JP2014156193A - プロペラ後流整流装置 - Google Patents

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信 川淵
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Abstract

【課題】船舶の推進性能を改善するラダーホーンを提供する。
【解決手段】プロペラ後流整流装置8は、船体30におけるプロペラ20の後方に配置され、方向舵16を揺動可能に支持すると共に、螺旋状のプロペラ後流に従った取付角を有するラダーホーン12を備える。ラダーホーン12は鉛直軸に対してツイスト型を成している。
【選択図】図1

Description

本発明は、船舶の方向舵を揺動可能に支持するラダーホーンに関する。
船舶を推進させるスクリュープロペラ(以下、単にプロペラと記載する。)の推進効率を高めるための付加物として、プロペラ軸線上の方向舵における舵面に流線型の膨らみを成形したコスタバルブが知られている。コスタバルブをプロペラ後方の舵面に形成することによって、プロペラの推進効率を向上させることができる。
特許文献1は、キャビテーション生成による舵の腐食現象が回避され、燃料消費量を抑える船舶用舵を開示している。特許文献1に記載されている船舶用舵は、プロペラ軸延長後の上下で異なる取付角に形成した二面を有するツイストラダーにおいて、前記取付角が異なる二面の遷移部に、流れ体が設けられている。
特許文献2は、舵ブレード(舵面)にコスタバルブを形成した推進舵取り装置を開示している。特許文献2に記載されている推進舵取り装置は、プロペラと、当該プロペラ後部に配置したフェアリングと、該プロペラの後方に配置された方向舵と、当該方向舵の舵ブレード上に形成されたバルブ状本体とを有している。そして、前記フェアリングと前記バルブ状本体とによって、流線型本体部が形成されている。
当該流線型本体部は、前記フェアリングと前記バルブ状本体の間の狭小ギャップを除き、連続的に形成されている。更に特許文献2に記載されている推進舵取り装置は、前記舵ブレードが回転した際に、前記フェアリングに相対して、前記バルブ状本体のスイングの動きが可能になる。前記舵ブレードの後部には、フラップが配置される。
特開2009−120170号公報 特開2010−64739号公報
本発明の目的は、船舶の推進性能を改善するラダーホーンを提供することである。
以下に、(発明を実施するための形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明によるプロペラ後流整流装置(8、9、10、210、310、410、510、610、710、810)は、船体(30)におけるプロペラ(20)の後方に配置され、方向舵(16、116、416、716、717、816)を揺動可能に支持すると共に、螺旋状のプロペラ後流(PF)に従った取付角(α)を有するラダーホーン(12、112、412、712、812)を備える。
また、本発明によるプロペラ後流整流装置(8、9、10、210、310、410、510、610、710、810)は、船体(30)におけるプロペラ(20)の後方に配置され、方向舵(16、116、416、716、717、816)を揺動可能に支持すると共に、前縁翼弦角(β)が螺旋状のプロペラ後流(PF)に従った角度で形成されているラダーホーン(12、112、412、712、812)を備える。
また、本発明によるプロペラ後流整流装置(8、10、210、310、410、510、610)は、舵角0°の状態において、螺旋状のプロペラ後流(PF)に従った取付角αを有する方向舵(16、416)を備える。
また、本発明によるプロペラ後流整流装置(8、10、210、310、410、510、610)は、舵角0°の状態において、前縁翼弦角(β)が螺旋状のプロペラ後流(PF)に従った角度で形成されている方向舵(16、416)を備える。
前記方向舵(416)は、水平断面形状が魚型に形成されている高揚力舵である。
前記方向舵(16、416)の上端又は下端に、左右方向に延出する形状の整流板(415)を配置した。
前記方向舵(416、716、717)の水平断面形状は、プロペラ軸(PC)に対して対称の断面形状の部分を有する。
前記ラダーホーン(12、412、812)のプロペラ軸(PC)の延長線上における側壁面に、流線型の膨出部(14、214、314、414、514、614、814)を形成した。
前記方向舵(16、816)に、前記流線型の膨出部(514、614、814)と繋がる形状の舵面膨出部(515、615、815)を形成した。
前記プロペラ軸(PC)の後端部に取り付けられ、前記流線型の膨出部(314、514、614)と繋がる形状に成形した側壁面を有するボスキャップ(26)を備える。
前記ラダーホーン(12)は、半釣合舵の方向舵(16)を支持する。
前記ラダーホーン(112、412、712、812)は、舵軸(RC)において前記方向舵(116、416、716、717、816)の下部を支持する舵針(17)を備える。
前記ラダーホーン(112、412、712、812)は、非釣合舵の前記方向舵(116、416、716、717、816)を支持する。
前記方向舵(16、116、416)の舵幅(RL)は、前記ラダーホーン(12、112、412)と方向舵(16、116、416)との合計の全幅(HL)の50%以上とした。
前記方向舵(716、717、816)の舵幅(RL)は、前記ラダーホーン(712、812)と方向舵(716、717、816)との合計の全幅(HL)の50%以下とした。
前記方向舵(816)の舵角0°における後縁翼弦角(θ)は、螺旋状のプロペラ後流(PF)に従った角度を有する。
前記方向舵(816)のプロペラ軸(PC)に対する最大後縁舵角(εL、εR)は、左右で異なる角度である。
本発明によれば、プロペラ軸の上方又は下方におけるラダーホーンの前縁を、プロペラ後流に従ってツイストさせることによって、船舶の推進性能を改善することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るプロペラ後流整流装置の側面図である。 図2は、図1に示したプロペラ後流整流装置の、A1−A1矢視断面図である。 図3は、図1に示したプロペラ後流整流装置の、A2−A2矢視断面図である。 図4は、図1に示したプロペラ後流整流装置の、A3−A3矢視断面図である。 図5は、図1に示したプロペラ後流整流装置の、A4−A4矢視断面図である。 図6は、本発明の第2の実施形態に係るプロペラ後流整流装置の側面図である。 図7は、図6に示したプロペラ後流整流装置の、A5−A5矢視断面図である。 図8は、本発明の第3の実施形態に係るプロペラ後流整流装置の側面図である。 図9は、図8に示したプロペラ後流整流装置の、A6−A6矢視断面図である。 図10は、図8に示した膨出部の構成例を示すB−B矢視断面図である。 図11は、図8に示した膨出部の構成例を示すB−B矢視断面図である。 図12は、図8に示した膨出部の構成例を示すB−B矢視断面図である。 図13は、本発明の第4の実施形態に係るプロペラ後流整流装置の側面図である。 図14は、本発明の第5の実施形態に係るプロペラ後流整流装置の側面図である。 図15は、本発明の第6の実施形態に係るプロペラ後流整流装置の側面図である。 図16は、図15に示したプロペラ後流整流装置の、C2−C2矢視断面図である。 図17は、図15に示したプロペラ後流整流装置の、C3−C3矢視断面図である。 図18は、図15に示したプロペラ後流整流装置の、C4−C4矢視断面図である。 図19は、本発明の第7の実施形態に係るプロペラ後流整流装置の側面図である。 図20は、図19に示したプロペラ後流整流装置の、D−D矢視断面図である。 図21は、本発明の第8の実施形態に係るプロペラ後流整流装置の側面図である。 図22は、本発明のプロペラ後流整流装置において、プロペラ軸PCに対して対称な断面形状の方向舵を用いた状態を示す断面図である。 図23は、本発明の第9の実施形態に係るプロペラ後流整流装置の側面図である。 図24は、図23に示したプロペラ後流整流装置の、E−E矢視断面図である。 図25は、本発明のプロペラ後流整流装置において、プロペラ軸PCに対して対称な断面形状の方向舵を用いた状態を示す断面図である。 図26は、本発明の第10の実施形態に係るプロペラ後流整流装置の側面図である。 図27は、図26に示したプロペラ後流整流装置の、F−F矢視断面図である。
添付図面を参照して、本発明によるプロペラ後流整流装置を実施するための形態を、以下に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るプロペラ後流整流装置8を説明する図であり、船舶後部の水中に配置される推進装置と、舵取り装置付近の側面図である。図2乃至図5は、図1に示したプロペラ後流整流装置8を、プロペラ軸PCと平行な水平面で切断したA1〜A4矢視断面図である。
図1乃至図5を参照して、船体30の後部における船底付近には、船体30を推進させるプロペラ20と、船体30のヨー方向の姿勢を制御する方向舵16と、舵軸RCを中心に左舷方向及び右舷方向(図3乃至図5に示すL−R方向)へ方向舵16を揺動可能に支持するラダーホーン12とが配置されている。方向舵16の舵軸RC上には舵頭材が適宜配置され、ラダーホーン12の舵軸RC上には舵針が適宜配置される。
プロペラハブ22は、プロペラ軸PCを中心に回転する。プロペラ20は、プロペラハブ22の側壁面に放射状に取り付けられている。プロペラハブ22は、船体30から後方に向けて突出したプロペラシャフト(図示せず)に取り付けられている。ラダーホーン12は、プロペラ20の後方であって、方向舵16との間の位置に、船底から吊り下げる形で配置されている。
本発明に係るラダーホーン12におけるプロペラ軸PCと平行な水平断面形状は、螺旋状となるプロペラ後流PF(図2乃至図4参照)に従った迎角(プロペラ後流角γ−取付角α)を有しており、鉛直軸に対してツイスト型を成している。図2乃至図4を参照して、図1に示すプロペラ後流整流装置8におけるA1〜A4矢視断面形状と、そのツイスト形状とについて説明する。
先ず図2を参照して、ツイスト型のラダーホーン12の断面形状(図1に示すA1−A1矢視断面。)について説明する。ラダーホーン12のプロペラ軸PCと平行な水平断面形状は、翼型断面形状をしている。翼型断面形状を表現する方法は多様であるが、ここでは、ラダーホーン12の最も後端縁を後縁TE(Trailing Edge)と定義し、後縁TEから最も遠方の先端縁を前縁LE(Leading Edge)と定義する。
そして、後縁TEと前縁LEとを結ぶ直線を翼弦線YLと定義する。また、翼弦線YLに対する垂線とラダーホーン12における左右両表面との両交点の中点の点列を平均翼弦線CL(Camber Line)と定義する。更に、前縁LEにおける平均翼弦線CLの出射方向を前縁翼弦ベクトルVEと定義する。また、プロペラ軸PCと翼弦線YLとがなす角度を取付角α、プロペラ軸PCと前縁翼弦ベクトルVEとがなす角度を前縁翼弦角β、プロペラ軸PCとプロペラ後流PFとがなす角度をプロペラ後流角γと定義する。
本発明では、ラダーホーン12におけるプロペラ軸PCと平行な水平断面形状における取付角αを、螺旋状となるプロペラ後流PFに従った角度としている。取付角αの最大角度として、0.5°〜10°を用いることができる。また、ラダーホーン12におけるプロペラ軸PCと平行な水平断面形状について、前縁LEの平均翼弦線CLが、螺旋状となるプロペラ後流PFに従った前縁翼弦角βを有する形状としている。前縁翼弦角βの最大角度として、5°〜30°を用いることができる。
図2に示すように、ラダーホーン12に対してプロペラ後流PFがプロペラ後流角γで当たると、ラダーホーン12に対して抗力PDが働くとともに、揚力PLが働く。この揚力PLには、成分にプロペラ軸PCに対して平行な推力TPが含まれることから、プロペラ20の推進性能向上による高速化を図り、燃料消費率を改善することができる。
次に、図3を参照して、ツイスト型のラダーホーン12及び方向舵16の断面形状(図1に示すA2−A2矢視断面。)について説明する。ラダーホーン12及び方向舵16のプロペラ軸PC上方における水平断面形状は、図3に示すような非対称な翼型断面形状をしている。ラダーホーン12は、舵軸RCを中心に、方向舵16を左右方向(図3に示すL−R方向)へ揺動可能に支持している。なお、図2に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図3に示す平均翼弦線CL、前縁翼弦ベクトルVE、取付角α、又は前縁翼弦角β等の値は、A2−A2矢視断面におけるプロペラ後流角γに応じて、適宜変更することができる。また、取付角α又は前縁翼弦角βは、プロペラ軸PCから遠ざかるにつれて、直線的、二次直線的、又はsinカープ等に従った値を用いて減少させてゆくこともできる。
次に、図4を参照して、ツイスト型のラダーホーン12及び方向舵16の断面形状(図1に示すプロペラ軸PC上のA3−A3矢視断面。)について説明する。ラダーホーン12及び方向舵16のプロペラ軸PC付近における水平断面形状は、図4に示すような、プロペラ軸PCに対して対称な翼型断面形状とすることができる。なお、図2及び図3に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。図4に示す実施例では、ラダーホーン12及び方向舵16の平均翼弦線CL、翼弦線YLは、プロペラ軸PCと一致する。よって、取付角α、及び前縁翼弦角βの値は0°である。
次に、図5を参照して、ツイスト型の方向舵16の断面形状(図1に示すA4−A4矢視断面。)について説明する。方向舵16のプロペラ軸PC下方における水平断面形状は、図5に示すような、プロペラ軸PCに対して非対称な翼型断面形状をしており、図2及び図3に示したラダーホーン12とは逆の方向に方向舵16の取付角α、前縁翼弦角βを形成してある。A2−A2矢視断面及びA4−A4矢視断面が、プロペラ軸PCに対して同距離にある場合には、方向舵16のA4−A4矢視断面形状は、A2−A2矢視断面おけるラダーホーン12及び方向舵16の断面形状を反転させた鏡像とすることができる。なお、図2及び図3に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図5に示す平均翼弦線CL、前縁翼弦ベクトルVE、取付角α、又は前縁翼弦角β等の値は、プロペラ後流角γに応じて、適宜変更することができる。また、取付角α又は前縁翼弦角βは、プロペラ軸PCから遠ざかるにつれて、直線的、二次直線的、又はsinカープ等に従った値を用いて減少させてゆくこともできる。
図5に示すように、方向舵16に対してプロペラ後流PFがプロペラ後流角γで当たると、方向舵16に対して抗力PDが働くとともに、揚力PLが働く。この揚力PLには、成分にプロペラ軸PCに対して平行な推力TPが含まれることから、プロペラ20の推進性能向上による高速化を図り、燃料消費率を改善することができる。
なお、この、取付角α又は前縁翼弦角βは、図3に示したA2−A2矢視断面から図4に示したプロペラ軸PC付近のA3−A3矢視断面、及び図5に示したA4−A4矢視断面まで、直線的、二次直線的、又はsinカープ等に従った値を用いて連続的に減少及び増加させてゆくことができる。ラダーホーン12及び方向舵16の水平断面形状を連続的に減少及び増加させることによって、ラダーホーン12及び方向舵16の捩じり、及び曲げに対する強度を高く保つことができる。また、取付角α又は前縁翼弦角βは、図4に示したプロペラ軸PC付近において不連続として、側面形状に段差を設けることもできる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るプロペラ後流整流装置9について、図6及び図7を用いて説明する。図7は、図6に示すプロペラ後流整流装置9のA5−A5矢視断面図である。なお、図1乃至図4に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図6及び図7に示すラダーホーン112は、プロペラ軸PCの上方と下方とで異なる取付角α、前縁翼弦角βを有するツイスト型に形成してある。また図6に示す実施形態では、ラダーホーン112を方向舵116の下方まで延伸させてあり、ラダーホーン112が方向舵116を上下2箇所で支持(下部ピントル型)している。図6に示すように、ラダーホーン112は、舵軸RCにおいて方向舵116の下部を支持する舵針17を備える。このようにラダーホーン112及び方向舵116を構成することによって、前述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図6に示すA2−A2矢視断面及びA5−A5矢視断面が、プロペラ軸PCに対して同距離にある場合には、ラダーホーン112及び方向舵116のA5−A5矢視断面形状は、A2−A2矢視断面形状を反転させた鏡像とすることができる。
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態に係るプロペラ後流整流装置10を説明する図であり、船舶後部の水中に配置される推進装置と、舵取り装置付近の側面図である。図9は、図8に示したプロペラ後流整流装置10を水平面で切断したA6−A6矢視断面図である。なお、図1乃至図5に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図8及び図9を参照して、プロペラ軸PCの延長線上におけるプロペラハブ22の後方には、側壁面から後縁にかけて流線型に成形した膨出部14を配置してある。本実施形態では、方向舵16を操舵してもプロペラ軸PCとの位置関係が変化しないラダーホーン12の側壁面に、膨出部14を形成してある。
図8に示す実施形態では、プロペラハブ22の後端面と膨出部14の前端面とは、僅かな間隙(約10〜800mm、以下同様。)を介して配置されており、プロペラハブ22と膨出部14との側壁面同士が、流線型で繋がる形状に成形してある。これにより、水流による抵抗を減ずることができる。膨出部14は、中空構造とすることもできるし、中実構造とすることもできる。膨出部14におけるプロペラ軸PCに直角な断面積の最大値は、プロペラハブ22の断面積の80〜150%とすることができる。プロペラハブ22と膨出部14との位置関係は、操舵を行っても変化しないので、プロペラハブ22の後端面と膨出部14の前端面とは、平面で構成することができると共に、間隙も狭くすることができる。
ラダーホーン12は、着脱部13において船体30に対してボルト等により着脱可能に固定されている。船舶のメンテナンス時において、プロペラ20を取り外す際や、プロペラシャフトを取り外す際には、船体30からラダーホーン12を取り外して、作業性を向上させることができる。なお、着脱部13の配置は、船体30の構造に応じて適宜設定することができる。
膨出部14は、プロペラ後流を整流する付加部材であり、プロペラ後流の縮流を減じると共に、コーンボルテックス(ハブボルテックス)の成形を抑制し、伴流を均一にし、伴流利得を得ることができる。また、膨出部14とプロペラハブ22とを、流線型を維持しながら滑らかに繋げる形状にすることによって、プロペラ20の翼根部分から発生するハブボルテックスの拡散効果を得やすくすることができる。また、キャビテーションの発生を減少させることができる。更に、方向舵16での抵抗増加も少なくすることができるため、比較的安価な構造を用いつつ、推進性能を向上させ、燃料消費率を改善することができる。
この、推進性能の向上により、数%から10%程度の所要馬力低減が可能になるため、性能向上と共に、燃料の消費量を低減することができる。従来は、コスタバルブを方向舵16に形成して性能向上を図っていた。従来は、直進時においてはコスタバルブがプロペラ軸PCと一致するものの、操舵時においてはプロペラ軸PCからずれてしまうために、操舵時におけるプロペラ後流の整流作用が著しく低下していた。
本発明に係るプロペラ後流整流装置10では、操舵時においてもプロペラハブ22との位置関係が変化しないラダーホーン12に膨出部14を形成したので、直進時及び操舵時の双方において、プロペラ20による推進性能向上を実現することができる。
本発明では、ラダーホーン12及び方向舵16の取付角α、又は前縁翼弦角β等の値は、プロペラ後流角γに応じて、プロペラ軸PCに近づくにつれて大きな値とすることが好ましい。しかし、ツイスト形状のラダーホーン12を構成する際に、プロペラ軸PC近傍で取付角α、又は前縁翼弦角βを急激に変化させたり、不連続な段差を設けると、プロペラ20の推進効率が低下したり、キャビテーションを誘発したり、ラダーホーン12及び方向舵16の構造上の強度を保つことが困難になる場合がある。
図8に示すように、プロペラ軸PCの延長線上るおけるラダーホーン12に膨出部14を成形することによって、プロペラ軸PCの上下にて取付角α、又は前縁翼弦角βを急激に変化させることなく、ラダーホーン12にツイスト形状を形成することができる。
次に、本発明に係るプロペラ後流整流装置10における膨出部14の断面形状の構成例について、図10乃至図12を用いて説明する。図10乃至図12は、図8に示した膨出部14付近のB−B矢視断面図である。
膨出部14の鉛直方向の断面形状は、図10に示すように、円形の断面形状とすることができる。また、膨出部14の断面形状は、図11に示すように、水平方向にフィンを突出させた断面形状を用いることもできる。また、膨出部14の断面形状として、図12に示すように、長円の断面形状、又は楕円の断面形状を用いることもできる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係るプロペラ後流整流装置210について、図13を用いて説明する。なお、図1及び図8に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図13を参照して、プロペラ軸PCの延長線上におけるプロペラハブ22の後方のラダーホーン12には、前縁から側壁面、及び後縁にかけて流線型に成形した膨出部214を配置してある。図13に示すように、プロペラハブ22の後方の離間した位置に膨出部214を形成することによっても、直進時及び操舵時の双方において、プロペラ20による推進性能向上を実現して、前述の第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係るプロペラ後流整流装置310について、図14を用いて説明する。なお、図1及び図8に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図14を参照して、プロペラハブ22の後部には、当該プロペラハブ22と一体となって回転するボスキャップ26が取り付けられている。プロペラ軸PCの延長線上におけるボスキャップ26の後方のラダーホーン12には、側壁面から後縁にかけて流線型に成形した膨出部314を配置してある。
図14に示す実施形態では、ボスキャップ26の後端面と膨出部314の前端面とは、僅かな間隙を介して配置されており、ボスキャップ26と膨出部314との側壁面同士が、流線型で繋がる形状に成形してある。これにより、水流による抵抗を減ずることができる。
図14に示すように、プロペラハブ22の後部にボスキャップ26を取り付け、当該ボスキャップ26の後方の間隙を介した位置に膨出部314を形成することによっても、直進時及び操舵時の双方において、プロペラ20による推進性能向上を実現して、前述の第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、ボスキャップ26側壁面の外観形状は、図14に示すような鼓形とすることもできるし、必要に応じて、側面視凸形状の太鼓形とすることもできる。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態に係るプロペラ後流整流装置410について、図15乃至図18を用いて説明する。このうち図16乃至図18は、図15に示すプロペラ後流整流装置410のC2〜C4矢視断面図である。なお、図1及び図8に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図15乃至図18を参照して、プロペラ軸PCの延長線上におけるプロペラハブ22の後方のラダーホーン412には、側壁面から後縁にかけて流線型に成形した膨出部414を配置してある。図15に示す実施形態では、ラダーホーン412を方向舵416の下方まで延伸させてあり、ラダーホーン412が方向舵416を上下2箇所で支持している。図15に示すように、ラダーホーン412は、舵軸RCにおいて方向舵416の下部を支持する舵針17を備える。
また、図15及び図18に示すように、方向舵416の上端又は下端に、左右方向に延出する形状の整流板415を配置することもできる。この整流板415を配置することによって、操舵時における方向舵416の揚力を増すことができる。この整流板415は、他の実施形態の方向舵に適用することができる。
図15に示す実施形態では、プロペラハブ22の後端面と膨出部414の前端面とは、僅かな間隙を介して配置されており、プロペラハブ22と膨出部414との側壁面同士が、流線型で繋がる形状に成形してある。これにより、水流による抵抗を減ずることができる。
次に図16を参照して、ツイスト型のラダーホーン412の断面形状(図15に示すC2−C2矢視断面。)について説明する。ラダーホーン412のプロペラ軸PCと平行な水平断面形状は、翼型断面形状の一部(先端部)を形成している。一方、方向舵416は、魚型水平断面形状を有している。この魚型水平断面形状を有する方向舵416(シリング舵)は、高揚力舵であり、所定の旋回力を得る際における抵抗(抗力)が少ないので、本発明に係るプロペラ後流整流装置と組み合わせることによって、更なる燃料消費率の改善を行うことができる。
図16において、図2及び図3に示した定義と同様に、方向舵416の後縁TEとラダーホーン412の前縁LEとを結ぶ直線を翼弦線YLと定義する。そして、翼弦線YLに対する垂線と、ラダーホーン412及び方向舵416における左右両表面との両交点の中点の点列を、平均翼弦線CLと定義する。更に、図2乃至図5における定義と同様に、前縁翼弦ベクトルVE、取付角α、前縁翼弦角β、及びプロペラ後流角γをそれぞれ定義する。図16に示す構成を用いることによって、図3に示した構成と同様の効果を得ることができる。
図16に示すように、方向舵416の水平断面形状は、プロペラ軸PCに対して非対称な翼型断面形状をしているが、必要に応じてプロペラ軸PCに対して対称な水平断面形状を用いることができる。ラダーホーン412は、舵軸RCを中心に、方向舵416を左右方向(図16に示すL−R方向)へ揺動可能に支持している。
次に、図17を参照して、ツイスト型のラダーホーン412及び方向舵416の断面形状(図15に示すプロペラ軸PC上のC3−C3矢視断面。)について説明する。ラダーホーン412のプロペラ軸PC付近には、プロペラ20による推進性能向上を実現する膨出部414を形成してある。
膨出部414、及び方向舵416のプロペラ軸PC付近における水平断面形状は、図17に示すように、プロペラ軸PCに対して対称な断面形状とすることができる。なお、図16に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。図17に示す実施例では、ラダーホーン412及び方向舵416の平均翼弦線CL、翼弦線YLは、プロペラ軸PCと一致する。よって、取付角α、及び前縁翼弦角βの値は0°である。
次に、図18を参照して、ツイスト型のラダーホーン412及び方向舵416の断面形状(図15に示すC4−C4矢視断面。)について説明する。図18に示すように、ラダーホーン412及び方向舵416のプロペラ軸PCと平行な水平断面形状は、プロペラ軸PCに対して非対称な翼型断面形状をしており、図16に示したラダーホーン412とは逆向きに取付角α、前縁翼弦角βを形成してある。
C2−C2矢視断面及びC4−C4矢視断面が、プロペラ軸PCに対して同距離にある場合には、ラダーホーン412及び方向舵416のC4−C4矢視断面形状は、C2−C2矢視断面形状を反転させた鏡像とすることができる。なお、図15及び図16に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図18に示す平均翼弦線CL、前縁翼弦ベクトルVE、取付角α、又は前縁翼弦角β等の値は、プロペラ後流角γに応じて、適宜変更することができる。なお、図15乃至図18に示すように、ラダーホーン412に膨出部414を形成することによって、直進時及び操舵時の双方において、プロペラ20による推進性能向上を実現して、前述の第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態に係るプロペラ後流整流装置510について、図19及び図20を用いて説明する。図20は、図19に示したプロペラ後流整流装置510のD−D矢視断面図である。なお、図20では、プロペラシャフトや軸受け等の構造物の記載は省略してある。また、図1及び図8に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図19及び図20を参照して、プロペラハブ22の後部には、当該プロペラハブ22と一体となって回転するボスキャップ26が取り付けられている。プロペラ軸PCの延長線上におけるボスキャップ26の後方のラダーホーン12には、側壁面を流線型に成形した膨出部514を配置してある。
膨出部514の更に後方の方向舵16の舵面には、膨出部514の側壁面と流線型で繋がる形状に成形した舵面膨出部515を形成してある。なお、図20に示すように、方向舵16の舵面に舵面膨出部515を形成することによって舵厚が厚くなるので、舵面膨出部515の前縁付近の水平断面形状は、舵軸RCを中心とした円弧状に形成する必要がある。
そして、膨出部514の後端の形状も、舵面膨出部515及び方向舵16の前縁形状に合わせて、舵軸RCを中心とした円弧状に形成する必要がある。すると、図19に示すように、膨出部514の後端部を側面から観察した側面形状は、後方に向かって凸状の後端凸形状513となる。
図19及び図20に示すように、ボスキャップ26の後方に僅かな間隙を介して膨出部514を形成し、その更に後方に僅かな間隙を介して舵面膨出部515を形成することによっても、直進時及び操舵時の双方において、プロペラ20による推進性能向上を実現して、前述の第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第8の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態に係るプロペラ後流整流装置610について、図21を用いて説明する。なお、図1及び図8に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図21を参照して、プロペラハブ22の後部には、当該プロペラハブ22と一体となって回転するボスキャップ26が取り付けられている。プロペラ軸PCの延長線上におけるボスキャップ26の後方のラダーホーン12には、側壁面を流線型に成形した膨出部614を配置してある。
膨出部614の更に後方の方向舵16の舵面には、膨出部614の側壁面と流線型で繋がる形状に成形した舵面膨出部615を形成してある。図19及び図20に示した実施形態では、膨出部514の側面視形状は、後方に向かって凸状の後端凸形状513であった。これに対し、図21に示す実施形態における膨出部614の側面視形状は、後方に向かって凹状の後端凹形状613である。このように、後方に向かって凹状の後端凹形状613を形成することによって、方向舵16の舵角を大きくした際における、舵面膨出部615と膨出部614との干渉を避けることができる。
図21に示すように、ボスキャップ26の後方に僅かな間隙を介して膨出部614を形成し、その更に後方に僅かな間隙を介して舵面膨出部615を形成することによっても、直進時及び操舵時の双方において、プロペラ20による推進性能向上を実現して、前述の第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、図22を参照して、プロペラ軸PCに対して対称な断面形状の方向舵416を用いた実施形態について説明する。図3及び図16に示した方向舵16、416に代えて、図22に示すような対称な断面形状を有する方向舵416を用いることもできる。なお、図3及び図16に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図22に示す方向舵416を用いることによっても、ラダーホーン412及び方向舵416の組み合わせにより揚力PLを発生させることができる。そして、推力TPを得て、プロペラ20の推進効率を向上させることができる。
なお、図22に示す方向舵416における後縁TEと舵軸RCとの間の舵幅RLは、ラダーホーン412と方向舵416との合計の全幅HLの50%以上で記載してあるが、後段にて図23乃至図27を用いて示すように、舵幅RLを全幅HLの50%以下とすることもできる。
(第9の実施形態)
次に、本発明の第9の実施形態に係るプロペラ後流整流装置710について、図23乃至図25を用いて説明する。このうち、図24及び図25は、共に図23に示すプロペラ後流整流装置710のE−E矢視断面図であり、図24はプロペラ軸PCに対して非対称な断面形状で形成した方向舵716を有する実施形態である。これに対し図25は、プロペラ軸PCに対して対称な断面形状で形成した方向舵717を有する実施形態である。図24及び図25では、プロペラ軸PCよりも下方のラダーホーン712及び方向舵716も記載してある。なお、図1及び図15に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図23乃至図25に示す実施形態では、ラダーホーン712を方向舵716(717)の下方まで延伸させてあり、ラダーホーン712が方向舵716(717)を上下2箇所で支持している。図23に示すように、ラダーホーン712は、舵軸RCにおいて方向舵716(717)の上部及び下部をそれぞれ支持する舵針17を備える。
図23乃至図25に示すラダーホーン712は、プロペラ軸PCの上方と下方とで異なる取付角α、前縁翼弦角βを有するツイスト型である。ラダーホーン712の取付角α、又は前縁翼弦角β等の値は、プロペラ後流角γに応じて、プロペラ軸PCに近づくにつれて大きな値とすることが好ましい。図23乃至図25に示す実施形態では、ツイスト形状のラダーホーン712を構成する際に、プロペラ軸PC近傍で取付角α、又は前縁翼弦角βを急激に変化させている。従って、プロペラ軸PC上に不連続面19を有している。
ところが、図24及び図25を参照すると明らかなように、方向舵716(717)における後縁TEと舵軸RCとの間の舵幅RLを、ラダーホーン712と方向舵716(717)との合計の全幅HLの50%以下とすることによって、ラダーホーン712のプロペラ軸PCの位置の平面断面積に占める不連続面19の割合を減少させることができる。
従って、プロペラ軸PC近傍の不連続面19にて取付角α、又は前縁翼弦角βを急激に変化させた形状を用いた場合であっても、ツイスト型のラダーホーン712の曲げ及び捩じりの強度を確保することができる。なお、プロペラ軸PC近傍を不連続面19な形状に成形する他にも、ラダーホーン712における取付角α、又は前縁翼弦角βを、プロペラ軸PC近傍で連続で変化させる形状を採用することもできる。
また、方向舵716(717)の舵幅RLを、ラダーホーン712と方向舵716(717)との合計の全幅HLの50%以下とすることによって、図24に示す方向舵716のツイスト量を減少させることができる。従って、方向舵716の曲げ及び捩じりに対する強度を確保し、価格の低減を図ることができる。
更に、舵幅RLを全幅HLの50%以下とすることによって、図25に示すようなツイスト無しの対称型の方向舵717を用いることが容易となる。これにより、方向舵716の曲げ及び捩じりに対する強度を確保し、価格の低減を図ることができる。
(第10の実施形態)
次に、本発明の第10の実施形態に係るプロペラ後流整流装置810について、図26及び図27を用いて説明する。このうち、図27は、図26に示すプロペラ後流整流装置810のF−F矢視断面図である。図26に示す実施形態では、ラダーホーン812を方向舵816の下方まで延伸させてあり、ラダーホーン812が方向舵816を上下2箇所で支持している。
図26及び図27に示すラダーホーン812は、プロペラ軸PCの上方と下方とで異なる取付角α、前縁翼弦角βを有するツイスト型である。なお、図23乃至図25に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図26を参照して、プロペラ軸PCの延長線上におけるプロペラハブ22の後方のラダーホーン812には、側壁面から後縁にかけて流線型に成形した膨出部814を配置してある。膨出部814の更に後方の方向舵816の舵面には、膨出部814の側壁面と流線型で繋がる形状に成形した舵面膨出部815を形成してある。図26に示す実施形態では、方向舵816の後縁TEを超えて、舵面膨出部815を形成してある。
図26に示すように、膨出部814の後方に僅かな間隙を介して舵面膨出部815を形成することによっても、直進時及び操舵時の双方において、プロペラ20による推進性能向上を実現して、前述の第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、図27を参照して、ラダーホーン812における水平断面形状は、螺旋状となるプロペラ後流PFに従った迎角(プロペラ後流角γ−取付角α)を有している。ラダーホーン812はツイスト型であるため、プロペラ軸PCよりも下方においては、プロペラ後流PFによるプロペラ後流角γは逆向きとなり、取付角α、前縁翼弦角β、及び後縁翼弦角θもそれぞれ逆向きとなる。なお、ツイスト型のラダーホーン812の前縁LE付近の断面形状、及び定義した名称とその効果については、図2にて説明した内容と同一であるので、説明は省略する。
これに加えて、ラダーホーン812の後縁TE付近において、後縁TEにおける平均翼弦線CLの出射方向を、後縁翼弦ベクトルVTと定義する。また、舵角0°の時のプロペラ軸PCと後縁翼弦ベクトルVTとがなす角度を、後縁翼弦角θと定義する。
図27に示す実施形態では、方向舵816の後縁TEにおける平均翼弦線CLが、螺旋状となるプロペラ後流PFに従った後縁翼弦角θを有する形状としている。また、方向舵816の後縁TEにおけるプロペラ軸PCと平行な水平断面形状を、螺旋状となるプロペラ後流PFに従った取付角α(図27では、舵軸RCと後縁TEとを結ぶ直線と、プロペラ軸PCとがなす角度と一致している。)を有する形状としている。
次に、図27に示す方向舵816を、舵角0°のδ0から左舷方向に舵角δLで操舵した場合、及び右舷方向に舵角δRで操舵した場合について説明する(但し、舵角δL=舵角δRとする。)。方向舵816の後縁TEは、予め取付角αだけ右舷方向に傾いている状態である。
ここで方向舵816を、舵角δLで左舷方向に操舵した場合には、プロペラ軸PCに対する後縁TEの舵角は後縁舵角εLとなる。また、逆の舵角δRで右舷方向に操舵した場合には、プロペラ軸PCに対する後縁TEの舵角は後縁舵角εRとなる。
図27に示すように、後縁舵角εLと後縁舵角εRとの関係は、後縁舵角εL<後縁舵角εRである。なお、最大後縁舵角εLと最大後縁舵角εRとの関係も最大後縁舵角εL<最大後縁舵角εRとなる。よって、揚力PLを増す方向に大きな舵角δLを与えた場合であっても、実際の後縁舵角は、舵角δLよりも少ない後縁舵角εLとなる。これにより、ラダーホーン812及び方向舵816の失速を遅らせることができる。なお、揚力PLを減ずる方向の後縁舵角εRが大きくても、失速は起こり難い。
図27に示すように、方向舵816の後縁TEにおける水平断面形状を、プロペラ後流PFに従った後縁翼弦角θを有する形状、又はプロペラ後流PFに従った取付角αを有する形状とすることによって、操舵時における失速を遅らせることができる。そして、抗力を増大させることなく、効率良く船体30を回頭させて進路を変更することができる。
以上、実施の形態を参照して本発明によるプロペラ後流整流装置を説明したが、本は発明によるプロペラ後流整流装置は上記実施形態に限定されない。上記実施形態に様々の変更を行うことが可能である。上記実施形態に記載された事項と上記他の実施形態に記載された事項とを組み合わせることが可能である。
8、9、10、210、310、410、510、610、710、810...プロペラ後流整流装置
12、112、412、712、812...ラダーホーン
14、214、314、414、514、614、814...膨出部
16、116、416、716、717、816...方向舵
17...舵針
19...不連続面
20...プロペラ
22...プロペラハブ
26...ボスキャップ
30...船体
415...整流板
515、615...舵面膨出部
815...舵面膨出部
CL...平均翼弦線
HL...全幅
LE...前縁
PC...プロペラ軸
PF...プロペラ後流
PL...揚力
RC...舵軸
RL...舵幅
TE...後縁
TP...推力
VE...前縁翼弦ベクトル
VT...後縁翼弦ベクトル
YL...翼弦線
α...取付角
β...前縁翼弦角
γ...プロペラ後流角
δL、δR...舵角
εL、εR...後縁舵角
θ...後縁翼弦角

Claims (22)

  1. 船体におけるプロペラの後方に配置され、方向舵を揺動可能に支持すると共に、螺旋状のプロペラ後流に従った取付角を有するラダーホーンを備えるプロペラ後流整流装置。
  2. 船体におけるプロペラの後方に配置され、方向舵を揺動可能に支持すると共に、前縁翼弦角が螺旋状のプロペラ後流に従った角度で形成されているラダーホーンを備えるプロペラ後流整流装置。
  3. 舵角0°の状態において、螺旋状のプロペラ後流に従った取付角を有する方向舵を備える請求項1又は2に記載のプロペラ後流整流装置。
  4. 舵角0°の状態において、前縁翼弦角が螺旋状のプロペラ後流に従った角度で形成されている方向舵を備える請求項1乃至3のいずれかに記載のプロペラ後流整流装置。
  5. 前記方向舵は、水平断面形状が魚型に形成されている高揚力舵である請求項3又は4に記載のプロペラ後流整流装置。
  6. 前記方向舵の上端又は下端に、左右方向に延出する形状の整流板を配置した請求項3乃至5に記載のプロペラ後流整流装置。
  7. 前記方向舵の水平断面形状は、プロペラ軸に対して対称な断面形状の部分を有する請求項3乃至6のいずれかに記載のプロペラ後流整流装置。
  8. 前記ラダーホーンのプロペラ軸の延長線上における側壁面に、流線型の膨出部を形成した請求項3乃至7のいずれかに記載のプロペラ後流整流装置。
  9. 前記方向舵に、前記流線型の膨出部と繋がる形状の舵面膨出部を形成した請求項8に記載のプロペラ後流整流装置。
  10. 水平断面形状が魚型に形成されている高揚力の方向舵を備える請求項1又は2に記載のプロペラ後流整流装置。
  11. 前記方向舵の上端又は下端に、左右方向に延出する形状の整流板を配置した請求項10に記載のプロペラ後流整流装置。
  12. 前記方向舵の水平断面形状は、プロペラ軸に対して対称な断面形状である請求項10又は11に記載のプロペラ後流整流装置。
  13. 前記ラダーホーンのプロペラ軸の延長線上における側壁面に、流線型の膨出部を形成した請求項1、2、10乃至12のいずれかに記載のプロペラ後流整流装置。
  14. 前記流線型の膨出部と繋がる形状の舵面膨出部を形成した方向舵を備える請求項13に記載のプロペラ後流整流装置。
  15. 前記プロペラ軸の後端部に取り付けられ、前記流線型の膨出部と繋がる形状に成形した側壁面を有するボスキャップを備える請求項8、9、13、又は14のいずれかに記載のプロペラ後流整流装置。
  16. 前記ラダーホーンは、半釣合舵の方向舵を支持する請求項3乃至15のいずれかに記載のプロペラ後流整流装置。
  17. 前記ラダーホーンは、舵軸において前記方向舵の下部を支持する舵針を備える請求項10乃至15のいずれかに記載のプロペラ後流整流装置。
  18. 前記ラダーホーンは、非釣合舵の前記方向舵を支持する請求項17に記載のプロペラ後流整流装置。
  19. 前記方向舵の舵幅は、前記ラダーホーンと方向舵との合計の全幅の50%以上とした請求項17又は18に記載のプロペラ後流整流装置。
  20. 前記方向舵の舵幅は、前記ラダーホーンと方向舵との合計の全幅の50%以下とした請求項17又は18に記載のプロペラ後流整流装置。
  21. 前記方向舵の舵角0°における後縁翼弦角は、螺旋状のプロペラ後流に従った角度を有する請求項3乃至20のいずれかに記載のプロペラ後流整流装置。
  22. 前記方向舵のプロペラ軸に対する最大後縁舵角は、左右で異なる角度である請求項3乃至18のいずれかに記載のプロペラ後流整流装置。
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