JP2014155427A - 電界結合並列共振型電力供給システム用フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】電力伝送効率が高い、並列共振型電力供給システム用フィルタを提供することを課題とする。
【解決手段】並列共振型電力システムにおいて、入力端、及び出力端に並列共振回路を有し、入力端と出力端共振器間を結合容量で接続されるC結合帯域通過フィルタにおいて、前記結合容量を2個の結合容量の直列接続で構成し、前記2個の結合容量の入出力端に接続されない端子と接地間にインダクタまたは容量を設けた事により、小さい結合容量を有した事を特徴とする並列共振型電力供給システム用フィルタ、及び前記フィルタの平衡型構成を有した事を特徴とする並列共振型電力供給システム用フィルタ。
【選択図】図2
【解決手段】並列共振型電力システムにおいて、入力端、及び出力端に並列共振回路を有し、入力端と出力端共振器間を結合容量で接続されるC結合帯域通過フィルタにおいて、前記結合容量を2個の結合容量の直列接続で構成し、前記2個の結合容量の入出力端に接続されない端子と接地間にインダクタまたは容量を設けた事により、小さい結合容量を有した事を特徴とする並列共振型電力供給システム用フィルタ、及び前記フィルタの平衡型構成を有した事を特徴とする並列共振型電力供給システム用フィルタ。
【選択図】図2
Description
本発明は、各種の負荷に対して電力供給を行うための電界結合並列共振型電力供給システム用フィルタに関するものである。
電界結合並列共振型電力供給システム用フィルタは特許文献1において、結合容量及びインダクタを用いた回路構成が開示され、一部試作結果も報告されている。
(例えば特許文献1)
(例えば特許文献1)
並列共振型電力供給システム用フィルタは、特許文献2及び非特許文献1において、その回路構成が開示され、一部試作結果も報告されている。
(例えば特許文献2、非特許文献1参照。)
(例えば特許文献2、非特許文献1参照。)
「電界結合・共振型ワイアレス電力伝送技術」、電子情報通信学会技報、WPO2011−24(2011−12)、(PP1−PP6)
「電界結合・共振型ワイアレス電力伝送技術」、電子情報通信学会技報、WPO2011−24(2011−12)(pp1−pp6)
「トロイダル・コア活用百科」、CQ出版社、1983、10、31、(pp296)
しかしながら、特許文献1は、電力を非接触で伝送するために必要な結合電極回路を構成するLC素子値の決定手法、その回路実装構造に関するものある。安定した電力供給を行うことを目的とした回路実装構造に関するものであるため、並列共振型電力供給用フィルタとして、特性規格からそのフィルタに要求されるフィルタ特性、そのフィルタ特性からそのフィルタを構成する、LCの素子値に関する課題がある。また、回路構成は、並列共振型電力供給用フィルタの基本回路構成に、入出力端にトランスを介したインピーダンス調整用並列共振回路が設けられている。図1に示される結合電極だけでは、並列共振型電力供給用フィルタに要求される特性を満足する事はできない。この要求特性を満足するフィルタを得るのが本発明の課題である。
また、特許文献1の並列共振型電力供給用フィルタは、非特許文献2にも示されているC結合帯域通過型フィルタ(BPF)である。このC結合BPFの回路構成は、まず結合容量を想定して、他の構成素子値を決め、充電器特性を測定し、その測定した特性から、構成LCを変化させ、充電器特性を満足するフィルタを得ている事が現状である。本発明の他の課題は、充電器として要求される電力伝送効率が高く、容量比の大きくした、インピーダンス調整用意な並列共振型電力供給システム用フィルタを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に記載の並列共振型電力供給用システムにおいて、広帯域効率特性を持ち、二つの入力端及び二つの出力端を有し、前記入力並列共振器と出力並列共振器間に、結合容量と理想変成器を設けた並列共振型電力供給システム用フィルタにおいて、前記結合容量は理想変成器を設けない場合より小さい値を有する事を特徴とする。
また、請求項2に記載の並列共振型電力供給用システムは、請求項1に記載の理想変成器の変成比を1.0から0.1の間に設定した事を特徴とする。
請求項3に記載の並列共振型電力供給用システムにおいて、広帯域効率特性を持ち、二つの入力端及び二つの出力端を有し、前記入力並列共振器と出力並列共振器間に、直列に二つの結合容量を設け、入出力並列共振器に接続されない二つの結合容量端と接地端の間にインダクタを設けた並列共振型電力供給システム用フィルタにおいて、前記結合容量はインダクタを設けない場合より小さい値を有する事を特徴とする。
また、請求項4記載の並列共振型電力供給用システムは、請求項3に記載の二つの結合容量に直列にインダクタを設けた事により、前記結合容量はインダクタを設けない場合より小さい値を有する事を特徴とする。
請求項5に記載の並列共振型電力供給用システムにおいて、広帯域効率特性を持ち、二つの入力端及び二つの出力端を有し、前記入力並列共振器と出力並列共振器間に、直列に二つの結合容量を設け、入出力並列共振器に接続されない二つの結合容量端と接地端の間に容量を設けた並列共振型電力供給システム用フィルタにおいて、前記結合容量は容量を設けない場合より小さい値を有する事を特徴とする。
また、請求項6記載の並列共振型電力供給用システムは、請求項5に記載の二つの結合容量に直列にインダクタを設けた事により、前記結合容量はインダクタを設けない場合より小さい値を有する事を特徴とする
請求項7記載の並列共振型電力供給用システムは請求項1から請求項6までの並列共振型電力供給システム用フィルタにおいて、結合容量に直列に設けられるインダクタは、二つの結合容量において、どちらか一つの結合容量にインダクタを設けられる事により、小さい結合を有した事を特徴とする並列共振型電力供給システム用フィルタ。
請求項7記載の並列共振型電力供給用システムは請求項1から請求項8までの並列共振型電力供給システム用フィルタにおいて、前記並列共振型電力供給システム用フィルタは平衡型構成を有した事を特徴とする並列共振型電力供給システム用フィルタ。
本発明によれば、結合容量の小さい値に設定された並列共振型電力供給用システム用フィルタにより、広帯域効率特性を有するフィルタが得られ、並列共振型電力供給用システム用フィルタはこの容量値を変化させても入出力並列共振器の共振周波数の変動が少なく、安定な効率特性で、インピーダンス調整を容易にした事を可能とする。
また、並列共振型電力供給用フィルタとして、請求項記載の結合容量に、入出力並列共振器の共振器インダクタ値以下のインダクタを結合容量に直列に設ける事により、広帯域効率特性の並列共振型電力供給用フィルタを得られるのが特徴である。
また、並列共振型電力供給用フィルタとして、請求項記載の結合容量に、入出力並列共振器の共振器インダクタ値以下のインダクタを結合容量に直列に設ける事により、広帯域効率特性の並列共振型電力供給用フィルタを得られるのが特徴である。
並列共振型電力供給用フィルタは、非特許文献2に示されているごとく、図7のC結合BPF回路構成を基本として、この回路は、その設計段階において、構成素子値を計算可能で、その素子値を用いて、充電器用フィルタが試作されると想定されるが、非特許文献1等から想定すると、試作においては、最初結合容量設定製作し、データを取得し、そのデータを基にして、入出力の並列共振器を設計試作する方法で、製作したフィルタを用いた電力供給システムに提供されているのが現状である。そこで、本発明の並列共振型電力供給用フィルタは、前記非特許文献2に示されている如く、入出力端に並列共振回路、及びその入出力並列共振器間に結合容量を介して接続されている図7のC結合BPF構成を基本として、その結合容量を小さい値に設定できる事を特徴とする。
(1)本発明のシミュレーション
まず、本発明の回路構成1となるシミュレーションは、図1の回路構成1のF行列から、回路の周波数特性を示す(5)のS、効率特性を示す(7)のη21を用いて、電界結合型電力供給システム用フィルタの回路構成1の特性を評価する。
まず、本発明の回路構成1となるシミュレーションは、図1の回路構成1のF行列から、回路の周波数特性を示す(5)のS、効率特性を示す(7)のη21を用いて、電界結合型電力供給システム用フィルタの回路構成1の特性を評価する。
通常電力供給システム用フィルタは、非特許文献2に示されている如く、(1)フィルタ条件、(2)力率条件、(3)整合条件の検討が必要である。ここでは、このフィルタ条件及び力率条件について評価検討した。評価の基準はF行列を用いた。このF行列は数(1)で与えられ、そのA・B・C・Dの四端子定数は下記数(2)に示される。
また、図1の回路構成(1)のF行列の各要素を数(3)で与えられる。
ここで、Y=Y1=Y2=LC並列共振回路のアドミタンス、Zは結合容量のインピーダンス、nは理想変成器の変成比である。
具体的、図1の回路構成の数(4)の各要素を計算すると数(4)で与えられる。
具体的、図1の回路構成の数(4)の各要素を計算すると数(4)で与えられる。
(2)シミュレーション、及び試作結果
本シミュレーションは13,56MHz帯の並列共振型電力伝送システム用フィルタについておこなった。13,56MHzについては、通過帯域を±4.0MHz、±3.0MHzとして構成素子値を求めた。構成素子値は全て、同じ無負荷Qを持つとしておこなった。この無負荷QはQ=50として、結合容量値の小さくなる回路構成およびその最小化手法を求めた。
本シミュレーションは13,56MHz帯の並列共振型電力伝送システム用フィルタについておこなった。13,56MHzについては、通過帯域を±4.0MHz、±3.0MHzとして構成素子値を求めた。構成素子値は全て、同じ無負荷Qを持つとしておこなった。この無負荷QはQ=50として、結合容量値の小さくなる回路構成およびその最小化手法を求めた。
請求項1及び請求項2の場合について、13,56MHzにおいて、通過帯域を、±4.0MHzとして、算出した素子値を表1に示す。表1において、nは理想変成器の変成比を表す。
ここで、表1(NO1)は、n=1の場合で、通常のC結合BPFを示す。この場合、結合容量はC31で、102pFである。容量比K=C1/C31は3.10である。ここで、このC結合BPFの結合容量と出力端並列共振器間に理想変成器を設けたのが、図1の本発明の回路構成1である。理想変成器の変成比n及び入力出力端並列共振器のLCをパラメータとして、結合容量C31の最適化を図った結果を表1(NO2、NO3)に示す。表1からわかるように、理想変成器の変成比nを1より小さい値にすると、結合容量値は確実に小さくなる事である。
本発明の回路構成1(NO3)、従来の表1(NO1)、C結合BPFを比較検討するため試作した。
表1(NO1)の並列共振器のLC素子値は、C1=C2=320pfとして、セラミックコンデンサを、インダクタは、形状T68のトロイダルコアに、銅メツキ軟銅線0.45(MM)を6(T)巻いて、L1、L2とした。
また、図1の理想変成器は、形状T68のトロイダルコアに、銅メツキ軟銅線0.45(MM)を、5(T)、20(T)ペアに巻き、5(T)、20(T)ペアの共通端を接地端に接続した。トロイダルコアに、銅メツキ軟銅線0.45(MM)を、6(T)の他端を出力側の並列共振回路に接続し、20(T)の他端を結合容量C3の一端に接続した。試作結果を表2に示す。結合容量C31は、表1(NO1)においては、100(PF)として、またn=1の理想変成器を設けて測定した結果を、表2(1)に示す。この場合の理想変成器のLは、5(T)側が0.5μH、20(t)側が3.50μHである。この場合の理想変成器のnはN=0.33である。結合容量C3はC3=40pFと、表1(NO1)の現状の結合容量が100pFである。試作した場合の特性比較を表2に示す。表2の試作データにおいて、F0は中心周波数、−3は通過帯域の低域における3dB降下周波数、3は通過帯域の高域側における3dB降下周波数、帯域幅は前記3dB周波数の差である。本発明の回路構成1は、従来のC結合BPFと比較して、3dB幅が広くなり、更に結合容量が1/25である事が大きな特徴である。
表1(NO1)の並列共振器のLC素子値は、C1=C2=320pfとして、セラミックコンデンサを、インダクタは、形状T68のトロイダルコアに、銅メツキ軟銅線0.45(MM)を6(T)巻いて、L1、L2とした。
また、図1の理想変成器は、形状T68のトロイダルコアに、銅メツキ軟銅線0.45(MM)を、5(T)、20(T)ペアに巻き、5(T)、20(T)ペアの共通端を接地端に接続した。トロイダルコアに、銅メツキ軟銅線0.45(MM)を、6(T)の他端を出力側の並列共振回路に接続し、20(T)の他端を結合容量C3の一端に接続した。試作結果を表2に示す。結合容量C31は、表1(NO1)においては、100(PF)として、またn=1の理想変成器を設けて測定した結果を、表2(1)に示す。この場合の理想変成器のLは、5(T)側が0.5μH、20(t)側が3.50μHである。この場合の理想変成器のnはN=0.33である。結合容量C3はC3=40pFと、表1(NO1)の現状の結合容量が100pFである。試作した場合の特性比較を表2に示す。表2の試作データにおいて、F0は中心周波数、−3は通過帯域の低域における3dB降下周波数、3は通過帯域の高域側における3dB降下周波数、帯域幅は前記3dB周波数の差である。本発明の回路構成1は、従来のC結合BPFと比較して、3dB幅が広くなり、更に結合容量が1/25である事が大きな特徴である。
表3においては、C31=C32の場合について、二つの結合容量の接続端と接地間に設けられるインダクタL3及び二つの結合容量を用いて、結合容量C31(及びC32)の最小化を検討した。
その場合の1手法を表3に示した。図2において、C31、C32及びL3のT型回路構成をπ型回路構成に変換し、このπ型回路においては、入力並列共振器と出力並列共振器表は直列共振回路により接続される。この直列共振回路を、決められた値にL3を設定すれば指定の結合容量が得られる。
この過程を、表3を用いて説明します。表3(1)はL3が無限大の場合で、従来のC結合BPFです。ここで、C31及びC32の結合容量を199pFとして、表3(2)に示す前記π型回路の直列共振周波数のF0が8.81MHzになるようにL3を決める。このL3は2.15μHとなり、指定の結合容量が得られ、所要の特性が得られる。以下同様にして、表3(3)は、結合容量が180pFの場合で、表3(4)は結合容量が162pFの場合を示している。請求項4は、図2の結合容量C31及びG32に直列にインダクタを設け、結合容量と直列インダクタの合成インピーダンスで、等価結合容量値の低下させるものである。本実用例は、多層基板による並列共振型電力伝送システム用フィルタを実用化する場合の薄板間の寄生インピーダンスが存在する場合有用な回路構成である。
この図5の回路構成は、図4の回路構成(4)のインダクタL3に容量を用いたもので、その容量と結合容量C31及び結合容量C32で形成されるT型回路をπ型回路に等価変換した回路である。
表4においては、二つの結合容量の接続端と接地間に設けられるキャパシタC3及び二つの結合容量に直列に設けられるインダクタL32を用いて、結合容量C31の最小化を検討した。
その場合の一過程を表4に示した。まず、最初に、図5の回路構成において、C結合BPFの素子値の表3NO4においての素子値である効率特性における結合容量C31は108pFである事を確認する。表4の(NO1−NO3)の素子値においては、表4の(NO2)の結合容量C31が82.9pFで最小の値である、この場合のL32の値はL1の値と同じ値になる。表4のNO1とNO−3の場合の結合容量は103pFで、この場合のL32の値は73nHである。即ち、L1の0.267*L1の値である。L32は小さい値の変化でも結合容量は変化する事を意味する。
その周波数特性の最小損失周波数、低域側3dB損失周波数及び高域側3dB通過帯域幅は、表5に示すように、最小損失周波数は14.8MHz、3dB通過帯域幅は6.7MHz共に試作サンプルの値が大きい。この値は、本発明の目的に間接的に関係し、結合容量C31は回路構成5を用いると小さく出来る事を示している。
実施例4は、請求項4記載の並列共振型電力供給システム用フィルタを平衡型構成にした[請求項8]を特徴とする並列共振型電力供給システム用フィルタである。回路構成は、図6に示す如く、結合容量として、C311及びC321、調整用インダクタとして、L32が2個のLC素子が図4に追加された回路構成になっています。構成各LC素子のQをQ=50とした場合で、ただし式(4)のF行列の各要素は、中間に平衡型F行列で構成した、F行列から、周波数特性は数(5)、及び効率特性は数(7)からシミュレーション特性を求め、80%効率幅、を求めた。
この図6の回路構成の素子値は、結合容量はC31=C311=C32=C321=一定として、共振器素子も一定として、調整用インダクタL32は用いない場合の、インダクタL3の変動による効率特性の変化をまず検討した。表6に示す如く、この平衡型構成の場合、インダクタL3を用いない場合の効率特性の80%効率幅は、表6に示す如く、2.40MHzで、インダクタL3を小さくした場合の、L3=5.0μHの場合、2.2MHzになり、L3をL3=1.5.μHの場合、効率特性の80%効率幅は1.50MHzになる。他の構成素子を調整すると、L3がない場合の効率特性の80%効率幅より広くなる。
次に、この図6の回路構成において、調整用インダクタL32は用いて、調整用インダクタL32による効率特性の変化を検討し、表7に、その結果を示した。L32=40,2nHの場合、効率特性の80%効率幅は2.45MHz,と広くなり、結合容量は536pFと小さくなる。L32を更に大きく、L3=75.2nHの場合、効率特性の80%効率幅は2.45MHz同じ値であるが、結合容量は476pFになり、容量比も1.91になる。L32により、確実に容量比および効率特性の改善に効果がある。このL32の値には限界があり、L3=L1とすると、容量比および効率特性の改善は出来るが減衰帯域に変動がある場合があるので、L32を大きくするときは減衰帯域の特性変動に注意が必要である。
また、実施例4においては、4個のL32を用いているが、寄生インピーダンス等の回路構成において見積もり出来る素子値が存在する場合、4個以下のL32でも、より小さい結合容量、80%効率幅の広い特性が得られる。
この図6の回路構成の素子値は、結合容量はC31=C311=C32=C321=一定として、共振器素子も一定として、調整用インダクタL32は用いない場合の、インダクタL3の変動による効率特性の変化をまず検討した。表6に示す如く、この平衡型構成の場合、インダクタL3を用いない場合の効率特性の80%効率幅は、表6に示す如く、2.40MHzで、インダクタL3を小さくした場合の、L3=5.0μHの場合、2.2MHzになり、L3をL3=1.5.μHの場合、効率特性の80%効率幅は1.50MHzになる。他の構成素子を調整すると、L3がない場合の効率特性の80%効率幅より広くなる。
次に、この図6の回路構成において、調整用インダクタL32は用いて、調整用インダクタL32による効率特性の変化を検討し、表7に、その結果を示した。L32=40,2nHの場合、効率特性の80%効率幅は2.45MHz,と広くなり、結合容量は536pFと小さくなる。L32を更に大きく、L3=75.2nHの場合、効率特性の80%効率幅は2.45MHz同じ値であるが、結合容量は476pFになり、容量比も1.91になる。L32により、確実に容量比および効率特性の改善に効果がある。このL32の値には限界があり、L3=L1とすると、容量比および効率特性の改善は出来るが減衰帯域に変動がある場合があるので、L32を大きくするときは減衰帯域の特性変動に注意が必要である。
また、実施例4においては、4個のL32を用いているが、寄生インピーダンス等の回路構成において見積もり出来る素子値が存在する場合、4個以下のL32でも、より小さい結合容量、80%効率幅の広い特性が得られる。
従来、並列共振型電力供給用フィルタの構成素子値の事前決定は不可能とされていた。本発明示すようにC結合BPFを用いた構成を基本として、その設計段階において、その構成素子値を計算可能で、その素子値を用いて、結合容量がより小さい値を持つ、充電器として要求されるフィルタ特性が得られ、電力伝送効率が高く、小型化された、並列共振型電力供給システム用フィルタで、更に発生する雑音の少ない電力供給システムを提供することができる。ここでは、本発明の五つの回路構成から、三つの回路構成について、13.56MHz帯域の実施例について、本発明の有用性を示した。この回路は、前記二つの周波数のみ成らずすべての周波数において適用可能と判断できる。本発明の五つの回路構成において、結合容量に直列に接続されるインダクタ、インダクタを含めた等価容量値を小さくする動作をするもので、インダクタ値は比較的に小さい値になる。
以上要するに、本発明によれば、並列共振型電力供給システムの事前検討時において、フィルタの回路構成、その素子値及び効率特性の杷握で、減衰帯域において、高減衰特性が得られ、しかも高調波において、高減衰となり、高効率特性の並列共振型電力供給システム用フィルタを提供できる。
L1・・・入力側インダクタ
C1・・・入力側キャパシタ
L2・・・出力側インダクタ
C2・・・出力側キャパシタ
C31、C311・・・結合用キャパシタ
C32、C321・・・結合用キャパシタ
C11・・・結合回路用キャパシタ
C22・・・結合回路用キャパシタ
L3・・・結合回路用インダクタ
L4・・・理想変成器用インダクタ
L5・・・理想変成器用インダクタ
L32・・・結合容量用インダクタ
n・・・変成比
C1・・・入力側キャパシタ
L2・・・出力側インダクタ
C2・・・出力側キャパシタ
C31、C311・・・結合用キャパシタ
C32、C321・・・結合用キャパシタ
C11・・・結合回路用キャパシタ
C22・・・結合回路用キャパシタ
L3・・・結合回路用インダクタ
L4・・・理想変成器用インダクタ
L5・・・理想変成器用インダクタ
L32・・・結合容量用インダクタ
n・・・変成比
Claims (8)
- 並列共振型電力システムにおいて、入力端、及び出力端に並列共振回路を有し、入力端と出力端共振器間を結合容量で接続されるC結合帯域通過フィルタにおいて、前記結合容量と出力端共振器または入力端共振器間に、1対nの理想変成器を設け、前記結合容量が小さい値を有した事を特徴とする並列共振型電力供給システム用フィルタ。
- 請求項1記載の前記理想変成器において、前記理想変成器nの値を0.1Ωから0.8の間に設定した事を特徴とする並列共振型電力供給システム。
- 並列共振型電力システムにおいて、入力端、及び出力端に並列共振回路を有し、入力端と出力端共振器間を結合容量で接続されるC結合帯域通過フィルタにおいて、前記結合容量を2個の結合容量の直列接続で構成し、前記2個の結合容量の入出力端に接続されない端子と接地間にインダクタを設けた事により、小さい結合容量を有した事を特徴とする並列共振型電力供給システム用フィルタ。
- 並列共振型電力システムにおいて、入力端、及び出力端に並列共振回路を有し、入力端と出力端共振器間を結合容量とインダクタの直列接続されるC結合帯域通過フィルタにおいて、前記インダクタと結合容量を2個のインダクタと2個の結合容量の直列接続で構成し、前記2個の結合容量と2個インダクタの入出力端に接続されない端子と接地間にインダクタを設けた事により、小さい結合容量を有した事を特徴とする並列共振型電力供給システム用フィルタ。
- 並列共振型電力システムにおいて、入力端、及び出力端に並列共振回路を有し、入力端と出力端共振器間を結合容量で接続されるC結合帯域通過フィルタにおいて、前記結合容量を2個の結合容量の直列接続で構成し、前記2個の結合容量の入出力端に接続されない端子と接地間に容量を設けた事により、小さい結合容量を有した事を特徴とする並列共振型電力供給システム用フィルタ。
- 並列共振型電力システムにおいて、入力端、及び出力端に並列共振回路を有し、入力端と出力端共振器間を結合容量とインダクタで接続される、C結合帯域通過フィルタにおいて、前記インダクタと結合容量を2個のインダクタと結合容量の直列接続で構成し、インダクタと結合容量の入出力端に接続されない端子と接地間に容量を設けた事により、小さい結合容量を有した事を特徴とする並列共振型電力供給システム用フィルタ。
- 請求項1から請求項6までの並列共振型電力供給システム用フィルタにおいて、結合容量に直列に設けられるインダクタは、二つの結合容量において、どちらか一つの結合容量にインダクタを設けられる事により、小さい結合を有した事を特徴とする並列共振型電力供給システム用フィルタ。
- 請求項1から請求項7までの並列共振型電力供給システム用フィルタにおいて、前記並列共振型電力供給システム用フィルタを平衡型構成を有した事を特徴とする並列共振型電力供給システム用フィルタ。
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JP2013032546A Pending JP2014155427A (ja) | 2013-02-05 | 2013-02-05 | 電界結合並列共振型電力供給システム用フィルタ |
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JP (1) | JP2014155427A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019161937A (ja) * | 2018-03-15 | 2019-09-19 | 株式会社東芝 | 無線電力伝送システム及び送電装置 |
CN113612462A (zh) * | 2021-07-21 | 2021-11-05 | 杭州电子科技大学 | 一种基于管状滤波器结构的全可调带通滤波器 |
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2013
- 2013-02-05 JP JP2013032546A patent/JP2014155427A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019161937A (ja) * | 2018-03-15 | 2019-09-19 | 株式会社東芝 | 無線電力伝送システム及び送電装置 |
JP7080683B2 (ja) | 2018-03-15 | 2022-06-06 | 株式会社東芝 | 無線電力伝送システム及び送電装置 |
CN113612462A (zh) * | 2021-07-21 | 2021-11-05 | 杭州电子科技大学 | 一种基于管状滤波器结构的全可调带通滤波器 |
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