JP2014152937A - 冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱源側熱交換器と利用側熱交換器との間に冷媒貯留容器が設けられ、加熱運転時に一時的に冷却運転に運転を切り換えることでデフロストを行う冷凍装置であって、デフロスト時に圧縮機の液圧縮を防止できる信頼性の高い冷凍装置を提供する。
【解決手段】冷媒としてR32を使う空気調和装置は、圧縮機と、室内熱交換器と、室外熱交換器と、膨張弁と、四路切換弁と、暖房運転時の冷媒流れ方向における室内熱交換器の下流側であって室外熱交換器の上流側に設置されるレシーバと、レシーバと圧縮機の吸入流路とを結ぶバイパス流路に設けられた調整弁と、調整弁の開閉を制御する制御部とを備える。制御部は、加熱運転時には、前記調整弁を開ける。制御部は、デフロスト時には、四路切換弁が暖房サイクル状態から冷房サイクル状態へと切り換える前に、調整弁を閉じる第1制御を行い、その後、調整弁を開ける第2制御を行う。
【選択図】図7

Description

本発明は、冷凍装置、特に、熱源側熱交換器と利用側熱交換器との間に冷媒貯留容器が設けられ、加熱運転時に一時的に冷却運転に運転を切り換えることでデフロスト(除霜)を行う冷凍装置に関する。
従来から、空気調和装置などの冷凍装置において、熱源側熱交換器と利用側熱交換器との間にレシーバが設けられた構成が知られている(例えば、特許文献1(特開2004−233015号公報))。このような冷凍装置では、余剰な液冷媒をレシーバに貯留することで、圧縮機における液圧縮を防止している。
ところで、冷凍装置においては、加熱運転時に、熱源側熱交換器に付着する霜を除去するデフロスト(除霜)が行われる。特許文献1(特開2004−233015号公報)では、暖房運転時に、暖房運転から冷房運転へと一時的に運転を切り換えることで、デフロストを行う構成が開示されている。
しかし、特許文献1(特開2004−233015号公報)の冷凍回路では、加熱運転から冷却運転へと運転が切り換えられた際に、レシーバに十分に液冷媒を貯留することができず、液冷媒が圧縮機の吸入流路に送られ、液圧縮を起こす可能性がある。
本発明の課題は、熱源側熱交換器と利用側熱交換器との間に冷媒貯留容器が設けられ、加熱運転時に一時的に冷却運転に運転を切り換えることでデフロストを行う冷凍装置であって、デフロスト時に圧縮機の液圧縮を防止できる信頼性の高い冷凍装置を提供することにある。
本発明の第1観点に係る冷凍装置は、冷媒としてR32を使う冷凍装置である。冷凍装置は、圧縮機と、利用側熱交換器と、熱源側熱交換器と、膨張機構と、流路切換機構と、冷媒貯留容器と、調整弁と、制御部と、を備える。圧縮機は、吸入流路から低圧の冷媒を吸入し、冷媒の圧縮を行って高圧の冷媒を吐出する。利用側熱交換器は、凝縮器又は蒸発器として機能する。熱源側熱交換器は、蒸発器又は凝縮器として機能する。膨張機構は、熱源側熱交換器及び利用側熱交換器の一方から他方へと流れる高圧の冷媒を膨張させる。流路切換機構は、圧縮機から吐出された高圧の冷媒の流れ方向を、利用側熱交換器へと流れる第1方向と、熱源側熱交換器へと流れる第2方向と、のいずれかに切り換える。冷媒貯留容器は、第1方向における、利用側熱交換器の下流側であって、熱源側熱交換器の上流側に設置される。調整弁は、冷媒貯留容器と吸入流路とを結ぶバイパス流路に設けられる。制御部は、調整弁の開閉を制御する。流向切換機構は、加熱運転時には、冷媒の流れ方向を第1方向に切り換え、デフロスト時には、冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換える。制御部は、加熱運転時には、調整弁を開ける。制御部は、デフロスト時には、流向切換機構が冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換える前に、調整弁を閉じる第1制御を行い、その後、調整弁を開ける第2制御を行う。
ここでは、冷凍装置に冷媒貯留容器と吸入流路とを結ぶバイパス流路が設けられ、このバイパス流路がガス抜きとして機能する。そのため、冷媒貯留容器に冷媒が貯留されやすく、圧縮機の液圧縮が起こりにくい。更に、デフロスト時の、流路切換機構による冷媒の流れ方向切り換え前には、バイパス流路から圧縮機の吸入経路へと液冷媒が流れ込むのを防止するため、加熱運転時には開かれていたバイパス流路の調整弁が一旦閉じられ、その後、冷媒貯留容器に液冷媒を貯留するため調整弁が開けられる。調整弁をこのように動作させることで、デフロスト時に液圧縮を防止できる信頼性の高い冷凍装置を提供することができる。
本発明の第2観点に係る冷凍装置は、第1観点に係る冷凍装置であって、膨張機構は、熱源側熱交換器と冷媒貯留容器との間に設けられた熱源側膨張弁と、利用側熱交換器と冷媒貯留容器との間に設けられた利用側膨張弁とを有する。第1制御は、利用側膨張弁が開いており、かつ、開いていた熱源側膨張弁が閉じられる前に行われる。
ここでは、利用側膨張弁が開いており、かつ、開いていた熱源側膨張弁が閉じられる前に調整弁が閉じられるため、バイパス流路だけが冷媒の流路となり、利用側熱交換器から流れてきた液冷媒が圧縮機の吸入流路に流入することを防止できる。
本発明の第3観点に係る冷凍装置は、第1観点又は第2観点に係る冷凍装置であって、第2制御は、流向切換機構が冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換えた後に行われる。
ここでは、流向切換機構が冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換えた後に、閉じられていた調整弁が開けられるため、熱源側熱交換器から流れてくる液冷媒を、冷媒貯留容器に貯留することが容易である。
本発明の第4観点に係る冷凍装置は、第2観点に係る冷凍装置であって、第2制御は、流向切換機構が冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換えた後であって、閉じられていた利用側膨張弁の開度が第1所定開度以上になった時に行われる。
ここでは、流向切換機構が冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換えた後であって、閉じられていた利用側膨張弁の開度が第1所定開度以上になった時に、閉じられていた調整弁が開けられるため、熱源側熱交換器から流れてくる液冷媒の大半がバイパス流路を流れ、圧縮機の吸入流路に流入することを防止できる。
本発明の第5観点に係る冷凍装置は、第4観点に係る冷凍装置であって、制御部は、第1制御後の、熱源側膨張弁が閉じられた後であって、かつ、流向切換機構が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換える前に、調整弁を開く第3制御を更に行う。制御部は、流向切換機構が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換えた後であって、第2制御前の、利用側膨張弁が閉じられている間に、調整弁を閉じる第4制御を更に行う。
ここでは、第1制御と第2制御との間であって、流向切換機構が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換える前後に、調整弁の開閉動作が更に行われる。流向切換機構が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換える際には、一時的にバイパス流路の吸入流路側の圧力が冷媒貯留容器側の圧力よりも高くなる可能性があり、調整弁が閉じられていると、調整弁でチャタリングが発生する場合がある。しかし、流向切換機構が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換える時に調整弁を開けておくことで、バイパス流路に逆止弁を設けることなく、調整弁のチャタリングを防止することができる。
本発明の第6観点に係る冷凍装置は、第1観点に係る冷凍装置であって、膨張機構は、利用側熱交換器と冷媒貯留容器との間に設けられた利用側膨張弁を有する。第1制御は、開いていた利用側膨張弁が閉じられる前に行われる。第2制御は、流向切換機構が冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換えた後であって、かつ、閉じられていた利用側膨張弁の開度が第2所定開度以上になった時に行われる。
ここでは、流向切換機構により冷媒の流れ方向が第1方向から第2方向へと切り換えられる前であって、利用側膨張弁が閉じられる前に、調整弁が閉じられることで、パイパス流路から吸入流路に液冷媒が流れ込み、圧縮機が液圧縮を起こすことを防止できる。一方、流向切換機構が冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換え、利用側膨張弁の開度が第2所定開度以上になった時には、パイパス流路を液冷媒が流れる可能性が低いため、調整弁が開けられる。その結果、パイパス流路がガス抜きとして機能し、冷媒貯留容器に冷媒を貯留しやすい。
本発明の第7観点に係る冷凍装置は、第6観点に係る冷凍装置であって、制御部は、第1制御後であって、利用側膨張弁が第3所定開度以下であって、かつ、流向切換機構が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換える前に、調整弁を開く第3制御を更に行う。制御部は、流向切換機構が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換えた後であって、第2制御前の、利用側膨張弁が閉じられている間に、調整弁を閉じる第4制御を更に行う。
ここでは、第1制御と第2制御との間であって、流向切換機構が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換える前後に、調整弁の開閉動作が更に行われる。流向切換機構が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換える際に、一時的にバイパス流路の吸入流路側の圧力が冷媒貯留容器側の圧力よりも高くなる可能性があり、調整弁が閉じられていると、調整弁でチャタリングが発生する場合がある。しかし、流向切換機構が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換える時に調整弁を開けておくことで、バイパス流路に逆止弁を設けることなく、調整弁のチャタリングを防止することができる。
本発明の第8観点に係る冷凍装置は、第1観点から第7観点のいずれかに係る冷凍装置であって、熱源側熱交換器は、伝熱管として扁平多穴管を使用する熱交換器である。
ここでは、熱源側熱交換器が扁平多穴管を使用する熱交換器であって、加熱運転を停止することで圧縮機の吸入経路に液冷媒が流入しやすく、かつ、熱源側熱交換器に貯留できる冷媒の容量が小さい場合にも、冷媒貯留容器に液冷媒が貯留されやすいので、圧縮機の液圧縮機を防止することができる。
本発明の第9観点に係る冷凍装置は、第1観点から第8観点のいずれかに係る冷凍装置であって、制御部は、デフロスト時に、第2制御後であって、流向切換機構が冷媒の流れを第2方向から第1方向へと切り換えた後に、調整弁を閉める第5制御を更に行う。また、制御部は、デフロスト時に、第5制御後であって、かつ、加熱運転開始時に、調整弁を開ける第6制御を更に行う。
ここでは、デフロスト運転を終了し,再び加熱運転に復帰する際に、バイパス流路から圧縮機の吸入流路に液冷媒が流入することを防止でき、圧縮機の液圧縮を防止できる。
本発明の第1観点にかかる冷凍装置では、冷凍装置に冷媒貯留容器と吸入流路とを結ぶバイパス流路が設けられ、このバイパス流路がガス抜きとして機能する。そのため、冷媒貯留容器に冷媒が貯留されやすく、圧縮機の液圧縮が起こりにくい。更に、デフロスト時の、流路切換機構による冷媒の流れ方向切り換え前には、バイパス流路から圧縮機の吸入経路へと液冷媒が流れ込むのを防止するため、加熱運転時には開かれていたバイパス流路の調整弁が一旦閉じられ、その後、冷媒貯留容器に液冷媒を貯留するため調整弁が開けられる。調整弁をこのように動作させることで、デフロスト時に液圧縮を防止できる信頼性の高い冷凍装置を提供することができる。
本発明の第2観点にかかる冷凍装置では、利用側熱交換器から流れてきた液冷媒が圧縮機の吸入流路に流入することを防止できる。
本発明の第3観点に係る冷凍装置では、熱源側熱交換器から流れてくる液冷媒が、冷媒貯留容器に貯留されやすい。
本発明の第4観点に係る冷凍装置では、熱源側熱交換器から流れてくる液冷媒の大半がバイパス流路を流れ、圧縮機の吸入流路に流入することを防止できる。
本発明の第5観点に係る冷凍装置では、バイパス流路に逆止弁を設けることなく、調整弁のチャタリングを防止することができる。
本発明の第6観点に係る冷凍装置では、パイパス流路から吸入流路に液冷媒が流れ込み、圧縮機が液圧縮を起こすことを防止でき、更に冷媒貯留容器に冷媒を貯留しやすい。
本発明の第7観点に係る冷凍装置では、バイパス流路に逆止弁を設けることなく、調整弁のチャタリングを防止することができる。
本発明の第8観点に係る冷凍装置では、加熱運転を停止することで圧縮機の吸入経路に液冷媒が流入しやすく、かつ、熱源側熱交換器に貯留できる冷媒の容量が小さい場合にも、圧縮機の液圧縮機を防止することができる。
本発明の第9観点に係る冷凍装置では、デフロスト運転後、加熱運転に復帰する際に、圧縮機の液圧縮が発生しない。
本発明の第1実施形態にかかる冷凍装置としての空気調和装置の概略構成図である。 図1の空気調和装置の室外熱交換器の概略斜視図である。 図2の室外熱交換器の概略縦断面図である。 図2の室外熱交換器の冷媒パスを示す図である。 図1の空気調和装置の他の室外熱交換器の概略斜視図である。 図1の空気調和装置の制御ブロック図である。 図1の空気調和装置の、デフロスト前運転時及びデフロスト運転開始時の圧縮機、四路切換弁、室外熱交側膨張弁、室内熱交側膨張弁、及び、調整弁の動作を示すタイムチャートである。 図1の空気調和装置の、デフロスト運転終了時及びデフロスト後運転時の圧縮機、四路切換弁、室外熱交側膨張弁、室内熱交側膨張弁、及び、調整弁の動作を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態にかかる冷凍装置としての空気調和装置の概略構成図である。 図9の空気調和装置の制御ブロック図である。 図9の空気調和装置の、デフロスト前運転時及びデフロスト運転開始時の圧縮機、四路切換弁、室内熱交側膨張弁、及び、調整弁の動作を示すタイムチャートである。 図9の空気調和装置の、デフロスト運転終了時及びデフロスト後運転時の圧縮機、四路切換弁、室内熱交側膨張弁、及び、調整弁の動作を示すタイムチャートである。
以下、本発明にかかる冷凍装置の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本発明にかかる冷凍装置の具体的な構成は、下記の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
<第1実施形態>
(1)全体構成
図1は、本発明の冷凍装置の第1実施形態にかかる空気調和装置1の概略構成図である。空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことによって、建物等の室内の冷房及び暖房を行うことが可能な装置である。空気調和装置1は、主として、室外ユニット2と、室内ユニット4とが接続されることによって構成されている。室外ユニット2と室内ユニット4とは、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6を介して接続されている。すなわち、空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、室外ユニット2と、室内ユニット4とが冷媒連絡管5、6を介して接続されることによって構成されている。また、空気調和装置1は、空気調和装置1の各部の動作を制御する制御部8を有する。
冷媒回路10には、冷媒として、HFC系冷媒の一種であるR32が封入されている。また、冷媒回路10には、冷媒とともに、後述する圧縮機21の潤滑のための冷凍機油が封入されている。ここでは、冷凍機油として、低温条件においてR32への溶解度が非常に小さくなるエーテル系合成油や、R32に対して非相溶性を有する鉱油又はアルキルベンゼン系合成油等が使用される。
(2)詳細構成
以下に、空気調和装置1の室内ユニット4、室外ユニット2、冷媒連絡管5,6、及び、制御部8について説明する。
(2−1)室内ユニット
室内ユニット4は、室内に設置されており、冷媒回路10の一部を構成している。室内ユニット4は、図1のように、主として、室内熱交換器41と、室内ファン42と、各種センサ57,58,59と、室内側制御部44と、を有している。
室内熱交換器41は、利用側熱交換器の一例である。室内熱交換器41は、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能して室内空気を冷却し、暖房運転時には冷媒の凝縮器として機能して室内空気を加熱する熱交換器である。室内熱交換器41の液側は液冷媒連絡管5に接続されており、室内熱交換器41のガス側はガス冷媒連絡管6に接続されている。室内熱交換器41は、伝熱管として円管を使用する熱交換器である。より具体的には、室内熱交換器41は、円管からなる伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。伝熱管としての円管には、3〜20mm程度の内径の流路穴が形成されている。
室内ファン42は、室内ユニット4内に室内の空気を吸入し、室内熱交換器41において吸入した空気と冷媒とを熱交換させ、室内に冷媒との熱交換後の空気を供給する。すなわち、室内ファン42は、室内熱交換器41を流れる冷媒の加熱源又は冷却源としての室内空気を室内熱交換器41に供給するファンである。ここでは、室内ファン42として、遠心ファンや多翼ファン等が使用されている。室内ファン42は、室内ファン用モータ43によって駆動される。室内ファン用モータ43は、インバータ等によって回転数を変更することができるようになっている。
室内ユニット4には、各種センサが設けられている。具体的には、図1のように、室内熱交換器41に、室内熱交換器41の液側における冷媒の温度Trrlを検出する室内熱交液側温度センサ57と、室内熱交換器41の中間部分における冷媒の温度Trrmを検出する室内熱交中間温度センサ58とが設けられている。また、室内ユニット4には、室内ユニット4内に吸入される室内空気の温度Traを検出する室内温度センサ59が設けられている。
室内側制御部44は、室内ユニット4を構成する各部の動作を制御する。室内側制御部44は、室内ユニット4の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有している。室内側制御部44は、室内ユニット4を操作するためのリモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、室外ユニット2との間で伝送線8aを介して制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。なお、室内側制御部44は、後述する室外側制御部38と共に、空気調和装置1の制御部8を構成する。
(2−2)室外ユニット
室外ユニット2は、室外に設置されており、冷媒回路10の一部を構成している。室外ユニット2は、主として、圧縮機21と、四路切換弁22と、室外熱交換器23と、レシーバ25と、室外熱交側膨張弁24と、室内熱交側膨張弁26と、液側閉鎖弁27と、ガス側閉鎖弁28と、レシーバガス抜き管30と、室外ファン36と、各種センサ51,52,53,54,55,56と、室外側制御部38と、を有している。
(2−2−1)圧縮機
圧縮機21は、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を高圧になるまで圧縮する機器である。圧縮機21は、吸入流路(後述する吸入管31)から低圧の冷媒を吸入し、冷媒の圧縮を行って高圧の冷媒を吐出する。圧縮機21は、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)をインバータにより制御される圧縮機用モータ21aによって回転駆動する密閉式構造となっている。圧縮機21は、吸入側に吸入管31が接続されており、吐出側に吐出管32が接続されている。吸入管31は、圧縮機21の吸入側と四路切換弁22の第1ポート22aとを接続する冷媒管である。吸入管31には、圧縮機21に付属する小容積のアキュムレータ29が設けられている。吐出管32は、圧縮機21の吐出側と四路切換弁22の第2ポート22bとを接続する冷媒管である。吐出管32には、圧縮機21の吐出側から四路切換弁22の第2ポート22b側への冷媒の流れのみを許容する逆止弁32aが設けられている。
(2−2−2)四路切換弁
四路切換弁22は、冷媒回路10における冷媒の流れの方向を切り換えるための切換弁である。四路切換弁22は、圧縮機21から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒の流れ方向を切り換える流向切換機構の一例である。
四路切換弁22は、暖房運転時には、圧縮機21から吐出された冷媒の流れ方向を、室内熱交換器41へと流れる第1方向に切り換える。つまり、四路切換弁22は、暖房運転時には、室外熱交換器23を室内熱交換器41において放熱した冷媒の蒸発器として機能させ、かつ、室内熱交換器41を圧縮機21において圧縮された冷媒の凝縮器として機能させる暖房サイクル状態への切り換えを行う。言い換えれば、四路切換弁22は、暖房運転時には、第2ポート22bと第4ポート22dとを連通させ、かつ、第1ポート22aと第3ポート22cとを連通させる。これにより、圧縮機21の吐出側(ここでは、吐出管32)は、ガス冷媒連絡管6側(ここでは、第2ガス冷媒管34)と接続される(図1の四路切換弁22の破線を参照)。一方、圧縮機21の吸入側(ここでは、吸入管31)は、室外熱交換器23のガス側(ここでは、第1ガス冷媒管33)と接続される(図1の四路切換弁22の破線を参照)。なお、第1ガス冷媒管33は、四路切換弁22の第3ポート22cと室外熱交換器23のガス側とを接続する冷媒管である。第2ガス冷媒管34は、四路切換弁22の第4ポート22dとガス冷媒連絡管6側とを接続する冷媒管である。
四路切換弁22は、冷房運転時には、圧縮機21から吐出された冷媒の流れ方向を、室外熱交換器23へと流れる第2方向に切り換える。つまり、四路切換弁22は、冷房運転時には、室外熱交換器23を圧縮機21において圧縮された冷媒の凝縮器として機能させ、かつ、室内熱交換器41を室外熱交換器23において放熱した冷媒の蒸発器として機能させる冷房サイクル状態への切り換えを行う。言い換えれば、四路切換弁22は、冷房運転時には、第2ポート22bと第3ポート22cとを連通させ、かつ、第1ポート22aと第4ポート22dとを連通させる。これにより、圧縮機21の吐出側(ここでは、吐出管32)は、室外熱交換器23のガス側(ここでは、第1ガス冷媒管33)と接続される(図1の四路切換弁22の実線を参照)。一方、圧縮機21の吸入側(ここでは、吸入管31)は、ガス冷媒連絡管6側(ここでは、第2ガス冷媒管34)と接続される(図1の四路切換弁22の実線を参照)。
なお、後述するように、空気調和装置1がデフロスト運転を行う場合には、四路切換弁22は、圧縮機21から吐出された冷媒の流れ方向を、冷房運転時と同様に第2方向に切り換える。デフロスト時の四路切換弁22の動作については後述する。
(2−2−3)室外熱交換器
室外熱交換器23は、熱源側熱交換器の一例である。室外熱交換器23は、冷房運転時には室外空気を冷却源とする冷媒の凝縮器として機能し、暖房運転時には室外空気を加熱源とする冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器23は、液側が液冷媒管35に接続されており、ガス側が第1ガス冷媒管33に接続されている。液冷媒管35は、室外熱交換器23の液側と液冷媒連絡管5側とを接続する冷媒管である。
室外熱交換器23は、伝熱管として扁平多穴管を使用する熱交換器である。より具体的には、室外熱交換器23は、図2〜図4に示すように、主として、扁平多穴管からなる伝熱管231と、多数の差込フィン232とにより構成された差込フィン式の積層型熱交換器である。扁平多穴管からなる伝熱管231は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製であり、伝熱面となる上下の平面部と、冷媒が流れる多数の小さな冷媒流路231aを有している。冷媒流路231aとしては、内径が1mm以下の円形又はこれに同等の断面積を有する多角形の流路穴を有するものが使用される。伝熱管231は、平面部を上下に向けた状態で、間隔をあけて複数段配列されており、その両端がヘッダ233、234に接続されている。差込フィン232は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製のフィンであり、伝熱管231に接している。両ヘッダ233、234の間に配列された複数段の伝熱管231に対して差込フィン232を差し込めるように、差込フィン232には、水平に細長く延びる複数の切り欠き232aが形成されている。これらの差込フィン232の切り欠き232aの形状は、伝熱管231の断面の外形にほぼ一致している。ヘッダ233、234は、伝熱管231を支持する機能と、冷媒を伝熱管231の冷媒流路231aに導く機能と、冷媒流路231aから出てきた冷媒を集合させる機能とを有している。ヘッダ233は、仕切り板233aによって、内部空間が2つに仕切られている。ヘッダ234は、仕切り板234a、234b、234c、234dによって、内部空間が5つに仕切られている。これらのヘッダ233、234内の各内部空間には、伝熱管231のほかに、冷媒パス間接続管235、236、第1ガス冷媒管33及び液冷媒管35(図2には図示せず)が接続されている。そして、冷房運転において、圧縮機21から吐出された冷凍サイクルにおける高圧のガス冷媒は、第1ガス冷媒管33を介してヘッダ233の上部空間に流入する。そして、ヘッダ233の上部空間に流入したガス冷媒は、伝熱管231を通じて、ヘッダ234の5つの内部空間のうち上の3つの内部空間に送られた後に、それぞれ折り返され、下方に配置されている伝熱管231を通じてヘッダ233の下部空間に送られる。伝熱管231を通過する際に凝縮した冷媒は、ヘッダ233の下部空間から液冷媒管35に流出する。暖房運転においては、冷媒の流れる向きが冷房運転とは逆になる。尚、室外熱交換器23は、上記のような差込フィン式の積層型熱交換器に限定されるものではなく、例えば、図5に示すように、扁平多穴管からなる複数の伝熱管231と多数の波形フィン237とにより構成された波形フィン式の積層型熱交換器であってもよい。ここで、波形フィン237は、波形に折り曲げられたアルミニウム製又はアルミニウム合金製のフィンである。波形フィン237は、上下に隣接する伝熱管231に挟まれた通風空間に配置されており、その谷部及び山部が伝熱管231の平面部と接触している。そして、このような伝熱管231として扁平多穴管を使用している室外熱交換器23は、冷媒を保有可能な容積が小さく、ここでは、室内熱交換器41の冷媒を保有可能な容積よりも小さくなっている。
(2−2−4)レシーバ
レシーバ25は、冷媒貯留容器の一例である。レシーバ25は、四路切換弁22が暖房サイクル状態である時に(冷媒の流れ方向が、四路切換弁22により第1方向に切り換えられている時に)、冷媒の流れ方向に対して、室内熱交換器41の下流側であって、室外熱交換器23の上流側に設置される。より具体的には、レシーバ25は、冷媒の流れ方向が四路切換弁22により第1方向に切り換えられている時に、冷媒の流れ方向に対して、後述する室内熱交側膨張弁26の下流側であって、後述する室外熱交側膨張弁24の上流側に設置される。レシーバ25は、冷房運転時に、圧縮機21から吐出され、室外熱交換器23において放熱し、室外熱交側膨張弁24で減圧された冷媒を溜めることが可能な容器である。また、レシーバ25は、暖房運転時に、圧縮機21から吐出され、室内熱交換器41において放熱し、室内熱交側膨張弁26で減圧された冷媒を溜めることが可能な容器である。レシーバ25は、冷房運転時及び暖房運転時のいずれにおいても、冷凍サイクルにおける高圧と低圧との中間の圧力(冷凍サイクルにおける中間圧)の冷媒を溜める機能を有する。
レシーバ25の上部には、レシーバ25と圧縮機21の吸入管31とを結ぶレシーバガス抜き管30が設けられている。レシーバガス抜き管30については、後述する。
(2−2−5)室外熱交側膨張弁
室外熱交側膨張弁24は、室外熱交換器23から室内熱交換器41へと流れる冷媒、又は、室内熱交換器41から室外熱交換器23へと流れる冷媒を膨張させる膨張機構の一例である。具体的には、室外熱交側膨張弁24は、冷房運転時には、室外熱交換器23において放熱した冷凍サイクルにおける高圧の冷媒を、冷凍サイクルにおける中間圧まで減圧する。また、室外熱交側膨張弁24は、暖房運転時には、レシーバ25に溜められた冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒を、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧する。室外熱交側膨張弁24は、室外熱交換器23とレシーバ25との間に設けられている。つまり、室外熱交側膨張弁24は、液冷媒管35の室外熱交換器23寄りの部分に設けられている。ここでは、室外熱交側膨張弁24として、電動膨張弁が使用されている。
(2−2−6)室内熱交側膨張弁
室外熱交側膨張弁24は、室外熱交換器23から室内熱交換器41へと流れる冷媒、又は、室内熱交換器41から室外熱交換器23へと流れる冷媒を膨張させる膨張機構の一例である。具体的には、室内熱交側膨張弁26は、冷房運転時には、レシーバ25に溜められた冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒を、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧する。また、室内熱交側膨張弁26は、暖房運転時には、室内熱交換器41において放熱した冷凍サイクルにおける高圧の冷媒を、冷凍サイクルにおける中間圧まで減圧する。室内熱交側膨張弁26は、室内熱交換器41とレシーバ25との間に設けられている。つまり、室内熱交側膨張弁26は、液冷媒管35の液側閉鎖弁27寄りの部分に設けられている。ここでは、室内熱交側膨張弁26として、電動膨張弁が使用されている。
(2−2−7)閉鎖弁
液側閉鎖弁27及びガス側閉鎖弁28は、外部の配管(具体的には、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6)との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁27は、液冷媒管35の端部に設けられている。ガス側閉鎖弁28は、第2ガス冷媒管34の端部に設けられている。
(2−2−8)レシーバガス抜き管
レシーバガス抜き管30は、レシーバ25内に溜まった冷凍サイクルにおける中間圧のガス冷媒を圧縮機21の吸入管31に導く冷媒管である。レシーバガス抜き管30は、レシーバ25の上部と吸入管31の途中部分との間を接続するように(結ぶように)設けられている。
レシーバガス抜き管30には、調整弁30aと、キャピラリーチューブ30bと、が設けられている。調整弁30aは、レシーバガス抜き管30の冷媒の流れをON/OFFする開閉制御可能な弁である。調整弁30aには、ここでは、電磁弁が使用されている。キャピラリーチューブ30bは、レシーバ25内に溜まったガス冷媒を冷凍サイクルにおける低圧まで減圧する機構であり、ここでは、レシーバガス抜き管30よりも細径のキャピラリーチューブが使用されている。
(2−2−9)室外ファン
室外ファン36は、室外ユニット2内に室外の空気を吸入し、室外熱交換器23において吸入した空気と冷媒と熱交換させ、熱交換後の空気を外部に排出する。すなわち、室外ファン36は、室外熱交換器23を流れる冷媒の冷却源又は加熱源としての室外空気を室外熱交換器23に供給するファンである。ここでは、室外ファン36として、プロペラファン等が使用されている。室外ファン36は、室外ファン用モータ37によって駆動される。室外ファン用モータ37は、インバータ等によって回転数を変更することができるようになっている。
(2−2−10)センサ
室外ユニット2には、図1のように、各種のセンサが設けられている。具体的には、吸入管31に、圧縮機21に吸入される、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒の温度Tsを検出する吸入温度センサ51が設けられている。ここでは、吸入温度センサ51は、吸入管31のレシーバガス抜き管30との合流部分よりも下流側の位置に設けられている。吐出管32には、圧縮機21から吐出される、冷凍サイクルにおける高圧の冷媒の温度Tdを検出する吐出温度センサ52が設けられている。室外熱交換器23には、室外熱交換器23の中間部分における冷媒の温度Tormを検出する室外熱交中間温度センサ53と、室外熱交換器23の液側における冷媒の温度Torlを検出する室外熱交液側温度センサ54とが設けられている。室外ユニット2には、室外ユニット2内に吸入される室外空気の温度Toaを検出する室外温度センサ55が設けられている。液冷媒管35には、室内熱交側膨張弁26の室内寄りの部分における冷媒の液管温度Tlpを検出する液管温度センサ56が設けられている。
(2−2−11)室外側制御部
室外側制御部38は、室外ユニット2を構成する各部の動作を制御する。室外側制御部38は、室外ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有している。室外側制御部38は、室内ユニット4(すなわち、室内側制御部44)との間で伝送線8aを介して制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。なお、室外側制御部38は、室内側制御部44と共に、空気調和装置1の制御部8を構成する。
(2−3)冷媒連絡管
冷媒連絡管5、6は、空気調和装置1を建物等の設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒管であり、設置場所や室外ユニットと室内ユニットとの組み合わせ等の設置条件に応じて種々の長さや管径を有するものが使用される。
図1のように、室外ユニット2と、室内ユニット4と、冷媒連絡管5、6とが接続されることによって、空気調和装置1の冷媒回路10が構成されている。空気調和装置1は、四路切換弁22を冷房サイクル状態に切り換えることによって、圧縮機21、室外熱交換器23、室外熱交側膨張弁24、室内熱交側膨張弁26、室内熱交換器41の順に冷媒を循環させるとともに室外ファン36を駆動させて冷房運転を行うようになっている。また、空気調和装置1は、四路切換弁22を暖房サイクル状態に切り換えることによって、圧縮機21、室内熱交換器41、室内熱交側膨張弁26、室外熱交側膨張弁24、室外熱交換器23の順に冷媒を循環させるとともに室外ファン36を駆動させて暖房運転を行うようになっている。室外熱交換器23は、前述のように、伝熱管231として扁平多穴管を使用する熱交換器である。室外熱交側膨張弁24と室内熱交側膨張弁26との間には、レシーバ25が設けられている。
(2−4)制御部
空気調和装置1は、室内側制御部44と室外側制御部38とから構成される制御部8によって、室外ユニット2及び室内ユニット4の各機器の制御を行うことができるようになっている。すなわち、室内側制御部44と室外側制御部38との間を接続する伝送線8aとによって、冷房運転、暖房運転、デフロスト運転等を含む空気調和装置1全体の運転制御を行う制御部8が構成されている。
制御部8は、図6に示すように、各種センサ51〜59等の検出信号を受けることができるように接続されるとともに、これらの検出信号等に基づいて各種機器及び弁21a,22,24,26,30a,37,43等を制御することができるように接続されている。
(3)空気調和装置の基本動作
次に、空気調和装置1の基本動作(デフロスト時の動作を除く)について、図1を用いて説明する。空気調和装置1の基本動作は、制御部8により実行される。空気調和装置1は、基本動作として、冷房運転及び暖房運転を行うことが可能である。
(3−1)暖房運転
暖房運転時には、四路切換弁22が暖房サイクル状態(図1の破線で示される状態)に切り換えられる。
冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧になるまで圧縮された後に吐出される。
圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁22、ガス側閉鎖弁28及びガス冷媒連絡管6を通じて、室内熱交換器41に送られる。
室内熱交換器41に送られた高圧のガス冷媒は、室内熱交換器41において、室内ファン42によって冷却源として供給される室内空気と熱交換を行って放熱して、高圧の液冷媒になる。これにより、室内空気は加熱され、その後に、室内に供給されることで室内の暖房が行われる。
室内熱交換器41で放熱した高圧の液冷媒は、液冷媒連絡管5及び液側閉鎖弁27を通じて、室内熱交側膨張弁26に送られる。
室内熱交側膨張弁26に送られた高圧の液冷媒は、室内熱交側膨張弁26によって冷凍サイクルにおける中間圧まで減圧される。室内熱交側膨張弁26で減圧された中間圧の冷媒は、レシーバ25に送られて気液分離される。そして、レシーバ25内において気液分離されたガス冷媒は、調整弁30aを開けることによってレシーバガス抜き管30を通じて吸入管31に送られる。また、レシーバ25内において気液分離された液冷媒は、室外熱交側膨張弁24に送られる。室外熱交側膨張弁24に送られた中間圧の液冷媒は、室外熱交側膨張弁24によって冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。室外熱交側膨張弁24で減圧された低圧の冷媒は、室外熱交換器23に送られる。
室外熱交換器23に送られた低圧の液冷媒は、室外熱交換器23において、室外ファン36によって加熱源として供給される室外空気と熱交換を行って蒸発して、低圧のガス冷媒になる。
室外熱交換器23で蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁22を通じて、吸入管31に送られて、レシーバガス抜き管30から流入するガス冷媒と合流して、再び、圧縮機21に吸入される。
(3−2)冷房運転
冷房運転時には、四路切換弁22が冷房サイクル状態(図1の実線で示される状態)に切り換えられる。
冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧になるまで圧縮された後に吐出される。
圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁22を通じて、室外熱交換器23に送られる。
室外熱交換器23に送られた高圧のガス冷媒は、室外熱交換器23において、室外ファン36によって冷却源として供給される室外空気と熱交換を行って放熱して、高圧の液冷媒になる。
室外熱交換器23において放熱した高圧の液冷媒は、室外熱交側膨張弁24に送られる。室外熱交側膨張弁24に送られた高圧の液冷媒は、室外熱交側膨張弁24によって冷凍サイクルにおける中間圧まで減圧される。室外熱交側膨張弁24で減圧された中間圧の冷媒は、レシーバ25に送られて気液分離される。そして、レシーバ25内において気液分離されたガス冷媒は、調整弁30aを開けることによってレシーバガス抜き管30を通じて吸入管31に送られる。また、レシーバ25内において気液分離された液冷媒は、室内熱交側膨張弁26に送られる。
室内熱交側膨張弁26に送られた中間圧の液冷媒は、室内熱交側膨張弁26によって冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。室内熱交側膨張弁26で減圧された冷媒は、液側閉鎖弁27及び液冷媒連絡管5を通じて、室内熱交換器41に送られる。
室内熱交換器41に送られた低圧の冷媒は、室内熱交換器41において、室内ファン42によって加熱源として供給される室内空気と熱交換を行って蒸発する。これにより、室内空気は冷却され、その後に、室内に供給されることで室内の冷房が行われる。
室内熱交換器41において蒸発した低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡管6、ガス側閉鎖弁28及び四路切換弁22を通じて、吸入管31に送られて、レシーバガス抜き管30から流入するガス冷媒と合流して、再び、圧縮機21に吸入される。
(4)空気調和装置のデフロスト時の動作
次に、制御部8により実行される、空気調和装置1のデフロスト時の動作について説明する。なお、ここでのデフロスト時には、デフロスト前運転時と、デフロスト運転時と、デフロスト後運転時と、を含む。
デフロスト運転は、暖房運転時に、室外熱交換器23において着霜が検知された際に行われる運転である。デフロスト前運転は、通常の暖房運転制御からデフロスト運転に移行する際に行われる運転である。デフロスト後運転は、デフロスト運転から通常の暖房運転制御に復帰する際に行われる運転である。
デフロスト運転では、冷房運転時と同様に、四路切換弁22を冷房サイクル状態(図1の実線で示される状態)に切り換えて空気調和装置1を運転することで、室外熱交換器23を冷媒の凝縮器として機能させる。これにより、室外熱交換器23に付着した霜を融解させることができる。なお、室外熱交換器23における着霜は、例えば、室外熱交換器23の中間における冷媒の温度Tormが所定温度よりも低くなる等によって検知される。
空気調和装置1のデフロスト時の動作について、図7及び図8を用いて説明する。図7は、デフロスト前運転及びデフロスト運転開始時の、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交側膨張弁24、室内熱交側膨張弁26、及び、調整弁30aの動作を示すタイムチャートである。図8は、主に、デフロスト運転の終了直前及びデフロスト後運転における、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交側膨張弁24、室内熱交側膨張弁26、及び、調整弁30aの動作を示すタイムチャートである。
(4−1)デフロスト前運転
デフロスト前運転における、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交側膨張弁24、室内熱交側膨張弁26、及び、調整弁30aの動作について図7を用いて説明する。
デフロスト前運転では、デフロスト運転時に四路切換弁22の切り換えを行う際の吸入管31の圧力と吐出管32の圧力との圧力差を小さくするため、圧縮機21の回転数が徐々に低減される。更に、圧縮機21の回転数が所定の回転数に到達すると、圧縮機21の運転が停止される。この結果、四路切換弁22を暖房サイクル状態から冷房サイクル状態に切り換える時に(四路切換弁22により冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向に切り換える時に)、発生する騒音が低減される。なお、デフロスト前運転における、圧縮機21の運転パターンは例示であり、これに限定されるものではない。例えば、圧縮機21は、停止される代わりに、最低回転数で運転されてもよい。
なお、四路切換弁22は、デフロスト前運転においては、図7のように、暖房サイクル状態のままである。
次に、室外熱交側膨張弁24、室内熱交側膨張弁26、調整弁30aの動作について説明する。
まず、デフロスト前運転の開始前、つまり暖房運転中には、室外熱交側膨張弁24及び室内熱交側膨張弁26は、暖房運転を行う上で適切な開度に制御部8により制御されている。また、制御部8は、暖房運転中は、調整弁30aを開けるように制御している。なお、暖房中の室外熱交側膨張弁24及び室内熱交側膨張弁26の開度(図7に描画された、デフロスト前運転開始時の室外熱交側膨張弁24及び室内熱交側膨張弁26の開度)は例示であり、これに限定されるものではない。
デフロスト前運転が開始されると、図7のように、室内熱交側膨張弁26は、開度が全開になるよう制御される。一方、室外熱交側膨張弁24の開度は、室内熱交側膨張弁26の開度が大きくなるように制御された分だけ、小さくなるように制御される。調整弁30aは、図7のように、デフロスト前運転開始後の所定期間は開けられている、調整弁30aが開けられていることで、レシーバガス抜き管30がガス抜きとして機能する。このように、制御部8により、室内熱交側膨張弁26、室外熱交側膨張弁24、及び調整弁30aの動作が制御されることで、室内熱交換器41に溜まる液冷媒の量を少なくし、レシーバ25に液冷媒を溜めることができる。その結果、四路切換弁22が冷房サイクル状態に切り換えられて、冷房サイクルで空気調和装置1が運転されても、室内熱交換器41から圧縮機21への液バック現象が抑えられる。
なお、ここでは、室外熱交換器23の伝熱管231として扁平多穴管が使用されているため、暖房運転を停止すると、暖房運転を停止した時の冷媒回路10内の冷媒の流れによって、室外熱交換器23の伝熱管231としての扁平多穴管内に溜まった液冷媒が、圧縮機21の吸入側に押し流される。そのため、デフロスト運転を開始すると、圧縮機21が液冷媒を吸入するおそれがある。室外熱交換器23に、伝熱管231として扁平多穴管内を用いる熱交換器を用いることで、扁平多穴管内に溜まった液冷媒が、圧縮機21の吸入側に押し流されるのは以下の様な理由からである。
空気調和装置では、暖房運転時に室外熱交換器が冷媒の蒸発器として機能する。このため、暖房運転を停止する際には、室外熱交換器の伝熱管として円管を使用しても、又は、扁平多穴管を使用しても、室外熱交換器の伝熱管内に液冷媒が溜まることになる。
しかし、伝熱管として円管を使用する室外熱交換器を採用する場合には、暖房運転を停止しても、暖房運転の停止後の冷媒回路内の冷媒の流れによって、円管内に溜まった液冷媒は、圧縮機の吸入側にほとんど押し流されることはない。なぜなら、伝熱管として円管を使用する場合には、円管の下部空間に液冷媒が流れ、円管の上部空間にガス冷媒が流れるため、暖房運転の停止後に膨張弁側から室外熱交換器に冷媒が流入しても、主として、円管の上部空間に存在するガス冷媒が押し出されるからである。
これに対して、本実施形態のように、伝熱管231として扁平多穴管を使用する室外熱交換器23を採用する場合には、扁平多穴管に形成された多数の小さな冷媒流路231a内が液冷媒によってほとんど満たされてしまい、ガス冷媒が流れる空間がほとんど形成されない。このため、伝熱管231として扁平多穴管を使用する室外熱交換器23を採用する場合には、暖房運転を停止すると、暖房運転の停止後に、室内熱交換器41側から室外熱交換器23への冷媒の流れによって、扁平多穴管内に溜まった液冷媒は、圧縮機21の吸入側に押し流されてしまう。特に、ここでは、室外熱交換器23の容積が小さいため、暖房運転の停止後の室内熱交側膨張弁26側から室外熱交換器23への冷媒の流れの影響を大きく受けることになり、室外熱交換器23を構成する扁平多穴管からなる伝熱管231内に溜まった液冷媒は、圧縮機21の吸入側にさらに押し流されやすくなっている。
そこで、本実施形態の空気調和装置1では、暖房運転からデフロスト運転への移行時に行われるデフロスト前制御において、室外熱交側膨張弁24の開度が、圧縮機21の停止前に段階的に小さくなり、圧縮機21の停止時には室外熱交側膨張弁24は全閉となるように制御される(図7参照)。
更に、室外熱交側膨張弁24が全閉となる前には、制御部8は、調整弁30aを閉じる第1制御を行う。これは、室内熱交側膨張弁26が開いており、室外熱交側膨張弁24が閉じており、調整弁30aが開いている場合には、圧縮機21から吐出された冷媒の流路がレシーバガス抜き管30だけとなり、レシーバガス抜き管30を介して吸入管31に液冷媒が流れこむ可能性があるためである。調整弁30aは、室外熱交側膨張弁24が全閉となる前に閉じられることで、液冷媒がレシーバガス抜き管30を介して吸入管31に流れこむことが防止される。
圧縮機21が停止すると、四路切換弁22が冷房サイクル状態に切り換えられてデフロスト運転が行われる際に、圧縮機21の吸入側に液冷媒が流れ込むことを防止するために、室内熱交側膨張弁26も閉じられる。
なお、室外熱交側膨張弁24が閉じられた後であって、室内熱交側膨張弁26も所定の開度まで閉じられ、更に四路切換弁22が冷房サイクル状態に切り換えられる前に(四路切換弁が冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換える前に)、制御部8は、先ほど第1制御により閉じた調整弁30aを、再び開ける第3制御を行う。制御部8が、四路切換弁22の切り換え前に調整弁30aを開ける第3制御を行う理由は、以下の通りである。
四路切換弁22を冷房サイクル状態に切り換えると、吸入管31がそれまで冷凍サイクルの高圧側だった第2ガス冷媒管34と接続されるため、レシーバガス抜き管30のレシーバ25側よりも、レシーバガス抜き管30の吸入管31側が高い圧力になる可能性がある。このような、通常状態(レシーバガス抜き管30のレシーバ25側が吸入管31側よりも圧力が高い)とは反対の圧力関係下で調整弁30aが閉じられていると、調整弁30aがチャタリングし、騒音を発生させる可能性がある。そこで、四路切換弁22が冷房サイクル状態に切り換えられる前に、調整弁30aが開けられている。
ただし、レシーバガス抜き管30の調整弁30aよりも吸入管31側に逆止弁を設ければ、四路切換弁22の切り換え前に調整弁30aを開ける制御は省略可能である。しかし、逆止弁の設置費用を削減するためには、四路切換弁22の切り換え前に調整弁30aを開ける制御を行うことが望ましい。
(4−2)デフロスト運転
まず、デフロスト運転開始時の、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交側膨張弁24、室内熱交側膨張弁26、及び、調整弁30aの動作について図7を用いて説明する。
まず、デフロスト運転開始時には、初めに四路切換弁22が冷房サイクル状態に切り換えられる。つまり、四路切換弁22は、冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換える。
そして、冷媒を冷媒回路10に流すために、室外熱交側膨張弁24の開度が全開になるように制御される。室外熱交側膨張弁24の開度が全開になると、圧縮機21が所定回転数で運転されるように制御される。室内熱交側膨張弁26は、レシーバ25に液冷媒を溜めるために、図7のように、デフロスト運転開始から所定期間は閉められている。この結果、デフロスト運転開始時には、室外熱交側膨張弁24が開いた状態で圧縮機21が運転され、室内熱交側膨張弁26は閉じているというタイミングが存在する(図7参照)。この状態で、調整弁30aを開けたままにしておくと、全ての冷媒がレシーバガス抜き管30を流れて、吸入管31に液冷媒が流れこむ可能性がある。そのため、制御部8は、室内熱交側膨張弁26が閉じられている間に、デフロスト前運転の第3制御でチャタリング防止のために開けていた調整弁30aを閉じる第4制御を行う。
デフロスト運転開始から所定期間経過後、室内熱交側膨張弁26は、冷媒を冷媒回路10内で循環させるために開けられる。第4制御により閉められた調整弁30aも、レシーバガス抜き管30を介して液冷媒が吸入管31に流れ込むおそれがなくなった時点で再び開くように制御される。つまり、制御部8は、閉じられていた室内熱交側膨張弁26の開度が所定開度以上となった時に、調整弁30aを開ける第2制御を行う。なお、本実施形態では、図7のように、室内熱交側膨張弁26が全開になった時点で第2制御が行われる。調整弁30aを開けることで、レシーバガス抜き管30がガス抜きとして機能し、レシーバ25に液冷媒を貯留することが容易になる。
この後は、適切なデフロスト運転が実行されるよう、圧縮機21の回転数及び室内熱交側膨張弁26の開度が制御される。調整弁30aは、第2制御の後、デフロスト運転終了まで開けられている。
次に、デフロスト運転終了時の、圧縮機21、室外熱交側膨張弁24、室内熱交側膨張弁26、四路切換弁22、及び、調整弁30aの動作について図8を用いて説明する。
デフロスト運転終了前には、デフロスト前運転時と同様に、四路切換弁22の切り換え時の吸入管31と吐出管32との差圧を低減するため、圧縮機21の回転数が徐々に低減され、最終的に圧縮機21の運転が停止される。
四路切換弁22は、デフロスト運転終了まで、図8のように、冷凍サイクル状態のままである。
室外熱交側膨張弁24は、四路切換弁22を冷房サイクル状態から暖房サイクル状態へと切り換えた際に、液冷媒が圧縮機21の吸入管31に流入することが無いよう、四路切換弁22が切り換えられる前に、つまりデフロスト運転終了までに閉められる。室内熱交側膨張弁26は、デフロスト運転終了まで所定開度で制御されている。調整弁30aは、デフロスト運転終了まで開けられている(図8参照)。
(4−3)デフロスト後運転
デフロスト後運転時の、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交側膨張弁24、室内熱交側膨張弁26、及び、調整弁30aの動作について図8を用いて説明する。
まず、デフロスト運転開始時には、初めに四路切換弁22が暖房サイクル状態に切り換えられる。言い換えれば、四路切換弁22は、冷媒の流れ方向を、第2方向から第1方向へと切り換える。圧縮機21は、デフロスト後運転中、所定の低回転数で運転される。
室内熱交側膨張弁26の開度は、冷媒回路10に冷媒を流すため、デフロスト後運転時には全開になるよう調整される。室外熱交側膨張弁24は、デフロスト後運転開始から所定時間後に、所定の開度まで開けられる。図8のように、デフロスト後運転には、室内熱交側膨張弁26が開いた状態で圧縮機21が運転され、室外熱交側膨張弁24は閉じているというタイミングが存在する。この状態で、調整弁30aを開けたままにしておくと、全ての冷媒がレシーバガス抜き管30を流れて、吸入管31に液冷媒が流れこむ可能性がある。そのため、制御部8は、調整弁30aを閉じる第5制御を行う。
デフロスト後運転は、所定時間が経過すると終了し、通常の暖房運転に移行する。暖房運転中は、四路切換弁22は暖房サイクル状態である。圧縮機21、室外熱交側膨張弁24、及び室内熱交側膨張弁26の動作は、暖房運転を実行する上で最適に、制御部8により制御される。また、制御部8は、暖房運転の開始時(デフロスト後運転の終了時)に、調整弁30aを開ける第6制御を行い、暖房運転中、調整弁30aは開けられている。
(5)特徴
(5−1)
第1実施形態に係る冷凍装置の一例としての空気調和装置1は、冷媒としてR32を使う冷凍装置である。空気調和装置1は、圧縮機21と、利用側熱交換器としての室内熱交換器41と、熱源側熱交換器としての室外熱交換器23と、膨張機構としての室外熱交側膨張弁24及び室内熱交側膨張弁26と、流路切換機構としての四路切換弁22と、冷媒貯留容器としてのレシーバ25と、調整弁30aと、制御部8と、を備える。圧縮機21は、吸入流路としての吸入管31から低圧の冷媒を吸入し、冷媒の圧縮を行って高圧の冷媒を吐出する。室内熱交換器41は、凝縮器又は蒸発器として機能する。室外熱交換器23は、蒸発器又は凝縮器として機能する。膨張弁24,26は、室外熱交換器23及び室内熱交換器41の一方から他方へと流れる高圧の冷媒を膨張させる。四路切換弁22は、圧縮機21から吐出された高圧の冷媒の流れ方向を、室内熱交換器41へと流れる第1方向と、室外熱交換器23へと流れる第2方向と、のいずれかに切り換える。レシーバ25は、第1方向における、室内熱交換器41の下流側であって、室外熱交換器23の上流側に設置される。調整弁30aは、レシーバ25と吸入管31とを結ぶバイパス流路としてのレシーバガス抜き管30に設けられる。制御部8は、調整弁30aの開閉を制御する。四路切換弁22は、暖房運転時には、冷媒の流れ方向を第1方向に切り換え、デフロスト時には、冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換える。制御部8は、暖房運転時には、調整弁30aを開ける。制御部8は、デフロスト時には、四路切換弁22が冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換える前に、調整弁30aを閉じる第1制御を行い、その後、調整弁30aを開ける第2制御を行う。
なお、ここでのデフロスト時には、デフロスト運転時のほか、デフロスト前運転時、デフロスト後運転時も含む。
ここでは、空気調和装置1にレシーバ25と吸入管31とを結ぶレシーバガス抜き管30が設けられ、このレシーバガス抜き管30がレシーバ25のガス抜きとして機能する。そのため、レシーバ25に冷媒が貯留されやすく、圧縮機21の液圧縮が起こりにくい。更に、デフロスト時の、四路切換弁22による冷媒の流れ方向切り換え前には、レシーバガス抜き管30から圧縮機21の吸入管31へと液冷媒が流れ込むのを防止するため、暖房運転時には開かれていたレシーバガス抜き管30の調整弁30aが一旦閉じられ、その後、レシーバ25に液冷媒を貯留するため調整弁30aが開けられる。調整弁30aをこのように動作させることで、デフロスト時に液圧縮を防止できる信頼性の高い空気調和装置1を提供することができる。
(5−2)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、膨張機構として、室外熱交換器23とレシーバ25との間に設けられた熱源側膨張弁としての室外熱交側膨張弁24と、室内熱交換器41とレシーバ25との間に設けられた利用側膨張弁としての室内熱交側膨張弁26を有する。第1制御は、室内熱交換器41が開いており、かつ、開いていた室外熱交側膨張弁24が閉じられる前に行われる。
ここでは、室内熱交側膨張弁26が開いており、かつ、開いていた室外熱交側膨張弁24が閉じられる前に調整弁30aが閉じられるため、レシーバガス抜き管30だけが冷媒の流路となり、室内熱交換器41から流れてきた液冷媒が圧縮機21の吸入管31に流入することを防止できる。
(5−3)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、第2制御は、四路切換弁22が冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換えた後に行われる。
ここでは、四路切換弁22が冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換えた後に、閉じられていた調整弁30aが開けられるため、室外熱交換器23から流れてくる液冷媒を、レシーバ25に貯留することが容易である。
(5−4)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、第2制御は、四路切換弁22が冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換えた後であって、閉じられていた室内熱交側膨張弁26の開度が所定開度以上になった時に行われる。なお、第1実施形態では、室内熱交側膨張弁26の開度が全開になった時に、第2制御が行われているが、これに限定されるものではない。
ここでは、四路切換弁22が冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換えた後であって、閉じられていた室内熱交側膨張弁26の開度が第1所定開度以上になった時に(第1実施形態では室内熱交側膨張弁26の開度が全開となった時に)、閉じられていた調整弁30aが開けられるため、室外熱交換器23から流れてくる液冷媒の大半がレシーバガス抜き管30を流れ、圧縮機21の吸入管31に流入することを防止できる。
(5−5)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、制御部8は、第1制御後の、室外熱交側膨張弁24が閉じられた後であって、かつ、四路切換弁22が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換える前に、調整弁30aを開く第3制御を更に行う。制御部8は、四路切換弁22が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換えた後であって、第2制御前の、室内熱交側膨張弁26が閉じられている間に、調整弁30aを閉じる第4制御を更に行う。
ここでは、第1制御と第2制御との間であって、四路切換弁22が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換える前後に、調整弁30aの開閉動作が更に行われる。四路切換弁22が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換える際には、一時的にレシーバガス抜き管30の吸入管31側の圧力がレシーバ25の圧力よりも高くなる可能性があり、調整弁30aが閉じられていると、調整弁30aでチャタリングが発生する場合がある。しかし、四路切換弁22が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換える時に調整弁30aを開けておくことで、レシーバガス抜き管30に逆止弁を設けることなく、調整弁30aのチャタリングを防止することができる。
(5−6)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、室外熱交換器23は、伝熱管231として扁平多穴管を使用する熱交換器である。
ここでは、室外熱交換器23が扁平多穴管を使用する熱交換器であって、暖房運転を停止することで圧縮機21の吸入管31に液冷媒が流入しやすく、また、室外熱交換器23に貯留できる冷媒の容量が小さい場合にも、レシーバ25に液冷媒が貯留されやすいので、圧縮機21の液圧縮を防止することができる。
(5−7)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、制御部8は、デフロスト時に、第2制御後であって、四路切換弁22が冷媒の流れを第2方向から第1方向へと切り換えた後に、調整弁30aを閉める第5制御を更に行う。また、制御部8は、デフロスト時に、第5制御後であって、かつ、暖房運転開始時に、調整弁30aを開ける第6制御を更に行う。
ここでは、デフロスト運転を終了し,再び暖房運転に復帰する際に、レシーバガス抜き管30から圧縮機21の吸入管31に液冷媒が流入することを防止でき、圧縮機21の液圧縮が発生しない。
<第2実施形態>
(1)全体構成
図9は、本発明の冷凍装置の第2実施形態にかかる空気調和装置101の概略構成図である。
空気調和装置101は、第1実施形態と同様に、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことによって、建物等の室内の冷房及び暖房を行うことが可能な装置である。空気調和装置101は、主として、室外ユニット102と、室内ユニット4とが接続されることによって構成されている。ここで、室外ユニット102と室内ユニット4とは、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6を介して接続されている。すなわち、空気調和装置101の蒸気圧縮式の冷媒回路110は、室外ユニット102と、室内ユニット4とが冷媒連絡管5、6を介して接続されることによって構成されている。また、空気調和装置101は、空気調和装置101の各部の動きを制御する制御部8を有する。
なお、この冷媒回路110においても、上記の実施形態と同様に、冷媒としてHFC系冷媒の一種であるR32が封入され、冷凍機油として、低温条件においてR32への溶解度が非常に小さくなるエーテル系合成油や、R32に対して非相溶性を有する鉱油又はアルキルベンゼン系合成油等が封入されている。
第1実施形態では、冷媒回路10において、レシーバ25と液側閉鎖弁27との間(すなわち、室内熱交換器41側)に室内熱交側膨張弁26が設けられ、レシーバ25と室外熱交換器23との間(すなわち、室外熱交換器23側)に室外熱交側膨張弁24が設けられていた。これにより、レシーバ25は、冷房運転時及び暖房運転時のいずれにおいても、冷凍サイクルにおける高圧と低圧との中間の圧力(冷凍サイクルにおける中間圧)の冷媒を溜める機能を有している。
これに対して、第2実施形態では、図9に示すように、冷媒回路110において、室内熱交側膨張弁26だけが設けられ、室外熱交側膨張弁24が設けられていない。これにより、レシーバ25は、冷房運転時に冷凍サイクルにおける高圧になり、室外熱交換器23において放熱した後の冷凍サイクルにおける高圧の冷媒を溜める機能を有している。また、レシーバ25は、暖房運転時に冷凍サイクルにおける低圧になり、室内熱交側膨張弁26において減圧された後の冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を溜める機能を有している。
以下、室内熱交側膨張弁26のみが設けられた冷媒回路110を有する空気調和装置101の詳細構成、基本動作及びデフロスト時の動作について説明する。
(2)詳細構成
以下に、空気調和装置101の室内ユニット4、室外ユニット102、冷媒連絡管5,6、及び、制御部8について説明する。
(2−1)室内ユニット
室内ユニット4は、室内に設置されており、冷媒回路110の一部を構成している。室内ユニット4は、主として、室内熱交換器41と、室内ファン42と、各種センサ57,58,59と、室内側制御部44と、を有している。室内ユニット4を構成する機器やセンサ類の構成は、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
(2−2)室外ユニット
室外ユニット102は、室外に設置されており、冷媒回路110の一部を構成している。室外ユニット102は、主として、圧縮機21と、四路切換弁22と、室外熱交換器23と、レシーバ25と、室内熱交側膨張弁26と、液側閉鎖弁27と、ガス側閉鎖弁28と、レシーバガス抜き管30と、室外ファン36と、各種センサ51,52,53,54,55,56と、室外側制御部38と、を有している。つまり、第1実施形態の室外ユニット2と異なり、室外ユニット102は、室外熱交側膨張弁24を有さない。ここでは、室外熱交側膨張弁24が存在しないことで生じる違いについてのみ説明する。
室外ユニット102は室外熱交側膨張弁24を有しないため、室内熱交側膨張弁26の機能が異なる。具体的には、室外ユニット102では、室内熱交側膨張弁26は、冷房運転時には、室外熱交換器23において放熱した冷凍サイクルにおける高圧の冷媒を冷凍サイクルにおける低圧まで減圧する弁である。また、室外ユニット102では、室内熱交側膨張弁26は、暖房運転時には、レシーバ25に溜められた冷凍サイクルにおける高圧の冷媒を冷凍サイクルにおける低圧まで減圧する弁である。
室外ユニット102は室外熱交側膨張弁24を有しないため、レシーバ25の機能が異なる。具体的には、室外ユニット102では、レシーバ25は、冷房運転時に、室外熱交換器23において放熱した後の冷凍サイクルにおける高圧の冷媒を溜めることが可能な容器である。また、室外ユニット102では、レシーバ25は、暖房運転時に、室内熱交側膨張弁26において減圧された後の冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を溜めることが可能な容器である。
また、レシーバ25には冷凍サイクルにおける高圧又は低圧のガス冷媒が貯留されることから、レシーバガス抜き管30は、レシーバ25内に溜まった冷凍サイクルにおける高圧又は低圧のガス冷媒を圧縮機21の吸入管31に導く冷媒管として機能する。
その他の点については、第1実施形態の室外ユニット2と同様であるため、説明は省略する。
(2−3)冷媒連絡管
冷媒連絡管5、6は、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
なお、室外ユニット102と、室内ユニット4と、冷媒連絡管5、6とが接続されることによって、空気調和装置101の冷媒回路110が構成されている。空気調和装置101は、四路切換弁22を冷房サイクル状態に切り換えることによって、圧縮機21、室外熱交換器23、室内熱交側膨張弁26、室内熱交換器41の順に冷媒を循環させるとともに室外ファン36を駆動させて冷房運転を行うようになっている。また、空気調和装置101は、四路切換弁22を暖房サイクル状態に切り換えることによって、圧縮機21、室内熱交換器41、室内熱交側膨張弁26、室外熱交換器23の順に冷媒を循環させるとともに室外ファン36を駆動させて暖房運転を行うようになっている。また、室外熱交換器23は、伝熱管231として扁平多穴管を使用する熱交換器であり、室外熱交換器23と室内熱交側膨張弁26との間には、レシーバ25が設けられている。
(2−4)制御部
空気調和装置101は、第1実施形態と同様に、室内側制御部44と室外側制御部38とから構成される制御部8によって、室外ユニット102及び室内ユニット4の各機器の制御を行うことができるようになっている。すなわち、室内側制御部44と室外側制御部38との間を接続する伝送線8aとによって、冷房運転、暖房運転、デフロスト運転等を含む空気調和装置101全体の運転制御を行う制御部8が構成されている。
制御部8は、図10に示すように、各種センサ51〜59等の検出信号を受けることができるように接続されるとともに、これらの検出信号等に基づいて各種機器及び弁21a,22,26,30a,37,43等を制御することができるように接続されている。
(3)空気調和装置の基本動作
次に、空気調和装置101の基本動作(デフロスト時の動作を除く)について、図9を用いて説明する。空気調和装置101の基本動作は、制御部8により実行される。空気調和装置101は、基本動作として、冷房運転及び暖房運転を行うことが可能である。
(3−1)暖房運転
暖房運転時には、四路切換弁22が暖房サイクル状態(図9の破線で示される状態)に切り換えられる。
冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧になるまで圧縮された後に吐出される。
圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁22、ガス側閉鎖弁28及びガス冷媒連絡管6を通じて、室内熱交換器41に送られる。
室内熱交換器41に送られた高圧のガス冷媒は、室内熱交換器41において、室内ファン42によって冷却源として供給される室内空気と熱交換を行って放熱して、高圧の液冷媒になる。これにより、室内空気は加熱され、その後に、室内に供給されることで室内の暖房が行われる。
室内熱交換器41で放熱した高圧の液冷媒は、液冷媒連絡管5及び液側閉鎖弁27を通じて、室内熱交側膨張弁26に送られる。
室内熱交側膨張弁26に送られた高圧の液冷媒は、室内熱交側膨張弁26によって冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。室内熱交側膨張弁26で減圧された低圧の冷媒は、レシーバ25に送られて気液分離される。そして、レシーバ25内において気液分離されたガス冷媒は、調整弁30aを開けることによってレシーバガス抜き管30を通じて吸入管31に送られる。また、レシーバ25内において気液分離された液冷媒は、室外熱交換器23に送られる。
室外熱交換器23に送られた低圧の液冷媒は、室外熱交換器23において、室外ファン36によって加熱源として供給される室外空気と熱交換を行って蒸発して、低圧のガス冷媒になる。
室外熱交換器23で蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁22を通じて、吸入管31に送られて、レシーバガス抜き管30から流入するガス冷媒と合流して、再び、圧縮機21に吸入される。
(3−2)冷房運転
冷房運転時には、四路切換弁22が冷房サイクル状態(図9の実線で示される状態)に切り換えられる。
冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧になるまで圧縮された後に吐出される。
圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁22を通じて、室外熱交換器23に送られる。
室外熱交換器23に送られた高圧のガス冷媒は、室外熱交換器23において、室外ファン36によって冷却源として供給される室外空気と熱交換を行って放熱して、高圧の液冷媒になる。
室外熱交換器23において放熱した高圧の液冷媒は、レシーバ25に送られて気液分離される。そして、レシーバ25内において気液分離されたガス冷媒は、調整弁30aを開けることによってレシーバガス抜き管30を通じて吸入管31に送られる。また、レシーバ25内において気液分離された液冷媒は、室内熱交側膨張弁26に送られる。
室内熱交側膨張弁26に送られた高圧の液冷媒は、室内熱交側膨張弁26によって冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。室内熱交側膨張弁26で減圧された冷媒は、液側閉鎖弁27及び液冷媒連絡管5を通じて、室内熱交換器41に送られる。
室内熱交換器41に送られた低圧の冷媒は、室内熱交換器41において、室内ファン42によって加熱源として供給される室内空気と熱交換を行って蒸発する。これにより、室内空気は冷却され、その後に、室内に供給されることで室内の冷房が行われる。
室内熱交換器41において蒸発した低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡管6、ガス側閉鎖弁28及び四路切換弁22を通じて、吸入管31に送られて、レシーバガス抜き管30から流入するガス冷媒と合流して、再び、圧縮機21に吸入される。
(4)空気調和装置のデフロスト時の動作
次に、空気調和装置101の制御部8により実行される、空気調和装置101のデフロスト時の動作について説明する。空気調和装置101のデフロスト時の動作は、空気調和装置1のデフロスト時の動作と同様の点も多いため、主に相違点について説明する。
デフロスト運転は、第1実施形態と同様に、暖房運転時に、室外熱交換器23において着霜が検知された際に行われる運転である。デフロスト運転では、冷房運転時と同様に、四路切換弁22を冷房サイクル状態(図9の実線で示される状態)に切り換えて空気調和装置101を運転することで、室外熱交換器23を冷媒の凝縮器として機能させ、室外熱交換器23に付着した霜を融解させる。デフロスト時には、第1実施形態と同様、デフロスト前運転時と、デフロスト運転時と、デフロスト後運転時と、を含む。
第2実施形態におけるデフロスト制御について、図11及び図12を用いて説明する。図11は、デフロスト前運転時及びデフロスト運転開始時における、圧縮機21、四路切換弁22、室内熱交側膨張弁26、及び、調整弁30aの動作を示すタイムチャートである。図12は、主に、デフロスト運転の終了直前及びデフロスト後運転時における、圧縮機21、四路切換弁22、室内熱交側膨張弁26、及び、調整弁30aの動作を示すタイムチャートである。
(4−1)デフロスト前運転
デフロスト前運転における、圧縮機21、室内熱交側膨張弁26、四路切換弁22、及び、調整弁30aの動作について図11に示した。図11から分かるように、デフロスト前運転における圧縮機21、四路切換弁22、室内熱交側膨張弁26、及び、調整弁30aの動作については、第1実施形態と同様である(図7参照)。ここでは、四路切換弁22及び室内熱交側膨張弁26の動作についてのみ改めて説明し、それ以外の説明は省略する。
まず、デフロスト前運転の開始前、つまり暖房運転中には、室内熱交側膨張弁26は、暖房運転を行う上で適切な開度に制御部8により制御されている。調整弁30aは、暖房運転中は開けられている。なお、暖房中の室内熱交側膨張弁26の開度(図11に描画された、デフロスト前運転開始時の室内熱交側膨張弁26の開度)は例示であり、これに限定されるものではない。
デフロスト前運転が開始されると、図11のように、室内熱交側膨張弁26は、開度が全開になるよう制御される。調整弁30aは、図11のように、デフロスト前運転開始後の所定期間は開けられており、レシーバガス抜き管30がガス抜きとして機能する。このように、室内熱交側膨張弁26及び調整弁30aの動作が制御されることで、室内熱交換器41に液冷媒をできるだけ溜めず、レシーバ25に液冷媒を溜めることができる。その結果、四路切換弁22が冷房サイクル状態に切り換えられて、冷房サイクルで空気調和装置101の運転が開始されても、室内熱交換器41から圧縮機21への液バック現象が抑えられる。
デフロスト前運転開始から所定時間が経過すると、制御部8は、調整弁30aを閉じる第1制御を行う。
本実施形態の空気調和装置101では、室外熱交換器23の伝熱管231として扁平多穴管が使用されているため、暖房運転を停止すると、暖房運転を停止した時の冷媒回路110内の冷媒の流れによって、室外熱交換器23の伝熱管231としての扁平多穴管内に溜まった液冷媒が、圧縮機21の吸入側に押し流される。そのため、デフロスト運転を開始すると、圧縮機21が液冷媒を吸入するおそれがある。
そこで、本実施形態の空気調和装置101では、暖房運転からデフロスト運転への移行時に行われるデフロスト前制御において、圧縮機21の停止時には室内熱交側膨張弁26は全閉となるように制御される(図11参照)。また、室内熱交側膨張弁26を閉じることで、四路切換弁22が切り換えられてデフロスト運転が行われる際に、初めにレシーバ25に液冷媒を溜めることができる。
なお、室内熱交側膨張弁26が所定開度以下まで閉じられて時点で、かつ、四路切換弁22が冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換える前に(デフロスト運転開始前に)、制御部8は、調整弁30aを開ける第3制御を行う。第3制御を行う理由は、第1実施形態と同様であり、調整弁30aのチャタリング防止のためである。
(4−2)デフロスト運転
デフロスト運転開始時の、圧縮機21、四路切換弁22、室内熱交側膨張弁26、及び、調整弁30aの動作について図11に示した。図11から分かるように、デフロスト運転開始時における圧縮機21、四路切換弁22、室内熱交側膨張弁26、及び、調整弁30aの動作については、第1実施形態と同様である(図7参照)。ここでは、四路切換弁22及び室内熱交側膨張弁26の動作についてのみ改めて説明し、それ以外の説明は省略する。
デフロスト運転開始直後の所定期間は、レシーバに液を溜めるために、室内熱交側膨張弁26は全閉となっている。この状態で調整弁30aが開いている場合には、室外熱交換器23側から流れてくる全ての冷媒がレシーバガス抜き管30を流れ、吸入管31に液冷媒が流れこむ可能性がある。そこで、制御部8は、室内熱交側膨張弁26が閉じられている間に、デフロスト前運転時の第3制御により開けていた調整弁30aを閉じる第4制御を行う。
デフロスト運転開始から所定期間経過後、室内熱交側膨張弁26は、冷媒を冷媒回路10内で循環させるために開けられる。第4制御により閉められた調整弁30aも、レシーバガス抜き管30を介して液冷媒が吸入管31に流れ込むおそれがなくなった時点で再び開くように制御される。つまり、制御部8は、閉じられていた室内熱交側膨張弁26の開度が所定開度以上となった時に、調整弁を開ける第2制御を行う。調整弁30aを開けることで、レシーバガス抜き管30がガス抜きとして機能し、レシーバ25に液冷媒を貯留することが容易になる。
この後は、デフロストが適切に実行されるよう、圧縮機21の回転数及び室内熱交側膨張弁26の開度が適切に制御される。調整弁30aは、第2制御の後、デフロスト運転終了まで開けられている。
次に、デフロスト運転終了時の、圧縮機21、四路切換弁22、室内熱交側膨張弁26、及び、調整弁30aの動作について図12に示した。図12から分かるように、デフロスト運転開始時における圧縮機21、四路切換弁22、及び調整弁30aの動作については、第1実施形態(図8参照)と同様である。ここでは、室内熱交側膨張弁26の動作についてのみ説明し、それ以外の説明は省略する。
室内熱交側膨張弁26は、四路切換弁22を冷房サイクル状態から暖房サイクル状態へと切り換えた際に、液冷媒が圧縮機21の吸入管31に流入することが無いよう、四路切換弁22が切り換えられる前に、つまりデフロスト運転終了までに閉められる。
(4−3)デフロスト後運転
まず、デフロスト運転後時の、圧縮機21、四路切換弁22、室内熱交側膨張弁26、及び、調整弁30aの動作について図12に示した。図12から分かるように、デフロスト運転開始時における圧縮機21、四路切換弁22、及び、調整弁30aの動作については、第1実施形態(図8参照)と同様である。ここでは、室内熱交側膨張弁26及び調整弁30aの動作についてのみ説明し、それ以外の説明は省略する。
室内熱交側膨張弁26は、液冷媒が圧縮機21の吸入管31に流入することが無いようにデフロスト後運転開始時には閉じられているが、冷媒回路10に冷媒を流すため、デフロスト後運転開始から所定期間経過後に、所定開度になるように制御される。制御部8は、第1実施形態と同様、四路切換弁22が冷媒の流れ方向を第2方向から第1方向へと切り換えた後に、調整弁30aを閉じる第5制御を行う。
デフロスト後運転は、所定時間が経過すると終了し、通常の暖房運転に移行する。暖房運転中は、四路切換弁22は暖房サイクル状態である。圧縮機21及び室内熱交側膨張弁26の動作は、暖房運転を実行する上で最適に、制御部8により制御される。また、制御部8は、暖房運転の開始時(デフロスト後運転の終了時)に、調整弁30aを開ける第6制御を行い、暖房運転中、調整弁30aは開けられている。
(5)特徴
(5−1)
第2実施形態に係る冷凍装置の一例としての空気調和装置101は、冷媒としてR32を使う冷凍装置である。空気調和装置101は、圧縮機21と、利用側熱交換器としての室内熱交換器41と、熱源側熱交換器としての室外熱交換器23と、膨張機構としての室内熱交側膨張弁26と、流路切換機構としての四路切換弁22と、冷媒貯留容器としてのレシーバ25と、調整弁30aと、制御部8と、を備える。圧縮機21は、吸入流路としての吸入管31から低圧の冷媒を吸入し、冷媒の圧縮を行って高圧の冷媒を吐出する。室内熱交換器41は、凝縮器又は蒸発器として機能する。室外熱交換器23は、蒸発器又は凝縮器として機能する。室内熱交側膨張弁26は、室外熱交換器23及び室内熱交換器41の一方から他方へと流れる高圧の冷媒を膨張させる。四路切換弁22は、圧縮機21から吐出された高圧の冷媒の流れ方向を、室内熱交換器41へと流れる第1方向と、室外熱交換器23へと流れる第2方向と、のいずれかに切り換える。レシーバ25は、第1方向における、室内熱交換器41の下流側であって、室外熱交換器23の上流側に設置される。調整弁30aは、レシーバ25と吸入管31とを結ぶバイパス流路としてのレシーバガス抜き管30に設けられる。制御部8は、調整弁30aの開閉を制御する。四路切換弁22は、暖房運転時には、冷媒の流れ方向を第1方向に切り換え、デフロスト時には、冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換える。制御部8は、暖房運転時には、調整弁30aを開ける。制御部8は、デフロスト時には、四路切換弁22が冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換える前に、調整弁30aを閉じる第1制御を行い、その後、調整弁30aを開ける第2制御を行う。
なお、ここでのデフロスト時には、デフロスト前運転時、デフロスト運転時、デフロスト後運転時、を含む。
ここでは、空気調和装置101にレシーバ25と吸入管31とを結ぶレシーバガス抜き管30が設けられ、このレシーバガス抜き管30がレシーバ25のガス抜きとして機能する。そのため、レシーバ25に冷媒が貯留されやすく、圧縮機21の液圧縮が起こりにくい。更に、デフロスト時の、四路切換弁22による冷媒の流れ方向切り換え前には、レシーバガス抜き管30から圧縮機21の吸入管31へと液冷媒が流れ込むのを防止するため、暖房運転時には開かれていたレシーバガス抜き管30の調整弁30aが一旦閉じられ、その後、レシーバ25に液冷媒を貯留するため調整弁30aが開けられる。調整弁30aをこのように動作させることで、デフロスト時に液圧縮を防止できる信頼性の高い空気調和装置101を提供することができる。
(5−2)
第2実施形態に係る空気調和装置101では、膨張機構は、室内熱交換器41とレシーバ25との間に設けられた室内熱交側膨張弁26を有する。第1制御は、開いていた室内熱交側膨張弁26が閉じられる前に行われる。第2制御は、四路切換弁22が冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換えた後であって、かつ、閉じられていた室内熱交側膨張弁26の開度が所定開度以上になった時に行われる。
ここでは、四路切換弁22により冷媒の流れ方向が第1方向から第2方向へと切り換えられる前であって、室内熱交側膨張弁26が閉じられる前に、調整弁30aが閉じられることで、レシーバガス抜き管30から吸入管31に液冷媒が流れ込み、圧縮機21が液圧縮を起こすことを防止できる。一方、四路切換弁22が冷媒の流れ方向を第1方向から第2方向へと切り換え、室内熱交側膨張弁26の開度が所定開度以上になった時には、レシーバガス抜き管30を液冷媒が流れる可能性が低いため、調整弁30aが開けられる。その結果、レシーバガス抜き管30がガス抜きとして機能し、レシーバ25に冷媒を貯留しやすい。
(5−3)
第2実施形態に係る空気調和装置101では、制御部8は、第1制御後であって、室内熱交側膨張弁26が所定開度以下であって、かつ、四路切換弁22が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換える前に、調整弁30aを開く第3制御を更に行う。制御部8は、四路切換弁22が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換えた後であって、(5−1)における第2制御前の、室内熱交側膨張弁26が閉じられている間に、調整弁30aを閉じる第4制御を更に行う。
ここでは、第1制御と第2制御との間であって、四路切換弁22が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換える前後に、調整弁30aの開閉動作が更に行われる。四路切換弁22が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換える際に、一時的にレシーバガス抜き管30の吸入管31側の圧力が、レシーバ25側の圧力よりも高くなる可能性がある。この時に調整弁30aが閉じられていると、調整弁30aのチャタリングが発生する場合がある。しかし、四路切換弁22が冷媒の流れを第1方向から第2方向へと切り換える時に調整弁30aを開けておくことで、レシーバガス抜き管30に逆止弁を設けることなく、調整弁30aのチャタリングを防止することができる。
(5−4)
第2実施形態に係る空気調和装置101では、室外熱交換器23は、伝熱管231として扁平多穴管を使用する熱交換器である。
ここでは、室外熱交換器23が扁平多穴管を使用する熱交換器であって、暖房運転を停止することで圧縮機21の吸入管31に液冷媒が流入しやすく、かつ、室外熱交換器23に貯留できる冷媒の容量が小さい場合にも、レシーバ25に液冷媒が貯留されやすいので、圧縮機21の液圧縮を防止することができる。
(5−5)
第2実施形態に係る空気調和装置101では、制御部8は、デフロスト時に、第2制御後であって、四路切換弁22が冷媒の流れを第2方向から第1方向へと切り換えた後に、調整弁30aを閉める第5制御を更に行う。また、制御部8は、デフロスト時に、第5制御後であって、かつ、暖房運転開始時に、調整弁30aを開ける第6制御を更に行う。
ここでは、デフロスト運転を終了し,再び暖房運転に復帰する際に、レシーバガス抜き管30から圧縮機21の吸入管31に液冷媒が流入することを防止でき、圧縮機21の液圧縮が発生しない。
本発明は、熱源側熱交換器と利用側熱交換器との間に冷媒貯留容器が設けられ、加熱運転時に一時的に冷却運転に運転を切り換えることでデフロストを行う冷凍装置に対して広くて起用可能である。
1,101 空気調和装置(冷凍装置)
8 制御部
21 圧縮機
22 四路切換弁(流路切替機構)
23 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
24 室外熱交側膨張弁(熱源側膨張弁、膨張機構)
25 レシーバ(冷媒貯留容器)
26 室内熱交側膨張弁(利用側膨張弁、膨張機構)
30 レシーバガス抜き管(バイパス流路)
30a 調整弁
31 吸入流路
41 室内熱交換器(利用側熱交換器)
231 伝熱管
特開2004−233015号公報

Claims (9)

  1. 冷媒としてR32を使う冷凍装置(1,101)において、
    吸入流路(31)から低圧の冷媒を吸入し、冷媒の圧縮を行って高圧の冷媒を吐出する、圧縮機(21)と、
    凝縮器又は蒸発器として機能する利用側熱交換器(41)と、
    蒸発器又は凝縮器として機能する熱源側熱交換器(23)と、
    前記熱源側熱交換器及び前記利用側熱交換器の一方から他方へと流れる高圧の冷媒を膨張させる膨張機構(24,26)と、
    前記圧縮機から吐出された高圧の冷媒の流れ方向を、前記利用側熱交換器へと流れる第1方向と、前記熱源側熱交換器へと流れる第2方向と、のいずれかに切り換える流向切換機構(22)と、
    前記第1方向における、前記利用側熱交換器の下流側であって、前記熱源側熱交換器の上流側に設置される冷媒貯留容器(25)と、
    前記冷媒貯留容器と前記吸入流路とを結ぶバイパス流路(30)に設けられた調整弁(30a)と、
    前記調整弁の開閉を制御する制御部(8)と、
    を備え、
    前記流向切換機構は、加熱運転時には、冷媒の流れ方向を前記第1方向に切り換え、デフロスト時には、冷媒の流れ方向を前記第1方向から前記第2方向へと切り換え、
    前記制御部は、
    前記加熱運転時には、前記調整弁を開け、
    前記デフロスト時には、
    前記流向切換機構が冷媒の流れ方向を前記第1方向から前記第2方向へと切り換える前に、前記調整弁を閉じる第1制御を行い、
    その後、前記調整弁を開ける第2制御を行う、
    冷凍装置。
  2. 前記膨張機構は、前記熱源側熱交換器と前記冷媒貯留容器との間に設けられた熱源側膨張弁(24)と、前記利用側熱交換器と前記冷媒貯留容器との間に設けられた利用側膨張弁(26)とを有し、
    前記第1制御は、前記利用側膨張弁が開いており、かつ、開いていた前記熱源側膨張弁が閉じられる前に行われる、
    請求項1に記載の冷凍装置(1)。
  3. 前記第2制御は、前記流向切換機構が冷媒の流れ方向を前記第1方向から前記第2方向へと切り換えた後に行われる、
    請求項1又は2に記載の冷凍装置。
  4. 前記第2制御は、前記流向切換機構が冷媒の流れ方向を前記第1方向から前記第2方向へと切り換えた後であって、閉じられていた前記利用側膨張弁の開度が第1所定開度以上になった時に行われる、
    請求項2に記載の冷凍装置。
  5. 前記制御部は、
    前記第1制御後の、前記熱源側膨張弁が閉じられた後であって、かつ、前記流向切換機構が冷媒の流れを前記第1方向から前記第2方向へと切り換える前に、前記調整弁を開く第3制御を更に行い、
    前記流向切換機構が冷媒の流れを前記第1方向から前記第2方向へと切り換えた後であって、前記第2制御前の、前記利用側膨張弁が閉じられている間に、前記調整弁を閉じる第4制御を更に行う、
    請求項4に記載の冷凍装置。
  6. 前記膨張機構は、前記利用側熱交換器と前記冷媒貯留容器との間に設けられた利用側膨張弁(26)を有し、
    前記第1制御は、開いていた前記利用側膨張弁が閉じられる前に行われ、
    前記第2制御は、前記流向切換機構が冷媒の流れ方向を前記第1方向から前記第2方向へと切り換えた後であって、かつ、閉じられていた前記利用側膨張弁の開度が第2所定開度以上になった時に行われる、
    請求項1に記載の冷凍装置(1,101)。
  7. 前記制御部は、
    前記第1制御後であって、前記利用側膨張弁が第3所定開度以下であって、かつ、前記流向切換機構が冷媒の流れを前記第1方向から前記第2方向へと切り換える前に、前記調整弁を開く第3制御を更に行い、
    前記流向切換機構が冷媒の流れを前記第1方向から前記第2方向へと切り換えた後であって、前記第2制御前の、前記利用側膨張弁が閉じられている間に、前記調整弁を閉じる第4制御を更に行う、
    請求項6に記載の冷凍装置。
  8. 前記熱源側熱交換器は、伝熱管(231)として扁平多穴管を使用する熱交換器である、
    請求項1から7のいずれかに記載の冷凍装置。
  9. 前記制御部は、
    前記デフロスト時に、
    前記第2制御後であって、前記流向切換機構が冷媒の流れを前記第2方向から前記第1方向へと切り換えた後に、前記調整弁を閉める第5制御を更に行い、
    前記第5制御後であって、かつ、前記加熱運転開始時に、前記調整弁を開ける第6制御を更に行う、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の冷凍装置。
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