JP2014162155A - ヘッド駆動装置、ヘッド駆動装置の制御方法 - Google Patents

ヘッド駆動装置、ヘッド駆動装置の制御方法 Download PDF

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順 渡辺
Tetsumi Nakada
哲美 中田
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秀晃 飯島
Yuya Mori
雄哉 森
Toshiaki Hosokawa
俊彰 細川
Tomohiro Narata
知宏 習田
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Abstract

【課題】圧電素子を駆動させるための駆動波形にデジタル駆動波形を用いる画像形成装置が画像形成出力を実行する場合において、ヘッド制御部とキャリッジとを接続するための信号線の数を増加させることなく、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させること。
【解決手段】夫々のノズルがインク滴を吐出して描画するための画素情報を夫々のノズル毎に取得し、夫々のノズルからインク滴を吐出するタイミングを示すタイミング情報を夫々のノズル毎に取得し、駆動信号を制御するための制御信号における信号パターンの発生タイミングが、前記タイミング情報に応じて調整された調整制御信号を生成し、夫々のノズル毎に取得された画素情報及びタイミング情報の組み合わせに基づき、生成された調整制御信号に応じた駆動信号を夫々のノズル毎に生成して夫々の圧電素子に印加する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ヘッド駆動装置、ヘッド駆動装置の制御方法に関し、特に、インクジェットプリンタにおけるインク滴の吐出方法に関する。
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ及び書類の電子化に用いるスキャナ等の画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能な複合機として構成されることが多い。
上述したプリンタや複写機においては、インクを記録媒体に噴射させるインクジェットプリンタが広く用いられている。このインクジェットプリンタは、キャリッジと、同キャリッジに搭載された記録ヘッドとを備え、同キャリッジを記録媒体に対して高速に移動させながら、記録ヘッドに形成されたノズルからインクを吐出し、記録媒体に対して印刷を行うようになっている。
このようなインクジェットプリンタは、その記録ヘッドのノズル毎に、インク滴を吐出するための運動エネルギーを発生させる圧電素子を備え、その圧電素子をアクチュエータとしているものがある。そして、このようなインクジェットプリンタは、画像形成を行う際にはその圧電素子に電圧を印加することによりその圧電素子を機械的に変形させて、各ノズルに通じる夫々のインク室に圧力を発生し、インク滴を吐出するようになっている。
ところが、このようなインクジェットプリンタにおける画像形成の際、記録画像の各画素の階調データに関係なくインク滴を吐出したのでは、印刷結果における記録画像の再現性は低いものとなってしまい、印刷品質が悪くなってしまう。そこで、このようなインクジェットプリンタにおいては、各画素の階調データに応じて異なる波形(以下、「駆動波形」とする)をもつ駆動電圧を各圧電素子に印加することにより、吐出される液滴のサイズを調整して階調表現を行い、印刷品質を向上させている。
このように、各画素の階調データに応じて異なる駆動波形をもつ駆動電圧を印加するインクジェットプリンタとして、駆動波形にアナログ駆動波形を用いているものがある。この種のインクジェットプリンタにおいては、駆動波形としてアナログ駆動波形を用いることにより電圧振幅や時間変化を任意に設定できるため、吐出させる液滴サイズの変調範囲を大きくすることができ、所望の滴サイズの液滴を吐出させることが可能である。しかし、アナログ駆動波形を用いる場合、圧電素子に駆動電圧を印加するためにキャリッジに備えられている駆動回路が大型化してしまう。また、消費電力が大きいという問題点がある。
そこで、近年、駆動回路の小型化・低コスト化・省エネルギー化を目的として、駆動波形にオンとオフとの2値の情報で表現されるデジタル駆動波形を用いるインクジェットプリンタがある。このような、駆動波形にデジタル駆動波形を用いるインクジェットプリンタにおいては、駆動回路を小型化し、消費電力を低減させることが可能となる。
ところで、このような、デジタル駆動波形を用いるインクジェットプリンタにおいては、画像形成出力するべき画像によっては一度に複数の圧電素子を駆動させなければならない場合があり、このような場合には必要となる電流がその瞬間に集中してしまって、駆動回路に電力を供給するための電源装置に過大な負荷がかかり、また、駆動回路に瞬間的に大きな電流が流れてしまうことになる。従って、このように、デジタル駆動波形を用いるインクジェットプリンタにおいて、一度に複数の圧電素子を駆動させなければならない場合、電源装置及び駆動回路に発熱や破損が発生する可能性がある。
そこで、電源装置が供給する瞬間消費電力を低減し、また、駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させるために、液体吐出ヘッドの圧力発生素子を駆動するための駆動信号波形を生成する複数の駆動波形発生回路と、駆動波形発生回路を選択的に切り替える回路選択手段と、画像データに基づき、各駆動波形発生回路の瞬間消費電流がそれぞれ所定の許容値以下となるように、駆動に使用する少なくとも1つの駆動波形発生回路を選択し、圧力発生素子との接続を制御する接続制御手段と、電源の瞬間消費電流が所定の上限値以下となるように、複数の駆動信号波形の位相を制御する位相制御手段を備える画像形成装置が開示されている(特許文献1)。
特許文献1に記載されている画像形成装置によれば、1つの圧力発生素子に対して複数の駆動波形発生回路から駆動信号波形を選択的に印加できるため、画像データに基づいて、複数の駆動波形発生回路を選択して使い分けることができ、各駆動波形発生回路が負担する負荷を分散させることが可能となる。これにより、電源装置が供給する瞬間消費電力を低減し、また、駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させることが可能となる。
ところが、特許文献1に記載されている画像形成装置においては、ヘッド制御部からキャリッジに備えられている駆動回路に対して、タイミングが異なる駆動波形をそれぞれ別々に出力する必要があるため、ヘッド制御部とキャリッジとを接続するための信号線の数が増加してしまうといった問題がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、圧電素子を駆動させるための駆動波形にデジタル駆動波形を用いる画像形成装置が画像形成出力を実行する場合において、ヘッド制御部とキャリッジとを接続するための信号線の数を増加させることなく、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させることを目的とする。
上記課題を解決するために、記録ヘッドに配置されたノズル毎に備えられた圧電素子に駆動信号を印加することにより前記ノズルからインク滴を吐出することで画像形成出力を実行する画像形成装置におけるヘッド駆動装置であって、夫々の前記ノズルがインク滴を吐出して描画するための画素情報を夫々の前記ノズル毎に取得する画素情報取得部と、夫々の前記ノズルからインク滴を吐出する際のタイミングを示すタイミング情報を夫々の前記ノズル毎に取得するタイミング情報取得部と、前記画素情報に応じた信号パターンにより前記駆動信号を制御するための制御信号における前記信号パターンの発生タイミングが、前記タイミング情報に応じて調整された調整制御信号を生成する調整制御信号生成部と、夫々の前記ノズル毎に取得された前記画素情報及び前記タイミング情報の組み合わせに基づき、生成された前記調整制御信号に応じた駆動信号を夫々の前記ノズル毎に生成して夫々の前記圧電素子に印加する駆動信号印加部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の他の態様は、記録ヘッドに配置されたノズル毎に備えられた圧電素子に駆動信号を印加することにより前記ノズルからインク滴を吐出することで画像形成出力を実行する画像形成装置におけるヘッド駆動装置の制御方法であって、夫々の前記ノズルがインク滴を吐出して描画するための画素情報を夫々の前記ノズル毎に取得し、夫々の前記ノズルからインク滴を吐出するタイミングを示すタイミング情報を夫々の前記ノズル毎に取得し、前記画素情報に応じた信号パターンにより前記駆動信号を制御するための制御信号における前記信号パターンの発生タイミングが、前記タイミング情報に応じて調整された調整制御信号を生成し、夫々の前記ノズル毎に取得された前記画素情報及び前記タイミング情報の組み合わせに基づき、生成された前記調整制御信号に応じた駆動信号を夫々の前記ノズル毎に生成して夫々の前記圧電素子に印加することを特徴とする。
本発明によれば、圧電素子を駆動させるための駆動波形にデジタル駆動波形を用いる画像形成装置が画像形成出力を実行する場合において、ヘッド制御部とキャリッジとを接続するための信号線の数を増加させることなく、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させることができる。
本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタを鉛直上方から見たときの透過図である。 本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタの機能構成を模式的に示すブロック図である。 本発明の嫉視形態に係るインクジェットプリンタが生成する制御信号の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタが備えるヘッド制御部及びヘッドドライバの機能構成を模式的に示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る制御信号生成部が生成する制御信号と液滴サイズとの対応関係の一例を示す表である。 本発明の実施形態に係るデータ転送部が転送する画像データと制御信号との対応関係の一例を示す表である。 本発明の実施形態に係る補正パラメータ算出部が生成する補正パラメータと遅延量との対応関係の一例を示す表である。 本発明の実施形態に係る補正制御信号生成部が生成する補正制御信号CWD、遅延量、制御信号WDの対応関係の一例を示す表である。 本発明の実施形態に係る画像データ用シフトレジスタが記憶する画像データ及び補正パラメータの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタが制御信号に応じた駆動電圧を圧電素子に印加する際の様子を示す図である。 従来のインクジェットプリンタにおいて、複数のノズルの圧電素子に一度に駆動電圧を印加する場合の各ノズルの圧電素子に印加される駆動電圧、及び、その際に消費される電流を経時的に示す図である。 本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタにおいて、本来ならば複数のノズルの圧電素子に一度に駆動電圧を印加しなければならない場合の各ノズルの圧電素子に印加される駆動電圧、及び、その際に消費される電流を経時的に示す図である。 本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタが備える補正パラメータ算出部の機能構成を模式的に示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る画像データ用シフトレジスタに画像データ及び補正パラメータが入力される際のタイミングチャートである。 本発明の他の実施形態に係るインクジェットプリンタが備える補正パラメータ算出部の機能構成を模式的に示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る画像データ用シフトレジスタが記憶する画像データ及び補正パラメータの一例を示す図である。 本発明のさらに他の実施形態に係るインクジェットプリンタが備える補正パラメータ算出部の機能構成を模式的に示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタに設定されている印刷モードと、そのときに補正可否判断部に入力される補正判断データCJとの対応関係を示す表である。 本発明の実施形態に係る補正可否判断部が生成する補正可否データCRWと、そのときの補正判断データCJの値との対応関係を示す表である。 本発明の実施形態に係るセレクタが選択する値と、補正可否判断部から入力された補正可否データCRWとの対応関係を示す表である。 本発明のさらに他の実施形態に係るインクジェットプリンタが備える補正パラメータ算出部の機能構成を模式的に示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るカウント設定データCSとカウント設定との対応関係の一例を示す表である。 本発明の実施形態に係るカウント設定判断部が、ラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化した時の転送データSDの値に基づいて、カウント設定データCSであるか否かを判断する際のその転送データSDの値と判断結果との対応関係を示す表である。 本発明の実施形態に係るセレクタが選択する値と、カウント設定部から入力されたカウント設定データCSとの対応関係を示す表である。
実施の形態1.
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、画像形成装置の例として、キャリッジと、同キャリッジに搭載された記録ヘッドとを備え、同キャリッジを記録媒体に対して高速に移動させながら、記録ヘッドに形成されたノズルからインク滴を吐出し、記録媒体に対して印刷を行うインクジェットプリンタを例として説明する。
このインクジェットプリンタは、記録ヘッドのノズル毎に、インク滴を吐出するための運動エネルギーを発生させる圧電素子を備え、その圧電素子に駆動信号としての駆動電圧を印加することによりその圧電素子を機械的に変形させて、各ノズルに通じる夫々のインク室に圧力を発生し、インク滴を吐出するようになっている。
尚、本実施形態に係るインクジェットプリンタは、各画素の階調データに応じて異なる波形(以下、「駆動波形」とする)をもつ駆動電圧を各圧電素子に印加することにより、吐出される液滴のサイズを調整して階調表現を行うように構成されている。また、本実施形態に係るインクジェットプリンタは、HighとLowとの2値の情報で表現されるデジタルの制御信号における、そのHighとLowとの発生タイミングに応じた、即ち、制御信号における信号パターンに応じたデジタル駆動波形を用いる。即ち、本実施形態に係るインクジェットプリンタは、駆動波形の形状として、電圧を印加するか否か(オン/オフ)の切り替えタイミングのみで決定されるデジタル駆動波形を用いる。
また、本実施形態に係るインクジェットプリンタは、装置全体を制御するコントローラに備えられているヘッド制御部において上記制御信号を生成し、信号線を介してキャリッジに備えられているヘッド駆動装置としてのヘッドドライバに送信するように構成されている。そして、ヘッドドライバは、受信した制御信号に応じたデジタル駆動波形をもつ駆動電圧を各圧電素子に印加するように構成されている。
このようなインクジェットプリンタにおいて、本実施形態に係る要旨の一つは、画像形成出力を実行する場合において、ヘッド制御部とキャリッジとを接続するための信号線の数を増加させることなく、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させることにある。
そのために、本実施形態に係るインクジェットプリンタは、本来ならば複数の圧電素子に一度に駆動電圧を印加しなければならない場合であっても、一度に複数の圧電素子に駆動電圧を印加しないように、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを補正するための補正パラメータを圧電素子毎に設定し、その補正パラメータに応じたタイミングで各圧電素子に駆動電圧を印加するように構成されている。
具体的には、本実施形態に係るインクジェットプリンタは、各圧電素子に設定される補正パラメータに応じて、ヘッド制御部からキャリッジに入力された制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングを時間的に遅延させ、遅延されたその制御信号(以下、「補正制御信号」とする)に応じた駆動電圧を圧電素子に印加するように構成されている。
従って、本実施形態に係るインクジェットプリンタは、複数の圧電素子に一度に駆動電圧を印加しなければならない場合であっても、各圧電素子に駆動電圧を印加する際のタイミングをずらすための制御信号をヘッド制御部からキャリッジに送信する必要がなく、遅延する前の通常の制御信号を送信するだけで、各圧電素子に駆動電圧を印加する際のタイミングを分散させることが可能となる。以下、図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の内部構成及び機構部について説明する。図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1をその上方から見たときの透過図である。尚、図1においては、図1に向かって左右方向がキャリッジの走査方向であり、この方向を主走査方向とし、その主走査方向に垂直であって記録面に対して水平な方向を副走査方向とする。
図1に示すように本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、主走査モータ2、ガイドロッド3、キャリッジ4、記録ヘッド5、エンコーダセンサ7、駆動プーリ9、従動プーリ10、主走査ベルト11、エンコーダスケール12、搬送ベルト13、搬送ローラ14、テンションローラ15、副走査モータ16、搬送駆動プーリ17、搬送ローラプーリ18、副走査ベルト19、記録媒体20、エンコーダセンサ21、エンコーダホイール22を備えている。
ガイドロッド3は、図1に示す主走査方向に対して平行に固定されたガイド部材であり、キャリッジ4を図1に示す主走査方向に摺動自在に保持する。キャリッジ4は、ガイドロッド3により図1に示す主走査方向に摺動自在に保持され、主走査モータ2により、駆動プーリ9と従動プーリ10との間に渡されている主走査ベルト11を介して移動走査する。
また、キャリッジ4はさらに、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(k)の各色のインク滴を吐出するための記録ヘッド5を備えている。記録ヘッド5は、各色独立した4個の液滴吐出ヘッド5c、5m、5y、5kから構成されている。尚、記録ヘッド5は、各色の液滴を吐出する4個のノズル列を有する1個の液滴吐出ヘッドを備えるように構成されていても良いし、さらに多くの液滴吐出ヘッドから構成されるようにしても良い。
これら4個の液滴吐出ヘッド5c、5m、5y、5kはそれぞれ、図1に示す副走査方向に対して平行に配置されている。また、これら4個の液滴吐出ヘッド5c、5m、5y、5kは、図1に示す主走査方向に配列され、液滴吐出方向を記録媒体の記録面に向けてキャリッジ4に装着されている。また、後述するように、これら4個の液滴吐出ヘッド5c、5m、5y、5kは、ノズル毎にインク滴を吐出するための運動エネルギーを発生させる圧電素子を備え、その圧電素子を圧力発生手段である圧電アクチュエータとしている。
キャリッジ4にはエンコーダセンサ7が設けられている。エンコーダセンサ7は、図1に示すように主走査方向に沿って備え付けられているエンコーダスケール12のスリットを検出することにより、キャリッジ4の主走査方向の位置を検知するためのリニアエンコーダとして構成されている。
搬送ベルト13は、無端状ベルトであり、搬送ローラ14とテンションローラ15との間に掛け渡されて構成されている。搬送ベルト13は、副走査モータ16により、搬送駆動プーリ17と搬送ローラプーリ18との間に渡された副走査ベルト19を介して搬送ローラ14が回転駆動することによって、図1に示す副走査方向に周回移動する。尚、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、給紙された記録媒体20を搬送ベルト13に静電吸着して記録ヘッド5による記録領域まで搬送することができる。
エンコーダセンサ21は、この搬送ベルト13の副走査方向の位置を検知する。即ち、エンコーダセンサ21は、搬送ローラ14と同軸に備え付けられているエンコーダホイール22のスリットを検出することにより、搬送ベルト13の副走査方向の位置を検知するためのホイールエンコーダとして構成されている。
上記の内部構成及び機構部の他、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、インクジェットプリンタ1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースや、ユーザがインクジェットプリンタ1を直接操作し、若しくはインクジェットプリンタ1に対して情報を入力する際の入力インタフェースを備える。
また、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、SD(Secure Digital)メモリーカード等の外部記憶媒体から情報を受け取るためのインタフェースや、ネットワーク経由で外部から情報を受け取るためのネットワークインタフェースを備える。
さらに、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1には、ホスト装置との間でデータを送受信するためのUSB(Universal Serial Bus)などの通信回路部(インタフェース)が設けられるとともに、インクジェットプリンタ1全体の制御を司る制御部を構成する制御回路基板が設けられている。
このように構成されたインクジェットプリンタ1は、記録ヘッド5による記録領域に相当する位置において給紙された記録媒体20を停止し、入力された描画情報に基づいてキャリッジ4をガイドロッド3に沿って走査させながら記録ヘッド5の各液滴吐出ヘッドを駆動させることにより給紙された記録媒体20にインク滴を吐出させて1行分を記録する。
1行分の記録が終了したら、インクジェットプリンタ1は、給紙された記録媒体20を所定量搬送し、同様にして次の行の記録を行う。そして、インクジェットプリンタ1は、記録終了信号を受信するか、給紙された記録媒体20の後端が記録ヘッド5による記録領域を通過したことを知らせる信号を受信することにより、記録動作を終了して記録媒体20を図示しない排紙トレイに排紙する。
次に、図2を参照して本実施形態に係るインクジェットプリンタ1のハードウェア構成及び機能構成を説明する。図2は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1のハードウェア構成及び機能構成を模式的に示すブロック図である。尚、図2においては、電気的接続を実線の矢印で示している。また、図2において、図1と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。
図2に示すように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、図1において示した構成に加えて、コントローラ8、プリンタドライバ23、操作パネル24を備えている。
プリンタドライバ23は、PC(Personal Computer)等の情報処理端末や、イメージスキャナ等の画像読取装置、デジタルカメラ等の撮像装置等のホスト装置において印刷データを生成し、コントローラ8に入力する。
コントローラ8は、画像形成装置1全体を制御する制御部として機能し、CPU(Central Processing Unit)810、ROM(Read Only Memory)820、RAM(Random Access Memory)830、NVRAM(Non Volatile RAM)840、I/O(Input/Output)850、ホストI/F(Interface)860、主走査モータ駆動部870、ヘッド制御部880、副走査モータ駆動部890を備える。
CPU810は演算手段であり、インクジェットプリンタ1全体の動作を制御する。即ち、CPU810は、キャリッジ4の移動動作や記録媒体20の搬送動作、記録ヘッド5の駆動等に関する制御を行う。ROM820は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。
RAM830は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU810が情報を処理する際の作業領域として用いられる。NVRAM840は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。
このようなハードウェア構成において、ROM820やNVRAM840若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM830に読み出され、CPU810がRAM830にロードされたプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の機能を実現する機能ブロックが構成される。
I/O850は、エンコーダセンサ7及びエンコーダセンサ21からの検出パルスや、図示しないカバー開閉センサからの検知信号をコントローラ8に入力する。また、I/O850は、その他の各種センサからの検知信号をコントローラ8に入力する。ホストI/F860は、上記ホスト装置とネットワークやUSBケーブル等を介してデータの送受信を行う。主走査モータ駆動部870は主走査モータ2を駆動させる。副走査モータ駆動部890は副走査モータ16を駆動させることにより搬送ベルト13を周回移動させる。
ヘッド制御部880は、記録ヘッド5の各液滴吐出ヘッドを駆動するための制御信号を生成すると共に、各液滴吐出ヘッドの圧電素子を選択駆動させる画像データ及びそれに伴う各種データをヘッドドライバ6に出力する。
操作パネル24は、ユーザがインクジェットプリンタ1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。また、操作パネル24は、インクジェットプリンタ1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザがインクジェットプリンタ1を直接操作し、若しくはインクジェットプリンタ1に対して情報を入力する際の入力インタフェースでもある。即ち、操作パネル24は、ユーザによる操作を受けるための画像を表示する機能を含む。
ヘッドドライバ6は、ヘッド制御部880から入力される記録ヘッド5の1行分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)に基づいて、後述する制御信号生成部883から与えられる制御信号に応じて、記録ヘッド5の各液滴吐出ヘッドの圧電素子に対して駆動電圧を印加することで記録ヘッド5の各液滴吐出ヘッドを駆動する。
次に、本実施形態に係るヘッド制御部880及びヘッドドライバ6の機能構成について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係るヘッド制御部880及びヘッドドライバ6の機能構成を模式的に示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態に係るヘッド制御部880は、データ転送部881、ラッチ信号送信部882、制御信号生成部883を含む。また、本実施形態に係るヘッドドライバ6は、画像データ用シフトレジスタ610、画像データラッチ部620、階調デコーダ630、電圧印加部640、補正制御信号生成部650、補正パラメータ算出部660を含む。
制御信号生成部883は、微駆動、小滴、中滴、大滴の各滴サイズに対応する4種類の制御信号を生成して補正制御信号生成部650に出力する。尚、本実施形態においては、微駆動、小滴、中滴、大滴の各滴サイズに対応する制御信号はそれぞれ、WD[0,0]、WD[0,1]、WD[1,0]、WD[1,1]のように、2ビットの情報で識別される。
ここで、本実施形態に係る制御信号生成部883が生成する制御信号WDについて、図4及び図5を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る制御信号生成部883が生成する制御信号の一例を示す図である。図5は、本実施形態に係る制御信号生成部883が生成する制御信号と液滴サイズとの対応関係の一例を示す表である。
図4に示すように、本実施形態に係る制御信号生成部883は、制御信号WD[0,0]、制御信号WD[0,1]、制御信号WD[1,0]、制御信号WD[1,1]の4種類の制御信号を生成するように構成されており、それらの制御信号の駆動波形は、上述したように、電圧を印加するか否か(オン/オフ)の切り替えのみで表現されるデジタル駆動波形である。
また、図5に示すように、制御信号WD[1,1]、制御信号WD[1,0]、制御信号WD[0,1]は、各々のノズルから、それぞれ大滴、中滴、小滴のインク滴を吐出させるためのものであり、そのインク滴の液滴量は、大滴>中滴>小滴となっている。制御信号WD[0,0]は、印加によってインクがノズルより吐出はされないが、ノズルの開口付近のインクが振動するため、乾燥によるインクの増粘を防ぐことができる。
このように、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングは、ノズルから吐出するインク滴の大きさに応じて異なる。尚、以下では、制御信号WD[1,1]、制御信号WD[1,0]、制御信号WD[0,1]、制御信号WD[0,0]をそれぞれ、大滴制御信号、中滴制御信号、小滴制御信号とも呼称する。
データ転送部881は、転送データSDとして、印字画像に応じた1ノズルあたり2ビット(大滴、中滴、小滴、微駆動の4値に対応)の画像データ、PD[0,0]、PD[0,1]、PD[1,0]、PD[1,1]を転送クロックSCKによって画像データ用シフトレジスタ610にシリアル転送する。ここで、本実施形態に係るデータ転送部881が転送する画像データPDについて、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係るデータ転送部881が転送する画像データと制御信号との対応関係の一例を示す表である。
図6に示すように、本実施形態に係るデータ転送部881が画像データ用シフトレジスタ610に転送する画像データPD[0,0]、画像データPD[0,1]、画像データPD[1,0]、画像データPD[1,1]はそれぞれ、制御信号WD[0,0]、制御信号WD[0,1]、制御信号WD[1,0]、制御信号WD[1,1]に対応付けられている。
従って、画像データ用シフトレジスタ610における各ノズルに対応するレジスタには、各々のノズルから吐出させるインク滴の液滴量に応じた画像データが記憶されることになる。尚、以下では、画像データPD[0,0]、画像データPD[0,1]、画像データPD[1,0]、画像データPD[1,1]をそれぞれ、大滴画像データ、中滴画像データ、小滴画像データ、微駆動画像データとも呼称する。
ラッチ信号送信部882は、画像データ用シフトレジスタ610の各レジスト値、即ち、データ転送部881から入力された転送データSDとしての画像データPD、及び、補正パラメータ算出部660から入力された後述する補正パラメータCPを画像データラッチ部620にラッチさせるためのラッチ信号SLnを、画像データラッチ部620に送信する。
補正パラメータ算出部660は、データ転送部881から入力される転送クロックSCKを2クロック毎にカウントして、そのカウント値を後述する補正パラメータCPとして各ノズル毎に画像データ用シフトレジスタ610に出力する。換言すれば、補正パラメータ算出部660は、画像データ転送部881から画像データ用シフトレジスタ610に画像データが1ノズル分転送される毎にカウントアップして、その際のカウント値を後述する補正パラメータCPとして各ノズル毎に画像データ用シフトレジスタ610に出力する。
即ち、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660は、画像データ用シフトレジスタ610が取得する画像データの取得順位をカウントして、そのカウント値を補正パラメータCPとして各ノズル毎に画像データ用シフトレジスタ610に出力する。従って、本実施形態においては、補正パラメータ算出部660が、取得順位カウント部として機能する。また、補正パラメータ算出部660は、ラッチ信号送信部882から入力されるラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化した場合、それまでのカウント値をリセットする。
ここで、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660が生成する補正パラメータについて図7を参照して説明する。図7は、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660が生成する補正パラメータと遅延量との対応関係の一例を示す表である。
図7に示すように、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660は、4種類の補正パラメータを生成するように構成されている。尚、本実施形態においては、それら4種類の補正パラメータはそれぞれ、CP[0,0]、CP[0,1]、CP[1,0]、CP[1,1]のように、2ビットの情報で識別される。
また、図7に示すように、補正パラメータCP[0,0]、CP[0,1]、CP[1,0]、CP[1,1]は、制御信号WDにおけるHighとLowとの発生タイミング遅延させるために、その遅延量としてそれぞれ、0、t、2t、3tが対応付けられている。
尚、制御信号WDにおけるHighとLowとの発生タイミングを遅延させる際の遅延量の間隔tは、駆動電圧を印加することによって放電電流が発生する放電期間ts及び駆充電電流が発生する充電期間tf以上であるものとする。この理由については、図12を参照して後述する。
補正制御信号生成部650は、制御信号生成部883から入力された制御信号WDにおけるHighとLowとの発生タイミングを所定の遅延量だけ遅延させた補正制御信号CWDa[b,c]を生成して階調デコーダ630に出力する。ここで、所定の遅延量とは、補正パラメータCPにより識別される遅延量であって、本実施形態においては、0、t、2t、3tである。従って、本実施形態においては、補正制御信号生成部650が、調整制御信号生成部として機能し、調整制御信号としての補正制御信号を生成する。
尚、補正制御信号CWDの種類を識別するための記号であるa[b,c]におけるaは、補正前の制御信号WDに対する補正制御信号CWDの遅延量を表し、[b,c]は制御信号WDの種類を表す。即ち、補正制御信号CWDa[b,c]におけるa[0,0]、a[0,1]、a[1,0]、a[1,1]はそれぞれ、制御信号WD[0,0]、制御信号WD[0,1]、制御信号WD[1,0]、制御信号WD[1,1]を表す。
また、補正制御信号CWDa[b,c]における0[X,X]、t[X,X]、2t[X,X]、3t[X,X]はそれぞれ、補正制御信号CWDの制御信号WDに対する遅延量が、0、t、2t、3tであることを表す。尚、ここで、Xは、0若しくは1を表す。
従って、補正制御信号CWDは、遅延量の設定数nに応じて各制御信号につきn種類ずつ生成される。即ち、補正制御信号生成部650は、遅延量の設定数をn、制御信号の種類数をmとすると、n×m種類の補正制御信号CWDを生成することになる。
ここで、本実施形態に係る補正制御信号生成部650が生成する補正制御信号CWDについて、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態に係る補正制御信号生成部650が生成する補正制御信号CWD、遅延量、制御信号WDの対応関係の一例を示す表である。
本実施形態においては、上述したように、遅延量については0、t、2t、3tの4種類の遅延量が設定可能であるため設定数nは4となり、制御信号についてはWD[0,0]、WD[0,1]、WD[1,0]、WD[1,1]の4種類の制御信号があるため種類数mは4となる。従って、本実施形態に係る補正制御信号生成部650は、図8に示すように、遅延量と制御信号との組み合わせにより識別される16(n×m=4×4)種類の補正制御信号CWDを生成して、その全ての補正制御信号を階調デコーダ630に出力することになる。
画像データ用シフトレジスタ610は、図9に示すように、画像データ転送部881からシリアル転送されてくる画像データPD、及び、補正パラメータ算出部660から入力される補正パラメータCPを、各ノズル毎に対応付けて記憶する。即ち、本実施形態に係る画像データ用シフトレジスタ610は、画像データ用に2ビット、補正パラメータ用に2ビット、合計4ビット分のレジスタをノズル毎に備える。尚、図9は、本実施形態に係る画像データ用シフトレジスタ610が記憶する画像データ及び補正パラメータの一例を示す図である。
従って、本実施形態においては、画像データPDが画素情報として、補正パラメータCPがタイミング情報として、画素情報取得部及びタイミング情報取得部としての画像データ用シフトレジスタ610に取得される。
画像データラッチ部620は、ラッチ信号送信部882から出力されたラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化することにより、画像データ用シフトレジスタ610の各レジスト値、即ち、画像データ転送部881からシリアル転送されてきた画像データPD、及び、補正パラメータ算出部660から入力された補正パラメータCPをラッチして記憶する。
階調デコーダ630は、画像データラッチ部620に記憶されている画像データPD及び補正パラメータCPに基づいて図6及び図7に示した対応関係により制御信号及び遅延量を決定する。そして、階調デコーダ630は、図8に示した対応関係を参照し、決定した制御信号及び遅延量の組み合わせに対応する補正制御信号を、補正制御信号生成部650から出力された16種類の補正制御信号のうちのいずれかから選択して電圧印加部640に出力する。
電圧印加部640は、図10に示すように、階調デコーダ630から入力された補正制御信号CWDに応じた駆動電圧を各圧電素子510に印加する。そして、各圧電素子510は、印加された駆動電圧に応じて駆動することにより、各ノズルに通じる夫々のインク室に圧力を発生させる。従って、本実施形態においては、電圧印加部640が、駆動信号印加部として機能する。図10は、本実施形態に係る電圧印加部640が補正制御信号に応じた駆動電圧を圧電素子に印加する際の様子を示す図である。
このように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、画像データPDに応じた滴サイズのインク滴を、補正パラメータCPに応じたタイミングで各ノズルからインク滴を記録媒体上に吐出するようになっている。
これにより、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、複数の圧電素子に一度に駆動電圧を印加しなければならない場合であっても、ヘッド制御部880とキャリッジ4とを接続するための信号線の数を増加させることなく、各圧電素子に駆動電圧を印加する際のタイミングを分散させることが可能となる。
ここで、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1における効果を従来のインクジェットプリンタ比較することにより説明するために、従来のインクジェットプリンタにおける問題点について、図11を参照して説明する。図11は、従来のインクジェットプリンタにおいて、複数のノズルの圧電素子に一度に駆動電圧を印加する場合の各ノズルの圧電素子に印加される駆動電圧、及び、その際に消費される電流を経時的に示す図である。尚、図11においては、全ての圧電素子について同じ駆動電圧が印加されているものとする。また、図11においては、各ノズルの圧電素子について、駆動電圧が印加された瞬間に消費される電流は、充電電流が+αA、放電電流が−αAであるものとする。
図11に示すように、従来のインクジェットプリンタにおいては、複数の圧電素子に一度に駆動電圧を印加しなければならない場合、必要となる電流がその瞬間に集中してしまって、駆動回路に電力を供給するための電源装置に過大な負荷がかかり、また、駆動回路に瞬間的に大きな電流が流れてしまうことになる。
従って、従来のインクジェットプリンタにおいて、複数のノズルの圧電素子に一度に駆動電圧が印加される瞬間の消費電流は、全ノズルの圧電素子に駆動電圧が印加された瞬間に消費される電流の総計となり、充電電流が+4αA、放電電流が−4αAとなる。
そのため、従来のインクジェットプリンタにおいては、このような現象を避けるために、ヘッド制御部において圧電素子毎に少しずつタイミングの異なる制御信号を予め生成して、それらの制御信号をヘッドドライバに送信するように構成されている。
ところが、このような構成では、各圧電素子に駆動電圧を印加する際のタイミングを分散させることができても、ヘッド制御部からヘッドドライバに送信する制御信号の数がタイミングをずらした分だけ多くなってしまい、その分だけ多くの信号線を必要とする。
そのために、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、上述したように、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを補正するための補正パラメータを圧電素子毎に設定し、その補正パラメータに応じたタイミングで各圧電素子に駆動電圧を印加するように構成されている。
具体的には、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、各圧電素子に設定される補正パラメータに応じて、ヘッド制御部880からキャリッジ4に入力された制御信号WDにおけるHighとLowとの発生タイミングを時間的に遅延させ、遅延されたその制御信号(補正制御信号)に応じた駆動電圧を圧電素子に印加するように構成されている。
従って、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、各圧電素子に駆動電圧を印加する際のタイミングをずらすための制御信号をヘッド制御部880からキャリッジ4に送信する必要がなく、遅延する前の通常の制御信号WDを送信するだけで、図12に示すように、各圧電素子に駆動電圧を印加する際のタイミングを分散させることが可能となる。
図12は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1において、本来ならば複数のノズルの圧電素子に一度に駆動電圧を印加しなければならない場合の各ノズルの圧電素子に印加される駆動電圧、及び、その際に消費される電流を経時的に示す図である。尚、図13においては、図11と同様に、全ての圧電素子について同じ駆動電圧が印加されているものとする。また、図12においては、図11と同様に、各ノズルの圧電素子について、駆動電圧が印加された瞬間に消費される電流は、充電電流が+αA、放電電流が−αAであるものとする。
図12に示すように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、本来ならば複数のノズルの圧電素子に一度に駆動電圧を印加しなければならない場合であっても、一度に複数のノズルの圧電素子に駆動電圧を印加しないように、印加する際のタイミングを各ノズル毎に遅延させるように構成されている。
また、図12に示すように、この際、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、駆動電圧を印加する際のタイミングの遅延量がどのノズル間においても、放電期間ts及び充電期間tf以上となるように、印加する際のタイミングを各ノズル毎に遅延させるように構成されている。ここで、放電期間とは、駆動電圧を印加することによって、放電電流が発生する期間tsのことであり、充電期間とは、駆動電圧を印加することによって、充電電流が発生する期間のことである。
これは、駆動電圧を印加する際のタイミングの遅延量(図12おけるt、t、t)が、放電期間ts及び充電期間tfよりも小さい場合、圧電素子に駆動電圧が印加されるタイミングが完全に分散されず、ある程度タイミングが重なってしまうといったことを回避するためである。
このように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1においては、複数の圧電素子に一度に駆動電圧を印加しなければならない場合であっても、各圧電素子に駆動電圧を印加する際のタイミングをずらすための制御信号をヘッド制御部880からキャリッジ4に送信する必要がなく、遅延する前の通常の制御信号を送信するだけで、各圧電素子に駆動電圧を印加する際のタイミングを分散させることが可能となる。
このように構成された結果、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、ヘッド制御部880とキャリッジ4とを接続するための信号線の数を増加させることなく、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させること可能となる。
次に、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660の機能構成について、図13を参照して説明する。図13は、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660の機能構成を摸式的に示すブロック図である。図13に示すように、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660は、インクリメント回路661、D型フリップフロップ(以下、「D−FF」とする)662を含む。
インクリメント回路661は、入力された値に1を加算して出力する2ビットのインクリメント回路である。図13に示すように、本実施形態に係るインクリメント回路661に入力される値はD−FF662の出力端子Qから出力された値であり、その出力値は、D−FF662の入力端子Dに出力される。尚、本実施形態に係るインクリメント回路661は、初期値として0を出力するように構成されている。
D−FF662は、CLK端子Cに入力されるクロックが立ち上がった時に入力端子Dの入力値を出力端子Qから出力するフリップフロップ回路である。D−FF662のCLK端子Cには、データ転送部881から転送クロックSCKが入力され、リセット端子Rにはラッチ信号送信部882からラッチ信号SLnが入力される。
また、D−FF662は、リセット端子Rに入力されるラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化した場合、出力値をリセットする、即ち、入力端子Dから入力される入力値に関わらず0を出力する。尚、本実施形態に係るD−FF662は、初期値として0を出力するように構成されている。
従って、このように構成された補正パラメータ660において、D−FF662はまず、CLK端子Cに転送クロックSCKが入力されて、その最初の立ち上がり時に初期値として0を出力する。インクリメント回路661は、D−FF662から0が入力されると、初期値として0を出力する。
D−FF662は、インクリメント回路661から入力端子Dに0が入力されると、CLK端子Cに入力される転送クロックSCKの2回目の立ち上がり時に0を出力する。従って、補正パラメータ算出部660は、この時点で、[0,0]を、即ち、補正パラメータとしてCP[0,0]を、画像データ用シフトレジスタ610に出力していることになる。このとき同時に、画像データPDも画像データ用シフトレジスタ610に入力されている。従って、この時点で、画像データ用シフトレジスタ610には、1番目のノズル(ノズル1)に対応するレジスタに画像データPDと補正パラメータCPとが対応付けられて入力されることになる。
また、この時点で、インクリメント回路661には、[0,0]が入力されているため、インクリメント回路661は、その値に1を加算した[0、1]を順に、即ち、最初に0を、次に1の順に、D−FF662の入力端子Dに出力する。
このように、インクリメント回路661がまず0を出力すると、D−FF662は、インクリメント回路661から入力端子Dに0が入力されて、CLK端子Cに入力される転送クロックSCKの3回目の立ち上がり時に0を出力する。インクリメント回路661は、D−FF662から0が入力されると、次に、1をD−FF662の入力端子Dに出力する。
D−FF662は、インクリメント回路661から入力端子Dに1が入力されると、CLK端子Cに入力される転送クロックSCKの4回目の立ち上がり時に1を出力する。従って、補正パラメータ算出部660は、この時点で、[0,1]を、即ち、補正パラメータとしてCP[0,1]を、画像データ用シフトレジスタ610に出力していることになる。このとき同時に、画像データPDも画像データ用シフトレジスタ610に入力されている。従って、この時点で、画像データ用シフトレジスタ610には、2番目のノズル(ノズル2)に対応するレジスタに画像データPDと補正パラメータCPとが対応付けられて入力されることになる。
このような処理が繰り返されて、インクリメント回路661に[1,1]が入力されると、インクリメント回路661は、2ビットのインクリメント回路であるため、次に[0,0]を出力することになる。
そして、補正パラメータ算出部660は、D−FF662のリセット端子Rに入力されるラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化するまで、上記のような処理を繰り返す。このようにして、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660は、画像データ転送部881から入力される転送クロックSCKを2クロック毎にカウントして、そのカウント値を後述する補正パラメータCPとして各ノズル毎に画像データ用シフトレジスタ610に出力する。
換言すれば、補正パラメータ算出部660は、画像データ転送部881から画像データ用シフトレジスタ610に画像データが1ノズル分転送される毎にカウントアップして、その際のカウント値を後述する補正パラメータCPとして各ノズル毎に画像データ用シフトレジスタ610に出力する。
即ち、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660は、画像データ用シフトレジスタ610が取得する画像データの取得順位をカウントして、そのカウント値を補正パラメータCPとして各ノズル毎に画像データ用シフトレジスタ610に出力する。
このようにして、本実施形態に係る画像データ用シフトレジスタ610には画像データPD及び補正パラメータCPが各ノズル毎に対応付けられて入力される。従って、画像データ用シフトレジスタ610には、図14に示すようなタイミングで画像データPD及び補正パラメータCPが入力される。図14は、本実施形態に係る画像データ用シフトレジスタ610に画像データ及び補正パラメータが入力される際のタイミングチャートである。
図14に示すように、本実施形態に係る画像データ用シフトレジスタ610には、転送クロックSCKにおける各クロックの立ち上がりをトリガーとして、画像データPD及び補正パラメータCPが各ノズルに対応するレジスタに入力される。尚、図14に示すように、画像データPD及び補正パラメータCPの入力が開始されてから完了するまで、1ノズルあたり2クロック分かかる。これは、本実施形態に係る画像データPD及び補正パラメータCPはそれぞれ2ビットで表される情報であるためである。従って、本実施形態に係る画像データ用シフトレジスタ610に画像データPD及び補正パラメータCPが入力される際、1クロック目で1桁目が、2クロック目で2桁目が入力される。
そして、画像データ用シフトレジスタ610は、ラッチ信号送信部882から画像データラッチ部620に送信されるラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化すると、各ノズルに対応するレジスタに記憶しているレジスタ値を画像データラッチ部620にラッチする。即ち、画像データ用シフトレジスタ610は、ラッチ信号送信部882から画像データラッチ部620に送信されるラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化すると、各ノズルに対応するレジスタに記憶している画像データPD及び補正パラメータCPを画像データラッチ部620にラッチする。
以上、説明したように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、本来ならば複数の圧電素子に一度に駆動電圧を印加しなければならない場合であっても、一度に複数の圧電素子に駆動電圧を印加しないように、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを補正するための補正パラメータを圧電素子毎に設定し、その補正パラメータに応じたタイミングで各圧電素子に駆動電圧を印加するように構成されている。
具体的には、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、各圧電素子に設定される補正パラメータに応じて、ヘッド制御部880からキャリッジ4に入力された制御信号WDにおけるHighとLowとの発生タイミングを時間的に遅延させ、遅延されたその制御信号(補正制御信号)に応じた駆動電圧を圧電素子に印加するように構成されている。
このように構成された結果、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、画像形成出力を実行する場合において、ヘッド制御部880とキャリッジ4とを接続するための信号線の数を増加させることなく、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させることが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1においては、画像形成出力を実行する場合において、画像データ用シフトレジスタ610に画像データPDが転送される毎にカウントアップし、その際のカウント値を補正パラメータとして各ノズル毎に出力する例について説明した。この場合、複数の圧電素子に一度に駆動電圧を印加しなければならない場合であっても、ヘッド制御部880とキャリッジ4とを接続するための信号線の数を増加させることなく、各圧電素子に駆動電圧を印加する際のタイミングを分散させることが可能となる。
ところが、このような構成では、画像形成出力するべき画像によっては、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングをうまく分散させることができない場合が生じる。即ち、画像データの種類に関係なくカウントアップし、その際のカウント値を補正パラメータとしたのでは、画像形成出力するべき画像によっては、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングをうまく分散させることができない場合が生じる。これは、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングは画像データの種類により異なるためである。
そこで、本実施形態においては、画像形成出力を実行する場合において、画像データ用シフトレジスタ610に転送される画像データを種類(大滴、中滴、小滴、微駆動)毎に独立してカウントアップし、その際のカウント値を補正パラメータとして各ノズル毎に出力する例について説明する。これにより、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1においては、画像形成出力するべき画像によらず、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを最適化して分散させることが可能となる。
従って、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1によれば、画像形成出力を実行する場合において、実施の形態1に加えて、より効率的に、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させることが可能となる。以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。
まず、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660の機能構成について、図15を参照して説明する。図15は、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660の機能構成を模式的に示すブロック図である。図15に示すように、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660は、微駆動画像データカウント部660a、小滴画像データカウント部660b、中滴画像データカウント部660c、大滴画像データカウント部660d、セレクタ670を含む。
微駆動画像データカウント部660aはさらに、インクリメント回路661a、D−FF662a、セレクタ663aを含む。小滴画像データカウント部660bはさらに、インクリメント回路661b、D−FF662b、セレクタ663bを含む。中滴画像データカウント部660cはさらに、インクリメント回路661c、D−FF662c、セレクタ663cを含む。大滴画像データカウント部660dはさらに、インクリメント回路661d、D−FF662d、セレクタ663dを含む。
インクリメント回路661a〜661dはそれぞれ、実施の形態1において説明したインクリメント回路661と同様に、入力された値に1を加算して出力する2ビットのインクリメント回路である。図15に示すように、本実施形態に係るインクリメント回路661a〜661dに入力される値はそれぞれ、D−FF662a〜662dの出力端子Q〜Qから出力された値であり、その出力値はそれぞれ、セレクタ663a〜663dに出力される。尚、本実施形態に係るインクリメント回路661a〜661dは、実施の形態1において説明したインクリメント回路661と同様に、初期値として0を出力するように構成されている。
D−FF662a〜662dはそれぞれ、実施の形態1において説明したD−FF662と同様に、CLK端子Cに入力されるクロックが立ち上がった時に入力端子D〜Dの入力値を出力端子Q〜Qから出力するフリップフロップ回路である。図15に示すように、本実施形態に係るD−FF662a〜662dに入力される値はそれぞれ、セレクタ663a〜セレクタ663dから出力された値である。D−FF662a〜662dのCLK端子C〜Cには、データ転送部881から転送クロックSCKが入力され、リセット端子R〜Rにはラッチ信号送信部882からラッチ信号SLnが入力される。
また、D−FF662a〜662dは、リセット端子Rに入力されるラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化した場合、出力値をリセットする、即ち、入力端子D〜Dから入力される入力値に関わらず0を出力する。尚、本実施形態に係るD−FF662a〜662dは、初期値として0を出力するように構成されている。
セレクタ663a〜663dはそれぞれ、データ転送部881から入力される画像データPDに基づいて、インクリメント回路661a〜661dから入力された値及びD−FF662a〜662dの出力端子Q〜Qから入力された値のどちらかを選択する。そして、セレクタ663a〜663dはそれぞれ、データ転送部881から入力される画像データPDに基づいて選択した値をD−FF662a〜662dの入力端子D〜Dに出力する。
即ち、セレクタ663aは、データ転送部881から微駆動画像データPD[0,0]が入力されると、インクリメント回路661aから入力された値及びD−FF662aの出力端子Qから入力された値のうち、インクリメント回路661aから入力された値を選択してD−FF662aの入力端子Dに出力する。一方、セレクタ663aは、データ転送部881から微駆動画像データPD[0,0]以外の画像データが入力されると、インクリメント回路661aから入力された値及びD−FF662aの出力端子Qから入力された値のうち、D−FF662aの出力端子Qから入力された値をD−FF662aの入力端子Dに出力する。
セレクタ663bは、データ転送部881から微駆動画像データPD[0,1]が入力されると、インクリメント回路661bから入力された値及びD−FF662bの出力端子Qから入力された値のうち、インクリメント回路661bから入力された値を選択してD−FF662bの入力端子Dに出力する。一方、セレクタ663bは、データ転送部881から微駆動画像データPD[0,1]以外の画像データが入力されると、インクリメント回路661bから入力された値及びD−FF662bの出力端子Qから入力された値のうち、D−FF662bの出力端子Qから入力された値をD−FF662bの入力端子Dに出力する。
セレクタ663cは、データ転送部881から微駆動画像データPD[1,0]が入力されると、インクリメント回路661cから入力された値及びD−FF662cの出力端子Qから入力された値のうち、インクリメント回路661cから入力された値を選択してD−FF662cの入力端子Dに出力する。一方、セレクタ663cは、データ転送部881から微駆動画像データPD[1,0]以外の画像データが入力されると、インクリメント回路661cから入力された値及びD−FF662cの出力端子Qから入力された値のうち、D−FF662cの出力端子Qから入力された値をD−FF662cの入力端子Dに出力する。
セレクタ663dは、データ転送部881から微駆動画像データPD[1,1]が入力されると、インクリメント回路661dから入力された値及びD−FF662dの出力端子Qから入力された値のうち、インクリメント回路661dから入力された値を選択してD−FF662dの入力端子Dに出力する。一方、セレクタ663dは、データ転送部881から微駆動画像データPD[1,1]以外の画像データが入力されると、インクリメント回路661dから入力された値及びD−FF662dの出力端子Qから入力された値のうち、D−FF662dの出力端子Qから入力された値をD−FF662dの入力端子Dに出力する。
このような構成により、本実施形態に係る微駆動画像データカウント部660a、小滴画像データカウント部660b、中滴画像データカウント部660c、大画像データカウント部660dはそれぞれ、ラッチ信号送信部882から入力されるラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化するまで、微駆動画像データPD[0,0]、小滴画像データPD[0,1]、中滴画像データPD[1,0]、大滴画像データPD[1,1]が入力される度に、画像データ転送部881から入力される転送クロックSCKを2クロック毎にカウントして、そのカウント値CVa、CVb、CVc、CVdをセレクタ670に出力することができる。
換言すれば、本実施形態に係る微駆動画像データカウント部660a、小滴画像データカウント部660b、中滴画像データカウント部660c、大滴画像データカウント部660dはそれぞれ、画像データ転送部881から画像データ用シフトレジスタ610に微駆動画像データPD[0,0]、小滴画像データPD[0,1]、中滴画像データPD[1,0]、大滴画像データPD[1,1]が1ノズル分転送される毎にカウントアップして、その際のカウント値CVa、CVb、CVc、CVdをセレクタ670に出力することができる。
即ち、本実施形態に係る微駆動画像データカウント部660a、小滴画像データカウント部660b、中滴画像データカウント部660c、大滴画像データカウント部660dはそれぞれ、画像データ用シフトレジスタ610が取得する微駆動画像データPD[0,0]、小滴画像データPD[0,1]、中滴画像データPD[1,0]、大滴画像データPD[1,1]の取得順位をカウントして、そのカウント値CVa、CVb、CVc、CVdをセレクタ670に出力することができる。
セレクタ670は、データ転送部881から入力される画像データPDに基づいて、微駆動画像データカウント部660aから出力されたカウント値CVa、小滴画像データカウント部660bから出力されたカウント値CVb、中滴画像データカウント部660cから出力されたカウント値CVc、大滴画像データカウント部660dから出力されたカウント値CVdのいずれかを選択する。そして、セレクタ670は、データ転送部881から入力される画像データPDに基づいて選択したカウント値CVを補正パラメータCPとして画像データ用シフトレジスタ610に出力する。
このような構成により、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660は、画像データ転送部881から入力される転送クロックSCKを画像データの種類(大滴、中滴、小滴、微駆動)毎に独立して2クロック毎にカウントし、そのカウント値を補正パラメータCPとして各ノズル毎に画像データ用シフトレジスタ610に出力することができる。
換言すれば、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660は、画像データ転送部881から画像データ用シフトレジスタ610に画像データが1ノズル分転送される毎に、画像データの種類(大滴、中滴、小滴、微駆動)毎に独立してカウントアップし、その際のカウント値を補正パラメータCPとして各ノズル毎に画像データ用シフトレジスタ610に出力することができる。
即ち、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660は、画像データ用シフトレジスタ610が取得する画像データの取得順位を画像データの種類(大滴、中滴、小滴、微駆動)毎に独立してカウントし、そのカウント値を補正パラメータCPとして各ノズル毎に画像データ用シフトレジスタ610に出力することができる。
従って、本実施形態に係る画像データ用シフトレジスタ610には、図16に示すように、画像データの種類(大滴、中滴、小滴、微駆動)毎に、そのカウント値が補正パラメータCPとして記憶される。尚、図16は、本実施形態に係る画像データ用シフトレジスタ610が記憶する画像データ及び補正パラメータの一例を示す図である。
以上、説明したように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1においては、画像形成出力するべき画像によらず、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを最適化して分散させることが可能となる。従って、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1によれば、画像形成出力を実行する場合において、実施の形態1に加えて、より効率的に、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させることが可能となる。
実施の形態3.
実施の形態1においては、画像形成出力を実行する場合において、画像データ用シフトレジスタ610に画像データが転送される毎にカウントアップし、その際のカウント値を補正パラメータとして各ノズル毎に出力する例について説明した。この場合、複数の圧電素子に一度に駆動電圧を印加しなければならない場合であっても、ヘッド制御部880とキャリッジ4とを接続するための信号線の数を増加させることなく、各圧電素子に駆動電圧を印加する際のタイミングを分散させることが可能となる。
実施の形態2においては、画像形成出力を実行する場合において、画像データ用シフトレジスタ610に転送される画像データを種類(大滴、中滴、小滴、微駆動)毎に独立してカウントアップし、その際のカウント値を補正パラメータとして各ノズル毎に出力する例について説明した。この場合、画像形成出力するべき画像によらず、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを最適化して分散させることが可能となり、実施の形態1に加えて、より効率的に、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させることが可能となる。
ところが、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングを遅延させることにより、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させた場合、インク滴の着弾位置も分散するため、画像形成出力するべき画像によっては、印刷画像の品質への影響が大きくなる。
そこで、本実施形態においては、画像形成出力を実行する場合において、画像データ用シフトレジスタ610に画像データを転送する前に、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングを遅延させるか否かを判断する例について説明する。これにより、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1においては、印刷画像の品質への影響を考慮して、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させるか否かを判断することが可能となる。
従って、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1によれば、実施の形態1及び2に加えて、印刷画像の品質への影響を低減させる効果と、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させる効果との両立を図ることが可能となる。以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。尚、実施の形態1又は2と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。
まず、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660の機能構成について、図17を参照して説明する。図17は、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660の機能構成を模式的に示すブロック図である。図17に示すように、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660は、インクリメント回路661、D−FF662、セレクタ663、補正可否判断部664を含む。
インクリメント回路661は、実施の形態1において説明したインクリメント回路661と同様に、入力された値に1を加算して出力する2ビットのインクリメント回路である。図17に示すように、本実施形態に係るインクリメント回路661に入力される値は、D−FF662の出力端子Qから出力された値であり、その出力値は、セレクタ663に出力される。尚、本実施形態に係るインクリメント回路661は、実施の形態1において説明したインクリメント回路661と同様に、初期値として0を出力するように構成されている。
D−FF662は、実施の形態1において説明したD−FF662と同様に、CLK端子Cに入力されるクロックが立ち上がった時に入力端子Dの入力値を出力端子Qから出力するフリップフロップ回路である。図17に示すように、本実施形態に係るD−FF662に入力される値は、セレクタ663から出力された値である。D−FF662のCLK端子Cには、データ転送部881から転送クロックSCKが入力され、リセット端子Rにはラッチ信号送信部882からラッチ信号SLnが入力される。
また、D−FF662は、リセット端子Rに入力されるラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化した場合、出力値をリセットする、即ち、入力端子Dから入力される入力値に関わらず0を出力する。尚、本実施形態に係るD−FF662は、初期値として0を出力するように構成されている。
補正可否判断部664には、データ転送部881から画像データ用シフトレジスタ610に画像データPDが転送される前に、インクジェットプリンタ1に設定されている印刷モードに応じて、データ転送部881から転送データSDとして4種類の補正判断データCJのうちのいずれかが入力される。ここで、補正判断データCJとは、インクジェットプリンタ1が圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させるか否かを判断するための情報を表すデータである。尚、本実施形態においては、それら4種類の補正判断データCJはそれぞれ、CJ[0,0]、CJ[0,1]、CJ[1,0]、CJ[1,1]のように、2ビットの情報で識別される。
即ち、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、後述するように、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させると判断した場合、補正可否判断部664にCJ[1,0]、CJ[1,1]を入力する。一方、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、後述するように、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させないと判断した場合、補正可否判断部664にCJ[0,1]、CJ[1,0]を入力する。
ここで、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1に設定されている印刷モードと、そのときに補正可否判断部664に入力される補正判断データCJとの対応関係について、図18を参照して説明する。図18は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1に設定されている印刷モードと、そのときに補正可否判断部664に入力される補正判断データCJとの対応関係を示す表である。
図18に示すように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1が画像品質優先モードに設定されている場合、補正可否判断部664補正判断データCJとしてCJ[0,0]が入力される。ここで、画像品質優先モードとは、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングを遅延させないで、即ち、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させないで、画像形成出力を実行するための印刷モードである。これは、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させた場合、インク滴の着弾位置も分散するため、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングを遅延させないで画像形成出力を実行した方が印刷画像の品質が向上することによる。
また、図18に示すように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1が消費電力優先モードに設定されている場合、補正可否判断部664補正判断データCJとしてCJ[1,0]が入力される。ここで、消費電力優先モードとは、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングを遅延させて、即ち、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させて、画像形成出力を実行するための印刷モードである。これは、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させた場合、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させることができることによる。
また、図18に示すように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1がバランスモードに設定されており、後述する補正可否データCRWがセレクタ663に出力された直後に印刷される画像に文字領域よりも図形領域の方が多く含まれている場合(以下、「バランスモード:図形」とする)、補正可否判断部664補正判断データCJとしてCJ[0,1]が入力される。ここで、バランスモードとは、印刷画像の品質と、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させる効果とのバランスをとりつつ画像形成出力を実行する印刷モードである。
また、図18に示すように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1がバランスモードに設定されており、後述する補正可否データCRWがセレクタ663に出力された直後に印刷される画像に図形領域よりも文字領域の方が多く含まれている場合(以下、「バランスモード:文字」とする)、補正可否判断部664には補正判断データCJとしてCJ[1,1]が入力される。
即ち、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、バランスモードに設定されていて、画像形成出力するべき画像に文字領域よりも図形領域の方が多く含まれている場合(バランスモード:図形)には、印刷画像の品質を優先する。一方、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、バランスモードに設定されていて、画像形成出力するべき画像に図形領域よりも文字領域の方が多く含まれている場合(バランスモード:文字)には、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させる効果を優先する。
従って、本実施形態おいては、画像品質優先モード、消費電力優先モード、バランスモードが、画像形成出力の実行態様として、文字、図形が、画像形成出力するべき画像の種類として用いられ、補正可否判断部664が、カウント可否判断部として機能する。
また、補正可否判断部664は、データ転送部881から画像データ用シフトレジスタ610に画像データPDが転送される前に、ラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化した時の補正判断データCJの値に基づいて、4種類の補正可否データCRWのうちのいずれかを生成する。そして、補正可否判断部664は、次にラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化するまで、生成した補正可否データCRWをセレクタ663に転送クロックSCKによって出力し続ける。
ここで、補正可否データCRWとは、補正可否判断部664が、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングを遅延させるか否かを判断した結果を表すデータである。尚、本実施形態においては、それら4種類の補正可否データCRWはそれぞれ、CRW[0,0]、CRW[0,1]、CRW[1,0]、CRW[1,1]のように、2ビットの情報で識別される。
即ち、補正可否判断部664は、後述するように、インクジェットプリンタ1が圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させると判断した場合、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングを遅延させると判断して補正可否データCRW[1,0]、CRW[1,1]を生成する。一方、補正可否判断部664は、後述するように、インクジェットプリンタ1が圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させないと判断した場合、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングを遅延させないと判断して補正可否データCRW[0,0]、CRW[0,1]を生成する。
ここで、本実施形態に係る補正可否判断部664が生成する補正可否データCRWと、そのときの補正判断データCJの値との対応関係について、図19を参照して説明する。図19は、本実施形態に係る補正可否判断部664が生成する補正可否データCRWと、そのときの補正判断データCJの値との対応関係を示す表である。
図19に示すように、本実施形態に係る補正可否判断部664は、データ転送部881から画像データ用シフトレジスタ610に画像データPDが転送される前に、ラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化したときに、データ転送部881から補正判断データCJ[0,0]が入力されると、補正可否データCRWとしてCRW[0,0]を生成してセレクタ663に出力する。
また、図19に示すように、本実施形態に係る補正可否判断部664は、データ転送部881から画像データ用シフトレジスタ610に画像データPDが転送される前に、ラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化したときに、データ転送部881から補正判断データCJ[0,1]が入力されると、補正可否データCRWとしてCRW[0,1]を生成してセレクタ663に出力する。
また、図19に示すように、本実施形態に係る補正可否判断部664は、データ転送部881から画像データ用シフトレジスタ610に画像データPDが転送される前に、ラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化したときに、データ転送部881から補正判断データCJ[1,0]が入力されると、補正可否データCRWとしてCRW[1,0]を生成してセレクタ663に出力する。
また、図19に示すように、本実施形態に係る補正可否判断部664は、データ転送部881から画像データ用シフトレジスタ610に画像データPDが転送される前に、ラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化したときに、データ転送部881から補正判断データCJ[1,1]が入力されると、補正可否データCRWとしてCRW[1,1]を生成してセレクタ663に出力する。
セレクタ663は、補正可否判断部664から入力される補正可否データCRWの値に基づいて、インクリメント回路661から入力された値及びD−FF662の出力端子Qから入力された値のどちらかを選択する。そして、セレクタ663は、補正可否判断部664から入力される補正可否データCRWに基づいて選択した値をD−FF662の入力端子Dに出力する。
ここで、本実施形態に係るセレクタ663が選択する値と、補正可否判断部664から入力された補正可否データCRWとの対応関係について、図20を参照して説明する。図20は、本実施形態に係るセレクタ663が選択する値と、補正可否判断部664から入力された補正可否データCRWとの対応関係を示す表である。
図20に示すように、本実施形態に係るセレクタ663は、補正可否判断部664から補正可否データCRWとしてCRW[0,0]、CRW[0,1]が入力されると、インクリメント回路661から入力された値及びD−FF662の出力端子Qから入力された値のうち、D−FF662の出力端子Qから入力された値を選択してD−FF662の入力端子Dに出力する。
また、図20に示すように、本実施形態に係るセレクタ663は、補正可否判断部664から補正可否データCRWとしてCRW[1,0]、CRW[1,1]が入力されると、インクリメント回路661から入力された値及びD−FF662の出力端子Qから入力された値のうち、インクリメント回路661から入力された値を選択してD−FF662の入力端子Dに出力する。
従って、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660は、インクジェットプリンタ1が画像品質優先モードに設定されている場合、若しくは、バランスモード:図形となっている場合、画像データ用シフトレジスタ610が取得する画像データの取得順位をカウントしないで、補正パラメータCP[0,0]を各ノズル毎に画像データ用シフトレジスタ610に出力する。
これは、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1が、画像品質優先モードに設定されている場合、若しくは、バランスモード:図形となっている場合、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングを遅延させない、即ち、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させないということである。
また、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660は、インクジェットプリンタ1が消費電力優先モードに設定されている場合、若しくは、バランスモード:文字となっている場合、画像データ用シフトレジスタ610が取得する画像データの取得順位をカウントして、そのカウント値を補正パラメータCPとして画像データ用シフトレジスタ610に出力する。
これは、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1が、消費電力優先モードに設定されている場合、若しくは、バランスモード:文字となっている場合、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングを遅延させる、即ち、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させるということである。
尚、上述した印刷モードは、画像単位で設定されるように構成されていても良いし、データ転送部881から画像データ用シフトレジスタ610に画像データが転送される際のラッチ信号SLnの状態変化(HighからLowへの変化)毎に設定されるように構成されていても良い。即ち、補正可否判断部664が補正可否データCRWを生成するタイミングは、画像形成出力が実行される前であっても良いし、データ転送部881から画像データ用シフトレジスタ610に画像データが転送される際のラッチ信号SLnの状態変化(HighからLowへの変化)毎であっても良い。
以上、説明したように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1においては、画像形成出力を実行する場合において、画像データ用シフトレジスタ610に画像データを転送する前に、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングを遅延させるか否かを判断することが可能となる。
従って、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1によれば、画像形成出力を実行する場合において、印刷画像の品質への影響を考慮して、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させるか否かを判断することが可能となる。その結果、実施の形態1及び2に加えて、印刷画像の品質への影響を低減させる効果と、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させる効果との両立を図ることが可能となる。
実施の形態4.
実施の形態1においては、画像形成出力を実行する場合において、画像データ用シフトレジスタ610に画像データが転送される毎にカウントアップし、その際のカウント値を補正パラメータとして各ノズル毎に出力する例について説明した。この場合、複数の圧電素子に一度に駆動電圧を印加しなければならない場合であっても、ヘッド制御部880とキャリッジ4とを接続するための信号線の数を増加させることなく、各圧電素子に駆動電圧を印加する際のタイミングを分散させることが可能となる。
実施の形態2においては、画像形成出力を実行する場合において、画像データ用シフトレジスタ610に転送される画像データを種類(大滴、中滴、小滴、微駆動)毎に独立してカウントアップし、その際のカウント値を補正パラメータとして各ノズル毎に出力する例について説明した。この場合、画像形成出力するべき画像によらず、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを最適化して分散させることが可能となり、実施の形態1に加えて、より効率的に、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させることが可能となる。
実施の形態3においては、画像形成出力を実行する場合において、画像データ用シフトレジスタ610に画像データを転送する前に、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングを遅延させるか否かを判断する例について説明した。この場合、印刷画像の品質への影響を考慮して、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させるか否かを判断することが可能となる。その結果、実施の形態1及び2に加えて、印刷画像の品質への影響を低減させる効果と、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させる効果との両立を図ることが可能となる。
これに対して、本実施形態おいては、画像形成出力を実行する場合において、画像データ用シフトレジスタ610に画像データを転送する前に、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングを遅延させる際の、その遅延量の上限値や遅延間隔等を設定する例について説明する。これにより、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1においては、印刷画像の品質への影響を考慮して、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させるか否かを、また、どの程度分散させるかを判断することが可能となる。
従って、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1によれば、実施の形態1乃至3に加えて、印刷画像の品質への影響を低減させる効果と、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させる効果とのバランスを細かく設定することが可能となる。以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。尚、実施の形態1乃至3と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。
まず、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660の機能構成について、図21を参照して説明する。図21は、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660の機能構成を模式的に示すブロック図である。図21に示すように、本実施形態に係る補正パラメータ算出部660は、インクリメント回路661e、インクリメント回路661f、インクリメント回路661g、D−FF662、セレクタ663、カウント設定判断部665、カウント設定データ用シフトレジスタ666、カウント設定データラッチ部667、カウント設定部668を含む。
インクリメント回路661e〜661gはそれぞれ、実施の形態1において説明したインクリメント回路661と同様に、入力された値に1を加算して出力する2ビットのインクリメント回路である。
図21に示すように、本実施形態に係るインクリメント回路661eに入力される値は、D−FF662の出力端子Qから出力された値であり、その出力値は、セレクタ663に出力される。尚、本実施形態に係るインクリメント回路661eは、実施の形態1において説明したインクリメント回路661と同様に、初期値として0を出力するように構成されている。
また、図21に示すように、本実施形態に係るインクリメントジャイロ661fに入力される値は、インクリメント回路661eから出力された値であり、その出力値は、セレクタ663に出力される。尚、本実施形態に係るインクリメント回路661fは、実施の形態1において説明したインクリメント回路661と同様に、初期値として0を出力するように構成されている。
また、図21に示すように、本実施形態に係るインクリメントジャイロ661gに入力される値は、インクリメント回路661fから出力された値であり、その出力値は、セレクタ663に出力される。尚、本実施形態に係るインクリメント回路661gは、実施の形態1において説明したインクリメント回路661と同様に、初期値として0を出力するように構成されている。
D−FF662は、実施の形態1において説明したD−FF662と同様に、CLK端子Cに入力されるクロックが立ち上がった時に入力端子Dの入力値を出力端子Qから出力するフリップフロップ回路である。図21に示すように、本実施形態に係るD−FF662に入力される値は、セレクタ663から出力された値である。D−FF662のCLK端子Cには、データ転送部881から転送クロックSCKが入力され、リセット端子Rにはラッチ信号送信部882からラッチ信号SLnが入力される。
また、D−FF662は、リセット端子Rに入力されるラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化した場合、出力値をリセットする、即ち、入力端子Dから入力される入力値に関わらず0を出力する。尚、本実施形態に係るD−FF662は、初期値として0を出力するように構成されている。
カウント設定判断部665は、ラッチ信号送信部882から入力されるラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化した時の転送データSDの値に基づいて、その状態変化直前にデータ転送部881から転送されてきた転送データSDがカウント設定データCSであるか否かを判断する。このとき、カウント設定判断部665は、カウント設定データCSであると判断した場合には、カウント設定データ用シフトレジスタ666にはカウント設定データCSが記憶されていることになるため、そこに記憶されているカウント設定データCSをカウント設定データラッチ部667にラッチさせるために、カウント設定データラッチ部667に入力するラッチ信号CLnの状態をHighからLowに変化させる。
ここで、カウント設定データCSとは、画像データ用シフトレジスタ610が取得する画像データの取得順位をカウントする際の設定(以下、「カウント設定」とする)を表すデータである。尚、カウント設定データCSは、インクジェットプリンタ1における設定状態に応じて生成され、データ転送部881により転送データSDとして転送される。
また、カウント設定には例えば、画像データ用シフトレジスタ610が取得する画像データの取得順位をカウントする際のそのカウント値の上限値やカウント値の間隔等がある。尚、本実施形態においては、補正パラメータCPは2ビットで表されるため、カウント値の上限値及びカウント値の間隔は、2ビットで表現できる最大値である[1,1]以下までの間で設定可能である。
従って、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、カウント設定データCSにより、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングを遅延させる際の遅延量の上限値や遅延間隔等、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させる際の設定を行うことが可能となる。
図22に、本実施形態に係るカウント設定データCSが表すカウント設定の一覧を示す。図22は、本実施形態に係るカウント設定データCSとカウント設定との対応関係の一例を示す表である。図22に示すように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1において、カウント設定として、上限値が「設定なし」、カウント値の間隔が[1,1]に設定されている場合、データ転送部881によりカウント設定データCS[0,0]が転送される。
また、図22に示すように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1において、カウント設定として、上限値が[1,1]、カウント値の間隔が[1,0]に設定されている場合、データ転送部881によりカウント設定データCS[0,1]が転送される。
また、図22に示すように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1において、カウント設定として、上限値が[1,0]、カウント値の間隔が[0,1]に設定されている場合、データ転送部881によりカウント設定データCS[1,0]が転送される。
また、図22に示すように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1において、カウント設定として、上限値が「設定なし」、カウント値の間隔が[0,0]に設定されている場合、データ転送部881によりカウント設定データCS[1,1]が転送される。
次に、ラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化した時の転送データSDの値に基づいて、カウント設定データCSであるか否かを判断する際のその転送データSDの値と判断結果との対応関係について、図23を参照して説明する。図23は、本実施形態に係るカウント設定判断部665が、ラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化した時の転送データSDの値に基づいて、カウント設定データCSであるか否かを判断する際のその転送データSDの値と判断結果との対応関係を示す表である。
図23に示すように、本実施形態に係るカウント設定判断部665は、ラッチ信号SLnの状態変化時に、転送データSD[0,0]を受信すると、その状態変化直前にデータ転送部881から転送されてきた転送データSDをカウント設定データCSであると判断する。尚、このとき、カウント設定判断部665は、カウント設定用シフトレジスタ666に記憶されているカウント設定データCSをカウント設定データラッチ部667にラッチさせるために、ラッチ信号CLnの状態をHighからLowに変化させる。
また、図23に示すように、カウント設定判断部665は、ラッチ信号SLnの状態変化時に、転送データSD[0,0]以外の値、即ち、SD[0,1]、SD[1,0]、SD[1,1]のいずれかを受信すると、その状態変化直前にデータ転送部881から転送されてきた転送データSDをカウント設定データCSではないと判断する。尚、このときの転送データSDは画像データPDであると判断されるため、カウント設定判断部665は、カウント設定データラッチ部667に入力するラッチ信号CLnの状態を変化させない。
カウント設定データラッチ部667は、カウント設定判断部665からラッチ信号CLnが入力されると、カウント設定用シフトレジスタ666に記憶されているレジスト値、即ち、カウント設定データをラッチする。
カウント設定部668は、カウント設定データラッチ部667から入力されたカウント設定データCSをセレクタ663に出力する。また、カウント設定部668は、D−FF662におけるカウント値が、カウント設定データラッチ部から入力されたカウント設定データCSにより表されるカウント値の上限値に達した場合、D−FF662のリセット端子Rにリセット信号を送信する。尚、D−FF662は、カウント設定部668からリセット端子Rにリセット信号が入力されると、ラッチ信号SLnの状態がHighからLowに変化した場合と同様に、出力値をリセットする、即ち、入力端子Dから入力される入力値に関わらず0を出力する。
セレクタ663は、カウント設定部668から入力されるカウント設定データCSの値に基づいて、インクリメント回路661e〜661gから入力された値及びD−FF662の出力端子Qから入力された値のいずれかを選択する。そして、セレクタ663は、カウント設定部668から入力されるカウント設定データCSに基づいて選択した値をD−FF662の入力端子Dに出力する。
ここで、本実施形態に係るセレクタ663が選択する値と、カウント設定部668から入力されたカウント設定データCSとの対応関係について、図24を参照して説明する。図24は、本実施形態に係るセレクタ663が選択する値と、カウント設定部668から入力されたカウント設定データCSとの対応関係を示す表である。
図24に示すように、本実施形態に係るセレクタ663は、カウント設定部668からカウント設定データCSとしてCS[0,0]が入力されると、インクリメント回路661e〜661gから入力された値及びD−FF662の出力端子Qから入力された値のうち、インクリメント回路661gから入力された値を選択してD−FF662の入力端子Dに出力する。
従って、補正パラメータ算出部660は、セレクタ663にカウント設定部668からカウント設定データCSとしてCS[0,0]が入力されると、補正パラメータCPを[1,1]間隔でD−FF662の出力端子Qから出力することになる。これは、カウント設定データCSがCS[1,1]の場合、図22に示したように、カウント値の間隔が[1,1]であることを表すためである。この場合、図7に示したように、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングは各ノズル毎に3tずつ遅延される。
また、図24に示すように、本実施形態に係るセレクタ663は、カウント設定部668からカウント設定データCSとしてCS[0,1]が入力されると、インクリメント回路661e〜661gから入力された値及びD−FF662の出力端子Qから入力された値のうち、インクリメント回路661fから入力された値を選択してD−FF662の入力端子Dに出力する。
従って、補正パラメータ算出部660は、セレクタ663にカウント設定部668からカウント設定データCSとしてCS[0,1]が入力されると、補正パラメータCPを[1,0]間隔でD−FF662の出力端子Qから出力することになる。これは、カウント設定データCSがCS[0,1]の場合、図22に示したように、カウント値の間隔が[1,0]であることを表すためである。この場合、図7に示したように、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングは各ノズル毎に2tずつ遅延される。
尚、カウント設定データCSがCS[0,1]の場合、図22に示したように、カウント値の上限値が[1,1]であることを表すため、カウント設定部668は、D−FF662におけるカウント値が[1,1]以上となった場合、D−FF662のリセット端子Rにリセット信号を送信する。従って、D−FF662は、カウント値が[1,1]以上となった場合、出力値をリセットして0を出力する。
また、図24に示すように、本実施形態に係るセレクタ663は、カウント設定部668からカウント設定データCSとしてCS[1,0]が入力されると、インクリメント回路661e〜661gから入力された値及びD−FF662の出力端子Qから入力された値のうち、インクリメント回路661eから入力された値を選択してD−FF662の入力端子Dに出力する。
従って、補正パラメータ算出部660は、セレクタ663にカウント設定部668からカウント設定データCSとしてCS[1,0]が入力されると、補正パラメータCPを[0,1]間隔でD−FF662の出力端子Qから出力することになる。これは、カウント設定データCSがCS[1,0]の場合、図22に示したように、カウント値の間隔が[0,1]であることを表すためである。この場合、図7に示したように、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングは各ノズル毎にtずつ遅延される。
尚、カウント設定データCSがCS[1,0]の場合、図22に示したように、カウント値の上限値が[1,0]であることを表すため、カウント設定部668は、D−FF662におけるカウント値が[1,0]以上となった場合、D−FF662のリセット端子Rにリセット信号を送信する。従って、D−FF662は、カウント値が[1,0]以上となった場合、出力値をリセットして0を出力する。
また、図24に示すように、本実施形態に係るセレクタ663は、カウント設定部668からカウント設定データCSとしてCS[1,1]が入力されると、インクリメント回路661e〜661gから入力された値及びD−FF662の出力端子Qから入力された値のうち、D−FF662の出力端子Qから入力された値を選択してD−FF662の入力端子Dに出力する。
従って、補正パラメータ算出部660は、セレクタ663にカウント設定部668からカウント設定データCSとしてCS[1,1]が入力されると、補正パラメータCPを[0,1]間隔でD−FF662の出力端子Qから出力することになる。これは、カウント設定データCSがCS[1,1]の場合、図22に示したように、カウント値の間隔が[0,0]であることを表すためである。この場合、図7に示したように、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングは遅延されない。即ち、この場合、補正パラメータ算出部660は、画像データ用シフトレジスタ610が取得する画像データの取得順位をカウントしないので、圧電素子に駆動電圧が印加されるタイミングは分散されないことになる。
従って、本実施形態においては、カウント設定が、取得順位をカウントする際の条件として用いられ、カウント設定部668が、カウント条件設定部として機能する。
尚、補正パラメータ算出部660へのカウント設定データCSの転送、即ち、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させる際の設定は、画像形成出力が実行される前である初期動作時などに行われることにより、印刷速度への影響がなくなる。また、補正パラメータ算出部660へのカウント設定データCSの転送、即ち、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させる際の設定は、画像データの種類(大滴、中滴、小滴、微駆動)毎に設定されるように構成されていても良い。これにより、印刷画像の品質への影響を考慮して、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させるか否かを、また、どの程度分散させるかをより詳細に判断することが可能となる。
その結果、実施の形態1乃至3に加えて、印刷画像の品質への影響を低減させる効果と、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させる効果とのバランスをより細かく設定することが可能となる。
以上、説明したように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1においては、画像データ用シフトレジスタ610に画像データを転送する前に、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングを遅延させる際の、その遅延量の上限値や遅延間隔等を設定することが可能となる。従って、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1によれば、印刷画像の品質への影響を考慮して、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させるか否かを、また、どの程度分散させるかを判断することが可能となる。
その結果、実施の形態1乃至3に加えて、印刷画像の品質への影響を低減させる効果と、電源装置が供給する瞬間消費電力及び駆動回路に流れる瞬間消費電流を低減させる効果とのバランスを細かく設定することが可能となる。
尚、実施の形態1〜4においては、補正制御信号生成部650は、予め所定の遅延量(0、t、2t、3t)だけ制御信号WDを遅延させた16種類の補正制御信号CWDを生成して、その全ての補正制御信号を階調デコーダ630に出力する構成例について説明した。
このような構成の場合、上述したように、階調デコーダ630は、画像データラッチ部620に記憶されている画像データPD及び補正パラメータCPに基づいて図6及び図7に示した対応関係により制御信号及び遅延量を決定する。そして、階調デコーダ630は、図8に示した対応関係を参照し、決定した制御信号及び遅延量の組み合わせに対応する補正制御信号を、補正制御信号生成部650から出力された16種類の補正制御信号のうちのいずれかから選択して電圧印加部640に出力する。
このような構成の他、補正制御信号生成部650は、画像データラッチ部620に記憶されている画像データPD及び補正パラメータCPに基づいて補正制御信号CWDを生成して階調デコーダ630に出力するように構成されていても良い。このような構成の場合、補正制御信号生成部650は、画像データラッチ部620に記憶されている画像データPD及び補正パラメータCPに基づいて図6及び図7に示した対応関係により制御信号及び遅延量を決定する。そして、補正制御信号生成部650は、図8に示した対応関係を参照し、決定した制御信号及び遅延量の組み合わせに対応する補正制御信号を生成して階調デコーダ630に出力する。
また、実施の形態1〜4においては、画像データ転送部881から画像データ用シフトレジスタ610に画像データが1ノズル分転送される毎にカウントアップして、その際のカウント値を補正パラメータCPとして出力する例について説明した。このような構成の他、画像データ転送部881から画像データ用シフトレジスタ610に画像データが1ノズル分転送される毎に、所定の値からカウントダウンして、その際のカウント値を補正パラメータCPとして出力するように構成されていても良い。このような構成の場合、制御信号におけるHighとLowとの発生タイミングは遅延するのではなく前倒しされることになる。従って、このような構成であっても、圧電素子に駆動電圧を印加するタイミングを分散させることが可能となる。
また、本実施形態においては、画像形成装置の例としてインクジェットプリンタについて説明しているが、特にこれに限られることは無く、コピーやファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能なMFP(MultiFunction Peripheral:複合機)であっても適用可能である。
1 インクジェットプリンタ
2 主走査モータ
3 ガイドロッド
4 キャリッジ
5 記録ヘッド
5c 液滴吐出ヘッド(シアン)
5m 液滴吐出ヘッド(マゼンタ)
5y 液滴吐出ヘッド(イエロー)
5k 液滴吐出ヘッド(ブラック)
510 圧電素子
6 ヘッドドライバ
610 画像データ用シフトレジスタ
620 画像データラッチ部
630 階調デコーダ
640 電圧印加部
650 タイミング調整部
660 補正パラメータ算出部
660a 大滴用補正パラメータ算出部
660b 中滴用補正パラメータ算出部
660c 小滴用補正パラメータ算出部
660d 微駆動用補正パラメータ算出部
661 インクリメント回路
661a インクリメント回路
661b インクリメント回路
661c インクリメント回路
661d インクリメント回路
661e インクリメント回路
661f インクリメント回路
661g インクリメント回路
662 D型フリップフロップ
662a D型フリップフロップ
662b D型フリップフロップ
662c D型フリップフロップ
662d D型フリップフロップ
663 セレクタ
663a セレクタ
663b セレクタ
663c セレクタ
663d セレクタ
664 補正可否判断部
665 カウント設定判断部
666 カウント設定データ用シフトレジスタ
667 カウント設定データラッチ部
668 カウント設定部
7 エンコーダセンサ
8 コントローラ
810 CPU
820 ROM
830 RAM
840 NVRAM
850 I/O
860 ホストI/F
870 主走査モータ駆動部
880 ヘッド制御部
881 データ転送部
882 ラッチ信号送信部
883 制御信号生成部
890 副走査モータ駆動部
9 駆動プーリ
10 従動プーリ
11 主走査ベルト
12 エンコーダスケール
13 搬送ベルト
14 搬送ローラ
15 テンションローラ
16 副走査モータ
17 搬送駆動プーリ
18 搬送ローラプーリ
19 副走査ベルト
20 記録媒体
21 エンコーダセンサ
22 エンコーダホイール
23 プリンタドライバ
24 操作パネル
特開2006−88695号公報

Claims (10)

  1. 記録ヘッドに配置されたノズル毎に備えられた圧電素子に駆動信号を印加することにより前記ノズルからインク滴を吐出することで画像形成出力を実行する画像形成装置におけるヘッド駆動装置であって、
    夫々の前記ノズルがインク滴を吐出して描画するための画素情報を夫々の前記ノズル毎に取得する画素情報取得部と、
    夫々の前記ノズルからインク滴を吐出する際のタイミングを示すタイミング情報を夫々の前記ノズル毎に取得するタイミング情報取得部と、
    前記画素情報に応じた信号パターンにより前記駆動信号を制御するための制御信号における前記信号パターンの発生タイミングが、前記タイミング情報に応じて調整された調整制御信号を生成する調整制御信号生成部と、
    夫々の前記ノズル毎に取得された前記画素情報及び前記タイミング情報の組み合わせに基づき、生成された前記調整制御信号に応じた駆動信号を夫々の前記ノズル毎に生成して夫々の前記圧電素子に印加する駆動信号印加部と、
    を備えることを特徴とするヘッド駆動装置。
  2. 前記画素情報取得部における前記画素情報の取得順位を夫々の前記ノズルにつきカウントする取得順位カウント部を備え、
    前記タイミング情報取得部は、カウントされた前記取得順位を前記タイミング情報として前記ノズル毎に取得することを特徴とする請求項1に記載のヘッド駆動装置。
  3. 前記取得順位カウント部は、前記取得順位を前記ノズルから吐出されるインク滴の滴サイズ毎に夫々の前記ノズルにつきカウントすることを特徴とする請求項2に記載のヘッド駆動装置。
  4. 前記取得順位カウント部に前記取得順位をカウントさせるか否かを判断するカウント可否判断部を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載のヘッド駆動装置。
  5. 前記カウント可否判断部は、画像形成出力の実行態様、若しくは、画像形成出力するべき画像の種類に応じて前記取得順位カウント部に前記取得順位をカウントさせるか否かを判定することを特徴とする請求項4に記載のヘッド駆動装置。
  6. 前記取得順位カウント部が前記取得順位をカウントする際の条件を設定するカウント条件設定部を備え、
    前記取得順位カウント部は、設定された前記条件に基づいて前記取得順位をカウントすることを特徴とする請求項2乃至5いずれか1項に記載のヘッド駆動装置。
  7. 前記カウント条件設定部は、夫々の前記ノズルがインク滴を吐出する際の各ノズル間におけるタイミング差、前記タイミング差の上限のうち少なくともいずれかを設定することを特徴とする請求項6に記載のヘッド駆動装置。
  8. 前記カウント条件設定部は、画像形成出力が実行される前に、前記条件を設定することを特徴とする請求項6又は7に記載のヘッド駆動装置。
  9. 夫々の前記ノズルがインク滴を吐出する際の各ノズル間におけるタイミング差は、前記圧電素子に駆動信号を印加することによって放電電流が発生する期間及び充電電流が発生する期間以上であることを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項に記載のヘッド駆動装置。
  10. 記録ヘッドに配置されたノズル毎に備えられた圧電素子に駆動信号を印加することにより前記ノズルからインク滴を吐出することで画像形成出力を実行する画像形成装置におけるヘッド駆動装置の制御方法であって、
    夫々の前記ノズルがインク滴を吐出して描画するための画素情報を夫々の前記ノズル毎に取得し、
    夫々の前記ノズルからインク滴を吐出するタイミングを示すタイミング情報を夫々の前記ノズル毎に取得し、
    前記画素情報に応じた信号パターンにより前記駆動信号を制御するための制御信号における前記信号パターンの発生タイミングが、前記タイミング情報に応じて調整された調整制御信号を生成し、
    夫々の前記ノズル毎に取得された前記画素情報及び前記タイミング情報の組み合わせに基づき、生成された前記調整制御信号に応じた駆動信号を夫々の前記ノズル毎に生成して夫々の前記圧電素子に印加することを特徴とするヘッド駆動装置の制御方法。
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