JP2014162067A - 樹脂部材の接合構造及びその接合状態検査方法 - Google Patents

樹脂部材の接合構造及びその接合状態検査方法 Download PDF

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智彦 竹内
Kazuhisa Kadota
和久 門田
Takasuke Shikita
卓祐 敷田
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Abstract

【課題】接合部の接合状態の検査の信頼性を向上させることができる樹脂部材の接合構造及びその接合状態検査方法を提供する。
【解決手段】樹脂部材の接合構造1は、第1樹脂部材3(オイルフィルタブラケット)と、第2樹脂部材5(止め栓)と、を振動溶着により接合した樹脂部材の接合構造である。第2樹脂部材には、第1樹脂部材と接合される部位に、流体が流通可能な流路53(スリット)が形成されており、流路は、振動溶着前に第1樹脂部材と第2樹脂部材とを当接させた状態では流体の流通が可能であるとともに、振動溶着が完了して、第1樹脂部材と第2樹脂部材とが接合されて、予め定められた正規の位置関係になった状態では、流路は閉塞されて流体の流通が不能とされている。
【選択図】図8

Description

本発明は、樹脂部材の接合構造及びその接合状態検査方法に関する。さらに詳しくは、接合部の接合状態の検査の信頼性を向上させることができる樹脂部材の接合構造及びその接合状態検査方法に関する。
従来より、樹脂部材同士の接合方法として、樹脂部材同士を溶融して接合するいわゆる溶着が広く行われている。(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、2つの樹脂部材の接合面同士を突き合わせて、この突き合わせ部にレーザ光を照射することにより溶着接合するようにしている。
特開2004−351730号公報
ところで、溶着の種類としては、加圧しながら振動を加えることによって生じる摩擦熱を利用して溶着接合する振動溶着も広く知られている。振動溶着では、通常、加圧時の荷重や沈み込み量を監視しながら溶着することにより溶着の良否を判断する。例えば、加圧時の荷重が適正でなかったり、所定の沈み込み量まで沈み込んでいなかったりした場合には、溶着が不十分であると判断する。しかしながら、この場合、接合部を間接的にしか確認することができないため、検査の信頼性に欠けていた。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、接合部の接合状態の検査の信頼性を向上させることができる樹脂部材の接合構造及びその接合状態検査方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、第1樹脂部材と、第2樹脂部材と、を振動溶着により接合した樹脂部材の接合構造であって、前記第2樹脂部材には、前記第1樹脂部材と接合される部位に、流体が流通可能な流路が形成されており、前記流路は、前記振動溶着前に前記第1樹脂部材と前記第2樹脂部材とを当接させた状態では前記流体の流通が可能であるとともに、前記振動溶着が完了して、前記第1樹脂部材と前記第2樹脂部材とが接合されて、予め定められた正規の位置関係になった状態では、前記流路は閉塞されて前記流体の流通が不能とされていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記第1樹脂部材は内燃機関のシリンダ本体にオイルフィルタを取り付けるためのオイルフィルタブラケットであり、前記第2樹脂部材は、前記オイルフィルタブラケットに形成された孔を閉塞するための止め栓であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の樹脂部材の接合構造の接合状態を検査するための検査方法であって、前記流路を流通する流体の量を把握することにより、前記接合状態を検査することを要旨とする。
本発明の樹脂部材の接合構造によると、第2樹脂部材には、振動溶着により第1樹脂部材と接合される部位に、流体が流通可能な流路が形成されている。この流路は、振動溶着前に第1樹脂部材と第2樹脂部材とを当接させた状態では流体の流通が可能であるとともに、振動溶着が完了して、第1樹脂部材と第2樹脂部材とが接合されて、予め定められた正規の位置関係になった状態では、閉塞されて流体の流通が不能とされている。これにより、第1樹脂部材と第2樹脂部材とを接合したときに正規の位置まで達せず、沈み込み量が十分でない場合には、流路は閉塞されない。このため、流路を流体が流通可能な状態が維持されたままとなり、気密性試験によって溶着不良と判別することができる。
このように、本発明の樹脂部材の接合構造では、接合部の接合状態の検査の信頼性を向上させることができる。
また、第1樹脂部材が内燃機関のシリンダ本体にオイルフィルタを取り付けるためのオイルフィルタブラケットであり、第2樹脂部材が前記オイルフィルタブラケットに形成された孔を閉塞するための止め栓である場合は、止め栓とフィルタブラケットとの接合状態を簡易かつ確実に確認することができ、溶着強度について信頼できるオイルフィルタブラケットとすることができる。
本発明の樹脂部材の接合状態検査方法によると、流路を流通する流体の量を把握することにより、樹脂部材同士の接合状態を検査するようにしている。これにより、溶着強度についての検査の信頼性を高めることができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
実施例に係る樹脂部材の接合構造を模式的に示す縦断面図である。 図1の要部拡大断面図である。 実施例に係る第1樹脂部材の要部拡大図である。 実施例に係る第2樹脂部材の部分断面図である。 実施例に係る第2樹脂部材を示す斜視図である。 実施例に係る第2樹脂部材の要部拡大断面図である。 実施例に係る樹脂部材の接合構造の作用を説明するための説明図である。 実施例に係る樹脂部材の接合構造の作用を説明するための説明図である。 実施例に係る樹脂部材の接合構造の作用を説明するための説明図である。 実施例に係る樹脂部材の接合構造の作用を説明するための説明図である。 他の実施形態に係る樹脂部材の接合構造を説明するための説明図である。 更に他の実施形態に係る樹脂部材の接合構造を説明するための説明図である。 更に他の実施形態に係る樹脂部材の接合構造を説明するための説明図である。 更に他の実施形態に係る樹脂部材の接合構造を説明するための説明図である。 更に他の実施形態に係る樹脂部材の接合構造を説明するための説明図である。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
1.樹脂部材の接合構造
本実施形態1.に係る樹脂部材の接合構造(1)は、第1樹脂部材(3)と、第2樹脂部材(5)と、を振動溶着により接合した樹脂部材の接合構造である。第2樹脂部材には、第1樹脂部材と接合される部位に、流体が流通可能な流路(53,67,69)が形成されており、流路は、振動溶着前に第1樹脂部材と第2樹脂部材とを当接させた状態では流体の流通が可能であるとともに、振動溶着が完了して、第1樹脂部材と前記第2樹脂部材とが接合されて、予め定められた正規の位置関係になった状態では、流路は閉塞されて流体の流通が不能とされていることを特徴とする。
上記第1樹脂部材及び第2樹脂部材の材質は特に問わないが、例えば、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE、LDPE、HDPE、LLDPE等)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)などの熱可塑性樹脂を挙げることができる。上記第1樹脂部材及び第2樹脂部材は同種の樹脂であることが好ましい。両樹脂部材の熱膨張率を同じにして接合性をより高め得るためである。
上記振動溶着の種類は、振動による摩擦熱を利用する限り特に問わないが、例えば、超音波、音波による共鳴振動を利用した溶着や、機械的振動を利用した溶着等が挙げられる。
上記流路は、第2樹脂部材の第1接合部材と接合される部位に形成されている。上記流路の形状は特に問わないが、例えば、スリット等の溝形状(例えば、図4〜図6等参照)や、丸孔、角孔等の穴形状(例えば、図15等参照)等であることができる。流路は、1箇所のみに形成されていてもよいし、2以上の複数箇所に形成されていてもよい。
上記「振動溶着前に第1樹脂部材と第2樹脂部材とを当接させた状態」とは、例えば、(i)第1樹脂部材の接合面(35,63)と第2樹脂部材の接合面(51,65)とを面接触させた状態(例えば、図8、図13等参照)、(ii)第1樹脂部材の接合面に第2樹脂部材の接合角部(59)を当接させた状態(例えば、図11等参照)、(iii)第1樹脂部材の接合角部(61)に第2樹脂部材の接合面を当接させた状態(例えば、図12等参照)等の形態であることを意図している。これら(i)〜(iii)のうちでは、(i)の形態であることが好ましい。振動溶着開始時の摩擦面積を大きくすることができるとともに、接合領域を大きくすることができ、安定した溶着を実現することができるからである。
本実施形態1.の樹脂部材の接合構造としては、例えば、上記第1樹脂部材が内燃機関のシリンダ本体(17)にオイルフィルタ(7)を取り付けるためのオイルフィルタブラケット(3)であり、上記第2樹脂部材がオイルフィルタブラケットに形成された孔(33)を閉塞するための止め栓(5)である形態であることができる(例えば、図1等参照)。上記孔は、例えば、樹脂成形品であるオイルフィルタブラケットの油路(9,11)を後加工にて形成したときの加工穴(捨て穴)であることができる。この場合、オイルフィルタブラケットの油路にかかる内圧に対する十分な耐圧性を確保し得るとともに、振動溶着による接合面同士の接合により捨て穴の十分なシール性を確保することができる。
2.樹脂部材の接合状態検査方法
本実施形態2.に係る樹脂部材の接合状態検査方法は、上記実施形態1.の樹脂部材の接合構造の接合状態を検査するための検査方法であって、流路を流通する流体の量を把握することにより、第1樹脂部材と第2樹脂部材との接合状態を検査することを特徴とする。
上記「流路を流通する流体の量を把握する」方法としては、例えば、気体の漏れの有無を調べる気密性試験を挙げることができる。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例では、本発明に係る「第1樹脂部材」として、内燃機関のシリンダ本体にオイルフィルタを取り付けるためのオイルフィルタブラケットを例示し、本発明に係る「第2樹脂部材」として、オイルフィルタブラケットの油路の捨て穴を塞ぐ止め栓を例示する。
(1)樹脂部材の接合構造の構成
本実施例に係る樹脂部材の接合構造1は、図1及び図2に示すように、オイルフィルタブラケット3(以下、単にブラケット3と表記する)及び止め栓5を振動溶着により接合した構造である。
ブラケット3はポリアミド系樹脂からなる。ブラケット3には、図1に示すように、オイルフィルタ7でろ過されたオイルをエンジンに戻すための戻し油路9と、エンジンからオイルフィルタ7にオイルを送るための送り油路11とが形成されている。これら各油路9,11は、2箇所の屈曲部を持つ略U字状に形成されている。また、各油路9,11の一端側13,15には、シリンダ本体17に形成された挿入筒部19(図1中に一方のみ記載する)が挿入されている。また、一方の油路9の他端側21(オイルフィルタ側)にはオイルフィルタ7の筒状の油路連結部23が挿入されている。さらに、他方の油路11の他端側25は濾過室27に連絡されている。なお、ブラケット3の一端側には、オイルフィルタ7の構成部品となるケース状のハウジング部29が設けられている。
また、ブラケット3には、各油路9,11のシリンダ本体17側の屈曲部の近傍に筒部31がそれぞれ形成されている。これら各筒部31には、各油路9,11とブラケット3の外部とを連絡する捨て穴33(本発明に係る孔として例示する)が形成されている。捨て穴33は、樹脂成形品であるブラケット3の油路9,11を後加工にて形成したときの加工穴である。また、図3に示すように、各捨て穴33の内周にはテーパ状の接合面35が形成されている。この接合面35は、振動溶着開始時において、後述する止め栓5の接合面と当接して接合される面である。接合面35は、止め栓5と接合されるときの押圧方向に対して傾斜して形成されている。
なお、上記オイルフィルタ7は、エレメント交換型のオイルフィルタであり、ブラケット3のハウジング部29が螺合されるケース部材37と、このケース部材37とハウジング部29との間に形成される濾過室27内に収容されるフィルタエレメント39と、を備えている。このフィルタエレメント39は、濾材41と、この濾材41を外周側に装着してなる円筒状のプロテクタ43と、を備えている。このプロテクタ43の一端側には油路連結部23が形成されている。
止め栓5は、ブラケット3と同様ポリアミド系樹脂からなる。止め栓5は、超音波振動溶着により、ブラケット3の筒部31に接合されている。この止め栓5は、図4〜図6に示すように、略円板形状の頭部45と、この頭部45の一面側に連なる略円柱状の胴部47と、この胴部47の頭部45とは反対側の面に連なり、胴部47の直径よりも縮径された縮径部49と、を備えており、全体として階段状をなしている。胴部47の縮径部49側の端部には、テーパ状の接合面51が形成されている。この接合面51は、ブラケット3と接合される部位であり、筒部31の接合面35に当接させたときに面接触するように、接合面35と略平行に形成されている。
また、止め栓5には、スリット53(本発明に係る流路として例示する)が形成されている。スリット53は、ブラケット3と接合される部位となる接合面35に形成されている。スリット53は、止め栓5の周方向に略等配で4箇所形成されている。各スリット53は、断面略矩形状であるとともに、接合面51に略直交する方向へ接合面51から陥没するように形成されている。また、スリット53は、その両端部が、胴部47の縮径部49側の面と、胴部47の外周面と、にそれぞれに達するように、接合面51を横切って形成されている。さらに、図6に示すように、スリット53は、その底面55が、接合面51と略平行になるように形成されている。
(2)樹脂部材の接合構造の作用
次に、上記構成の樹脂部材の接合構造の作用について説明する。
図7に示すように、ブラケット3と止め栓5の接合時には、最初に、ブラケット3側の接合面35と、止め栓5側の接合面51と、が当接するように、止め栓5をブラケット3の筒部31に形成された捨て穴33に挿入する。ブラケット3側の接合面35と止め栓5側の接合面51とを当接させた状態では、図8に示すように、スリット53を介して、捨て穴33内の空間と外部空間とが連通しており、スリット53を流体が流通可能となっている。
この状態で、止め栓5を捨て穴33への挿入方向に加圧しながら超音波振動を付与することにより接合面35,51に摩擦熱が発生し、接合面35,51を中心にその周囲の樹脂が溶融する。すると、図9に示すように、加圧されていることによって止め栓5が沈み込み、ブラケット3と止め栓5の間に接合部57が形成される。この止め栓5の沈み込みが生じているとき、スリット53は、接合部57に吸収されるようにして、その断面積が次第に小さくなってゆく。また、このとき、スリット53の底面55が接合面51と略平行になるように形成されていることから、スリット53は、その長手方向のいずれの場所においても、断面積が略同一の状態を保ちながら、均等に縮小するように、接合部57に吸収されてゆく。そして、更に溶着を進めて止め栓5を沈み込ませると、図10に示すように、十分な大きさの接合部57が形成され、振動溶着が完了する。振動溶着が完了したときには、スリット53は接合部57に吸収されて閉塞されており、流体の流通は不能となっている。
ブラケット3と止め栓5の接合では、振動溶着が完了した時点における部材の位置関係が、接合部57の溶着強度を基準にして予め定められている。この位置関係は、接合部57の溶着強度が十分に確保されていると想定される位置まで止め栓5が沈み込んだときの2部材の位置関係であり、この位置関係を正規の位置関係としている。この正規の位置関係となった状態では、スリット53は接合部57に吸収されて閉塞されており、捨て穴33内の空間と外部空間とは遮断された状態となっている。このため、捨て穴33内の空間と外部空間との間の流体の流通は不能であり、気密性試験を行っても、スリット53からの流体の漏洩は検出されない。
一方、ブラケット3と止め栓5の位置関係が正規の位置関係に達していない場合には、図9に示すように、スリット53が塞がれず、流体の流通が可能な状態となっている。したがって、この状態で気密性試験を行ったときには、スリット53を介しての流体の流通が検出される。
(3)実施例の効果
以上より、本実施例の樹脂部材の接合構造1によると、止め栓5には、振動溶着によりブラケット3と接合される部位に、流体が流通可能なスリット53が形成されている。このスリット53は、振動溶着前にブラケット3と止め栓5とを当接させた状態では流体の流通が可能であるとともに、振動溶着が完了して、ブラケット3と止め栓5とが接合されて、予め定められた正規の位置関係になった状態では、閉塞されて流体の流通が不能とされている。これにより、ブラケット3と止め栓5とを接合したときに、止め栓5の沈み込み量が十分でなく、2部材が正規の位置関係になっていない場合には、スリット53は閉塞されない。このため、スリット53を流体が流通可能な状態が維持されたままとなり、気密性試験によって溶着不良と判別することができる。
このように、本実施例の樹脂部材の接合構造1では、接合部57の接合状態の検査の信頼性を向上させることができる。
また、本実施例では、ブラケット3と止め栓5とを同種の樹脂としたので、略同等の熱膨張率の2部材を良好に接合することができる。
さらに、本実施例では、ブラケット3側のテーパ状の接合面35と、止め栓5側のテーパ状の接合面51とを形成し、振動溶着前では、ブラケット3と止め栓5とが当接した状態となるようにしたので、線接触や点接触の場合と比較して、振動溶着開始時の摩擦面積を大きくすることができるとともに、接合領域を大きくすることができる。その結果、安定した溶着を実現することができる。
また、本実施例では、スリット53を、止め栓5の周方向に略等配で4箇所形成するようにしたので、気密性試験により流体の流通が認められた場合には、その位置に基づいて、接合部57の不具合が生じている位置を特定することができる。
さらに、本実施例では、スリット53の断面形状を略矩形状としたので、ブラケット3と止め栓5とが正規の位置関係になっていない状態のときの縮小されたスリット53であっても、流体の流通を確保することができる。このため、確実な接合状態の検査を実施することができる。
また、本実施例では、スリット53を、その底面55が接合面51と略平行になるように形成したので、接合時には、スリット53が、その長手方向のいずれの場所においても、断面積が略同一の状態を保ちながら、均等に縮小するように、接合部57に吸収されてゆくようにすることができる。これにより、スリット53の一部のみが先に閉塞されてしまうのを防止することができる。
さらに、本実施例では、気密性試験によりスリット53を流通する流体の量を把握することによって、ブラケット3と止め栓5との接合状態を検査するようにしている。このため、従来の加圧時の荷重や沈み込み量を監視することによる接合状態の把握と組み合わせることによって、溶着強度についての検査の信頼性をより高めることができる。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例では、ブラケット3及び止め栓5の溶着開始時に当接する箇所をテーパ状の接合面35,51として、これらを面接触させる例を示したが、これに限定されず、例えば、図11に示すように、ブラケット3の接合面35に止め栓5の接合角部59を当接させるようにしたり、図12に示すように、ブラケット3の接合角部61に、止め栓5の接合面51を当接させるようにしたりしてもよい。
また、上記実施例では、ブラケット3及び止め栓5の溶着開始時に当接する箇所として止め栓5と接合されるときの押圧方向に対して傾斜して形成されたテーパ状の接合面35,51を例示したが、これに限定されず、例えば、図13に示すように、押圧方向に対して略直交する接合面63,65としてもよい。
さらに、上記実施例では、本発明に係る第1樹脂部材をブラケット3、第2樹脂部材を止め栓5として、止め栓5側に、本発明に係る流路としてのスリット53を形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、図14に示すスリット67のように、ブラケット3側に流路を形成するようにしてもよい。すなわち、第1樹脂部材を止め栓5、第2樹脂部材をブラケット3としてもよい。
また、上記実施例では、本発明に係る流路として、断面略矩形状のスリット53を例示したが、これに限定されず、例えば、略V字状、略U字状等の断面のスリットであってもよい。また、流路は、スリットのような溝状に限られず、例えば、図15に示すように、流路として孔69を形成するようにしてもよい。流路が孔である場合、この孔は、略円形状、略楕円形状、長円形状、略方形状等の断面を有する孔であることができる。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
振動用着により接合された接合部の接合状態の検査の信頼性を向上させる技術として広く利用される。
1;樹脂部材の接合構造、3;オイルフィルタブラケット(第1樹脂部材)、5;止め栓(第2樹脂部材)、7;オイルフィルタ、9;戻し油路、11;送り油路、17;シリンダ本体、19;挿入筒部、23;油路連結部、27;濾過室、29;ハウジング部、31;筒部、33;捨て穴(孔)、35,63;オイルフィルタブラケット(第1樹脂部材)側の接合面、37;ケース部材、39;フィルタエレメント、41;濾材、43;プロテクタ、45;頭部、47;胴部、49;縮径部、51,65;止め栓(第2樹脂部材)の接合面、53,67;スリット(流路)、55;スリット(流路)の底面、57;第1樹脂部材と第2樹脂部材との接合部、59;止め栓(第2樹脂部材)側の接合角部、61;オイルフィルタブラケット(第1樹脂部材)側の接合角部、69;孔(流路)。

Claims (3)

  1. 第1樹脂部材と、第2樹脂部材と、を振動溶着により接合した樹脂部材の接合構造であって、
    前記第2樹脂部材には、前記第1樹脂部材と接合される部位に、流体が流通可能な流路が形成されており、
    前記流路は、前記振動溶着前に前記第1樹脂部材と前記第2樹脂部材とを当接させた状態では前記流体の流通が可能であるとともに、
    前記振動溶着が完了して、前記第1樹脂部材と前記第2樹脂部材とが接合されて、予め定められた正規の位置関係になった状態では、前記流路は閉塞されて前記流体の流通が不能とされていることを特徴とする樹脂部材の接合構造。
  2. 前記第1樹脂部材は内燃機関のシリンダ本体にオイルフィルタを取り付けるためのオイルフィルタブラケットであり、
    前記第2樹脂部材は、前記オイルフィルタブラケットに形成された孔を閉塞するための止め栓である請求項1記載の樹脂部材の接合構造。
  3. 請求項1又は2記載の樹脂部材の接合構造の接合状態を検査するための検査方法であって、
    前記流路を流通する流体の量を把握することにより、前記接合状態を検査することを特徴とする樹脂部材の接合構造の接合状態検査方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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