JP2014162944A - Snめっき材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、特にSnめっき後にリフロー処理を行うことなく、優れた耐ウィスカ性およびレーザ溶接性と低接触抵抗とを有するSnめっき材料等を提供する。
【解決手段】本発明のSnめっき材料1は、Snめっき皮膜3が、少なくとも1層の光沢Snめっき層4と、少なくとも1層の無光沢Snめっき層5とを、1層ずつ交互に積層して形成した複層Snめっきからなり、複層Snめっきを構成する最上層が無光沢めっき層5であることを特徴とする。また、本発明のSnめっき材料1の製造方法は、金属基材2上に、直接、またはCuめっき7層を介して、もしくはNiめっき層6およびCuめっき層7を介して間接的にSnめっき皮膜3を形成し、Snめっき皮膜3は、電析法により、少なくとも1層の光沢Snめっき層4と少なくとも1層の無光沢Snめっき層5とを、1層ずつ交互に積層し、最表層が無光沢Snめっき層5となる複層めっきとして形成され、その後、熱処理を行わないか、あるいは150℃未満の低温での熱処理のみを行うことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属基材上にSnめっき皮膜を有するSnめっき材料に関し、特にSnめっき皮膜形成後にリフロー処理のような高温熱処理を行うことなく、優れた耐ウィスカ性およびレーザ溶接性と低接触抵抗とを有するSnめっき材料およびその製造方法に関する。
金属基材上、例えば銅(Cu)や銅合金からなる金属基材上に、錫(Sn)や錫合金からなるめっき皮膜を有するSnめっき材料は、金属基材自体が具備する、優れた導電性や十分な強度と、SnやSn合金自体が具備する、優れた電気接触特性、耐食性および溶接性等とを併せ持った高機能材料として、缶用材料、電気製品、端子やコネクタなどの電子部品などの広い技術分野にわたって汎用されている。
このようなSnめっき鋼板は、Snめっき皮膜の表面からSnの単結晶からなる針状の結晶、いわゆるウィスカ(Whisker)が経時的に発生しやすい傾向があり、この傾向は、特にSnめっき皮膜の表面が光沢Snめっきである場合に顕著である。このウィスカの発生は、例えば電子部品では、端子間または回路間で電気的に短絡を生じさせるおそれがあることから、ウィスカの発生を抑制するための手段を開発することが必要である。
ウィスカの発生を防止するための従来の手段としては、例えばSnめっき皮膜形成後に、熱処理炉内で230〜300℃程度の実体温度で数秒間のリフロー処理のような高温熱処理を行うことが有用である。
しかしながら、Snめっき材料に高温熱処理を施すと、金属基材が、例えばCu合金基材の場合、高温熱処理によってCu合金基材中のCuが、Snめっき皮膜中を熱拡散し、拡散したCuの一部がSnめっき皮膜の表面に存在するようになる結果、安定してSnめっき特有の低接触抵抗を安定して得られなくなり、加えて、高温熱処理を行う場合には、そのための熱処理炉を設ける必要があり、これは、設備コストの上昇をもたらすという問題があった。
金属基材上にSnめっき皮膜を有する従来のSnめっき材料としては、例えば特許文献1〜7が挙げられる。
特許文献1に記載されためっき材料は、Snめっき層が光沢Snめっき層であるか、あるいはSnめっき皮膜形成後にリフロー処理したものであって、前者は、めっき中の内部応力が高いため、厳しい使用環境下では、ウィスカの発生を十分に抑制することはできず、加えて、リフロー処理のための熱処理炉の設置が必要であり、設備コストの上昇の問題もある。
特許文献2に記載された導電材料は、Snめっき皮膜形成後に熱処理を行ってCu−Sn合金層を形成したものであるため、安定してSnめっき特有の低接触抵抗を安定して得られず、加えて、リフロー処理のための熱処理炉の設置が必要であり、設備コストの上昇の問題がある。
特許文献3に記載されためっきを施した銅または銅合金は、Snめっき皮膜形成後にリフロー処理したものであるため、安定してSnめっき特有の低接触抵抗を安定して得られず、加えて、リフロー処理のための熱処理炉の設置が必要であり、設備コストの上昇の問題がある。
特許文献4に記載された光沢スズめっき法は、被めっき体に表面に無光沢スズめっきを行い、このめっき膜上に光沢スズめっきを行ったものであって、最表層の光沢スズめっきは、内部応力が高く、ウィスカが発生しやすいという問題がある。
特許文献5に記載された錫めっき金属板は、金属板上に、光沢剤濃度を変化させた錫めっき浴を用いて、炭素含有量を制限した光沢錫めっき層を形成したものであって、最表層の光沢錫めっき層は、内部応力が高いので、炭素含有量を制限しただけではウィスカの発生を十分に抑制することは難しいという問題がある。
特許文献6に記載された電子部品用リード部材は、芯材の表面に無光沢錫めっきと光沢錫めっきとで構成されており、最表層が光沢錫めっきであり、めっき中の内部応力が高いため、厳しい使用環境下では、ウィスカの発生を十分に抑制することはできないという問題がある。
特許文献7に記載されたリフローSnめっき部材は、導電性基材の表面に、SnまたはSn合金層からなる無光沢Snめっきと、SnまたはSn合金からなる光沢Snめっきを順次形成した後に、リフロー処理をするものであるため、Snめっき自体と比べて、接触抵抗が大きくなる傾向があり、加えて、リフロー処理のための熱処理炉の設置が必要であり、設備コストの上昇の問題もある。
このため、Snめっき皮膜形成後に高温熱処理を行わなくてもウィスカの発生を防止できる技術を開発することが望まれるようになってきた。
特開2003−171790号公報 特開2004−68026号公報 特開2003−293187号公報 特開昭51−143533号公報 特開平2−270986号公報 特開2003−105586号公報 特開2005−105307号公報
本発明の目的は、特にSnめっき皮膜形成後にリフロー処理のような高温熱処理を行うことなく、優れた耐ウィスカ性およびレーザ溶接性と低接触抵抗とを有するSnめっき材料およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)金属基材上にSnめっき皮膜を有するSnめっき材料であって、前記Snめっき皮膜は、少なくとも1層の光沢Snめっき層と、少なくとも1層の無光沢Snめっき層とを、1層ずつ交互に積層して形成した複層Snめっきからなり、該複層Snめっきを構成する最上層が無光沢Snめっき層であることを特徴とするSnめっき材料。
(2)前記Snめっき皮膜は、1層の光沢Snめっき層と1層の無光沢Snめっき層との複層Snめっきからなる上記(1)に記載のSnめっき材料。
(3)前記Snめっき皮膜は、1層の光沢Snめっき層と2層の無光沢Snめっき層との複層Snめっきからなる上記(1)に記載のSnめっき材料。
(4)前記Snめっき皮膜は、2層の光沢Snめっき層と2層の無光沢Snめっき層との複層Snめっきからなる上記(1)に記載のSnめっき材料。
(5)前記金属基材が、鉄、銅およびアルミニウムの群から選択されるいずれかの金属または合金からなる上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のSnめっき材料。
(6)前記金属基材と前記Snめっき皮膜との間に、鉄、銅、コバルトおよびニッケルの群から選択されるいずれか1種の金属または合金からなる1層の下地めっき層をさらに有する上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のSnめっき材料。
(7)前記金属基材と前記Snめっき皮膜との間に、鉄、銅、コバルトおよびニッケルの群から選択されるいずれか2種の金属または合金のそれぞれからなる2層の下地めっき層をさらに有する上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のSnめっき材料。
(8)金属基材上に、直接、またはCuめっき層を介して、もしくはNiめっき層およびCuめっき層を介して間接的にSnめっき皮膜を形成するSnめっき材料の製造方法であって、前記Snめっき皮膜は、電析法により、少なくとも1層の光沢Snめっき層と少なくとも1層の無光沢Snめっき層とを、1層ずつ交互に積層し、最表層が無光沢Snめっき層となる複層めっきとして形成され、その後、熱処理を行わないか、あるいは、150℃未満の低温での熱処理のみを行うことを特徴とするSnめっき材料の製造方法。
本発明によれば、特にSnめっき皮膜形成後にリフロー処理のような高温熱処理を行うことなく、優れた耐ウィスカ性およびレーザ溶接性と低接触抵抗とを有するSnめっき材料およびその製造方法を提供することが可能になった。
図1は、本発明に従う代表的なSnめっき材料の断面図である。 図2は、本発明の別のSnめっき材料の断面図である。 図3は、本発明の他のSnめっき材料の断面図である。 図4は、本発明の他のSnめっき材料の断面図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら以下で説明する。
図1は、本発明に従う代表的なSnめっき材料の断面構成を模式的に示したものである。図1に示すSnめっき材料1は、金属基材2と、その金属基材2上に配置されたSnめっき皮膜3とで構成されている。
ここで、金属基材2は、本発明の効果を奏する観点からは、特に限定する必要はないが、缶用材料、電気製品、端子やコネクタなどの電子部品などの技術分野に使用する場合には、鉄、銅およびアルミニウムの群から選択されるいずれかの金属または合金からなることが好ましい。
そして、本発明の構成上の主な特徴は、Snめっき皮膜3を、異なる物性をもつ二種類のSnめっき層を積層した複層めっきとして形成することにあり、より具体的には、Snめっき皮膜を、少なくとも1層の光沢Snめっき層4と、少なくとも1層の無光沢Snめっき層5とを、1層ずつ交互に積層して形成した複層Snめっきとして形成し、この複層Snめっきを構成する最上層を、無光沢Snめっき層5とすることにあり、この構成を採用することによって、特にSnめっき皮膜3の形成後にリフロー処理のような高温熱処理を行うことなく、Snめっき材料1に、優れた耐ウィスカ性およびレーザ溶接性と、低接触抵抗とを具備させることができる。
すなわち、本発明者らは、低接触抵抗を本来有するSnめっき層を、最表層めっきとして形成した際に、リフロー処理のような高温熱処理を行うことなく、ウィスカ性の発生を抑制させるとともに、レーザ溶接性を向上させるための手段について鋭意検討した結果、意外にも、Snめっき皮膜を、内部応力が高く比較的硬質の光沢Snめっき層と、内部応力が低く比較的軟質の無光沢Snめっき層とを積層して複層Snめっきとして形成すると、リフロー処理のような高温熱処理を行わなくても、Snめっき皮膜全体の内部応力が経時的に小さくなり、Snめっき皮膜本来の低接触抵抗は維持しつつ、ウィスカの発生も抑制できることを見出した。さらに、Snめっき皮膜を構成する最上層を、無光沢Snめっき層とすることによって、レーザ溶接を行う際に照射されるレーザの吸収効率が高くなって、レーザ溶接性が向上することも判明し、本発明を完成するに至ったものである。
なお、本発明のSnめっき材料を構成するSnめっき皮膜全体の内部応力が経時的に小さくなるメカニズムについては定かではないが、内部応力が高い光沢Snめっき層と、内部応力が低い無光沢Snめっき層とをそれらの界面で接触するように積層することによって、それらめっき層境界では内部応力に差を生じることとなり、さらに高角粒界を有している境界を起点に再結晶粒が発生し、最終的には、内部応力の低いSnめっき層になっていくためと推定される。また、Snめっき皮膜を構成する最上層を無光沢Snめっき層とすることによってレーザ溶接性が向上するメカニズムについても定かではないが、無光沢Snめっき層の表面は、光沢Snめっき層の表面や、リフロー処理したSnめっき表面に比べて、マクロな表面粗さが大きく、照射されたレーザの反射率が低下するのに伴って吸収効率が上昇するためと推定される。
また、Snめっき皮膜を、光沢Snめっき層と無光沢Snめっき層とを積層して複層Snめっきとして形成すると、このSnめっき皮膜の硬さは、比較的硬質な光沢めっき層の硬さと、比較的軟質な無光沢めっき層の硬さの間にはならず、意外にも、無光沢めっき層の硬さよりもさらに小さくなることも判明した。よって、本発明のSnめっき材料は、曲げ加工性の向上効果も期待できることから、曲げ加工が必要な用途に使用する場合にも適している。
ここで、「異なる物性をもつ二種類のSnめっき層」とは、Snめっき層の組成自体は実質的に差がないが、めっき層中に存在する内部応力に伴う硬さの違いや、めっき層表面性状の違いなどの物性値が異なる二種類のSnめっき層を意味する。
また、光沢Snめっき層と無光沢Snめっき層の区別については、例えば、これらのSnめっき層を電析法によって形成する場合、Snめっき層を形成する際に、表面光沢を生じさせるために用いる光沢剤等の添加剤をめっき浴組成に添加して形成するSnめっき層を、光沢Snめっき層といい、表面光沢を生じさせるための添加剤をめっき浴組成に添加しないで形成するSnめっき層を無光沢Snめっき層として両者を区別することとした。
また、本発明では、最上層が無光沢めっき層であって、Snめっき皮膜を構成する光沢Snめっき層と無光沢Snめっき層とが接触するように積層されていればよいため、例えば、図2に示すように、Snめっき皮膜3を、金属基材2側から、無光沢Snめっき層5a,光沢Snめっき層4および無光沢Snめっき層5bの順に積層された、1層の光沢Snめっき層4と2層の無光沢Snめっき層5a、5bとの複層Snめっきで構成し、あるいは、図3に示すように、Snめっき皮膜3を、金属基材2側から、光沢Snめっき層4a、無光沢Snめっき層5a、光沢Snめっき層4bおよび無光沢Snめっき層5bの順に積層された、2層の光沢Snめっき層4a、4bと2層の無光沢Snめっき層5a、5bとの複層Snめっきで構成してもよく、光沢Snめっき層と無光沢Snめっき層の層数は、必要に応じて増減させることができる。
なお、Snめっき皮膜の内部応力を有効に低減させる観点からは、光沢Snめっき層および無光沢Snめっき層の各Snめっき層の厚さをできるだけ薄くして、配設層数を多くすることが再結晶の発生を促進する上で好ましいが、配設層数の上限は、製造上の点から実質的に制限される。
また、本発明は、金属基材2とSnめっき皮膜3との間に、必要に応じて鉄、銅、コバルトおよびニッケルの群から選択されるいずれか1種の金属または合金からなる1層の下地めっき層をさらに設けることもできる。図4は、本発明の他のSnめっき材料の断面構成を示したものであって、金属基材2側から、Niめっき層6、銅めっき層7、光沢めっき層4および無光沢めっき層5を順に積層形成したものである。
なお、上述した実施形態では、Snめっき皮膜を構成する光沢Snめっき層および無光沢Snめっき層を電析法で形成する場合で説明してきたが、Snめっき皮膜3を、異なる物性をもつ二種類のSnめっき層を積層した複層めっきとして形成することができるのであれば、無電解めっき法のような他の湿式めっき法や、蒸着法のような乾式めっき法によって形成することも可能である。
次に、本発明のSnめっき材料の製造方法の一例を以下で説明する。
本発明のSnめっき材料の製造方法は、金属基材2を、常法による脱脂、酸洗を順次行った後、この金属基材2上に、電析法により、直接、少なくとも1層の光沢Snめっき層と少なくとも1層の無光沢Snめっき層とを、1層ずつ交互に積層し、最表層が無光沢Snめっき層となるように形成する。
また、必要に応じて、Snめっき皮膜形成前に、金属基材2上に、電析法によって、Cuめっき層を形成した後、あるいは、電析法によってNiめっき層とCuめっき層を順次形成した後に、Snめっき皮膜を形成してもよい。
本発明のSnめっき材料を構成する、光沢Snめっき層、無光沢めっき層、銅めっき層およびNiめっき層を形成するのに好適なめっき浴およびめっき条件を、一例として表1に示す。めっき層の厚さの調整はめっき時間によって調整を図った。めっき層の厚さの確認は、たとえば蛍光X線にめっき厚分析等の測定によって確認することができる。
Figure 2014162944
そして、本発明のSnめっき材料は、Snめっき皮膜形成後、常温で、1日から1週間程度の期間にわたって大気中に放置しておけばよく、従来のSnめっき材料において、Snめっき皮膜形成後に行われているリフロー処理のような高温熱処理は省略することができるが、光沢Snめっき層と無光沢Snめっき層の境界からの再結晶粒の発生を促進する観点から、150℃未満の低温での熱処理であれば行ってもよい。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の例を示したにすぎず、特許請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
次に、この発明に従うSnめっき材料を試作し、性能評価を行ったので、以下で説明する。
発明例1〜21は、金属基材として銅合金(古河電工(株)製FAS−680組成:Ni2.3質量%、Si0.55質量%、Zn0.5質量%、Sn0.15質量%、Mg0.1質量%、残部はCu及び不可避不純物)を用い、この銅合金基材上に、表1に示すめっき浴組成及びめっき条件の下、表2に示す皮膜構成のめっき皮膜を形成してSnめっき材料を試作した。なお、試作したSnめっき材料の一部については、その後、表2に示す低温熱処理を行った。
比較のため、Snめっき皮膜を1層の無光沢Snめっき層で形成した比較例1、Snめっき皮膜を1層の光沢Snめっき層で形成した比較例2、Snめっき皮膜を1層のSnめっき層で形成した後、240℃で6秒間のリフロー処理を行った比較例3および4、並びに、Snめっき皮膜を、1層の光沢Snめっき層と1層の無光沢Snめっき層で形成し、最表層を光沢Snめっき層とした比較例5についても併せて試作したので、発明例と同様に性能を評価した。
各試作材の性能評価は、Snめっき皮膜の硬さ、耐ウィスカ性、接触抵抗およびレーザ溶接性について行った。
(性能評価)
1.Snめっき皮膜の硬さ
Snめっき皮膜の硬さは、JIS Z2251:2009の「ヌープ硬さ試験−試験方法」に規定されている方法に準拠して測定を行った。測定条件は、荷重:1g、時間:15秒である。表2に硬さの評価結果を示す。なお、表2中に示す硬さは、ヌープ硬さが30HK以下の場合を「◎」50HK以下の場合を「○」、50HK超えの場合を「×」として記載した。
2.耐ウィスカ性
耐ウィスカ性は、JEITA RC−5241に準拠した外部応力型ウィスカ試験([2]荷重試験)により評価した。
ウィスカ試験条件は、球圧子法 1mmφのジルコニア球を用いた一定荷重(標準条件2N)、試験時間120h、室温条件で行い、ウィスカの発生の有無と発生時の長さを調査した。表2に耐ウィスカ性の評価結果を示す。なお、表2中に示す耐ウィスカ性は、ウィスカ長が、2μm未満の場合を「◎」、2μm以上10μm未満の場合を「○」、そして、10μm以上の場合を「×」として示す。
3.接触抵抗
接触抵抗の測定は、四端子法によって行った。測定条件は、荷重:10gf,曲率半径R2.5mmのAgプローブを用いた。表2に接触抵抗の評価結果を示す。なお、表2中に示す接触抵抗は、5mΩ以下の場合を「○」、5mΩ超えの場合を「×」として示す。
4.レーザ溶接性
レーザ溶接性は、グロスメータ(日本電色工業製Gloss Meter VG2000)を用い,各種Snめっき条の光沢度を測定し評価した。試験条件は、入射/受光角を60度とし、圧延方向に平行/垂直の向きに各3点ずつ(N=3)測定した。表2にレーザ溶接性の評価結果を示す。なお、表2中に示すレーザ溶接性は、圧延方向、直角方向のいずれの方向も光沢度の平均値が600未満である場合を「○」、いずれか一方でも600以上である場合を「×」として示す。
Figure 2014162944
表2に示す評価結果から、発明例1〜21は、いずれもSnめっき層の硬さが軟らかく、耐ウィスカ性およびレーザ溶接性に優れ、接触抵抗が低かった。
これに対し、比較例1は、耐ウィスカ性が悪く、比較例2は、Snめっき層の硬さが硬く、耐ウィスカ性とレーザ溶接が劣っており、比較例3および4は、接触抵抗が高く、レーザ溶接が劣っており、そして、比較例5は、耐ウィスカ性とレーザ溶接が劣っていた。
本発明によれば、特にSnめっき皮膜形成後にリフロー処理のような高温熱処理を行うことなく、優れた耐ウィスカ性およびレーザ溶接性と低接触抵抗とを有するSnめっき材料およびその製造方法を提供することが可能になった。
1、1A、1B、1C Snめっき材料
2 金属基材
3 Snめっき皮膜
4、4a、4b 光沢Snめっき層
5、5a、5b 無光沢Snめっき層
6 Niめっき層
7 Cuめっき層

Claims (8)

  1. 金属基材上にSnめっき皮膜を有するSnめっき材料であって、
    前記Snめっき皮膜は、少なくとも1層の光沢Snめっき層と、少なくとも1層の無光沢Snめっき層とを、1層ずつ交互に積層して形成した複層Snめっきからなり、
    該複層Snめっきを構成する最上層が無光沢Snめっき層であることを特徴とするSnめっき材料。
  2. 前記Snめっき皮膜は、1層の光沢Snめっき層と1層の無光沢Snめっき層との複層Snめっきからなる請求項1に記載のSnめっき材料。
  3. 前記Snめっき皮膜は、1層の光沢Snめっき層と2層の無光沢Snめっき層との複層Snめっきからなる請求項1に記載のSnめっき材料。
  4. 前記Snめっき皮膜は、2層の光沢Snめっき層と2層の無光沢Snめっき層との複層Snめっきからなる請求項1に記載のSnめっき材料。
  5. 前記金属基材が、鉄、銅およびアルミニウムの群から選択されるいずれかの金属または合金からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のSnめっき材料。
  6. 前記金属基材と前記Snめっき皮膜との間に、鉄、銅、コバルトおよびニッケルの群から選択されるいずれか1種の金属または合金からなる1層の下地めっき層をさらに有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のSnめっき材料。
  7. 前記金属基材と前記Snめっき皮膜との間に、鉄、銅、コバルトおよびニッケルの群から選択されるいずれか2種の金属または合金のそれぞれからなる2層の下地めっき層をさらに有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のSnめっき材料。
  8. 金属基材上に、直接、またはCuめっき層を介して、もしくはNiめっき層およびCuめっき層を介して間接的にSnめっき皮膜を形成するSnめっき材料の製造方法であって、
    前記Snめっき皮膜は、電析法により、少なくとも1層の光沢Snめっき層と少なくとも1層の無光沢Snめっき層とを、1層ずつ交互に積層し、最表層が無光沢Snめっき層となる複層めっきとして形成され、その後、熱処理を行わないか、あるいは、150℃未満の低温での熱処理のみを行うことを特徴とするSnめっき材料の製造方法。
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