JP2014152977A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面積や電圧によって発熱温度を異ならせることができる発熱体を用い、発熱温度と熱交換量とを調整可能な熱交換器を提供すること。
【解決手段】本発明の熱交換器は、複数の水管31を併設し、水管31を流れる水を加熱し、それぞれの水管31の流入口31aよりも流出口31bを上方に配置し、それぞれの水管31の側方に、電極端子間の長さと幅によって同一入力電圧下における発熱温度が異なる複数の発熱体33を設け、これらの発熱体33を、電気的に並列に接続して配置したことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の熱交換器は、複数の水管31を併設し、水管31を流れる水を加熱し、それぞれの水管31の流入口31aよりも流出口31bを上方に配置し、それぞれの水管31の側方に、電極端子間の長さと幅によって同一入力電圧下における発熱温度が異なる複数の発熱体33を設け、これらの発熱体33を、電気的に並列に接続して配置したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、水管を流れる水を加熱する熱交換器に関する。
液体を加熱する場合に面状発熱体を利用する装置が提案されている(特許文献1)。
また、従来のニクロム線で構成される発熱体と比較して、熱量が大きく、高温を出せる面状発熱体を用いた装置が提案されている。
例えば、特許文献2は、ニッケルインジウム酸化化合物を主材料とする発熱体を用い、液体加熱管内にこの発熱体を挿通した液体加熱装置である。
また、特許文献3は、導電性の高いニッケルインジウム酸化化合物を添加した塗料を塗布した発熱体を用い、融雪マットや温床マットにこの発熱体を用いている。
また、特許文献4は、ニッケル、インジウム及びチタンを含有するニッケル基合金を発熱体として用い、この発熱体によって気体を加熱する気体加熱装置、又は雪や氷などの固体を溶かす固体加熱装置である。
また、従来のニクロム線で構成される発熱体と比較して、熱量が大きく、高温を出せる面状発熱体を用いた装置が提案されている。
例えば、特許文献2は、ニッケルインジウム酸化化合物を主材料とする発熱体を用い、液体加熱管内にこの発熱体を挿通した液体加熱装置である。
また、特許文献3は、導電性の高いニッケルインジウム酸化化合物を添加した塗料を塗布した発熱体を用い、融雪マットや温床マットにこの発熱体を用いている。
また、特許文献4は、ニッケル、インジウム及びチタンを含有するニッケル基合金を発熱体として用い、この発熱体によって気体を加熱する気体加熱装置、又は雪や氷などの固体を溶かす固体加熱装置である。
特許文献1では、面状発熱体の一方の面を被覆することなく露出させ、この露出面を液体槽の外壁に接着することで加熱効率を高めているが、この面状発熱体がどのような特性を持つ発熱体であるかについては明確に記載されていない。
特許文献2から特許文献4では、ニクロム線とは全く異なった発熱体を用いており、これらの文献で開示されている発熱体は、表面積や電圧によって発熱温度を異ならせることができる。
しかし、特許文献2のように液体加熱管内にこの発熱体を挿通した場合には、発熱体の発熱温度を高くすると蒸気爆発を起こすことに留意しなければならない。
また、特許文献3では、電圧を一定とし、面積によって電力量が異なることを開示するのみで、発熱温度の調整については何ら記載されていない。
特許文献4についても、発熱温度の調整については何ら記載されていない。
特許文献2から特許文献4では、ニクロム線とは全く異なった発熱体を用いており、これらの文献で開示されている発熱体は、表面積や電圧によって発熱温度を異ならせることができる。
しかし、特許文献2のように液体加熱管内にこの発熱体を挿通した場合には、発熱体の発熱温度を高くすると蒸気爆発を起こすことに留意しなければならない。
また、特許文献3では、電圧を一定とし、面積によって電力量が異なることを開示するのみで、発熱温度の調整については何ら記載されていない。
特許文献4についても、発熱温度の調整については何ら記載されていない。
本発明は、表面積や電圧によって発熱温度を異ならせることができる発熱体を用い、発熱温度と熱交換量とを調整可能な熱交換器を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明の熱交換器は、複数の水管を併設し、前記水管を流れる水を加熱する熱交換器であって、それぞれの前記水管の流入口よりも流出口を上方に配置し、それぞれの前記水管の側方に、電極端子間の長さと幅によって同一入力電圧下における発熱温度が異なる複数の発熱体を設け、これらの前記発熱体を、電気的に並列に接続して配置したことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の熱交換器において、全ての前記発熱体を、それぞれ、同一長さで同一幅としたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の熱交換器において、前記水管を挟むように、一対の耐熱板を配置し、一対の前記耐熱板の前記水管側の面に、前記発熱体を配置したことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱交換器において、前記発熱体が、金属箔に半導体膜をコーティングしたものからなり、前記半導体膜は、ニッケル、インジウム、及びチタンを配合したニッケル基合金であり、インジウム/ニッケルの質量比を0.001〜0.2、チタン/ニッケルの質量比を0.03〜0.3としたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱交換器において、前記発熱体の前記幅を4mmから27mmとし、前記発熱体に加える前記入力電圧を5vから100vとし、前記発熱体の前記発熱温度を100℃以上としたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の熱交換器において、前記水を貯留する給水タンクと、それぞれの前記水管で発生する蒸気を集める蒸気タンクとを備え、前記給水タンクの下部と前記水管の前記流入口とを給水管で接続し、前記蒸気タンクを、前記給水タンクの満水面よりも高い位置に配置し、前記満水面を、前記発熱体よりも高い位置としたことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の熱交換器において、全ての前記発熱体を、それぞれ、同一長さで同一幅としたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の熱交換器において、前記水管を挟むように、一対の耐熱板を配置し、一対の前記耐熱板の前記水管側の面に、前記発熱体を配置したことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱交換器において、前記発熱体が、金属箔に半導体膜をコーティングしたものからなり、前記半導体膜は、ニッケル、インジウム、及びチタンを配合したニッケル基合金であり、インジウム/ニッケルの質量比を0.001〜0.2、チタン/ニッケルの質量比を0.03〜0.3としたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱交換器において、前記発熱体の前記幅を4mmから27mmとし、前記発熱体に加える前記入力電圧を5vから100vとし、前記発熱体の前記発熱温度を100℃以上としたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の熱交換器において、前記水を貯留する給水タンクと、それぞれの前記水管で発生する蒸気を集める蒸気タンクとを備え、前記給水タンクの下部と前記水管の前記流入口とを給水管で接続し、前記蒸気タンクを、前記給水タンクの満水面よりも高い位置に配置し、前記満水面を、前記発熱体よりも高い位置としたことを特徴とする。
本発明によれば、発熱体を並列に接続することで、発熱体の長さを調整して所定の発熱温度を得ることができ、また熱交換量を増やすためには発熱体の数を増やすことで対応できる。
本発明の第1の実施の形態による熱交換器は、それぞれの水管の流入口よりも流出口を上方に配置し、それぞれの水管の側方に、電極端子間の長さと幅によって同一入力電圧下における発熱温度が異なる複数の発熱体を設け、これらの発熱体を、電気的に並列に接続して配置したものである。本実施の形態によれば、発熱体を並列に接続することで、発熱体の長さを調整して所定の発熱温度を得ることができ、また熱交換量を増やすためには発熱体の数を増やすことで対応できる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による熱交換器において、全ての発熱体を、それぞれ、同一長さで同一幅としたものである。本実施の形態によれば、全ての発熱体を、それぞれ、同一幅、同一長さとすることで、全ての発熱体の発熱温度を同じとすることができる。
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による熱交換器において、水管を挟むように、一対の耐熱板を配置し、一対の耐熱板の水管側の面に、発熱体を配置したものである。本実施の形態によれば、水管への熱伝導を高めて蒸気発生量を増やすことができる。
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3の実施の形態による熱交換器において、発熱体が、金属箔に半導体膜をコーティングしたものからなり、半導体膜は、ニッケル、インジウム、及びチタンを配合したニッケル基合金であり、インジウム/ニッケルの質量比を0.001〜0.2、チタン/ニッケルの質量比を0.03〜0.3としたものである。本実施の形態によれば、金属箔の表面温度を半導体膜で更に上げることができる。
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4の実施の形態による熱交換器において、発熱体の幅を4mmから27mmとし、発熱体に加える入力電圧を5vから100vとし、発熱体の発熱温度を100℃以上としたものである。本実施の形態によれば、低電圧で蒸気を発生させることができる。
本発明の第6の実施の形態は、第1から第5の実施の形態による熱交換器において、水を貯留する給水タンクと、それぞれの水管で発生する蒸気を集める蒸気タンクとを備え、給水タンクの下部と水管の流入口とを給水管で接続し、蒸気タンクを、給水タンクの満水面よりも高い位置に配置し、満水面を、発熱体よりも高い位置としたものである。本実施の形態によれば、発熱体の配設位置に相当する水管内には水を存在させるとともに、蒸気タンクには蒸気だけを導くことができる。
以下に本発明の一実施例を図1から図4に示す。
図1は本発明の一実施例による熱交換器の構成を示す側面図、図2は同熱交換器の構成を示す平面図である。
本実施例による熱交換器は、筐体10内に、給水タンク20、加熱部30、及び蒸気タンク40を備えたボイラーである。
筐体10には、熱気排出口11を有している。この熱気排出口11には、強制排気を行うためのファンを備えていることが好ましい。
また、筐体10の上面には、給水口12を備えている。
給水タンク20の上面には、導入管21が接続され、導入管21の上端は給水口12に接続されている。給水タンク20は、支柱22によって筐体10の基台13に固定されている。給水タンク20の下面に給水管23が接続されている。
図1は本発明の一実施例による熱交換器の構成を示す側面図、図2は同熱交換器の構成を示す平面図である。
本実施例による熱交換器は、筐体10内に、給水タンク20、加熱部30、及び蒸気タンク40を備えたボイラーである。
筐体10には、熱気排出口11を有している。この熱気排出口11には、強制排気を行うためのファンを備えていることが好ましい。
また、筐体10の上面には、給水口12を備えている。
給水タンク20の上面には、導入管21が接続され、導入管21の上端は給水口12に接続されている。給水タンク20は、支柱22によって筐体10の基台13に固定されている。給水タンク20の下面に給水管23が接続されている。
加熱部30は、複数の水管31と、これらの水管31を挟むように配置された一対の耐熱板32と、一対の耐熱板32のそれぞれの水管31側の面に配置された発熱体33とを有する。
複数の水管31は、流入口31aよりも流出口31bを上方に配置して併設されている。本実施例では、水管31は垂直に立設している。それぞれの水管31の流入口31aは、給水管23に接続されている。またそれぞれの水管31の流出口31bは、蒸気タンク40に接続されている。
複数の水管31は、流入口31aよりも流出口31bを上方に配置して併設されている。本実施例では、水管31は垂直に立設している。それぞれの水管31の流入口31aは、給水管23に接続されている。またそれぞれの水管31の流出口31bは、蒸気タンク40に接続されている。
発熱体33の両端には、電極端子が形成され、一方の電極端子は電極34aに接続され、他方の電極端子は電極34bに接続されている。
それぞれの発熱体33は、全て電極端子間の長さと幅が同じ(同一面積)で平板状に形成され、全ての発熱体33は、電極34a、34bによって電気的に並列に接続されている。
すべての発熱体33は、電極端子を含めて、例えばポリイミドフィルムなどの耐熱絶縁樹脂からなる保護フィルムや集積雲母をエポキシ樹脂で各種補強材と貼り合わせた耐熱テープ(例えば、岡部マイカ工業所製 耐火マイカテープ)で覆われている。
電極34a、34bは、耐熱配線モールによって覆われ、筐体10外に導出している。発熱体33には、外部電源から電力が供給される。
耐熱板32は、固定柱36によって筐体10の基台13に固定されている。
給水管23の端部は、筐体10外に延出して出水口24を形成している。出水口24は、熱交換器運転時には閉とされている。
それぞれの発熱体33は、全て電極端子間の長さと幅が同じ(同一面積)で平板状に形成され、全ての発熱体33は、電極34a、34bによって電気的に並列に接続されている。
すべての発熱体33は、電極端子を含めて、例えばポリイミドフィルムなどの耐熱絶縁樹脂からなる保護フィルムや集積雲母をエポキシ樹脂で各種補強材と貼り合わせた耐熱テープ(例えば、岡部マイカ工業所製 耐火マイカテープ)で覆われている。
電極34a、34bは、耐熱配線モールによって覆われ、筐体10外に導出している。発熱体33には、外部電源から電力が供給される。
耐熱板32は、固定柱36によって筐体10の基台13に固定されている。
給水管23の端部は、筐体10外に延出して出水口24を形成している。出水口24は、熱交換器運転時には閉とされている。
蒸気タンク40には、蒸気排出管41が接続され、この蒸気排出管41から筐体10外に蒸気を導出する。蒸気排出管41には、圧力計42及び開閉バルブ43を設けている。
蒸気排出管41は、筐体10の上面から導出している。
蒸気タンク40の底面が、給水タンク20の満水面20aよりも高い位置となるように蒸気タンク40を配置することで、蒸気タンク40には蒸気だけを導くことができる。
また、給水タンク20の満水面20aが、発熱体33よりも高い位置となるように給水タンク20を配置することで、発熱体33の配設位置に相当する水管31内には常に水を存在させることができ、効率的な蒸気発生を行うことができる。
蒸気排出管41は、筐体10の上面から導出している。
蒸気タンク40の底面が、給水タンク20の満水面20aよりも高い位置となるように蒸気タンク40を配置することで、蒸気タンク40には蒸気だけを導くことができる。
また、給水タンク20の満水面20aが、発熱体33よりも高い位置となるように給水タンク20を配置することで、発熱体33の配設位置に相当する水管31内には常に水を存在させることができ、効率的な蒸気発生を行うことができる。
なお、給水タンク20の上面には排気管25を設けることが好ましい。排気管25によって給水タンク20内の膨張空気を筐体10外に排出することができる。
また、給水タンク20には、常に満水面20aまで水を貯留できるように、フロートスイッチを設けるとともに、給水口12にはフロートスイッチによって給水を行う補充タンクを設けていることが好ましい。
また、一対の耐熱板32の間に熱媒体を充填し、更には水管31にフィンを設けることで熱効率を更に高めることができる。
また、本実施例では、水管31を一対の耐熱板32で挟む構成を示したが、水管31の周りを覆う構成が好ましい。
また、本実施例では、発熱体33を耐熱板32に設けた場合を示したが、面状の発熱体33を水管31の外表面に直接貼り付けることで熱効率を高めることができる。
また、給水タンク20には、常に満水面20aまで水を貯留できるように、フロートスイッチを設けるとともに、給水口12にはフロートスイッチによって給水を行う補充タンクを設けていることが好ましい。
また、一対の耐熱板32の間に熱媒体を充填し、更には水管31にフィンを設けることで熱効率を更に高めることができる。
また、本実施例では、水管31を一対の耐熱板32で挟む構成を示したが、水管31の周りを覆う構成が好ましい。
また、本実施例では、発熱体33を耐熱板32に設けた場合を示したが、面状の発熱体33を水管31の外表面に直接貼り付けることで熱効率を高めることができる。
長さが300mm、幅が150mm、高さが200mmの筐体10を用い、直径が6mmから8mmの水管31を6本から12本とし、幅が4mmから27mmで発熱温度が100℃から400℃の発熱体33を、それぞれの耐熱板32に5本から10本設け、これら発熱体33に加える入力電圧を5vから100vとしたところ、良好な蒸気発生が行える熱交換器を製作することができた。
発熱体33は、金属箔に半導体膜をコーティングしたものからなり、金属箔にはステンレス、半導体膜には、ニッケル、インジウム、及びチタンを配合したニッケル基合金を用いることができる。ニッケル、インジウム、及びチタンを配合したニッケル基合金では、インジウム/ニッケルの質量比を0.001〜0.2、チタン/ニッケルの質量比を0.03〜0.3とする。半導体膜のコーティングは、蒸着やスパッタリングで行うことができる。
金属箔として、厚さ30μm、長さ1000mm、幅10mmのステンレス基板を用いた。このステンレス基板にニッケル基合金をコーティングした面状発熱体と、ステンレス基板のみの発熱体との、12vの入力電圧に対するそれぞれの表面温度を計測した。その結果、ステンレス基板のみの発熱体では51℃であるのに対して、ステンレス基板にニッケル基合金をコーティングした面状発熱体は128℃となった。
このように、基板であるステンレス基材の表面に半導体膜をコーティングした面状発熱体では、ステンレス基板の抵抗熱と半導体膜内の電子の移動による熱及び輻射熱との相乗効果で発熱する。すなわち、ステンレス基板自体の抵抗熱に加えて、ステンレス基板が発したエネルギーを半導体膜が受けることで発熱する。
このように、基板であるステンレス基材の表面に半導体膜をコーティングした面状発熱体では、ステンレス基板の抵抗熱と半導体膜内の電子の移動による熱及び輻射熱との相乗効果で発熱する。すなわち、ステンレス基板自体の抵抗熱に加えて、ステンレス基板が発したエネルギーを半導体膜が受けることで発熱する。
1mmの幅、300mmの長さ、30μmの厚さの面状発熱体について、1mmの径、300mmの長さの棒状ニクロム線を比較例として電力比較を行った。
比較例としてのニクロム線では、表面温度を340℃とするために、電圧10v、電流10.4A、104wの電力が必要であるのに対して、面状発熱体では、電圧28v、電流2.1A、58.8wの電力となった。
本実施例による発熱体33は、長さ330mm、幅10mm、厚さ20μmのものを用い、入力電圧20vとした。この発熱体33では、入力電圧20vにおいて、発熱温度は240℃である。
比較例としてのニクロム線では、表面温度を340℃とするために、電圧10v、電流10.4A、104wの電力が必要であるのに対して、面状発熱体では、電圧28v、電流2.1A、58.8wの電力となった。
本実施例による発熱体33は、長さ330mm、幅10mm、厚さ20μmのものを用い、入力電圧20vとした。この発熱体33では、入力電圧20vにおいて、発熱温度は240℃である。
発熱体33の特性を図3及び図4に示す。
図3は、発熱体の面積と入力電圧とを変えたときの発熱温度の測定結果であり、図4は図3の結果による特性を示すグラフである。
実験によれば、長さ300mm、幅5mmの場合、電圧15Vを印加すると、1.08Aの電流が流れ、発熱温度は170℃となり、長さ300mm、幅5mmの場合、電圧20Vを印加すると、1.46Aの電流が流れ、発熱温度は200℃となり、長さ1000mm、幅5mmの場合、電圧20Vを印加すると、1.63Aの電流が流れ、発熱温度は140℃となり、長さ1000mm、幅8mmの場合、電圧20Vを印加すると、2.29Aの電流が流れ、発熱温度は240℃となり、長さ1000mm、幅10mmの場合、電圧20Vを印加すると、3.01Aの電流が流れ、発熱温度は270℃となり、長さ1000mm、幅5mmの場合、電圧50Vを印加すると、3.93Aの電流が流れ、発熱温度は428℃となり、長さ1000mm、幅8mmの場合、電圧50Vを印加すると、5.68Aの電流が流れ、発熱温度は673℃となり、長さ1000mm、幅10mmの場合、電圧50Vを印加すると、7.18Aの電流が流れ、発熱温度は700℃となり、長さ1000mm、幅5mmの場合、電圧100Vを印加すると、7.8Aの電流が流れ、発熱温度は800℃となり、長さ1000mm、幅8mmの場合、電圧100Vを印加すると、11.2Aの電流が流れ、発熱温度は1200℃となり、長さ1000mm、幅10mmの場合、電圧100Vを印加すると、14.2Aの電流が流れ、発熱温度は1400℃となり、長さ2000mm、幅5mmの場合、電圧100Vを印加すると、4.17Aの電流が流れ、発熱温度は407℃となり、長さ2000mm、幅8mmの場合、電圧100Vを印加すると、6.05Aの電流が流れ、発熱温度は630℃となり、長さ2000mm、幅10mmの場合、電圧100Vを印加すると、7.3Aの電流が流れ、発熱温度は720℃となり、長さ510mm、幅12mmの場合、電圧30Vを印加すると、9Aの電流が流れ、発熱温度は800℃となり、長さ500mm、幅10mmの場合、電圧24Vを印加すると、8.34Aの電流が流れ、発熱温度は580℃となり、長さ500mm、幅15mmの場合、電圧20Vを印加すると、7Aの電流が流れ、発熱温度は735℃となり、長さ500mm、幅20mmの場合、電圧30Vを印加すると、5Aの電流が流れ、発熱温度は700℃となり、長さ700mm、幅27mmの場合、電圧50Vを印加すると、4Aの電流が流れ、発熱温度は540℃となり、長さ1500mm、幅15mmの場合、電圧100Vを印加すると、5Aの電流が流れ、発熱温度は1500℃となり、長さ1500mm、幅5mmの場合、電圧100Vを印加すると、3Aの電流が流れ、発熱温度は210℃となり、長さ300mm、幅3mmの場合、電圧12Vを印加すると、2Aの電流が流れ、発熱温度は160℃となった。
図3は、発熱体の面積と入力電圧とを変えたときの発熱温度の測定結果であり、図4は図3の結果による特性を示すグラフである。
実験によれば、長さ300mm、幅5mmの場合、電圧15Vを印加すると、1.08Aの電流が流れ、発熱温度は170℃となり、長さ300mm、幅5mmの場合、電圧20Vを印加すると、1.46Aの電流が流れ、発熱温度は200℃となり、長さ1000mm、幅5mmの場合、電圧20Vを印加すると、1.63Aの電流が流れ、発熱温度は140℃となり、長さ1000mm、幅8mmの場合、電圧20Vを印加すると、2.29Aの電流が流れ、発熱温度は240℃となり、長さ1000mm、幅10mmの場合、電圧20Vを印加すると、3.01Aの電流が流れ、発熱温度は270℃となり、長さ1000mm、幅5mmの場合、電圧50Vを印加すると、3.93Aの電流が流れ、発熱温度は428℃となり、長さ1000mm、幅8mmの場合、電圧50Vを印加すると、5.68Aの電流が流れ、発熱温度は673℃となり、長さ1000mm、幅10mmの場合、電圧50Vを印加すると、7.18Aの電流が流れ、発熱温度は700℃となり、長さ1000mm、幅5mmの場合、電圧100Vを印加すると、7.8Aの電流が流れ、発熱温度は800℃となり、長さ1000mm、幅8mmの場合、電圧100Vを印加すると、11.2Aの電流が流れ、発熱温度は1200℃となり、長さ1000mm、幅10mmの場合、電圧100Vを印加すると、14.2Aの電流が流れ、発熱温度は1400℃となり、長さ2000mm、幅5mmの場合、電圧100Vを印加すると、4.17Aの電流が流れ、発熱温度は407℃となり、長さ2000mm、幅8mmの場合、電圧100Vを印加すると、6.05Aの電流が流れ、発熱温度は630℃となり、長さ2000mm、幅10mmの場合、電圧100Vを印加すると、7.3Aの電流が流れ、発熱温度は720℃となり、長さ510mm、幅12mmの場合、電圧30Vを印加すると、9Aの電流が流れ、発熱温度は800℃となり、長さ500mm、幅10mmの場合、電圧24Vを印加すると、8.34Aの電流が流れ、発熱温度は580℃となり、長さ500mm、幅15mmの場合、電圧20Vを印加すると、7Aの電流が流れ、発熱温度は735℃となり、長さ500mm、幅20mmの場合、電圧30Vを印加すると、5Aの電流が流れ、発熱温度は700℃となり、長さ700mm、幅27mmの場合、電圧50Vを印加すると、4Aの電流が流れ、発熱温度は540℃となり、長さ1500mm、幅15mmの場合、電圧100Vを印加すると、5Aの電流が流れ、発熱温度は1500℃となり、長さ1500mm、幅5mmの場合、電圧100Vを印加すると、3Aの電流が流れ、発熱温度は210℃となり、長さ300mm、幅3mmの場合、電圧12Vを印加すると、2Aの電流が流れ、発熱温度は160℃となった。
発熱体33は、長さ(電極端子20a、20b間の寸法)が同じであれば幅(長さ方向に垂直な方向の寸法)が広い方が高い発熱温度となり、幅が同じであれば長さが短い方が高い発熱温度となっている。また、長さと幅の比率が同じであれば、面積が小さいほど小さい入力電圧で同じ発熱温度を得ることができる。
しかし、発熱体33の耐久性を考えると4mm以上の幅とすることが好ましく、更には8mm以上が更に好ましい。
また、小さい入力電圧で高い発熱温度を得るためには、発熱体33の長さを300mmから2000mm、幅を15mm以下の幅とすることが好ましい。
入力電圧は5vから100v、更には5vから50vが適している。商用電源を用いる場合には変圧器を用いて5v、20v、又は50vに変圧して用いる。
また、小さい入力電圧で高い発熱温度を得るためには、発熱体33の長さを300mmから2000mm、幅を15mm以下の幅とすることが好ましい。
入力電圧は5vから100v、更には5vから50vが適している。商用電源を用いる場合には変圧器を用いて5v、20v、又は50vに変圧して用いる。
なお、発熱体33の長さを300mmから1000mm、幅を5mmから10mmとすることで、20vの電圧で発熱体33の発熱温度を140℃から270℃とすることができる。
また、発熱体33の長さを1000mm、幅を5mmから10mmとすることで、50vの電圧で発熱体33の発熱温度を428℃から700℃とすることができる。
また、発熱体33の長さを1000mmから2000mm、幅を5mmから10mmとすることで、100vの電圧で発熱体33の発熱温度を407℃から720℃とすることができる。
また、発熱体33の長さを1000mm、幅を5mmから10mmとすることで、50vの電圧で発熱体33の発熱温度を428℃から700℃とすることができる。
また、発熱体33の長さを1000mmから2000mm、幅を5mmから10mmとすることで、100vの電圧で発熱体33の発熱温度を407℃から720℃とすることができる。
以上のように、全ての発熱体33を、それぞれ、同一幅で同一長さとすることで、全ての発熱体33の発熱温度を同じとすることができ、流体を所定の温度に加熱し、又は蒸気を発生させることができる。
蒸気発生には、発熱体33の発熱温度を100℃から1400℃とすることが好ましい。
また、本実施例によるボイラーは、蒸気発生装置以外に、発熱体33での発熱温度を所定値に維持することで、加湿装置、殺菌装置、保温装置、又は加熱装置として用いることができる。
なお、本実施例では、一定の幅を有する平板状の発熱体33として説明したが、平板状ではなく線状の発熱体33とすることもできる。線状の発熱体33では、発熱体33の外周長さが、平板状の発熱体33の幅に相当する。従って、例えば、幅が12mmの平板状の発熱体33と、直径が3.82mmに相当する線状の発熱体33は、同じ特性を有する。
線状の発熱体33を用いる場合には、平板状発熱体33の製作に必要なエッチング工程が不要であり、また水管31の外周に容易に巻き回すことができる。
線状の発熱体33を用いる場合には、平板状の発熱体33と同様に一対の耐熱板32に線状の発熱体33を貼り付けてもよいが、水管31の外表面に直接巻き回すことが好ましい。また、線状の発熱体33を用いる場合にも、水管31の周りを覆うことが好ましい。
蒸気発生には、発熱体33の発熱温度を100℃から1400℃とすることが好ましい。
また、本実施例によるボイラーは、蒸気発生装置以外に、発熱体33での発熱温度を所定値に維持することで、加湿装置、殺菌装置、保温装置、又は加熱装置として用いることができる。
なお、本実施例では、一定の幅を有する平板状の発熱体33として説明したが、平板状ではなく線状の発熱体33とすることもできる。線状の発熱体33では、発熱体33の外周長さが、平板状の発熱体33の幅に相当する。従って、例えば、幅が12mmの平板状の発熱体33と、直径が3.82mmに相当する線状の発熱体33は、同じ特性を有する。
線状の発熱体33を用いる場合には、平板状発熱体33の製作に必要なエッチング工程が不要であり、また水管31の外周に容易に巻き回すことができる。
線状の発熱体33を用いる場合には、平板状の発熱体33と同様に一対の耐熱板32に線状の発熱体33を貼り付けてもよいが、水管31の外表面に直接巻き回すことが好ましい。また、線状の発熱体33を用いる場合にも、水管31の周りを覆うことが好ましい。
以上のように本実施例によれば、発熱体33を並列に接続することで、発熱体33の長さを調整して所定の発熱温度を得ることができ、また熱交換量を増やすためには発熱体33の数を増やすことで対応できる。
本発明は、特に水蒸気を発生させるボイラーとして適しており、加湿装置、殺菌装置、保温装置、又は加熱装置として用いることができるとともに、水蒸気タービン発電機や高圧蒸気洗浄などにも利用できる。
10 筐体
11 熱気排出口
12 給水口
13 基台
20 給水タンク
20a 満水面
21 導入管
23 給水管
25 排気管
30 加熱部
31 水管
31a 流入口
31b 流出口
32 耐熱板
33 発熱体
34a 電極
34b 電極
40 蒸気タンク
41 蒸気排出管
42 圧力計
11 熱気排出口
12 給水口
13 基台
20 給水タンク
20a 満水面
21 導入管
23 給水管
25 排気管
30 加熱部
31 水管
31a 流入口
31b 流出口
32 耐熱板
33 発熱体
34a 電極
34b 電極
40 蒸気タンク
41 蒸気排出管
42 圧力計
Claims (6)
- 複数の水管を併設し、前記水管を流れる水を加熱する熱交換器であって、
それぞれの前記水管の流入口よりも流出口を上方に配置し、
それぞれの前記水管の側方に、電極端子間の長さと幅によって同一入力電圧下における発熱温度が異なる複数の発熱体を設け、
これらの前記発熱体を、電気的に並列に接続して配置したことを特徴とする熱交換器。 - 全ての前記発熱体を、それぞれ、同一長さで同一幅としたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
- 前記水管を挟むように、一対の耐熱板を配置し、
一対の前記耐熱板の前記水管側の面に、前記発熱体を配置したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱交換器。 - 前記発熱体が、金属箔に半導体膜をコーティングしたものからなり、前記半導体膜は、ニッケル、インジウム、及びチタンを配合したニッケル基合金であり、
インジウム/ニッケルの質量比を0.001〜0.2、チタン/ニッケルの質量比を0.03〜0.3としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱交換器。 - 前記発熱体の前記幅を4mmから27mmとし、前記発熱体に加える前記入力電圧を5vから100vとし、前記発熱体の前記発熱温度を100℃以上としたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱交換器。
- 前記水を貯留する給水タンクと、
それぞれの前記水管で発生する蒸気を集める蒸気タンクとを備え、
前記給水タンクの下部と前記水管の前記流入口とを給水管で接続し、
前記蒸気タンクを、前記給水タンクの満水面よりも高い位置に配置し、
前記満水面を、前記発熱体よりも高い位置としたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013022361A JP2014152977A (ja) | 2013-02-07 | 2013-02-07 | 熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013022361A JP2014152977A (ja) | 2013-02-07 | 2013-02-07 | 熱交換器 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014152977A true JP2014152977A (ja) | 2014-08-25 |
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ID=51575020
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JP2013022361A Pending JP2014152977A (ja) | 2013-02-07 | 2013-02-07 | 熱交換器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014152977A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111281136A (zh) * | 2020-03-09 | 2020-06-16 | 湖北晋远酒店设备用品有限公司 | 节能快速蒸柜 |
JP2021025123A (ja) * | 2019-08-07 | 2021-02-22 | 優章 荒井 | 発熱体 |
CN113720017A (zh) * | 2021-06-24 | 2021-11-30 | 碧城(上海)新能源科技有限公司 | 一种熔盐电蓄热动态调节锅炉 |
-
2013
- 2013-02-07 JP JP2013022361A patent/JP2014152977A/ja active Pending
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