JP2014156041A - 樹脂注型品 - Google Patents

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Kyoko Fujimura
恭子 藤村
Takahiro Imai
隆浩 今井
Osamu Tagaya
治 多賀谷
Susumu Kinoshita
晋 木下
Osamu Sakaguchi
修 阪口
Miyoshi Matsuoka
美佳 松岡
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Abstract

【課題】電気部材を埋め込んだ絶縁層の熱分布を改善して残留応力を低減し、軽量化を図る。
【解決手段】主絶縁部1aと、主絶縁部1aに連接された沿面絶縁部1bと界面絶縁部1cとを有する外部接続絶縁部とで構成される樹脂注型品であって、主絶縁部1aは、電気系統を構成する中心導体2などの電気部材と、電気部材の外周にモールドにより設けられた主絶縁層3と、主絶縁層3の外周に設けられた接地層4とで構成され、主絶縁層3の外形形状を、所定の絶縁厚さを持って電気部材の外形形状の相似形で大きくしたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、中心導体や真空バルブなどの電源系統を構成する電気部材を絶縁層に埋め込んだ樹脂注型品に関する。
従来、中心導体や真空バルブなどの電気部材をエポキシ樹脂でモールドした樹脂注型品が高電圧機器に広く用いられている。例えば、T字状の中心導体をモールドしたT型ブッシングは、ガス絶縁スイッチギヤに用いられている(例えば、特許文献1参照。)。また、真空バルブをモールドしたモールド真空バルブは、固体絶縁スイッチギヤに用いられている(例えば、特許文献2参照。)。
このような樹脂注型品の絶縁層は、電気的強度や機械的強度などを満足させるため、様々な形状となっている。例えば、電気的強度が必要な個所では、絶縁厚さを他の部分よりも厚くし、また、機械的強度が必要な個所では、大きな曲率を持たせ、応力の分散が行われている。即ち、絶縁厚さや外形形状が様々であり、絶縁厚さの変化する部分ではモールド時に熱分布を乱す要因になり、残留応力を生じさせることがあった。
一方、モールドにおいては、液状エポキシ樹脂を樹脂金型に充填する温度約150℃から、加熱硬化させ、常温に冷却するまでの温度変化がある。この温度変化に対し、電気部材を埋め込むものでは、エポキシ樹脂との間で熱膨張係数が相違し、絶縁層内の残留応力を増大させることがあった。このため、電気部材を埋め込む樹脂注型品において、絶縁厚さの変化を抑えて熱分布を改善し、残留応力を抑制できるものが望まれていた。
特開2012−30566号公報 特開2012−243581号公報
本発明が解決しようとする課題は、絶縁層の熱分布を改善し、残留応力を低減することができる電気部材を埋め込んだ樹脂注型品を提供することにある。
上記課題を解決するために、実施形態の樹脂注型品は、主絶縁部と、前記主絶縁部に連接された外部接続絶縁部とで構成される樹脂注型品であって、前記主絶縁部は、電気系統を構成する電気部材と、前記電気部材の外周にモールドにより設けられた主絶縁層と、前記主絶縁層の外周に設けられた接地層とで構成され、前記主絶縁層の外形形状を、所定の絶縁厚さを持って前記電気部材の外形形状の相似形で大きくしたことを特徴とする。
本発明の実施例1に係る樹脂注型品の構成を示す断面図。 本発明の実施例2に係る樹脂注型品の構成を示す断面図。 本発明の実施例3に係る樹脂注型品の構成を示す断面図。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
先ず、本発明の実施例1に係る樹脂注型品を図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施例1に係る樹脂注型品の構成を示す断面図である。なお、樹脂注型品をT型ブッシングを用いて説明する。
図1に示すように、T型ブッシングは、主絶縁部1aと、主絶縁部1aに連接された図示上方向の沿面絶縁部1b、図示左右方向の界面絶縁部1cで構成されている。沿面絶縁部1bと界面絶縁部1cは、他の電気機器と接続するための外部接続絶縁部となる。
主絶縁部1aには、T字状の中心導体2が設けられ、その外周にエポキシ樹脂をモールドした主絶縁層3が形成されている。中心導体2は、棒状中心導体2aと環状中心導体2bで構成されている。主絶縁層3もT字状であり、棒状中心導体2aの外周の棒状絶縁層3aと、環状中心導体2bの外周の環状絶縁層3bで構成されている。棒状絶縁層3aと環状絶縁層3bは、絶縁厚さが同様であり、電圧クラスによって定まる所定の絶縁厚さを有している。主絶縁層3の外周には、導電性塗料を塗布した接地層4が設けられている。
沿面絶縁部1bには、棒状中心導体2aに連接された接続用中心導体2cが設けられ、その外周に、突出した円錐状の沿面絶縁層3cが棒状絶縁層3aに連接し設けられている。接続用中心導体2cの端部は、沿面絶縁層3cから露出している。棒状絶縁層3aと沿面絶縁層3cが連接する部分には、碗状の窪みを持たせた環状の電界緩和部3dが設けられている。
界面絶縁部1cには、環状中心導体2bに連接された端部中心導体2dが設けられ、これを埋め込むように、窪んだ円錐状の界面絶縁層3eが環状絶縁層3bに連接し設けられている。環状中心導体2bの内周面は、界面絶縁層3eの開口部を介して露出している。界面絶縁層3eの外周には、接地層4が設けられている。
ここで、中心導体2、接続用中心導体2c、端部中心導体2dが主絶縁層3、沿面絶縁層3c、界面絶縁層3eに埋め込まれる電気部材となる。
このような構成において、主絶縁層3は、中心導体2の外形形状を一回り大きくした相似形であり、棒状絶縁層3aと環状絶縁層3bの絶縁厚さが同様となっている。このため、モールド時の樹脂の流れに乱れが生じず、主絶縁層3の半径方向および軸方向で熱分布が改善される。軸方向とは、T字状の横方向と縦方向の両方向であり、熱分布が均一化される。その結果、加熱硬化において、残留応力が極めて小さくなり、優れた機械的、電気的特性を得ることができる。なお、モールド後の使用環境による温度変化を受けても問題ないものとなる。
また、主絶縁層3と中心導体2の熱膨張係数が異なり、接着面では残留応力が発生し易いものの、応力分布が接着面全体に層状的に現れ、特定部分に集中することがない。その結果、残留応力を小さいものとすることができる。なお、主絶縁層3での残留応力を小さくすることができるので、これに連接する沿面絶縁層3c、界面絶縁層3eの残留応力も抑制することができる。即ち、沿面絶縁層3c、界面絶縁層3eでは、絶縁厚さが変化しているが、残留応力が緩和されるものとなる。
上記実施例1の樹脂注型品によれば、主絶縁層3を中心導体2の相似形で大きくしているので、モールド時の熱分布が半径方向や軸方向で改善され、残留応力を大きく抑制することができる。また、主絶縁層3が最適な絶縁厚さとなるので、軽量化を図ることができる。
次に、本発明の実施例2に係る樹脂注型品を図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施例2に係る樹脂注型品の構成を示す断面図である。なお、この実施例2が実施例1と異なる点は、電気部材である。図2において、実施例1と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。電気部材をモールド真空バルブを用いて説明する。
図2に示すように、モールド真空バルブは、主絶縁部1aと、主絶縁部1aに連接された図示上下方向の界面絶縁部1cで構成されている。界面絶縁部1cは、他の電気機器と接続するための外部接続絶縁部となる。
主絶縁部1aには、接離自在の一対の接点10を有する真空バルブ11が設けられている。真空バルブ11の固定側と可動側端部には、封着金具を覆うような碗状の電界緩和シールド12a、12bが設けられている。真空バルブ11と電界緩和シールド12a、12bの周りには、エポキシ樹脂をモールドした主絶縁層13が設けられている。主絶縁層13は、電界緩和シールド12a、12b外周の端部絶縁層13a、13bと、真空バルブ11の外周の中間絶縁層13cで構成されている。端部絶縁層13a、13bが太径、中間絶縁層13cが細径であるものの、絶縁厚さは同様であり、電圧クラスによって定まる所定の絶縁厚さを有している。主絶縁層13の外周には、接地層4が設けられている。
界面絶縁部1cには、固定側では、固定側電極14が設けられ、窪んだ円錐状の界面絶縁層13dが端部絶縁層13aに連接して設けられている。界面絶縁層13dの外周には、接地層4が設けられている。可動側では、可動側電極15が設けられ、突出した円錐状の界面絶縁層13eが端部絶縁層13bに連接して設けられている。界面絶縁層13eの外周には、接地層4が設けられている。
ここで、真空バルブ11、電界緩和シールド12a、12bが主絶縁層13に埋め込まれる電気部材となる。
このような構成において、主絶縁層13は、真空バルブ11と電界緩和シールド12a、12bを組み合わせた外形形状を相似形で大きくし、端部絶縁層13a、13bと中間絶縁層13cの絶縁厚さを同様としているため、モールド時の樹脂の流れに乱れが生じず、主絶縁層13の半径方向および軸方向で熱分布が改善される。その結果、加熱硬化において、残留応力が極めて小さくなり、優れた機械的、電気的特性を得ることができる。特に、真空バルブ11では、絶縁容器にセラミックスが用いられ、主絶縁層13との熱膨張係数が異なるが、熱分布が改善されるので、特定部分に残留応力が集中することがない。なお、主絶縁層13での残留応力が小さいので、これに連接する界面絶縁層13d、13eの残留応力も抑制することができる。
上記実施例2の樹脂注型品によれば、実施例1による効果のほかに、真空バルブを用いた電気部材においても、残留応力を大きく抑制することができる。
次に、本発明の実施例3に係る樹脂注型品を図3を参照して説明する。図3は、本発明の実施例3に係る樹脂注型品の構成を示す断面図である。なお、この実施例3が実施例1と異なる点は、電気部材である。図3において、実施例1と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。電気部材を単一形ブッシングを用いて説明する。
図3に示すように、単一形ブッシングは、主絶縁部1a1、1a2と、主絶縁部1a1、1a2に連接された図示上下方向の沿面絶縁部1b、主絶縁部1a1、1a2に挟まった中間固定部1dで構成されている。沿面絶縁部1bは、他の電気機器と接続するための外部接続絶縁部となる。
主絶縁部1a1、1a2には、棒状で同径の中心導体20a、20bが設けられ、その外周にエポキシ樹脂をモールドした主絶縁層21a、21bが形成されている。主絶縁層21a、21bは、絶縁厚さが同様であり、電圧クラスによって定まる所定の絶縁厚さを有している。主絶縁層21a、21bの外周には、導電性塗料を塗布した接地層4が設けられている。
中間固定部1dには、中心導体20a、20bと同径の中心導体20cが連接されており、その外周に主絶縁層21a、21bよりも突出した固定絶縁層21cが設けられている。固定絶縁層21cの外周には、接地層4が設けられている。なお、沿面絶縁部1bは、実施例1と同様である。固定絶縁層21cは、樹脂注型品を固定部材に固定する部位となる。
このような構成において、主絶縁層21a、21bは、中心導体20a、20bの外形形状を大きくした相似形であり、主絶縁層21a、21bの絶縁厚さを同様としているので、モールド時の樹脂の流れに乱れが生じず、主絶縁層21a、21bの半径方向および軸方向で熱分布が改善される。なお、主絶縁層21a、21bでの残留応力が小さいので、これに連接する固定絶縁層21cの残留応力も抑制することができる。主絶縁層21a、21bの軸方向の長さを同様にすれば、残留応力の低減に好ましいものとなる。
上記実施例3の樹脂注型品によれば、実施例1による効果のほかに、樹脂注型品に絶縁厚さの異なる固定絶縁層21cを設けても、残留応力を抑制することができる。
以上述べたような実施形態によれば、電気部材を埋め込む絶縁層の外形形状を、電気部材の外形形状を所定の絶縁厚さを持って相似形に大きくすることにより、熱分布を改善することができ、残留応力を抑制することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1a、1a1、1a2 主絶縁部
1b 沿面絶縁部
1c 界面絶縁部
1d 中間固定部
2、20a、20b、20c 中心導体
3、13、21a、21b 主絶縁層
4 接地層
11 真空バルブ
12a、12b 電界緩和シールド

Claims (6)

  1. 主絶縁部と、
    前記主絶縁部に連接された外部接続絶縁部とで構成される樹脂注型品であって、
    前記主絶縁部は、電気系統を構成する電気部材と、
    前記電気部材の外周にモールドにより設けられた主絶縁層と、
    前記主絶縁層の外周に設けられた接地層とで構成され、
    前記主絶縁層の外形形状を、所定の絶縁厚さを持って前記電気部材の外形形状の相似形で大きくしたことを特徴とする樹脂注型品。
  2. 前記外部接続絶縁部は、沿面絶縁部であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂注型品。
  3. 前記外部接続絶縁部は、界面絶縁部であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂注型品。
  4. 前記電気部材は、中心導体であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の樹脂注型品。
  5. 前記電気部材は、真空バルブと、この真空バルブの封着金具の外周に設けられた電界緩和シールドとであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の樹脂注型品。
  6. 前記主絶縁部に中間固定部を連接したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の樹脂注型品。
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