以下に添付図面を参照して、この発明にかかるリース契約提案装置、リース契約提案方法およびリース契約提案プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
まず、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置を備えたリース契約提案システムのシステム構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置を備えたリース契約提案システムのシステム構成を示す説明図である。
図1において、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案システム100は、リース契約提案装置110と、ディーラーの端末装置120と、を含んでいる。リース契約提案装置110は、リース会社に設置される。ディーラーの端末装置120は、各ディーラーにそれぞれ設置される。リース契約提案装置110と、各ディーラーの端末装置120とは、インターネットなどのネットワーク130を介して通信可能に接続されている。リース契約提案装置110および各ディーラーの端末装置120は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる。
(コンピュータ装置のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案システム100を構成するリース契約提案装置110および各ディーラーの端末装置120を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成について説明する。図2は、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案システム100を構成するリース契約提案装置110および各ディーラーの端末装置120を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
図2において、リース契約提案装置110および各ディーラーの端末装置120を実現するコンピュータ装置は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、HDD(ハードディスクドライブ)204と、HD(ハードディスク)205と、ディスプレイ206と、入力デバイス207と、ネットワークI/F(インターフェイス)208と、を備えている。リース契約提案装置110および各ディーラーの端末装置120を実現するコンピュータ装置が備える各部201〜208は、バス209によってそれぞれ接続されている。
CPU201は、コンピュータ装置全体の制御をつかさどり、RAM203をワークエリアとしながらROM202に記憶された各種プログラムを実行する。HDD204は、CPU201の制御にしたがってHD205に対するデータのリード/ライトを制御する。HD205は、HDD204の制御で書き込まれたデータを記憶する。
ディスプレイ206は、各種の表示画面を表示する。具体的には、ディスプレイ206は、たとえば、買い物条件を指定する入力画面や、決済承認要求に対する承認情報を入力する入力画面などを表示する。ディスプレイ206は、具体的には、たとえばTFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなど、公知の各種のディスプレイによって実現することができる。
入力デバイス207は、複数の入力キーを備えたキーボードによって実現することができる。キーボードは、数字を入力するテンキーを備えている。また、キーボードは、入力位置や操作位置を移動させるカーソルキーを備えていてもよい。入力デバイス207は、入力位置や操作位置を指定するマウスなどのポインティングデバイスを備えていてもよい。入力デバイス207は、当該入力デバイス207に対する入力操作に応じた信号を出力する。
ネットワークI/F208は、他のコンピュータ装置との間での通信をおこなう。ネットワークI/F208は、他のコンピュータ装置と自装置の内部とのインターフェイスをつかさどり、他のコンピュータ装置との間におけるデータの入出力を制御する。
リース契約提案装置110および各ディーラーの端末装置120を実現するコンピュータ装置は、ネットワークI/F208を介して他のコンピュータ装置との間で通信をおこなうことによって、たとえば、ディスプレイ206に表示した各種の入力画面を介して入力された各種の入力情報を他のコンピュータ装置に送信する。
(データベースの一例)
つぎに、リース契約提案装置110が備えるデータベースの一例について説明する。図3−1は、契約内容データベースの一例を示す説明図である。図3−1において、契約内容データベース310は、たとえば、リース契約提案装置110を実現するコンピュータ装置が備えるHD205に設けることができる。契約内容データベース310は、リース契約提案装置110を実現するコンピュータ装置とは別体のコンピュータ装置や記憶装置に設けられていてもよい。
契約内容データベース310は、契約内容に関する情報を、契約先ごとに記憶する。契約内容に関する情報は、リース契約の対象となる物件(対象物件)を特定可能な情報を含む。対象物件を特定可能な情報は、たとえば、契約番号によって実現することができる。あるいは、対象物件を特定可能な情報は、たとえば、対象物件の製造番号や機器番号などによって実現してもよい。
また、契約内容に関する情報は、たとえば、対象物件の機種、対象物件のリース契約を開始した日(リース開始日)、対象物件のリース契約が満了する日(満了日)、対象物件の再リース契約の可否などに関する情報を含む。また、契約内容に関する情報は、たとえば、対象物件の単位期間あたりのリース料に関する情報を含む。単位期間は、たとえば、1ヶ月とすることができる。
対象物件の単位期間あたりのリース料は、たとえば、機種ごとに、単位期間あたりのリース料を記憶するリース料データベース(図示を省略する)を参照することにより、契約内容データベース310において設定することができる。対象物件の単位期間あたりのリース料は、たとえば、リース会社が対象物件をディーラーから購入した際の購入価格や法定耐用年数などに応じて、リース会社が任意に設定することができる。また、対象物件の単位期間あたりのリース料は、たとえば、リース会社が対象物件をディーラーから購入した際の購入価格や利用者が希望するリース期間などに応じて、リース会社が任意に設定することができる。
また、契約内容に関する情報は、たとえば、対象物件の単位期間あたりのランニングコストに関する情報を含む。ランニングコストに関する情報は、たとえば、対象物件が電気機器である場合、対象物件の機種に応じて、単位期間あたりに消費する電力量や当該電力量に基づく電気料金に関する情報によって実現することができる。
また、ランニングコストに関する情報は、たとえば、対象物件が通信機器である場合、単位期間あたりの通信費に関する情報によって実現することができる。また、ランニングコストに関する情報は、たとえば、コピー機、ファクシミリ、複合機などにおける用紙やトナーなどのように、使用にともなって消費あるいは消耗する物品がある機器である場合、当該消費あるいは消耗する物品の購入料金に関する情報によって実現してもよい。
また、契約内容データベース310は、対象物件の性能に関する情報を記憶していてもよい。対象物件の性能に関する情報は、たとえば、対象物件がパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置である場合、CPUのクロック周波数やCPUの製造元(メーカー)などに関する情報によって実現することができる。また、対象物件の性能に関する情報は、たとえば、対象物件の発売日や製造日に関する情報などによって実現されるものであってもよい。
対象物件の性能に関する情報は、定量的ではない、非定量的な指標をあらわす情報であってもよい。具体的には、たとえば、対象物件がパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置である場合、当該コンピュータ装置の使い勝手、市場における人気の程度などに関する情報によって対象物件の性能に関する情報を実現してもよい。
図3−2は、売却代金算出データベースの一例を示す説明図である。図3−2において、売却代金算出データベース320は、たとえば、リース契約提案装置110を実現するコンピュータ装置が備えるHD205に設けることができる。売却代金算出データベース320は、リース契約提案装置110を実現するコンピュータ装置とは別体のコンピュータ装置や記憶装置に設けられていてもよい。
売却代金算出データベース320は、機種ごとに、当該機種を売却する際の売却代金の算出に用いる情報を記憶する。売却代金の算出に用いる情報は、たとえば、リース契約を開始してからの経過期間、経過期間ごとの減価率、廃棄費用などに関する情報を含む。減価率は、経過期間に応じて下がる、対象物件の価値に応じて設定される。廃棄費用は、対象物件を廃棄する際に要する費用を示す。廃棄費用は、減価率が0%になる(減価償却が完了する)経過期間に設定される。減価率や廃棄費用は、たとえば、リース会社が任意に設定することができる。
図3−3は、値引率データベースの一例を示す説明図である。図3−3において、値引率データベース330は、たとえば、リース契約提案装置110を実現するコンピュータ装置が備えるHD205に設けることができる。値引率データベース330は、リース契約提案装置110を実現するコンピュータ装置とは別体のコンピュータ装置や記憶装置に設けられていてもよい。
値引率データベース330は、機種ごとに、値引きする条件(値引条件)や、各条件における値引率などに関する情報を記憶する。値引条件は、たとえば、対象物件のリース契約をおこなった時期に応じて設定することができる。具体的には、値引条件は、たとえば、対象物件のリース契約をおこなった時期が、当該対象物件となる機種が新商品として発売されてから所定期間(たとえば、1ヶ月)以内であるか、ディーラーの決算期であるかなどに応じて設定することができる。ディーラーの決算期に関する情報は、たとえば、ディーラーの端末装置120と通信をおこなうことによって取得することができる。
ディーラーの端末装置120は、ディーラーにおける担当者が当該ディーラーの端末装置120に対して決算期にかかる情報の入力を含む所定の入力操作をおこなった場合に、リース契約提案装置110に入力された情報を送信する。あるいは、ディーラーの端末装置120は、リース契約提案装置110から送信された、決算期にかかる情報の送信要求を受信した場合に、リース契約提案装置110に対して、決算期にかかる情報を送信するようにしてもよい。
値引条件は、新商品として発売されてから1ヶ月以内、ディーラーの決算期などの特定の期間に限らず、当該特定の期間に該当しない通常期間内におこなったリース契約に対して設定することもできる。値引条件は、たとえば、「毎月25日から月末まで」のように設定してもよい。
また、値引条件は、たとえば、まとめてリース契約をおこなった対象物件の数に応じて設定することができる。具体的には、たとえば、リース契約をおこなった対象物件の数が所定数より少ない(たとえば、1〜9台である)場合と、所定数以上(たとえば、10台以上)の場合と、で異なる値引条件を設定することができる。値引条件は、複数の要素(たとえば、期間と台数)を組み合わせて設定することができる。
契約内容データベース310、売却代金算出データベース320、値引率データベース330が記憶する各種の情報は、たとえば、リース会社の社員などによって適宜入力され、更新される。値引率データベース330が記憶する各種の情報は、たとえば、リース契約提案装置110とディーラーの端末装置120との間で通信をおこなうことによって、ディーラーの端末装置120から送信された情報を受信した場合に更新されるものであってもよい。
(リース契約の概要)
つぎに、一般的なリース契約の概要について説明する。図4は、一般的なリース契約の概要を示す説明図である。図4において、リース契約は、基本リース期間と、当該基本リース期間後に設定される再リース期間と、においておこなうことができる。
基本リース期間は、対象物件の価値(価格、残存価値)がゼロになるまでの期間とすることができる。基本リース期間は、減価償却により法定耐用年数を過ぎた後に残る価値、すなわち残存価値がゼロになるまでの期間とすることができる。基本リース期間は、たとえば、対象物件の価値(価格、残存価値)が残存価値と等しくなるまでの期間である1次リース、対象物件の価値(価格、残存価値)が残存価値と等しくなってからゼロになるまでの期間である2次リース、などのような複数の期間によって構成されるものであってもよい。
利用者は、基本リース期間中、単位期間ごとにリース料を支払う。リース料は、たとえば、対象物件の機種や性能などに基づいて、リース会社によって設定される。1回の支払いあたりのリース料(単位期間ごとのリース料)は、たとえば、該当するリース契約の対象物件に対してリース会社が回収すべき金額を、基本リース期間に含まれる単位期間の数(たとえば、月数)で除算することによって算出することができる。図4においては、1次の基本リース期間の月数が24とされ、2次の基本リース期間の月数が24とされている例を示している。
基本リース期間中に、1次の基本リース期間と2次の基本リース期間とが設定されているリース契約においては、1次の基本リース期間におけるリース料よりも2次の基本リース期間におけるリース料を低く設定してもよい。基本リース期間中に、1次の基本リース期間と2次の基本リース期間とが設定されているリース契約において、1次の基本リース期間においてリース契約をおこなった利用者が、2次の基本リース期間におけるリース契約をおこなわない場合、対象物件を売却して残存価値にあてることができる。
基本リース期間中に、1次の基本リース期間と2次の基本リース期間とが設定されているリース契約において、2次の基本リース期間が満了(フルペイアウト)するまでリース契約をおこなった利用者は、当該リース契約を再リース契約として更新することができる。再リース契約は、たとえば、基本リース期間における一単位期間あたりのリース料(月額相当)で、1年間ずつ更新することができる。再リース契約にかかる費用は、たとえば、再リース契約の期間における最初の単位期間に支払う。
リース会社は、基本リース期間が満了する前にリース契約を解約する利用者に対して、解約費用を請求することができる。解約費用は、リース契約の対象物件のリースを受けている利用者(契約者)がリース期間が終了する前に解約する場合にリース会社に支払う違約金であって、利用者(契約者)とリース会社との間の契約内容や当該リース期間が終了するまでリースを受けたと仮定した場合の総支払額などに基づいて算出される。
解約費用は、再リース期間中に解約する場合は発生しない。基本リース期間(2次の基本リース期間)が満了(フルペイアウト)した時点においてリース契約を解約した場合、対象物件を売却して残存価値にあてることができる場合がある。基本リース期間(2次の基本リース期間)が満了(フルペイアウト)した後、再リース契約をおこない、その後リース契約を解約した場合、解約費用は発生しないが、廃棄費用がかかる場合がある。
(リース契約提案装置110の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110の機能的構成について説明する。図5は、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110の機能的構成を示すブロック図である。
図5に示すように、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110の各機能は、記憶部501と、第1のリース契約特定部502と、第2のリース契約特定部503と、第3のリース契約特定部504と、第1の合計費用算出部505と、再リース費用算出部506と、解約費用算出部507と、精算費用算出部508と、第2の合計費用算出部509と、新規契約特定部510と、新規契約費用算出部511と、第1の閾値判断部512と、第2の閾値判断部513と、出力部514と、によって実現される。この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110が備える各部501〜514は、リース契約提案装置110を実現するコンピュータ装置が備える各部によって実現することができる。
記憶部501は、上記の契約内容データベース310、売却代金算出データベース320、値引率データベース330などの各種のデータベースを記憶する。また、記憶部501は、第1の閾値判断部512や第2の閾値判断部513による判断の基準となる所定の閾値などを記憶する。
第1のリース契約特定部502は、現在日から第1の期間が経過する日までに基本リース期間が満了する第1のリース契約を特定する。第1のリース契約特定部502は、現在日から第1の期間が経過する日までに基本リース期間が満了するリース契約が複数存在する場合は、複数のリース契約を、それぞれ第1のリース契約として特定する。
第1の期間は、たとえば、3ヶ月間、6ヶ月間などのように設定することができる。第1の期間は、たとえば、リース会社が任意に設定することができる。具体的には、たとえば、第1の期間を6ヶ月間とする場合、第1のリース契約特定部502は、現在日から1ヶ月後に基本リース期間が満了するリース契約や現在日から5ヶ月後に基本リース期間が満了するリース契約などの第1のリース契約として特定する。
また、第1の期間は、利用者(契約者)にかかわらずリース会社が設定した一定の長さであってもよく、利用者(契約者)ごとに異なる長さに設定してもよい。また、第1の期間は、対象物件の機種にかかわらず一定の長さであってもよく、対象物件の機種ごとに異なる長さに設定してもよい。また、第1の期間は、たとえば、対象物件の機種の耐用法定年数に所定の割合を乗算することによって算出されるものであってもよい。
第2のリース契約特定部503は、第1のリース契約が満了する日(以下「満了日」)から第2の期間遡行した日までに満了し、再リース契約が可能な第2のリース契約を特定する。第2のリース契約特定部503は、第1のリース契約の満了日から第2の期間遡行した日までに満了し、再リース契約が可能なリース契約が複数存在する場合は、複数のリース契約を、それぞれ第2のリース契約として特定する。
第2のリース契約特定部503は、第1のリース契約が複数存在する場合、第1のリース契約ごとに、第2のリース契約を特定する。第2の期間は、第1の期間と同じ長さ、あるいは、第1の期間よりも短い期間を設定することができる。第2の期間は、現在日から第1のリース契約の満了日までのいずれかの日に開始し、第1のリース契約の満了日に終了する。
具体的には、たとえば、第1の期間を6ヶ月間とする場合、第2の期間は、3ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間などのように設定することができる。第2の期間は、たとえば、利用者(契約者)にかかわらず、リース会社が任意に設定した一定の長さの期間とすることができる。また、第2の期間は、たとえば、利用者(契約者)ごとに異なる長さに設定してもよい。また、第2の期間は、たとえば、対象物件の機種にかかわらず一定の長さであってもよく、対象物件の機種ごとに異なる長さに設定してもよい。
第3のリース契約特定部504は、第1のリース契約の満了日から第3の期間が経過する日までに満了する第3のリース契約を特定する。第3のリース契約特定部504は、第1のリース契約の満了日から第3の期間が経過する日までに満了するリース契約が複数存在する場合は、複数のリース契約を、それぞれ第3のリース契約として特定する。第3のリース契約特定部504は、第1のリース契約が複数存在する場合、第1のリース契約ごとに、第3のリース契約を特定する。
具体的には、たとえば、第1の期間を6ヶ月間とする場合、第3の期間は、1ヶ月間、3ヶ月間などのように設定することができる。第3の期間は、たとえば、利用者(契約者)にかかわらず、リース会社が任意に設定した一定の長さの期間とすることができる。また、第3の期間は、たとえば、利用者(契約者)ごとに異なる長さに設定してもよい。また、第3の期間は、たとえば、対象物件の機種にかかわらず一定の長さであってもよく、対象物件の機種ごとに異なる長さに設定してもよい。
第1の合計費用算出部505は、第1のリース契約、第2のリース契約および第3のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりの費用の合計(以下「第1の合計費用」)を算出する。第1の合計費用算出部505は、現在リース契約している第1のリース契約、第2のリース契約および第3のリース契約にかかる、現在、単位期間あたりに支払っている費用を算出する。第1の合計費用算出部505は、第1のリース契約が複数存在する場合、第1のリース契約ごとに第1の合計費用を算出する。
第1のリース契約、第2のリース契約および第3のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりの費用は、それぞれ、リース料および対象物件のランニングコストを含む。第1のリース契約、第2のリース契約および第3のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりの費用は、それぞれ、第1のリース契約特定部502、第2のリース契約特定部503および第3のリース契約特定部504の特定結果に基づいて、契約内容データベース310を参照することにより取得することができる。
第1の合計費用算出部505は、第2のリース契約が存在しない場合、第1のリース契約情報と第3のリース契約情報とに基づいて第1の合計費用を算出する。また、第1の合計費用算出部505は、第3のリース契約が存在しない場合、第1のリース契約情報と第2のリース契約情報とに基づいて第1の合計費用を算出する。
再リース費用算出部506は、第2のリース契約を再リース契約した場合に対象物件にかかる単位期間あたりの費用(再リース費用)を算出する。再リース費用算出部506は、第2のリース契約が複数存在する場合、第2のリース契約ごとに再リース費用を算出する。
再リースは、基本リースが終了した後すなわち対象物件の物件価格がゼロになった以降に、利用者が引き続き同じ対象物件により使用収益を得る場合に、基本リースの満了日の翌日に契約することができる。再リース期間は一般的に1年あるいは1年以内とされる。再リース料は、一般的に、基本リース契約中の単位期間(1ヶ月など)あたりのリース料より少額であり、具体的には、たとえば、基本リース契約期間中における年額リース料の10分の1程度に設定される。
解約費用算出部507は、第3のリース契約を、第1のリース契約の満了日に解約する場合の費用(解約費用)を算出する。解約費用算出部507は、第3のリース契約が複数存在する場合、第3のリース契約ごとに解約費用を算出する。
精算費用算出部508は、解約費用算出部507が算出した解約費用を、現在日から満了日までの期間に含まれる各単位期間に振り分けた場合の、当該単位期間あたりの費用(解約にかかる、満了日までに支払う単位期間あたりの費用)を算出する。精算費用算出部508は、たとえば、第3のリース契約特定部504が特定したリース契約の残り期間が6ヶ月である場合、解約費用算出部507が算出した費用を6で除算した費用を、解約費用算出部507が算出した費用にかかる単位期間あたりの費用として算出する。
精算費用算出部508は、たとえば、残り期間が6ヶ月と10日である場合、解約費用算出部507が算出した費用を、190日(1ヶ月30日×6ヶ月+10日)で除算して現在日から満了日までの期間に含まれる1日あたりの費用を算出し、当該1日あたりの費用に、現在日から満了日までの期間に含まれる各単位期間に含まれる日数を乗算した費用を、解約費用算出部507が算出した費用にかかる単位期間あたりの費用として算出してもよい。
第2の合計費用算出部509は、精算費用算出部508が算出した費用、再リース費用算出部506が算出した費用、第1のリース契約および第3のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりの費用の合計(以下「第2の合計費用」)を算出する。第2の合計費用算出部509は、第2のリース契約を再リース契約し、第3のリース契約を満了日に解約すると仮定した場合の、現在日から満了日までの期間に利用者が支払うべき単位期間あたりの費用を算出する。
すなわち、第2の合計費用算出部509は、再リース費用と、第3のリース契約を満了日に解約する際にかかる解約費用を各単位期間に振り分けた場合の単位期間あたりの費用(解約する第3のリース契約に関して満了日までに支払う単位期間あたりの費用)と、第1のリース契約にかかる単位期間あたりの費用と、を合計した費用(以下「移行期間中の調整費用」)を算出する。
第2の合計費用算出部509は、第1のリース契約が複数存在する場合、第1のリース契約ごとに第2の合計費用を算出する。第2の合計費用算出部509は、第2のリース契約が存在しない場合、第3のリース契約を満了日に解約する際にかかる解約費用を各単位期間に振り分けた場合の単位期間あたりの費用(解約する第3のリース契約に関して満了日までに支払う単位期間あたりの費用)と、第1のリース契約にかかる単位期間あたりの費用と、を合計した費用を移行期間中の調整費用として算出する。また、第2の合計費用算出部509は、第3のリース契約が存在しない場合、再リース費用と、第1のリース契約にかかる単位期間あたりの費用と、を合計した費用を移行期間中の調整費用として算出する。
新規契約特定部510は、満了日以降に契約可能なリース契約の中から、新規のリース契約を特定する。新規のリース契約は、満了日以降に契約可能なリース契約であって、第1のリース契約、第2のリース契約および第3のリース契約の対象物件と同等あるいは同等以上のランクに分類される物件を対象物件とするリース契約とすることができる。
対象物件のランクは、たとえば、リース契約の内容や対象物件の性能などに基づいて設定することができる。リース契約の内容は、たとえば、対象物件をリース契約した場合にかかる費用(単位期間あたりの費用)などに基づいて設定することができる。また、対象物件のランクは、たとえば、対象物件の大きさ、重量などによって設定してもよい。具体的には、たとえば、対象物件が、ノート型PCなどと称される汎用性のパーソナルコンピュータである場合、当該汎用性のパーソナルコンピュータの筐体のサイズや、モニタの大きさや、バッテリを搭載した状態での重量などを加味して対象物件のランクを設定することができる。
新規契約特定部510は、満了日以降に契約可能なリース契約の中に、第1のリース契約、第2のリース契約および第3のリース契約の対象物件と同等のリース契約が存在しない場合、たとえば、対象物件の性能を考慮した契約内容が同等あるいは同等以上のランクに分類されるリース契約を、新規のリース契約として特定する。
また、新規契約特定部510は、満了日以降に契約可能なリース契約の中に、第1のリース契約、第2のリース契約および第3のリース契約の対象物件と同等のリース契約が存在しない場合、たとえば、第1のリース契約、第2のリース契約および第3のリース契約の対象物件より高い性能を有する対象物件にかかるリース契約を新規のリース契約として特定してもよい。
また、新規契約特定部510は、満了日以降に契約可能なリース契約の中に、第1のリース契約、第2のリース契約および第3のリース契約の対象物件と同等のリース契約が存在しない場合、第1のリース契約、第2のリース契約および第3のリース契約の対象物件の後継機となる対象物件にかかるリース契約を新規のリース契約として特定してもよい。
また、新規契約特定部510は、たとえば、第1のリース契約、第2のリース契約および第3のリース契約の対象物件が性能面においてそれぞれ異なる特性を有している場合、これらすべてのリース契約の対象物件の性能よりも高い性能を有する対象物件にかかるリース契約を新規のリース契約として特定してもよい。
また、新規契約特定部510は、たとえば、第1のリース契約、第2のリース契約および第3のリース契約の対象物件が性能面においてそれぞれ異なる特性を有している場合、これらすべてのリース契約の対象物件の中で性能面においてもっとも高い特性を有する対象物件にかかるリース契約と同等あるいは同等以上のリース契約を新規のリース契約として特定してもよい。
また、新規契約特定部510は、たとえば、第2のリース契約および第3のリース契約の契約内容や当該リース契約の対象物件の性能などにかかわらず、第1のリース契約の対象物件にかかるリース契約と同等あるいは同等以上のランクに分類される物件を対象物件とするリース契約を新規のリース契約として特定してもよい。
新規契約費用算出部511は、第1のリース契約、第2のリース契約および第3のリース契約を、満了日の翌日からそれぞれ新規のリース契約に切り替える場合の、各新規のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりの費用の合計(以下「新規契約費用」)を算出する。新規契約費用算出部511は、第1のリース契約、第2のリース契約および第3のリース契約を、満了日の翌日から、それぞれ、新規契約特定部510が特定した新規のリース契約に切り替えたと仮定した場合の、満了日以降に利用者が支払うべき単位期間あたりの費用を算出する。
第1の閾値判断部512は、第1の合計費用と第2の合計費用との差分が所定の閾値以下であるか否かを判断する。第1の閾値判断部512は、第1のリース契約、第2のリース契約および第3のリース契約のために現在支払っている単位期間あたりの費用と、移行期間中の調整費用と、の差分(以下「第1の差分」)が所定の閾値以下であるか否かを判断する。
第1の閾値判断部512が判断に用いる所定の閾値は、たとえば、リース会社が任意に設定することができる。また、第1の閾値判断部512が判断に用いる所定の閾値は、たとえば、利用者が希望した任意の額に設定してもよい。具体的には、第1の閾値判断部512が判断に用いる所定の閾値は、たとえば、利用者が、第1の合計費用と第2の合計費用との差分が経営に影響を与えると判断する金額を示す値とすることができる。
第1の閾値判断部512は、第1のリース契約が複数存在する場合、第1のリース契約ごとに算出される第1の差分について、当該第1の差分が所定の閾値以下であるか否かを判断する。
第2の閾値判断部513は、第1の合計費用と新規契約費用との差分が所定の閾値以下であるか否かを判断する。第2の閾値判断部513は、第1のリース契約、第2のリース契約および第3のリース契約の対象物件に対して現時点で支払っている単位期間あたりの費用の合計と、第1のリース契約、第2のリース契約および第3のリース契約を第1のリース契約の満了日の翌日からすべて新規のリース契約に更新した場合にかかる単位期間あたりの費用の合計と、の差分(以下「第2の差分」)が所定の閾値以下であるか否かを判断する。
第2の閾値判断部513が判断に用いる所定の閾値は、たとえば、リース会社が任意に設定することができる。また、第2の閾値判断部513が判断に用いる所定の閾値は、たとえば、利用者が希望した任意の額に設定してもよい。具体的には、第2の閾値判断部513が判断に用いる所定の閾値は、たとえば、利用者が、第1の合計費用と第2の合計費用との差分が経営に影響を与えると判断する金額を示す値とすることができる。第2の閾値判断部513が判断に用いる所定の閾値は、第1の閾値判断部512が判断に用いる所定の閾値と同じであってもよく、異なっていてもよい。
第2の閾値判断部513は、第1のリース契約が複数存在する場合、第1のリース契約ごとに算出される第2の差分について、当該第2の差分が所定の閾値以下であるか否かを判断する。
出力部514は、第1の閾値判断部512および第2の閾値判断部513が閾値以下であると判断した場合、当該判断結果および当該判断にかかる第1のリース契約、第2のリース契約、第3のリース契約および新規のリース契約に関する情報を出力する。出力部514は、第1の差分と第2の差分とがそれぞれ所定の閾値以下である場合に、各判断結果および当該判断にかかる第1のリース契約、第2のリース契約、第3のリース契約および新規のリース契約に関する情報を出力する。
出力部514は、たとえば、第1の閾値判断部512の判断結果に関する情報として、第1の差分を示す情報を出力する。また、出力部514は、たとえば、第2の閾値判断部513の判断結果に関する情報として、第2の差分を示す情報を出力する。また、出力部514は、たとえば、第1のリース契約に関する情報として、当該第1のリース契約にかかる単位期間あたりの費用、当該第1のリース契約の満了日、当該第1のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりのランニングコストを示す情報を出力する。
また、出力部514は、たとえば、第2のリース契約に関する情報として、当該第2のリース契約にかかる単位期間あたりの費用、当該第2のリース契約を再リース契約した場合にかかる単位期間あたりの費用、再リース契約の期間、当該第2のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりのランニングコストを示す情報を出力する。
また、出力部514は、たとえば、第3のリース契約に関する情報として、当該第3のリース契約にかかる単位期間あたりの費用、当該第3のリース契約を第1のリース契約の満了日に解約した場合にかかる解約費用、当該解約費用を各単位期間に振り分けた場合の単位期間あたりの費用、当該第3のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりのランニングコストを示す情報を出力する。
また、出力部514は、たとえば、新規のリース契約に関する情報として、当該新規のリース契約にかかる単位期間あたりの費用(リース料)、当該新規のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりのランニングコストを示す情報を出力する。また、出力部514は、第1の閾値判断部512および第2の閾値判断部513が閾値以下であると判断した場合、第1の合計費用、第2の合計費用、および、新規契約費用に関する情報を出力してもよい。また、出力部514は、移行期間中の調整費用に関する情報を出力してもよい。
出力部514は、第1のリース契約に関する情報、第2のリース契約に関する情報、第3のリース契約に関する情報および新規のリース契約に関する情報として、上記のような定量的ではない、非定量的な指標に関する情報を出力してもよい。たとえば、対象物件がパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置である場合、出力部514は、コンピュータ装置の使い勝手、市場における人気の程度などに関する情報を出力してもよい。
このような、定量的ではない、非定量的な指標をあらわす情報を判断材料の一つとして提供することによって、リース期間の満了日が近づく第1のリース契約と更新の時期が揃わない第2のリース契約や第3のリース契約について、第1のリース契約の更新とあわせて更新するかどうかを悩んでいる利用者に対して、更新するかどうかの判断にかかる材料をより多く提供することができる。これにより、たとえば、「仕事環境が向上(改善)しそうなので、第1のリース契約の更新とあわせて第2のリース契約および第3のリース契約を更新しよう」という利用者の判断につなげることができる。
出力部514は、たとえば、リース契約提案装置110を実現するコンピュータ装置が備えるディスプレイ206に対して、上記の該当する各種の情報を出力する。これにより、リース契約提案装置110を実現するコンピュータ装置が備えるディスプレイ206を介して、満了日が近づいたリース契約(第1のリース契約)や、当該第1のリース契約の更新に付随して更新可能な複数のリース契約や、まとめて更新可能な新規のリース契約などを案内することができる。
出力部514は、第1のリース契約を特定し、当該第1のリース契約にかかる第1の差分が所定の閾値以下であって、かつ、第2の差分が所定の閾値以下である場合に、該当する情報をディスプレイ206に表示する。あるいは、出力部514は、第1のリース契約を特定し、当該第1のリース契約にかかる第1の差分が所定の閾値以下であって、かつ、第2の差分が所定の閾値以下であると判断した後に、リース契約提案装置110のオペレーターなどによって所定の入力操作を受け付けた場合に、該当する情報をディスプレイ206に表示してもよい。
(表示画面例)
つぎに、出力部514による表示結果の一例について説明する。図6は、表示画面例を示す説明図である。図6においては、出力部514による表示結果の一例を示している。図6において、出力部514は、たとえば、リース契約の切り替えに適した日付を案内するシミュレーション結果を案内する表示画面600を、ディスプレイ206に出力する。具体的に、表示画面600は、たとえば、各リース契約をゲージで示し、各リース契約の満了日までの時間の長さを当該ゲージの長さによって表示する。
また、表示画面600は、たとえば、各ゲージに、切り替え可能な日付を示すマーキングを表記する。これによって、利用者は、表記されたマーキングの位置が等しくなるリース契約どうしが、同時に更新が可能なリース契約であると認識することができる。また、表示画面600は、たとえば、各ゲージのうち、再リース契約が可能なリース契約のゲージにおける、再リース契約となる部分を点線などで表示してもよい。
(支払い内容の一例)
つぎに、支払い内容の一例について説明する。図7は、従来の支払い内容の一例を示す説明図である。図7においては、リース料が同額(図7においては「10」)の3つのリース契約(リース契約A、リース契約B、リース契約C)をおこなっている利用者が、リース契約Cの満了にともなって、当該リース契約Cの満了日の翌日から、1ヶ月あたりのリース料が「13」であるあらたなリース契約C’をおこなう状況について示している。
この状況において、あらたなリース契約C’の対象物件の単位期間(たとえば、1ヶ月)あたりのランニングコストが、現行のリース契約Cの対象物件の単位期間(たとえば、1ヶ月)あたりのランニングコストよりも低い場合、リース契約A、リース契約B、あらたなリース契約C’のリース料の合計と、各リース契約の対象物件のランニングコストとを合計した費用(総額)は、現行のリース契約Cの満了日を境にして低くなる場合がある。
このように、リース契約の更新によって単位期間あたりのリース料が値上がりした場合にも、当該リース契約および当該リース契約の対象物件にかかるランニングコストとの合計であって、各リース契約の対象物件を維持するために要する費用を抑えることができる。
この状況において、さらに、リース契約Bの満了にともなって、当該リース契約Bの満了日の翌日から、再リース契約B’をおこなう状況を示している。再リース契約B’は、最初の単位期間において、一定期間分(たとえば、1年分)のリース料「10」を支払う内容の契約とする。
この場合、リース契約A、再リース契約B’、あらたなリース契約C’のリース料の合計と、各リース契約の対象物件のランニングコストとを合計した費用は、再リース契約B’の最初の単位期間が経過した後は低くなる。このように、現行のリース契約を、当該リース契約のリース期間の満了にともなって再リース契約することにより、各リース契約の対象物件を維持するために要する費用を抑えることができる。
しかし、従来の方法は、リース契約Cに加えてリース契約Bもあらたにリース契約した方がよいのか、リース契約Cの満了にともなって当該リース契約Cをあらたなリース契約C’に切り替えるタイミングが適切であったかを判断することが難しい。各リース契約の更新は、満了するリース契約ごとにおこなわなくてはならず、煩雑であった。
また、満了するリース契約ごとに該当するリース契約を更新する従来の方法は、リース契約ごとに、当該リース契約の更新内容を確認する。具体的には、該当するリース契約の対象物件の再リース契約をおこなうか、該当するリース契約から別の対象物件にかかる新規のリース契約に切り替えるかを確認して対応する。このため、従来の方法は、リース契約の更新にかかる作業や手続きが煩雑であった。
(リース契約提案装置110を用いた支払い内容の一例)
図8は、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110を用いた支払い内容の一例を示す説明図である。図8においては、図7に示した状況と同じであって、リース料が同額(図8においては「10」)の3つのリース契約(リース契約A、リース契約B、リース契約C)をおこなっている利用者に対して、各リース契約の更新(切り替え、乗り換え)の是非および更新の適切なタイミングを提案する状況を示している。
各リース契約A〜Cの更新(切り替え、乗り換え)は、基本リース期間中のリース契約を解約することによる解約費用、解約するリース契約の対象物件の売却価値、ディーラー値引率、機種ごとのランニングコストなどを加味して検討する。ディーラー値引率は、複数の対象物件をまとめて契約した場合の値引率であって、たとえば、ディーラーからリース会社に対してあらかじめ提示される。機種ごとのランニングコストは、現行のリース契約A〜Cの対象物件のランニングコスト、および、切り替え(乗り換え)対象とするリース契約A’〜C’の対象物件のランニングコストを含む。
この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110を用いることにより、リース契約Bの満了日までに、リース契約Aの解約費用を支払い、かつ、リース契約Cの再リース契約をおこなうよう提案することにより、これらのリース契約のために支払う単位期間あたりの費用の合計を大きく変動させることなく、リース契約Bの満了にともなってリース契約Aをあらたなリース契約A’に更新し、リース契約Bをあらたなリース契約B’に更新し、リース契約Cをあらたなリース契約C’に更新するプランを提案することができる。
なお、図8においては、リース契約A〜Cをまとめて同時に新たなリース契約A’〜C’に更新することにより、1台ずつ更新した場合には「13」であるリース契約A’〜C’の単位期間あたりのリース料が「12」に割り引かれた状況を示している。このように、複数のリース契約をまとめて同時に更新することによりリース料を割り引くプランを、リース会社から利用者に対して更新の事前にアナウンスしておくことにより、ディーラーの値引率を利用者が支払うリース料に反映させることが可能になる。
(リース契約提案装置110の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110の処理手順について説明する。図9は、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110の処理手順を示すフローチャートである。図9のフローチャートにおいて、まず、第1のリース契約があるか否かを判断する(ステップS901)。ステップS901においては、たとえば、契約内容データベース310を参照して、現在日から第1の期間が経過する日までに基本リース期間が満了するリース契約、すなわち第1のリース契約があるか否かを判断する。
ステップS901において、第1のリース契約がない場合(ステップS901:No)、第1のリース契約があると判断するまで待機する。ステップS901において、第1のリース契約がある場合(ステップS901:Yes)、当該第1のリース契約を特定し、契約内容データベース310を参照して、特定した第1のリース契約の内容に関する情報(第1のリース契約情報)を取得する(ステップS902)。
つぎに、第2のリース契約があるか否かを判断する(ステップS903)。ステップS903においては、たとえば、契約内容データベース310を参照して、ステップS901:Yesにおいて特定した第1のリース契約の満了日から第2の期間遡行した日までに満了し、かつ、再リース契約が可能な第2のリース契約があるか否かを判断する。
ステップS903において、第2のリース契約がない場合(ステップS903:No)、ステップS906へ移行する。ステップS903において、第2のリース契約がある場合(ステップS903:Yes)、当該第2のリース契約を特定し、契約内容データベース310を参照して、特定した第2のリース契約の内容に関する情報(第2のリース契約情報)を取得する(ステップS904)。
そして、ステップS904において取得した第2のリース契約情報に基づいて、再リース費用を算出する(ステップS905)。ステップS905においては、第2のリース契約を再リース契約した場合に、当該再リース契約の対象物件にかかる単位期間あたりの費用を算出する。
つぎに、第3のリース契約があるか否かを判断する(ステップS906)。ステップS906においては、たとえば、契約内容データベース310を参照して、ステップS901:Yesにおいて特定した第1のリース契約の満了日から第3の期間が経過する日までに満了する第3のリース契約があるか否かを判断する。
ステップS906において、第3のリース契約がない場合(ステップS906:No)、ステップS910へ移行する。ステップS906において、第3のリース契約がある場合(ステップS906:Yes)、当該第3のリース契約を特定し、契約内容データベース310を参照して、特定した第3のリース契約の内容に関する情報(第3のリース契約情報)を取得する(ステップS907)。
そして、ステップS907において取得した第3のリース契約情報に基づいて、第3のリース契約を前記満了日に解約する場合の解約費用を算出する(ステップS908)。さらに、ステップS908において算出した解約費用を、現在日から満了日までの期間に含まれる各単位期間に振り分けた場合の、当該単位期間あたりの費用(精算費用)を算出する(ステップS909)。
つぎに、ステップS902において取得した第1のリース契約情報、ステップS904において取得した第2のリース契約情報、および、ステップS907において取得した第3のリース契約情報に基づいて、第1の合計費用を算出する(ステップS910)。
ステップS910においては、ステップS902において取得した第1のリース契約情報から、当該第1のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりの費用を特定する。また、ステップS910においては、ステップS904において取得した第2のリース契約情報から、当該第2のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりの費用を特定する。また、ステップS910においては、ステップS907において取得した第3のリース契約情報から、当該第3のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりの費用を特定する。そして、特定した各リース契約の対象物件にかかる単位期間あたりの費用を合計することによって第1の合計費用を算出する。
また、ステップS902において取得した第1のリース契約情報、ステップS905において算出した再リース費用に関する情報、ステップS907において取得した第3のリース契約情報、ステップS909において算出した単位期間あたりの解約費用に関する情報に基づいて、第2の合計費用を算出する(ステップS911)。
ステップS911においては、ステップS902において取得した第1のリース契約情報から、当該第1のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりの費用を特定し、ステップS907において取得した第3のリース契約情報から、当該第3のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりの費用を特定する。また、第1のリース契約および第3のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりの費用に、ステップS905において算出した再リース費用とステップS909において算出した単位期間あたりの解約費用とを合計することによって、第2の合計費用を算出する。
つぎに、満了日以降に契約可能なリース契約の中から、新規のリース契約を特定する(ステップS912)。ステップS912においては、たとえば、第1のリース契約の満了日以降に契約可能なリース契約の中から、第1のリース契約、第2のリース契約および第3のリース契約の対象物件と同等あるいは同等以上のランクに分類される物件を対象物件とするリース契約を、新規のリース契約として特定する。
そして、ステップS912において特定した新規のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりの費用に基づいて、新規契約費用を算出する(ステップS913)。ステップS913においては、たとえば、第1のリース契約と第2のリース契約と第3のリース契約とをそれぞれ新規のリース契約に変更すると仮定した場合に、満了日の翌日から契約する新規のリース契約の数を特定し、特定した数に新規のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりの費用を乗算することによって新規契約費用を算出する。
つぎに、ステップS910において算出した第1の合計費用とステップS911において算出した第2の合計費用との差分(第1の差分)が、所定の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS914)。ステップS914において、第1の差分が所定の閾値以下ではない場合(ステップS914:No)、一連の処理を終了する。
一方、ステップS914において、第1の差分が所定の閾値以下である場合(ステップS914:Yes)、第1の合計費用と新規契約費用との差分(第2の差分)が、所定の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS915)。ステップS915において、第2の差分が所定の閾値以下ではない場合(ステップS915:No)、一連の処理を終了する。
ステップS915において、第1の差分が所定の閾値以下であって、かつ、第2の差分が所定の閾値以下である場合(ステップS915:Yes)、ステップS914およびステップS915における判断結果、当該判断にかかる第1のリース契約、第2のリース契約、第3のリース契約および新規のリース契約に関する情報などの該当する情報を出力して(ステップS916)、一連の処理を終了する。
リース契約提案装置110においては、第1の期間、第2の期間および第3の期間の長さによっては、第1のリース契約が複数存在する場合、或る第1のリース契約が、別の第1のリース契約に対する第2のリース契約となることが想定される。また、リース契約提案装置110においては、第1の期間、第2の期間および第3の期間の長さによっては、或る第1のリース契約に対する第2のリース契約が、別の第1のリース契約に対する第3のリース契約となることが想定される。
リース契約提案装置110においては、或る第1のリース契約と、当該或る第1のリース契約に対する第2のリース契約および第3のリース契約とによって構成されるリース契約のグループが、別の第1のリース契約と、当該別の第1のリース契約に対する第2のリース契約および第3のリース契約とによって構成されるリース契約のグループと同じリース契約によって構成される場合、いずれか一方のグループについて、該当する情報を出力するようにしてもよい。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110は、現在日から第1の期間が経過する日までに基本リース期間が満了する第1のリース契約を特定し、第1のリース契約の満了日から第2の期間遡行した日までに満了し、再リース契約が可能な第2のリース契約を特定し、満了日から第3の期間が経過する日までに満了する第3のリース契約を特定し、特定した各リース契約に関する情報に基づいて、第1の合計費用と、再リース費用と、解約費用と、解約する第3のリース契約に関して満了日までに支払う単位期間あたりの費用と、第2の合計費用と、新規契約費用と、を算出する。そして、第1の差分が所定の閾値以下であって、かつ、第2の差分が所定の閾値以下である場合に、当該判断結果および当該判断にかかる第1のリース契約、第2のリース契約、第3のリース契約および新規のリース契約に関する情報を出力することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110によれば、第1のリース契約の満了にともなう新規のリース契約時にまとめて更新可能な複数のリース契約(第2、第3のリース契約)を特定し、特定した複数のリース契約および更新後のリース契約(新規のリース契約)に関する情報を案内することができる。
これにより、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110によれば、リース契約の対象物件を利用する利用者に対して、当該対象物件にかかる単位期間(1ヶ月)あたりの費用の合計を大幅に変動させることなく、現在日において契約中の、切り替え日(満了日)が異なる複数のリース契約をまとめて新規のリース契約に移行する提案をおこなうことができる。
これにより、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110によれば、リース会社およびリース契約の対象物件を利用する利用者は、対象物件ごとに満了日が異なるために対象物件ごとに個別におこなっていた複数のリース契約を、満了日が同日になる新規のリース契約にまとめることにより、次回以降のリース契約の更新にかかる手続きをまとめておこなうことができる。そして、これにより、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110によれば、リース契約、特に次回以降のリース契約の更新にかかるリース会社および利用者の負担軽減を図ることができる。
また、これにより、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110によれば、リース契約の対象物件を利用する利用者は、当該利用者が負担するリース契約にかかる費用の変動を抑えつつ、対象物件ごとに個別におこなっていた複数のリース契約を複数のリース契約にまとめることができる。そして、これにより、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110によれば、更新にともなってリース契約にかかる費用の総額が変動することによる利用者の経理上の手続きの煩雑さを低減し、経理処理にかかる利用者の負担軽減を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110によれば、リース会社は、複数のリース契約の対象物件をディーラーからまとめて購入することにより、ディーラーから値引きを受けるなどの業務上のメリットを享受することができる。
また、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110によれば、ディーラーは、新機種の発売時などに、リース会社に対して、「複数の対象物件をまとめて購入した場合は値引きをする」などの提案をおこなうことにより、新機種の販売促進を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110は、対象物件にかかる単位期間あたりの費用が、リース料および対象物件のランニングコストを含むことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110によれば、対象物件のリースにかかる費用に加えて、実際に使用する場合に消費されることが予測される費用を加味したリース契約を、新規のリース契約時にまとめて更新可能な複数のリース契約(第2、第3のリース契約)として特定することができる。
これにより、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110によれば、リース契約の対象物件を利用する利用者に対して、当該対象物件にかかる、ランニングコストを含めた単位期間(1ヶ月)あたりの費用の合計を大幅に変動させることなく、現在日において契約中の、切り替え日(満了日)が異なる複数のリース契約をまとめて新規のリース契約に移行する提案をおこなうことができる。
また、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110によれば、利用者は、ランニングコストを含めた単位期間(1ヶ月)あたりの費用の合計を大幅に変動させることなく、省エネ効果の高い新製品への乗り換えを促進することができ、エコに繋がる活動をおこなうことができる。また、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110によれば、対象物件のランニングコストを低下することができるので、低下させた分をリース料に転換し、リース会社の利益向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110は、第1の合計費用、第2の合計費用、および、新規契約費用に関する情報を出力することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110によれば、利用者に対して、現在日において第1、第2および第3のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりの費用の合計、第2のリース契約を再リース契約した場合に第1、第2および第3のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりの費用の合計、および、満了日より翌日から第1、第2および第3のリース契約をそれぞれ新規のリース契約に切り替えた場合に第1、第2および第3のリース契約の対象物件にかかる単位期間あたりの費用の合計を案内することによって、複数のリース契約の利用者が提案をおこなうことができる。
このように、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110によれば、利用者やリース会社の要望などに応じて、現行のリース契約からあらたなリース契約への適切な切り替えタイミングや、いずれのリース契約をまとめて切り替えることが好ましいかという組み合せのシミュレーションをおこなうことができる。
また、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110によれば、第1のリース契約の満了日を基準として、当該第1のリース契約の満了にともなってまとめて更新できるリース契約およびまとめて更新することによる契約内容などを提案することができる。これによって、利用者およびリース会社の双方は、いずれのリース契約をどのタイミングでまとめるかについての煩雑な検討をおこなうことなく、対象物件にかかる単位期間(1ヶ月)あたりの費用の合計を大幅に変動させることなく、現在日において契約中の、切り替え日(満了日)が異なる複数のリース契約をまとめて新規のリース契約に移行する提案をおこなうことができる。
また、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110によれば、利用者およびリース会社の双方は、いずれのリース契約をどのタイミングでまとめるかなどに関する今後の予定を、対象となる第1のリース契約が満了するよりも前に把握することができる。これにより、リース契約の更新にかかる手続きを円滑におこなうことができる。
また、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110によれば、ディーラーは、たとえば「X月にY台以上購入した場合は販売価格を1台あたりZ%割り引く」などの条件をリース会社に提示することにより、所望するタイミングにおいてまとまった台数の物件をリース会社に販売することができる。
そして、この発明にかかる実施の形態のリース契約提案装置110によれば、リース会社は、ディーラーが提示した条件に基づいて「x月にy台以上切り替えるとリース料をz%割り引きます」などのキャンペーンをおこなうことにより、所望するタイミングにおいて、所定の対象物件にかかるリース契約を複数おこなうことができる。
これにより、リース会社およびディーラーの双方は、たとえば、新機種が発売になった場合などにおいて、当該新機種を対象物件とするリース契約への乗り換えを促進することができる。また、これにより、利用者は、複数のリース契約をまとめることにより、リース契約の更新にかかる負担軽減を図ることができるとともに、乗り換えることによる値引きの特典を受けることができる。
なお、この実施の形態で説明したリース契約提案方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。