ゴム製ブランケット4に対して押圧され得るその周囲の一部を覆う構造形成表面を有する。加工機構13は、周期的にレール14に沿って移動され、このとき加工ホイール13は回転しながらゴム製ブランケット4の外面に押し付けられ、例えば研削等の加工を同外面に施す。
【選択図】図1a

Description

本発明は、紙を圧縮する装置及び同装置を使用する方法に関する。同装置は通常、抄紙機の一部であり、ある特定の種類の紙、特に、粉末状や粒状の材料の輸送及び保管に使用される大型の紙袋に用いられるクラフト紙、において望ましい又は必要とされる微細な縮緬状の構造を平滑な紙のウェブに付与する。
概して汎用型と同様であるが研削機構を備えていない装置及びその機能については、特許文献1に記載されている。
紙を圧縮するために用いられるゴム製ブランケットの表面は、酸化して滑り易くなる傾向があり、そうなると装置が紙ウエブに微細な縮緬状の構造を付与する機能を十分に遂行できなくなるため、同装置に研削機構を設けることがよく知られている。この研削機構は、酸化層をゴム製ブランケットの外面から除去するために時々、例えば一日に一回、使用することができ、同機構をゴム製ブランケット上で横断方向に動かすことにより装置及び抄紙機の運転を妨げることなく酸化層を研削することができる。公知の研削機構は、電気モータによって駆動されるローラとプーリローラの二つのローラ、並びにこれらのローラによって案内される研削ベルトを備え、ゴム製ブランケットに沿って横方向に延びるレールに沿って研削機構を移動させながら研削ベルトの研削用外面をゴム製ブランケットに押し付けることができる。
欧州公開特許第0,749,828号(EP 0 749 828 A2)
このタイプの研削機構はかなり嵩張って重く、研削ベルトの特性変更の可能性は制限されている。その上、運転中にベルトが破損し、その結果比較的高価なゴム製ブランケットを損傷する危険を常に伴い、ブランケットの交換は、時間がかかると共に紙製造工程の中断を余儀なくさせる。
上記の問題は、請求項1の特徴部分の構成によって解決される。本発明によれば、研削ベルトの代わりに、通常の研削用に構造が形成された表面を有する加工ホイールが使用される。加工ホイールは、耐用寿命がはるかに長く、突然破損してゴム製ブランケットに損傷を与えることは極めて稀である。耐用寿命の終わりが近づくと、加工ホイールはその研削性能が低下する点で有効性を失っていくに過ぎない。この場合、加工ホイールはかなり簡単に交換することができ、ほとんどの場合、再塗装して再び使用することが可能である。その上、加工ホイールの位置及び動作をより高精度に制御することができる。
加工ホイールの特性は、多様に選択可能である。構造形成表面を研削ベルトに用いられるものと同様の研削層で覆うことも可能であるし、同表面に放射状により大きく延在する鬼目やすり状の構造を持たせることもできるが、同表面はまた、タングステンカーバイドのような非常に硬質な耐摩耗性材料でコーティングされた又はされていない略全ての構造の金属表面を有し得る。これにより、研削特性に加え、圧縮の特質、すなわち最終的な紙表面の特質、に影響を及ぼす間接的な方法を実現し、上記特質を引張強度、引張エネルギー吸収量、有孔度、摩擦係数その他のパラメータに関して最適化し得る。加工ホイールの交換は容易なため、異なるホイールを連続して使用することができる。
本発明について図面を参照しながら以下により詳しく説明する。図面に示す実施形態は具体例に過ぎない。
本発明による装置の概略的な側面図である。 図1aの装置の概略的な上面図である。 装置の第1の実施形態による図1a及び図1bの装置に用いられる加工ホイールの側面図である。 図2aの加工ホイールの上面図である。 装置の第2の実施形態による図1a及び図1bの装置に用いられる加工ホイールの側面図である。 図3aの加工ホイールの上面図である。
紙を圧縮する装置(図1a、図1b)は、そのうちの少なくとも一つが駆動可能であり、一つがテンションロールとして機能するブランケット搬送ロール1,2,3、及びブランケット搬送ロール1,2,3上を走行する閉鎖ループを形成するゴム製ブランケット4を含み、同ブランケットは、最大1200m/分の速度で矢印5の方向に動く。外側ガイドロール6はゴム製ブランケット4の外面に接触する。ニップバー7がゴム製ブランケット4の内面に、抄紙機の一部である研磨された面を有する加熱シリンダ8の方向に力を加えることで、30%〜40%の水分含有率を有する紙から構成され且つ矢印10の方向に移動する紙ウエブ9をゴム製ブランケット4の外面とシリンダ8の周囲との間に挟み込む。二つの噴霧管11及び12は、ゴム製ブランケット5の内面に流体、通常は水、を吹き付ける。
ゴム製ブランケット4は加圧され且つその速度はシリンダ表面の速度に一致した状態でシリンダ8とニップバー7との間の隙間を通り抜けた後、シリンダ表面及び引き込まれる紙ウエブ9よりも僅かに遅い速度で移動する。そのため、紙ウエブ9は移動方向に幾分圧縮されることで微細な縮緬状の構造が付与され、これにより、引張エネルギー吸収量及び摩擦係数に関する特性を向上させる。
加工機構13は、ゴム製ブランケット4の運動方向を横切る方向に、好適にはブランケット搬送ロール1,2,3と平行に、延びるレール14に沿って、例えば電気モータ駆動式のチェーンによって移動可能である。加工機構13は、図示される標準的な実施形態では研削ホイールである加工ホイール15を含む。加工ホイール15は、ハウジング16によって部分的に覆われ、電気モータ17によって駆動されてレール14と平行な軸線の周りを回転する。加工ホイール15の真下に配置されるパイプ18は、吸引器の一部である。
加工機構13は、電気モータ17によって作動状態、すなわち加工ホイール15が回転している状態、のオン/オフ切替えを行うことができ、ゴム製ブランケット4に接触している。加工機構が作動状態にないとき、電気モータ17は切られ、加工ホイール15はゴム製ブランケット4から離間している。加工ホイール15は、レール14の右回り及び左回りの小さな回転によってゴム製ブランケット4に夫々接触及び離間させることができる。このように加工ホイール15の位置は、極めて正確に制御可能である。
加工ホイール15(図2a、図2b)は、略円筒形状であり、胴型の研削用に構造形成された周囲面19を備える。周囲面19は、図2a及び図2bに示すような細かい研削歯によって高密度に覆われた平滑な基部を有することができる。研削歯は、例えばタングステンカーバイドや鋼といった非常に硬質な耐摩耗性材料から成る。この種の加工ホイールは入手し易く、ゴム製コンベヤベルトを粗削りする目的、及び一般にゴムやその他のエラストマから製造される物の表面を加工する目的で使用されている。
加工機構13を作動状態に切り替え、すなわち、電気モータ17をオンにして右回りに回転する加工ホイール15(図1a)をゴム製ブランケット4の第1の縁部においてその外面に押し付けることで、ゴム製ブランケット4の研削は圧縮工程を中断せずに行われる。このとき、加工機構13は、レール14に沿ってゴム製ブランケット4の反対側の縁部までゆっくりと移動される。この工程中にブランケットから削り取られた削り屑は、研削機構13の一部、又は、可撓性ホースによってパイプ18に接続される装置の固定部品たり得る吸引器のパイプ18内へとサイフォン式に除去される。
加工ホイールに関して、多くの可能性が存在する。例えば、上述したような一つの部品からなる加工ホイールを使用する代わりに、回転軸線に沿って間隔を置かずに続けて配列された幾つかの小幅のディスクで構成される加工ホイールを使用することもできる。これらのディスクは、同じであっても異なってもよい。これにより加工ホイール15の特性に関する選択の幅を更に広げ、ひいては、ゴム製ブランケット5を介して、完成した紙の特性にも影響を及ぼし得る。
図3a、図3bの加工ホイール15は、六つの同じディスク20から構成される粗削りホイールである。ディスク20の各々の周面には、放射状により大きく突出した一列の刃状突出部21が配置される。これらは、タングステンカーバイドのような非常に硬質な耐摩耗性材料から構成されることができ、もしくは鋼から構成されることもできるがこの場合これらは上記材料によってコーティングされることが望ましい。ディスク20の周面は、刃状突出部21によって部分的に覆われる基部を形成し、これらが連続することで鬼目やすり状の非常に粗い構造形成表面19を提供する。加工ホイール15を使用することで、同表面19に相応する粗い表面構造をゴム製ブランケット4に付与することができ、この粗い表面構造は更に紙ウエブ9の表面へと伝えられる。こうして、摩擦係数の高い紙を製造することができる。このような紙は、粒状材料が充填される大型の袋の製造に特に適している。なぜなら、充填された袋を積み重ねて保管する場合、このような紙は危険な滑り落ちのリスクを軽減するからである。
言うまでもなく、加工ホイールは、実施形態において示した数よりも多い又は少ないディスクで構成されてもよい。ディスクは、特にその構造形成表面の特性に関し、同一である必要はなく異なっていてもよい。
加工機構15は、周期的に使用される。すなわち、ゴム製ブランケット4の外面の特性を改変する必要があるとみなされるたびに、特に、ブランケット上に形成された酸化層を研削によって除去する必要があるとみなされるたびに使用される。多くの場合、この作業は一日に一回行えば十分である。
1,2,3 ブランケット搬送ロール
4 ゴム製ブランケット
5 矢印
6 ガイドロール
7 ニップバー
8 シリンダ
9 紙ウエブ
10 矢印
11,12 噴霧管
13 加工機構
14 レール
15 加工ホイール
16 ハウジング
17 電気モータ
18 パイプ
19 構造形成表面
20 ディスク
21 刃状突出部

Claims (10)

  1. 紙を圧縮する装置において、
    平行な軸線の周りを回転可能な複数のブランケット搬送ロール(1,2,3)であり、該複数のブランケット搬送ロールの少なくとも一つが駆動可能であるブランケット搬送ロールと、
    前記軸線と平行なニップバー(7)と、前記ブランケット搬送ロール(1,2,3)及び前記ニップバー(7)上を走行する閉鎖ループを形成するゴム製ブランケット(4)であり、前記搬送ロール及び前記ニップバーがゴム製ブランケット(4)の内面に接触するゴム製ブランケット(4)と、
    ゴム製ブランケット(4)の内面に流体を噴霧する少なくとも一つの噴霧機構と、
    作動状態のオン/オフ切換えが可能であり且つゴム製ブランケット(4)の運動方向を横切る方向に前後に移動可能である加工機構(13)と、を含み、
    該加工機構(13)が、前記ゴム製ブランケット(4)を加工するために作動状態において前記ブランケットの外面に接触する構造形成表面(19)を備えた少なくとも一つの駆動可能な加工ホイール(15)を含むことを特徴とする、紙を圧縮する装置。
  2. 前記構造形成表面(19)は、前記加工ホイール(15)の周囲の少なくとも一部を覆い、前記構造形成表面は、前記ブランケット搬送ロール(1,2,3)の軸線と平行する軸線の周りを回転可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  3. 前記構造形成表面(19)は、基部の少なくとも一部を覆う研削歯によって少なくとも部分的に形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記構造形成表面(19)は、基部の少なくとも一部を覆う刃状突出部(21)によって少なくとも部分的に形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
  5. 前記刃状突出部(21)は、前記軸線の方向に直交する方向に構造形成表面(19)に沿って延在する列を成して配置されることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
  6. 前記加工ホイール(15)は、前記軸線に沿って配列された複数のディスク(20)で構成されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記加工機構(13)は、ゴム製ブランケット(4)から削り取られた削り屑を除去するために前記加工ホイール(15)の周囲に配置されたパイプ(18)を備えた吸引器を含むことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記装置は、横方向に延びるレール(14)を含み、研削機構(13)は、前記レール(14)に沿って移動可能であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記加工機構(13)は、周期的に、ゴム製ブランケット(4)の運動方向を横切る方向に前記ブランケット(4)に沿って移動され、このとき前記加工ホイール(15)が回転すると共に前記加工ホイール(15)の構造形成表面(19)がゴム製ブランケット(4)の外面に押し付けられて該外面を加工することを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置を使用する方法。
  10. 前記外面の加工は、前記外面の研削を含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
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