JP2014161675A - 抗血栓性材料としての生体親和性ポリマー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】側鎖にエーテル基を少なくとも一つ含む構造と、生分解性ポリマー骨格からなる主鎖とを含む、生体親和性ポリマー組成物。
【選択図】図5
Description
ポリエチレングリコール(PEG)は、エーテル構造である(C2H4−O)を繰返し単位とする構造を有し、非常に優れた生体適合性を示すことが知られている。しかし、PEG自体は水溶性であるため、医療用材料として使用する場合には耐水溶性を付与する目的で、他のポリマーとのブロック共重合体やグラフト共重合体にして使用する等の必要がある。一方、ポリ(2−メトキシエチルアクリレート)(PMEA)等は、PEGの構成単位であるエーテル構造を主な構成とする基をビニル基等に結合したモノマーを重合させて、アルキル鎖(主鎖)に対してエーテル構造を主な構成とする側鎖として設けた構造を有している。このような構造を採ることにより、PEGが示す生体親和性を維持しつつ、アルキル鎖により耐水溶性を付与することが可能であることが明らかになっている。
ポリアルコキシアルキル(メタ)アクリルアミドは、側鎖の末端にエーテル構造を有する、(メタ)アクリルアミドを繰り返し単位とする構造を有し、その適度な親水性により、凝固系、補体系、血小板系の活性化を抑制することが可能であり、優れた血液親和性を発現することが見出されている。
体内に留置される医療用機器に使用される生分解性ポリマーにおいては、所定期間で分解する特性以外に、分解により生じる物質が生体に対して毒性を示さずに代謝により体外に排出されるように設計されることが一般的である。このような生分解性ポリマーが使用される医療用機器の例として、例えば、特許文献1には、所定の構造を有する生分解性ポリマーと薬剤の混合層を生体内留置物の表面に設けることで、当該生分解性ポリマーの分解に伴って薬剤を徐放する技術が記載されている。また、特許文献2には、カテーテル等に使用される生分解性ポリマーであって、生体内で分解した際にカルボン酸を生成しないことにより、局所的なpH減少による炎症などのリスクが少ない点で生体適合性を示すと考えられるポリマーが記載されている。
しかしながら、上記のような医療用機器に使用される生分解性ポリマーにおいて、ポリマーとして存在する際の生体に対する親和性(生体親和性)を考慮した先行例は限られている。つまり、医療用機器に使用される間は、生体内の血液や組織に対して異物反応を生じさせない生体親和性を示すポリマーであって、且つ、所定の期間で生分解を生じて代謝されるようなポリマーは、これまでにほとんど提供されていない。例えば、特許文献3には、血液親和性や非血栓形成性等を示すリン脂質成分を生分解性ポリマーに対して共有結合により導入したポリマーが記載され、生分解性と血液親和性の両立が試みられているが、当該特性の発現は確認されていない。
上記問題を解決するために、本発明は生体親和性を示すと共に、良好な生分解性を示すポリマーを提供することを課題とする。また、上記ポリマーの製造においてモノマーとして用いる新規の化合物とその製造方法、及びそれを用いたポリマーの製造方法を提供することを課題とする。更に、当該ポリマーを用いた医療用機器を提供することを課題とする。
(1)側鎖にエーテル基を少なくとも一つ含む構造と、生分解性ポリマー骨格からなる主鎖とを含む、生体親和性ポリマー組成物。
(2)前記生分解性ポリマー骨格が、式:(I)
−CB−A− (I)
(式中、
CBは、カーボネート結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を有する単位構造から選択され;
Aは、少なくとも一つの基−Yによって水素原子が置換されているC1−8アルキレン基であり;
Yは、式:−L−Z(式中、Zは、鎖状エーテル、環状エーテル又はアセタール構造を少なくとも一つ有する構造であり、Lは、主鎖とZとのリンカーであり、アルキレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合もしくはウレア結合又はそれらの組み合わせを有する単位構造から選択される)で示される基である)
で示される繰り返し単位を含む、上記(1)に記載の生体親和性ポリマー組成物。
(3)前記Aが、C1−8アルキレン基中のCBに隣接する炭素原子以外の少なくとも一つの炭素原子がN、O又はSから選択されるヘテロ原子で置き換えられているか、及び/又はC1−8アルキレン基中の水素原子が低級アルキル基で置換されている基である、上記(2)に記載の生体親和性ポリマー組成物。
(4)前記リンカーLが、以下に示される基:
から選択されるか、又は上記の基とZとの結合部分に1,2,3−トリアゾール基を有している基から選択される、上記(2)又は(3)に記載の生体親和性ポリマー組成物。
(5)Zが、下記式(II):
[式中、lは、1〜30の整数であり、Uは、水素原子又は炭素数5以下の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基であるか、又は下記式(III):
(式中、l’は、1〜5の整数である)で示される基である]
で示される基であるか、あるいは、Zは、下記式(IV):
(式中、l”は、1〜5の整数である)で示される基であるか、あるいは、Zは、下記式(V):
(式中、M’は、水素原子又は炭素数3以下の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、E及びE’は、互いに独立して、−O−又は−CH2−であり、ただし、少なくとも一方は−O−であり、Q’及びQ”は、互いに独立して、水素原子、炭素数6以下の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル、アルケニルもしくはアルキニル、C3−8脂環式アルキル又はベンジルを表すか、あるいはQ’及びQ”は、一緒になって炭素数2〜5のアルキレン基を形成し、k及びk’は、互いに独立して、0〜2の整数である)
で示される基である、上記(2)〜(4)のいずれか一に記載の生体親和性ポリマー組成物。
(6)前記主鎖が、生分解性ポリマーと非生分解性ポリマーとの共重合体である、上記(1)〜(5)のいずれか一に記載の生体親和性ポリマー組成物。
(7)下記一般式(VII):
(式中、
X及びX’は、互いに独立して−O−、−NH−又は−CH2−であり、ただし、少なくとも一方は−CH2−ではなく;
Yは、基−L−Zで示される構造部分であり(ここで、L及びZは、請求項2で定義されたとおりである);
Mは、水素原子、炭素数3以下の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又は基−L−Zであり;
m及びm’は、互いに独立して、0〜5の整数であり、ただし、X及びX’が共に−O−のとき、m及びm’の少なくとも一方は0ではなく、また、m及びm’の和は、7以下であり;
これらの各々は、各繰り返し単位において異なっていてもよく、
で表される、モノマー化合物。
(8)上記(7)に記載の一般式(VII)で示されるモノマー化合物を開環重合する工程を含む、生体親和性ポリマー組成物の製造方法。
(9)上記(7)に記載のモノマー化合物の開環重合によって製造される生体親和性ポリマー組成物。
(10)生体内組織や血液に接して使用されたときに、分解されるまでの間、血液や組織に対して異物反応を抑制するための、上記(1)〜(6)のいずれか一に記載の生体親和性ポリマー組成物。
(11)上記(1)〜(6)、(9)及び(10)のいずれか一に記載の生体親和性ポリマー組成物を含む、医療用機器。
本発明において、以下の用語は、単独で現れるか又は組み合わせて現れるかにかかわらず、それぞれについて説明される内容を示すものとして使用される。
−CB−A− (I)
上記式(I)において、CBは、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合もしくはウレア結合又はそれらの組み合わせを有する単位構造から選択され、非限定的な具体例として、以下のスキーム1に掲げる単位構造が挙げられる:
上記エーテル構造を含む側鎖がアルキル鎖を主鎖とするポリマーに導入された際に、当該ポリマーが生体親和性を示すことは従来から知られている。これに対し、本発明においては、当該エーテル構造を含む側鎖を、カーボネート結合等によりアルキレン基等が結合された生分解性が期待される主鎖に対して導入することにより、生分解性を失うこと無しに生体親和性を付与可能であることを見出したことに基づくものである。
本発明の一つの態様においては、構造部分Zは、下記式(II)で示すことができる。
式(II)中、繰り返し数(l)は、1〜30の整数であり、Uは、水素原子又は炭素数5以下の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基である。式(II)で示される繰り返しは鎖状エーテルに相当し、繰り返し数(l)が大きい場合には側鎖の水への溶解度が高くなる傾向が見られ、その結果としてポリマー全体が水溶性を有することになる。このため、式(II)で示される構造がポリマーに導入される密度等にも依存するが、典型的にはlは20以下であり、また10以下とされることが好ましい。また、特に式(II)で示される構造がポリマーに高い密度で導入される場合には、ポリマーの耐水溶性を確保するためにlを5以下としても、ポリマーは十分な割合で中間水を含有することができる。更に、lを1、2、3程度にすることで、充分な耐水性を確保すると共に中間水の含有割合を低下させて、血小板粘着は抑制しつつも所定の細胞等を吸着可能なポリマーとすることができる。また、式(II)で示される繰り返しはエチレングリコール(−C2H4−O−)に対応するものであるが、本発明ではこれに限定されず、ポリマーの耐水溶性を向上する点でプロピレングリコール(−C3H6−O−)に対応する構造を用いることも可能である。
鎖状エーテルの末端に設けられる構造Uにおいては、アルキル基の炭素数が大きいものを用いることでポリマーの耐水溶性が向上される一方で、炭素数が減少することで含有される中間水が増加する傾向にあり、典型的にはUとしてメチル(炭素数1)が好ましい。
又、Uは、下記式(III)で示すことができる基であってもよい。
式(III)中、l’は、1〜5の整数とすることができるが、l’が1のとき(すなわち、3員環のとき)には水中で開環して不安定となるため、l’は2、3、4又は5のいずれかとすることが好ましい。
また、本発明の他の具体的な態様においては、構造部分Zは、下記式(IV)で示すことができる。
式(IV)で示される構造は環状エーテルに相当するものであり、このような構造を側鎖に導入することで中間水の含有が可能となる。式(IV)中、l”は、1〜5の整数とすることができるが、l”が1のとき(すなわち、3員環のとき)には水中で開環して不安定となるため、l”は2、3、4又は5のいずれかとすることが好ましい。
また、本発明の他の態様においては、構造部分Zは、下記式(V)で示すことができる。
式(V)中、M’は、水素原子、炭素数3以下の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、好ましくは、メチルである。E及びE’は、互いに独立して、−O−又は−CH2−であり、ただし、少なくとも一方は−O−であってよいが、ともに−O−であるアセタール構造をとることが好ましい。Q’及びQ”は、互いに独立して、水素原子、炭素数6以下の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル、アルケニルもしくはアルキニル、C3−8脂環式アルキル又はベンジルを表すか、あるいはQ’及びQ”は、一緒になって炭素数2〜5のアルキレン基を形成するが、含有可能な中間水の割合を好ましい程度に保つため、好ましくは水素原子又は炭素数6以下のアルキルであり、最も好ましくは、Q及びQ’は、共に水素原子又はメチルである。k及びk’は、互いに独立して、0〜2の整数であるが、原料の入手容易性等から、k=1、k’=0である場合が好ましい。
以上のような構造部分Zは、少なくとも一つのエーテル基(−O−)を有していることにより、例えばポリエチレングリコールに見られるような高い分子運動性を示すことが可能であって、このような構造を側鎖中に有することでポリマーとして中間水を含有可能になると考えられる。そして、構造部分Zに含まれるエーテル基の数、構造部分Z自体の嵩高さ等を調節することにより、得られるポリマーが含有可能な中間水の量が調節されて抗血栓性の程度を調節することができる。
望ましく使用されるリンカーLの具体的構造は、使用する構造部分Zの構造にも依存するが、一般的には上記エーテル基、エステル基、アミド基、アミノ基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基等の他、上記スキーム1に例示したような単位構造が挙げられる。また、リンカーLと構造部分Zとの結合を形成するにあたって、例えばクリック反応と呼ばれる反応(例えばAngew. Chem. Int. Ed., 2001, 40, 2004-2021を参照されたい)を用いて、例えばアジドとアルキレンから誘導した1,2,3−トリアゾール構造を有するリンカーを導入することもできる。例示的な合成方法としては、先に例示したリンカーLの末端にエテニル基(−C≡C−)を導入したような基と、アジドを反応させることで、先に例示したリンカーLと構造部分Zとが1,2,3−トリアゾール環を介して結合したような構造を得ることができる。これらの構造を同様にリンカーLとして用いることができる。
また、上記式(I)におけるAの部分に含まれる主鎖を成す一つの炭素原子にリンカーを介して2つの構造部分Zを導入することも可能である。また、更に、重合の際に用いるモノマーにおいて、一つ又は複数のカルボニル結合等(CB)となる部分と、一つ以上の構造部分Zを導入することで、重合によって得られるポリマーにおいて、各カルボニル結合等(CB)の間に存在する構造部分Zの数を任意に調整することも可能である。
上記式(I)において「CB」で示される部分は、カーボネート結合、エステル結合、ウレタン結合、ウレア結合、アミド結合等であって、いずれもカルボニル炭素と、それに隣接する位置の少なくとも一方に酸素原子又は窒素原子が存在する基によって構成されるものである。このような構造をポリマーの主鎖に比較的高い密度で導入することにより、従来知られる脂肪族ポリエステル系やポリアミド系の生分解性ポリマーと同様に、この部分が生体内で加水分解等を生じることによって生分解性が発現するものと考えられる。
本発明に係るポリマーにおいて、結合部分CBとして使用される結合様式は、ポリマーが使用される用途、特に生分解に要する期間などに基づいて適宜決定することができる。結合部分CBとしてウレタン結合やアミド結合を用いた場合には、比較的体内での生分解速度の低いポリマーを得ることができる。一方、これらの結合様式を用いた場合には、生分解の際にアミン(NH2)やカルボン酸が生成物として生じることで用途が限定されることが予想される。また、エステル結合は、比較的高い生分解速度を示すことが期待されるが、アミド結合と同様にカルボン酸が生分解の際の生成物として生じることが予想される。これに対して、結合部分CBとしてカーボネート結合を用いた場合には、ウレタン結合やアミド結合と比較して高い生分解速度を示すことが期待されると共に、生分解によって二酸化炭素とアルコールになることが期待される点で、好ましく用いることができる。
また、上記のように、上記結合部分CBにより相互に結合されるアルキレン基等により構成される主鎖に対し、当該アルキレン基等に含まれる任意の炭素原子に中間水の含有に関連するエーテル構造等を導入して側鎖とすることにより、結合部分CBに起因する生分解性を保持しつつ、中間水を含有可能なポリマーとすることが可能である。
(式中、
X及びX’は、互いに独立して−O−、−NH−又は−CH2−であり、ただし、少なくとも一方は−CH2−ではなく;
Mは、水素原子、炭素数3以下の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又は基−L−Zであり;
m及びm’は、互いに独立して、0〜5の整数であり、ただし、X及びX’が共に−O−のとき、m及びm’の少なくとも一方は0ではなく、また、m及びm’の和は、7以下であり;
Yは、基−L−Zで示される構造部分であり(ここで、L及びZは、上記定義のとおりである);
これらの各々は、各繰り返し単位において異なっていてもよく、
nは、重合度を表し、好ましくは2〜2000の範囲である
生体親和性ポリマー組成物である。
mとm’の値は、モノマーの原料化合物の選択によって決定されるが、モノマーの調製の点から、mとm’の和が、1〜4の範囲にあることが好ましく、mとm’が、共に1であることが最も好ましい。
例えば、上記一般式(VII)において、カルボニル炭素に隣接するX、X’として、CH2、O、Nから選択することで、重合後のポリマーの主鎖に含まれる結合部分CBとして、カーボネート結合(O/O)、エステル結合(CH2/O)、ウレタン結合(O/N)、アミド結合(CH2/N)、ウレア結合(N/N)のいずれかが選択される。
また、m、m’として、互いに独立して0を含む整数(カーボネート結合、ウレア結合の場合には、いずれか一方は0でない)を選択することで、結合部分CBとにより結合されるアルキレン基部Aの長さが決定される。そして、上記一般式(VII)の「Y」として、炭素原子に適宜のリンカーLを介して構造部分Zを結合させることで、重合後のポリマーの側鎖部分にエーテル構造を有する側鎖を設けることができる。上記一般式(VII)の「M」として、水素、アルキル基、又は、上記「Y」と同様にリンカーLを介して構造部分Zを結合させることができる。
上記のようにして得られる環状モノマーを、典型的にはカルボニル炭素に隣接する結合のいずれかで開環して相互に重合することで、本発明に係る生体親和性ポリマーを製造することができる。
上記では、構造部分Zを含む部分Yを一つ含む環状モノマーについて説明したが、これに限定されず、m、m’に含まれる適宜の炭素原子に対しても一つ又は二つの構造部分Zを含む部分Yを設けることも可能である。また、m、m’に含まれる適宜の炭素原子(X、X’としてO、Nが選択される場合には、当該O、Nに隣接する炭素原子は除く)を酸素で置換することにより、重合後のポリマーの主鎖部分にエーテル構造を導入することができる。また、N,S等のヘテロ原子により、アルキレン基部Aの炭素原子を置換することも可能である。
X、X’を共に酸素原子として環状カーボネートとし、m及びm’が共に1であり、Mが、メチル基であり、
Yとして、エステル結合により所定のエーテル構造を結合したものを用いれば、当該環状カーボネートを開環重合させることにより、C=3のアルキレン基がカーボネート結合により結合された主鎖を有し、当該アルキレン基の中央の炭素原子に対して当該エーテル構造とメチル基が側鎖として設けられたポリマーを得ることができる。
5−メチル−5−(2−メトキシエチル)オキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン、
5−メチル−5−(2−エトキシエチル)オキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン、
5−メチル−5−(2−テトラヒドロフラニルメチル)オキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン、
5−メチル−5−(3−テトラヒドロフラニルメチル)オキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン、
5−メチル−5−(3−テトラヒドロピラニルメチル)オキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン
5−メチル−5−[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]オキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン、
5−メチル−5−(2−エポキシオキシエチル)オキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン、
4−メチル−4−(2−メトキシエチル)オキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン、
4−メチル−4−(2−エトキシエチル)オキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン、
4−メチル−4−(2−テトラヒドロフラニルメチル)オキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン、
4−メチル−4−(3−テトラヒドロフラニルメチル)オキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン、
4−メチル−4−(3−テトラヒドロピラニルメチル)オキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン
4−メチル−4−[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]オキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン、
4−メチル−4−(2−エポキシオキシエチル)オキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン、
γ−メチル−γ−(2−メトキシエチル)オキシカルボニル−δ−バレロラクトン、
γ−メチル−γ−(2−エトキシエチル)オキシカルボニル−δ−バレロラクトン、
γ−メチル−γ−(2−テトラヒドロフラニルメチル)オキシカルボニル−δ−バレロラクトン、
γ−メチル−γ−(3−テトラヒドロフラニルメチル)オキシカルボニル−δ−バレロラクトン、
γ−メチル−γ−(3−テトラヒドロピラニルメチル)オキシカルボニル−δ−バレロラクトン、
等が挙げられるが、これらに限定されず、目的とするポリマーの構造に応じて、適宜使用するモノマーを選択することができる。
また、例えば、使用する環状モノマーの環状部分に、ポリマーにおいてカーボネート結合等を形成するカルボニル炭素を複数導入すると共に、環状部分をなす適宜の炭素にエーテル基を含む構造を導入したモノマーを用いることより、カーボネート結合等の生分解性が期待される結合間に導入されたエーテル基を含む構造を有する側鎖の分布が、隣接する繰り返し単位で同一でないポリマーを製造することもできる。
(式中、M、m、m’、Y、Zは、先に定義されたとおりであり、P及びP’は脱離基を表し、Rは、−O−フェニルであるか、塩素原子であるか、又は存在しない)
(式中、M、m、m’、Zは、先に定義されたとおりである)
なお、本明細書において、「生体内組織や血液に接して使用され」とは、例えば、生体内に入れられた状態、生体内組織が露出した状態で当該組織や血液と接して使用される形態、及び体外循環医用材料において体外に取り出した生体内成分である血液と接して使用される形態等を当然に含むものとする。また、「医療用途に使用され」とは、上記「生体内組織や血液に接して使用され」、又は、それを予定して使用されることを含むものである。
具体的には、本発明の生体親和性ポリマー組成物を、血液フィルターを構成する基材表面の少なくとも一部にコーティングしてもよい。また、血液バッグと前記血液バッグに連通するチューブの血液と接する表面の少なくとも一部に本発明の高分子化合物をコーティングしてもよい。また、チューブ、動脈フィルター、遠心ポンプ、ヘモコンセントレーター、カーディオプレギア等からなる器械側血液回路部、チューブ、カテーテル、サッカー等からなる術野側血液回路部から構成される体外循環血液回路の血液と接する表面の少なくとも一部を本発明の生体親和性ポリマー組成物でコーティングしてもよい。
また、先端に鋭利な針先を有する内針と、前記内針の基端側に設置された内針ハブと、前記内針が挿入可能な中空の外針と、前記外針の基端側に設置された外針ハブと、前記内針に装着され、かつ前記内針の軸方向に移動可能なプロテクタと、前記外針ハブと前記プロテクタとを連結する連結手段とを備えた留置針組立体の、血液と接する表面の少なくとも一部が本発明の生体親和性ポリマー組成物でコーティングされてもよい。また、長尺チューブとその基端(手元側)に接続させたアダプターから構成されるカテーテルの血液と接触する表面の少なくとも一部が本発明の生体親和性ポリマー組成物でコーティングされてもよい。
また、ガイドワイヤーの血液と接触する表面の少なくとも一部が本発明の生体親和性ポリマー組成物でコーティングされてもよい。また、金属材料や高分子材料よりなる中空管状体の側面に細孔を設けたものや金属材料のワイヤや高分子材料の繊維を編み上げて円筒形に成形したもの等、様々な形状のステントの血液と接触する表面の少なくとも一部が本発明の生体親和性ポリマー組成物でコーティングされてもよい。
また、多数のガス交換用多孔質中空糸膜をハウジングに収納し、中空糸膜の外面側に血液が流れ、中空糸膜の内部に酸素含有ガスが流れるタイプの中空糸膜外部血液灌流型人工肺の、中空糸膜の外面もしくは外面層に、本発明の生体親和性ポリマー組成物が被覆されている人工肺としてもよい。
また、透析液が充填された少なくとも一つの透析液容器と、透析液を回収する少なくとも一つの排液容器とを含む透析液回路と、前記透析液容器を起点とし、又は、前記排液容器を終点として、透析液を送液する送液手段とを有する透析装置であって、その血液と接する表面の少なくとも一部が本発明の生体親和性ポリマー組成物でコーティングされてもよい。
ピーク分子量が既知の標準ポリスチレンを用い、該標準ポリスチレンで校正したゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(東ソー社製「HLC−8220」、カラム構成:Tosoh TSK−gels super AW5000、super AW4000、super AW3000)を使用して、重合体の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定した。(溶媒:テトラヒドロフラン、温度:40℃、流量:1.0mL/min)。
上記(1)の方法で求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の値を用い、その比(Mw/Mn)として求めた。
モノマー及びポリマーの構造解析については、NMR測定装置(日本電子株式会社製、JEOL 500MHz JNM−ECX)を用い、1H−NMR測定及び13C−NMR測定を行った。なお、ケミカルシフトはCDCl3(1H:7.26ppm、13C:77.1ppm)を基準とした。
2,2−ビス(メチロール)プロピオン酸(ビス−MPA;30.0g、0.224mol)、イオン交換樹脂Amberyst-15(登録商標)(6.00g)を2−メトキシエタノール(150mL、1.91mol)に加えて90℃にて45時間加熱、撹拌した。その後、反応溶液からイオン交換樹脂を濾別し、得られた濾液を減圧下で濃縮、乾燥して淡黄色の油状物質として、2,2−ビス(メチロール)プロピオン酸2−メトキシエチル(MPA−ME)を得た(25.1g、収率58.5%)。1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 4.35 (quin, 2H, CH2CH2OCH3), 3.85 (d, 2H, CHaHbOH), 3.73 (d, 2H, CH2HbOH), 4.35 (quin, 2H, CH2OCH3), 3.39 (s, 3H, OCH3), 1.11 (s, 3H, CH3).
MPA−ME(25.1g、0.131mol)とピリジン(63.5mL、0.787mol)をジクロロメタン(DCM;150mL)に加え、ドライアイス−アセトン浴中で−75℃に冷却した。次にトリホスゲン(19.5g、0.0655mol)のDCM溶液(200mL)を滴下し、−75℃の冷却下にて2時間、その後室温にて2時間撹拌した。反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)を加えて45分間撹拌し、次いで有機相を1N 塩酸水溶液(200mL)で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)、飽和食塩水(200mL)、及びイオン交換水(200mL)にて洗浄した。得られた有機相を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で濃縮、乾燥した。その後、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)にて精製し、無色の粘性液体として、5−メチル−5−(2−メトキシエチル)オキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン(MTC−ME)を得た(11.0g、収率43.8%)。1H-NMR (500MHz, CDCl3): δ 4.68 (d,2H,CHaHbOCOO), 4.32 (quin, 2H, CH2CH2OCH3), 4.20 (d, 2H, CHaHbOCOO), 3.57 (quin, 2H, CH2OCH3), 3.33 (s, 3H, OCH3), 1.31 (s, 3H, CH3). 13C-NMR (125MHz, CDCl3): δ 171.2 , 147.6 , 73.0 , 70.1 , 65.0 , 59.0 , 40.3 , 17.6。
窒素雰囲気下グローブボックス内で、MTC−ME(0.441g、2.02mmol)を、1−ピレンブタノール(PB;5.2mg、0.019mmol)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU;6.1mg、0.040mmol)及び1−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−3−シクロヘキシル−2−チオウレア(TU;15.0mg、0.041mmol)の存在下、DCM(1mL)中、室温で重合した。90分間の撹拌後、1H−NMRにてモノマーの消費を確認した後、停止剤として無水酢酸を数滴加え、一晩撹拌した。その後、反応溶液をジエチルエーテル:ヘキサン(1:3、40mL)中に再沈殿し、真空下で乾燥させて無色で粘性のあるポリマー、P(MTC−ME)を得た(0.350g、収率79.3%)。GPC: Mn 9556 g/mol, Mw/Mn 1.27. 1H-NMR (500MHz, CDCl3) δ 4.30 (m, 6H, COOCH2), 3.58 (t, 2H, CH2OCH3), 3.36 (s, 3H, OCH3), 1.27 (s, 3H, CH3).
窒素雰囲気下のグローブボックス内で、トリメチレンカーボネート(TMC:408mg、4.0mmol)を、PB(11.3mg、0.041mmol)、DBU(33.5mg、0.22mmol)、TU(75.3mg、0.20mmol)の存在下、DCM(1mL)中、室温で重合した。90分間の撹拌後、1H−NMRにてモノマーの消費を確認した後、停止剤として無水酢酸を数滴加え、一晩撹拌した。その後、反応溶液をメタノール(40mL)中に再沈殿し、真空下で乾燥させて、無色で粘性のあるポリマーPTMCを得た(292.9mg、71.8%)。GPC: Mn 12000 g/mol, Mw/Mn 1.1. 1H-NMR (500MHz, CDCl3) δ 4.25(t, 4H, CH2CH2CH2), 2.05(quin, 2H, CH2CH2CH2).
乾燥状態及び5%水を含有させた状態のP(TMC−ME)について、DSC測定を行った。DSC装置(エスアイアイ・ナノテクノロジーズ株式会社、「EXSTAR X−DSC7000」)を用い、窒素流量50mL/min、5.0℃/minの条件で測定を行った。温度プログラムは、(i)30℃から−100℃まで冷却、(ii)−100℃で5分間保持、(iii)−100℃から30℃まで加熱を行った。上記(iii)において、水の低温結晶化に起因する発熱ピーク及び水の低温融解に起因する吸熱ピークの有無によって中間水の有無を確認した。乾燥状態及び5%水を含有させた状態のP(TMC−ME)のDSC測定の結果を図5に示す。5%水を含有させたP(TMC−ME)のDSC測定の結果を示す(b)の図より、−5℃付近に水の低温融解に伴う挙動、−15℃付近に水の低温結晶化に伴う挙動が確認され、本発明の抗血栓性ポリマーが、中間水を保持しており、すなわち生体適合性を有すること、生体適合性ポリマーとして機能し得ることが明らかになった。
メタノールで前洗浄したPET基板(直径14mm、厚さ125μm)に、1.0、0.5、0.2、0.1w/v%の各濃度に調整したP(MTC−ME)及びPTMCのアセトン溶液(40μL)をスピンコートにて塗布した(スピン条件:500rpm 5s、2000rpm 10s、SLOPE 5s、4000rpm 5s、SLOPE 4s、25℃)。1度目のスピンコートの10分後に2度目の塗布を行った。24時間の真空乾燥後、各ポリマーコート基板の中心部、左端、右端の3点についてそれぞれ水に対する接触角を測定した。1点の測定につき2μLの水滴を使用した。
ミリQ水の入った水槽に実施例5と同様のポリマーコート基板を、コート面を下向きにして浸漬させた。マイクロピペッターを用いて、気泡(2μL)を浸漬させたポリマーコート基板の中心部、左端、右端の3点に付着させ、コーティング面と気泡との接触角をθ/2法を用いて測定した。実施例5及び6の接触角測定の結果を、表1に示す。実施例3で得られたポリマーの接触角は、対照としてのPETを用いた場合と比べて小さな値を示し、実施例3で得られたポリマーの表面がより親水性であることが示された。また、比較例1で得られたポリマーの接触角は、PETを用いた場合と比べて大きな値を示し、ポリマーの表面がより疎水性であることを示した。
P(MTC−ME)の0.2w/v%のアセトン溶液を塗布したスピンコート基板を8mm四方に切り、走査型電子顕微鏡(SEM)用試料台に固定した。ヒト血液を1500rpmで5分間遠心分離し、上澄みを多血小板血漿(platelet rich plasma:PRP)として回収した。残りの血液をさらに4000rpmで10分間遠心分離した上澄みを乏血小板血漿(platelet poor plasma:PPP)として回収した。PPPをリン酸緩衝(phosphate buffered saline:PBS)溶液を用いて800倍に希釈し、さらにPRPを希釈し、顕微鏡にて血小板数を確認しながら血小板濃度が4×107cell/mLの血小板溶液を調製した。この血小板溶液を各基板に200μL滴下し、37℃にて1時間静置した。その後、各基板をPBS溶液にて2回洗浄し、1%グルタルアルデヒド溶液に浸漬し、37℃にて2時間固定した。固定化した試料はPBS溶液にて10分、PBS:水=1:1にて8分、水にて8分、さらに水でもう一度8分浸漬させて洗浄した。各試料は室温で風乾し、SEMにて血小板粘着数を計測した。計測結果は、各基板表面に粘着した血小板の粘着形態を三種類、すなわちI型:活性化の度合いが小さい、血液中と同様の円形状の粘着形態、II型:活性化の度合いが中程度の、偽足形成が見られる粘着形態、III型:活性化の度合いが大きい、伸展した粘着形態に分類し、PETを対照として評価した。
P(MTC−ME)とPTMCの2種類のポリマーを使用した。1.5mLチューブにポリマーを30mg、リパーゼ溶液1mLを加えて、37℃にて静置した。リパーゼ溶液は2日毎に交換し、9日後、チューブよりリパーゼ溶液を抜き取り、残ったポリマー試料をミリQ水で3回すすいだ。その後、室温で24時間の真空乾燥後のポリマー重量から重量損失を求めた。
酵素処理9日後の重量減少率はそれぞれ、P(MTC−ME):6.4%、PTMC:1.7%であった。この結果から、比較例のPTMCと比べて、本発明の抗血栓性ポリマーは、酵素による優れた生分解性を有することが明らかになった。
Claims (11)
- 側鎖にエーテル基を少なくとも一つ含む構造と、生分解性ポリマー骨格からなる主鎖とを含む、生体親和性ポリマー組成物。
- 前記生分解性ポリマー骨格が、式:(I)
−CB−A− (I)
(式中、
CBは、カーボネート結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を有する単位構造から選択され;
Aは、少なくとも一つの基−Yによって水素原子が置換されているC1−8アルキレン基であり;
Yは、式:−L−Z(式中、Zは、鎖状エーテル、環状エーテル又はアセタール構造を少なくとも一つ有する構造であり、Lは、主鎖とZとのリンカーであり、アルキレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合もしくはウレア結合又はそれらの組み合わせを有する単位構造から選択される)で示される基である)
で示される繰り返し単位を含む、請求項1に記載の生体親和性ポリマー組成物。 - 前記Aが、C1−8アルキレン基中のCBに隣接する炭素原子以外の少なくとも一つの炭素原子がN、O又はSから選択されるヘテロ原子で置き換えられているか、及び/又はC1−8アルキレン基中の水素原子が低級アルキル基で置換されている基である、請求項2に記載の生体親和性ポリマー組成物。
- 前記リンカーLが、以下に示される基:
から選択されるか、又は上記の基とZとの結合部分に1,2,3−トリアゾール基を有している基から選択される、請求項2又は3に記載の生体親和性ポリマー組成物。 - Zが、下記式(II):
[式中、lは、1〜30の整数であり、Uは、水素原子又は炭素数5以下の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基であるか、又は下記式(III):
(式中、l’は、1〜5の整数である)で示される基である]
で示される基であるか、あるいは、Zは、下記式(IV):
(式中、l”は、1〜5の整数である)で示される基であるか、あるいは、Zは、下記式(V):
(式中、M’は、水素原子又は炭素数3以下の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、E及びE’は、互いに独立して、−O−又は−CH2−であり、ただし、少なくとも一方は−O−であり、Q’及びQ”は、互いに独立して、水素原子、炭素数6以下の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル、アルケニルもしくはアルキニル、C3−8脂環式アルキル又はベンジルを表すか、あるいはQ’及びQ”は、一緒になって炭素数2〜5のアルキレン基を形成し、k及びk’は、互いに独立して、0〜2の整数である)
で示される基である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の生体親和性ポリマー組成物。 - 前記主鎖が、生分解性ポリマーと非生分解性ポリマーとの共重合体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の生体親和性ポリマー組成物。
- 下記一般式(VII):
(式中、
X及びX’は、互いに独立して−O−、−NH−又は−CH2−であり、ただし、少なくとも一方は−CH2−ではなく;
Yは、基−L−Zで示される構造部分であり(ここで、L及びZは、請求項2で定義されたとおりである);
Mは、水素原子、炭素数3以下の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又は基−L−Zであり;
m及びm’は、互いに独立して、0〜5の整数であり、ただし、X及びX’が共に−O−のとき、m及びm’の少なくとも一方は0ではなく、また、m及びm’の和は、7以下であり;
これらの各々は、各繰り返し単位において異なっていてもよく、
で表される、モノマー化合物。 - 請求項7に記載の一般式(VII)で示されるモノマー化合物を開環重合する工程を含む、生体親和性ポリマー組成物の製造方法。
- 請求項7に記載のモノマー化合物の開環重合によって製造される生体親和性ポリマー組成物。
- 生体内組織や血液に接して使用されたときに、分解されるまでの間、血液や組織に対して異物反応を抑制するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の生体親和性ポリマー組成物。
- 請求項1〜6、9及び10のいずれか一項に記載の生体親和性ポリマー組成物を含む、医療用機器。
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