JP2014159875A - センサ付き転がり軸受、自動車、鉄道車両、製鉄設備、及び工作機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】センサ付き転がり軸受1は、回転側輪2と、固定側輪3と、回転側輪2及び固定側輪3間に介在する転動体4と、リング磁石11と、リング磁石11に軸方向に対向する磁気感応センサ15とを備え、固定側輪3における軸方向端面より内側にセンサハウジング16の固定部に係止凹溝7を形成し、センサハウジング16は、固定側輪3に固定する固定部に、軸方向端面及び係止凹溝間を把持する把持部16dが形成されている。把持部16dは、固定側輪2の半径方向に突出して軸方向端面に当接する複数の当接片16eと、当接片16eが軸方向端面に当接した状態を維持しながら係止凹溝7に係止される係止部16fを有する係止片16gとを少なくとも備えている。
【選択図】図1
Description
また、前述した特許文献2に記載された従来例にあっては、転がり軸受のシール溝にセンサ保持部材と磁気エンコーダとを配置するようにしており、内輪及び外輪の軸方向端面を開放して予圧・固定のために使用することができるものであるが、シール溝形状は、転動体の転動面や、軸受外形に対して加工精度か低いため、センサ部のアキシアルギャップを均一にすることが難しい。このため、特許文献2に記載された従来例では、センサ及び磁気エンコーダがラジアルギャップを挟んで対向されたラジアル検出方式を採用している。
そこで、本発明は、上述した従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、アキシアルギャップを均一で高精度に形成することが可能なセンサ付き転がり軸受、自動車、鉄道車両、製鉄設備、及び工作機械を提供することを目的とするものである。
また、本発明の他の形態に係るセンサ付き転がり軸受は、前記マグネットホルダ及び前記センサハウジングを磁性体で構成し、前記マグネットホルダは前記回転側輪及び前記固定側輪間の軸受空間を覆うように配設され、前記センサハウジングは前記マグネットホルダを覆うように断面コ字状に形成されていることを特徴としている。
また、本発明の一の形態に係る鉄道車両は、上記センサ付き転がり軸受を備えたことを特徴としている。
また、本発明の一の形態に係る製鉄設備は、上記センサ付き転がり軸受を備えたことを特徴としている。
また、本発明の一の形態に係る工作機械は、上記センサ付き転がり軸受を備えたことを特徴としている。
また、把持部を固定側輪の半径方向に突出して固定側輪の軸方向端面に当接する当接片と固定側輪に形成した係止凹溝に係止される加締め部とを少なくとも有する構成とすることで、固定側輪の軸方向端面に当接する当接片を介して固定側輪の予圧・固定を行うことができる。
図1は、本発明の第1実施形態を示す縦断面図である。図中、1は自動車、鉄道車両、製鉄設備、工作機械等の回転軸に適用して回転速度を検出するセンサ付き転がり軸受である。
このセンサ付き転がり軸受1は、互いに対向する回転側輪としての軸受内輪2及び固定側輪としての軸受外輪3と、これら軸受内輪2及び軸受外輪3間に介在された多数の転動体4とで転がり軸受5が構成されている。ここで、軸受内輪2及び軸受外輪3のそれぞれは、互いの対向面の軸方向の一端側に端面から所定距離だけ転動体4側に円周方向の係止凹溝6及び7が形成されている。これら係止凹溝6及び7としては、転がり軸受のシール溝を使用することができ、このシール溝を使用することにより、特別な加工を施すことなく溝形成を行うことができる。
マグネットホルダ12は、軸受内輪2の係止凹溝6に係止される加締め部12aを形成した軸受内輪2の軸方向端部より外方に僅かに突出する円筒部12bと、この円筒部12bの軸方向突出端部から半径方向に転がり軸受5の軸受内輪2及び軸受外輪3間の軸受空間の一部を覆うように延出する円環状板部12cと、この円環状板部12cの外周縁から軸方向外方に突出する円筒状のフランジ部12dとから構成されている。
ここで、円筒部12bの加締め部12aの円周方向の加締め箇所数は、特許第4269642号公報に記載されているように、正の整数をn、転動体4の数をZ、2以上の整数をXとしたとき、
(加締め箇所の数)=nZ±X …………(1)
に基づいて算出することが好ましい。このように加締め箇所数を算出することにより、転がり軸受5に発生する可能性のある異音や振動等を低減することができる。
ここで、係止片16gの係止部16fは、当接片16eを軸受外輪3の軸方向端面に当接させた状態を維持しながら軸受外輪3に形成した係止凹溝7に係止されるように構成され、当接片16eと係止片16gの係止部16fとで軸受外輪3の軸方向端面と係止凹溝7との間を把持する。
ここで、磁気感応センサ15は、軸受内輪2に嵌挿される回転軸の回転速度を検出するためには、少なくとも1つの磁気感応センサ15を配置すれば良く、回転速度と回転方向とを検出するためには、磁気感応センサ15に対してリング磁石11の着磁パターンに対して90度の位相差を持つようにもう1つの磁気感応センサ15′を配置すれば良い。
したがって、アキシアルギャップ19は、磁性体で構成されるマグネットホルダ12及びセンサハウジング16によって四方から囲まれている。
そして、センサハウジング16の内筒部16cの下端と軸受内輪2の軸方向端面との間の空隙部20aと、モールド18の円筒部18aとマグネットホルダ12の円環状板部12c及びリング磁石11の内径面との間の空隙部20b及び20cと、アキシアルギャップ19、マグネットホルダ12のフランジ部12dとセンサハウジング16の内筒部16aとの間の空隙部20dとでラビリンス20が形成されている。
今、転がり軸受5の軸受外輪3をハウジング等の固定部に固定するとともに、軸受内輪2内にブラシレスモータ等の三相電動モータ(図示せず)に連結された回転軸(図示せず)を嵌挿した組付状態とする。この状態で、三相電動モータを回転駆動させると、これに応じて軸受内輪2が回転されて、リング磁石11が回転することにより、このリング磁石11に対向して配設された磁気感応センサ15でリング磁石11の着磁パターンに応じた磁界を検出して、軸受内輪2の回転速度に応じた周波数の例えば正弦波でなる検出信号を出力する。
この検出信号を基板17上に実装された信号処理回路21で信号処理してパルス検出信号に変換し、このパルス検出信号が信号線22を介して外部の回転速度測定装置に出力される。この回転速度測定装置では、単位時間当たりのパルス検出信号数を計数するか又はパルス信号のパルス間隔を計測することにより、回転速度を求めることができる。
このようにして、磁気感応センサ15(又は15及び15′)によってリング磁石11で発生される磁界を検出することにより、回転速度(又は回転速度及び回転方向)を検出することができるものであるが、前述したようにブラシレスモータ等の三相電動モータが近接配置されている場合には、この三相電動モータで発生される電気ノイズに起因する外部磁界がリング磁石11で形成される磁界を乱すおそれがある。
このため、これらリング磁石11、磁気感応センサ15及びアキシアルギャップ19が外部に晒されることを防止することができるとともに、マグネットホルダ12及びセンサハウジング16が磁気シールドとしての機能を発揮することができる。この磁気シールド機能によって、近接配置された三相電動モータ等で発生される電気ノイズに起因する外部磁界の変化を遮蔽することができ、リング磁石11で発生する磁界が外部磁界によって乱れることを抑制して磁気感応センサ15によってリング磁石11で発生する磁界を正確に検出して正確な検出信号を出力することができる。
さらに、磁気感応センサ15をモールド18で覆うようにしているので、磁気感応センサ15を構成するIC部を外界から保護することが可能となり、センサIC部の防塵及び防水性を高めることができる。
さらに、当接片16eが軸受外輪3の軸方向端面に当接しているので、この当接片16eを介して軸受外輪3に図1に矢印で示した押圧力を作用させることができ、当接片16eを軸受外輪3の予圧・固定のために使用することができる。
さらに、ラビリンス20を形成する各空隙部20a〜20dは数mm以下とすることが可能であるので、異物の侵入を防ぐことが可能となる。また、外部からの磁性異物がラビリンス20内に侵入した場合には、リング磁石11の内径面で吸着されるので、アキシアルギャップ19すなわち回転位置検出面への侵入を確実に防止することができるとともに、転がり軸受5の内部への侵入も確実に防止することができる。
また、上記第1の実施形態においては、モールド18に形成した円筒部18aによってラビリンス20を形成する空隙部20b及び20cを形成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、円筒部18aを省略してラビリンスの形成を省略することもできる。
この第2の実施形態では、センサハウジング16に形成した把持部16dを当接片16eと、モールド18に形成した延出部とで形成するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態では、図5に示すように、前述した第1の実施形態における図1の構成において、係止片16gを省略し、これに代えて係止片16gの位置にモールド18の外径部からセンサハウジング16の外筒部16aに沿って下方に延長する延出部18bを形成し、この延出部18bの下端に当接片16eを軸受外輪3の軸方向端面に当接させた状態で、係止凹溝7に係止される係止部18cを形成し、さらに軸受内輪2の軸方向端面に、軸方向端面より所定距離だけ転動体4側に段部31を形成するとともに、マグネットホルダ12の加締め部12aを省略し、この段部31にマグネットホルダ12の円筒部12bを圧入固定したことを除いては前述した図1と同様の構成を有し、その詳細説明はこれを省略する。
また、上記実施形態においては、本発明をラジアル転がり軸受に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、スラスト転がり軸受にも本発明を適用することができる。
Claims (8)
- 回転側輪と、
固定側輪と、
前記回転側輪及び前記固定側輪間に介在する転動体と、
前記回転側輪に固定されたマグネットホルダに保持されたリング磁石と、
前記固定側輪に固定されたセンサハウジングに保持されて前記リング磁石と所定間隙を保って軸方向に対向する磁気感応センサとを備え、
前記固定側輪における前記軸方向端面より内側に前記センサハウジングの固定部に係止凹溝を形成し、
前記センサハウジングは、前記固定側輪に固定する固定部に、前記軸方向端面及び前記係止凹溝間を把持する把持部が形成され、
前記把持部は、前記固定側輪の半径方向に突出して前記軸方向端面に当接する複数の当接片と、当該当接片が当該軸方向端面に当接した状態を維持しながら前記係止凹溝に係止される係止部を有する係止片とを少なくとも備えていることを特徴とするセンサ付き転がり軸受。 - 前記当接片及び前記係止片は円周方向に交互に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ付き転がり軸受。
- 前記係止片は、前記センサハウジング内で前記磁気感応センサを覆うように形成したモールドの一部を前記固定部に沿わせて前記係止凹溝まで延長させた延出部で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサ付き転がり軸受。
- 前記マグネットホルダ及び前記センサハウジングを磁性体で構成し、前記マグネットホルダは前記回転側輪及び前記固定側輪間の軸受空間を覆うように配設され、前記センサハウジングは前記マグネットホルダを覆うように断面コ字状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のセンサ付き転がり軸受。
- 請求項1乃至3の何れか1項に記載のセンサ付き転がり軸受を備えたことを特徴とする自動車。
- 請求項1乃至3の何れか1項に記載のセンサ付き転がり軸受を備えたことを特徴とする鉄道車両。
- 請求項1乃至3の何れか1項に記載のセンサ付き転がり軸受を備えたことを特徴とする製鉄設備。
- 請求項1乃至3の何れか1項に記載のセンサ付き転がり軸受を備えたことを特徴とする工作機械。
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JP2006132709A (ja) * | 2004-11-08 | 2006-05-25 | Nsk Ltd | センサ付転がり軸受 |
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