JP5817105B2 - センサ付き転がり軸受、自動車、鉄道車両、製鉄設備及び工作機械 - Google Patents
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Description
しかし、このような嵌め込み構造の場合には、その嵌め込む部位から内部に異物が侵入するという問題が発生する。また、特に、スリットを設けているような場合には、そのスリットを介して内部に異物が侵入してしまう。
本発明の目的は、環状の芯金を嵌め込む構造でも、異物の侵入を抑制することである。
また、請求項2に係る発明は、内輪の外周面及び外輪の内周面に設けた対向する軌道面間に複数の転動体が配列され、内輪の外周面及び外輪の内周面であって各軌道面の側方に、内輪側のシール取り付け用の溝と外輪側のシール取り付け用の溝が軸方向に対して垂直な方向に対向させて設けられ、回転軌道輪を構成する前記内輪に、円周方向で複数の磁極に着磁された磁石第1環状部を有するマグネットホルダで装着し、固定軌道輪を構成する前記外輪に、前記磁石の回転に伴う磁束の変化を検出する磁気センサを第2環状部を有するセンサハウジングで装着して、前記内輪の回転を検出するセンサ付き転がり軸受において、前記内輪に設けられた前記溝に前記第1環状部を嵌合して前記内輪に前記マグネットホルダを装着するときの該溝又はその周辺部位と前記第1環状部との間、及び前記外輪に設けられた前記溝に前記第2環状部を嵌合して前記外輪に前記センサハウジングを装着するときの該溝又はその周辺部位と前記第2環状部との間の少なくとも一方にシール部材を配置し、前記内輪に装着される前記マグネットホルダの第1環状部及び前記外輪に装着される前記センサハウジングの第2環状部のうち少なくとも前記シール部材が配置される側の前記第1環状部及び/又は第2環状部には、軸受空間から前記内輪側のシール取り付け用の溝及び前記外輪側のシール取り付け用の溝のうち少なくとも前記シール部材が配置される側の溝の底部にかけて前記第1環状部及び/又は第2環状部の軸方向及び半径方向に平行に延びるスリットが設けられており、前記シール部材は、前記シール部材が配置される側の前記第1環状部及び/又は第2環状部との間に隙間を作ることなく全面にわたって接しており、前記シール部材は、軸方向外側の側面が前記スリットの軸方向外側にある半径方向に延びる底面よりも軸方向外側に位置するように配置されて、前記スリットを、前記シール部材が配置される側の前記第1環状部及び/又は第2環状部に対して軸受空間の外部に対して閉塞することを特徴とするセンサ付き転がり軸受である。
本実施形態は、センサ付き転がり軸受である。
図1は、本実施形態のセンサ付き転がり軸受の縦断面図を示す。
図1に示すように、センサ付き転がり軸受1では、互いに対向する回転側輪(回転軌道輪)としての軸受内輪2及び固定側輪(固定軌道輪)としての軸受外輪3と、これら軸受内輪2及び軸受外輪3間に介在された多数の転動体4とで転がり軸受5が構成されている。このセンサ付き転がり軸受1は、自動車、鉄道車両、製鉄設備、工作機械等の回転軸に適用して回転速度を検出することができる。
また、軸受内輪2の外周面2aには、軸方向端面より所定距離だけ転動体4側に、軌道面2bに隣接するように、係止凹溝41が円周方向に形成されている。係止凹溝41は、軸受内輪2の外周面2aに対して凹溝となり、略U字形をなしている。
このように、軸受内輪2の外周面2a及び軸受外輪3の内周面3aには、互いに対向するように係止凹溝41,42が形成されている。
また、軸受内輪2には、リング磁石11を保持する磁性体で構成される保持部材であるマグネットホルダ12が嵌合保持されている。さらに、軸受外輪3には、マグネットホルダ12を覆うようにホール素子等の磁気感応センサ15を保持する磁性体で構成される保持部材であるセンサハウジング16が嵌合保持されている。
この図2にも示すように、マグネットホルダ12は、軸受内輪2の係止凹溝41に嵌合される嵌合部12aと、嵌合部12aの軸方向端部から半径方向に転がり軸受5の軸受内輪2及び軸受外輪3間の軸受空間を覆うように延出する円環状板部12bと、円環状板部12bの外周縁から軸方向外方に突出する円筒状のフランジ部12cとから構成されている。
図3は、センサ付き転がり軸受1におけるマグネットホルダ12の嵌合部12a付近の構造を示す。
図3に示すように、より詳しくは、嵌合部12aの内側であって、スリット12dの底面12eよりもマグネットホルダ12の中心側に位置(図3ではスリット12dの底面12eよりもその中心又は接点が高いところに位置)するように、Oリング51が配置されている。
図4は、リング磁石11を示す。
図4に示すように、リング磁石11は、平面から見て、円周方向にN極及びS極に着磁された円弧状の磁石片11aを隣接する磁極が異極性となるように、円周方向にN極及びS極が交互に整列された着磁パターンとなるように構成されている。
このセンサハウジング16には、図5に示す磁気感応センサ15を実装した円環状の基板17が、円環状板部16cに磁気感応センサ15とリング磁石11とが所定間隔を保って対向するように装着されている。
また、基板17には、図5に磁気感応センサ15から出力される磁界強度に応じた電気的検出信号を信号処理する信号処理回路20を備えており、この信号処理回路20で信号処理された検出信号が信号線21を介して外部の回転速度測定装置に出力される。
このようにして、磁気感応センサ15によってリング磁石11で発生される磁界を検出することにより、回転速度又は回転速度及び回転方向を検出することができる。
(作用、効果等)
前述のように、本実施形態では、マグネットホルダ12の嵌合部12aと該嵌合部12aが嵌め込まれる軸受内輪2の係止凹溝41との間にOリング51を配置している。同様に、センサハウジング16の嵌合部16aと該嵌合部16aが嵌め込まれる軸受外輪3の係止凹溝42との間にOリング52を配置している。
(本実施形態の変形例)
本実施形態では、マグネットホルダ12やセンサハウジング16の嵌合部12a,16aに一体的にゴム等からなるシール部材を設けることもできる。
また、本実施形態では、マグネットホルダ12側又はセンサハウジング16側の何れか一方にだけ、前述のようなシール部材を設けることもできる。例えば、嵌合部にスリットを設けていない方には、前述のようなシール部材を設けないようにすることもできる。
また、本実施形態では、リング磁石11及び磁気感応センサ15がアキシャル対向する構成を示したが、ラジアル対向する構成とすることもできる。
Claims (6)
- 内輪の外周面及び外輪の内周面に設けた対向する軌道面間に複数の転動体が配列され、内輪の外周面及び外輪の内周面であって各軌道面の側方に、内輪側のシール取り付け用の溝と外輪側のシール取り付け用の溝が軸方向に対して垂直な方向に対向させて設けられ、回転軌道輪を構成する前記内輪に、円周方向で複数の磁極に着磁された磁石を第1環状部を有するマグネットホルダで装着し、固定軌道輪を構成する前記外輪に、前記磁石の回転に伴う磁束の変化を検出する磁気センサを第2環状部を有するセンサハウジングで装着して、前記内輪の回転を検出するセンサ付き転がり軸受において、
前記内輪に設けられた前記溝に前記第1環状部を嵌合して前記内輪に前記マグネットホルダを装着するときの該溝又はその周辺部位と前記第1環状部との間、及び前記外輪に設けられた前記溝に前記第2環状部を嵌合して前記外輪に前記センサハウジングを装着するときの該溝又はその周辺部位と前記第2環状部との間の少なくとも一方にシール部材を配置し、
前記内輪に装着される前記マグネットホルダの第1環状部及び前記外輪に装着される前記センサハウジングの第2環状部のうち少なくとも前記シール部材が配置される側の前記第1環状部及び/又は第2環状部には、軸受空間から前記内輪側のシール取り付け用の溝及び前記外輪側のシール取り付け用の溝のうち少なくとも前記シール部材が配置される側の溝の底部にかけて前記第1環状部及び/又は第2環状部の軸方向及び半径方向に平行に延びるスリットが設けられており、
前記シール部材はOリングで構成されるとともに、前記Oリングは、前記シール部材が配置される側の溝に対する接点が前記スリットの軸方向外側にある半径方向に延びる底面よりも軸方向外側に位置するように配置されて、前記スリットを、前記シール部材が配置される側の前記第1環状部及び/又は第2環状部に対して軸受空間の外部に対して閉塞することを特徴とするセンサ付き転がり軸受。 - 内輪の外周面及び外輪の内周面に設けた対向する軌道面間に複数の転動体が配列され、内輪の外周面及び外輪の内周面であって各軌道面の側方に、内輪側のシール取り付け用の溝と外輪側のシール取り付け用の溝が軸方向に対して垂直な方向に対向させて設けられ、回転軌道輪を構成する前記内輪に、円周方向で複数の磁極に着磁された磁石第1環状部を有するマグネットホルダで装着し、固定軌道輪を構成する前記外輪に、前記磁石の回転に伴う磁束の変化を検出する磁気センサを第2環状部を有するセンサハウジングで装着して、前記内輪の回転を検出するセンサ付き転がり軸受において、
前記内輪に設けられた前記溝に前記第1環状部を嵌合して前記内輪に前記マグネットホルダを装着するときの該溝又はその周辺部位と前記第1環状部との間、及び前記外輪に設けられた前記溝に前記第2環状部を嵌合して前記外輪に前記センサハウジングを装着するときの該溝又はその周辺部位と前記第2環状部との間の少なくとも一方にシール部材を配置し、
前記内輪に装着される前記マグネットホルダの第1環状部及び前記外輪に装着される前記センサハウジングの第2環状部のうち少なくとも前記シール部材が配置される側の前記第1環状部及び/又は第2環状部には、軸受空間から前記内輪側のシール取り付け用の溝及び前記外輪側のシール取り付け用の溝のうち少なくとも前記シール部材が配置される側の溝の底部にかけて前記第1環状部及び/又は第2環状部の軸方向及び半径方向に平行に延びるスリットが設けられており、
前記シール部材は、前記シール部材が配置される側の前記第1環状部及び/又は第2環状部との間に隙間を作ることなく全面にわたって接しており、前記シール部材は、軸方向外側の側面が前記スリットの軸方向外側にある半径方向に延びる底面よりも軸方向外側に位置するように配置されて、前記スリットを、前記シール部材が配置される側の前記第1環状部及び/又は第2環状部に対して軸受空間の外部に対して閉塞することを特徴とするセンサ付き転がり軸受。 - 請求項1又は2に記載のセンサ付き転がり軸受を備えたことを特徴とする自動車。
- 請求項1又は2に記載のセンサ付き転がり軸受を備えたことを特徴とする鉄道車両。
- 請求項1又は2に記載のセンサ付き転がり軸受を備えたことを特徴とする製鉄設備。
- 請求項1又は2に記載のセンサ付き転がり軸受を備えたことを特徴とする工作機械。
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JP2010263666A JP5817105B2 (ja) | 2010-11-26 | 2010-11-26 | センサ付き転がり軸受、自動車、鉄道車両、製鉄設備及び工作機械 |
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