JP2014161395A - スプリンクラーヘッド用シーリングプレート - Google Patents

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正勝 菊池
Yoshiyuki Obara
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Abstract

【課題】 地震の揺れによるスプリンクラーヘッドへのダメージを緩和できるスプリンクラーヘッド用シーリングプレートを提供する。
【解決手段】 スプリンクラーヘッドSの外周面と係合可能な筒部2と、筒部2の下端に外方へ拡張して形成されたプレート部3とを備えており、筒部2の外周面には外方へ拡張して形成された複数のフィン4a〜4cが形成され、プレート部3およびフィン4a〜4cをエラストマー素材から構成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、天井面や壁面に設置されるスプリンクラーヘッドに装着されるシーリングプレート関するものである。
スプリンクラーヘッドは建物の天井面や壁面に設置され、一端には給水源に続いた配管と接続可能なノズルを有し、他端には火災の熱によって分解作動する感熱分解部が設けられている。平時においてノズルは感熱分解部によって支持された弁体により閉塞されている。
上記スプリンクラーヘッドの一例として天井面に埋め込まれて設置されたフラッシュ型スプリンクラーヘッドがある(図4参照)。フラッシュ型スプリンクラーヘッド10の感熱分解部11は天井面より下方に突出して設置され、ノズル12は天井裏の配管P(二点鎖線にて図示)に接続されている。天井13にはスプリンクラーヘッド10の感熱分解部11を室内側に突出して設置させるための貫通穴14が穿設されている。
ここで貫通穴14とスプリンクラーヘッド10の間に隙間が生じるが、この隙間はシーリングプレート15により覆い隠される。シーリングプレート15は筒部16と筒部の下端に形成されたプレート部17からなり、筒部16の内部とスプリンクラーヘッド10の外部が係合している。
シーリングプレート15をスプリンクラーヘッド10へ装着する手順は、スプリンクラーヘッド10が挿通されている貫通穴14にシーリングプレート15の筒部16を挿通させる。そのとき筒部16の内部にはスプリンクラーヘッド10を挿通させる。シーリングプレート15を上方に移動させると、筒部16の内部の突起16Aがスプリンクラーヘッド10の外周面に設置された係合溝18と係合する。さらにシーリングプレート15を上方に移動させ、プレート部17が天井13の表面に接する位置までシーリングプレート15を移動させる。これで装着が完了し、貫通穴14がプレート部17によって隠される。上記のシーリングプレート15の一例として特許文献1に記載のものがある。
上記のシーリングプレートは地震の振動で天井面や天井穴と衝突してスプリンクラーヘッドから脱落したり、シーリングプレートが破損してしまうものがあった。特に大地震のときにはシーリングプレートだけでなくスプリンクラーヘッドもダメージを受けて漏れや不時放水等が発生したケースがあった。この地震の揺れによるシーリングプレートの落下を防止してスプリンクラーヘッドへのダメージを低減できるシーリングプレートがある(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2のシーリングプレートは、シーリングプレートが2つの筒部材から構成されている。シーリングプレートの第一筒部材を天井裏に配置させ、第二筒部材を天井の室内側から第一筒部材へ組付けることで2つの筒部材で天井を挟持する構造となっている。2つの筒部材の内部にはスプリンクラーヘッドが挿通されており、地震によって天井が揺れてもシーリングプレートが緩衝材として作用してスプリンクラーヘッドへのダメージを低減させることができる。
実開昭59−114152号公報 特開平9−108378号公報
しかしながら、特許文献2のシーリングプレートは、シーリングプレートを2部材から構成したことで施工の手間が増える問題がある。具体的にはスプリンクラーヘッドを配管に接続した後、第一筒部材をスプリンクラーヘッドに設置してから天井を施工しなければならない。また第一筒部材の下面が天井と接するように位置調整が必要であった。そのため実用には至らなかった。
そこで本発明では、上記問題に鑑み、地震の揺れによるスプリンクラーヘッドへのダメージを緩和できるとともに、施工性の良いスプリンクラーヘッド用シーリングプレートを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は以下のスプリンクラーヘッド用シーリングプレートを提供する。
すなわち、スプリンクラーヘッドの外周面と係合可能な筒部と、筒部の下端に外方へ拡張して形成されたプレート部からなり、筒部の外周面には外方へ拡張して形成された複数のフィンが形成され、プレート部およびフィンをエラストマー素材から構成した。
これによれば、プレート部が天井ボードの室内側に接するように配置され、エラストマー素材から構成されたフィンは変形して天井穴を通過して天井ボードの裏面の上に配置される。フィンは複数形成されており、天井穴の内側に配置されたフィンは屈曲して弾性変形した状態で天井穴の内面に係止される。また弾性変形したフィンの弾性力により筒部の内側に向かって力が作用し、この力によりシーリングプレートの筒部とスプリンクラーヘッドの外周面が係合する。
地震が起こると先に縦揺れが生じて続いて横揺れが発生する。縦揺れのときシーリングプレートはプレート部とフィンで天井ボードを上下から挟む構成となっているので、シーリングプレートが外れることを防止できる。続いて横揺れが発生したときは天井穴の内側に配置されたフィンが天井ボードとスプリンクラーヘッドが衝突する際の衝撃を緩和する。
また本発明のシーリングプレートは、先に説明した特許文献2の2部材から成るシーリングプレートと比較して施工性が改善されたものであり、通常使用されている特許文献1と同様のシーリングプレートのようにスプリンクラーヘッドを配管に接続して天井を貼った後に、室内側からスプリンクラーヘッドへ装着させることで設置可能であることから施工の手間は増えず、通常使用しているシーリングプレートと同様に取り扱うことが可能である。
本発明によれば、地震の揺れによるスプリンクラーヘッドへのダメージを緩和でき、尚且つ施工性の良いスプリンクラーヘッド用シーリングプレートを提供することができる。
本発明のシーリングプレートをスプリンクラーヘッドに装着した状態の断面図 分図(a)は本発明のシーリングプレートの断面図、分図(b)は分図(a)の平面図 分図(a)は本発明のシーリングプレートの筒部外周側の展開図、分図(b)は分図(a)の変形例 従来のシーリングプレートの断面図
図1に示すシーリングプレート1は筒部2とプレート部3とを備えており、スプリンクラーヘッドSに装着されている。
シーリングプレート1はエラストマー素材から形成されており、具体的には耐熱ゴムであるシリコンゴムやフッ素ゴムにより形成される。これにより火災時にスプリンクラーヘッドが作動する前の段階でシーリングプレートが軟化・溶融して変形してしまうことを防止できる。
筒部2は円筒状であり、内部にはスプリンクラーヘッドSが挿通され、スプリンクラーヘッドSの外周面と係合される。筒部2には所定間隔で切欠き2aが形成されており、スプリンクラーヘッドSを下端から筒部2の内部に挿通する際に筒部2が外側に弾性変形して容易に挿通しやすくしている。
筒部2の内周面には球状の突起2bが複数形成されている。突起2bは後述するフィン4の位置に対応して設置されている。
筒部2の外周面には外方へ拡張して形成された複数のフィン4が設けられている。フィン4は筒部2の外周面上に均等間隔で5箇所に層状に設置されており、図1においては上段4a、中段4b、下段4cのフィンを備えている。上段のフィン4aは天井ボードCの裏側に配置される。中段のフィン4b、下段のフィン4cは天井穴C1内部に配置され、屈曲変形した状態にある。この弾性変形したフィン4b、4cの弾性力により筒部2の内側に向かって力が作用する。またフィン4b、4cに対応した位置に配置された突起2bに、前述の弾性力が作用して突起2bがスプリンクラーヘッドSの外周面側に押圧されてシーリングプレート1がスプリンクラーヘッドSに係合する。
各フィン4a〜4cの先端部4dはプレート部3の外周よりも内側に配置されている。また先端部4dは天井ボードCの穴C1よりも大きく形成されている。具体的には図2(a)に二点鎖線で示す穴C1の輪郭よりも先端部4dが外側に形成されている。
図3(a)では各フィン4a〜4cの大きさや形状が略同じに形成されており、同じ位置に重なり合うように配置されているが、これに限らず図3(b)に示すように上段、中段、下段の位置をずらして配置することも可能である。
また、上段4aの先端部のみ中段4bや下段4cよりも外方へ突出して形成することもできる。さらに、フィン4a〜4cの先端部に切欠きを形成することで先端部を弾性変形しやすく形成することも可能であり、これによりシーリングプレート1の着脱が容易になる。
プレート部3はリング状をしており筒部2の下端から外方へ拡張して形成されている。プレート部3の表面にはテーパー3aが形成されており、内部側に比べて外縁側が薄く形成されている。
プレート部3の裏面3bは天井ボードCの下面と平行に形成されている。裏面3bと筒部2の外周面との境は円弧形状のアール部3cとなっており、エラストマー素材から形成されたプレート部3の形状が崩れないようにある程度の強度を持たせる構造となっている。
アール部3cに代えて、図1や図2(a)にて点線で示すようにプレート部3の厚さを略均一にして部分的に支持部3dを形成することもできる。
プレート部3は弾性変形可能であり、これによって天井の形状がアーチ型に湾曲している場合でもプレート部3と天井面との間に隙間が生じないように設置することができる。
続いて本発明のシーリングプレートをスプリンクラーヘッドに装着する手順について説明する。
本発明のシーリングプレート1が装着されるスプリンクラーヘッドSは上端部が天井ボードCの裏面(天井裏)に配置され、給水配管Pと接続されている。下端部は天井ボードCの天井穴Cから室内側に突出して配置されている。シーリングプレート1はスプリンクラーヘッドSの下端側から筒部2を挿通させてスプリンクラーヘッドSの外周面と係合させる。
シーリングプレート1をスプリンクラーヘッドSに装着させる際に、フィン4が天井穴C1内に変形しながら挿通され、上段のフィン4aは天井ボードCの裏面側に抜けて配置される。上段のフィン4aの先端は天井穴C1の穴径よりも大きいのでシーリングプレート1を図中下方に引き抜こうとした場合にフィン4aの下面が天井ボートCの裏面と接触して抜きにくい構成になっている。
中段、下段のフィン4b、4cは天井穴C1の内部に弾性変形した状態で配置されている。これにより、フィン4b、4cの弾性によって筒部2の内側に向かって力が作用する。またフィン4b、4cに対応した位置に配置された突起2bには、前述の弾性力が作用して突起2bがスプリンクラーヘッドSの外周面側に押圧されてシーリングプレート1がスプリンクラーヘッドSに密着する。また筒部2に形成した切欠き2aによって筒部2が内側に弾性変形しやすくしている。
プレート部3の裏面3bが天井ボードCの下面に接するようにシーリングプレート1の位置を調整すればスプリンクラーヘッドSへの装着が完了する。
次に、地震が発生したときの本発明のシーリングプレートの作用について説明する。
まず地震が発生すると先に縦揺れが発生する。縦揺れのときシーリングプレート1は上段のフィン4aとプレート部3によって天井ボードCを挟持しており、縦揺れによってスプリンクラーヘッドSに対して天井ボードCが上下に震動してもプレート部3およびフィン4aが弾性変形するので縦揺れによってシーリングプレート1がスプリンクラーヘッドSから外れることを防止している。またフィン4b、4cは天井ボードCの穴C1の内面を押圧しているので天井ボードCの上下の振動を緩和する作用を有する。
縦揺れに続いて横揺れが発生したとき、天井ボードCが揺れてスプリンクラーヘッドSが挿通されている穴1の内面がシーリングプレート1を介してスプリンクラーヘッドSに衝突するおそれがある。このとき筒部2に形成されたフィン4b、4cが緩衝材となり穴1の内面がスプリンクラーヘッドSへ衝突したときのダメージを緩和することができる。
上記において、縦揺れのときにシーリングプレート1がスプリンクラーヘッドSから外れることを防止することで、後の横揺れのときに筒部2に形成したフィン4b、4cによって天井ボードCの穴C1の内面がスプリンクラーヘッドSに衝突したときのダメージを緩和することができる。
1 シーリングプレート
2 筒部
2a 切欠き
2b 突起
3 プレート部
4(4a、4b、4c) フィン
C 天井ボード
C1 天井穴
S スプリンクラーヘッド

Claims (6)

  1. スプリンクラーヘッドの外周面と係合可能な筒部と、筒部の下端に外方へ拡張して形成されたプレート部とを備え、筒部の外周面には外方へ拡張して形成されたフィンが形成され、プレート部およびフィンがエラストマー素材からなることを特徴とするスプリンクラーヘッド用シーリングプレート。
  2. エラストマー素材は耐熱ゴムである請求項1記載のスプリンクラーヘッド用シーリングプレート。
  3. フィンは層状に複数形成されている請求項1または請求項2記載のスプリンクラーヘッド用シーリングプレート。
  4. フィンの先端はプレート部の外径よりも小さく、且つ天井穴径よりも大きく形成した請求項1〜請求項3何れか1項記載のスプリンクラーヘッド用シーリングプレート。
  5. フィンが形成された筒部の内側に突起を形成した請求項1〜請求項4何れか1項記載のスプリンクラーヘッド用シーリングプレート。
  6. フィンまたは筒部に切欠きを形成した請求項1〜請求項5何れか1項記載のスプリンクラーヘッド用シーリングプレート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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