JP2014153005A - スターリング冷凍機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スターリング冷凍機10は、可動部材11と放熱器12とを接続して、可動部材11と放熱器12との間に作動媒体の第1圧縮空間αを形成可能な第1伸縮管継手17と、放熱器12と再生器13とを接続して、放熱器12と再生器13との間に作動媒体の第2圧縮空間βを形成可能な第2伸縮管継手18と、再生器13と吸熱器14とを接続して、再生器13と吸熱器14との間に作動媒体の膨張空間を形成可能な第3伸縮管継手19と、放熱器12及び吸熱器14を固定する固定部材15と、可動部材11及び再生器13を所定の位相差で配列線Oに沿って往復動させるとともに固定部材15に対して相対移動させる駆動機構21と、を備える。吸熱器14は、第3伸縮管継手19の第2方向Qの第2端部19qに配置されて、第2端部19qが閉塞されている。
【選択図】図1
Description
この技術においては、さらに、シリンダの軸方向の第1端部が閉塞され、この第1端部と膨張ピストンとの間に膨張空間が形成され、膨張ピストンおよび圧縮ピストンを駆動する駆動部がシリンダの軸方向の第2端部側に設けられる技術が知られている。
(スターリング冷凍機の構成)
本実施形態のスターリング冷凍機10は、図1に示すように、例えば直線状の配列線Oに沿って第1方向Pから第2方向Qに向かい順次配列された可動部材11、放熱器12、再生器13および吸熱器14を備えている。さらに、スターリング冷凍機10は、放熱器12および吸熱器14を固定する固定部材15と、再生器13を支持するロッド16と、を備えている。
さらに、スターリング冷凍機10は、可動部材11と放熱器12とを接続して、可動部材11と放熱器12との間に作動媒体の第1圧縮空間αを形成可能な第1伸縮管継手17を備えている。さらに、スターリング冷凍機10は、放熱器12と再生器13とを接続して、放熱器12と再生器13との間に作動媒体の第2圧縮空間βを形成可能な第2伸縮管継手18を備えている。さらに、スターリング冷凍機10は、再生器13と吸熱器14とを接続して、再生器13と吸熱器14との間に作動媒体の膨張空間γを形成可能な第3伸縮管継手19を備えている。さらに、スターリング冷凍機10は、可動部材11とロッド16との間を相対移動可能に封止する第4伸縮管継手20を備えている。
さらに、スターリング冷凍機10は、可動部材11および再生器13を所定の位相差で配列線Oに沿って往復動させるとともに固定部材15に対して相対移動させる駆動機構21を備えている。
本実施形態のスターリング冷凍機10は、例えば、超伝導フィルタやアンテナ素子、レーダ装置の送受信モジュールなどの冷却に用いられる。
可動部材本体31は、配列線Oに沿って貫通する本体貫通孔31aを備えている。本体貫通孔31aの内径は、後述するロッド16を挿入可能な大きさに形成されている。本体貫通孔31aに挿入されたロッド16の外周面16Aと、本体貫通孔31aの内面31aAとの間は、作動媒体が僅かに通過可能な隙間が存在していてもよいが、好ましくはシール部材(図示略)によって作動媒体に対して密封状態とされている。
可動部材軸部32の筒状部端部32pは、配列線Oに沿って貫通する端部貫通孔32bを備えている。端部貫通孔32bの内径は、ロッド16を挿入可能な大きさに形成されている。端部貫通孔32bに挿入されたロッド16の外周面16Aと、端部貫通孔32bの内面32bAとの間は、可動部材軸部32の雰囲気が通過可能な隙間が存在していてもよい。
可動部材軸部32は、後述する駆動機構21との電磁相互作用によって駆動機構21から駆動力が作用させられ、この駆動力によって可動部材11を配列線Oに沿って往復動させる。
放熱器12は、配列線Oに沿って貫通する放熱器貫通孔12aを備えている。放熱器貫通孔12aは、可動部材11の本体貫通孔31aに臨むように設けられている。放熱器貫通孔12aの内径は、ロッド16を挿入可能な大きさに形成されている。放熱器貫通孔12aに挿入されたロッド16の外周面16Aと、放熱器貫通孔12aの内面12aAとの間は、作動媒体が僅かに通過可能な隙間が存在していてもよいが、好ましくはシール部材(図示略)によって作動媒体に対して密封状態とされている。
再生器13の第1方向Pの第1端部13pはロッド16の第2方向Qのロッド端部16qに接続され、再生器13はロッド16によって支持されている。
先端部15bは、アルミニウムや銅などの吸熱性(熱伝導率)が高い材料により形成されている。先端部15bは第1方向P側の表面15bPを吸熱器14の第2方向Qの第2端部14qに接触させて吸熱器14を支持している。先端部15bの第1方向P側の表面15bPと吸熱器14の第2方向Qの第2端部14qとの間は、熱伝導性が確保されている。
支持部15cは、ベース部15aおよび先端部15bと同じ材料で形成されていてもよいが、好ましくはベース部15aおよび先端部15bに比べて熱伝導率が低い材料により形成されている。支持部15cは、配列線Oから所定距離を置いて配列線Oと平行に延びている。支持部15cは、第1方向P側の第1端部15cpがベース部15aに固定され、第2方向Q側の第2端部15cqが先端部15bに固定されている。支持部15cは、再生器13を配列線Oに沿って往復駆動可能な長さを有している。複数本(例えば、3本)の支持部15cが、先端部15bの周方向に等間隔で配置されている。
ロッド16は、後述する駆動機構21との電磁相互作用によって駆動機構21から駆動力が作用させられ、この駆動力によって再生器13を配列線Oに沿って往復動させる。
本実施形態のスターリング冷凍機10は上記構成を備えており、次に、このスターリング冷凍機10の動作について説明する。
スターリング冷凍機10は、図3(A)から(D)に示すように、動作行程として、圧縮行程と、第1等容移行行程と、膨張行程と、第2等容移行行程と、の4行程を備えている。
なお、図3(A)から(D)においては、固定部材15および真空槽40を省略した。
まず、圧縮行程は、図3(A)から図3(B)に示すように、再生器13がその第2方向Qの可動端点Q13に位置する状態で、可動部材11がその第1方向Pの可動端点P11から第2方向Qの可動端点Q11に向かって移動する行程である。
圧縮行程では、第1伸縮管継手17は最伸長状態から最短縮状態へと短縮し、第2伸縮管継手18は最伸長状態を維持し、第3伸縮管継手19は最短縮状態を維持し、第4伸縮管継手20は最短縮状態から伸長する。
圧縮行程では、第1圧縮空間αの容積が減少し、第2圧縮空間βおよび膨張空間γの容積が不変に維持される。これに伴って、第1圧縮空間αの作動媒体が圧縮され、圧縮された第1圧縮空間αの作動媒体が放熱器12の内部を流通して第2圧縮空間βに流入し、第1圧縮空間αおよび第2圧縮空間βの全体において容積が減少するとともに作動媒体の圧力が増大する。
圧縮行程では、可動部材11の圧縮仕事に相当する熱が放熱器12を介して放熱され、高温の第1圧縮空間αおよび第2圧縮空間βと低温の膨張空間γとの全体の容積が減少する。
つぎに、第1等容移行行程は、図3(B)から図3(C)に示すように、可動部材11がその第2方向Qの可動端点Q11に位置する状態で、再生器13がその第2方向Qの可動端点Q13から第1方向Pの可動端点P13に向かって移動する行程である。図3(C)は、再生器13が可動端点Q13から可動端点P13に向かって移動する途中の点R13に位置するときの状態を示している。
第1等容移行行程では、第1伸縮管継手17は最短縮状態を維持し、第2伸縮管継手18は最伸長状態から短縮し、第3伸縮管継手19は最短縮状態から伸長し、第4伸縮管継手20は最伸長状態へと伸長する。なお、第3伸縮管継手19は、最伸長状態までは伸長せず、第4伸縮管継手20の最伸長状態において、さらなる伸長の余裕分が確保された状態で伸長を停止する。
第1等容移行行程では、第1圧縮空間αの容積が不変に維持され、第2圧縮空間βの容積の減少と膨張空間γの容積の増大とが相殺される。
第1等容移行行程では、高温の第1圧縮空間αおよび第2圧縮空間βと低温の膨張空間γとの全体の容積一定の状態で、高温の第1圧縮空間αおよび第2圧縮空間βの作動媒体が再生器13に放熱して低温となって低温の膨張空間γに流入する。
つぎに、膨張行程は、図3(C)から図3(D)に示すように、第2方向Qの可動端点Q13から移動を始めた再生器13が、点R13からさらに第1方向Pの可動端点P13に向かって移動を継続するとともに、可動部材11がその第2方向Qの可動端点Q11から第1方向Pの可動端点P11に向かって移動する行程である。
膨張行程では、第1伸縮管継手17は最短縮状態から最伸長状態へと伸長し、第2伸縮管継手18は最短縮状態へと短縮し、第3伸縮管継手19は最伸長状態へと伸長し、第4伸縮管継手20は最伸長状態から短縮する。
膨張行程では、第1圧縮空間αの容積が増大し、第2圧縮空間βの容積が減少し、膨張空間γの容積が増大する。第1圧縮空間αの容積の増大分は第2圧縮空間βの容積の減少分よりも大きい。これに伴って、膨張空間γの作動媒体が膨張し、第1圧縮空間αおよび第2圧縮空間βの全体において容積が増大するとともに作動媒体の圧力が減少する。
膨張行程では、高温の第1圧縮空間αおよび第2圧縮空間βと低温の膨張空間γとの全体の容積が増大し、吸熱器14を介して吸熱される。これにより、吸熱器14の外部、例えば図1に示す吸熱器14を固定する固定部材15の先端部15bが冷やされ、冷凍能力が発生する。
つぎに、第2等容移行行程は、図3(D)から図3(A)に示すように、可動部材11がその第1方向Pの可動端点P11に位置する状態で、再生器13がその第1方向Pの可動端点P13から第2方向Qの可動端点Q13に向かって移動する行程である。
第2等容移行行程では、第1伸縮管継手17は最伸長状態を維持し、第2伸縮管継手18は最短縮状態から最伸長状態へと伸長し、第3伸縮管継手19は最伸長状態から最短縮状態へと短縮し、第4伸縮管継手20は最短縮状態へと短縮する。
第2等容移行行程では、第1圧縮空間αの容積が不変に維持され、第2圧縮空間βの容積の増大と膨張空間γの容積の減少とが相殺される。
第2等容移行行程では、高温の第1圧縮空間αおよび第2圧縮空間βと低温の膨張空間γとの全体の容積一定の状態で、低温の膨張空間γの低温の作動媒体が再生器13に蓄えられた熱を吸収して高温となって高温の第1圧縮空間αおよび第2圧縮空間βに流入する。
なお、上述した実施形態では、伸縮管継手の接続対象部材である可動部材11や放熱器12、再生器13、吸熱器14等について、前記接続対象部材の端部と伸縮管継手の端部とが配列線O上で同じ位置に配置されていたが、前記接続対象部材の端部が伸縮管継手の端部より配列線上で伸縮管継手側に配置されていてもよい。
以下に、上述した実施形態の変形例のスターリング冷凍機10について、上述した実施形態のスターリング冷凍機10とは異なる点について説明する。
例えば第1伸縮管継手17の最短収縮状態において、図5(B)に示す上述した実施形態のスターリング冷凍機10では、可動部材11と放熱器12との間の間隔は第1伸縮管継手17の最短長さに相当する。これに対して、図5(A)に示す変形例のスターリング冷凍機10では、可動部材11と放熱器12との間の間隔は、第1伸縮管継手17の最短長さよりも小さく(例えば、ほぼゼロであり)、上述した実施形態に比べて小さくなる。
これらによって、各第1圧縮空間α、第2圧縮空間β、膨張空間γおよび第4伸縮管継手20内の無効容積(作動媒体の加熱および冷却あるいは圧縮および膨張に関与しない空間の容積)を低減することができ、冷却性能および運転効率を向上させることができる。
例えば、第1、第2および第3伸縮管継手17,18,19の両端の接続位置のうち、何れか一方を前記各接続対象部材の配列線Oに沿った内側の位置とし、何れか他方を前記各接続対象部材の配列線Oに沿った端部としてもよい。
例えば、上述した実施形態において、可動部材11、放熱器12、再生器13、吸熱器14、固定部材15、ロッド16、各第1、第2、第3および第4伸縮管継手17,18,19,20の配列線Oに直交する断面の外形を円形としたが、これに限定されず、多角形状などであってもよい。
例えば、上述した実施形態において、固定部材15の支持部15cを棒状とし、複数本の支持部15cによって先端部15bを支持するとしたが、これに限定されず、ベース部15aおよび先端部15bの外周部同士を接続する単一の筒状などであってもよい。
11 可動部材
12 放熱器
12a 放熱器貫通孔
13 再生器
14 吸熱器
15 固定部材
16 ロッド
17 第1伸縮管継手
18 第2伸縮管継手
19 第3伸縮管継手
20 第4伸縮管継手
21 駆動機構(駆動手段)
31 可動部材本体
31a 本体貫通孔(可動部材貫通孔)
32 可動部材軸部
32b 端部貫通孔(可動部材貫通孔)
40 真空槽
Claims (4)
- 所定の配列線に沿って第1方向から第2方向に向かい順次配列された可動部材、放熱器、再生器および吸熱器と、
前記可動部材と前記放熱器とを接続して、前記可動部材と前記放熱器との間に作動媒体の第1圧縮空間を形成可能な第1伸縮管継手と、
前記放熱器と前記再生器とを接続して、前記放熱器と前記再生器との間に前記作動媒体の第2圧縮空間を形成可能な第2伸縮管継手と、
前記再生器と前記吸熱器とを接続して、前記再生器と前記吸熱器との間に前記作動媒体の膨張空間を形成可能な第3伸縮管継手と、
前記放熱器および前記吸熱器を固定する固定部材と、
前記可動部材および前記再生器を所定の位相差で前記配列線に沿って往復動させるとともに前記固定部材に対して相対移動させる駆動手段と、を備え、
前記可動部材は、前記第1伸縮管継手の前記第1方向の第1端部に配置されて、前記第1端部が閉塞され、
前記放熱器は、前記第1圧縮空間と前記第2圧縮空間との間を往復する前記作動媒体を内部に流通可能であり、
前記再生器は、前記第2圧縮空間と前記膨張空間との間を往復する前記作動媒体を内部に流通可能であり、
前記吸熱器は、前記第3伸縮管継手の前記第2方向の第2端部に配置されて、前記第2端部が閉塞されている、
ことを特徴とするスターリング冷凍機。 - 前記再生器を支持し、前記駆動手段によって前記配列線に沿って往復駆動されるロッドを備え、
前記可動部材は、前記ロッドを挿入可能に前記配列線に沿って貫通する可動部材貫通孔を備え、
前記放熱器は、前記ロッドを挿入可能に前記配列線に沿って貫通し、かつ前記可動部材貫通孔に臨む放熱器貫通孔を備え、
前記可動部材と前記可動部材貫通孔に挿入された前記ロッドとの間を封止する第4伸縮管継手を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のスターリング冷凍機。 - 前記伸縮管継手の接続対象部材である前記可動部材、前記放熱器、前記再生器または前記吸熱器は、前記接続対象部材における前記伸縮管継手側の端部が、前記伸縮管継手における前記接続対象部材側の端部より、前記配列線上で前記伸縮管継手側に位置するように配置されている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスターリング冷凍機。 - 少なくとも、前記第2伸縮管継手、前記再生器、前記第3伸縮管継手および前記吸熱器を、内部に収容する真空槽を備え、
前記真空槽は、前記固定部材に固定されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載のスターリング冷凍機。
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