JP2014159502A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】1Pa・s以下の低粘度であり、且つ耐熱着色性と耐光着色性に優れたエポキシ化合物を含む常温で液体のエポキシ樹脂組成物並びに硬化物を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で示されるエポキシ化合物と、

(式中、Aは置換基を有していてもよく、架橋構造を有していてもよい炭素数5〜7の環状化合物を表し、nは2または3を表す。)硬化剤とを含有し、エポキシ化合物が99.9〜30重量%、硬化剤が0.1〜70重量%であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本願発明はエポキシ樹脂組成物に関し、より詳しくは耐熱着色性と耐光着色性に優れた常温で液体のエポキシ樹脂組成物に関するものである。
エポキシ化合物を主剤とするエポキシ樹脂組成物は、硬化機構の多様性、強固な接着性、優れた電気絶縁性、比較的安価に入手できる経済性などの利点をもつことから、塗料分野、電気電子分野、土木建築分野と広範囲に利用されている。電気電子分野では、耐熱性や耐光性など耐候性の観点から利用されることが多い。
電気電子分野に使用されるエポキシ樹脂組成物は、注型、封止、積層等の部品実装を目的として使用されるが、実装ラインにおけるハンドリング性の観点から固体よりは液体が好まれる。さらに近年においては、電子部品や電気機器の小型化、薄型化のため、狭い実装エリアに空隙なく樹脂組成物を充填する目的で、より低粘度の液体エポキシ樹脂組成物が好まれる傾向にある。エポキシ樹脂組成物として最も一般的なものが、グリシジルエーテルタイプ、中でもビスフェノールAエポキシ樹脂を主剤として用いた樹脂組成物であり、液体低粘度グレードが多数市販されている。液状タイプとしては粘度10〜100Pa・sのものが多く、一般的に低粘度タイプとは粘度1〜10Pa・sを指すことが多い。
ビスフェノールAエポキシ樹脂は芳香環を有するため、耐光着色性が劣ることがよく知られている。これに対し、特許文献1に記載の3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′エポキシシクロヘキシルカルボキシレートに代表される脂環式エポキシ化合物を主剤とする樹脂およびこの変性物は、芳香環由来の光吸収がなく、耐光着色性が優れる。とくに3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′エポキシシクロヘキシルカルボキシレートは、粘度も0.3Pa・sと低いため、耐熱着色性、耐光着色性が要求される精密実装用途には広く使用されている。
しかしながら、昨今、電気電子分野においては機器の高性能化を目的として、各種部材に高電流・高電圧・高周波・高照度への対応が求められる傾向にある。部材の単位密度あたりに与える熱や光の影響は増すばかりであり、耐熱着色性、耐光着色性の点において上記エポキシ樹脂では対応できなくなっている。
また、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌル酸を用いたエポキシ樹脂組成物は耐熱着色性、耐光着色性に優れる(特許文献2)。しかしながら、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌル酸は常温で固体であるためハンドリング性に劣る。また、液体変性したものも提案されている(特許文献3)が、粘度は高く、いわゆる粘稠性状を示し、精密実装用途としては、実装時に部品間の微細な間隙に樹脂が完全に流れ込まない、あるいは気泡を混入したまま硬化するなどの問題がある。
耐熱着色性、耐光着色性の点においてシロキサン結合を有する化合物が極めて優れていることはよく知られており、付加または縮合重合反応により硬化させるシリコーン樹脂組成物(特許文献4)、あるいはエポキシ樹脂とシロキサン分子を組み合わせたハイブリッド構造を持つ組成物(特許文献5)などが提案されている。
しかしながら、一般に、シリコーン樹脂組成物は粘度が1〜100Pa・sであり、高粘度であるといえる。これはシリコーンモノマーのシロキサン結合の長さに由来する。シロキサン結合が数千のとき、シリコーンモノマーはオイルまたは蝋状の性状を示し、本分野における熱または光にて重合硬化する樹脂組成物としては使用できない。
さらに、シロキサン結合が10,000程度になると、いわゆるレジンタイプ、ゴムタイプとよばれる性能が出現するが、樹脂組成物としては高粘度である。また、樹脂組成物を低粘度化する簡便な手法として、トルエンなどの有機溶剤で希釈することがおこなわれているが、硬化反応時における加熱により溶剤が揮発するため、製造ライン設備に対して与える影響を勘案すると、この手法は不適である。
特許公開2000−196151 特許公開2006−193570 特許3368680 特許公開2009−215434 特許公開2012−87248
本願発明は、以上のような問題を鑑み、1Pa・s以下の低粘度であり、且つ耐熱着色性と耐光着色性に優れたエポキシ化合物を含む常温で液体のエポキシ樹脂組成物並びに硬化物を提供することを目的とする。
本願発明者は、上記課題を解決する為、鋭意検討した結果、下記一般式(1)で示される少なくとも3個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と、
(式中、Aは置換基を有していてもよく、架橋構造を有していてもよい炭素数5〜7の環状化合物を表し、nは2または3を表す。)
硬化剤を含有し、
エポキシ化合物が99.9〜30重量%、硬化剤が0.1〜70重量%であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物が、低粘度で取扱い易く、且つ耐熱着色性と耐光着色性に優れたことを見出し、本願発明を完成するに至った。
本願発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、以下に耐熱着色性と耐光着色性に優れたエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂組成物を提供する。
項1. 下記一般式(1)で示される少なくとも3個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と、
(式中、Aは置換基を有していてもよく、架橋構造を有していてもよい炭素数5〜7の環状化合物を表し、nは2または3を表す。)
硬化剤を含有し、
エポキシ化合物が99.9〜30重量%、硬化剤が0.1〜70重量%であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
項2.
上記一般式(1)中、Aが下記一般式(2)、又は一般式(3)で表される脂環式エポキシ化合物である項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基を表し、mは0〜2の整数を表す。)
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基を表し、Xは置換または無置換のメチレン基、置換または無置換のエチレン基、アミノ基、酸素原子、硫黄原子を表す。)
項3. 硬化剤として常温で液体の酸無水物を含有する項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
項4. 項1〜3に記載のエポキシ樹脂組成物を熱、または光硬化させることによって得られる硬化物。
項5. 項4に記載の硬化物で発光素子が封止されていることを特徴とする発光ダイオード。
本願発明によれば、分子内に環状脂肪族骨格と3個以上のエポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物を含有するエポキシ樹脂組成物は、常温で液体且つ低粘度であり、且つ耐熱変色性、耐光変色性に優れるため、電気電子分野において注型、封止、積層等の部品実装を目的として使用される際、実装ラインにおけるハンドリング性および充填性が良好となり、電子部品、光学部品、精密機構部品の封止剤や接着剤、コーティング剤を提供することができる。
以下、本願発明を詳細に説明する。
エポキシ樹脂組成物
本発明のエポキシ樹脂組成物は、下記一般式(1)で示される少なくとも3個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と、
(式中、Aは置換基を有していてもよく、架橋構造を有していてもよい炭素数5〜7の環状化合物を表し、nは2または3を表す。)
硬化剤を含有し、
エポキシ化合物が99.9〜30重量%、硬化剤が0.1〜70重量%であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、常温常圧で液状の態をなし、取扱いが簡便である。エポキシ樹脂組成物の粘度は、1Pa・s以下であることが好ましい。上記粘度であれば、封止の際の作業効率の点で問題なく使用することが可能である。
エポキシ化合物
本願発明に用いるエポキシ化合物は、
下記一般式(1)で示される少なくとも3個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物であれば、特に制限なく用いることができる。
(式中、Aは置換基を有していてもよく、架橋構造を有していてもよい炭素数5〜7の環状化合物を表し、nは2または3を表す。)
上記一般式(1)中、Aが下記一般式(2)、又は一般式(3)のいずれかである脂環式エポキシ化合物が好ましい。
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基を表し、mは0〜2の整数を表す。)
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基を表し、Xは置換または無置換のメチレン基、置換または無置換のエチレン基、アミノ基、酸素原子、硫黄原子を表す。)
本願発明のエポキシ化合物としては、具体的には、耐熱着色性と耐光着色性を満足させる観点から、2個のグリシジルエーテル基と1個の脂環式エポキシ基を持つものを最適な構造として例示することができ、着色の原因となる硫黄原子やハロゲン原子を含まないもの、および炭素−炭素不飽和結合を含まないがないものが好ましく、液体としての性状を保つため分子構造の対称性が崩れているものがより好ましい。
本願発明に用いることのできるエポキシ化合物としては、以下の構造を有するエポキシ化合物を例示することができる。また、以下の構造を有するエポキシ化合物を2種以上混合して用いてもよい。
(式中、Rは水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
上述したエポキシ化合物の中でも、以下に示す化合物から選択されるエポキシ化合物が好ましい。
さらに、以下に示す化合物から選択されるエポキシ化合物がより好ましい。
上述した一般式(1)で表されるエポキシ化合物は、公知の製造方法によって製造することができる。製造方法としては、特に限定されないが、酸触媒の存在下、酸無水物とアリルアルコールとを反応させてアリルエステル化合物を得て、次いで過酸化物を用いて、エポキシ化する方法などを例示することができる。
以下にエポキシ化合物の製造方法を例示する。
1)アリルエステル化合物の製造
本願発明のアリルエステル化合物の製造に用いる酸無水物としては、下記一般式(4)、または一般式(5)で表される酸無水物を使用することができる。
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基を表し、mは0〜2の整数を表す。)
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基を表し、Xは置換または無置換のメチレン基、置換または無置換のエチレン基、アミノ基、酸素原子、硫黄原子を表す。)
一般式(4)で示される具体的な酸無水物としては、例えば、以下の構造を有する化合物を例示することができる。
一般式(5)で示される具体的な酸無水物としては、例えば、以下の構造を有する化合物を例示することができる。
(式中、Rは水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
エステル化反応に使用する酸触媒としては、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ニオブ酸等の固体酸触媒や、硫酸、リン酸、塩酸、ヘテロポリ酸等の無機酸等を例示することができる。酸触媒の使用量は、原料である酸無水物の使用量に対して、0.0001〜1当量の範囲であればよく、0.01〜0.5当量の範囲が好ましい。
アリルアルコールの使用量としては、原料である酸無水物の使用量に対して、1〜20当量の範囲であればよく、2〜10当量の範囲が好ましい。
また、必要に応じて有機溶媒を使用することもできる。エステル化反応に用いることのできる有機溶媒としては、通常、反応に用いることのできるものであれば特に制限無く用いられるが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒を例示することができる。また、反応原料であるアリルアルコールを溶媒としても使用することも可能である。
エステル化反応の温度は、通常、室温〜溶媒の還流温度の範囲であればよく、室温〜100℃の範囲が好ましく、50〜90℃の範囲がより好ましい。反応時間は、5〜20時間であればよく、8〜15時間が好ましい。上記エステル化反応で得られたアリルエステル化合物を次のエポキシ化反応に用いることができる。
2)エポキシ化合物の製造
上記反応で得られたアリルエステル化合物に過酸化物を用いて、エポキシ化することにより、上述した一般式(1)で表されるエポキシ化合物が得られる。
エポキシ化反応に用いる過酸化物としては、メタクロロ過安息香酸、過カルボン酸、過酸化水素などを例示することができる。エポキシ化反応に用いる過酸化物の使用量は、反応に用いるアリルエステル化合物に対して、1〜10当量の範囲であればよく、1〜8.5当量の範囲が好ましい。
エポキシ化反応には、必要に応じて触媒を使用してもよい。エポキシ化反応に用いることのできる触媒としては、通常、エポキシ化反応に用いることのできるものであれば特に制限はないが、過酸化物との組み合わせとして、過酸化水素−タングステン酸などを例示することができる。
また、必要に応じて有機溶媒を使用することもできる。エステル化反応に用いることのできる有機溶媒としては、通常、反応に用いることのできるものであれば特に制限無く用いられるが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒を例示することができる。
エポキシ化反応の反応温度は、通常、−10〜60℃の範囲であり、0〜40℃の範囲が好ましい。反応時間は4〜25時間であればよく、8〜20時間が好ましい。
上記反応で得られたエポキシ化合物は、通常の合成反応の精製に用いられる蒸留、若しくは、シリカゲルカラムクラマトグラフィーなどの方法によって精製することができる。また、目的とする純度に応じて、精留などを行ってもよい。
本願発明のエポキシ樹脂組成物中におけるエポキシ化合物の含有量は、エポキシ樹脂組成物に対して、99.9〜30重量%の範囲であればよく、99.5〜30重量%の範囲が好ましく、99〜35重量%の範囲がより好ましい。
硬化剤
本願発明に用いる硬化剤としては、エポキシ化合物の硬化反応に用いることのできる公知の活性水素化合物、酸無水物、酸無水物の変性物、及びカチオン重合開始剤のいずれかを1種以上を含有する硬化剤を使用することができる。
活性水素とは、カルボキシル基、イミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基、チオール基などに含まれる水素原子のことであり、本願発明において、上記のいずれかの官能基を分子内に含む液体の化合物であれば、活性水素化合物を意味する。具体的な活性水素化合物としては、ギ酸、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、安息香酸、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、メラミン、ピリミジン、ジアザビシクロウンデセン、エチレングリコール、グリセロール、ジヒドロキシベンゼン、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ヒドロキシナフタレン、レゾルシン、フルオログリセロール、エチレンジチオール、フェニレンジチオールなどのモノマー類、およびこれらの高分子タイプであるポリアミン、ポリアミドなどのポリマー類を例示することができる。中でも、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリアミンが好ましい。
酸無水物、または酸無水物の変性物としては、オキソ酸の脱水縮合生成物、およびこれを変性した有機酸を例示することができ、常温で液体であることが好ましい。また、常温で固体であるものは、常温で液体である酸無水物に溶解して使用することができる。酸無水物、酸無水物の変性物の具体的なものとしては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水プロピオン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、無水ジメチルグルタル酸、無水ジエチルグルタル酸、無水コハク酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸などを例示することができる。中でも、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸が好ましい。
カチオン重合開始剤としては、カチオン種を発生してエポキシ基を開環させ、重合を進行させる化合物で、光、もしくは熱、または光・熱の両方で活性を示すものを例示することができ、反応工程における一般的な硬化方法となる熱により活性を示すものが好ましい。具体的な化合物としては、カウンターアニオンに、4フッ化ホウ素、6フッ化リン、6フッ化ヒ素、6フッ化アンチモンを持つ、ジアゾジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩などのオニウム塩を例示することができる。
本願発明のエポキシ樹脂組成物中における硬化剤の使用量として、エポキシ樹脂組成物に対して、0.1〜70重量%の範囲であればよく、0.5〜70重量%の範囲が好ましく、1〜65重量%の範囲がより好ましい。
本願発明のエポキシ樹脂組成物には、エポキシ化合物と硬化剤の成分以外に、本願発明の効果、特に耐熱着色性と耐光着色性に影響を与えない範囲で通常の光学封止に用いられる機能性化合物を添加してもよい。例えば、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン構造を持った密着付与を目的として添加されるカップリング剤、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、アルコールアルコキシレートなどに代表される消泡性やレベリング性向上を目的として添加される表面張力調整剤、シリコーン、ウレタン、アクリレート、メタクリレートおよびこれらの共重合体に代表される曲げ強度などの機械的物性調整を目的として添加される有機系材料、シリカ、アルミナ、タルクに代表される線膨張係数などの機械的物性調整を目的として添加される無機系材料、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸などの離型性向上を目的として添加される高級脂肪酸、ベンゾトリアゾール類、ベンズイミダゾール類、ヒドラジド類などの金属イオン起因による酸化劣化を抑制する目的で添加される金属不活性化剤、フェノール類、芳香族アミン類、硫黄化合物、リン化合物などのラジカル連鎖停止や過酸化物分解を目的として添加される酸化防止剤、ヒンダードアミン系化合物、ベンゾフェノン系、サリシレート系、シアノアクリレートなどの紫外線に対して劣化抑止したり吸収させたりすることを目的として添加される光安定化剤等の各種添加剤を適宜配合してもよい。
本願発明のエポキシ樹脂組成物は、各種硬化剤を用いて熱、または光、若しくは光及び熱の併用にて硬化させることができる。
熱硬化の場合、使用する硬化剤やエポキシ化合物によって異なるが、硬化温度は、通常25〜200℃の範囲であり、80〜180℃の範囲が好ましく、100〜160℃の範囲がより好ましい。反応時間は、硬化反応の速度に合わせて調整すればよく、硬化温度が低い場合は長時間を要し、硬化温度が高い場合は短時間でよい。通常、0.5〜8時間の範囲であり、1〜5時間が好ましく、1.5〜4時間がより好ましい。
光硬化の場合、365nmに強い相対照射強度を持つ水銀灯やメタルハライドランプを有する一般的な光照射装置を用いることができる。照射条件としては、積算光量が500〜5000mJ/cm、好ましくは1000〜3000mJ/cmになるように照度と照射時間を調整すればよく、照度は20〜200mW/cmの範囲が好ましく、30〜150mW/cmがより好ましい。照射時間は、5〜500秒が好ましく、30〜250秒がより好ましい。
光及び熱を併用して硬化させる場合、先に光を照射して硬化させた後、熱による硬化を行う順番で硬化させる方法が好ましい。
本願発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ化合物と硬化剤成分、及びその他の添加剤等を、撹拌装置を用いて常温常圧下で混合し、必要に応じてロールや押出機等の装置にて混練することにより得ることができる。本願発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導体等の電子部品を封止し、樹脂封止型半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールドなどの各種モールド成形法、あるいはシリンジからの注入・ポッティングによりモールドする方法を例示することができる。耐熱性や耐光性が要求される電気電子部品の被覆、絶縁、封止等に適用することができる。
以下に、本願発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本願発明はこれらに限定されるものではない。
エポキシ樹脂組成物は、エポキシ化合物、硬化剤の2成分を必須成分とする。本願発明において、酸無水物からジアリルエステル化合物を経由して、エポキシ化することにより目的とするエポキシ化合物を得ることができる。
(合成例1)
ジアリルエステル化合物の合成
500mlの三口フラスコにテトラヒドロ無水フタル酸(76.15g、0.5mol)とアリルアルコール(290.40g、5mol)、95%硫酸(0.30ml、5mmol)を添加し、90℃で10時間加熱撹拌した。反応終了後、反応器を冷却し、室温に戻した。アリルアルコールを留去後、分液漏斗にて10%水酸化ナトリウム(50g)、ノルマルヘキサン(170ml)を用いて有機層を抽出し、水(60g)で洗浄した。有機層を回収、溶媒留去し、ジアリルエステル化合物の粗生成物(薄黄色液体)を得た。
エポキシ化合物の合成
500mlの三口フラスコにジクロロメタン(200ml)を入れ、そこにメタクロロ過安息香酸(14.3g、82.9mmol)を加えて懸濁液とし、氷浴(0〜5℃)で撹拌した。上記で得たジアリルエステル化合物(2.50g、9.9mmol)をジクロロメタン(20ml)に溶かし、反応液に滴下した。滴下後、反応液を40℃下にし、12時間攪拌した。10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(300ml)、10%炭酸水素ナトリウム水溶液(300ml)を添加し、ジクロロメタンにより有機層を抽出した。溶媒留去し、粗生成物(淡黄色液体)を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により精製し、無色透明液体の生成物を得た。この化合物1とした。化合物1は1H−NMRにより構造同定した。
以下に、実施例及び比較例に用いた化合物を示す。
化合物
化合物2;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(ダイセル製セロキサイド2021P)、粘度0.3Pa・s
化合物3;ビニル基含有シロキサンモノマー(信越化学工業製KER−2500A)、粘度10Pa・s
硬化剤
硬化剤としては、硬化システムの異なる以下のような硬化剤、
硬化剤1;活性水素化合物:ポリアミン(DIC製WN505)
硬化剤2;酸無水物:メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(日立化成工業製HN5500)
硬化剤3;カチオン硬化剤:オニウム塩(BASF製GSID1210014)
硬化剤4;エポキシ熱重合触媒:有機ホスホニウム塩(日本化学工業製ヒシコーリン4MP)
硬化剤5;エポキシ光重合触媒:6フッ化ホスホニウム塩(BASF製IRGACURE261)
硬化剤6;Si−H基含有シロキサンモノマー(信越化学工業製KER−2500B)
硬化剤7;シリコーン重合触媒:白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(ALFA AESAR製)
を、熱硬化条件150℃、2時間または光硬化条件2000mJ/cm積算光量の反応で重合率95%以上となるよう、上記硬化剤を1ないし2種以上組み合わせることにより配合した。
化合物と硬化剤を表1に示す所定量を秤量して、常温常圧下でクラボウ製マゼルスターKK−250Sにて自公転ともに1000rpm、3分間撹拌することによりエポキシ樹脂組成物とした。各樹脂組成物の粘度をE型粘度計BROOKFIELD社製VISCOMETER DV−II+Proを用いて、25℃、回転数0.1〜100rpmの条件下における粘度を測定した。測定値を表1に示す。
実施例1〜3、及び比較例1〜4は、熱硬化において、イナートオーブン下150℃、2時間の反応にて重合率95%以上となることを、また、実施例4は光硬化において、GSユアサ製UVランプ照度100mW/cm、20秒、積算光量2000mW/cmの反応にて重合率95%以上となることを重合硬化物の示差走査熱量測定(装置:セイコー製DSC220)にて当該温度で再び発熱温度が生じないことを確認した。
(耐熱着色性の評価)
エポキシ樹脂組成物を熱硬化または光硬化させることにより3mm厚の重合硬化物を作製した。熱硬化は、10mm四方3mm深さの凹形状のゴム型にエポキシ樹脂組成物を充填してイナートオーブン150℃環境下で2時間硬化させた。光硬化は、10mm四方3mm深さの凹形状のゴム型にエポキシ樹脂組成物を充填してGSユアサ製UVランプを照度100mW/cm、20秒間照射し硬化させた。硬化物は分光光度計(日本分光製UV−VIS V−550)にて400nmにおける透過率を測定したのち、180℃イナートオーブン内へ投入し、30時間後取り出して、初期透過率からの透過率減少が10%未満であったものを○、10%以上であったものを×とした。結果を表2に示す。
(耐光着色性の評価)
エポキシ樹脂組成物を熱硬化または光硬化させることにより3mm厚の重合硬化物を作製した。熱硬化は、10mm四方3mm深さの凹形状のゴム型にエポキシ樹脂組成物を充填してイナートオーブン150℃環境下で2時間硬化させた。光硬化は、10mm四方3mm深さの凹形状のゴム型にエポキシ樹脂組成物を充填してGSユアサ製UVランプを照度100mW/cm、20秒間照射し硬化させた。硬化物は分光光度計(日本分光製UV−VIS V−550)にて400nmの透過率を測定したのち、ウシオ電機製UVXオーブン内へ投入し、メタルハライドランプ照度100W/cm、30時間照射後取り出して、初期透過率からの透過率減少が40%未満であったものを○、40%以上であったものを×とした。結果を表2に示す。
(封止特性評価)
一片が50mm石英ガラス製基板上に、半田ボールを周辺配置した一片が10mmの正方形のシリコンチップを設置し、260℃加熱にて基板−チップを半田接続させたのち、樹脂組成物について、ディスペンサー(岩下エンジニアリング製AD3000C)を用いてチップ−基板間隙へ樹脂を注入して熱または光による、いわゆるアンダーフィル硬化により評価サンプルを作製した。熱硬化は、上記手法で樹脂注入したサンプルをイナートオーブン150℃環境下に2時間投入することにより硬化させた。光硬化は、上記手法で樹脂注入したサンプルに対し、裏面からGSユアサ製UVランプを照度100mW/cm、20秒間照射することにより硬化させた。硬化後充填部をガラス面側から光学顕微鏡観察して、硬化部分にボイド(空隙)がないか目視にて判断した。ボイド(空隙)なしを○、ボイド多数発生ありを×とした。結果を表2に示す。
実施例1、2、3、4がいずれの評価においても特性を満足したのに対し、
比較例1、2、3は、それぞれ硬化剤過剰および不足に起因して十分な重合架橋構造が達成されておらず、耐熱着色性および耐光着色性に劣る結果となった。
比較例4は、耐熱着色性および耐光着色性を満足したものの、高粘度モノマーならびにこれに由来する樹脂組成物自体の高粘度のため、気泡混入したまま重合し、硬化物に多数のボイドを内包する結果となった。
本願発明のエポキシ化合物を含有するエポキシ樹脂組成物は、低粘度であり、LED封止剤の実装時において、間隙に樹脂組成物が完全に流れ込まない、又は気泡が混入したまま硬化するなどといった現象が起こらず、且つ、樹脂組成物の硬化物は、電子機器の長期信頼性に関与する耐熱着色性、及び耐光着色性の点において優れ、パワーデバイス、フォトデバイスなどの半導体素子、及びこれを用いた半導体装置において有用な封止あるいは接続、コーティング材料として利用することができる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で示される少なくとも3個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と、
    (式中、Aは置換基を有していてもよく、架橋構造を有していてもよい炭素数5〜7の環状化合物を表し、nは2または3を表す。)
    硬化剤とを含有し、
    エポキシ化合物が99.9〜30重量%、硬化剤が0.1〜70重量%であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 上記一般式(1)中、Aが下記一般式(2)、又は一般式(3)で表される脂環式エポキシ化合物である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基を表し、mは0〜2の整数を表す。)
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基を表し、Xは置換または無置換のメチレン基、置換または無置換のエチレン基、アミノ基、酸素原子、硫黄原子を表す。)
  3. 硬化剤として常温で液体の酸無水物を含有する請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3に記載のエポキシ樹脂組成物を熱、または光硬化させることによって得られる硬化物。
  5. 請求項4に記載の硬化物で発光素子が封止されていることを特徴とする発光ダイオード。
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