以下、図面を参照して、本発明による遊技機の実施形態について説明する。
(第1の実施の形態)
〔遊技機の構成〕
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠(遊技枠)6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置600(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED(発光ダイオード:光源)等によって構成された枠装飾装置21(図4参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図4参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を駆動、例えば回転駆動するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図4参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカ10a及び下スピーカ10bを備える。上スピーカ10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカ10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチによって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図3参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図3参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられる球発射装置(図示省略)に供給される。
ガラス枠6の下方位置において前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置を駆動するための操作部15(発射操作部、発射ハンドル)とが備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図2参照)に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
なお、球発射装置を動作させる操作部15又はその近傍において、発射停止スイッチ110(図5参照)と、タッチスイッチ120(図5参照)が設けられる。発射停止スイッチ110は、遊技者が押すことにより発射停止信号を出力し、球発射装置の遊技球の発射を停止する。タッチスイッチ120(タッチセンサ)は、遊技者が操作部15を操作していること(遊技者の手が操作部15に触れていること)を検出するもので、この検出がないときには、球発射装置からの遊技球の発射が停止される。タッチスイッチ120(タッチセンサ)は、操作部15への操作を検出可能な操作検出手段を構成する。例えば、タッチスイッチ120は、環状の金属部分を有し、遊技者がこの金属部分に接触することによる静電容量の変化を検出して、信号を出力する。代わりに、タッチスイッチ120は、人感センサとして温度などを検出してもよい。
球発射装置は、遊技者による操作部15の操作に対応して、第1の発射勢で遊技球を発射する第1発射態様と、第1の発射勢とは異なる第2の発射勢で遊技球を発射する第2発射態様と、で発射可能である。例えば、第1発射態様は、左打ちと右打ちのうちの一方であり、第2発射態様は、左打ちと右打ちのうちの他方である。左打ち、右打ちとは、それぞれ、遊技領域31(図2参照)の左側、右側において遊技球を流下させる態様である。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。また、選択ボタン29が演出ボタン17の横に配設されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置(表示装置、装飾表示装置、変動表示手段)35(図2参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲーム(普図ゲーム、特定変動表示ゲーム)が含まれるが、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば特図変動表示ゲームの結果が大当りになる確率が高い確変遊技状態(高確率状態、確変状態)、変動時間の短縮機能が作動して特図変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短遊技状態(時短状態)、大当り遊技状態(特別遊技状態)等である。また、高確率状態に対応して通常遊技状態を低確率状態ともいう。なお、潜伏確変状態以外の確変遊技状態や、時短遊技状態では、後述の普電サポートが実行される。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。また、球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
〔遊技盤構成〕
図2は、センターケース(前面構成部材)34を取り付けた状態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、プラスチック等からなる矩形状の遊技板32の表面に、金属製のガイドレール32aや導電性樹脂製の区画部材32bを設けることで、略円形状の遊技領域31を区画形成している。遊技板32は、例えば、後方が透けて見える透明部材である。遊技板32と、遊技領域31を区画するガイドレール32a及び区画部材32bとによって、遊技盤本体部が構成される。
遊技領域31には、開口部(表示窓部)34aを有するセンターケース(前面構成部材)34が配設される。遊技板32にはセンターケース34の外周に沿った形状の開口が形成されており、センターケース34はその開口に前方から嵌装される。
遊技盤30の裏側には各種演出装置から構成される演出装置ユニット(裏面構成部材)(図示省略)が配設され、この演出装置ユニットの裏側には、変動表示装置としての変動表示装置35と、変動表示装置35に表示される演出等を制御する演出制御装置700(図4)と、を備える。
変動表示装置35(装飾表示装置)は、複数の識別情報を変動表示する飾り特図変動表示ゲーム(装飾表示ゲーム)を表示可能な表示部35aを有する。センターケース34の開口部34aは変動表示装置35の表示部35aに対応して設けられており、変動表示装置35の表示部35aはセンターケース34の開口部(表示窓部)34aを介して視認可能となっている。
変動表示装置35の表示部35aは任意の画像を表示可能な液晶表示器であり、表示画面上には複数の識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示できる。変動表示装置35は、表示部35aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの可変表示領域又は上側、中央、下側の3つの可変表示領域)を設定して、変動表示ゲームにおいて各表示領域の各々で独立した画像を表示可能に構成されている。なお、変動表示装置35は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
センターケース34の右側方の遊技領域31には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート36が配設される。図2の遊技盤30では、遊技領域31の右側において遊技球を流下させる右打ち時に、遊技球は普通図柄始動ゲート36を通過できる。遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース34の左下方の遊技領域31には3つの一般入賞口40が配置されており、センターケース34の右下方の遊技領域31には一つの一般入賞口40が配置されている。
センターケース34の下方の遊技領域31には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられる。センターケース34の右下側且つ普図始動ゲート36の下方の遊技領域31には、第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が設けられる。第2始動入賞口38は、上側が逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備える。遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、特別図柄(特図)変動表示ゲームが実行される。図2の遊技盤30では、左打ち時に遊技球は第1始動入賞口37に入賞し易くなり、右打ち時に、遊技球は第2始動入賞口38に入賞可能となる。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、通常時は遊技球の直径程度の間隔をあけた閉状態(遊技者にとって不利な入賞規制状態)を保持している。可動部材38aが閉状態である場合には遊技球が第2始動入賞口38に入賞できないようになっている。
可動部材38aは、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド27(図3参照)を介して逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が第2始動入賞口38に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化(変換)する。
第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞することが特図変動表示ゲームを開始するための始動条件となっており、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38が当該始動条件を発生させる変動始動入賞装置をなしている。なお、第1始動入賞口37と第2始動入賞口38は、障害釘で入球の調整ができる。
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置600によって制御される。遊技制御装置600は、確変遊技状態や時短遊技状態においては通常遊技状態に比べて入賞容易状態(開状態)の発生頻度を高めたり、入賞容易状態(開状態)の発生時間を長くしたりする普電サポートが実行される。普電サポートが実行される状態を普電サポート状態と呼ぶ。つまり、普電サポート状態となる確変遊技状態や時短遊技状態においては、遊技者は右打ちを行うことで第2始動入賞領域への入賞を容易に行うことができる。
第1始動入賞口37の下方の遊技領域31には、大入賞口ソレノイド28a(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで第1大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉41aを有する第1特別変動入賞装置41が設けられている。第1特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲームの結果によって第1大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第1大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第1大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として複数の下カウントスイッチ605a〜605m(図3参照)が配設されている。本実施形態では、下カウントスイッチの個数は2つであるものとして説明される。
また、センターケース34の右上部には、大入賞口ソレノイド28b(図3参照)によって回動することで第2大入賞口を開放する回動部42aを有する第2特別変動入賞装置42が設けられている。第2特別変動入賞装置42は、第1特別変動入賞装置41と同様に、特図変動表示ゲームの結果によって第2大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第2大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第2大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として上カウントスイッチ606(図3参照)が配設されている。
一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41の第1大入賞口、及び第2特別変動入賞装置42の第2大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置640は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出ユニット642から上皿11aに排出する。一般的には、大入賞口に入賞した際の賞球数(例えば15個)が最も多く、一般入賞口40(例えば10個)、始動入賞口(例えば3個)と続くが、第1大入賞口と第2大入賞口の賞球数や第1始動入賞口と第2始動入賞口の賞球数を異ならせても良い。
なお、第2始動入賞口38の下方の遊技領域31には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域31の外側であって遊技板32の右下部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜60を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の普図変動表示部(普図表示器)53と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56)と、を有している。
また、一括表示装置50には、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)58、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
次に、遊技機1における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機1では、球発射ユニット140から遊技領域31に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域31内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域31を流下し、普図始動ゲート36、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域31から排出される。そして、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出ユニット642を介して上皿11aに排出される。
普図始動ゲート36は、当該普図始動ゲート36を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ603(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、ゲートスイッチ603によって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート36通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド27(図3参照)が駆動されることにより、可動部材38aが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の第1始動入賞口37への入賞及び第2始動入賞口38への入賞は、第1始動口スイッチ601(図3参照)と第2始動口スイッチ602(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値が抽出される。これら乱数値は、変動表示ゲームの実行に関する遊技情報となり、遊技制御装置600(始動記憶保留手段)の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶(始動記憶)として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示部54や特図2保留表示部55に表示されるとともに、変動表示装置35の表示部35aにも表示できる。
遊技制御装置600は、第1始動入賞口37への入賞もしくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置600は、第2始動入賞口38への入賞もしくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、変動表示装置35では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲーム(装飾表示ゲーム)が実行される。なお、特図1表示器51及び特図2表示器52を総称して特別図柄表示装置と呼ぶ場合がある。
変動表示装置35等における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左又は上(第一特別図柄)、右又は下(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、変動表示装置35等では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。
第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、変動表示装置35等の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
その後、特別遊技状態が発生して第1特別変動入賞装置41や第2特別変動入賞装置42に設けられた大入賞口ソレノイド28a及び大入賞口ソレノイド28b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、本実施形態においては特別結果態様が導出されてから特別遊技状態が発生するまでの間に後述するラウンド数決定遊技(補助遊技)が実行されてもよい。また、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
変動表示装置35等における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される。始動記憶が記憶された順で特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが実行されるようにしても良い。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶(特図始動記憶)が遊技制御装置600(図3参照)のRAMに記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、本実施形態の遊技機1は、遊技状態に応じて遊技者が左打ち又は右打ちを行うように構成されている。遊技者が遊技状態に応じた打ち分けをしやすいように、変動表示装置35の表示部35aには左打ち又は右打ちの指示が表示される。
〔遊技制御装置〕
次に、図3を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600について説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図3に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600は、遊技制御手段を構成する。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(指令情報又はコマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、遊技盤30等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621(621a、621b)及び入力ポート622(622a、622b)、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621aには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及び下カウントスイッチ605a〜605mが接続される。また、近接I/F621bには、上カウントスイッチ606が接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37に入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口38に入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
下カウントスイッチ605a〜605m及び上カウントスイッチ606は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。下カウントスイッチ605a〜605m及び上カウントスイッチ606によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F621は、各種スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vといった負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換する。近接I/F621は、通常時には所定範囲内(7V−11V)となっているため、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、近接I/F621に接続されるスイッチのコネクタの着脱によって、近接I/F621に入力される信号の出力値(ON/OFF)が切り替わるため、近接I/F621はスイッチが接続されていない場合であっても出力を一定に維持するように構成されている。
また、近接I/F621aと近接I/F621bの二つの近接I/Fを設けている理由は、近接I/F621aの入力端子数が限られているためである。近接I/F621bは不足する入力端子数に応じて近接I/F621aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしてもよい。なお、近接I/F621aとして必要な入力端子数を備えるものを用いることによって、近接I/F621bを設けないようにしてもよい。
また、近接I/F621の出力のうち、電波センサ24の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は入力ポート622aに入力される。また、入力ポート622aには、遊技機1の前面枠5等に設けられた不正検出用の磁気センサ23の検出信号も入力されるようになっている。
磁気センサ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。電波センサ24は、入賞口スイッチ604などを誤作動させる不正行為を検出するために、遊技機1に向かって照射された電波を検出する。なお、振動を検出する振動センサを遊技機に設け、検出信号が入力ポート622aに入力されるようにしてもよい。
また、近接I/F621の出力のうち、入力ポート622bへの出力は、遊技制御装置600から中継基板650を介して図示しない試射試験装置に供給されるようになっている。さらに、近接I/F621の出力のうち第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622bの他、反転回路612を介して遊技用マイコン611へ入力されるように構成されている。反転回路612を設けているのは、遊技用マイコン611の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602としてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路612を設けずに直接遊技用マイコン611へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602からの負論理の信号を直接遊技用マイコン611へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F621は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F621には、電源装置800から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
入力ポート622aには、磁気センサ23からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ(SW)25及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの払出異常を示すステータス信号なども入力される。
前面枠開放検出SW25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
入力ポート622bが保持しているデータは、遊技用マイコン611が入力ポート622bに割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。入力ポート622aや後述の入力ポート623も同様である。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、第1特図変動表示部(特図1表示器)51、第2特図変動表示部(特図2表示器)52、普図変動表示部(普図表示器)53、特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56、第1遊技状態表示部57、第2遊技状態表示部58、第3遊技状態表示部59、ラウンド表示部60が設けられた特図/普図LED基板等から構成される一括表示装置50、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。具体的には、4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)を出力する。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
また、払出制御装置640は、発射制御装置200に発射許可信号を出力する。発射制御装置200は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域31に発射することが可能となっている。
払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、前述のように、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号、タッチスイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。払出シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前の遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。タッチスイッチ信号は、操作部15に設けられるタッチスイッチ120の検出信号であり、遊技者が操作のために操作部15に触れた場合に出力されて操作を検出できる操作検出信号である。タッチスイッチ信号は、後述の発射制御装置200を介して払出制御装置640に入力される。
遊技制御装置600から演出制御装置700には、シリアル通信でデータが送信される。演出制御装置700には、出力部630のバッファ632aを介してサブコマンドが入力される。バッファ632aを有することによって、演出制御装置700の側から遊技制御装置600に信号を入力できないようにすることが可能となり、片方向通信を担保することができる。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド(変動パターンコマンドを含む)、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド(遊技状態を示すコマンド)、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631b及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28aは第1特別変動入賞装置41の開閉扉41a(図2参照)を回動させ、大入賞口ソレノイド28bは第2特別変動入賞装置42の回動部42a(図2参照)を回動させ、普電ソレノイド27は第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容されるように、可動部材38aを開状態に変換させる。
一括表示装置50は、特図/普図LED基板と該特図/普図LED基板を収容するケース部材等から構成されている。一括表示装置50のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631cとが接続している。一括表示装置50のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631bとが接続している。一括表示装置50のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置50のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、フォトリレーが備えられ、変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、下カウントスイッチ605a〜605m、及び上カウントスイッチ606からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部830とを備える。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は、初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
以上のように、停電監視信号及び初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート623に入力され、データバス680を介して遊技用マイコン611に取り込まれ、各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。これは、遊技用マイコン611に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミット回路624によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、前述のように、遊技用マイコン611に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部630の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは、出力部630を介さずに直接中継基板650に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板650のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板650を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部620の各ポート622、623には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン611によって出力部630の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部620の各ポートから遊技用マイコン611が読み込んだデータは、遊技用マイコン611のリセットによって廃棄されるためである。
〔演出制御装置〕
図4を参照して、遊技機1に備えられる演出制御装置700について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図4に示す演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って変動表示装置35(図2参照)、への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカ10a及び下スピーカ10bから再生させる音源LSI705とを備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続される。
VDP730には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続される。
音源LSI705には、音声データ等が記憶された音声ROM706が接続される。
主制御用マイコン710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611から送信されたコマンドを解析し、映像制御用マイコン720に出力映像の内容を指示したり、音源LSI705に再生音の内容を指示したりする。また、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン710及び映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、変動表示装置35等の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置35等に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備えている。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、変動表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物や装飾部材7等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これらの制御回路(741〜744)は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、演出ボタン17(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンSW(スイッチ)751、各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータSW(スイッチ)752a〜752nのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信するスイッチ(SW)入力回路750が設けられている。さらに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる変動表示装置35などの表示装置を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路(741〜744、707、708)に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720が有する汎用ポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
以上のように、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されたコマンドに基づいて演出制御を行う演出制御手段として機能し、さらに、変動表示装置35に表示される表示内容を制御する表示制御手段、及び、スピーカ10から効果音等を出力する音出力制御手段としての機能を有する。
〔発射制御装置〕
図5は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の発射制御装置200、発射モータ240、遊技制御装置600、払出制御装置640、電源装置800、発射停止スイッチ110と、タッチスイッチ120の接続形態を説明する図である。
発射制御装置200は、発射停止スイッチ110と、タッチスイッチ120と、発射モータ240と、払出制御装置640に電気的に接続されている。払出制御装置640は、発射制御装置200と、遊技制御装置600と、電源装置800に電気的に接続されている。これら装置間の接続線はケーブルとしてまとめて設けられてよい。ここで、接続線Vmotは、発射モータ240や、払出制御装置640に含まれるモータなどに電源装置800からの電力又は電圧を配電するための接続線である。接続線Vswは、タッチスイッチ120などの各種スイッチ(又はセンサ)に電源装置800からの電力又は電圧を配電するための接続線である。接続線GNDは、接地線である。
発射制御装置200は、球発射装置を構成する発射モータ240を制御するために、発射モータ240に励磁信号として駆動制御信号MCS1−MCS4を供給する。発射制御装置200は、発射制御手段を構成する。発射モータ240は、遊技球を発射する発射杵(図示省略)を回転駆動する電気モータであり、本実施形態では、ステッピングモータである。なお、操作部15、タッチスイッチ120、発射モータ240は、遊技者の操作により遊技球を発射する発射ユニット140(発射操作手段)を構成する。
遊技者が発射停止スイッチ110を押して操作することにより、発射制御装置200には、発射停止スイッチ110からの発射停止信号が入力される。遊技者が操作部15を操作する際に触れることにより、発射制御装置200には、タッチスイッチ120からのタッチスイッチ信号(操作検出信号)が入力される。また、タッチスイッチ信号は、発射制御装置200内で分岐して、払出制御装置640を介して、遊技制御装置600に入力される。発射制御装置200には、払出制御装置640から発射許可信号LPSが入力され、電源装置800から払出制御装置640を介して停電検出時の停電検出信号PODが入力される。
図6は、発射制御装置200の構成を示すブロック図である。発射制御装置200は、発射制御回路202とドライバ204を含む。ドライバ204は、発射制御回路202から出力される周期パルス信号OUT1−OUT4の各々に対応して、各駆動制御信号MCS1−MCS4を発射モータ240に供給する。
発射制御回路202は、ロジック回路(論理回路)を有する分相用回路であり、ステッピングモータ用の周期パルス信号OUT1−OUT4を出力する。周期パルス信号OUT1−OUT4の各々は、2相励磁、1−2相励磁などの励磁方式によって定められる各励磁相に対応するパルス信号である。例えば、発射制御回路202は、ステッピングモータ用の一般的な分相用ロジック回路(パルス分配回路)でよく、PLD(Programmable Logic Device)などのプログラム可能なロジックIC(Integrated Circuit)などから構成されてよいし、また、市販されているステッピングモータ用コントロールIC(例えば、型番W2RF001WP)なども使用できる。
発射制御回路202において、ロジック電源電圧端子VDDは、ロジック電源電圧が入力される。クロック入力端子XT1、XT2は、クロック信号発生用の水晶発振子206に接続される。水晶発振子206が発射制御回路202の内部の分周回路に接続されて、周期パルス信号の元となるクロック信号が生成される。リセット端子RSTに停電検出信号PODが入力されると、発射制御回路202はリセットされる。
発射制御回路202のロジック構成(論理構成)において、タッチスイッチ120からのタッチスイッチ信号がイネーブル端子EN2に入力されてイネーブル端子EN2がHレベル(ハイレベル)になると、周期パルス信号OUT1−OUT4の生成が許可される。発射停止スイッチ110からの発射停止信号がイネーブル端子EN4Xに入力されてイネーブル端子EN4XがHレベル(ハイレベル)になると、周期パルス信号OUT1−OUT4の生成が禁止される。払出制御装置640からの発射許可信号LPSがイネーブル端子EN3に入力されてイネーブル端子EN3がHレベル(ハイレベル)になると、周期パルス信号OUT1−OUT4の生成が許可される。このため、発射制御回路202がタッチスイッチ信号(操作検出信号)と発射許可信号LPSを受信し、発射停止信号を受信しない場合に、発射モータ240が作動する。
図7は、ドライバ204の構成を示す回路図である。ドライバ204は、複数の端子1−16を有する。ドライバ204には、並列的に複数のドライバ回路208a−208gが設けられている。各ドライバ回路は、トランジスタによる増幅回路210(アンプ回路)と、ダイオード212を含む。ドライバ回路208a−208gは、それぞれ、端子1−7が入力端子に、端子16−10が出力端子になっており、入力端子からの入力信号を増幅回路210によって増幅して出力端子から出力できる。入力端子と出力端子の対(即ち端子対)(1,16)(2,15)(3,14)(4,13)(5,12)は、一つのドライバ回路の増幅回路210に接続している。
端子8は、アースに接続される接地端子であり、ドライバ回路208a−208gにアースを提供する。端子9には、定電圧ダイオード213を介して、発射モータ240への電源電圧を供給する接続線Vmotから電圧が入力される。共通線COMは、端子9(電源入力端子)からドライバ回路208a−208gのダイオード212に接続する。定電圧ダイオード213(ツェナーダイオード)は、発射モータ240の駆動電圧を所定電圧(例えば32V)に抑制する抑制回路を構成する。
図8は、各ドライバ回路208の回路図である。ドライバ回路208の増幅回路210は、ダーリントン接続された二つのトランジスタ(トランジスタアレイ)Tr1、Tr2等から構成されている。後段のトランジスタTr2のエミッタ(E)側は、端子8を介してアースに接続されて接地される。ドライバ回路208a、208b、208c、208dには、それぞれ、周期パルス信号OUT1、OUT2、OUT3、OUT4が入力され、増幅された信号として駆動制御信号MCS1、MCS2、MCS3、MCS4が出力する。このように、周期パルス信号OUT1−OUT4を増幅した形で駆動制御信号MCS1−MCS4が発射モータ240に供給される。
また、発射制御装置200内において、タッチスイッチ120からのタッチスイッチ信号は、分岐点218で分岐して、発射制御回路202とともにドライバ204にも入力される(図6参照)。タッチスイッチ信号(操作検出信号)は、ドライバ回路208eに入力され、払出制御装置640に向けて出力される。そして、タッチスイッチ信号は、払出制御装置640を経由して、遊技制御装置600に出力される。ドライバ回路208eは、端子5が入力端子で端子12が出力端子であり、端子12は出力線220に接続されている。
ドライバ回路208eは、トランジスタを含む増幅回路210を有しており、タッチスイッチ120から遊技制御装置600へタッチスイッチ信号(操作検出信号)を出力する回路の途中に配置されて、信号の通過する方向を払出制御装置640側(即ち遊技制御装置600側)への一方向に規制する規制手段となる。これにより、発射制御装置200と払出制御装置640間、又は、遊技制御装置600と払出制御装置640間のケーブル内のタッチスイッチ信号用の接続線などにノイズ(ノイズ信号)が発生しても発射制御回路202に侵入しなくなる。即ち、ドライバ回路208eは、払出制御装置640側(即ち遊技制御装置600側)から発射制御装置200へのノイズ遮断手段として機能する。これにより、発射モータ240の誤動作を防止することができる。なお、タッチスイッチ信号(操作検出信号)の電圧は、定電圧ダイオード213の前記の所定電圧を超えないため、図8のような簡単なドライバ回路が使用できる。
具体的には、ドライバ回路208eの増幅回路210は、入力側(ベース(B)側)から出力側(コレクタ(C)側)への単方向に信号を出力するトランジスタ(単方向のトランジスタ)又はトランジスタアレイを有している。増幅回路210のトランジスタが入力側のタッチスイッチ信号(電流)によりオンすると、コレクタ(C)とエミッタ(E)間に電流が流れ、出力線220上の電圧が変化して出力側のタッチスイッチ信号となる。例えば、増幅回路210のトランジスタがオンすると、出力線220上の電圧は、接続線Vmotの電源電圧又は定電圧ダイオード213の所定電圧からアース電圧付近に変化する。増幅回路210は、コレクタ側の端子12から入ったノイズをベース側の端子5(入力端子)へ通さずにエミッタ(E)側のアースに流す回路構成(トランジスタ、抵抗、ダイオードの配置)を有する(図8参照)。このため、端子12(出力端子)からのノイズ侵入を防止できる。また、ドライバ回路208a−208eのダイオード212は、共通線COMを介してドライバ回路208eからドライバ回路208a、208b、208c、208dへノイズが侵入することを防止する。
なお、ドライバ204は、複数の端子1−7、10−16の内、発射モータ240の駆動制御信号MCS1−MCS4を送るために用いる端子1−4、13−16以外の端子5、12を使用して、ドライバ回路208eを介して、遊技制御装置600へタッチスイッチ信号(操作検出信号)を出力する。このため、ドライバ204の空き端子を活用でき、部品点数を増加させずに、払出制御装置640側(即ち遊技制御装置600側)からのノイズに対する対策ができる。
前述の構成の代替として、ドライバ回路208eの増幅回路210として、入力側と出力側が電気的に分離されたアイソレーションアンプを用いて、払出制御装置640側(即ち遊技制御装置600側)から発射制御装置200へのノイズを遮断してもよい。また、信号の通過する方向を払出制御装置640側(即ち遊技制御装置600側)の一方向に規制する規制手段を、端子12からの出力線220上など、分岐点218から遊技制御装置600までの出力回路上に設けてノイズを遮断してもよい。
以上が本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。続いて、遊技制御装置600による具体的な制御について説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、遊技制御装置600が、遊技用マイコン611によって実行するメイン処理について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図10は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。なお、遊技制御装置600(遊技用マイコン611)が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず、割込みを禁止する(A1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(A1002)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(A1003)。さらに、入力ポート623の状態を読み込み(A1004)、割込み処理のモードを設定する(A1005)。
次に、遊技制御装置600は、従属制御装置(払出制御装置(払出基板))640や演出制御装置700)のプログラムが正常に起動するまで待機するための電源投入ディレイタイマを設定する(A1006)。例えば、3秒間待機するように電源投入ディレイタイマを設定する。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装置640や演出制御装置700の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを従属制御装置に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを従属制御装置が取りこぼすことを回避することができる。したがって、遊技制御装置600が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置600)の起動を遅らせて従属制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなしている。
なお、入力ポート623には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に入力ポート623の状態を読み込むことで、初期化スイッチの操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチの状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチを操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチを操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマの設定が完了すると、遊技制御装置600は、停電を監視する処理を実行する(A1007〜A1011)。遊技制御装置600は、まず、停電監視信号のチェック回数を設定する(A1007)。停電監視信号のチェックは、電源装置800から出力された停電監視信号を読み込むことによって行う。停電監視信号のチェック回数は、例えば、2回である。なお、停電が発生している場合に、停電監視信号はオンになる。
次に、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1008)。そして、A1007の処理で設定したチェック回数分だけA1008の判定を繰り返す(A1009)。
遊技制御装置600は、チェック回数分だけ停電監視信号がオンであることを計測した場合には(A1009の結果が「Y」)、停電が発生していると判定し、電源が遮断されるまで待機する。このように、所定のチェック回数分、停電監視信号をチェックすることによって、ノイズなどによる誤検知を防止することが可能となる。すなわち、遊技制御装置600が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなしている。これにより、遊技制御装置600の起動を遅らせている期間に発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンでない場合(A1009の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A1010)、電源投入ディレイタイマの値が0であるか否かを判定する(A1011)。電源投入ディレイタイマの値が0でない場合(A1011の結果が「N」)、すなわち、待機時間が経過していない場合には、A1007の処理に戻る。
一方、遊技制御装置600は、電源投入ディレイタイマの値が0の場合(A1011の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が経過した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(A1012)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(A1013)。また、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(A1014)。本実施形態では、遊技制御装置600は、演出制御装置700との間でシリアル通信を行っている。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(A1015)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変遊技状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(A1015の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(A1016、A1017)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。A1016の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かを判定する。同様に、A1017の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(A1016、A1017の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(A1018)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し、これらの値が一致するか否かを判定する(A1019)。
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(A1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(A1016又はA1017の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とA1018の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(A1019の結果が「N」)、図10のA1040からA1043までの初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(A1019の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(A1020)。例えば、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域(停電検査領域、チェックサム、エラー関連の情報及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域等)をクリアする。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(A1021)。高確率でないと判定された場合には(A1021の結果が「N」)、A1024以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(A1021の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(A1022)。続いて、一括表示装置50に設けられる第3遊技状態表示部59のLEDをオン(点灯)に設定する(A1023)。
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(A1024)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(A1040)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(A1041)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(A1042)。さらに、電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(A1043)、A1025以降の処理を実行する。
なお、A1024で送信される停電復旧時のコマンド及びA1043で送信される電源投入時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。
遊技制御装置600は、A1024又はA1043の処理が終了すると、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(A1025)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(A1026)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。このとき、乱数生成回路が正常に動作するかのチェックを行うようにしてもよい。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、例えば図11に示すように、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
さらに、遊技制御装置600は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(A1027)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(A1028)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1029)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(A1030)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1031)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(A1031の結果が「N」)、A1029の初期値乱数更新処理を再び実行し、A1029からA1031までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(A1029)の前に割り込みを許可(A1028)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(A1029)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。また、タイマ割込処理ではなく、メイン処理で各種乱数を更新するようにしてもよい。
なお、停電発生の検出(停電監視信号のチェック)をタイマ割込処理で実行してもよい。このとき、検出結果をメイン処理で監視してもよいし、そのままリセットされるまで待機するようにしてもよい。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(A1031の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がA1030の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(A1032)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(A1032の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1031)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(A1032の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(A1033〜A1039)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(A1033)、全出力ポートをオフに設定する(A1034)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(A1035)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(A1036)。
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1037)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(A1038)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(A1039)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔チェックサム算出処理〕
次に、前述したメイン処理におけるチェックサム算出処理(A1018)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態のチェックサム算出処理の手順を示すフローチャートである。
まず、遊技制御装置600は、算出アドレスの開始値としてRWMの先頭アドレスを設定し(A1101)、繰り返し数を設定し(A1102)、算出値として「0」を設定する(A1103)。繰り返し数には使用しているRAMのバイト数が設定される。
その後、遊技制御装置600は、算出アドレスの内容に算出値を加算した値を新たな算出値とし(A1104)、算出アドレスを+1更新して(A1105)、繰り返し数を−1更新し(A1106)、チェックサムの算出が終了したかを判定する(A1107)。算出が終了していない場合(A1107の結果が「N」)は、A1104へ戻って上記処理を繰り返す。また、算出が終了した場合(A1107の結果が「Y」)は、チェックサム算出処理を終了する。
〔初期値乱数更新処理〕
次に、前述したメイン処理における初期値乱数更新処理(A1029)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態の初期値乱数更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず当り初期値乱数を+1更新し(A1201)、大当り図柄初期値乱数1を+1更新する(A1202)。そして、大当り図柄初期値乱数2を+1更新し(A1203)、初期値乱数更新処理を終了する。ここで、「当り初期値乱数」は普図変動ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「大当り図柄初期値乱数1」は、特図1の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数、「大当り図柄初期値乱数2」は、特図2の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(A1401)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでA1401の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1402)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、普図のゲートスイッチ603、下カウントスイッチ605a〜605m、上カウントスイッチ606などが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(A1403)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド28、普電ソレノイド27が含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置600は、送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置640に送信(出力)する払出コマンド送信処理を実行する(A1404)。例えば、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを送信する。
さらに、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(A1405)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(A1406)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(A1407)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、下カウントスイッチ605a〜605m、上カウントスイッチ606が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(A1408)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図28にて後述する。また、特図ゲーム処理は、開始される変動表示ゲームの結果に対応して、通常時用と大当り時用の2種類を用意してもよい。
続いて、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1409)。
その後、遊技制御装置600は、客待ちデモ復帰処理を実行する(A1410)。客待ちデモ復帰処理は、変動表示装置35が客待ち用の客待ちデモ画面(客待ち画面、デモ画面)を表示する客待ちデモ(客待ちデモ状態)から復帰する処理である。客待ちデモ画面とは、遊技が行われていない状態にて所定条件が成立すると、遊技客へのアピールや画面の焼き付き防止のために表示されるデモンストレーション画面又は画像である。具体的には、タッチスイッチ120の検出がない場合(タッチスイッチ信号の入力がない場合)に、遊技制御装置600は、客待ちデモ終了コマンドを準備する。ここで、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。客待ちデモ終了コマンドは、演出制御装置700の映像制御用マイコン(2ndCPU)720が遊技機1の客待ち時に変動表示装置35に表示させる客待ちデモ画面の表示を終了させるコマンドであり、演出制御装置700に送信される。なお、客待ちデモ復帰処理の詳細については、図15で後述される。
次に、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(A1411)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置600は、磁気センサ23からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(A1412)。さらに、電波センサ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する電波不正監視処理を実行する(A1413)。異常の発生を検出した場合には、スピーカ10から報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(A1414)。
そして、遊技制御装置600は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(A1415)。その後、A1401の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(A1416)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(A1417)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔客待ちデモ復帰処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における客待ちデモ復帰処理(A1410)の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の客待ちデモ復帰処理の手順を示すフローチャートである。
まず、遊技制御装置600は、客待ちデモフラグ領域(RWMの一部)をチェックして、客待ちデモ中フラグがオンに設定されているか否か判定する(A1501、A1502)。客待ちデモ中フラグは、後述の特図普段処理(図35)においてタッチスイッチ120の検出がない場合にオンに設定されてセーブされているフラグである。
客待ちデモ中フラグがオンしている場合に(A1502の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、タッチスイッチ120の検出があるか否か、即ちタッチスイッチ信号の入力があるか否かを判定する(A1503)。タッチスイッチ120の検出がある場合、即ち、タッチスイッチ120がオン状態の場合に(A1503の結果が「Y」)、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A1504)、遊技機1の客待ちデモ状態を終了させる客待ちデモ終了情報として、客待ちデモ終了コマンドを準備し(A1505)、コマンドを設定するためのコマンド設定処理を行う(A1506)。なお、このような客待ちデモ復帰処理を行う遊技用マイコン611と、コマンドを出力する出力部630は、客待ちデモ終了情報を送信する客待ちデモ情報送信手段を構成する。
これにより、変動表示装置35における客待ちデモ画面の表示中に、変動表示ゲームが開始しなくても、タッチスイッチ120によって操作部15の操作が検出されると、客待ちデモフラグがクリアされるとともに客待ちデモ画面の表示が終了する。なお、遊技制御装置600は、払出制御装置640を介してタッチスイッチ120からのタッチスイッチ信号(検出信号)が入力されている場合に、タッチスイッチ120の検出があると判定する。
このように、タッチスイッチ120の検出がないことが、客待ち状態(客待ちデモ状態)からの復帰条件(終了条件)であり、この復帰条件が成立すると、復帰処理(A1504−A1506)によって客待ちデモが終了する。
一方、客待ちデモ中フラグがオンしていない場合に(A1502の結果が「N」)、遊技制御装置600は、今回の客待ちデモ復帰処理を終了する。又は、タッチスイッチ120の検出がない場合、即ち、タッチスイッチ120がオフ状態の場合にも(A1503の結果が「N」)、遊技制御装置600は、今回の客待ちデモ復帰処理を終了する。
〔コマンド設定処理〕
次に、前述した客待ちデモ復帰処理におけるコマンド設定処理(A1506)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態のコマンド設定処理の手順を示すフローチャートである。
なお、このコマンド設定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理におけるコマンド設定処理に共通する処理である。遊技制御装置600は、まず、コマンドデータ(MODE(上位バイト))をシリアル送信バッファに書き込み(A1601)、シリアル送信バッファステータスを読み込んで(A1602)、コマンドの送信中であるかを判定する(A1603)。
コマンドの送信中である場合(A1603の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、コマンドデータ(ACTION(下位バイト))をシリアル送信バッファに書き込む(A1606)。また、コマンドの送信中でない場合(A1603の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、回路の異常が考えられるため送信回路を初期化し(A1604)、コマンドデータ(MODE(上位バイト))をシリアル送信バッファに再書き込み(A1605)した後、コマンドデータ(ACTION(下位バイト))をシリアル送信バッファに書き込む(A1606)。
そして、遊技制御装置600は、シリアル送信バッファステータスを読み込んで(A1607)、コマンドの送信中であるかを判定する(A1608)。コマンドの送信中である場合(A1608の結果が「Y」)は、コマンド設定処理を終了する。また、コマンドの送信中でない場合(A1608の結果が「N」)は、回路の異常が考えられるため送信回路を初期化し(A1609)、コマンドデータ(ACTION(下位バイト))をシリアル送信バッファに再書き込みして(A1610)、コマンド設定処理を終了する。
このように、演出制御装置700に対してはシリアル通信でコマンドを送信するようにしたことで、遊技制御装置600の負担を軽減できるとともに、コマンドの解析を困難にすることができる。また、コマンドの送出タイミングが早まるとともに、データ線の本数を減らすことができる。さらに、演出制御装置700においてもストローブ内でのコマンドの取り込みが必要なくなり、負担を軽減することができる。なお、払出制御装置640へもシリアル通信によりコマンドを送信するようにしても良い。
〔入力処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理(図14)における入力処理(A1402)の詳細について説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の入力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、入力ポート1、即ち、第1入力ポート623に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(A1701)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(A1702)。
続いて、読み込まれた入力ポート1の状態をRWM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)し(A1703)、未使用のビットデータを準備(A1704)した後、反転するビットデータを準備する(A1705)。その後、RWM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備し(A1706)、入力ポート2、即ち、第2入力ポート622bのアドレスを準備して(A1707)、スイッチ読込み処理(A1708)を行う。
次に、未使用のビットデータを準備し(A1709)、反転するビットデータを準備する(A1710)。その後、RWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備し(A1711)、入力ポート3、即ち、第3入力ポート622aのアドレスを準備して(A1712)、スイッチ読込み処理(A1713)を行い、入力処理を終了する。
〔スイッチ読み込み処理〕
次に、前述した入力処理(図17)におけるスイッチ読み込み処理(A1708、A1713)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態のスイッチ読み込み処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態を読み込む(A1801)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(A1802)、反転の必要なビットを反転(A1803)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態1にセーブ(格納)する(A1804)。その後、2回目の読込みまでのディレイ時間(0.1ms)が経過するのを待つ(A1805)。
遊技制御装置600は、ディレイ時間(0.1ms)が経過すると、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態の2回目の読込みを行う(A1806)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(A1807)、反転の必要なビットを反転(A1808)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態2にセーブ(格納)する(A1809)。その後、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを1、違うビットを0とした確定ビットパターンを作成し(A1810)、確定ビットパターンとポート入力状態2との論理積をとり、今回確定ビットとする(A1811)。
次に、遊技制御装置600は、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを0、違うビットを1とした未確定ビットパターンを作成し(A1812)、未確定ビットパターンと前回割り込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(A1813)。これにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。そして、今回確定ビットと前回保持ビットを合成し、今回確定状態としてセーブし(A1814)、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、立上りエッジとしてセーブして(A1815)、スイッチ読み込み処理を終了する。
なお、スイッチの読込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2ms)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読込みを行なって前回の読込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しい判定が行なえないおそれがある。これに対し、本実施例のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読込み処理を行うことで、上記のような不具合を回避することが可能となる。
〔出力処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理(図14)における出力処理(A1403)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の出力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力するポート631c(図3参照)にオフデータを出力(リセット)する(A1901)。次に、普電ソレノイド27や大入賞口ソレノイド28a、28bのデータを出力するソレノイド出力ポート631bに出力するデータを合成して出力する(A1902)。
そして、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新して(A1903)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得し(A1904)、取得したデータをデジット出力用のポート631dに出力する(A1905)。その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(A1906)、ロードしたデータをセグメント出力用のポート631cに出力する(A1907)。
続いて、外部情報端子71へ出力するデータをロードして合成し、外部情報出力用のポート631eへ出力する(A1908)。次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板650上の試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(A1909)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板650上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板650上の試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(A1910)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板650上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板650上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(A1911)。さらに、試射試験装置の試験信号を出力する中継基板650上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板650上の試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(A1912)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板650上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板650上の試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力し(A1913)、出力処理を終了する。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理(図14)における払出コマンド送信処理(A1404)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の払出コマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、賞球数別(例えば、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する(A2001)。そして、カウント数がない場合(A2001の結果が「N」)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域のアドレスを更新し(A2002)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(A2003)。この判定で、すべてのチェックが終了した(A2003の結果が「Y」)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(A2003の結果が「N」)と判定すると、A2001へ戻って上記処理を繰り返す。
また、上記A2001で、カウント数がある(A2001の結果が「Y」)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(A2004)、入賞数カウンタ領域のアドレスに対応する払出コマンド(負論理のデータ)を取得する(A2005)。そして、データの読込みが有効か無効かを示すストローブ信号のオフ時間(例えばロウレベルに維持する時間、例えば0.015ms)を計時するストローブオフタイマを設定し(A2006)、上記A2005で取得した払出コマンド(負論理のデータ)とオフ状態(ロウレベル)のストローブ信号をポート631a(図3参照)へ出力する(A2007)。
その後、ストローブオフタイマを−1更新し(A2008)、ストローブオフタイマの値が0であるか、すなわちA2006で設定したオフ時間が経過したかを判定する(A2009)。ストローブオフタイマの値が0でない場合(A2009の結果が「N」)、すなわちオフ時間が経過していない場合は、A2007へ戻る。また、ストローブオフタイマの値が0である場合(A2009の結果が「Y」)、すなわちオフ時間が経過した場合は、負論理データの出力残り時間(例えば0.030ms)を計時する負論理出力残りタイマを設定する(A2010)。
次に、払出コマンド(負論理のデータ)を出力するとともにオン状態(ハイレベル)のストローブ信号をポート631aへ出力する(A2011)。そして、負論理出力残りタイマを−1更新し(A2012)、負論理出力残りタイマの値が0であるか、すなわちA2010で設定した負論理データの出力時間が終了したかを判定する(A2013)。負論理出力残りタイマの値が0でない場合(A2013の結果が「N」)、すなわち負論理データの出力時間が終了していない場合はA2011へ戻る。また、負論理出力残りタイマの値が0である場合(A2013の結果が「Y」)、すなわち負論理データの出力時間が終了した場合は、上記負論理の払出コマンドデータを反転して正論理の払出コマンドデータを生成する(A2014)。
次に、ストローブ信号のオン残り時間(ハイレベルの時間、例えば0.015ms)を計時するストローブオン残りタイマを設定し(A2015)、A2014で生成した払出コマンド(正論理のデータ)とオン状態(ハイレベル)のストローブ信号をポート631aへ出力する(A2016)。その後、ストローブオン残りタイマを−1更新し(A2017)、ストローブオン残りタイマの値が0であるか、すなわちA2015で設定したオン時間が終了したかを判定する(A2018)。ストローブオン残りタイマの値が0でない場合(A2018の結果が「N」)、すなわちオン時間が終了していない場合はA2016へ戻る。また、ストローブオン残りタイマの値が0である場合(A2018の結果が「Y」)、すなわちオン時間が終了した場合は、正論理データの出力残り時間(例えば0.030ms)を計時する正論理出力残りタイマを設定する(A2019)。
その後、払出コマンド(正論理のデータ)を出力するとともにオフ状態(ロウレベル)のストローブ信号をポート631aへ出力する(A2020)。そして、正論理出力残りタイマを−1更新し(A2021)、正論理出力残りタイマの値が0であるか、すなわちA2019で設定した正論理データの出力時間が終了したかを判定する(A2022)。正論理出力残りタイマの値が0でない場合(A2022の結果が「N」)、すなわち出力時間が終了していない場合はA2020へ戻る。また、正論理出力残りタイマの値が0である場合(A2022の結果が「Y」)、すなわち終了した場合は、遊技制御装置600から外部装置に対して送信する払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球残数更新処理(A2023)を行い、コマンド送信処理を終了する。
以上の処理により、払出制御装置640に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドが送信され、払出制御装置640ではこの払出コマンドに基づき遊技球を払い出す。上記のように、負論理の払出コマンドデータを出力した後に正論理の払出コマンドデータを出力することによって、コマンド受信側では、負論理の払出コマンドデータと正論理の払出コマンドデータを読み込んで比較することによって、正しいコマンドを受信することができたか否かを判定することができる。例えば先に受信した負論理の払出コマンドデータを論理反転して、それと後で受信した正論理の払出コマンドデータとを比較して、同一でない場合にはコマンド受信エラーと判断し、コマンドの再送を遊技制御装置600へ要求することで正確なコマンドを受信することが可能となる。
〔メイン賞球残数更新処理〕
次に、前述した払出コマンド送信処理(図20)におけるメイン賞球残数更新処理(A2023)の詳細について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態のメイン賞球残数更新処理の手順を示すフローチャートである。
このメイン賞球残数更新処理では、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置へ出力するメイン賞球信号を設定する。外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置640からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
遊技制御装置600は、まず、賞球残数領域の値と払出数を加算する(A2101)。この処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されており、この処理において、賞球残数領域の値に新たに発生した賞球の払出数として正論理の払出コマンドの値を加算する。そして、加算した値を賞球残数領域にセーブする(A2102)。
その後、遊技制御装置600は、賞球残数領域の値からメイン賞球信号の出力の基準となる所定数である10を減算し(A2103)、減算結果が0以上であるかを判定する(A2104)。減算結果が0以上でない場合(A2104の結果が「N」)は、メイン賞球残数更新処理を終了する。また、減算結果が0以上である場合(A2104の結果が「Y」)は、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新し(A2105)、減算結果を賞球残数領域にセーブして(A2106)、A2103に戻る。
〔乱数更新処理1〕
次に、前述したタイマ割込み処理(図14)における乱数更新処理1(A1405)の詳細について説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態の乱数更新処理1の手順を示すフローチャートである。乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている当り乱数、大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2の初期値(スタート値)を更新するための処理である。
遊技制御装置600は、まず、普図の当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(A2201)。普図の当り乱数が初期値設定待ちでない場合(A2201の結果が「N」)は、大当り図柄乱数1が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(A2204)。また、普図の当り乱数が初期値設定待ちである場合(A2201の結果が「Y」)は、次回初期値として当り乱数初期値乱数をロードし(A2202)、ロードした普図の当り乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(A2203)。その後、大当り図柄乱数1が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(A2204)。
遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1が初期値設定待ちでない場合(A2204の結果が「N」)に、大当り図柄乱数2が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(A2207)。また、大当り図柄乱数1が初期値設定待ちである場合(A2204の結果が「Y」)は、次回初期値として大当り図柄初期値乱数1をロードし(A2205)、ロードした大当り図柄乱数1の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(A2206)。その後、大当り図柄乱数2が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(A2207)。
遊技制御装置600は、大当り図柄乱数2が初期値設定待ちでない場合(A2207の結果が「N」)に、乱数更新処理1を終了する。また、大当り図柄乱数2が初期値設定待ちである場合(A2207の結果が「Y」)は、次回初期値として大当り図柄初期値乱数2をロードし(A2208)、ロードした大当り図柄乱数2の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定し(A2209)、乱数更新処理1を終了する。
〔乱数更新処理2〕
次に、前述したタイマ割込み処理(図14)における乱数更新処理2(A1406)の詳細について説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態の乱数更新処理2の手順を示すフローチャートである。乱数更新処理2は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。
なお、本実施形態の遊技機では、変動パターン乱数として1バイトの乱数(変動パターン乱数2、3)と、2バイトの乱数(変動パターン乱数1)があり、乱数更新処理2は両方を更新対象とし、割込みが発生するごとに更新対象を切り替えて処理する。しかも、更新対象の乱数が2バイトの場合には、上位のバイトと下位のバイトに対して異なる割込み時に更新処理を行うようになっている。即ち、メイン処理に対する一の割込み処理において実行される乱数更新処理2による2バイトの変動パターン乱数1(リーチ変動態様決定用乱数)の更新は、上位1バイト若しくは下位1バイトの何れかについて実行されるように構成されている。
遊技制御装置600は、まず、更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを更新する(A2301)。次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応する演出乱数更新テーブルのアドレスを算出する(A2302)。そして、算出されたアドレスに基づいて参照したテーブルから乱数の上限判定値を取得する(A2303)。このとき参照するテーブルには、乱数の種類ごとに上限判定値、即ち、乱数が一巡したか否かを判定するための値が格納されている。
続いて、遊技制御装置600は、例えば本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンに設けられているDRAMのリフレッシュ等のため使用されるリフレッシュレジスタ(以下、Rレジスタと称する)のようなランダムな値が設定されるレジスタの値をロードする(A2304)。Rレジスタの値を使用することで、乱数にランダム性を付与することができる。次に、Rレジスタの値をマスクするためのマスク値を取得して、Rレジスタの値をマスクする(A2305)。なお、マスク値は、更新対象の乱数によって異なるビット数、例えば、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、Rレジスタの下位3ビットに、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、Rレジスタの下位4ビットに設定されている。乱数の種類によって上限値が異なるためである。なお、マスク値として、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、Rレジスタの下位3ビットを、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、Rレジスタの下位4ビットを例示したが、数値は一例であってこれに限られるものではない。
次に、遊技制御装置600は、更新する乱数領域(乱数カウンタ)が2バイト乱数の上位1バイトであるかを判定する(A2306)。そして、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトである場合(A2306の結果が「Y」)は、加算値として上位1バイトをマスク値によってRレジスタの値をマスクすることによって残った値(以下、これをマスクした値と称する)に「1」を加算したマスク更新値に設定し、下位1バイトを「0」に設定して(A2307)、A2309に進む。また、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトでない場合(A2306の結果が「N」)は、加算値として上位1バイトを「0」に設定し、下位1バイトを上記マスク更新値に設定して(A2308)、A2309に進む。なお、マスクした値に「1」を加算するのは、マスクした値が「0」になる場合があり、「0」を後に加算すると加算する前の値から変化しないので、それを避けるためである。
そして、遊技制御装置600は、更新する乱数が2バイト乱数かを判定し(A2309)、2バイト乱数である場合(A2309の結果が「Y」)は、更新する乱数領域の値(2バイト)を設定して(A2310)、A2312に進む。また、更新する乱数が2バイト乱数でない場合(A2309の結果が「N」)は、乱数値の上位1バイトとして「0」を設定し、乱数値の下位1バイトとして、更新する乱数領域の値(1バイト)を設定し(A2311)、A2312へ進む。
A2312では、遊技制御装置600は、乱数値にA2307又はA2308で決定した加算値を加算した値を新たな乱数値とし、この新たな乱数値がA2303で取得した上限判定値よりも大きいかを判定する(A2313)。そして、新たな乱数値が上限判定値より大きくない場合(A2313の結果が「N」)は、新たな乱数値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(A2315)。また、新たな乱数値が上限判定値より大きい場合(A2313の結果が「Y」)は、新たな乱数値から上限判定値を減算した値を再度の新たな乱数値とし(A2314)、この値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(A2315)。
次に、遊技制御装置600は、更新した乱数が2バイト乱数であるかを判定し(A2316)、2バイト乱数でない場合(A2316の結果が「N」)は、乱数更新処理2を終了する。また、2バイト乱数である場合(A2316の結果が「Y」)は、新たな乱数値(再度の新たな乱数値を算出した場合はその値)を2バイト乱数の上位の乱数領域にセーブし(A2317)、乱数更新処理2を終了する。
このように、遊技制御装置600は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。従って、遊技制御装置600は、始動入賞口37や普通変動入賞装置38の始動領域への遊技球の流入に基づいて抽出される各種乱数のうち、特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)を決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新手段となる。
〔入賞口スイッチ/エラー監視処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理(図14)における入賞口スイッチ/エラー監視処理(A1407)の詳細について説明する。図24は、本発明の第1の実施の形態の入賞口スイッチ/エラー監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、下大入賞口(第1特別変動入賞装置41)内の一方の下カウントスイッチ605a〜605mに対応する入賞口監視テーブル1(例えばカウントスイッチからの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備する(A2401)。次に、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(A2402)を実行する。
その後、下大入賞口(第1特別変動入賞装置41)内の他方の下カウントスイッチ605a〜605mに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(A2403)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(A2404)を実行する。そして、上大入賞口(第2特別変動入賞装置42)内の上カウントスイッチ606に対応する入賞口監視テーブルを準備し(A2405)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(A2406)を実行する。
次に、普電内の入賞口スイッチ(第2始動口スイッチ602)の入賞口監視テーブルを準備し(A2407)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(A2408)を実行する。そして、不正監視処理が不要な入賞口スイッチ(ここでは第1始動口スイッチ601、一般入賞口40の入賞口スイッチ604a〜604n)の入賞口監視テーブルを準備し(A2409)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(A2410)を行う。
次に、エラーを監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するためのエラースキャンカウンタを更新する(A2411)。その後、エラースキャンカウンタの値に応じて、スイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号1、払出制御装置640からのシュート玉切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号及び払出異常ステータス信号の何れかに基づくエラーの監視を対象として設定するための遊技機エラー監視テーブル1を準備する(A2412)。そして、エラーが発生しているかを判定するエラーチェック処理(A2413)を行う。
次に、エラースキャンカウンタの値が3であるかを判定し(A2414)、エラースキャンカウンタの値が3である場合(A2414の結果が「Y」)は、入賞口スイッチ/エラー監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機エラー監視テーブル2にエラーの監視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が3でない場合(A2414の結果が「N」)は、エラースキャンカウンタの値に応じて、前面枠開放検出スイッチ25、ガラス枠開放検出スイッチ26、スイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号2の何れかに基づくエラーの監視を対象として設定するための遊技機エラー監視テーブル2を準備する(A2415)。そして、エラーが発生しているかを判定するエラーチェック処理(A2416)を行い、入賞口スイッチ/エラー監視処理を終了する。
〔不正&入賞監視処理〕
次に、前述した入賞口スイッチ/エラー監視処理(図24)における不正&入賞監視処理(A2002、A2004、A2006、A2008)の詳細について説明する。図25は、本発明の第1の実施の形態の不正&入賞監視処理の手順を示すフローチャートである。
この不正&入賞監視処理は、第1特別変動入賞装置41の下カウントスイッチ605a〜605mの各々、第2特別変動入賞装置42の上カウントスイッチ606及び普通変動入賞装置38の第2始動口スイッチ602に対して行われる処理である。大入賞口(特別変動入賞装置41、42)や普電(普通変動入賞装置38)については、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行われ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
遊技制御装置600は、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(A2501)、不正監視期間中であるかを判定する(A2502)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが下カウントスイッチ605a〜605mである場合は第1特別変動入賞装置41を開放する特別遊技状態中以外の期間であり、エラー監視対象の入賞口スイッチが上カウントスイッチ606である場合は第2特別変動入賞装置42を開放する特別遊技状態中以外の期間である。また、エラー監視対象の入賞口スイッチが第2始動口スイッチ602である場合は普図の当りに基づき普通変動入賞装置38の開放制御を実行している状態以外の期間である。
そして、遊技制御装置600は、不正監視期間である場合(A2502の結果が「Y」)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する(A2503)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合(A2503の結果が「N」)は、対象の報知タイマ更新情報をロードする(A2512)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(A2503の結果が「Y」)は、対象の不正入賞数を+1更新し(A2504)、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば5個)を超えたかを判定する(A2505)。
判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球がカウントスイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しないようにするためであり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。
そして、遊技制御装置600は、判定個数を超えていない場合(A2505の結果が「N」)に、対象の入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備する(A2510)。また、判定個数を超えた場合(A2505の結果が「Y」)に、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(A2506)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値をセーブする(A2507)。次に、対象の不正発生コマンドを準備し(A2508)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備して(A2509)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(A2520)。
一方、不正監視期間でない場合(A2502の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、対象の入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備し(A2510)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理(A2511)を行う。そして、対象の報知タイマ更新情報をロードし(A2512)、報知タイマの更新許可の有無を判定する(A2513)。そして、報知タイマの更新が許可されない場合(A2513の結果が「N」)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、報知タイマの更新が許可される場合(A2513の結果が「Y」)は、対象の報知タイマが0でなければ−1更新する(A2514)。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。
報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチがある一つの下カウントスイッチ605a〜605mである場合は許可され、エラー監視対象の入賞口スイッチが他の下カウントスイッチ605a〜605mである場合は許可されない。これにより、第1特別変動入賞装置41についての不正報知について、報知タイマの更新が数倍の頻度で行われてしまい、規定時間(例えば60000ms)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。なお、エラー監視対象の入賞口スイッチが上カウントスイッチ606である場合や第2始動口スイッチ602である場合は報知タイマの更新は常に許可される。
その後、遊技制御装置600は、報知タイマの値が0であるかを判定し(A2515)、値が0でない場合(A2515の結果が「N」)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正&入賞監視処理を終了する。また、値が0である場合(A2515の結果が「Y」)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを準備し(A2516)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(A2517)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(A2518)。
遊技制御装置600は、報知タイマの値が0になった瞬間である場合(A2518の結果が「Y」)、すなわち今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合に、対象の不正入賞数をクリアし(A2519)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(A2520)。また、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(A2518の結果が「N」)、すなわち前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(A2520)。
そして、遊技制御装置600は、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(A2520の結果が「Y」)に、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(A2520の結果が「N」)は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(A2521)、コマンド設定処理を行い(A2522)、不正&入賞監視処理を終了する。以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置700に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置700に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
次に、前述した入賞口スイッチ/エラー監視処理(図24)における入賞数カウンタ更新処理(A2010)の詳細について説明する。図26は、本発明の第1の実施の形態の入賞数カウンタ更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、入賞口監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(A2601)、対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるかを判定する(A2602)。
遊技制御装置600は、入力がない場合(A2602の結果が「N」)に、全スイッチの監視が終了したかを判定する(A2607)。また、入力がある場合(A2602の結果が「Y」)に、対象の入賞数カウンタ領域の値をロードし(A2603)、ロードした値を+1更新して(A2604)、オーバーフローするか判定する(A2605)。そして、オーバーフローが発生していない場合(A2605の結果が「N」)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域にセーブし(A2606)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(A2607)。また、オーバーフローが発生した場合(A2605の結果が「Y」)は、全スイッチの監視が終了したかを判定する(A2607)。
遊技制御装置600は、全スイッチの監視が終了していない場合(A2607の結果が「N」)に、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する処理(A2602)に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合(A2607の結果が「Y」)に、入賞数カウンタ更新処理を終了する。以上の処理により、入賞に応じた賞球が設定されることとなる。
〔エラーチェック処理〕
次に、前述した入賞口スイッチ/エラー監視処理(図24)におけるエラーチェック処理(A2013、A2016)の詳細について説明する。図27は、本発明の第1の実施の形態のエラーチェック処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、エラースキャンカウンタに対応するエラー監視テーブルを取得し(A2701)、監視対象であるスイッチ(信号を含む)がオンであるか、すなわちエラーを示す状態であるかを判定する(A2702)。
そして、遊技制御装置600は、スイッチがオンでない場合(A2702の結果が「N」)に、エラーフラグとしてエラー解除フラグを準備し(A2703)、対象のエラー報知終了コマンドを準備する(A2704)。その後、対象のエラー解除監視タイマ比較値を取得して(A2705)、対象のスイッチ制御領域の値と今回のスイッチの状態を比較する(A2709)。
一方、スイッチがオンである場合(A2702の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、エラーフラグとしてエラー発生フラグを準備し(A2706)、対象のエラー報知コマンドを準備する(A2707)。その後、対象のエラー発生監視タイマ比較値を取得して(A2708)、対象のスイッチ制御領域の値と今回のスイッチの状態を比較する(A2709)。
遊技制御装置600は、対象のスイッチ制御領域の値と今回のスイッチの状態が一致した場合(A2709の結果が「Y」)、すなわちスイッチの状態が変化していない場合は、対象のエラー監視タイマを+1更新して(A2712)、対象のエラー監視タイマの値が監視タイマ比較値に達したかを判定する(A2713)。また、対象のスイッチ制御領域の値と今回のスイッチの状態が一致しない場合(A2709の結果が「N」)、すなわちスイッチの状態が変化した場合は、対象のスイッチ制御領域に今回のスイッチ状態をセーブする(A2710)、そして、対象のエラー監視タイマをクリアし(A2711)、対象のエラー監視タイマを+1更新して(A2712)、対象のエラー監視タイマの値が監視タイマ比較値に達したかを判定する(A2713)。
遊技制御装置600は、対象のエラー監視タイマの値が監視タイマ比較値に達していない場合(A2713の結果が「N」)に、エラーチェック処理を終了する。また、対象のエラー監視タイマの値が監視タイマ比較値に達した場合(A2713の結果が「Y」)は、エラー監視タイマを−1更新して比較値−1の値に留め(A2714)、準備したエラーフラグを対象のエラーフラグ領域の値と比較する(A2715)。
そして、遊技制御装置600は、準備したエラーフラグと対象のエラーフラグ領域の値とが一致する場合(A2715の結果が「Y」)は、エラーチェック処理を終了する。また、設定したエラーフラグと対象のエラーフラグ領域の値とが一致しない場合(A2715の結果が「N」)は、準備したエラーフラグを対象のエラーフラグ領域にセーブし(A2716)、コマンド設定処理を行って(A2717)、エラーチェック処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理(図14)における特図ゲーム処理(A1408)の詳細について説明する。図28は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。特図ゲーム処理を実行する遊技制御装置600は、特図制御手段を構成する。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(A2801)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図29にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2802)。大入賞口スイッチ監視処理では、第2特別変動入賞装置42内に設けられた上カウントスイッチ606及び第1特別変動入賞装置41内に設けられた下カウントスイッチ605a〜605mによって入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしていなければ、特図ゲーム処理タイマを−1更新する(A2803)。そして、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(A2804)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、A2804の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。なお、変動表示ゲームが実行される場合にのみ変動制御タイマを更新することによって変動時間を計測するようにしてもよい。
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(A2804の結果が「N」)、A2816以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(A2804の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A2805)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2806)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(A2807)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(A2808)。ゲーム処理番号は、特図変動表示ゲームの進行状態を示し、0〜6の7段階で特図変動表示ゲームの進行状態を示す。あるゲーム処理番号に対応する処理が終了すると、ゲーム処理番号は次の番号などに変えられる。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(A2808の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(A2809)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、図35にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(A2808の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(A2810)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。特図変動中処理の詳細については、図50にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(A2808の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(A2811)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定したりする。特図表示中処理の詳細については、図52にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(A2808の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A2812)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。ファンファーレ/インターバル中処理の詳細については、図57、図58にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(A2808の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(A2813)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。大入賞口開放中処理の詳細については、図62にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(A2808の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(A2814)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。大入賞口残存球処理の詳細については、図65にて後述する。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に対応する開閉扉41aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(A2808の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(A2815)。大当り終了処理は、A2809の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。大当り終了処理の詳細については、図68にて後述する。
その後、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図1表示器51)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(A2816)。続いて、一括表示装置50(特図1表示器51)に係る図柄変動制御処理を実行する(A2817)。
さらに、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図2表示器52)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(A2818)。続いて、一括表示装置50(特図2表示器52)に係る図柄変動制御処理を実行する(A2819)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図28)における始動口スイッチ監視処理(A2801)の詳細について説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(A2901)。
続いて、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2902)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図30にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、普通電動役物(普電、普通変動入賞装置、第2始動入賞口38の可動部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(A2903)。普通電動役物が作動中である場合には(A2903の結果が「Y」)、A2905以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、普通電動役物が作動中でない場合には(A2903の結果が「N」)、普電不正入賞が発生しているか否かを判定する(A2904)。
普電不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、可動部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。A2904の処理では、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値、例えば5個)以上であるかを判定している。
遊技制御装置600は、普電不正入賞が発生している場合には(A2904の結果が「Y」)、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、普電不正入賞が発生していない場合には(A2904の結果が「N」)、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(A2905)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2906)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理(図29)における特図始動口スイッチ共通処理(A2902、A2906)の詳細について説明する。図30は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602から信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ601)から信号が入力されたか否かをチェックする(A3001)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(A3001の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(A3001の結果が「Y」)、監視対象の始動口に対応する乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるか否か、すなわち、乱数が抽出されているか否かを判定する(A3002)。乱数が抽出されていない場合には(A3002の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
遊技制御装置600は、監視対象の始動口に対応する乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合には(A3002の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(A3003)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(A3004)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(A3005)。そして、ロードした値に1加算して更新し(A3006)、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(A3007)。
そして、遊技制御装置600は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(A3007の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(A3008)。
遊技制御装置600は、A3008の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(A3007の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かを判定する(A3009)。
遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満の場合には(A3009の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(A3010)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(A3011)。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。このとき、飾り特図保留数コマンドに新たに生成された始動記憶に対応する先読み結果を合わせて送信するようにしてもよい。例えば、飾り特図保留数コマンドのACTION部に先読み結果を示す値を加算するようにしてもよい。
具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(A3012)。
次に、遊技制御装置600は、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(A3013)。そして、A3004の処理で取得された大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(A3014)。さらに、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(A3015)。その後、準備された大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(A3016)。
続いて、遊技制御装置600は、変動パターン乱数を抽出し、抽出した値をRWMの対応する変動パターン乱数格納領域にセーブする(A3017)。具体的には、変動パターン乱数1〜3を抽出し、それぞれ対応する変動パターン乱数格納領域にセーブする。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
第1又は第2特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置600は、A3016の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数などをロードし、特図保留情報判定処理を実行する(A3018)。特図保留情報判定処理の詳細については、図31にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満でない場合には(A3009の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を準備し(A3019)、コマンド設定処理を実行する(A3020)。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図30)における特図保留情報判定処理(A3018)の詳細について説明する。図31は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置600は、まず、先読み演出(予告)の実行条件を満たしているか否かを判定する(A3101)。ここで、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合とは、特図始動口スイッチ共通処理のステップA3001に係る始動口スイッチの入力が第2始動口スイッチ602の入力である場合である。また、特図始動口スイッチ共通処理のステップA3001に係る始動口スイッチの入力が第1始動口スイッチ601の入力である場合は、普通変動入賞装置38の開放延長機能が作動中でない場合、即ち、時短遊技状態中でない場合であり、大当り(特別遊技状態)中でもない場合である。通常遊技状態の場合には、また、先読み禁止コマンドを送信する条件、すなわち、停電復帰後、変動表示ゲームの実行回数が8回未満の場合にも先読み演出の実行条件を満たさないと判定してもよい。遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしていない場合には(A3101の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。
また、通常遊技状態(非電サポ状態)で普図変動表示ゲームの結果が当りとなった場合に、4/5の確率で可動部材38aが短時間開放する普電ショート開放、又は、1/5確率で可動部材38aが長時間(0.5+5秒)開放する普電ロング開放が選択される仕様では、普電ショート開放発生時に入賞した特図2の始動記憶については先読みを行わない一方、普電ロング開放発生時に入賞した特図2の始動記憶については先読みを行うようにしてもよい。
一方、遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしている場合には(A3101の結果が「Y」)、新たに記憶された始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3102)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、A3102の大当り判定処理による判定結果が大当りであるか否かを判定する(A3103)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(A3103の結果が「N」)、停止図柄パターンとして、はずれ停止図柄パターンを設定する(A3106)。そして、A3107以降の処理を実行する。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(A3103の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する(A3104)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り停止図柄パターンが定義されている。
さらに、遊技制御装置600は、A3104の処理で設定された大当り図柄乱数チェックテーブルから大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り停止図柄パターンを取得し、設定する(A3105)。
続いて、遊技制御装置600は、A3105の処理で設定した大当り停止図柄パターン又はA3106の処理で設定したはずれ停止図柄パターンを先読み停止図柄停止パターン領域にセーブする(A3107)。さらに、対象の始動口スイッチ及び停止図柄パターンに対応する先読み図柄コマンドを準備し(A3108)、コマンド設定処理を実行する(A3109)。
次に、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(A3110)。特図情報設定処理の詳細については、図40にて後述する。
続いて、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定するために、監視対象の始動口に対応する後半変動パターン設定情報テーブルを準備し(A3111)、変動パターン全体を設定するための変動パターン設定処理を実行する(A3112)。変動パターン設定処理の詳細については、図41にて後述する。なお、特図変動表示ゲームの結果ごとに変動パターン設定処理を定義し、対象の特図変動表示ゲームの結果に応じて対応する変動パターン設定処理を実行するようにしてもよい。
最後に、遊技制御装置600は、変動パターン設定処理で設定された前半変動番号及び後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備し(A3113)、コマンド設定処理を実行する(A3114)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
以上のように、特図保留情報判定処理では、始動記憶に対応する特図変動表示ゲームを実行する前に、特図変動表示ゲームの結果を取得し、演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、変動表示装置35に表示されている始動記憶表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。ここで、遊技制御装置600は事前判定手段として機能し、演出制御装置700は事前報知手段として機能する。
〔大当り判定処理〕
次に、前述した特図保留情報判定処理(図31)における大当り判定処理(A3102)の詳細について説明する。図32は、本発明の第1の実施の形態の大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、この大当り判定処理は、特図ゲーム処理中に実行される他の処理における大当り判定処理に共通する処理である。
まず、遊技制御装置600は、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3201)、大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(A3202)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置600は、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A3202の結果が「Y」)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(A3207)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(A3202の結果が「N」)は、高確率状態であるかを判定する(A3203)。
そして、遊技制御装置600は、高確率状態である場合(A3203の結果が「Y」)に、高確率中の上限判定値を設定し(A3204)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(A3206)。また、高確率状態でない場合(A3203の結果が「N」)は、低確率中の上限判定値を設定し(A3205)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(A3206)。
遊技制御装置600は、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A3206の結果が「Y」)、すなわちはずれである場合に、判定結果としてはずれを設定し(A3207)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A3206の結果が「N」)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(A3208)、大当り判定処理を終了する。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図28)における大入賞口スイッチ監視処理(A2802)の詳細について説明する。図33は、本発明の第1の実施の形態の大入賞口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、大入賞口(第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42)が開放中であるか、すなわち特別遊技状態中かを判定する(A3301)。大入賞口が開放中でない場合(A3301の結果が「N」)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口が開放中である場合(A3301の結果が「Y」)は、今回の大入賞口スイッチ監視処理において加算される大入賞口への入賞数をカウントするための入賞カウンタに0をセットし(A3302)、下大入賞口(第1特別変動入賞装置38)が開放中であるか、すなわち第1特別変動入賞装置41を開放する特別遊技状態中かを判定する(A3303)。
下大入賞口が開放中である場合(A3303の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、一のラウンドの終了時に行われる大入賞口残存球処理中であるかを判定する(A3304)。大入賞口残存球処理中である場合(A3304の結果が「Y」)に、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口残存球処理中でない場合は(A3304の結果が「N」)は、下大入賞口スイッチ1(一方の下カウントスイッチ605)に入力があるかを判定する(A3305)。
下大入賞口スイッチ1に入力がない場合(A3305の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、下大入賞口スイッチ2(他方の下カウントスイッチ605)に入力があるかを判定する(A3309)。また、下大入賞口スイッチ1に入力がある場合(A3305の結果が「Y」)に、入賞カウンタを+1更新し(A3306)、下大入賞口カウントコマンドを準備する(A3307)。そして、コマンド設定処理(A3308)を行い、下大入賞口スイッチ2(他方の下カウントスイッチ605)に入力があるかを判定する(A3309)。
下大入賞口スイッチ2に入力がない場合(A3309の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(A3318)。また、下大入賞口スイッチ2に入力がある場合(A3309の結果が「Y」)に、入賞カウンタを+1更新し(A3310)、下大入賞口カウントコマンドを準備する(A3311)。そして、コマンド設定処理(A3312)を行い、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(A3318)。
一方、遊技制御装置600は、下大入賞口が開放中でない場合(A3303の結果が「N」)、すなわち上大入賞口(第2特別変動入賞装置42)が開放中である(第2特別変動入賞装置42を開放する特別遊技状態中である)場合に、上大入賞口スイッチ(上カウントスイッチ606)に入力があるかを判定する(A3313)。上大入賞口スイッチに入力がない場合(A3313の結果が「N」)に、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、上大入賞口スイッチに入力がある場合(A3313の結果が「Y」)は、大入賞口残存球処理中であるかを判定する(A3314)。
大入賞口残存球処理中でない場合(A3314の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、入賞カウンタを+1更新し(A3315)、上大入賞口カウントコマンドを準備する(A3316)。また、大入賞口残存球処理中である場合(A3314の結果が「Y」)に、上大入賞口カウントコマンドを準備する(A3316)。その後、コマンド設定処理(A3317)を行い、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(A3318)。上大入賞口の場合は、入賞による演出を行うために大入賞口残存球処理中であっても上大入賞口カウントコマンドを送信するようになっている。
入賞カウンタの値が0であるかの判定(A3318)において、入賞カウンタの値が0である場合(A3318の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、入賞カウンタの値が0でない場合(A3318の結果が「N」)に、入賞カウンタの値を大入賞口カウント数に加算し(A3319)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数)以上となったかを判定する(A3320)。
大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(A3320の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(A3320の結果が「Y」)に、大入賞口カウント数を上限値に留め(A3321)、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアする(A3322)。そして、大当り中制御ポインタ上限値領域からポインタをロードし(A3323)、ロードしたポインタを大当り中制御ポインタ領域にセーブして(A3324)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔図柄変動制御処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図28)における図柄変動制御処理(A2817、A2819)の詳細について説明する。図34は、本発明の第1の実施の形態の図柄変動制御処理の手順を示すフローチャートである。図柄変動制御処理は、第1特図や第2特図等の特別図柄の変動の制御と特別図柄の表示データの設定を行う処理である。
まず、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図)に係る特図変動制御フラグが変動中であるかをチェックする(A3401)。そして、当該特図変動中フラグが変動中である場合(A3402の結果が「Y」)は、制御対象の特図(例えば、第1特図)に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得し(A3403)、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図)に係る点滅制御タイマを−1更新して(A3404)、当該タイマの値が0、すなわちタイムアップしたかを判定する(A3405)。
点滅制御タイマの値が0でない場合(A3405の結果が「Y」)は、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(A3408)。また、点滅制御タイマの値が0である場合(A3405の結果が「Y」)は、点滅制御タイマ初期値を制御対象の点滅制御タイマ領域にセーブし(A3406)、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図)に係る変動図柄番号を+1更新して(A3407)、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(A3408)。その後、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(A3411)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、特図変動中フラグが変動中でない場合(A3402の結果が「Y」)は、制御対象の特図(例えば、第1特図)に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(A3409)。そして、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(A3410)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(A3411)、図柄変動制御処理を終了する。これにより、特図1表示器51及び特図2表示器52のうち、制御対象となる特図表示器(例えば、特図1表示器51)に図柄番号に対応した特図が表示されることとなる。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図28)における特図普段処理(A2809)の詳細について説明する。図35は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3501)。さらに、特図2保留数が0の場合に(A3501の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かを判定する(A3506)。このように、特図2保留数のチェック(A3501)を、特図1保留数のチェック(A3506)よりも先に行うことによって、第1特図変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な第2特図変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
遊技制御装置600は、特図2保留数が0でない場合に(A3501の結果が「N」)、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(A3502)、コマンド設定処理を実行する(A3503)。さらに、特図変動表示ゲームを実行するための特図2変動開始処理を実行する(A3504)。特図2変動開始処理の詳細については、図45にて後述する。
その後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行し(A3505)、特図普段処理を終了する。特図変動中処理移行設定処理(特図2)の詳細については、図49にて後述する。
また、遊技制御装置600は、特図1保留数が0でない場合に(A3506の結果が「N」)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(A3507)、コマンド設定処理を実行する(A3508)。さらに、特図変動表示ゲームを実行するための特図1変動開始処理を実行する(A3509)。特図1変動開始処理の詳細については、図37にて後述する。なお、飾り特図保留数コマンドは、保留数が変化した場合のみに演出制御装置700に送信するようにしてもよい。
その後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行し(A3510)、特図普段処理を終了する。特図変動中処理移行設定処理(特図1)の詳細については、図48にて後述する。
一方、遊技制御装置600は、特図1保留数が0の場合には(A3506の結果が「Y」)、既に、変動表示装置35が客待ちデモ画面を表示する客待ちデモが開始されているか否かを判定する(A3511)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(A3511の結果が「N」)、タッチスイッチ120の検出があるか否か判定する(A3512)。タッチスイッチ120の検出がない場合に(A3512の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをオンに設定してセーブする(A3513)。続いて、遊技機1を客待ちデモ状態へ移行させる制御を開始可能とする客待ちデモ開始情報として、客待ちデモコマンドを準備し(A3514)、コマンド設定処理を実行して客待ちデモコマンドを送信する(A3515)。なお、このような特図普段処理を行う遊技用マイコン611と、コマンドを出力する出力部630は、客待ちデモ開始情報を送信可能な客待ちデモ情報送信手段を構成する。
このように、特図変動表示ゲームが実行中でなく、保留数が0であり、且つ、タッチスイッチ120の検出がないことが、客待ち状態(客待ちデモ状態)への移行条件であり、この移行条件(所定条件)が成立すると、移行処理(A3513−A3515)によって変動表示装置35における客待ちデモが開始される。なお、特図普段処理が行われている場合には、特図変動表示ゲームは実行中でない。
一方、遊技制御装置600は、既に客待ちデモが開始されている場合に(A3506の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置700に送信済みであるため、A3516以降の処理を実行する。また、タッチスイッチ120の検出がある場合に(A3512の結果が「Y」)、A3516以降の処理を実行する。
最後に、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(A3516)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に対応する処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理1〕
次に、前述した特図普段処理(図35)における特図普段処理移行設定処理1(A3516)の詳細について説明する。図36は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A3601)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A3602)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(A3603)。そして、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A3604)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A3605)、特図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理(図35)における特図1変動開始処理(A3509)の詳細について説明する。図37は、本発明の第1の実施の形態の特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置600は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(A3701)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(A3702)を行う。
次に、遊技制御装置600は、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(A3703)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(A3704)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3705)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(A3706)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(A3707)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図37)における大当りフラグ1設定処理(A3702)の詳細について説明する。図38は、本発明の第1の実施の形態の大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A3801)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードして準備する(A3802)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(A3803)を行う。
そして、遊技制御装置600は、大当り判定処理(A3803)の判定結果が大当りである場合(A3804の結果が「Y」)に、A3801にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3805)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3803)の判定結果が大当りでない場合(A3804の結果が「N」)に、大当りフラグ1にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図37)における特図1停止図柄設定処理(A3703)の詳細について説明する。図39は、本発明の第1の実施の形態の特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(A3901)、大当りである場合(A3901の結果が「Y」)は、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A3902)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定し(A3903)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄番号領域にセーブする(A3904)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、遊技制御装置600は、大当り停止図柄情報テーブルを設定し(A3905)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(A3906)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得して確率変動判定フラグ領域にセーブする(A3907)。確率変動判定フラグは特別遊技状態の終了後の確率状態を設定するためのものである。
さらに、遊技制御装置600は、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(A3908)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して大入賞口開放情報領域にセーブする(A3909)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A3912)。
一方、遊技制御装置600は、大当りでない場合(A3901の結果が「N」)に、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(A3910)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(A3911)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A3912)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、遊技制御装置600は、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(A3913)、コマンド設定処理(A3914)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置700に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブして(A3915)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(A3916)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図情報設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図37)における特図情報設定処理(A3704)の詳細について説明する。図40は、本発明の第1の実施の形態の特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図時短中(時短状態)であるかを判定する(A4001)。特図時短中でない場合(A4001の結果が「N」)は、通常時の変動パターン選択グループ情報テーブルを設定する(A4002)。また、特図時短中である場合(A4001の結果が「Y」)は、時短時の変動パターン選択グループ情報テーブルを設定する(A4003)。
そして、遊技制御装置600は、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数をロードし(A4004)、特図保留数に対応する変動パターン選択グループ情報を取得して変動振分情報1領域にセーブする(A4005)。これにより変動振分情報1領域には、変動を開始する特図の種別(特図1又は特図2)と、当該特図の種別についての始動記憶数に関する情報である保留数情報と、時短状態か否かの情報を含む遊技状態情報とから求められる変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は後に変動グループを選択するために用いられる。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次に、遊技制御装置600は、振分ベースポインタテーブルを設定し(A4006)、停止図柄パターンに対応する振分ベースポインタを取得する(A4007)。さらに、取得したポインタに演出モード番号を加算し(A4008)、加算後の値を変動振分情報2領域にセーブして(A4009)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄パターン情報と、演出モード情報とからとから求められる変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は後に変動グループを選択するために用いられる。なお、演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
〔変動パターン設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図37)における変動パターン設定処理(A3706)の詳細について説明する。図41は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
遊技制御装置600は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(A4101)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得して準備する(A4102)。そして、演出モード番号が2未満(0又は1の何れか)であるかを判定する(A4103)。演出モード番号が2未満でない場合(A4103の結果が「N」)は、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるかを判定し(A4104)、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合(A4104の結果が「N」)は、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(A4107)。
一方、演出モード番号が2未満である場合(A4103の結果が「Y」)や、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合(A4104の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、A4102で準備したテーブルから変動振分情報1に対応するテーブルのアドレスを取得する(A4105)。次に、取得したアドレスを後半変動グループのアドレスとして準備し(A4106)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(A4107)。
演出モード番号が2未満である場合や、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合に、遊技制御装置600は、始動記憶数に関する情報である保留数情報から求められた変動振分情報1も加味してアドレスを取得することで、始動記憶数によって変動パターンの選択態様が異なるようにされている。
その後、遊技制御装置600は、2バイト振分処理(A4108)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(A4109)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードして準備する(A4110)。そして、振り分け処理(A4111)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(A4112)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、遊技制御装置600は、前半変動グループテーブルを設定し(A4113)、変動振分情報1と2(決定された後半変動番号を含む)を基にテーブル選択ポインタを算出する(A4114)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(A4115)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から乱数をロードして準備する(A4116)。その後、振り分け処理(A4117)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(A4118)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、前述した変動パターン設定処理(図41)における2バイト振り分け処理(A4108)の詳細について説明する。図42は、本発明の第1の実施の形態の2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
遊技制御装置600は、まず、変動パターン設定処理にて準備した後半変動グループテーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるかをチェックする(A4201)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動パターングループと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動パターングループのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振分けの必要がないため、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4202の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4207)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4202の結果が「N」)に、後半変動グループテーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4203)。
続けて、遊技制御装置600は、A4107にてロードされた乱数値(変動パターン乱数1の値)からA4203にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4204)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4205)。新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4205の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4206)、処理をA4203に移行して、それ以降の処理を行う。即ち、A4203にて、変動グループ選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、A4205にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(A4204)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4205)。
上記の処理をA4205にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(A4205の結果が「Y」)と判定するまで実行する。これにより、後半変動グループテーブルに規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。そして、A4205にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(A4205の結果が「Y」)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4207)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
次に、前述した変動パターン設定処理(図41)における振り分け処理(A4111、A4117)の詳細について説明する。図43は、本発明の第1の実施の形態の振り分け処理の手順を示すフローチャートである。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
遊技制御装置600は、まず、準備された後半変動選択テーブル(選択テーブル)や前半変動選択テーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるか否かをチェックする(A4301)。ここで、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルは、後半変動グループテーブルと同様に、少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4302の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4307)、振り分け処理を終了する。一方、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4302の結果が「N」)に、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4303)。
続けて、遊技制御装置600は、A4110やA4116にてロードされた乱数値(変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からA4303にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出した後(A4304)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4305)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4305の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4306)、処理をA4303に移行して、それ以降の処理を行う。
即ち、遊技制御装置600は、A4303にて、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、A4305にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(A4304)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4305)。上記の処理をA4305にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(A4305の結果が「Y」)と判定するまで実行する。これにより、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに規定されている少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンの中から何れか一の後半変動番号や前半変動番号を選択する。そして、A4305にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(A4305の結果が「Y」)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4307)、振り分け処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図37)における変動開始情報設定処理(A3707)の詳細について説明する。図44は、本発明の第1の実施の形態の変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(A4401)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(A4402)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(A4403)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(A4404)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(A4405)。
そして、遊技制御装置600は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(A4406)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4407)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(A4408)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(A4409)、コマンド設定処理を行う(A4410)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新し(A4411)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定して(A4412)、乱数格納領域をシフトし(A4413)、シフト後の空き領域を0クリアする(A4414)。
その後、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームの結果を表示する停止時間の延長に関する処理として、まず、停止延長情報領域をクリアする(A4415)。そして、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであり(A4416の結果が「Y」)、演出モード番号が2であり(A4417の結果が「Y」)、当該演出モードでの残り回転数(ゲーム数)が1である場合(A4418の結果が「Y」)は、特図高確率(高確率状態)中であるかを判定する(A4419)。
特図高確率中でない場合(A4419の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、停止延長情報1を停止延長情報領域にセーブし(A4420)、停止延長情報に対応する停止情報コマンドを準備して(A4422)、コマンド設定処理(A4423)を行い、変動開始情報設定処理を終了する。これにより停止時間が通常特図表示時間(通常停止時間)よりも延長された特図延長表示時間1(第1延長停止時間)に設定される。また、特図高確率中である場合(A4419の結果が「Y」)に、停止延長情報2を停止延長情報領域にセーブし(A4421)、停止延長情報に対応する停止情報コマンドを準備して(A4422)、コマンド設定処理(A4423)を行い、変動開始情報設定処理を終了する。これにより停止時間が通常特図表示時間よりも延長された特図延長表示時間2(第2延長停止時間)に設定される。
一方、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合(A4416の結果が「N」)や、演出モード番号が2でない場合(A4417の結果が「N」)、演出モード2での残り回転数(ゲーム数)が1でない場合(A4418の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、変動開始情報設定処理を終了する。この場合は停止時間の延長が設定されず通常停止時間が設定される。このように特図変動表示ゲームの停止時間は、当該特図変動表示ゲームの結果や特定回転数であるか否か、演出モードの状態に基づき、当該特図変動表示ゲームの開始時に設定が行われるようになっている。これにより、例えば変動時間と停止時間とで連続する演出を設定することが可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置600が、始動記憶手段(遊技制御装置600)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置600が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置700に送信され、演出制御装置700では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置700に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置700での処理を効率よく進めることができる。
〔特図2変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理(図35)における特図2変動開始処理(A3504)の詳細について説明する。図45は、本発明の第1の実施の形態の特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図37に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置600は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(A4501)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(A4502)を行う。
次に、遊技制御装置600は、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(A4503)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(A4504、図40参照)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(A4505)。その後、第2特図変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理(A4506、図41参照)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(A4507、図44参照)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、前述した特図2変動開始処理(図45)における大当りフラグ2設定処理(A4502)の詳細について説明する。図46は、本発明の第1の実施の形態の大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図38に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置600は、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A4601)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードして準備する(A4602)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(A4603、図33参照)を行う。
そして、大当り判定処理(A4603)の判定結果が大当りである場合(A4604の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、A4601にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A4605)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A4603)の判定結果が大当りでない場合(A4604の結果が「N」)に、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、前述した特図2変動開始処理(図45)における特図2停止図柄設定処理(A4503)の詳細について説明する。図47は、本発明の第1の実施の形態の特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図39に示した特図1停止図柄設定処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置600は、まず、大当りフラグ2が大当りかを判定し(A4701)、大当りである場合(A4701の結果が「Y」)は、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4702)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定し(A4703)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄番号領域にセーブする(A4704)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、大当り停止図柄情報テーブルを設定し(A4705)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(A4706)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得して確率変動判定フラグ領域にセーブする(A4707)。確率変動判定フラグは特別遊技状態の終了後の確率状態を設定するためのものである。
さらに、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(A4708)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して大入賞口開放情報領域にセーブする(A4709)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4712)。
一方、大当りでない場合(A4701の結果が「N」)は、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(A4710)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(A4711)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4712)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(A4713)、コマンド設定処理(A4714)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置700に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブして(A4715)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(A4716)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置600が、第1始動入賞口37での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口38(普通変動入賞装置)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置600が、判定手段(遊技制御装置600)による判定結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図1)〕
次に、前述した特図普段処理(図35)における特図変動中処理移行設定処理(特図1)(A3510)の詳細について説明する。図48は、本発明の第1の実施の形態の特図変動中処理移行設定処理(特図1)の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、処理番号として「1」を設定し(A4801)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A4802)。そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A4803)、特図1の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A4804)。なお、タッチスイッチ120の検出があった場合には客待ちデモフラグ領域は既にクリアされている(A1504)。しかし、遊技店の店員が遊技球を直接第1始動入賞口37に入れて特図変動表示ゲームが開始させる場合などにも、客待ちデモフラグをクリアして、客待ち状態から復帰できるようにしておく。
その後、遊技制御装置600は、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(A4805)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば200ms)を設定して(A4806)、特図変動中処理移行設定処理(特図1)を終了する。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図2)〕
次に、前述した特図普段処理(図35)における特図変動中処理移行設定処理(特図2)(A3505)の詳細について説明する。図49は、本発明の第1の実施の形態の特図変動中処理移行設定処理(特図2)の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、処理番号として「1」を設定し(A4901)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A4902)。そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A4903)、特図2の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A4904)。なお、タッチスイッチ120の検出があった場合には客待ちデモフラグ領域は既にクリアされている(A1504)。しかし、遊技店の店員が遊技球を直接第2始動入賞口38に入れて特図変動表示ゲームが開始させる場合などにも、客待ちデモフラグをクリアして、客待ち状態から復帰できるようにしておく。
その後、遊技制御装置600は、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(A4905)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば200ms)を設定して(A4906)、特図変動中処理移行設定処理(特図2)を終了する。
〔特図変動中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図28)における特図変動中処理(A2810)の詳細について説明する。図50は、本発明の第1の実施の形態の特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、停止延長情報(停止延長情報1又は2)があるか否かを判定する(A5001)。停止延長情報がない場合には(A5001の結果が「N」)、通常特図表示時間(例えば600ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A5002)。そして、特図表示中処理移行設定処理を実行し(A5006)、特図表示中処理を終了する。
また、遊技制御装置600は、停止延長情報がある場合には(A5001の結果が「Y」)、停止延長情報1であるか否かを判定する(A5003)。停止延長情報1である場合には(A5003の結果が「Y」)、特図延長表示時間1(例えば3500ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A5004)。そして、特図表示中処理移行設定処理を実行し(A5006)、特図表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、停止延長情報1でない場合(A5003の結果が「N」)、すなわち停止延長情報2である場合には、特図延長表示時間2(例えば14300ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A5005)。そして、特図表示中処理移行設定処理を実行し(A5006)、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置600が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなしている。
〔特図表示中処理移行設定処理〕
次に、前述した特図変動中処理(図50)における特図表示中処理移行設定処理(A5006)の詳細について説明する。図51は、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図表示中処理に対応する処理番号「2」を設定し(A5101)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A5102)。
次に、遊技制御装置600は、特図1及び特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A5103、A5104)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に対応する図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256ms)をセーブする(A5105)。
その後、遊技制御装置600は、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブする(A5106)。さらに、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(A5107)、特図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図28)における特図表示中処理(A2811)の詳細について説明する。図52は、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(A5201)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(A5202)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(A5203)、大当りである(A5203の結果が「Y」)と判定すると、RWMの大当りフラグ1領域をクリアし(A5208)、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(A5209)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(A5210)。
一方、A5203にて、遊技制御装置600は、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(A5203の結果が「N」)と判定すると、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(A5204)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(A5205)。続けて、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(A5206)、大当りである(A5206の結果が「Y」)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(A5207)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(A5210)を行う。
遊技制御装置600は、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(A5210)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得してRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(A5211)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(A5212)。
次に、遊技制御装置600は、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(A5213)、コマンド設定処理(A5214)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(A5215)、コマンド設定処理(A5216)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(A5217)、コマンド設定処理(A5218)を行う。
次に、遊技制御装置600は、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(A5219)。その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば6000ms又は48ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A5220)。そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(A5221)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(A5222)。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲームモードフラグをロードし(A5223)、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域へセーブする(A5224)。これにより特別結果が発生した際における演出モードの情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(A5225)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、大当りフラグ1が大当りでない場合(A5206の結果が「N」)に、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(A5226)を行い、時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時間短縮変動回数更新処理(A5227)を行う。そして、特図普段処理移行設定処理1(A5228、図36参照)を行い、特図表示中処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、前述した特図表示中処理(図52)におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(A5225)の詳細について説明する。図53は、本発明の第1の実施の形態のファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(A5301)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A5302)。
次に、遊技制御装置600は、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A5303)、高確率状態と時短状態の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A5304)。その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(A5305)、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブして(A5306)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(A5307)。
そして、遊技制御装置600は、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(A5308)、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部59)を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(A5309)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(A5310)。次に、停電復旧時に演出制御装置700に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(A5311)、時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための時間短縮変動回数領域をクリアする(A5312)。これにより高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常動作状態となる。
その後、遊技制御装置600は、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(A5313)、演出残り回転数領域をクリアする(A5314)。そして、次モード移行情報領域に更新なしコードをセーブし(A5315)、演出モードコマンド領域に演出モード1のコマンドをセーブして(A5316)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。これにより、特別遊技状態の発生に伴い演出モードの情報が一旦クリアされることとなる。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、前述した特図表示中処理(図52)における演出モード情報チェック処理(A5226)の詳細について説明する。図54は、本発明の第1の実施の形態の演出モード情報チェック処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるかを判定する(A5401)。次モード移行情報が更新なしコードである場合(A5401の結果が「Y」)は、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば高確率状態において次回の大当りまで継続する演出モードが選択されている場合である。
また、遊技制御装置600は、次モード移行情報が更新なしコードでない場合(A5401の結果が「N」)に、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である演出残り回転数を−1更新し(A5402)、演出残り回転数が0となったかを判定する(A5403)。演出残り回転数が0となった場合(A5403の結果が「Y」)、すなわち次の特図変動表示ゲームから演出モードを変更する場合に、演出モード情報アドレステーブルを設定し(A5404)、次モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(A5405)。
そして、遊技制御装置600は、移行する演出モードの演出モード番号を取得して演出モード番号領域にセーブし(A5406)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得して演出残り回転数領域にセーブして(A5407)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得して次モード移行情報領域にセーブする(A5408)。その後、新たな演出モード番号に対応するコマンドを準備し(A5409)、コマンドを演出モードコマンド領域にセーブして(A5410)、コマンド設定処理(A5411)を行い、演出モード情報チェック処理を終了する。
一方、演出残り回転数が0でない場合(A5403の結果が「N」)、すなわち次の特図変動表示ゲームでも現在の演出モードが継続する場合に、遊技制御装置600は、演出残り回転数が規定回転数(例えば8回)であるかを判定する(A5412)。演出残り回転数が規定回転数でない場合(A5412の結果が「N」)に、演出モード情報チェック処理を終了する。また、演出残り回転数が規定回転数である場合(A5412の結果が「Y」)は、演出モード切替準備コマンドを準備し(A5413)、コマンド設定処理(A5414)を行い、演出モード情報チェック処理を終了する。これにより、演出モードの切替の規定回転数前から切替を予告する演出を行うことが可能となる。このように遊技制御装置600で演出モードを管理するようにしたことで、例えば特定の演出モードでのみ特定のリーチを発生させる等の制御が可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
次に、前述した特図表示中処理(図52)における時間短縮変動回数更新処理(A5227)の詳細について説明する。図55は、本発明の第1の実施の形態の時間短縮変動回数更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図高確率(高確率状態)中であるかを判定する(A5501)。特図高確率中である場合(A5501の結果が「Y」)は、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、特図高確率中でない場合(A5501の結果が「N」)は、特図時短(時短状態)中であるかを判定する(A5502)。
特図時短中でない場合(A5502の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、特図時短中である場合(A5502の結果が「Y」)に、時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時間短縮変動回数を−1更新し(A5503)、時間短縮変動回数が0となったかを判定する(A5504)。時間短縮変動回数が0でない場合(A5504の結果が「N」)、すなわち次の特図変動表示ゲームでも時短状態が継続する場合に、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、時間短縮変動回数が0である場合(A5504の結果が「Y」)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合は、確率情報コマンド(時短終了)を準備し(A5505)、コマンド設定処理(A5506)を行う。その後、特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)を行い(A5507)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)〕
次に、前述した時間短縮変動回数更新処理(図55)における特図普段処理移行設定処理2(A5507)の詳細について説明する。図56は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理移行設定処理2の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A5601)、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A5602)。
次に、遊技制御装置600は、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブし(A5603)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(A5604)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブし(A5605)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(A5606)、特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図28)におけるファンファーレ/インターバル中処理(A2812)の詳細について説明する。図57は、本発明の第1の実施の形態のファンファーレ/インターバル中処理の前半部のフローチャートである。図58は、本発明の第1の実施の形態のファンファーレ/インターバル中処理の後半部のフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(A5701)、大入賞口開放情報が上大入賞口(第2特別変動入賞装置42)開閉パターン1〜3であるかを判定する(A5702)。大入賞口開放情報が上大入賞口開閉パターン1〜3である場合(A5702の結果が「Y」)は、上大入賞口開閉パターン1〜3に対応する制御ポインタ(S(スタート値),E(エンド値))を設定し(A5709)、図58のA5720に移行する。この制御ポインタのスタート値とエンド値を設定することで、一のラウンドにおける大入賞口の開放や閉鎖及びその時間を大入賞口制御テーブルに基づき設定可能となる。なお、上大入賞口開閉パターン1〜3である場合は一のラウンドの実行時間が短いため、ラウンドごとではなく特別遊技状態の開始から終了まで一連の映像を表示するようになっており、ラウンド数に対応するラウンドコマンドは送信しない。また、大入賞口開放情報が上大入賞口開閉パターン1〜3でない場合(A5702の結果が「N」)は、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(A5703)、コマンド設定処理(A5704)を行う。
その後、遊技制御装置600は、開始されるラウンドが初回ラウンド(1R)であるかを判定し(A5705)、初回ラウンドである場合(A5705の結果が「Y」)は、大入賞口開放情報が下大入賞口(第1特別変動入賞装置41)開閉パターンであるかを判定する(A5706)。大入賞口開放情報が下大入賞口開閉パターンである場合(A5706の結果が「Y」)は、下大入賞口開閉パターンの初回ラウンド(1R)に対応する制御ポインタ(S,E)を設定し(A5710)、図58のA5720に移行する。また、大入賞口開放情報が下大入賞口開閉パターンでない場合(A5706の結果が「N」)は、大入賞口開放情報が上大入賞口開閉パターン4であるかを判定する(A5707)。
大入賞口開放情報が上大入賞口開閉パターン4である場合(A5707の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、上大入賞口開閉パターン4の初回ラウンド(1R)に対応する制御ポインタ(S,E)を設定し(A5708)、図58のA5720に移行する。また、大入賞口開放情報が上大入賞口開閉パターン4でない場合(A5707の結果が「N」)に、上大入賞口開閉パターン5の初回ラウンド(1R)に対応する制御ポインタ(S,E)を設定し(A5711)、図58のA5720に移行する。
一方、開始されるラウンドが初回ラウンド(1R)でない場合(A5705の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、開始されるラウンドが2〜11ラウンドであるかを判定し(A5712)、開始されるラウンドが2〜11ラウンドである場合(A5712の結果が「Y」)に、大入賞口開放情報が上大入賞口開閉パターンであるかを判定する(A5713)。そして、大入賞口開放情報が上大入賞口開閉パターンでない場合(A5713の結果が「N」)に、下大入賞口開閉パターンの2〜11ラウンドに対応する制御ポインタ(S,E)を設定し(A5714)、図58のA5720に移行する。また、大入賞口開放情報が上大入賞口開閉パターンである場合(A5713の結果が「Y」)に、上大入賞口開閉パターンの2ラウンド以降に対応する制御ポインタ(S,E)を設定し(A5715)、図58のA5720に移行する。
また、開始されるラウンドが2〜11ラウンドでない場合(A5712の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、大入賞口開放情報が上大入賞口開閉パターンであるかを判定する(A5716)。そして、大入賞口開放情報が上大入賞口開閉パターンである場合(A5716の結果が「Y」)に、上大入賞口開閉パターンの2ラウンド以降に対応する制御ポインタ(S,E)を設定し(A5715)、図58のA5720に移行する。また、大入賞口開放情報が上大入賞口開閉パターンでない場合(A5716の結果が「N」)に、大入賞口開放情報が下大入賞口開閉パターン2であるかを判定する(A5717)。
大入賞口開放情報が下大入賞口開閉パターン2である場合(A5717の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、下大入賞口開閉パターン2の12ラウンド以降に対応する制御ポインタ(S,E)を設定し(A5718)、図58のA5720に移行する。また、大入賞口開放情報が下大入賞口開閉パターン2でない場合(A5717の結果が「N」)に、下大入賞口開閉パターン3の12ラウンド以降に対応する制御ポインタ(S,E)を設定し(A5719)、図58のA5720に移行する。
図58のA5720では、遊技制御装置600は、設定した制御ポインタのスタート値(S)を大当り中制御ポインタ領域にセーブし(A5720)、設定した制御ポインタのエンド値(E)を大当り中制御ポインタ上限値領域にセーブする(A5721)。そして、ソレノイド情報設定処理(A5722)を行い、大入賞口開放情報が下大入賞口開閉パターンであるかを判定する(A5723)。
大入賞口開放情報が下大入賞口開閉パターンである場合(A5723の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、大入賞口開放中処理移行設定処理1を行い(A5724)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。また、大入賞口開放情報が下大入賞口開閉パターンでない場合(A5723の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、大入賞口開放中処理移行設定処理2を行い(A5725)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
〔ソレノイド情報設定処理〕
次に、前述したファンファーレ/インターバル中処理(図57、図58)におけるソレノイド情報設定処理(A5722)の詳細について説明する。図59は、本発明の第1の実施の形態のソレノイド情報設定処理のフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、大入賞口制御アドレステーブルを設定し(A5901)、大当り中制御ポインタに対応する大入賞口制御テーブルのアドレスを取得する(A5902)。その後、出力データを取得し、大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブして(A5903)、開閉時間値を取得して特図ゲーム処理タイマ領域セーブし(A5904)、ソレノイド情報設定処理を終了する。この処理により、大入賞口の開放や閉鎖及びその時間が設定されることとなる。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理1〕
次に、前述したファンファーレ/インターバル中処理(図57、図58)における大入賞口開放中処理移行設定処理1(A5724)の詳細について説明する。図60は、本発明の第1の実施の形態の大入賞口開放中処理移行設定処理1のフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(A6001)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A6002)。その後、下大入賞口の開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A6003)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(A6004)。そして、大入賞口判別フラグ領域に下大入賞口制御中フラグをセーブして(A6005)、大入賞口開放中処理移行設定処理1を終了する。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理2〕
次に、前述したファンファーレ/インターバル中処理(図57、図58)における大入賞口開放中処理移行設定処理2(A5725)の詳細について説明する。図61は、本発明の第1の実施の形態の大入賞口開放中処理移行設定処理2のフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(A6101)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A6102)。その後、上大入賞口の開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A6103)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(A6104)。そして、大入賞口判別フラグ領域に上大入賞口制御中フラグをセーブして(A6105)、大入賞口開放中処理移行設定処理2を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図28)における大入賞口開放中処理(A2813)の詳細について説明する。図62は、本発明の第1の実施の形態の大入賞口開放中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、大当り中制御ポインタを+1更新し(A6201)、制御ポインタの値が制御ポインタ上限値領域の値に達したかを判定する(A6202)。
制御ポインタの値が制御ポインタ上限値領域の値に達していない場合(A6202の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、ソレノイド情報設定処理(A6209、図59参照)を行う。これにより、更新された制御ポインタに応じた大入賞口の開閉態様が設定されることとなる。そして、大入賞口開放中処理移行設定処理3を行って(A6210)、大入賞口開放中処理を終了する。
制御ポインタの値が制御ポインタ上限値領域の値に達した場合(A6202の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、大入賞口開放情報が上大入賞口短開放パターン(上大入賞口開放パターン1〜3)であるかを判定する(A6203)。大入賞口開放情報が上大入賞口短開放パターンである場合(A6203の結果が「Y」)に、大入賞口残存球処理移行設定処理(A6208)を行い、大入賞口開放中処理を終了する。この場合は、特別遊技状態の開始から終了まで一連の映像を表示するようになっており、インターバルコマンドやエンディングコマンドは送信しないようになっている。
また、大入賞口開放情報が上大入賞口短開放パターンでない場合(A6203の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(A6204)。そして、最終ラウンドでない場合(A6204の結果が「N」)に、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備し(A6205)、コマンド設定処理(A6207)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(A6208)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。また、最終ラウンドである場合(A6204の結果が「Y」)に、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備し(A6206)、コマンド設定処理(A6207)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(A6208)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理移行設定処理〕
次に、前述した大入賞口開放中処理(図62)における大入賞口残存球処理移行設定処理(A6208)の詳細について説明する。図63は、本発明の第1の実施の形態の大入賞口残存球処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、処理番号を大入賞口残存球処理にかかる「5」に設定し(A6301)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A6302)。その後、残存球処理に要する時間である大入賞口残存球処理時間(例えば1380ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A6303)。そして、第1特別変動入賞装置41の開閉扉41a又は第2特別変動入賞装置42の可動部材42aを閉鎖するために、大入賞口ソレノイド28a又は28bをオフさせるためのオフデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブして(A6304)、大入賞口残存球処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理3〕
次に、前述した大入賞口開放中処理(図62)における大入賞口開放中処理移行設定処理3(A6210)の詳細について説明する。図64は、本発明の第1の実施の形態の大入賞口開放中処理移行設定処理3の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(A6401)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブして(A6402)、大入賞口開放中処理移行設定処理3を終了する。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図28)における大入賞口残存球処理(A2814)の詳細について説明する。図65は、本発明の第1の実施の形態の大入賞口残存球処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(A6501)。
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(A6501の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、今回のラウンド数と大入賞口開放情報に対応するインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A6502)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(A6503)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。なおインターバル時間は、今回のラウンド数と大入賞口開放情報に対応する時間(例えば、上大入賞口開閉パターン1〜3であれば68ms)が設定される。ラウンドとラウンドの間のインターバル期間は、ラウンドの終了から大入賞口残存球処理時間(例えば1380ms)が経過し、さらに該大入賞口残存球処理時間の経過からインターバル時間が経過するまでの期間とされ、例えば、上大入賞口開閉パターン1〜3であれば1448msとなる。
特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(A6501の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、特別結果が導出された際の演出モードを記憶する特図ゲームモードフラグ退避領域からゲームモードフラグをロードする(A6504)。そして、ロードしたフラグと大入賞口開放情報に対応するエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A6505)、大当り終了処理移行設定処理(A6506)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
最終ラウンドの終了から特別遊技状態の終了までのエンディング期間は、最終ラウンドの終了から大入賞口残存球処理時間(例えば1380ms)が経過し、さらに該大入賞口残存球処理時間の経過からエンディング時間が経過するまでの期間とされる。例えば、特別結果が2R確変であって当該特別結果の導出時に時短状態でない場合、すなわち特別結果の導出時に時短状態以外で選択される演出モードであった場合に選択される上大入賞口開閉パターン1であればエンディング時間が21020msとされる。よってエンディング期間の長さは、このエンディング時間の前に大入賞口残存球処理時間として費やされる1380msと合わせて22400msとされ、このエンディング期間において、表示装置41等でエンディング演出が実行される。また、特別結果が2R確変であって当該特別結果の導出時に時短状態である場合、すなわち特別結果の導出時に時短状態で選択される演出モードであった場合に選択される上大入賞口開閉パターン2であればエンディング時間が20msとされる。よってエンディング期間の長さは、このエンディング時間の前に大入賞口残存球処理時間として費やされる1380msと合わせて1400msとされる。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2〕
次に、前述した大入賞口残存球処理(図65)におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(A6503)の詳細について説明する。図66は、本発明の第1の実施の形態のファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(A6601)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A6602)。
次に、遊技制御装置600は、下大入賞口(第1特別変動入賞装置41)の開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A6603)、上大入賞口(第2特別変動入賞装置42)の開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A6604)。そして、大入賞口判別フラグ領域をクリアして(A6605)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2を終了する。
〔大当り終了処理移行設定処理〕
次に、前述した大入賞口残存球処理(図65)における大当り終了処理移行設定処理(A6506)の詳細について説明する。図67は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、大当り終了処理に係る処理番号として「6」を設定し(A6701)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A6702)。その後、下大入賞口(第1特別変動入賞装置41)の開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A6703)、上大入賞口(第2特別変動入賞装置42)の開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A6704)。
次に、遊技制御装置600は、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(A6705)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアして(A6706)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアする(A6707)。そして、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情報をクリアし(A6708)、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報領域の情報をクリアして(A6709)、大入賞口の開閉態様を設定するための大当り中制御ポインタ領域の情報をクリアする(A6710)。その後、大当り中制御ポインタのエンド値を記憶する大当り中制御ポインタ上限値領域をクリアして(A6711)、大入賞口判別フラグ領域をクリアし(A6712)、大当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図28)における大当り終了処理(A2815)の詳細について説明する。図68は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果の種類に基づき設定される確率変動判定フラグが、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合に設定される高確率データかを判定する(A6801)。高確率データでない場合(A6801の結果が「N」)は、大当り終了設定処理1を行い(A6802)、高確率データである場合(A6801の結果が「Y」)は、大当り終了設定処理2を行って(A6803)、特図ゲームモードフラグに対応する確率情報コマンドを準備し(A6804)、コマンド設定処理(A6805)を行う。
次に、遊技制御装置600は、遊技制御装置600での演出モードの管理に必要な情報をセーブする処理として、まず、停止図柄パターンに対応する演出モード情報設定テーブルを設定する(A6806)。そして、設定された演出モード情報設定テーブルを参照して、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号を取得して演出モード番号領域にセーブする(A6807)。さらに、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を取得して演出残り回転数領域にセーブし(A6808)、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得して次モード移行情報領域にセーブする(A6809)。
その後、遊技制御装置600は、新たな演出モード番号に対応するコマンドを準備し(A6810)、コマンドを演出モードコマンド領域にセーブして(A6811)、コマンド設定処理(A6812)を行う。そして、特図普段処理移行設定処理3を行い(A6813)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、前述した大当り終了処理(図68)における大当り終了設定処理1(A6802)の詳細について説明する。図69は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A6901)、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A6902)。
次に、遊技制御装置600は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブし(A6903)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短フラグをセーブする(A6904)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブし(A6905)、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値(例えば70)をセーブして(A6906)、大当り終了設定処理1を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態となるとともに時短状態となる。また、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(例えば70)をセットすることで、所定回数(例えば70回)の特図変動表示ゲームの実行により時短状態が終了するようになる。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、前述した大当り終了処理(図68)における大当り終了設定処理2(A6803)の詳細について説明する。図70は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A7001)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A7002)。
次に、遊技制御装置600は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブし(A7003)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短フラグをセーブする(A7004)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし(A7005)、時間短縮変動回数領域をクリアして(A7006)、大当り終了設定処理2を終了する。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるとともに次回の特別結果態様の導出まで時短状態となる。
すなわち、遊技制御装置600が、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間にわたり、普通変動入賞装置38を開状態とする期間を延長する特定遊技状態(時短状態)を発生可能な特定遊技状態発生制御手段をなす。
〔特図普段処理移行設定処理3〕
次に、前述した大当り終了処理(図68)における特図普段処理移行設定処理3(A6813)の詳細について説明する。図71は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理移行設定処理3の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(A7101)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A7102)。その後、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A7103)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A7104)。続いて、確率変動判定フラグ領域の情報をクリアし(A7105)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(A7106)、遊技状態表示番号領域に時短中の番号をセーブする(A7107)。そして、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A7108)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A7109)、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
〔セグメントLED編集処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理(図14)におけるセグメントLED編集処理(A1411)の詳細について説明する。図72は、本発明の第1の実施の形態のセグメントLED編集処理の手順を示すフローチャートである。セグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられた特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56、第1遊技状態表示部57、第2遊技状態表示部58、第3遊技状態表示部59、ラウンド表示部60を構成するセグメントLEDの駆動に関する設定等を行う。
遊技制御装置600は、まず、普図保留表示部56での表示態様が規定された普図保留数テーブルを設定し(A7201)、普図保留数に対応する表示データを取得して普図保留表示部56のセグメント領域にセーブする(A7202)。次に、特図1保留表示部54での表示態様が規定された特図1保留数テーブルを設定し(A7203)、特図1保留数に対応する表示データを取得して特図1保留表示部54のセグメント領域にセーブする(A7204)。
その後、遊技制御装置600は、特図2保留表示部55での表示態様が規定された特図2保留数テーブルを設定し(A7205)、特図2保留数に対応する表示データを取得して特図2保留表示部55のセグメント領域にセーブする(A7206)。さらに、ラウンド表示部での表示態様が規定されたラウンド表示LED表示テーブルを設定し(A7207)、ラウンド表示LED出力ポインタに対応する表示データを取得してラウンド表示部60のセグメント領域にセーブする(A7208)。
次に、遊技制御装置600は、第1遊技状態表示部57及び第2遊技状態表示部58での表示態様が規定された遊技状態表示テーブルを設定し(A7209)、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得して各遊技状態表示部のセグメント領域にセーブする(A7210)。その後、停電復旧時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることの報知に係る高確率報知フラグがオンであるかを判定する(A7211)。そして、高確率報知フラグがオンである場合(A7211の結果が「Y」)、すなわち高確率状態の報知を行っている状態である場合は、セグメントLED編集処理を終了する。また、高確率報知フラグがオンでない場合(A7211の結果が「N」)は、高確率報知LEDのオフデータを第3遊技状態表示部59のセグメント領域にセーブして(A7212)、セグメントLED編集処理を終了する。
〔磁石不正監視処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理(図14)における磁石不正監視処理(A1412)の詳細について説明する。図73は、本発明の第1の実施の形態の磁石不正監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、磁気センサ23から出力されて第3入力ポート622a(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、磁気センサ23(磁気センサスイッチ)がオン、すなわち異常な磁気を検出した状態であるかを判定する(A7301)。磁石センサがオンである場合(A7301の結果が「Y」)、すなわち異常な磁気を検出した場合は、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを+1更新して(A7302)、当該タイマがタイムアップしたかを判定する(A7303)。
磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(A7303の結果が「Y」)、すなわち異常な磁気を一定期間継続して検出した場合に、遊技制御装置600は、磁石不正監視タイマをクリアし(A7304)、磁石不正報知タイマ初期値を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(A7305)。そして、磁石不正報知のコマンドを準備し(A7306)、磁石不正フラグとして磁石不正発生フラグを準備して(A7307)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(A7313)。すなわち、磁気センサ23が一定期間(例えば8回の割込み)連続してオンであった場合に異常が発生していると判定するようにしている。
一方、磁石センサ23(磁気センサスイッチ)がオンでない場合(A7301の結果が「N」)、すなわち異常な磁気を検出していない場合に、遊技制御装置600は、磁石不正監視タイマをクリアし(A7308)、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが0でなければ−1更新する(A7309)。なお、磁石不正報知タイマの最小値は0に設定されている。そして、磁石不正報知タイマの値が0であるかを判定する(A7310)。なお、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合(A7303の結果が「N」)もA7309の処理に移行する。
そして、磁石不正報知タイマの値が0でない場合(A7310の結果が「N」)、すなわちタイムアップしていない場合に、遊技制御装置600は、磁石不正監視処理を終了する。また、磁石不正報知タイマの値が0である場合(A7310の結果が「Y」)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合に、磁石不正報知終了のコマンドを準備する(A7311)。さらに、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを準備して(A7312)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(A7313)。
そして、遊技制御装置600は、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致する場合(A7313の結果が「Y」)は、磁石不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合(A7313の結果が「N」)は、準備した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(A7314)、コマンド設定処理を行い(A7315)、磁石不正監視処理を終了する。
〔電波不正監視処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理(図14)における電波不正監視処理(A1413)の詳細について説明する。図74は、本発明の第1の実施の形態の電波不正監視処理の手順を示すフローチャートである。電波不正監視処理では、電波センサ24からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
遊技制御装置600は、まず、電波センサ24から出力されて近接I/F621aを経由して第3入力ポート622a(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、電波センサ24がオン、すなわち異常な電波を検出した状態であるかを判定する(A7401)。電波センサがオンである場合(A7401の結果が「Y」)、すなわち異常な電波を検出した場合は、電波不正報知タイマ初期値を電波不正報知タイマ領域にセーブする(A7402)。
そして、遊技制御装置600は、電波不正報知のコマンドを準備し(A7403)、電波不正フラグとして電波不正発生フラグを準備して(A7404)、準備した電波不正フラグが電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(A7409)。すなわち、電波不正の場合は磁気不正の場合と違い、異常な電波を検出した時点で異常が発生していると判定するようにしている。
一方、電波センサがオンでない場合(A7401の結果が「N」)、すなわち異常な電波を検出していない場合に、遊技制御装置600は、電波不正の報知時間を規定する電波不正報知タイマが0でなければ−1更新する(A7405)。なお、電波不正報知タイマの最小値は0に設定されている。そして、電波不正報知タイマの値が0であるかを判定する(A7406)。
電波不正報知タイマの値が0でない場合(A7406の結果が「N」)、すなわちタイムアップしていない場合に、遊技制御装置600は、電波不正監視処理を終了する。また、電波不正報知タイマの値が0である場合(A7406の結果が「Y」)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合に、電波不正報知終了のコマンドを準備し(A7407)、電波不正フラグとして電波不正解除フラグを準備して(A7408)、準備した電波不正フラグが電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(A7409)。
そして、遊技制御装置600は、準備した電波不正フラグが電波不正フラグ領域の値と一致する場合(A7409の結果が「Y」)に、電波不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合(A7409の結果が「N」)に、準備した電波不正フラグを電波不正フラグ領域にセーブし(A7410)、コマンド設定処理を行い(A7411)、電波不正監視処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理(図14)における外部情報編集処理(A1414)の詳細について説明する。図75は、本発明の第1の実施の形態の外部情報編集処理の手順を示すフローチャートである。
外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(A1404)、入賞口スイッチ/エラー監視処理(A1407)、磁石不正監視処理(A1412)及び電波不正監視処理(A1413)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
遊技制御装置600は、まず、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理(A7501)を行い、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理(A7502)を行う。次に、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが0でなければ−1更新する(A7503)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、図柄確定回数制御タイマの値が0であるかを判定する(A7504)。
図柄確定回数制御タイマの値が0である場合(A7504の結果が「Y」)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合に、遊技制御装置600は、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(A7505)。また、図柄確定回数制御タイマの値が0でない場合(A7504の結果が「N」)、すなわちタイムアップしていない場合に、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブする(A7506)。その後、エラー状態やセキュリティ状態に応じて情報を設定する処理を行う。
遊技制御装置600は、エラー状態やセキュリティ状態に応じて情報を設定する処理では、まず、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化が行われた時から所定時間(例えば256ms)を計時するセキュリティ信号制御タイマが0でなければ−1更新する(A7507)。なお、セキュリティ信号制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が0であるかを判定する(A7508)。
セキュリティ信号制御タイマの値が0でない場合(A7508の結果が「N」)、すなわちタイムアップしていない場合に、遊技制御装置600は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A7518)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(A7519)、外部情報編集処理を終了する。すなわち、RAMに記憶されたデータの初期化が行われたことが外部情報として出力される。
また、セキュリティ信号制御タイマの値が0である場合(A7508の結果が「Y」)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合に、ガラス枠開放エラーの発生中(A7509の結果が「Y」)、前面枠開放エラーの発生中(A7510の結果が「Y」)、下大入賞口不正発生中(A7511の結果が「Y」)、上大入賞口不正発生中(A7512の結果が「Y」)、普電不正発生中(A7513の結果が「Y」)、磁石不正発生中(A7514の結果が「Y」)又は電波不正発生中(A7515の結果が「Y」)である場合にセキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A7518)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(A7519)、外部情報編集処理を終了する。すなわち、エラーの発生が外部情報として出力される。
一方、セキュリティ信号制御タイマの値が0である場合(A7508の結果が「Y」)であって、何れのエラーも発生していない場合(A7509からA7515の結果が「N」)に、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A7516)、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブして(A7517)、外部情報編集処理を終了する。
〔メイン賞球信号編集処理〕
次に、前述した外部情報編集処理(図75)におけるメイン賞球信号編集処理(A7501)の詳細について説明する。図76は、本発明の第1の実施の形態のメイン賞球信号編集処理の手順を示すフローチャートである。メイン賞球信号編集処理は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に生成されるメイン賞球信号を外部装置へ出力する処理である。
遊技制御装置600は、まず、メイン賞球信号出力制御タイマが0でなければ−1更新する(A7601)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、メイン賞球信号出力制御タイマの値が0であるかを判定する(A7602)。メイン賞球信号出力制御タイマの値が0である場合(A7602の結果が「Y」)は、メイン賞球信号出力回数が0であるかを判定する(A7603)。
そして、メイン賞球信号出力回数が0でない場合(A7603の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、メイン賞球信号出力回数を−1更新し(A7604)、メイン賞球信号出力制御タイマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値をセーブする(A7605)。このメイン賞球信号出力制御タイマ初期値は、メイン賞球信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば、128ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば、64ms)を加算した時間(例えば、192ms)となっている。その後、メイン賞球信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(A7607)、メイン賞球信号編集処理を終了する。また、メイン賞球信号出力回数が0である場合(A7603の結果が「Y」)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(A7608)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
一方、メイン賞球信号出力制御タイマの値が0でない場合(A7602の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(A7606)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、メイン賞球信号出力制御タイマの値が所定時間(例えば64ms)以上であることである。メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(A7606の結果が「Y」)に、処理をA7607に移行する。また、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(A7606の結果が「N」)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(A7608)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
〔始動口信号編集処理〕
次に、前述した外部情報編集処理(図75)における始動口信号編集処理(A7502)の詳細について説明する。図77は、本発明の第1の実施の形態の始動口信号編集処理の手順を示すフローチャートである。始動口信号編集処理は、第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602の入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置600は、まず、始動口信号出力制御タイマが0でなければ−1更新する(A7701)。なお、始動口信号出力制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、始動口信号出力制御タイマの値が0であるかを判定する(A7702)。始動口信号出力制御タイマの値が0である場合(A7702の結果が「Y」)に、始動口信号出力回数が0であるかを判定する(A7703)。
そして、始動口信号出力回数が0でない場合(A7703の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、始動口信号出力回数を−1更新し(A7704)、始動口信号出力制御タイマ領域に始動口信号出力制御タイマ初期値をセーブする(A7705)。この始動口信号出力制御タイマ初期値は、始動口信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば、128ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば、64ms)を加算した時間(例えば、192ms)となっている。その後、始動口信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(A7707)、始動口信号編集処理を終了する。また、始動口信号出力回数が0である場合(A7703の結果が「Y」)に、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(A7708)、始動口信号編集処理を終了する。
一方、始動口信号出力制御タイマの値が0でない場合(A7702の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(A7706)。なお、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、始動口信号出力制御タイマの値が所定時間(例えば64ms)以上であることである。始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(A7706の結果が「Y」)に、処理をA7707に移行する。また、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(A7706の結果が「N」)に、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(A7708)、始動口信号編集処理を終了する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図78は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行されるメイン処理(1stメイン処理)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。なお、演出制御装置700が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B1001)。次に作業領域であるRAM711を0クリアし(B1002)、CPU初期化処理を実行する(B1003)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定し(B1004)、乱数初期化処理を実行する(B1005)。
続いて、主制御用マイコン710は、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させ(B1006)、割込みを許可する(B1007)。割込みが許可されると、遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
主制御用マイコン710は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B1008)。WDTは、上述したCPU初期化処理(B1003)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
次に、主制御用マイコン710は、遊技者による演出ボタン17の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を実行したりする(B1009)。さらに、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(B1010)。
次に、主制御用マイコン710は、テストモード処理を実行する(B1011)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査する場合に実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、遊技制御コマンド解析処理(B1010)において解析された制御コマンドに基づき、変動表示装置35に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(B1012)。1stシーン制御処理では、画面の表示内容を統括的に制御する。そして、大当りの期待度の高い変動表示ゲームが実行されることなどを事前に報知する先読み予告制御処理も含まれる。1stシーン制御処理については、図79にて後述する。
さらに、主制御用マイコン710は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(B1013)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
そして、主制御用マイコン710は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンド(演出コマンド等)を編集する演出コマンド編集処理を実行する(B1014)。
また、主制御用マイコン710は、スピーカ10から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B1015)。また、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置760、枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行し(B1016)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明9などの演出装置(盤演出装置770、枠演出装置22)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(B1017)。
最後に、主制御用マイコン710は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(B1018)、B1008の処理に戻る。以降、B1008からB1018までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理〕
次に、前述した1stメイン処理(図78)における1stシーン制御処理(B1012)の詳細について説明する。図79は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(B1101)。テスト中モードの場合には(B1101の結果が「Y」)、実際に演出制御を行う必要がないため、1stシーン制御処理を終了する。
主制御用マイコン710は、遊技機1がテスト中モードでない場合には(B1101の結果が「N」)、遊技制御装置600から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(B1102)。シーン変更コマンドを受信していない場合には(B1102の結果が「N」)、B1107以降の処理を実行する。シーン変更コマンドとは、後述のB1108からB1116の処理に対応するコマンドであり、例えば、「電源投入コマンド」「停電復旧コマンド」などである。
主制御用マイコン710は、シーン変更コマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、更新する(現在の)遊技状態を取得する(B1103)。さらに、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(B1104)。具体的には、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否かなどを判定する。主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信していない場合には(B1104の結果が「N」)、B1107以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信した場合には(B1104の結果が「Y」)、受信したコマンドをメモリ(RAM)の所定の領域にセーブする(B1105)。さらに、演出リクエストフラグをセットする(B1106)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、後述する変動中処理(B1111)で、演出リクエストフラグが設定されているか否かに応じた処理が実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、受信したシーン変更コマンドの識別子に応じた処理を実行する(B1107)。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「電源投入コマンド」を示す場合には、電源投入処理を実行する(B1108)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「停電復旧コマンド」を示す場合には、停電復旧処理を実行する(B1109)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電前に客待ち処理が実行されていた場合には特別な処理を実行しない。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「客待ちデモコマンド」を示す場合には、客待ち処理を実行する(B1110)。客待ち処理では、客待ちデモコマンド(A3514)を受信してから所定時間T経過した場合に客待ち用画面を表示する制御を行う。なお、客待ちデモコマンドは、特図普段処理(図35)で準備、設定される(A3514)。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「変動パターンコマンド」を示す場合には、変動中処理を実行する(B1111)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。変動中処理の詳細については、図21にて後述する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「図柄停止コマンド」を示す場合には、図柄停止処理を実行する(B1112)。図柄停止処理では、図柄の変動表示を指定された図柄で停止させる。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「ファンファーレコマンド」を示す場合には、ファンファーレ処理を実行する(B1113)。ファンファーレ処理では、発生した大当りに対応するファンファーレを出力する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「大入開放n回目コマンド」を示す場合には、ラウンド中処理を実行する(B1114)。ラウンド中処理では、特別遊技状態における各ラウンド中の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「インターバルコマンド」を示す場合には、インターバル処理を実行する(B1115)。インターバル処理では、特別遊技状態における各ラウンド間の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「エンディングコマンド」を示す場合には、エンディング処理を実行する(B1116)。エンディング処理では、特別遊技状態が終了した際の演出制御を行う。
続いて、主制御用マイコン710は、各コマンドに基づく処理の実行が完了すると、図柄コマンドを受信する図柄コマンド受信処理を実行する(B1117)。図柄コマンドには、停止図柄を指定する情報が含まれる。
さらに、主制御用マイコン710は、飾り特図保留数コマンドを受信する保留数コマンド受信処理を実行する(B1118)。飾り特図保留数コマンド(特図保留数コマンド)は、更新された保留数を通知するコマンドである。保留数コマンド受信処理では、受信した保留数に基づいて、保留表示などを更新する。
次に、主制御用マイコン710は、先読みコマンド受信処理を実行する(B1119)。先読みコマンド受信処理は、先読みコマンド(事前判定コマンドとも呼ばれる)に基づいて、保留表示演出等の先読み演出を設定する処理である。先読みコマンド受信処理において、主制御用マイコン710は、先読みコマンド(事前判定コマンド)として、先読み図柄コマンド(事前演出図柄コマンド)と先読み変動パターンコマンド(事前演出コマンド)を受信し、受信した事前判定コマンドの内容を先読み情報として対応する始動記憶領域(RAM711の一部)にセーブする。主制御用マイコン710は、先読み情報として、先読み図柄コマンドから当該始動記憶の図柄情報を取得し、先読み変動パターンコマンドから当該始動記憶のリーチ系統情報を取得する。主制御用マイコン710は、図柄情報から当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果がはずれであるか大当りであるかを判定し、さらに、先読み情報(はずれ/大当りの判定結果の情報とリーチ系統情報)に基づいて、先読み演出に関する演出情報を始動記憶領域に設定する。ここで、先読み演出は、先読み情報に基づく演出であり、先読み予告演出(連続予告演出、保留表示演出を含む)やその他の演出である。
次に、主制御用マイコン710は、確率情報コマンド受信処理を実行する(B1120)。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて、内部確率等の遊技状態を設定する処理である。確率情報コマンドには、例えば、高確/時短コマンド、低確/時短コマンド、低確/サポなしコマンドなどが含まれる。
〔コマンド受信割込み処理〕
次に、コマンド受信割込み処理について、図80に示すフローチャートを用いて説明する。
主制御用マイコン710は、まず、遊技制御装置600から送信されたコマンドのポートの値を取り込む処理を行う(B1201)。そして、MODEコマンドの待機中であるか否かの判定を行う(B1202)。ここで、MODEコマンドの待機中である場合(B1202の結果が「Y」)に、さらにデータストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定し(B1203)、データストローブ信号SSTBがONの状態である場合(B1203の結果が「Y」)に、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定(B1204)する。
受信したコマンドがMODEコマンドである場合(B1204の結果が「Y」)に、主制御用マイコン710は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理を行い(B1205)、算出後のアドレスに当該コマンドをMODEコマンドとしてセーブする処理を行う(B1206)。続いて、タイムアウト監視タイマに初期値を設定し、当該タイマをスタートさせる処理(B1207)を行った後、ACTIONコマンド待ち状態に設定する処理を行い(B1208)、コマンド受信割込み処理を終了する。
データストローブ信号SSTBがONの状態でないと判定した場合(B1203の結果が「N」)、又は、受信したコマンドがMODEコマンドでないと判定した場合(B1204の結果が「N」)に、主制御用マイコン710は、タイムアウト監視タイマを停止する処理を行い(B1217)、MODEコマンド待ち状態に設定する処理を行い(B1218)、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、MODEコマンド待機中でない場合、即ち、ACTIONコマンド待機中の場合(B1202の結果が「N」)に、主制御用マイコン710は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトとなったか否かを判定する(B1209)。ここで、タイムアウトとなっていない場合(B1209の結果が「N」)に、データストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定し(B1210)、データストローブ信号SSTBがONの状態であると判定した場合(B1210の結果が「Y」)に、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定する(B1211)。
そして、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(B1211の結果が「N」)に、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理を行い(B1212)、算出後のアドレスに当該コマンドをACTIONコマンドとしてセーブする処理を行う(B1213)。続いて、受信済みコマンド数の値を+1更新する処理(B1214)を行った後、タイムアウト監視タイマを停止する処理(B1217)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(B1218)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、タイムアウトとなった場合(B1209の結果が「Y」)、又は、データストローブ信号SSTBがONの状態でない場合(B1210の結果が「N」)に、主制御用マイコン710は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理を行い(B1215)、算出されたアドレスのコマンドバッファにセーブされているMODEコマンドを破棄する処理を行う(B1216)。それから、タイムアウト監視タイマを停止する処理を行い(B1217)、MODEコマンド待ち状態に設定する処理を行い(B1218)、コマンド受信割込み処理を終了する。また、受信したコマンドがMODEコマンドである(B1211の結果が「Y」)と判定した場合は、B1205へ移行し、それ以降の処理を行う。
〔2ndメイン処理(演出制御装置)〕
続いて、演出制御装置700によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図81は、本発明の実施の形態の演出制御装置700の映像制御用マイコン(2ndCPU)720によって実行されるメイン処理(2ndメイン処理)の手順を示すフローチャートである。2ndCPUメイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、まず、CPU初期化処理を実行する(B1301)。そして、作業領域であるRAM721を0クリアして(B1302)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM721に設定する(B1303)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(B1304)。次に、Vブランク割込みなどの各種割込みを許可する(B1305)。
さらに、映像制御用マイコン720は、各種制御処理の初期化処理を実行する(B1306)。各種制御処理の初期化処理では、後述する各制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、変動表示装置35に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、変動表示装置35の画面描画を許可する(B1307)。
次に、映像制御用マイコン720は、後述するVブランク割込み処理にてセットされるシステム周期待ちフラグをクリアする処理(B1308)を行う。ここで、システム周期待ちフラグが「1」でない場合(B1309の結果が「N」)は、Vブランク割込み処理にてシステム周期待ちフラグがセットされるまで、B1309の処理を繰り返し行う。一方、システム周期待ちフラグが「1」である場合(B1309の結果が「Y」)は、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(B1310)を行い、通常ゲーム処理(B1311)を行い、B1308へ戻る。
〔通常ゲーム処理〕
次に、前述した2ndメイン処理(図81)における通常ゲーム処理(B1311)の詳細について説明する。図82は、本発明の第1の実施の形態の通常ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン720は、まず、遊技制御装置600から受信したコマンドをチェックする処理(B1401)を行う。受信コマンドチェック処理では、主制御用マイコン710から受信した演出コマンド(B1014)を特定し、以降実行される処理に応じて区分けする。
次に、映像制御用マイコン720は、変動表示装置35に、遊技状態、リーチシーンに応じた背景表示を行う背景処理を実行する(B1402)。続いて、変動表示装置35における変動表示に関する表示制御を行うリール制御/表示処理を実行する(B1403)。さらに、前述した先読みコマンド受信処理で始動記憶領域(先読み記憶領域)に記憶された演出情報(先読み演出情報)のうち保留表示演出の情報に基づいて、変動表示装置35に保留表示を行う保留表示処理を実行する(B1404)。
次に、映像制御用マイコン720は、客待ちデモコマンドを受けてから所定時間経過後に、変動表示装置35における客待ちデモ画面を設定する客待ちデモ処理を実行する(B1405)。客待ちデモ処理の詳細は、図84にて後述する。続いて、映像制御用マイコン720は、変動表示装置35に表示する内容を決定する2ndシーン制御/表示処理を実行する(B1406)。映像制御用マイコン720は、演出コマンド(B1014)を解釈して、表示する内容を決定する。次に、画像ROM704に格納されたデータをRAMに転送し、変動表示装置35に実際に表示させる表示システム処理を実行し(B1407)、通常ゲーム処理を終了する。
〔Vブランク割込み処理〕
次に、Vブランク割込み処理について図83に示すフローチャートを用いて説明する。
Vブランク割込み処理は、例えば16.6ms(フレーム周期33msの1/2)毎の周期的なVブランク割込み信号が映像制御用マイコン(2ndCPU)720に入力されることで開始される。
映像制御用マイコン720は、Vブランク割込み処理が開始されると、まず、フレームカウンタの値を+1更新する処理を行い(B1501)、当該フレームカウンタの値が規定値以上であるか判定する(B1502)。ここで、フレームカウンタの値が規定値未満の場合(B1502の結果が「N」)に、Vブランク割込み処理を終了し、フレームカウンタの値が規定値以上の場合(B1502の結果が「Y」)に、システム周期待ちフラグが「0」であるか判定する(B1503)。
システム周期待ちフラグが「0」でないと判定した場合(B1503の結果が「N」)に、映像制御用マイコン720は、Vブランク割込み処理を終了する。システム周期待ちフラグが「0」であると判定した場合(B1503の結果が「Y」)に、VDP730が変動表示装置35へ表示する描画を完了したか判定する(B1504)。
VDP730が描画を完了していないと判定した場合(B1504の結果が「N」)に、映像制御用マイコン720は、Vブランク割込み処理を終了する。VDP730が描画を完了したと判定した場合(B1504の結果が「Y」)に、表示フレームバッファを切り替える処理を行い(B1505)、VDP730に切り替えられた表示フレームバッファへの描画開始を指示する(B1506)。上記規定値を例えば「2」に設定することによって、基本的には2回のVブランク割込みに1回、フレームの切り替えが行われるようにすることができる。
次いで、映像制御用マイコン720は、VDP730が描画を開始したことを示すVDP描画中フラグをセットする処理(B1507)を行った後、フレームカウンタを0クリアする処理(B1508)、システム周期待ちフラグに「1」をセットする処理(B1509)を順次行い、当該Vブランク割込み処理を終了する。
〔客待ちデモ処理〕
次に、前述した通常ゲーム処理(図82)における客待ちデモ処理(B1405)の詳細について説明する。図84は、本発明の第1の実施の形態の客待ちデモ処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン720は、まず、客待ちデモコマンド(客待ちデモ開始情報)を受信したか否かを判定する(B1601)。なお、客待ちデモコマンドは、保留数ゼロかつタッチスイッチ120の検出がない場合に図35の特図普段処理において設定され、遊技制御装置600から主制御用マイコン710を介して送られてくる(B1014)。客待ちデモコマンドを受信した場合(B1601の結果が「N」)に、客待ちデモ監視タイマをセットする(B1602)。客待ちデモコマンドを受信していない場合(B1601の結果が「N」)に、客待ちデモ終了コマンド(客待ちデモ終了情報)を受信したか否かを判定する(B1603)。なお、客待ちデモ終了コマンドは、タッチスイッチ120の検出があった場合に図15の客待ちデモ復帰処理において設定され、遊技制御装置600から主制御用マイコン710を介して送られてくる(B1014)。
客待ちデモ終了コマンドを受信した場合(B1603の結果が「Y」)に、映像制御用マイコン720は、客待ちデモ画面の表示を終了し(B1604)、客待ちデモ監視タイマをクリアする(B1605)。客待ちデモ終了コマンドを受信していない場合(B1603の結果が「N」)に、客待ちデモ監視タイマをチェックする(B1606)。
次に、映像制御用マイコン720は、客待ちデモ監視タイマが時間t1であるか否か(即ち、客待ちデモコマンドを受信してから時間t1経過したか否か)判定する(B1607)。客待ちデモ監視タイマが時間t1である場合(B1607の結果が「Y」)に、枠装飾装置21と盤装飾装置760のLEDの光度(明るさ)が「高」か否か判定する(B1608)。LEDの光度が「高」である場合(B1608の結果が「Y」)に、主制御用マイコン710を介して、LEDの光度(指令値)を「中」に設定し(B1609)、今回の処理を終了する。LEDの光度が「高」でない場合(B1608の結果が「N」)に、そのまま今回の客待ちデモ処理を終了する。
なお、映像制御用マイコン720は、盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741と枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742への指令値(例えばLEDに流す電流やデューティの指令値)を主制御用マイコン710から取得して、LEDの光度が「高」「中」「低」のいずれであるか判定できる。なお、本実施形態において、LEDの光度(指令値)は、高中低の3値とし、客待ち状態以外の通常状態では「高」に設定されているものとするが、これに限られない。
客待ちデモ監視タイマが時間t1でない場合(B1607の結果が「N」)に、映像制御用マイコン720は、客待ちデモ監視タイマが時間t2であるか否か(即ち、客待ちデモコマンドを受信してから時間t2経過したか否か)判定する(B1610)。客待ちデモ監視タイマが時間t2である場合(B1610の結果が「Y」)に、各種メロディ等のBGMをオフし(B1611)、今回の処理を終了する。なお、映像制御用マイコン720は、主制御用マイコン710を介して、音源LSI705を制御して、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから再生させるBGMをオフする(即ち、上スピーカ10a及び下スピーカ10bの音量をゼロとする)。なお、ここではBGMはオンオフを切り替えることとしているが、例えば、BGMの音量の大小を制御するものとしてもよい。
客待ちデモ監視タイマが時間t2でない場合(B1610の結果が「N」)に、映像制御用マイコン720は、客待ちデモ監視タイマが時間t3であるか否か(即ち、客待ちデモコマンドを受信してから時間t3経過したか否か)判定する(B1612)。客待ちデモ監視タイマが時間t3である場合(B1607の結果が「Y」)に、変動表示装置35において客待ちデモ画面の表示を開始する(B1613)。その後、枠装飾装置21と盤装飾装置760のLEDの光度が「中」か否か判定する(B1614)。LEDの光度が「中」の場合(B1614の結果が「Y」)に、主制御用マイコン710を介して、LEDの光度(指令値)を「低」に設定し(B1615)、今回の客待ちデモ処理を終了する。LEDの光度が「中」でない場合(B1614の結果が「N」)に、そのまま今回の客待ちデモ処理を終了する。
客待ちデモ監視タイマが時間t3でない場合(B1612の結果が「N」)に、映像制御用マイコン720は、客待ちデモ監視タイマが時間t4であるか否か(即ち、客待ちデモコマンドを受信してから時間t4経過したか否か)判定する(B1616)。客待ちデモ監視タイマが時間t4である場合(B1616の結果が「Y」)に、客待ちデモ画面の表示を終了し(B1617)、客待ちデモ監視タイマをリセットし(B1618)、今回の客待ちデモ処理を終了する。一方、客待ちデモ監視タイマが時間t4でない場合(B1616の結果が「N」)に、そのまま今回の客待ちデモ処理を終了する。
また、図84の客待ちデモ処理において、演出制御装置700は、客待ちデモコマンドを受信した後、枠装飾装置21と盤装飾装置760のLEDの光度(又は輝度、明るさ)を「高」、「中」、「低」と段階的に低下させるとともに、これに対応して変動表示装置35の表示部35aの光度(又は輝度、明るさ)を段階的に「高」、「中」、「低」と低下させる。なお、光度が「低」の状態が、枠装飾装置21と盤装飾装置760のLEDと、変動表示装置35の表示部35aの客待ちの状態(節電状態)である。また、枠装飾装置21と盤装飾装置760のLEDの光度や、変動表示装置35の表示部35aの光度は、遊技機1の装飾態様の一例であり、例えば、演出制御装置700は、装飾態様として、可動役物の位置を段階的に客待ちの状態(初期位置)に戻すようにしてもよい。
また、図84の客待ちデモ処理は、映像制御用マイコン720ではなく主制御用マイコン710が、客待ち処理(図79のB1110)の一環として映像制御用マイコン720を介して実行する構成も可能である。
〔タイムチャート1〕
図85は、遊技制御装置600と演出制御装置700(特に映像制御用マイコン720)の制御の結果の一例を示すタイムチャートである。本例は、遊技者が操作部15の操作を止めた後(タッチスイッチ120がオフした後)に、特図変動表示ゲームが終了した場合を示す。
特別図柄の変動(特図変動表示ゲーム)が終了した時間t0において、特図普段処理(図35)で、特図保留数(即ち特図1保留数及び特図2保留数)が0であり、タッチスイッチ120がオフ状態(タッチスイッチ信号入力が非検出)である(A3501とA3506の結果が「Y」、A3512の結果が「N」)。このため、客待ち状態(客待ちデモ状態)への移行条件が成立し、客待ちデモ中フラグがオンし(A3513)、演出制御装置700で客待ちデモコマンドが受信される(A3514、A3515)。
時間t0で客待ちデモ中フラグがオンしてから所定時間(t1−t0)経過した時間t1において、装飾のLEDの光度が「高」から「中」に変化する(B1609)。時間t2において、スピーカの音量をゼロにしてBGMがオフする(B1611)。時間t0で客待ちデモ中フラグがオンしてから所定時間T経過した時間t3において、装飾のLEDの光度が「中」から「低」に変化する(B1615)。また、時間t3において、変動表示装置35において、客待ち用の客待ちデモ画面の表示によって客待ちデモが開始される(客待ちデモ画面オン)(B1613)。
時間t4において、客待ちデモ画面の表示が終了し(B1617)、客待ちデモが表示される前に表示されていた、前回の飾り特図変動表示ゲームの停止結果が表示された通常画面に切り替えられる。その後、既にBGMはオフされLEDの光度は「低」である状態で所定時間T経過すると、変動表示装置35において客待ちデモ画面の表示が再び開始される(客待ちデモ画面オン)(B1613)。つまり、客待ちデモ終了コマンドを受信するまでは、客待ちデモ画面と通常画面とを所定時間の経過に伴い切り替える。
〔タイムチャート2〕
図86は、遊技制御装置600と演出制御装置700(特に映像制御用マイコン720)の制御の結果の一例を示すタイムチャートである。本例は、遊技中に遊技球を発射させているにもかかわらず遊技球の始動口への入賞が長期間ないスランプ状態(不調状態)において、遊技者が操作部15を操作し続ける場合を示す。
特別図柄の変動(特図変動表示ゲーム)が終了した時間t0において、特図普段処理(図35)で、特図保留数(即ち特図1保留数及び特図2保留数)が0であっても、スランプ状態においてタッチスイッチ120がオン状態(検出あり)のままである(A3501とA3506とA3512の結果が「Y」)。このため、客待ちデモ中フラグはオフのままであり、演出制御装置700で客待ちデモコマンドは受信されない。従って、客待ちデモ監視タイマはセットされず、図84の客待ちデモ処理では何も行われない。始動口への遊技球の入賞があり(始動口スイッチがオンし)、特別図柄の変動(特図変動表示ゲーム)が開始しスランプ状態から脱出する。
〔タイムチャート3〕
図87は、遊技制御装置600と演出制御装置700(特に映像制御用マイコン720)の制御の結果の一例を示すタイムチャートである。本例は、遊技中に遊技球の始動口への入賞が長期間ないスランプ状態において、遊技者が操作部15の操作を止める(タッチスイッチ120がオフする)場合を示す。
特別図柄の変動(特図変動表示ゲーム)が終了した時間において、特図普段処理(図35)で、特図保留数(即ち特図1保留数及び特図2保留数)が0であっても、スランプ状態においてタッチスイッチ120がオン状態のままである(A3501とA3506とA3512の結果が「Y」)。このため、客待ちデモ中フラグはオフのままであり、演出制御装置700で客待ちデモコマンドは受信されない。
その後、時間t0において、遊技者が操作部15の操作を止めると、特図普段処理(図35)で、特図保留数(即ち特図1保留数及び特図2保留数)が0であり、タッチスイッチ120がオフ状態になる(A3501とA3506の結果が「Y」、A3512の結果が「N」)。このため、客待ち状態(客待ちデモ状態)への移行条件が成立し、客待ちデモ中フラグがオンし(A3513)、演出制御装置700で客待ちデモコマンドが受信される(A3514、A3515)。そして、時間t0から時間t3において、図85のタイムチャート1と同じ制御結果となる。
その後、客待ちデモ中(客待ちデモ画面の表示中)に遊技者が操作部15の操作を開始してタッチスイッチ120がオン状態になると、図15の客待ちデモ復帰処理において、客待ちデモ中フラグがオフ(クリア)され(A1504)、遊技制御装置600から客待ちデモ終了コマンドが送信される(A1505、A1506)。そして、客待ちデモ処理(図84)で、演出制御装置700の映像制御用マイコン720が客待ちデモ終了コマンドを受信すると(B1603の結果が「Y」)、客待ちデモ画面の表示が終了する(客待ちデモ画面オフ)(B1604)。
〔タイムチャート4〕
図88は、遊技制御装置600と演出制御装置700(特に映像制御用マイコン720)の制御の結果の一例を示すタイムチャートである。本例は、遊技者が操作部15の操作を止めた後(タッチスイッチ120がオフした後)に、特図変動表示ゲームが終了し、その後遊技者が操作部15の操作を開始する場合を示す。時間t0から時間t3において、図85のタイムチャート1と同じ制御結果となる。
その後、客待ちデモ中(客待ちデモ画面の表示中)に遊技者が操作部15の操作を開始してタッチスイッチ120がオン状態になると、図15の客待ちデモ復帰処理において、客待ちデモ中フラグがオフ(クリア)され(A1504)、遊技制御装置600から客待ちデモ終了コマンドが送信される(A1505、A1506)。同時に、BGMがオンし、装飾のLEDの光度が「高」に戻る。なお、図15の客待ちデモ復帰処理において、BGMをオンし、装飾のLEDの光度を「高」に設定するコマンドを準備設定する処理ステップをA1506の後に追加してもよい。そして、客待ちデモ処理(図84)で、演出制御装置700の映像制御用マイコン720が客待ちデモ終了コマンドを受信すると(B1603の結果が「Y」)、客待ちデモ画面の表示が終了する(客待ちデモ画面オフ)(B1604)。その後、始動口への遊技球の入賞があり(始動口スイッチがオンし)、特別図柄の変動(特図変動表示ゲーム)が開始する。
なお、図89では、タッチスイッチ120の検出/非検出(オンオフ)を客待ちデモの終了/開始の条件に含まず、特別図柄の変動開始とともに客待ちデモを終了させる制御を行う従来の遊技機の例を示す。客待ちデモ中(客待ちデモ画面の表示中)に遊技者が操作部15の操作を開始してタッチスイッチ120がオン状態になっても、客待ちデモ(客待ちデモ画面の表示)は終了せず、始動口への遊技球の入賞があり(始動口スイッチがオンし)、特別図柄の変動(特図変動表示ゲーム)が開始する時に、客待ちデモが終了する。
〔タイムチャート5〕
図90は、遊技制御装置600と演出制御装置700(特に映像制御用マイコン720)の制御の結果の一例を示すタイムチャートである。本例は、客待ちデモ中(客待ちデモ画面の表示中)に遊技者が操作部15の操作を開始してタッチスイッチ120がオン状態になると特別演出が行われる点のみ、図88のタイムチャート4とは異なる。
時間t3以後の客待ちデモ中(客待ちデモ画面の表示中)に遊技者が操作部15の操作を開始してタッチスイッチ120がオン状態になると、客待ちデモ中フラグがオフされ(A1504)、客待ちデモ画面の表示がオフする(B1604)。その後、始動口への遊技球の入賞があり(始動口スイッチがオンし)、特別図柄の変動(特図変動表示ゲーム)が開始するまでの間、変動表示装置35において特別演出が行われる。
このようにするため、図91のように、客待ちデモ処理(図84)において、客待ちデモ画面の表示を終了し(B1604)、客待ちデモ監視タイマをクリアした(B1605)後、特別演出を開始する処理ステップ(B1619)を追加する。
〔特別演出1〕
図92(A)−(D)は、演出制御装置700が行う特別演出の演出例を示す図であり、図92(E)−(H)は、図92(A)−(D)に対応する従来の演出を示す図である。
本実施の形態では、タッチスイッチ120の検出/非検出が客待ちデモの終了/開始の条件に含まれる。このため、変動表示装置35での客待ちデモ画面(画像)の表示中(図92(A))に遊技者が操作部15の操作を開始してタッチスイッチ120がオン状態になると、演出制御装置700は、変動表示装置35において客待ちデモ画面の表示を終了させ、特別演出(図92(B))を開始する。特別演出は、特別演出開始時の遊技状態(即ち、遊技機1に関する情報)に対応した表示態様(表示内容)で実行される。本実施形態では、特別演出において、遊技状態に対応した打ち方(球発射装置の発射態様)の指示が表示されるが、確変遊技状態などの遊技状態を直接的に表示してもよい。
例えば、特別演出開始時に、遊技機の遊技状態が確変遊技状態や時短遊技状態である場合には、特別演出として、遊技者に右打ちを促す表示(右打ちが有利になることを報知する表示)が変動表示装置35においてなされる(図92(B))。そして、遊技者が操作部15の操作によって右打ちを選択すると、第2始動入賞口38への入賞によって、変動表示装置35において第2始動記憶(特図2保留)に関する保留表示がなされる(B1404)(図92(C))。ここでは、開状態となった可動部材38aに複数の遊技球が連続して入賞した状態を示している。そして、第2始動記憶の入賞に基づいて客待ちデモ画面が終了し、飾り特図変動表示ゲームが実行される(図92(D))。客待ちデモ画面が終了した時点では前回の飾り特図変動表示ゲームにおける停止図柄が表示されており、その状態から今回の飾り特図変動表示ゲームが開始する。また、図92(A)−(D)では遊技状態が確変遊技状態や時短状態である場合を示したが、遊技状態が通常遊技状態である場合には、特別演出として左打ちを促す表示を行なってもよい。
一方、従来の例では、タッチスイッチ120の検出/非検出(オンオフ)が客待ちデモの終了/開始の条件に含まれないので、客待ちデモ中(図92(E))にタッチスイッチ120がオン状態になっても、演出制御装置700は変動表示装置35に客待ちデモ画面を表示し続け、客待ちデモ状態が継続する(図92(F))。そして、遊技者が操作部15の操作によって通常の通り左打ちを選択すると、第1始動入賞口37への入賞によって、変動表示装置35において第1始動記憶(特図1保留)に関する保留表示がなされる(B1404)(図92(G))。そして、第1始動記憶に基づいて、飾り特図変動表示ゲームが実行される(図92(H))。このため、遊技者は、遊技状態に合わせた打ち方(球発射装置の発射態様)を適切に選択できず、遊技の興趣が損なわれる。また、第2始動記憶の方が第1始動記憶よりも実行内容の振分けが遊技者に有利に設定されている遊技機においては、遊技の興趣がより大きく損なわれてしまう。
〔タイムチャート6〕
図93は、遊技制御装置600と演出制御装置700(特に映像制御用マイコン720)の制御の結果の一例を示すタイムチャートである。本例は、遊技中に始動口への入賞が長期間ないスランプ状態(不調状態)が発生した場合に、特別演出を行う場合を示す。
特別図柄の変動(特図変動表示ゲーム)が終了し、且つ、特図保留数(即ち特図1保留数及び特図2保留数)が0であっても、スランプ状態においてタッチスイッチ120がオン状態のままである(A3501とA3506とA3512の結果が「Y」)。このため、客待ちデモ中フラグはオフのままであり、演出制御装置700は、客待ちデモコマンドを受信ぜず、客待ちデモを実行しない。
しかし、特別図柄の変動(特図変動表示ゲーム)が終了してから所定時間Tが経過すると、演出制御装置700は、客待ちデモ画面の表示の代わりに、変動表示装置35において特別演出を行う。始動口への遊技球の入賞があり(始動口スイッチがオンし)スランプ状態から脱出すると、演出制御装置700は、変動表示装置35において特別図柄の変動(特図変動表示ゲーム)を開始して、特別演出は終了する。このようにするため、図35の特図普段処理においてタッチスイッチ120がオン状態(検出あり)の場合(A3512の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は特別演出コマンドを準備設定する処理を行うようにする。そして、特別演出コマンドを受信した演出制御装置700が所定時間Tの経過後に特別演出を行うようにする。なお、ここでの所定時間Tは、図85のタイムチャート1の所定時間Tと同じであるが、異なるようにすることもできる。
〔特別演出2〕
図94(A)−(D)は、演出制御装置700が行う特別演出の演出例を示す図であり、図92(E)−(H)は、タイミングチャート1の制御結果を示す図である。特別演出をタイミングチャート1の制御結果に比較して説明する。
タイムチャート6の制御結果では、特別図柄の変動が終了し、且つ、特図保留数が0であっても、タッチスイッチ120がオン状態のままである(図94(A))。所定時間Tの経過後に、特別演出が変動表示装置35において開始する(図94(B))。その後、特別演出として、時間経過に応じて変動表示装置35における表示内容が変化する(図94(C)(D))。その後、始動口への遊技球の入賞があると、変動表示装置35において特別図柄の変動(特図変動表示ゲーム)が開始する(図94(E))。
一方、タイムチャート1の制御結果では、特別図柄の変動が終了する時に、特図保留数が0であり、タッチスイッチ120がオフ状態である(図94(F))。時間t1において、装飾(LED、変動表示装置35)の光度が「高」から「中」に変化する(図94(G))。時間t2において、スピーカの音量をゼロにしてBGMがオフする(図94(H))。時間t3において、装飾(LED、変動表示装置35)の光度が「中」から「低」に変化する(図94(I))とともに、変動表示装置35において、客待ち用の客待ちデモ画面が表示される。その後、始動口への遊技球の入賞があると、変動表示装置35において特別図柄の変動(特図変動表示ゲーム)が開始する(図94(J))。
特別演出において、特別演出開始から始動口への入賞(始動入賞)までの間、時間経過によって、表示内容、台詞の内容、出現アイテム(ここでは釣れた物)が変化する。図95(A)−(C)のように、特別演出の内容(例えば、表示内容、台詞の内容、出現アイテム等)ごとに、確変遊技状態の期待度が異なるようにし、確率状態(高確率状態、低確率状態)を示唆する。即ち、確変遊技状態の場合に表示Cが出現する確率(振分率)を高くし、確変遊技状態でない場合に表示Cが出現する確率を低くする。確変遊技状態の場合に表示Bが出現する確率(振分率)を中程度にし、確変遊技状態でない場合に表示Bが出現する確率を中程度にする。確変遊技状態の場合に表示Aが出現する確率(振分率)を低くし、確変遊技状態でない場合に表示Aが出現する確率を高くする。特に、普電サポートがない潜伏確変状態において、特別演出の内容によって、確変遊技状態(高確率状態)の期待度を報知すれば、遊技の興趣が高まる。なお、時間経過によって特別演出の内容が確変遊技状態の期待度の高いものに変化するようにしてもよい。
〔タイムチャート7〕
図96は、遊技制御装置600と演出制御装置700(特に映像制御用マイコン720)の制御の結果の一例を示すタイムチャートである。本例では、特別演出の実行中に、始動入賞口への入賞が検出されることなくタッチスイッチ120がオフ状態となると、客待ちデモ中フラグがオンとなり、特別演出は終了する。つまり、特別演出の終了条件として、図90に示すように特別図柄の変動開始の他に、客待ちデモ中フラグがオンになることを条件として特別演出を終了させるようにしてもよい。
(第1の実施の形態の効果)
第1の実施の形態によると、発射制御装置200(発射制御手段)は、遊技領域に向けて遊技球を発射させる制御を行う。発射ユニット140(発射操作手段)は、遊技者が外部から操作可能な発射操作部15と、該発射操作部15への操作を検出可能なタッチスイッチ120(操作検出手段)と、遊技球を発射させる際に作動する発射モータ240(発射装置)と、を含む。発射制御装置200は、タッチスイッチ120による操作の検出に基づき発射ユニット140から送られるタッチスイッチ信号(操作検出信号)を受信した場合に、発射モータ240を作動させ、発射ユニット140から送られたタッチスイッチ信号を分岐させて遊技制御装置600(遊技制御手段)に出力可能に構成される。遊技制御装置600へタッチスイッチ信号を出力する回路の途中に、信号の方向を一方向に規制する規制手段(例えばドライバ回路208e)が配置される。このため、発射制御装置200と遊技制御装置600の間のケーブルでノイズが発生しても、発射制御装置200の発射制御回路202(発射制御部)に入って誤動作を生じさせないようにできる。従って、遊技球の発射制御へのノイズの影響を減少又は防止でき、発射モータ240の誤動作も防止可能である。
第1の実施の形態によると、発射制御装置200(発射制御手段)は、単方向のトランジスタに接続する複数の端子を有するドライバ204を備える。発射制御装置200は、タッチスイッチ信号の受信に伴い、ドライバ204を介して発射モータ240の制御信号を出力して発射モータ240を作動させる。そして、発射制御装置200は、ドライバ204の複数の端子の内、発射モータ240の制御信号を送るために用いる端子1−4、13−16以外の端子5、12を使用して、遊技制御装置600へタッチスイッチ信号を出力する。このため、ドライバ204の空き端子を活用でき、部品点数を増加させずに、遊技制御装置600側からのノイズの侵入を減少又は防止できる。
第1の実施の形態によると、ドライバ204には、発射モータ240の駆動電圧を所定電圧に抑制する定電圧ダイオード213(抑制回路)が備えられる。タッチスイッチ信号は、所定電圧を超えない電圧レベルとする。従って、簡単なドライバ回路を使用できる。
第1の実施の形態によると、変動表示装置35(表示装置)は、変動表示ゲームを表示可能である。演出制御装置700(演出制御手段)は、遊技制御装置600(遊技制御手段)からの指令情報に基づき変動表示装置35の表示制御を行う。遊技制御装置600の客待ちデモ情報送信手段は、前記指令情報として、変動表示装置35(表示装置)における表示態様を客待ちデモ状態へ移行させる制御を開始可能とする客待ちデモコマンド(客待ちデモ開始情報)を、客待ちデモ状態への移行条件(所定条件)の成立に基づいて演出制御装置700へ送信できる。客待ちデモ情報送信手段は、少なくとも、タッチスイッチ信号を受信しないことにより、移行条件(所定条件)が成立すると判定する。従って、遊技者が遊技中でありタッチスイッチ信号(操作検出信号)が受信されているにもかかわらず、客待ちデモ状態へ移行することを防止できる。これにより、遊技者の興趣の低下が防止できる。また、既存のタッチスイッチ120からのタッチスイッチ信号を用いて移行条件の成立が判定できるため、他に特別なセンサを設ける必要がない。
第1の実施の形態によると、演出制御装置700は、遊技制御装置600から客待ちデモコマンドを受信した後、所定時間T(第2所定期間)が経過した場合に、変動表示装置35(表示装置)における表示態様を客待ちデモ状態に移行させ、所定時間T(第2所定期間)が経過するまでに、遊技機の装飾態様を段階的に客待ちの状態(例えば、節電状態)へと移行させる。遊技機の装飾態様が、通常状態からすぐに客待ちの状態へ移行してしまうと、唐突で興ざめしてしまうので、客待ちの状態へ徐々に移行させていくことで、当該遊技機の周囲にいる遊技者への違和感をなくすことができる。
第1の実施の形態によると、遊技制御装置600の客待ちデモ情報送信手段は、移行条件(所定条件)の成立に基づいて客待ちデモ開始情報が送信された後、タッチスイッチ信号を受信した場合には、指令情報として、客待ちデモ状態を終了させる客待ちデモ終了コマンド(客待ちデモ終了情報)を演出制御装置700へ送信する。演出制御装置700は、客待ちデモ終了コマンドを受信したら、変動表示装置35(装飾表示装置)における客待ちデモ用の表示(客待ちデモ画面又は客待ちデモ画像)を終了させる。従って、客待ちデモ中に遊技者が遊技を開始した場合、即ち、タッチスイッチ信号(操作検出信号)を受信した場合に、迅速に客待ちデモ状態を終了させて客待ちデモ状態から復帰することができる。これにより、遊技者の興趣の低下が防止できる。
第1の実施の形態によると、演出制御装置700は、客待ちデモ情報送信手段が客待ちデモ終了コマンドを演出制御装置700へ送信した後、始動入賞口37、38への入賞に基づき変動表示ゲームが行われるまでの間、変動表示装置35にて遊技機1に関する情報を遊技者に報知可能な特別演出を実行する。遊技機1に関する情報とは、例えば、遊技状態や遊技状態に合わせた打ち方である。従って、遊技変動表示ゲーム開始前に、現在の遊技状態に関する情報を知ることができ、興趣を高めることができる。
第1の実施の形態によると、遊技機1は、始動入賞領域として、第1始動入賞口37(第1始動入賞領域)と、特定の遊技状態(例えば、確変遊技状態や時短遊技状態)において遊技球が入賞容易となる電動役物を備えた第2始動入賞領域(第2始動入賞口38)と、を備える。第2始動入賞領域は、遊技球の所定の発射態様(本実施形態では右打ち)でのみ入賞可能な位置に配置される。演出制御装置700は、特別演出として、遊技機1が前記特定の遊技状態であるか否かを遊技者に示唆可能な演出を行う。従って、変動表示ゲームが開始する前に、特別演出によって特定の遊技状態であるか否か把握した遊技者は、発射操作部15を操作して現在の遊技状態に適した発射態様に調整ができる。
なお、通常時は左打ち、特定の遊技状態(例えば、確変遊技状態や時短遊技状態)の間は右打ちでの遊技を行わせる遊技性を持つ遊技機において、客待ちデモ中に遊技者が遊技を開始する際、始動入賞まで客待ちデモ画面が解除されない場合もある。この場合に、遊技者は現在が特定の遊技状態なのか否か遊技開始時にはわからない。始動入賞が発生して客待ちデモ画面が終了すると、客待ちデモ画面から復帰して現在の遊技状態がわかるようになる。しかし、特定の遊技状態であった場合、遊技者は、客待ちデモ画面終了までの間、無駄に左打ちを行っていたことを知り、客待ちデモ画面終了時に遊技の興趣が低下してしまうおそれがある。そこで、発射操作部15(操作部)の操作がタッチスイッチ信号で検出されると同時に客待ちデモ画面が終了することで、遊技者は迅速に現在の遊技状態を認識でき、早い段階で遊技状態に合わせた発射操作部15の操作を行うことができる。このため、遊技者の興趣の低下が防止できる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態は、特図普段処理に関するものである。なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成は、説明が省略される。
〔特図普段処理2〕
図97は、第2の実施の形態に係る特図普段処理(特図普段処理2)(図28のステップA2809)の手順を示すフローチャートである。遊技制御装置600は、A8001からA8010まで、第1の実施の形態に係る特図普段処理(図35)のA3501からA3510までの処理と同じ処理を行う。次に、遊技制御装置600は、特図保留数(即ち特図1保留数及び特図2保留数)が0である場合(A3501とA3506の結果が「Y」)に、既に、客待ちデモ中フラグがオンしているか否かを判定する(A8011)。
客待ちデモ中フラグがオンしている場合(A8011の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、特図普段処理移行設定処理1(図36)を実行する(A8020)。客待ちデモ中フラグがオフしている場合(A8011の結果が「N」)に、客待ちデモ開始タイマが既に設定されているか否か判定する(A8012)。客待ちデモ開始タイマが設定されていない場合(A8012の結果が「N」)に、タッチスイッチ120の検出があるか否か判定する(A8013)。タッチスイッチ120の検出がある場合(A8013の結果が「Y」)に、特図普段処理移行設定処理1を実行する(A8020)。タッチスイッチ120の検出がない場合(A8013の結果が「N」)に、客待ちデモ開始タイマを設定してから(A8014)、特図普段処理移行設定処理1を実行する(A8020)。
一方、客待ちデモ開始タイマが設定されている場合(A8012の結果が「Y」)に、客待ちデモ開始タイマがゼロになったか否か、即ち、タッチスイッチ120の検出がなくなってから客待ちデモ開始タイマで定められる所定時間T4が経過したか否か判定する(A8015)。客待ちデモ開始タイマがゼロになっていない場合(A8015の結果が「N」)に、今回の特図普段処理を終了する。一方、客待ちデモ開始タイマがゼロになった場合(A8015の結果が「Y」)に、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをオンに設定してセーブする(A8016)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(A8017)、コマンド設定処理を実行する(A8018)。次に、客待ちデモ開始タイマをクリアし(A8019)、特図普段処理移行設定処理1を実行する(A8020)。
このため、特図保留数が0になりタッチスイッチ120の検出がなくなった後、所定時間T4が経過した場合に、客待ちデモ中フラグがオンし、客待ちデモコマンドが演出制御装置700に送信される。従って、遊技者が遊技継続の意思を有して遊技機の座席にいるにもかかわらず客待ちデモが開始されることが防止できる。
〔客待ちデモ復帰処理2〕
図98は、第2の実施の形態に係る客待ちデモ復帰処理(客待ちデモ復帰処理2)(図14のステップA1410)の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、タッチスイッチ120の検出があるか否か判定する(A8101)。タッチスイッチ120の検出がない場合(A8101の結果が「N」)に、今回の客待ちデモ復帰処理を終了する。タッチスイッチ120の検出がある場合(A8101の結果が「Y」)に、客待ちデモフラグ領域(RWMの一部)をチェックして、客待ちデモ中フラグがオンに設定されているか否か判定する(A8102、A8103)。客待ちデモ中フラグがオンしている場合(A8103の結果が「Y」)に、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A8104)、客待ちデモ終了コマンドを準備し(A8105)、コマンドを設定するためのコマンド設定処理を行う(A8106)。
一方、客待ちデモ中フラグがオフしている場合(A8103の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、客待ちデモ開始タイマが設定されているか否か判定する(A8107)。客待ちデモ開始タイマが設定されている場合(A8107の結果が「Y」)に、客待ちデモ開始タイマをクリアし(A8108)、今回の客待ちデモ復帰処理を終了する。客待ちデモ開始タイマが設定されていない場合(A8107の結果が「N」)に、そのまま今回の客待ちデモ復帰処理を終了する。
〔タイムチャート8〕
図99は、第2の実施の形態に係る制御の結果の一例を示すタイムチャートである。
特別図柄の変動(特図変動表示ゲーム)が終了した時、特図普段処理(図97)で、特図保留数(即ち特図1保留数及び特図2保留数)が0であり、タッチスイッチ120がオフ状態(検出なし)である(A8001とA8006の結果が「Y」、A8013の結果が「N」)。このため、客待ちデモ開始タイマが設定される(A8014)。しかし、その後、客待ちデモ開始タイマがゼロになる前、即ち、タッチスイッチ120の検出がなくなってから所定時間T4が経過する前に、タッチスイッチ120の検出があると(A8101の結果が「Y」)(タッチスイッチオン)、客待ちデモ中フラグがまだオフであるため客待ちデモ開始タイマがクリアされる(A8108)。
タッチスイッチ120の検出があったということは、遊技者は、遊技を続ける意思があり、操作部15を操作し球発射装置を動作させることになる。始動口への遊技球の入賞があると、変動表示装置35において特別図柄の変動が開始する。その後、タッチスイッチ120がオフ(非検出)になり、特別図柄の変動が終了すると、再度、客待ちデモ開始タイマが設定される(A8014)。タッチスイッチ120がオフ状態で、客待ちデモ開始タイマがゼロになる(即ち、タッチスイッチ120の検出がなくなって且つ特別図柄の変動が終了してから所定時間T4が経過する)と、客待ちデモ中フラグがオンに設定され(A8016)、第1の実施の形態と同様に段階的に装飾のLEDの光度が段階的に低下し、BGMがオフされる。
(第2の実施の形態の効果)
第2の実施の形態によると、遊技制御装置600の客待ちデモ情報送信手段は、客待ちデモ状態への移行条件(所定条件)の成立後、所定時間T4(第1所定期間)が経過した場合に、演出制御装置700へ客待ちデモコマンド(客待ちデモ開始情報)を送信する。タッチスイッチ120の検出がされなくても、遊技者は、遊技継続の意思があり、まだ、遊技機1の前に設置された椅子に着席している場合がある。従って、客待ちデモ状態(客待ち状態)への移行条件の成立後に所定時間T4を空けてから演出制御装置700へ客待ちデモコマンドを送信することで、遊技者が着席しているにもかかわらず、遊技機1が客待ちデモ状態へ移行してしまうことを防止できる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態は、演出制御装置700の1stメイン処理(図78)における演出ボタン入力処理(B1009)の詳細(ボタン演出処理)に関するものである。なお、第3の実施の形態において、第1と第2の実施の形態と同様の構成は、説明が省略される。図100は、第3の実施の形態に係る演出ボタン入力処理の手順を示すフローチャートである。
〔演出ボタン入力処理(ボタン演出処理)〕
主制御用マイコン710は、まず、客待ちデモフラグ領域をチェックする(B2001)。次に、演出ボタン17が操作されたことを検知する演出ボタンSW(スイッチ)751がオン(検出)しているか否か判定する(B2002)。演出ボタンSW(スイッチ)751がオフ(非検出)している場合(B2002の結果が「N」)に、今回の演出ボタン入力処理を終了する。演出ボタンSW(スイッチ)751がオン(検出)している場合(B2002の結果が「Y」)に、客待ちデモ画面が変動表示装置35に表示中であるか否か判定する(B2003)。客待ちデモ中フラグがオンに設定されている場合、又は、客待ちデモ中フラグがオンしてから所定時間T経過している場合に、客待ち用の客待ちデモ画面が表示中であると判断できる。客待ちデモ画面が表示中でない場合(B2003の結果が「N」)に、今回の演出ボタン入力処理を終了する。
客待ちデモ画面が表示中である場合(B2003の結果が「Y」)に、主制御用マイコン710は、変動表示装置35における客待ち中のボタン演出の内容を選択又は設定する(B2004)。ボタン演出は、所定の演出を行うものでもよいし、抽選又は振分けによってランダムに演出を選択するものでもよい。また、抽選又は振分けによって演出を選択する場合に、確変遊技状態の期待度に応じて演出の出現率(選択率、当選率又は振分け率)を異ならせてもよい。これらによって、遊技店の客に興味を生じさせて遊技機で遊技を行うことを促すことができる。
次に、主制御用マイコン710は、選択したボタン演出を映像制御用マイコン720に実行させるべく演出コマンドを準備する。主制御用マイコン710は、演出コマンド編集処理(B1014)において、演出コマンドを編集して映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信する。このように、客待ちデモ中に、遊技者が演出ボタン17を操作すると、変動表示装置35においてボタン演出が実行される。
〔客待ち中ボタン演出1〕
図101(A)−(E)は、第3の実施の形態に係る客待ち中のボタン演出の演出例(客待ち中ボタン演出1)を示す図である。
変動表示装置35での客待ちデモ画面(図101(A))の表示中に、演出ボタン17の操作を検出すると(B2002)、ボタン演出としてキャラクタ画像が表示される。図101(B)−(D)に示すように、表示するキャラクタ画像は、複数のキャラクタ画像(ここでは魚介類)から抽選又は振分けによってランダムに選択されるようにしてもよいし、表示するキャラクタ画像の選択率(選択率、当選率又は振分け率)を遊技状態が通常遊技状態であるか確変遊技状態であるかによって異ならせてもよい。また、演出ボタン17の操作ごとに、キャラクタ画像を所定の順番で表示してもよいし、演出ボタン17の操作のたびに、毎回同じ所定の演出(ここでは、魚のキャラクタが飛び跳ねるような演出(図101(B))を行ってもよい。キャラクタ画像は、演出ボタン17の操作検出後、所定期間出現して、また元の客待ちデモ画面の状態に戻る(図101(E))。
〔客待ち中ボタン演出2〕
図102(A)−(D)は、第3の実施の形態に係る客待ち中のボタン演出の他の演出例(客待ち中ボタン演出2)を示す図である。
客待ちデモ画面(図102(A))の表示中に、演出ボタン17の操作を検出すると(B2002)、ボタン演出として背景画像が変化する。図102(B)−(D)に示すように、表示する背景画像は、複数の背景画像から抽選又は振分けによってランダムに選択されるようにしてもよいし、表示する背景画像の選択率(選択率、当選率又は振分け率)を遊技状態が通常遊技状態であるか確変遊技状態であるかによって異ならせてもよい。また、演出ボタン17の操作ごとに、背景画像を所定の順番で表示してもよいし、演出ボタン17の操作のたびに、毎回同じ所定の背景画像を表示してもよい。背景画像は、演出ボタン17の次回の操作まで変化しないようにしてもよい。
(第3の実施の形態の効果)
第3の実施の形態は、第1と第2の実施の形態の効果と同じ効果を奏する。さらに、演出制御装置700は、演出ボタンSW(スイッチ)751の検出(検出信号の入力)に基づいて、客待ち中に変動表示装置35での表示内容を変更するボタン演出処理を行う。一方で、遊技制御装置600は、客待ち状態への移行条件、又は、客待ち状態からの復帰条件に関係するタッチスイッチ120の検出(タッチスイッチ信号の入力)に基づいて、客待ち状態への移行処理又は客待ち状態からの復帰処理を行う。このため、ボタン演出処理と移行処理(又は復帰処理)が、演出制御装置700と遊技制御装置600で分けて行われ、両装置での処理負担が軽減される。
(その他の実施の形態)
第1から第3の実施の形態において、演出制御装置700は、客待ちデモ終了コマンドを受信した場合(B1603の結果が「Y」)に、変動表示装置35において特定の演出(例えば、「いらっしゃいませ」の文字の表示)を行ってから、客待ちデモ画面の表示を終了する(B1604)か、客待ちデモ画面の表示終了後にB1619の特別演出としてこの特定の演出を行ってもよい。
また、タッチスイッチ120を利用して、遊技制御装置600は、時短遊技状態でなくかつ変動表示ゲームも実行されていない状態で、遊技者が操作部15から手を離した場合(タッチスイッチ信号の入力がなくなった場合)に、演出制御装置700にコマンドを送信して、変動表示装置35において警告を表示するようにしてもよい。例えば、警告として、プリペイドカードの取り忘れ注意の表示や、潜伏確変遊技状態の可能性があるモード時において遊技を止めることの注意の表示が行われる。
また、遊技制御装置600は、タッチスイッチ120からのタッチスイッチ信号を外部情報端子660を介して情報収集端末装置(ホールコンピュータ)に送信し、情報収集端末装置において遊技者の滞在率を調査できるようにしてもよい。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。