JP2014153490A - 眼鏡レンズ用染料蒸着装置および眼鏡レンズの染料蒸着方法 - Google Patents

眼鏡レンズ用染料蒸着装置および眼鏡レンズの染料蒸着方法 Download PDF

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美佐 三科
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Abstract

【課題】眼鏡レンズ基材の予備加熱を行うにもかかわらず、高い生産性が得られるとともに眼鏡レンズ基材の全域にわたって均一に染色することが可能な眼鏡レンズ用染料蒸着装置を提供する。
【解決手段】眼鏡レンズ基材4を予め定めた温度に加熱する予備加熱部2を備える。眼鏡レンズ基材4を収容する減圧用容器31を有しかつ昇華性染料を昇華させて眼鏡レンズ基材4に付着させる染料昇華部3を備える。予備加熱部2は、眼鏡レンズ基材4の一方のレンズ面4a,4bと対向する第1のヒータ6と、眼鏡レンズ基材4の他方のレンズ面4a,4bと対向する第2のヒータ7とを備える。第1のヒータ6および第2のヒータ7は、輻射熱でレンズ面4a,4bを加熱するものである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、眼鏡レンズ基材に昇華性染料を昇華させて蒸着させる眼鏡レンズ用染料蒸着装置および眼鏡レンズの染料蒸着方法に関するものである。
従来、眼鏡用のプラスチックレンズ基材(以下、単に眼鏡レンズ基材という)を染色する方法としては、浸漬染色法、加圧染色法、染料膜加熱法などが知られている。しかし、これらの従来の染色方法では、屈折率が1.7以上になる高屈折率の眼鏡レンズ基材を高濃度でむらなく均一に染色することは困難であった。
高屈折率の眼鏡レンズ基材に高濃度でむらなく均一に染色できる染色方法としては、例えば特許文献1に記載されているような昇華染色法がある。
特許文献1に記載されている昇華染色法は、眼鏡レンズ基材の表面に染料を蒸着によって付着させる蒸着ステップと、眼鏡レンズ基材に付着された染料を眼鏡レンズ基材内に浸透させる染色ステップとによって実施される。
前記蒸着ステップは、染料蒸着装置で行われ、前記染色ステップは、染料蒸着装置とは異なる加熱炉などで行われる。前記染料蒸着装置は、眼鏡レンズ基材と、昇華性染料が塗布された染料基板とを互いに対向する状態で保持する減圧用容器を備えている。この減圧用容器の中には、前記染料基板を加熱するヒータが設けられている。この染料蒸着装置を用いる染料の蒸着は、眼鏡レンズ基材と前記染料基板とを対向させた状態で前記染料基板を加熱して行われる。染料基板が加熱されることにより、昇華性染料(色素)が昇華して眼鏡レンズ基材に付着する。
この種の昇華染色方法においては、染料の蒸着を行う以前に眼鏡レンズ基材に対して予備加熱を行い、眼鏡レンズ基材の全体の温度を予め上昇させておくことにより、着色むらをより一層低減できることが知られている。特許文献1に開示されている染料蒸着装置において予備加熱を行うためには、染料基板を加熱するヒータを用いて眼鏡レンズ基材を加熱しなければならない。
特開2011−48345号公報
特許文献1に開示されている染料蒸着装置において眼鏡レンズ基材の予備加熱を行うと、予備加熱が終了するまで染料の蒸着を行うことができないから、生産性が低くなってしまう。
また、眼鏡レンズ基材の形状によっては中心部と周縁部とで温度が異なってしまうことから、均一に染色を行うことが出来ないと言った問題もあった。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、眼鏡レンズ基材の予備加熱を行うにもかかわらず、高い生産性が得られるとともに、眼鏡レンズ基材の全域にわたって均一に染色することが可能な眼鏡レンズ用染料蒸着装置および眼鏡レンズの染料蒸着方法を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係る眼鏡レンズ用染料蒸着装置は、眼鏡レンズ基材を予め定めた温度に加熱する予備加熱部と、前記予備加熱部によって加熱された前記眼鏡レンズ基材を収容する減圧用容器を有しかつ前記減圧用容器の中で昇華性染料を昇華させて前記眼鏡レンズ基材に付着させる染料昇華部とを備え、前記予備加熱部は、前記眼鏡レンズ基材の一方のレンズ面と対向する第1のヒータと、前記眼鏡レンズ基材の他方のレンズ面と対向する第2のヒータとを備え、前記第1のヒータおよび第2のヒータは、輻射熱で前記レンズ面を加熱するものである。
本発明は、前記発明において、前記第1のヒータおよび第2のヒータは、前記レンズ面の中心部と対向する部位の温度が他の部位より低くなるように形成されていることを特徴とする。
本発明は、前記発明において、前記第1のヒータおよび第2のヒータには、前記レンズ面の中心部に空気を吹き付ける送風装置が接続されていることを特徴とする。
本発明は、前記発明において、前記第1のヒータおよび第2のヒータは、通電されることにより発熱するヒータ本体と、このヒータ本体を囲む状態でこのヒータ本体に接触する伝熱体とを備え、前記伝熱体における前記眼鏡レンズと対向する加熱面と前記ヒータ本体との間には、熱が拡散する熱容量を有する熱拡散部が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る眼鏡レンズの染料蒸着方法は、請求項1ないし請求項4のうちいずれか一つに記載の眼鏡レンズ用染料蒸着装置を用いて眼鏡レンズ基材に染料を蒸着させる方法であって、前記眼鏡レンズ用染料蒸着装置の予備加熱部で眼鏡レンズ基材を加熱する予備加熱ステップと、前記予備加熱ステップで加熱された前記眼鏡レンズ基材を前記減圧用容器内に装填し、この減圧容器内で染料を昇華させて前記眼鏡レンズ基材に付着させる染料蒸着ステップとを有することを特徴とする。
本発明に係る眼鏡レンズ用染料蒸着装置によれば、眼鏡レンズ基材の一方のレンズ面が予備加熱部の第1のヒータによって加熱され、他方のレンズ面が予備加熱部の第2のヒータによって加熱される。このため、眼鏡レンズ基材の両面を同時に加熱することができるから、眼鏡レンズ基材の温度が速やかに上昇する。
これらの第1、第2のヒータは、染料昇華部のヒータとは別体に形成することができる。このため、予備加熱部で次の眼鏡レンズ基材が加熱されているときに、先に予備加熱が終了している他の眼鏡レンズ基材に染料昇華部で染料を付着させることができる。
本発明に係る眼鏡レンズの染料蒸着方法によれば、予備加熱ステップで次の眼鏡レンズ基材が加熱されているときに、先に予備加熱が終了した他の眼鏡レンズ基材を使用して染料蒸着ステップを実施することができる。
すなわち、本発明においては、眼鏡レンズ基材を第1、第2のヒータによって速く昇温させることができる。しかも、これらの第1、第2のヒータで行う予備加熱は、染料の蒸着が行われているときに次の眼鏡レンズ基材に対して行うことができ、実質的に染料の蒸着と同時に行うことができる。
また、眼鏡レンズ基材の両面が第1のヒータと第2のヒータとによって充分に加熱されるから、眼鏡レンズ基材の中心部と周縁部との温度差を小さくすることができる。
したがって、本発明によれば、眼鏡レンズ基材の予備加熱を行うにもかかわらず、高い生産性が得られるとともに、眼鏡レンズ基材の全域にわたって均一に染色することが可能な眼鏡レンズ用染料蒸着装置および眼鏡レンズの染料蒸着方法を提供することができる。
本発明に係る眼鏡レンズ用染料蒸着装置の構成を示すブロック図である。 本発明に係る眼鏡レンズの染料蒸着方法を説明するためのフローチャートである。 予備加熱部の側面図で、同図は、眼鏡レンズ基材を保持する部分を破断した状態で描いてある。 第1、第2のヒータの加熱面を示す平面図である。 図4におけるV−V線断面図である。 予備加熱部の要部の断面図である。 染料昇華部の断面図で、同図は、眼鏡レンズ基材を取り付けた状態で描いてある。 加熱時間と温度の関係を示すグラフで、同図(A)は送風装置を使用した場合を示し、同図(B)は送風装置を使用しない場合を示す。 加熱時間と温度の関係を示すグラフで、同図(A)は送風装置を使用した場合を示し、同図(B)は送風装置を使用しない場合を示す。 加熱時間と温度の関係を示すグラフで、同図(A)は送風装置を使用した場合を示し、同図(B)は送風装置を使用しない場合を示す。 実験結果を示す説明図である。 眼鏡レンズ基材の温度測定点を示す眼鏡レンズ基材の平面図である。 第1、第2のヒータと眼鏡レンズ基材との間隔を説明するための側面図である。
以下、本発明に係る眼鏡レンズ用染料蒸着装置および眼鏡レンズの染料蒸着方法の一実施の形態を図1〜図13によって詳細に説明する。
図1に示す眼鏡レンズ用染料蒸着装置1は、本発明に係る眼鏡レンズの染料蒸着方法を実施するためのものである。この染料蒸着装置1は、詳細は後述するが、予備加熱部2と、染料昇華部3とを備えている。前記予備加熱部2は、前記染料蒸着方法の予備加熱ステップS1(図2参照)を実施するためのものである。前記染料昇華部3は、前記染料蒸着方法の染料蒸着ステップS2を実施するためのものである。
前記予備加熱ステップS1においては、眼鏡レンズ基材4(図3参照)が予め定めた温度に加熱される。
前記染料蒸着ステップS2においては、前記予備加熱ステップS1で予備加熱が終了した眼鏡レンズ基材4に昇華性染料を付着させる。
前記予備加熱部2は、図3に示すように、眼鏡レンズ基材4を保持するレンズ保持部5と、前記眼鏡レンズ基材4を挟むように配置された第1のヒータ6と第2のヒータ7とを備えている。前記眼鏡レンズ基材4は、眼鏡用プラスチックレンズを製造するためのもので、円板状に形成されている。本発明を実施するに当たっては、プラスチック製の眼鏡レンズ基材4であれば、どのようなものでも使用可能である。すなわち、図3に示すような、いわゆるマイナスレンズの他に、いわゆるプラスレンズも用いることができる。
この実施の形態によるレンズ保持部5は、レンズ用保持具8を介して眼鏡レンズ基材4を保持するものである。レンズ用保持具8は、眼鏡レンズ基材4の外周面を複数の爪部材8aで挟んで保持するもので、前記レンズ保持部5に着脱自在に取付けられる。このレンズ用保持具8を用いてレンズ保持部5に眼鏡レンズ基材4を取付けることによって、眼鏡レンズ基材4のレンズ面4a,4bが第1のヒータ6または第2のヒータ7と対向する。眼鏡レンズ基材4は、前記レンズ面4a,4bが上下方向を指向するようにレンズ保持部5に保持されている。
前記第1のヒータ6と第2のヒータ7は、円板状に形成されており、支持体9に支持されて所定の位置に位置付けられている。第1のヒータ6は、眼鏡レンズ基材4の上側のレンズ面4aの上方にこのレンズ面4aから予め定めた距離だけ離間する位置に位置付けられている。第2のヒータ7は、眼鏡レンズ基材4の下側のレンズ面4bの下方にこのレンズ面4bから予め定めた距離だけ離間する位置に位置付けられている。また、これらの第1、第2のヒータ6,7は、前記レンズ保持部5に保持された眼鏡レンズ基材4と同一軸線上に位置するように配置されている。
前記第1のヒータ6と第2のヒータ7は、図5および図6に示すように、円板状の伝熱体11と、この伝熱体11の中に収納された熱源としてのヒータ本体12と、これら両部材の中心部を貫通するパイプ13とによって構成されている。
前記伝熱体11は、ヒータ本体12の熱を眼鏡レンズ基材4に輻射熱として伝達するためのもので、熱伝導率が高い金属によって形成されている。この実施の形態による伝熱体11は、アルミニウム合金によって形成されている。
また、この伝熱体11は、内部にヒータ本体12を組み込むことができるように、有底円筒状の筒体11aと、この筒体11aの開口部分を閉塞する蓋体11bとによって構成されている。筒体11aの開口部分の大きさは、前記ヒータ本体12を挿入できるように形成されている。蓋体11bは、複数の取付用ボルト14によって筒体11aに取付けられている。ヒータ本体12は、筒体11a内に挿入された状態で前記筒体11aに前記蓋体11bが取付けられることによって、筒体11aの底部と蓋体11bとに挟まれて保持される。すなわち、伝熱体11は、前記ヒータ本体12を囲む状態でこのヒータ本体12に接触するものである。
前記筒体11aの底部の厚みは、所定の熱容量を有する厚みに形成されている。この所定の熱容量とは、ヒータ本体12の発熱体(図示せず)で生じた熱が前記底部の径方向の全域にわたって略均等に拡散するような熱容量をいう。すなわち、この伝熱体11における前記眼鏡レンズ基材4と対向する加熱面15と前記ヒータ本体12との間には、熱が拡散する熱容量を有する熱拡散部16が設けられている。
前記ヒータ本体12は、通電されることにより発熱するものである。この実施の形態によるヒータ本体12は、いわゆるマイカヒータによって構成されている。このヒータ本体12は、図5および図6に示すように、前記熱拡散部16より薄い円環状に形成されている。このヒータ本体12の中心部は、円形の非発熱部17となるように形成されているために、発熱することがない。このため、第1、第2のヒータ6,7の軸心部の温度(前記レンズ面4a,4bの中心部と対向する部位の温度)は、他の部位の温度より低くなる。このヒータ本体12のリード線18は、前記蓋体11bを貫通して後方(眼鏡レンズ基材4とは反対側)に導出されている。
第1、第2のヒータ6,7に設けられた前記パイプ13は、前記レンズ面4a,4bの中心部に空気を吹き付けるためのものである。このパイプ13は、第1、第2のヒータ6,7の軸心部に軸線方向へ延びるように設けられている。このパイプ13の先端は、第1、第2のヒータ6,7の加熱面15に露出している。このパイプ13の他端は、図3に示すように、空気ホース21を介して空気ポンプ22の空気吐出部23に接続されている。
前記空気ホース21は、一つの空気ポンプ22と2本の前記パイプ13,13とを接続している。空気ポンプ22は、予備加熱部2の周囲の空気を吸引して前記空気吐出部23から吐出するものである。
このため、この実施の形態による前記第1、第2のヒータ6,7には、前記パイプ13と、空気ホース21と、空気ポンプ22とからなる送風装置24が接続されることになる。
前記空気ポンプ22から吐出された空気は、前記空気ホース21を通って第1のヒータ6側のパイプ13と第2のヒータ7側のパイプ13に分配され、これらのパイプ13からレンズ面4a,4bの中心部に吹き付けられる。レンズ面4a,4bの中心部に吹き付けられた空気は、図6中に矢印で示すように、レンズ面4a,4bに沿って中心部から外周部に向けて流れる。図6に示す眼鏡レンズ基材4は、マイナスレンズであるが、この眼鏡レンズ基材4がプラスレンズであったとしても、空気はレンズ面4a,4bに沿って流れる。
第1、第2のヒータ6,7が発熱状態である場合は、輻射熱によってレンズ面4a,4bが加熱されてレンズ面4a,4bの温度が上昇し、レンズ面4a,4bに触れた空気が暖められる。すなわち、前記パイプ13から出てレンズ面4a,4bに吹き付けられた空気は、第1、第2のヒータ6,7によって加熱されたレンズ面4a,4bに触れることにより暖められながらレンズ面4a,4bの中心部から外周部へ流れる。この結果、眼鏡レンズ基材4の熱が中心側から外周側へ移動するようになり、眼鏡レンズ基材4の外周部の温度上昇が促進される。
前記染料昇華部3は、図7に示すように、眼鏡レンズ基材4を収容可能な減圧用容器31と、この減圧用容器31内に設けられた昇華用ヒータ32とを備えている。眼鏡レンズ基材4は、レンズ面4a,4bが上下方向を指向する状態で前記レンズ保持具8を介して減圧用容器31に装着される。
前記減圧用容器31は、図示していない減圧装置に接続されている。減圧用容器31内の圧力は、染料の昇華時に前記減圧装置によって予め定めた真空度となるように減圧される。
前記昇華用ヒータ32は、眼鏡レンズ基材4の下方に位置付けられている。このヒータ32の上面には、染料基板33が載せられている。この染料基板33の上面には、昇華性染料34が塗布されている。
図7に示す染料昇華部3においては、減圧用容器31内が減圧された状態で染料基板33が昇華用ヒータ32により加熱されることによって、昇華性染料34が昇華して眼鏡レンズ基材4の下側のレンズ面4bに付着する。
このように構成された眼鏡レンズ用染料蒸着装置1を用いて眼鏡レンズ基材4に染料を蒸着するためには、先ず、図2のフローチャートのステップS1に示すように、前記予備加熱部2において予備加熱を行う。予備加熱部2においては、眼鏡レンズ基材4の一方の(上側の)レンズ面4aが第1のヒータ6によって加熱され、他方の(下側の)レンズ面4bが第2のヒータ7によって加熱される。
次に、予備加熱が終了した眼鏡レンズ基材4を前記染料昇華部3に装填し、この染料昇華部3において染料を眼鏡レンズ基材4に蒸着させる(ステップS2)。染料蒸着ステップS2において、染料は、眼鏡レンズ基材4の下側のレンズ面4bにのみに付着する。このため、眼鏡レンズ基材4の両方のレンズ面4a,4bに染料を付着させる場合は、一方のレンズ面に染料を付着させた後、眼鏡レンズ基材4を他方のレンズ面が下方を指向するように反転させて再度染料の蒸着を行う。
前記予備加熱部2の第1、第2のヒータ6,7は、染料昇華部3の昇華用ヒータ32とは別体に形成されたものである。このため、染料昇華部3において染料の蒸着が行われているときに、前記予備加熱部2で次の眼鏡レンズ基材4に対して予備加熱を行うことができる。
すなわち、予備加熱部2で次の眼鏡レンズ基材4が加熱されているときに、先に予備加熱が終了している他の眼鏡レンズ基材4に染料昇華部3で染料を付着させることができる。言い換えれば、予備加熱ステップS1で次の眼鏡レンズ基材4が加熱されているときに、先に予備加熱が終了している他の眼鏡レンズ基材4を使用して染料蒸着ステップS2を実施することができる。
したがって、この実施の形態においては、眼鏡レンズ基材4を第1、第2のヒータ6,7によって加熱しているから、眼鏡レンズ基材4を速く所定の温度に昇温させることができる。これらの第1、第2のヒータ6,7で行う予備加熱は、染料の蒸着が行われているときに次の眼鏡レンズ基材4に対して行うことができるから、実質的に染料の蒸着と同時に行うことができる。
この結果、この実施の形態によれば、眼鏡レンズ基材4の予備加熱を行うにもかかわらず、高い生産性が得られる。
また、眼鏡レンズ基材4の両面が第1のヒータ6と第2のヒータ7とによって充分に加熱されるから、眼鏡レンズ基材4の中心部と周縁部との温度差を小さくすることができる。
したがって、本発明によれば、眼鏡レンズ基材4の予備加熱を行うにもかかわらず、高い生産性が得られるとともに、眼鏡レンズ基材4の全域にわたって均一に染色することが可能な眼鏡レンズ用染料蒸着装置および眼鏡レンズの染料蒸着方法を提供することができる。
この実施の形態による前記第1のヒータ6および第2のヒータ7は、前記レンズ面4a,4bの中心部と対向する部位の温度が他の部位より低くなるように形成されている。
このため、前記レンズ面4a,4bの中心部の温度が他の部位の温度と比べて低くなる。したがって、この実施の形態によれば、前記レンズ面4a,4bの中心部の温度が過度に高くなることを防ぐことができるから、染料を高濃度でむらなく均一に蒸着することが可能な眼鏡レンズ用染料蒸着装置を提供することができる。
この実施の形態による前記第1のヒータ6および第2のヒータ7には、前記レンズ面4a,4bの中心部に空気を吹き付ける送風装置24が接続されている。
前記送風装置24によって前記レンズ面4a,4bの中心部に吹き付けられた空気は、レンズ面4a,4bに沿って中心部から外周部に向けて流れる。この空気は、第1、第2のヒータ6,7によって加熱されたレンズ面4a,4bに触れることにより暖められる。すなわち、温風がレンズ面4a,4bの中心部側から外周部に向けて流れるようになる。
眼鏡レンズの外周部は、中心部と比べると広い範囲にわたって大気に触れているために暖まり難い。この実施の形態によれば、このように暖まり難い前記外周部が上述した温風によって暖められる。
このため、眼鏡レンズ基材4の中心部と外周部との温度差が小さくなるとともに、外周部の温度が速く上昇するように、眼鏡レンズ基材4が予備加熱部2で加熱される。この結果、眼鏡レンズ基材4は、2つのレンズ面4a,4bの全域において温度分布が均一になるように速く加熱される。
したがって、この実施の形態によれば、生産性を更に向上させながら、染料をより一層高濃度でむらなく均一に蒸着することが可能な眼鏡レンズ用染料蒸着装置を提供することができる。
この実施の形態による前記第1のヒータ6および第2のヒータ7は、通電されることにより発熱するヒータ本体12と、このヒータ本体12を囲む状態でこのヒータ本体12に接触する伝熱体11とを備えている。前記伝熱体11における前記眼鏡レンズ基材4と対向する加熱面15と前記ヒータ本体12との間には、熱が拡散する熱容量を有する熱拡散部16が設けられている。
このため、第1のヒータ6と第2のヒータ7とにおける眼鏡レンズ基材4と対向する加熱面15の温度は、全域において均等になる。
したがって、この実施の形態によれば、眼鏡レンズ基材4のレンズ面4a,4bをより一層均等に加熱することができるから、更に高い品質となるように染料を眼鏡レンズ基材4に蒸着させることができる。
本発明に係る眼鏡レンズ用染料蒸着装置1の予備加熱部2を用いて眼鏡レンズ基材4を加熱する実験を行ったところ、図8(A),(B)〜図10(A),(B)に示す結果が得られた。これらのグラフは、加熱時間と温度の関係を示すものである。この実験の結果をまとめると、図11に示すようになる。
この実験で使用した眼鏡レンズ基材4は、下記の眼鏡レンズ基材A〜眼鏡レンズ基材4Cである。
眼鏡レンズ基材Aは、レンズ度数がS−16.00の凹レンズ(マイナスレンズ)である。この眼鏡レンズ基材Aのレンズ径は65Φで、コバ厚は15mm、中心肉厚は3mmである。
眼鏡レンズ基材Bは、レンズ度数がS+2.00の凸レンズ(プラスレンズ)である。この眼鏡レンズ基材Bのレンズ径は75Φで、コバ厚は0.8mm、中心肉厚は2.4mmである。
眼鏡レンズ基材Cは、レンズ度数がS−4.00の凹レンズ(マイナスレンズ)である。この眼鏡レンズ基材Cのレンズ径は75Φで、コバ厚は4.4mm、中心肉厚は1.0mmである。
各眼鏡レンズ基材A〜Cの温度測定点は、図12に示すように測定点1〜測定点5からなる5箇所とした。測定点1〜測定点4は、眼鏡レンズ基材A〜Cの外周部を周方向に4等分する位置に設定した。測定点5は、眼鏡レンズ基材A〜Cの中心に設定した。
これらの温度測定点1〜5の温度は、送風装置24を使用した場合と、送風装置24を使用しない場合との両方について測定した。
第1、第2のヒータ6,7は、外径が150mm、厚みが35mmのものを使用した。これらの第1、第2のヒータ6,7のヒータ本体12は、外径が130mm、前記非発熱部の径が30Φのものを使用した。
第1、第2のヒータ6,7の設定温度は100℃とした。なお、眼鏡レンズ基材A〜Cの目標加熱温度は75℃である。
第1、第2のヒータ6,7と眼鏡レンズ基材4との間隔は、図13に示すように、眼鏡レンズ基材A〜C(図13においてはマイナスレンズの例のみ図示してある)の下端を基準として設定した。第1のヒータ6は、加熱面15が前記下端から上方に25mm離れるように配置した。第2のヒータ7は、加熱面15が前記下端から下方に25mm離れるように配置した。
前記眼鏡レンズ基材Aの温度は、送風装置を使用した場合は図8(A)に示すように上昇し、送風装置24を使用しない場合には図8(B)に示すように上昇した。眼鏡レンズ基材Aを用いる場合、図8(A)に示すように、送風装置24を使用することによって、加熱開始から約10分でレンズ面4a,4bの面内温度分布が5℃以内となり、温度分布が均一になった。この眼鏡レンズ基材Aを用いるにあたって前記送風装置24を使用しないと、図8(B)に示すように、中心部の温度が著しく高くなり、温度分布は均一にはならないことが判った。
前記眼鏡レンズ基材Bの温度は、送風装置24を使用した場合は図9(A)に示すように上昇し、送風装置24を使用しない場合には図9(B)に示すように上昇した。眼鏡レンズ基材Bを用いる場合、図9(A)に示すように、送風装置24を使用することによって、加熱開始から約3分でレンズ面4a,4bの面内温度分布が5℃以内となり、温度分布が均一になった。この眼鏡レンズ基材Bを用いるにあたって前記送風装置24を使用しないと、図9(B)に示すように、温度分布は良好であるが、温度が安定するまで約10分必要であることが判った。
前記眼鏡レンズ基材Cの温度は、送風装置24を使用した場合は図10(A)に示すように上昇し、送風装置24を使用しない場合には図10(B)に示すように上昇した。眼鏡レンズ基材Cを用いる場合、図10(A)に示すように、送風装置24を使用することによって、加熱開始から約5分でレンズ面4a,4bの面内温度分布が5℃以内となり、温度分布が均一になった。この眼鏡レンズ基材Cを用いるにあたって前記送風装置24を使用しないと、図10(B)に示すように、中心部の温度が著しく高くなり、温度分布は均一にはならないことが判った。
1…眼鏡レンズ用染料蒸着装置、2…予備加熱部、4…眼鏡レンズ基材、3…染料昇華部、4a,4b…レンズ面、6…第1のヒータ、7…第2のヒータ、11…伝熱体、12…ヒータ本体、15…加熱面、16…熱拡散部、24…送風装置、31…減圧用容器、S1…予備加熱ステップ、S2…染料蒸着ステップ。

Claims (5)

  1. 眼鏡レンズ基材を予め定めた温度に加熱する予備加熱部と、
    前記予備加熱部によって加熱された前記眼鏡レンズ基材を収容する減圧用容器を有しかつ前記減圧用容器の中で昇華性染料を昇華させて前記眼鏡レンズ基材に付着させる染料昇華部とを備え、
    前記予備加熱部は、前記眼鏡レンズ基材の一方のレンズ面と対向する第1のヒータと、前記眼鏡レンズ基材の他方のレンズ面と対向する第2のヒータとを備え、
    前記第1のヒータおよび第2のヒータは、輻射熱で前記レンズ面を加熱するものであることを特徴とする眼鏡レンズ用染料蒸着装置。
  2. 請求項1記載の眼鏡レンズ用染料蒸着装置において、前記第1のヒータおよび第2のヒータは、前記レンズ面の中心部と対向する部位の温度が他の部位より低くなるように形成されていることを特徴とする眼鏡レンズ用染料蒸着装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の眼鏡レンズ用染料蒸着装置において、前記第1のヒータおよび第2のヒータには、前記レンズ面の中心部に空気を吹き付ける送風装置が接続されていることを特徴とする眼鏡レンズ用染料蒸着装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載の眼鏡レンズ用染料蒸着装置において、前記第1のヒータおよび第2のヒータは、通電されることにより発熱するヒータ本体と、このヒータ本体を囲む状態でこのヒータ本体に接触する伝熱体とを備え、
    前記伝熱体における前記眼鏡レンズ基材と対向する加熱面と前記ヒータ本体との間には、熱が拡散する熱容量を有する熱拡散部が設けられていることを特徴とする眼鏡レンズ用染料蒸着装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちいずれか一つに記載の眼鏡レンズ用染料蒸着装置を用いて眼鏡レンズ基材に染料を蒸着させる眼鏡レンズの染料蒸着方法であって、
    前記眼鏡レンズ用染料蒸着装置の予備加熱部で眼鏡レンズ基材を加熱する予備加熱ステップと、
    前記予備加熱ステップで加熱された前記眼鏡レンズ基材を前記眼鏡レンズ用染料蒸着装置の前記減圧用容器内に装填し、この減圧容器内で染料を昇華させて前記眼鏡レンズ基材に付着させる染料蒸着ステップとを有することを特徴とする眼鏡レンズの染料蒸着方法。
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