JP2014159521A - 地盤改良用混合材及び地盤改良方法 - Google Patents

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Tomoyoshi Koyama
智芳 小山
Masahiko Yoshida
雅彦 吉田
Takanobu Sato
貴宣 佐藤
Ichiji Araki
一司 荒木
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Abstract

【課題】コンクリート廃材を用いて地盤改良を行なう場合に、六価クロムの環境への溶出を比較的長期間効果的に抑制できる地盤改良用の混合材及び地盤改良方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、バインダーと、吸着材、不溶化材及び還元剤からなる群から選択される少なくとも1種である六価クロム溶出低減成分とを含む成形体を備え、コンクリート廃材と共に用いられる地盤改良用混合材等である。
【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリート廃材と共に用いられる地盤改良用混合材およびそれを用いた地盤改良方法に関する。
土木工事や建築物の解体等によって発生するコンクリート廃材は、砕石の代替品として地盤改良材に使用されている。
例えば、特許文献1には、砂地盤の液状化を防止するためのドレーン材としてコンクリート廃材を使用することが記載されている。
一方、コンクリート廃材中のセメントからは六価クロムが溶出することが知られている。特に、特許文献1に記載されているようなドレーン材は、コンクリート廃材間に水を透過させることで地盤の液状化を抑制するために、水に溶出した六価クロムが地盤全体に広がりやすい、という問題がある。そこで、コンクリート廃材を地盤改良材として用いる場合に、コンクリート廃材からの六価クロムの溶出を抑制することが従来から検討されている。
例えば、特許文献2には、コンクリート廃材から製造された骨材と酸性土質材料とを混合することで、コンクリート廃材から溶出する六価クロムを酸性土質材料で吸着あるいは還元して、コンクリート廃材からの六価クロムの環境への溶出を抑制することが記載されている。
特許文献3には、コンクリート廃材と高炉徐冷スラグとを共に粉砕した路盤材が記載されており、高炉徐冷スラグによって六価クロムを還元することで環境を汚染することを抑制することが記載されている。
しかしながら、特許文献2に記載の酸性土質材料及び特許文献3に記載の粉砕高炉徐冷スラグは、いずれも空気にさらされることなどによって還元効果が低下するため、六価クロム溶出抑制効果を長期期間維持できないという問題がある。また、特許文献2に記載の酸性土質材料は、吸着性能が充分ではないため、コンクリートからの六価クロム溶出量が多い場合には、地盤中への溶出を充分に抑制できないおそれがある。
特開2002−81051号公報 特開2011−217772号公報 特開2008−127968号公報
そこで、本発明は、上記のような従来の問題を鑑みて、コンクリート廃材を用いて地盤改良を行なう場合に、六価クロムの地盤への溶出を比較的長期間効果的に抑制できる地盤改良用混合材及び地盤改良方法を提供することを課題とする。
本発明に係る地盤改良用混合材は、バインダーと、吸着材、不溶化材及び還元剤からなる群から選択される少なくとも1種である六価クロム溶出低減成分とを含む成形体を備え、コンクリート廃材と共に用いられるものである。
バインダーと、吸着材、不溶化材及び還元剤からなる群から選択される少なくとも1種である六価クロム溶出低減成分とを含む成形体を備えることによって、六価クロム溶出低減成分が成形体の内部に存在するため、コンクリート廃材と共に地盤改良に用いた際に、コンクリートから溶出された六価クロムを、前記六価クロム溶出低減成分によって、成形体の内部において吸着、不溶化あるいは還元するため、六価クロム及び還元物を成形体の内部にとどめることができ、地盤中への六価クロムの溶出が抑制できる。
また、成形体中にバインダーと共に六価クロム溶出低減成分が含まれていることで、六価クロム溶出成分が変質または流出しにくく、比較的長期間六価クロム溶出抑制効果が維持できる。
本発明では、前記不溶化材は、酸化マグネシウム及びドロマイトからなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。
本発明では、前記吸着材は、ゼオライト、珪藻土、アタパルジャイト及び活性炭からなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。
本発明では、前記還元剤は、第一酸化鉄塩、亜硫酸塩、硫化物塩及び硫黄からなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。
本発明では、前記成形体は、前記六価クロム溶出低減成分として前記還元剤と、前記吸着材及び前記不溶化材からなる群から選択される少なくとも1種とを含んでいてもよい。
前記成形体が、前記六価クロム溶出低減成分として前記還元剤と、前記吸着材及び前記不溶化材からなる群から選択される少なくとも1種とを含むことによって、還元剤による六価クロムの還元作用により、六価クロムを無害化すると同時に、前記吸着材、前記不溶化材によって、六価クロム及びその還元物を吸着あるいは不溶化して成形体内にとどめることができ、地盤中へ六価クロムが溶出することをより抑制できる。
また、本発明では、前記六価クロム溶出低減成分として前記還元剤を含む成形体と、前記六価クロム溶出低減成分として前記吸着材及び前記不溶化材からなる群から選択される少なくとも1種とを含む成形体とを備えていてもよい。
前記六価クロム溶出低減成分として前記還元剤を含む成形体と、前記吸着材及び前記不溶化材からなる群から選択される少なくとも1種とを含む成形体とを備えていることにより、還元剤を含む成形体によって六価クロムを還元し無害化することができると同時に、前記吸着材及び前記不溶化材からなる群から選択される少なくとも1種とを含む成形体によって六価クロムを吸着、あるいは不溶化して、成形体内にとどめることができ、地盤中へ六価クロムが溶出することをより抑制できる。
本発明に係る地盤改良方法は、地盤に、コンクリート廃材と、前記地盤改良用混合材とを埋設する方法である。
本発明によれば、コンクリート廃材を用いて地盤改良を行なう場合に、六価クロムの環境への溶出を比較的長期間効果的に抑制できる。
以下、本発明に係る地盤改良用混合材及び地盤改良方法の一実施形態について説明する。
まず、本実施形態の地盤改良用混合材について説明する。
本実施形態の地盤改良用混合材は、バインダーと、吸着材、不溶化材及び還元剤からなる群から選択される少なくとも1種である六価クロム溶出低減成分とを含む成形体を備え、コンクリート廃材と共に用いられる地盤改良用混合材である。
(バインダー)
バインダーは、本実施形態の混合材を成形可能にする成分である。後述する六価クロム溶出成分と混合して成形可能にすることができるバインダーであれば特に限定されるものではないが、例えば、高炉水砕スラグ微粉末、消石灰、生石灰等の石灰、石膏等が挙げられる。
これらのバインダーは単独又は2種類以上を組合せて使用することができる。
バインダーとしては、高炉水砕スラグ微粉末が、水硬性があり且つ自身からの六価クロムの溶出が少ないため好ましく、高炉水砕スラグ微粉末と石灰とを併用することが、硬化強度増進作用が高く成形体の強度が高くなるためさらに好ましく、高炉水砕スラグ微粉末と石灰と石膏とを併用することが、より成形体の強度が高くなるため、最も好ましい。
成形体におけるバインダーの含有量は、例えば、1質量%以上70質量%以下、好ましくは5質量%以上65質量%以下程度である。
バインダーの含有量が前記範囲である場合には、成形体を成形しやすくなり、且つ成形体の強度も適切であるため好ましい。
バインダーに高炉水砕スラグ微粉末を配合する場合の、高炉水砕スラグ微粉末の含有量としては、例えば、10質量%以上100質量%以下、好ましくは30質量%以上99質量%以下程度である。
高炉水砕スラグ微粉末の含有量が前記範囲であれば、成形が容易にでき、成形体の強度の低下も抑制できるため好ましい。
バインダーに石灰を配合する場合の石灰の含有量としては、例えば、0.9質量%以上70質量%以下、好ましくは5質量%以上30質量%以下程度である。
石灰の含有量が前記範囲であれば、成形が容易にでき、成形体の強度の低下も抑制できるため好ましい。
バインダーに石膏を配合する場合の石膏の含有量としては、例えば、0質量%以上20質量%以下、好ましくは5質量%以上18質量%以下であることが好ましい。
石膏の含有量が前記範囲であれば、成形が容易にでき、成形体の強度の低下も抑制できるため好ましい。
(六価クロム溶出低減成分)
前記六価クロム溶出低減成分としては、吸着材、不溶化材及び還元剤からなる群から選択される少なくとも1種を用いる。
尚、本実施形態において六価クロム溶出低減成分とは、六価クロムと共に存在した場合に、六価クロムを吸着し、不溶化し、又は還元することによって、環境中に六価クロムが溶出する量を低減できる成分をいう。
《不溶化材》
不溶化材とは、六価クロムを溶出しにくい形にする(不溶化する)性質を有するものである。かかる性質を有する材料であれば特に限定されるものではないが、例えば、酸化マグネシウム、ドロマイト等が挙げられる。
前記不溶化材は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、酸化マグネシウムが六価クロムの不溶化能力が大きいため好ましい。
ドロマイトとしては、ドロマイト鉱石を粉砕したもの、焼成ドロマイト、軽焼ドロマイトなどが挙げられる。
酸化マグネシウムとしては、工業用として用いられる粉末状酸化マグネシウムなどが挙げられる。
六価クロム溶出低減成分として不溶化材を用いた場合には、成形体における不溶化材の含有量は、例えば、4質量%以上90質量%以下、好ましくは30質量%以上70質量%以下程度である。
不溶化材の含有量が前記範囲である場合には、六価クロムを確実に不溶化できるため好ましい。
《吸着材》
吸着材とは、六価クロムを吸着する性質を有する材料であれば特に限定されるものではないが、例えば、天然ゼオライト、人工ゼオライト、合成ゼオライト等のゼオライト、珪藻土、アタパルジャイト、活性炭等が挙げられる。
前記吸着材は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、ゼオライトが六価クロムの吸着能力が大きいため好ましい。
吸着材の形状は、粉末状であると吸着性が良好であるため好ましい。
六価クロム溶出低減成分として、吸着材を用いた場合には、成形体における吸着材の含有量は、例えば、4質量%以上90質量%以下、好ましくは30質量%以上70質量%以下程度である。
吸着材の含有量が前記範囲である場合には、充分な量の六価クロムを確実に吸着できるため好ましい。
《還元剤》
本実施形態における還元剤とは、六価クロムを三価クロムに還元する性質を有する物質をいう。前記性質を有する物質であれば特に限定されるものではないが、還元剤としては、例えば、硫酸第一鉄等の第一酸化鉄塩、亜硫酸カルシウム等の亜硫酸塩、硫化ナトリウム等の硫化物塩、硫黄等が挙げられる。
前記還元剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、硫酸第一鉄が安価で取り扱いが容易であるため好ましい。
六価クロム溶出低減成分として、還元剤を用いた場合には、成形体における還元剤の含有量は、例えば、4質量%以上90質量%以下、好ましくは7質量%以上50質量%以下程度である。
具体的には、例えば、還元剤として硫酸第一鉄を用いた場合には、成形体におけるFeSO4換算で成形体において6質量%以上50質量%以下、好ましくは12質量%以上35質量%以下、還元剤として亜硫酸カルシウムを用いた場合にはCaSO3換算で成形体において4質量%以上40質量%以下、好ましくは9質量%以上30質量%以下の範囲で含有されていることが好ましい。
還元剤の含有量が前記範囲である場合には、比較的長期間、六価クロムを還元する作用を維持できるため好ましい。
六価クロム溶出低減成分としては、前記不溶化材、吸着材、還元剤を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いても良い。
2種以上の六価クロム溶出低減成分を組み合わせて用いる場合には、還元剤と、吸着材及び不溶化材からなる群から選択される少なくとも1種とを組み合わせることが好ましく、特には、不溶化材、吸着材、還元剤の3つの成分を組み合わせることが好ましい。
還元剤と、吸着材及び不溶化材からなる群から選択される少なくとも1種とを併用することによって、以下のような利点がある。
すなわち、還元剤による六価クロムを三価クロムへ還元する作用は、還元剤が空気中の酸素と接触することなどにより低下していくため、長期間経過すると六価クロムの溶出抑制作用が低下するおそれがあるが、吸着材及び不溶化材からなる群から選択される少なくとも1種とを併用することで、還元剤による還元作用が低下した後でも、吸着あるいは不溶化作用によって、環境への六価クロムの溶出を抑制することができる。
従って、比較的長期間六価クロムの溶出抑制作用が継続して発揮しうる。
六価クロム溶出低減成分として、還元剤と、吸着材及び不溶化材からなる群から選択される少なくとも1種とを併用した場合には、成形体における各六価クロム溶出低減成分の含有比率は、例えば、還元剤1質量部に対して、吸着材及び不溶化材の合計量が0.5質量部以上10質量部以下、好ましくは1質量部以上8質量部の比率になることが好ましい。
還元剤と、他の六価クロム溶出低減成分の比率が前記範囲である場合には、六価クロムの溶出低減効果が大きくなるため好ましい。
(水)
本実施形態の成形体には水が配合されていてもよい。水を配合することでバインダーと六価クロム溶出低減成分とを成形しやすくできる。
成形体における水の含有量は、例えば、3質量%以上70質量%以下、好ましくは、15質量%以上50質量%以下である。
水の含有量が前記範囲である場合には、例えば、後述するように成形体を造粒物として得る場合にバインダーと六価クロム溶出低減成分と水とを混合することで容易に粒状の成形体(造粒物)を得ることができるため好ましい。
本実施形態の成形体には必要に応じて、粘土粉末、細砂、炭酸カルシウム粉末等の他の成分が配合されていてもよい。
他の成分が配合される場合には、成形体における含有量は0質量%超20質量%以下程度であることが成形体の強度の調整及びサイズの調整が容易となるため好ましい。
本実施形態の成形体は、前記各成分を混合して成形されたものであって地盤改良用の混合材として地盤に混合可能なものであれば、どのような形状であってもよく、例えば、粒状体、板状体、棒状等、が挙げられる。
中でも、粒状体であることが地盤改良用の混合材としてコンクリート廃材と共に地盤に混合しやすいことから好ましい。
粒状体とは造粒したもの、あるいは板状や塊状に成形した後に粉砕することで粒状にしたものであってもよい。
成形体を粒状体とした場合には、例えば、0.075mm以上40mm以下程度、好ましくは2mm以上10mm以下の粒状体であることが、地盤に混合しやすく、且つ、効果的に六価クロムの溶出を防止できるため好ましい。
尚、本実施形態において0.075mm以上40mm以下の粒状体とは、JIS Z 8801−1「試験用ふるい」に記載の目開き40mmのふるいを通過し、0.075mmのふるい上に残留することをいう。但し、40mmのふるい上に残留するものが5質量%程度含まれていてもよい。
本実施形態の地盤改良用混合材の変形例としては、異なる六価クロム溶出低減成分を含む複数種類の成形体を備えていてもよい。
例えば、還元剤を含む成形体と、吸着材及び不溶化材からなる群から選択される少なくとも1種とを含む成形体とを備えた混合材、あるいは、還元剤、吸着材、不溶化材をそれぞれ含む成形体を備えた混合材等が挙げられる。
中でも、還元剤を含む成形体と、吸着材及び不溶化材からなる群から選択される少なくとも1種とを含む成形体とを備えた混合材が好ましい。
この場合、還元剤を含む成形体と、吸着材及び不溶化材からなる群から選択される少なくとも1種とを含む成形体との含有比率は、混合材中における還元剤の質量と、吸着材及び不溶化材の合計質量とが1:1〜1:8になるような比率であることが好ましい。
さらに本実施形態の地盤改良用混合材の変形例としては、異なる種類の還元剤、吸着材、不溶化材をそれぞれ含む成形体を備えている混合材であってもよい。すなわち、酸化マグネシウムを含む成形体と、ドロマイトを含む成形体とを備えている混合材、ゼオライトを含む成形体と、珪藻土を含む成形体を備えた混合材、第一酸化鉄を含む成形体と、亜流酸カルシウムを含む成形体を備えた混合材、または、これらの成形体を種々の組み合わせで備えている混合材等が挙げられる。
本実施形態の地盤改良用混合材は、コンクリート廃材と共に用いられる。
本実施形態でいうコンクリート廃材とは、土木工事や、構造物の解体等によって発生するコンクリートまたはモルタル硬化体の廃材を意味する。
本実施形態で用いるコンクリート廃材としては、所定の大きさに粉砕されている粉砕コンクリート廃材が好ましい。
前記コンクリート廃材は、地盤改良のために軟弱な地盤の土壌中に砕石の代わりに混合することで、地盤改良を行なうことができる。
本実施形態の地盤改良混合材は、コンクリート廃材を土壌に混合する際に、コンクリート廃材と共に混合することで、コンクリート廃材中のセメントから溶出される六価クロムが土壌中に溶出されることを抑制できる。
本実施形態の地盤改良用の混合材は、特に、グラベルドレーン用ドレーン材としてコンクリート廃材を用いる場合に、コンクリート廃材と共に用いられることが好ましい。
グラベルドレーン工法は、砂を多く含む土壌から構成される砂地盤中に透水性の高いドレーン材を埋めることで、砂地盤の液状化現象を抑制する地盤改良法であるが、かかるドレーン材としてコンクリート廃材を用いた場合には、コンクリート廃材の間を地下水などの水が透過するため水中に六価クロムが溶出しやすく、さらに水によって地盤全体に六価クロムが拡散しやすい。
本実施形態の混合材をコンクリート廃材と共に用いることで、コンクリート廃材をグラベルドレーン用ドレーン材として用いた場合でも、六価クロムの溶出を抑制することができる。
次に、本実施形態の地盤改良方法について説明する。
本実施形態の地盤改良方法は、地盤に、コンクリート廃材と、前述したような本実施形態の地盤改良用混合材とを埋設する。
コンクリート廃材と、地盤改良用混合材とは、地盤に埋設する前に混合しておいてから、該混合物を埋設してもよく、あるいは、コンクリート廃材と地盤改良用混合材とを別々に地盤に埋設してもよい。
コンクリート廃材と地盤改良用混合材との混合比率は、例えば、コンクリート廃材100質量部に対して、混合材5質量部以上1000質量部以下、好ましくは、5質量部以上100質量部以下程度である。
コンクリート廃材と地盤改良用混合材との混合比率が前記範囲である場合には、充分に地盤改良が得られると同時に、六価クロムの溶出抑制効果も高いため好ましい。
前記コンクリート廃材及び混合材を地盤に埋設する方法は、例えば、地盤を構成する土壌に前記コンクリート廃材及び混合材を混合する方法、グラベルドレーン工法において土壌中に設置された円筒形の掘削孔に設置されたケーシング内に前記コンクリート廃材及び混合材をドレーン材として充填することで埋設する方法等が挙げられる。
前記コンクリート廃材及び混合材を土壌に混合する場合の、土壌に対する前記コンクリート廃材及び混合材の混合比率は、例えば、5質量%以上100質量%以下程度であることが好ましい。
前記混合量の範囲であれば、充分に地盤改良効果が得られると同時に、六価クロムの溶出抑制効果も高いため好ましい。
グラベルドレーン工法において、前記コンクリート廃材及び混合材をドレーン材として充填する場合には、前記コンクリート廃材及び混合材の混合物は、埋設される土壌の水平方向の透過係数の400倍から1000倍程度になるように、粒径などを調整することが好ましい。
前記各実施形態にかかる地盤改良用混合材および地盤改良方法は以上のとおりであるが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以下に実施例を示して、本発明にかかる地盤改良用混合材および地盤改良方法についてさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実験1)
成形体用の材料として以下のものを準備した。
[バインダー材料]
・消石灰(商品名:SA149、秩父石灰工業社製)
・高炉水砕スラグ微粉末(商品名:スミットメント、住金鉱化社製)
・無水石膏(商品名:タイ産天然無水石膏粉砕物、ブレーン比表面積4500cm2/g)

[六価クロム溶出低減成分材料]
・吸着材:天然ゼオライト(商品名:日東ゼオライト #150、日東粉化工業社製)、珪藻土(商品名:ラジオライト、昭和化学工業社製)、活性炭(商品名:特級試薬、和光純薬社製)。
・不溶化材:酸化マグネシウム(商品名:化学用試薬、和光純薬社製)、ドロマイト粉末(商品名:軽焼ドロマイト、河合石灰工業社製)
・還元剤:硫酸第一鉄(化学用試薬、キシダ化学社製)、亜硫酸カルシウム(化学用試薬、キシダ化学社製)
前記材料を表1及び表2の比率としてバインダーa,b及び六価クロム溶出低減成分A乃至Hを作成し、これを用いて表3の配合でそれぞれ成形体No.1至8を作成した。
成形体の作成方法は、まず、造粒ミキサー(R08W、日本アイリッヒ社製)に、還元剤、不溶化材、吸着材を入れて1分間混合し、バインダーを入れてさらに1〜3分間混合した後、水を徐々に加えながら、5〜10分間混合して、粒状の成形体を作成した。
その後、28日間、約20℃の環境で養生したものを、公称目開き9.5mmのふるいを通過し、且つ0.075mmのふるい上に残留した成形体を得た。
Figure 2014159521
Figure 2014159521
Figure 2014159521
一方、コンクリート廃材として、築30年経過した建築物表面から採取したコア(直径15cm高さ約40cmの円柱状コンクリート片)を、粉砕装置(RJ−0503、前川工業所社製)を用いて粉砕し、屋外で10〜30日間保管し、公称目開き9.5mmのふるいを通過し且つ0.075mmのふるい上に残留したものを準備した。
を準備した。
前記成形体およびコンクリート廃材を表4に示す混合比率で混合して、実施例1乃至13及び比較例1の地盤改良用混合材を得た。
各混合物およびコンクリート廃材を用いて、溶出試験を行なった結果を表4に示す。
溶出試験は、地盤改良用混合材100gを蒸留水1リットルに浸漬し、28日間経過後の六価クロムの溶出量を、JIS K 0102に準拠して測定した。
Figure 2014159521
表4に示すように、コンクリート廃材のみを用いた比較例1では0.08mg/Lの六価クロムが溶出されていたが、混合物を用いた各実施例ではいずれも六価クロムの溶出が抑制されていた。
(実験2:水とバインダーの比率による成形性への影響)
成形体のバインダーおよび水の配合を表5に示す配合として、実験1と同様に成形体No.9乃至15を作成した結果を表5に示す。
Figure 2014159521
表5に示すように、水の量が少なすぎる場合、及びバインダーの量が少なすぎる場合には、造粒できなかった。また、水の量が多すぎる場合には、造粒ができたが柔らかすぎで崩壊しやすく強度不足であった。
さらに、前記表5に示すNo.10,13,14,15の4種類の成形体を用いた混合物(実施例14乃至17)について、実験1と同様の溶出試験を行った結果を表6に示す。
Figure 2014159521
表6の結果から、バインダーの割合が多い実施例16および17は、やや六価クロムの溶出の抑制力が低下していた。
(実験3:バインダーの成分による影響)
成形体のバインダーとして表7のものを作成した(バインダーc〜h)。かかるバインダーを用いて表8の配合で実験1と同様に成形体を作成した結果およびバインダーd、e及びgを用いた成形体を用いた混合物(実施例18乃至20)で実験1と同様に溶出試験を行なった結果を表8に示す。
Figure 2014159521
Figure 2014159521
表8に示すように、バインダーの成分として消石灰が少ない、または多すぎると、成形性(造粒性)は悪くなることが判った。
また、バインダーの成分として石膏が多すぎる場合も成形性(造粒性)が悪くなることが判った。すなわち、成形体を造粒によって作製する場合には、バインダーの種類が影響することがあきらかになった。
(実験4:六価クロム溶出低減成分の影響)
成形体の六価クロム溶出低減成分として表9に示すもの(H〜K)を用いて、実験1と同様に成形体(No.22〜25)を作成した結果を表10に示す。
Figure 2014159521
Figure 2014159521
成形体中の還元剤の量が多すぎる成形体(No.25)は、造粒できたが柔らかすぎで崩壊しやすく強度不足であった。
さらに、前記表10に示すNo.22乃至24の3種類の成形体を用いた混合物(実施例21乃至23)
について、実験1と同様の溶出試験を行った結果を表11に示す。
Figure 2014159521
表11に示すように、吸着材と還元剤とが1:1で含まれている成形体(No.24)を用いた実施例23は六価クロムの溶出を最も抑制できた。
(実験5:長期溶出試験)
以下の成形体材料から、実験1と同様に作製した成形体と、コンクリート廃材とを1:1の質量比で混合した混合材を用いて、実験1と同様の溶出試験を行った結果を表12に示す。
[成形体材料]
・バインダー:消石灰20質量部、高炉水砕スラグ100質量部
・六価クロム溶出低減成分:天然ゼオライト100質量部、硫酸第一鉄100質量部
[成形体配合]
・六価クロム溶出低減成分100質量部、バインダー30質量部、水25質量部
Figure 2014159521
比較例2〜4として、コンクリート廃材に、以下の粉末状の各吸着材、還元剤、吸着材と還元剤の混合物を混合したものについて、実験1と同様の溶出試験を行った結果を表13に示す。
・吸着材:天然ゼオライト(商品名:日東ゼオライト #150、日東粉化工業社製)
・還元剤:硫酸第一鉄(化学用試薬、キシダ化学社製)
・混合粉末:天然ゼオライト:硫酸第一鉄=1:1(質量比)で混合したもの
Figure 2014159521
表12に示すように、実施例24では、6ヶ月経過後にも六価クロムの溶出が抑制されていた。これに対して表13に示すように、粉末の状態の吸着材、還元剤をコンクリート廃材と混合した各比較例では、時間が経過すると次第に六価クロムの溶出低減効果が低下することが明らかであった。
(実験6:還元剤の影響)
以下の成形体材料から、実験1と同様に作製した成形体とコンクリート廃材とを1:1の質量比で混合した混合材を用いて、実験1と同様の溶出試験を行った結果を表14に示す。
[成形体材料]
・バインダー:消石灰20質量部、高炉水砕スラグ100質量部
・六価クロム溶出低減成分:硫黄
[成形体配合]
・六価クロム溶出低減成分100質量部、バインダー200質量部、水25質量部
Figure 2014159521
表14に示すように、六価クロム溶出低減成分として還元剤である硫黄のみを含む場合にも、六価クロムの溶出は抑制されていた。

Claims (7)

  1. バインダーと、吸着材、不溶化材及び還元剤からなる群から選択される少なくとも1種である六価クロム溶出低減成分とを含む成形体を備え、コンクリート廃材と共に用いられる地盤改良用混合材。
  2. 前記不溶化材は、酸化マグネシウム及びドロマイトからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の地盤改良用混合材。
  3. 前記吸着材は、ゼオライト、珪藻土、アタパルジャイト及び活性炭からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の地盤改良用混合材。
  4. 前記還元剤は、第一酸化鉄塩、亜硫酸塩、硫化物塩及び硫黄からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地盤改良用混合材。
  5. 前記成形体は、前記六価クロム溶出低減成分として、前記還元剤と、前記吸着材及び前記不溶化材からなる群から選択される少なくとも1種とを含む請求項1乃至4のいずれか一項に記載の地盤改良用混合材。
  6. 前記六価クロム溶出低減成分として前記還元剤を含む成形体と、前記六価クロム溶出低減成分として前記吸着材及び前記不溶化材からなる群から選択される少なくとも1種とを含む成形体とを備えている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の地盤改良用混合材。
  7. 地盤に、コンクリート廃材と、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の地盤改良用混合材とを埋設する地盤改良方法。
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