JP2014152231A - インクセット、インクジェット記録用インクセット、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクセット、インクジェット記録用インクセット、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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皓史 大森
Yoshiaki Kondo
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厚浩 勝亦
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Abstract

【課題】褪色バランスに優れたインクセット、該インクセットを用いたインクジェット記録用インクセット、及びインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも、明細書中に記載の一般式(A−I)で表される化合物と、明細書中に記載の一般式(B−I)で表される化合物及び明細書中に記載の一般式(B−V)で表される化合物から選択される少なくとも1種の化合物とを含むインク組成物を含有するインクセット。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクセット、インクジェット記録用インクセット、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を普通紙や光沢メディアなどの記録媒体に付与して画像を形成する記録方法であり、その低価格化、記録速度の向上により、急速に普及が進んでいる。また、インクジェット記録方法により得られる画像の高画質化が進んだことに加えて、デジタルカメラの急速な普及に伴い、銀塩写真に匹敵する画像の出力方法として広く一般的になっている。
カラー画像形成には、複数色のインク組成物を組み合わせたインクセットが用いられる。一般に、カラー画像の形成は、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、及びシアンインク組成物の三色、更に所望によりブラックインク組成物を加えた四色によって行われている。また、これらの四色にライトシアンインク組成物及びライトマゼンタインク組成物を加えた六色又はそれらに更にダークイエローインク組成物を加えた七色によってカラー画像形成を行なう場合もある。このような2種以上のインク組成物を組み合わせたものがインクセットである。
特許文献1及び2には、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、及びシアンインク組成物を含有するインクセットが記載されている。
特表2007−510760号公報 特開2007−224276号公報
インク組成物に用いられる染料は、光や大気中のオゾンの影響により、染料分子が分解する現象がある。染料分子が分解した結果、色が薄まるもしくは変化する(総じて褪色する)。この褪色の後、各染料が示す濃度や色味も各染料によって異なる。インクセットにおいて、特定のインク組成物の耐光性や耐オゾン性などの画像堅牢性が、他のインク組成物よりも低い場合は、その特定のインク組成物によって形成された色が、他の色よりも早く褪色してしまうため、印画物は光やオゾンの影響を受けた後、元の画像とは色味が異なるものになってしまう。
したがって、インクセットにおいては、該インクセットを用いて形成した画像が、光やオゾンの影響を受けて褪色した後も特定の色味に偏らず、形成直後の画像により近い色味にできる、すなわち褪色バランスに優れることが求められる。
本発明は、褪色バランスに優れたインクセット、該インクセットを用いたインクジェット記録用インクセット、及びインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決することができる。
[1]
少なくとも、下記一般式(A−I)で表される化合物と、下記一般式(B−I)で表される化合物及び下記一般式(B−V)で表される化合物から選択される少なくとも1種の化合物とを含むインク組成物を含有するインクセット。
Figure 2014152231
(一般式(A−I)中、Rは置換基を表し、Rは−OR又は−NHRを表し、R及びRは水素原子又は置換基を表し、Xは2価の連結基を表し、n0は0又は1であり、Arは2価のヘテロ環基を表し、Arはアルキル基、アリール基又はトリアジン基を表す。)
Figure 2014152231
(一般式(B−I)中、Rは水素原子又は置換基を表し、Rは置換基を表し、Rはイオン性親水性基又は環を形成してもよいアルキル基を表し、n4は0〜4であり、n5は2〜5である。)
Figure 2014152231
(一般式(B−V)中、R13はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R14はそれぞれ独立に、−OR16、−NHR17又はシアノ基を表し、R16及びR17は水素原子又は置換基を表し、Xは置換若しくは無置換のアリール基又は置換若しくは無置換のトリアジン基を表し、n6は0又は1であり、Arはそれぞれ独立に、2価のヘテロ環基を表し、Arはそれぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基又はトリアジン基を表す。)
[2]
更に、下記一般式(C−1)で表される化合物を含むインク組成物、下記一般式(D−1)で表される化合物を含むインク組成物、及び下記一般式(E−1)で表される化合物を含むインク組成物を含有する[1]に記載のインクセット。
一般式(C−1):
Figure 2014152231
一般式(C−1)中、X21、X22、X23およびX24はそれぞれ独立に−SO−Z、−SO−Z、−SONR2122、スルホ基、−CONR2122、または−COOR21を表す。
はそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。
21、R22はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。
21、Y22、Y23およびY24はそれぞれ独立に、一価の置換基を表す。
21〜a24、b21〜b24は、それぞれX21〜X24およびY21〜Y24の置換基数を表す。a21〜a24はそれぞれ独立に0〜4の数を表すが、全てが同時に0になることはない。b21〜b24はそれぞれ独立に0〜4の数を表す。なお、a21〜a24およびb21〜b24が2以上の数を表す時、複数のX21〜X24、およびY21〜Y24はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
Mは水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。
一般式(D−1):
Figure 2014152231
一般式(D−1)中、A31は5員ヘテロ環ジアゾ成分A31−N−の残基を表す。
31およびB32は各々=CR31−、−CR32=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR31−または−CR32=を表す。R35、R36は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。
、R31、R32は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、ヘテロ環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、ヘテロ環スルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
31とR35、あるいはR35とR36が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
一般式(E−1):
41−(N=N−(B41−N=N−C41
一般式(E−1)中、A41、B41およびC41は、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよいヘテロ環基を表し、A41およびC41は一価の基であり、B41は二価の基である。また、mは1または2であり、nは0以上の整数である。ただし、A41、B41およびC41の少なくとも1つはヘテロ環基である。
[3]
上記一般式(A−I)で表される化合物が、下記一般式(A−II)で表される化合物である[1]又は[2]に記載のインクセット。
Figure 2014152231
(一般式(A−II)中、Rは置換基を表し、Rは−OR又は−NHRを表し、R及びRは水素原子又は置換基を表し、Xは2価の連結基を表し、n0は0又は1であり、Arは2価のヘテロ環基を表し、Aはイオン性親水性基を表し、n1は0〜2を表す。)
[4]
上記一般式(A−I)で表される化合物が、下記一般式(A−III)で表される化合物である[1]〜[3]のいずれか1項に記載のインクセット。
Figure 2014152231
(一般式(A−III)中、R20はアルキレン基、−S−、又はこれらの組み合わせからなる連結基を表し、R21はイオン性親水性基を表し、R11はアルキル基を表し、R12はアミノ基を表す。)
[5]
上記一般式(B−I)で表される化合物が、下記一般式(B−II)で表される化合物及び下記一般式(B−III)で表される化合物から選択された少なくとも1種の化合物である[1]〜[4]のいずれか1項に記載のインク組成物。
Figure 2014152231
(一般式(B−II)及び(B−III)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の置換基を表し、A及びAはイオン性親水性基を表し、n4は0〜4であり、n2及びn3は0〜2を表す。)
[6]
上記一般式(B−I)で表される化合物が、下記一般式(B−IV)で表される化合物である[1]〜[5]のいずれか1項に記載のインクセット。
Figure 2014152231
(一般式(B−IV)中、Rはヒドロキシル基、モルホリノ基又はアミノ基を表し、Rはそれぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基、スルホ基又はアミノカルボニルアミノ基を表し、R10はそれぞれ独立にカルボキシル基又はスルホ基を表す。)
[7]
上記一般式(B−V)で表される化合物が、下記一般式(B−VI)で表される化合物である[1]〜[6]のいずれか1項に記載のインクセット。
Figure 2014152231
(一般式(B−VI)中、R13はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R14はそれぞれ独立に、−OR16、−NHR17又はシアノ基を表し、R16及びR17は水素原子又は置換基を表し、Xは置換若しくは無置換のアリール基又は置換若しくは無置換のトリアジン基を表し、n0は0又は1であり、Arはそれぞれ独立に、2価のヘテロ環基を表し、Aはそれぞれ独立に、イオン性親水性基を表し、n7は0〜2を表す。)
[8]
上記一般式(B−V)で表される化合物が、下記一般式(B−VII)で表される化合物である[1]〜[7]のいずれか1項に記載のインクセット。
Figure 2014152231
(一般式(B−VII)中、R15は−OMを表し、R20は−COMを表し、Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。R21は置換若しくは無置換のアルキル基を表し、R13はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R18は置換若しくは無置換のアミノ基を表し、R19はシアノ基を表す。)
[9]
上記一般式(E−1)で表される化合物が、下記一般式(E−2)で表される化合物である[2]〜[8]のいずれか1項に記載のインクセット。
一般式(E−2):
Figure 2014152231
一般式(E−2)中、Aは置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。
は置換又は無置換のアリール基を表す。
は窒素原子又は−C(R60)=を表す。R60は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。
、及びBはそれぞれ独立に、窒素原子又は−C(R61)=を表す。R61は、水素原子、アルキル基、スルホ基、カルボキシ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。
及びRはそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、又は置換若しくは無置換のアリールアミノ基を表す。
は水素原子、置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、又は置換若しくは無置換のアリールアミノ基を表す。
[10]
上記一般式(E−1)で表される化合物が、下記一般式(E−3)で表される化合物である[2]〜[9]のいずれか1項に記載のインクセット。
一般式(E−3):
Figure 2014152231
一般式(E−3)中、Aは置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換の含窒素5員ヘテロ環基を表す。
は置換又は無置換のアリール基を表す。
は窒素原子又は−C(R60)=を表す。R60は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。
Mはそれぞれ独立に水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。
[11]
上記一般式(C−1)で表される化合物が、下記一般式(C−2)で表される化合物である[2]〜[10]のいずれか1項に記載のインクセット。
一般式(C−2):
Figure 2014152231
一般式(C−2)において、X51〜X54およびY51〜Y58、Mは一般式(C−1)の中のX21〜X24およびY21〜Y24、Mとそれぞれ同義である。a51〜a54はそれぞれ独立に1または2の整数を表す。
[12]
上記一般式(D−1)で表される化合物が、下記一般式(D−2)で表される化合物である[2]〜[11]のいずれか1項に記載のインクセット。
一般式(D−2):
Figure 2014152231
一般式(D−2)において、R31、R32、R35およびR36は一般式(D−1)と同義である。
33およびR34は各々独立に水素原子または置換基を表し、上記置換基は脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。
31はハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基を表す。
32は水素原子または置換基を表し、上記置換基は脂肪族基、芳香族基もしくはヘテロ環基を表す。
Qは水素原子または置換基を表し、上記置換基は脂肪族基、芳香族基もしくはヘテロ環基を表す。
[13]
[1]〜[12]のいずれか1項に記載のインクセットがインクジェット記録用である、インクジェット記録用インクセット。
[14]
[1]〜[12]のいずれか1項に記載のインクセット又は[13]に記載のインクジェット記録用インクセットを使用して、インクジェットプリンターにより画像記録を行うインクジェット記録方法。
本発明によれば、形成した画像の褪色後も元の画像により近い色味にできる、すなわち褪色バランスに優れるインクセット、上記インクセットを用いたインクジェット記録用インクセット、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
以下に、本発明を好ましい実施の形態を挙げて詳細に説明する。
まず、本発明において、置換基群A、イオン性親水性基について定義する。
(置換基群A)
例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
更に詳しくは、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、置換若しくは無置換のアラルキル基が挙げられ、置換若しくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。例えばベンジル基及び2−フェネチル基を挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。詳細には、アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
ヘテロ環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、トリアジニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
ヘテロ環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリール又はヘテロ環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換若しくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ等が挙げられる。
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。
(イオン性親水性基)
スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基、4級アンモニウム基などが挙げられる。特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。またカルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対カチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩が最も好ましい。
(インクセット)
本発明のインクセットは、少なくとも、下記一般式(A−I)で表される化合物と、下記一般式(B−I)で表される化合物及び下記一般式(B−V)で表される化合物から選択される少なくとも1種の化合物とを含むインク組成物を含有するインクセットである。
本発明のインクセットは、好ましくはイエローインク組成物、シアンインク組成物、マゼンタインク組成物、及びブラックインク組成物を含有し、下記一般式(A−I)で表される化合物と、下記一般式(B−I)で表される化合物及び下記一般式(B−V)で表される化合物から選択される少なくとも1種の化合物とを含むインク組成物はイエローインク組成物であることが好ましい。
Figure 2014152231
(一般式(A−I)中、Rは置換基を表し、Rは−OR又は−NHRを表し、R及びRは水素原子又は置換基を表し、Xは2価の連結基を表し、n0は0又は1であり、Arは2価のヘテロ環基を表し、Arはアルキル基、アリール基又はトリアジン基を表す。)
Figure 2014152231
(一般式(B−I)中、Rは水素原子又は置換基を表し、Rは置換基を表し、Rはイオン性親水性基又は環を形成してもよいアルキル基を表し、n4は0〜4であり、n5は2〜5である。)
Figure 2014152231
(一般式(B−V)中、R13はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R14はそれぞれ独立に、−OR16、−NHR17又はシアノ基を表し、R16及びR17は水素原子又は置換基を表し、Xは置換若しくは無置換のアリール基又は置換若しくは無置換のトリアジン基を表し、n6は0又は1であり、Arはそれぞれ独立に、2価のヘテロ環基を表し、Arはそれぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基又はトリアジン基を表す。)
本発明のインクセットにより褪色バランスに優れた画像が形成できる理由は明らかになっていないが本発明者は以下のように推測している。すなわち、上記一般式(A−I)で表される化合物と、上記一般式(B−I)で表される化合物及び下記一般式(B−V)で表される化合物から選択される少なくとも1種の化合物とを含有することにより、短波長の染料が分解する割合と、長波長の染料が分解することで生成する短波長吸収分解物の割合がつりあうため、褪色バランスに優れるものと推測される。
<イエローインク組成物>
[一般式(A−I)で表される化合物]
一般式(A−I)で表される化合物について説明する。
一般式(A−I)で表される化合物は、アゾ染料(イエロー染料)として好ましく用いることができ、本発明のインクセットにおいてイエローインク組成物に含まれることが好ましい。
Figure 2014152231
(一般式(A−I)中、Rは置換基を表し、Rは−OR又は−NHRを表し、R及びRは水素原子又は置換基を表し、Xは2価の連結基を表し、n0は0又は1であり、Arは2価のヘテロ環基を表し、Arはアルキル基、アリール基又はトリアジン基を表す。)
Arで表される2価のヘテロ環基としては、5員又は6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族ヘテロ環であっても非芳香族ヘテロ環であっても良い。Arで表される2価のヘテロ環基としては、例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。中では芳香族ヘテロ環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられる。チアジアゾールが最も好ましい。それらは置換基を有していても良く、置換基の例としては、前述の置換基群Aと同じである。
、R及びRで表される置換基は、前記置換基群Aより選択される。
はアルキル基、アルコキシ基、アリール基であることが好ましく、炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、ターシャリーブチル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基であることがより好ましく、ターシャリーブチル基であることが更に好ましい。
は置換又は無置換のアミノ基であることが好ましく、Rは無置換のアミノ基であることがより好ましい。
また、Arは置換又は無置換のアリール基であることが好ましく、置換又は無置換のフェニル基であることが更に好ましい。
、R、Arがさらに置換基を有する場合の置換基としては前記置換基群Aが挙げられ、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、又はアルコキシ基が好ましく、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基が更に好ましい。
一般式(A−I)のXで表される二価の連結基は、アルキレン基(例、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アルケニレン基(例、エテニレン、プロぺニレン)、アルキニレン基(例、エチニレン、プロピニレン)、アリーレン基(例、フェニレン、ナフチレン)、二価のヘテロ環基(例、6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基、キノキサリン−2,3−ジイル基)、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO−、−SO−又はこれらの組み合わせであることが好ましい。
前記Xで表されるアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環基、Rで表されるアルキル基又はアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、前記置換基と同じである。Rで表されるアルキル基及びアリール基は、置換若しくは無置換の、アルキル基又はアリール基が含まれる。置換若しくは無置換のアルキル基としては、炭素原子数が1〜30のアルキル基が好ましく、置換若しくは無置換のアリール基としては、炭素数6から30のアリール基が好ましい。
一般式(A−I)のXで表される二価の連結基において、更に好ましくは、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のアルケニレン基、炭素数10以下のアルキニレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、二価のヘテロ環基、−O―、−S−又はこれらの組み合わせであり、アルキレン基、もしくは−S−、又はこれらの組み合わせであることが、更に好ましい。
二価の連結基の総炭素数は0〜50であることが好ましく、0〜30であることがより好ましく、0〜10であることが最も好ましい。
Arで表されるアリール基又はアリーレン基は、前述のRで表されるアリール基又はアリーレン基と同義であり好ましいものも同様である。また、Arで表されるトリアジン基は1価の置換基を有していてもよい(1価の置換基は前述の置換基群Aと同義であり好ましいものも同様である。)。
一般式(A−I)で表される化合物は、下記一般式(A−II)で表される化合物であることが好ましく、下記一般式(A−III)で表される化合物であることが更に好ましい。
Figure 2014152231
(一般式(A−II)中、Rは置換基を表し、Rは−OR又は−NHRを表し、R及びRは水素原子又は置換基を表し、Xは2価の連結基を表し、n0は0又は1であり、Arは2価のヘテロ環基を表し、Aはイオン性親水性基を表し、n1は0〜2を表す。)
一般式(A−II)におけるR、R、Ar、n0及びXは、前記一般式(A−I)におけるR、R、Ar、n0及びXと同義であり好ましいものも同様である。
で表されるイオン性親水性基は、−SOM又は−COMが好ましく、−SOMがより好ましく、−COKが特に好ましい。Mはそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、カリウム塩又はカリウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、カリウム塩が最も好ましい。
一般式(A−III):
Figure 2014152231
(一般式(A−III)中、R20はアルキレン基、−S−、又はこれらの組み合わせからなる連結基を表し、R21はイオン性親水性基を表し、R11はアルキル基を表し、R12はアミノ基を表す。)
20は、前記一般式(A−I)のXで表される二価の連結基におけるアルキレン基と同義であり好ましいものも同様である。
21はカルボキシル基(−COM)を表し、Mはそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、カリウム塩又はカリウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、カリウム塩が最も好ましい。
11で表されるアルキル基及びR12で表されるアミノ基は、それぞれ、前記一般式(A−I)のR、Rにおけるアルキル基及びアミノ基と同義であり好ましいものも同様である。
前記一般式(A−I)、(A−II)又は(A−III)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる化合物は、下記の例に限定されるものではない。なお、具体例中、Etはエチルを、Phはフェニルを、それぞれ意味する。
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231

Figure 2014152231
一般式(A−I)〜(A−III)で表される化合物は、一般的な合成法で合成することが可能であり、例えば特開2004−083903公報中に記載のジアゾ成分及びカップリング成分を変更、種々組み合わせることで合成することができる。
[一般式(B−I)又は(B−V)で表される化合物]
本発明のインクセットにおいて、前記一般式(A−I)で表される化合物を含有するインク組成物(好ましくはイエローインク組成物)は、一般式(A−I)で表される化合物(第1の色材)と共に、第2の色材として、前記一般式(B−I)で表される化合物及び前記一般式(B−V)で表される化合物より選択される少なくとも1種を含有する。
このように、一般式(A−I)で表される第1の色材と一般式(B−I)及び一般式(B−V)より選択される第2の色材とを組み合わせて用いることで相乗効果が発揮され、以下のような効果を得ることができる。すなわち、これらの色材を含有させることで、高い着色力を有するイエローインク組成物とすることができるだけではなく、更に耐光性に優れた画像を与え、加えて、所望の色相を発現することができる。
(一般式(B−I)で表される化合物)
Figure 2014152231
(一般式(B−I)中、Rは水素原子又は置換基を表し、Rは置換基を表し、Rはイオン性親水性基又は環を形成してもよいアルキル基を表し、n4は0〜4であり、n5は2〜5である。)
以下、一般式(B−I)について詳細に説明する。
一般式(B−I)中、R、及びRで表される置換基としては、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよい複素環式基、−NR、−NHCOR、−NHCONR、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、−PO、−SR、−SO、−SONR、−SOR、−SOH、−CF、−CN、−NO、ヒドロキシまたはハロゲンが挙げられる。ここにおいて、RおよびRは、それぞれ独立して、H、置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、置換されていてもよいアリール基(例えばフェニル基)、置換されていてもよい複素環式基であるか、またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、置換されていてもよい五員環または六員環(例えば、ピペリジン、ピロリドン、ピリジン、ピペリザイン(piperizine)またはモルホリン)を形成することができる。
で表されるイオン性親水性基は、−SOM又は−COMが好ましく、−SOMがより好ましい。Mはそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましい。Rで表されるイオン性親水性基は、スルホ基であることが好ましく、スルホ基のカリウム塩であることが更に好ましい。
で表されるアルキル基としては、置換基を有していてもよく、炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましく、ヒドロキシ、ハロゲン、カルボキシまたはスルホ基などで置換されていてもよいメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチルを挙げることができる。例としては、限定されるものではないが、トリフルオロメチル、ヒドロキシエチル、スルホプロピルおよびカルボキシエチルが挙げられる。
で表されるアルキル基が互いに結合して環を形成する場合の環としては置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロ環基が挙げられ、該アリール基及びヘテロ環としては、前述の置換基群Aにおけるアリール基及びヘテロ環基が挙げられ、互いに結合して形成する環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環が挙げられ、ベンゼン環であることが好ましい。
また、Rで表されるアルキル基が互いに結合して形成した環は、スルホン酸基で置換されていることが好ましい。
一般式(B−I)中、R、及びRが、置換されていてもよいアルコキシである場合、それは、好ましくは置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ、より好ましくは炭素原子数1〜4のアルコキシ、例えば、ヒドロキシ、ハロゲンまたはカルボキシ基で置換されていてもよいメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシである。例としては、限定されるものではないが、カルボキシプロピルオキシ、カルボキシエトキシ、ヒドロキシエトキシまたはクロロエトキシが挙げられる。
一般式(B−I)中、R、及びRが、置換されていてもよいアリール基である場合、置換されていてもよいフェニルであることが好ましい。アリール環上の所望による置換基としては、例えば、炭素原子数1〜8のアルキル、炭素原子数1〜8のアルコキシ、−NR、−NHCOR、−NHCONR、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、−PO、−SR、−SO、−SONR、−SOR、−SOH、−CF、−CN、−NO、ヒドロキシまたはハロゲンが挙げられ、ここにおいて、RおよびRは先に記載したとおりである。例としては、限定されるものではないが、カルボキシフェニル、スルホフェニル、ニトロフェニルおよびクロロフェニルが挙げられる。
一般式(B−I)中、R、及びRが、置換されていてもよい複素環式基である場合、それは、好ましくは置換されていてもよい脂肪族複素環式基または置換されていてもよい芳香族複素環式基のいずれか、例えば、置換されていてもよいチオフェン、ピラゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール、イミダゾール、ピリジン、ピロリドン、ピペリザイン、モルホリンまたはピリミジンである。複素環式環上の所望による置換基としては、例えば、炭素原子数1〜8のアルキル、−NR、−NHCOR、−NHCONR、−C(O)OR、−C(O)NR、−SR、−SO、−SONR、−SOR、−SOH、−CF、−CN、−NO、ヒドロキシまたはハロゲンが挙げられ、ここにおいて、RおよびRは先に記載したとおりである。例としては、限定されるものではないが、カルボキシトリアゾール、クロロピリジルおよびシアノチオフェンが挙げられる。
一般式(B−I)中、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、置換されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基(好ましくはメチル基またはエチル基)、置換されていてもよい炭素原子数1〜4のアルコキシ基(好ましくはメトキシ基またはエトキシ基)、−NR−SONRまたは−NHCONRであり、ここにおいて、RおよびRは上記のとおりであるが、より好ましくは、RはHであり、Rは、H、置換されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基(好ましくはメチル基またはエチル基)またはアリール基(好ましくはフェニル基)である。
、及びRそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、カルボン酸基、−NRまたはNHCONHであることが好ましい。
はより好ましくは、ヒドロキシル基、又は−NRである。好ましくはRはHであり、Rは、H、置換されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基(好ましくはメチル基またはエチル基)であり、より好ましくはRはHであり、Rはヒドロキシル基で置換された炭素原子数1〜4のアルキル基(好ましくはメチル基またはエチル基)である。
はより好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキルまたはカルボン酸であり、更に好ましくは、特に良好な溶解度、耐光堅牢度および耐オゾン堅牢度を有することからカルボン酸である。
n4は0〜4であり、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましい。
n5は2〜5であり、2〜4であることが好ましく、2〜4であることがより好ましく、2〜3であることが更に好ましい。水性液体媒体中での一般式(B−I)の化合物の溶解度が改善されるためである。
一般式(B−I)で表される化合物は、下記一般式(B−II)で表される化合物または下記一般式(B−III)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2014152231
(一般式(B−II)中、Rは水素原子又は置換基を表し、Rは置換基を表し、Aはイオン性親水性基を表し、n4は0〜4であり、n2は2〜4を表す。)
で表されるイオン性親水性基は、−SOM又は−COMが好ましく、−SOMがより好ましい。Mはそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましい。Aで表されるイオン性親水性基は、スルホ基であることが好ましく、スルホ基のカリウム塩であることが更に好ましい。
一般式(B−II)におけるR、及びRは一般式(B−I)におけるR、及びRと同義であり好ましいものも同様である。
n4は0〜4であり、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましい。
n2は2〜4であることが好ましく、2〜4であることがより好ましく、2〜3であることが更に好ましい。水性液体媒体中での一般式(B−II)の化合物の溶解度が改善されるためである。
Figure 2014152231
(一般式(B−III)中、Rは水素原子又は置換基を表し、Rは置換基を表し、Aはイオン性親水性基を表し、n4は0〜4であり、n3は2〜4を表す。)
で表されるイオン性親水性基は、−SOM又は−COMが好ましく、−SOMがより好ましい。Mはそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましい。Aで表されるイオン性親水性基は、スルホ基であることが好ましく、スルホ基のカリウム塩であることが更に好ましい。
一般式(B−III)におけるR、及びRは一般式(B−I)におけるR、及びRと同義であり好ましいものも同様である。
n4は0〜4であり、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましい。
n3は2〜4であることが好ましく、2〜4であることがより好ましく、2〜3であることが更に好ましい。水性液体媒体中での一般式(B−III)の化合物の溶解度が改善されるためである。
一般式(B−III)で表される化合物は、下記一般式(B−IV)で表される化合物であることが更に好ましい。
Figure 2014152231
(一般式(B−IV)中、Rはヒドロキシル基、又は−NRを表す。Rはそれぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、カルボン酸基、−NRまたはNHCONHを表す。RおよびRは、それぞれ独立して、H、置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、置換されていてもよいアリール基(例えばフェニル基)、置換されていてもよい複素環式基であるか、またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、置換されていてもよい五員環または六員環を形成することができる。R10はそれぞれ独立にカルボキシル基又はスルホ基を表す。)
およびRが形成する五員環または六員環としては、例えば、ピペリジン、ピロリドン、ピリジン、ピペリザイン(piperizine)またはモルホリンが挙げられる。これらは置換基を有していてもよく、置換基の例としては、前記群Aが挙げられる。Rで表されるアミノ基、Rで表されるアルキル基、アルコキシ基、スルホ基、アミノカルボニルアミノ基、及びR10で表されるスルホ基は、前述の群Aにおけるアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、スルホ基、アミノカルボニルアミノ基、スルホ基と同義であり好ましいものも同様である。
10はスルホ基であることが好ましく、スルホ基のカリウム塩であることが更に好ましい。
一般式(B−I)〜(B−IV)で表される化合物は対称的または非対称的であることができる。
次に本発明の上記一般式(B−I)〜(B−IV)で表される化合物の具体例を下記に示す。
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
一般式(B−I)〜(B−IV)で表される化合物は、一般的な合成法で合成することが可能であり、例えば特表2008−537756号公報中に記載のジアゾ成分及びカップリング成分を変更、種々組み合わせることで合成することができる。
(一般式(B−V)で表される化合物)
Figure 2014152231
(一般式(B−V)中、R13はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R14はそれぞれ独立に、−OR16、−NHR17又はシアノ基を表し、R16及びR17は水素原子又は置換基を表し、Xは置換若しくは無置換のアリール基又は置換若しくは無置換のトリアジン基を表し、n6は0又は1であり、Arはそれぞれ独立に、2価のヘテロ環基を表し、Arはそれぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基又はトリアジン基を表す。)
13はそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、又は置換若しくは無置換のアリール基であることが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、ターシャリーブチル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基であることがより好ましく、水素原子、又はターシャリーブチル基であることが更に好ましい。R13がさらに置換基を有する場合の置換基としては、前記置換基群Aが挙げられ、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、又はアルコキシ基が好ましく、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基が更に好ましい。
14はそれぞれ、シアノ基であることが好ましい。
Arで表される2価のヘテロ環基としては、それぞれ独立に5員又は6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族ヘテロ環であっても非芳香族ヘテロ環であっても良い。
Arで表される2価のヘテロ環基としては、例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。中では芳香族ヘテロ環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられる。チアジアゾールが最も好ましい。それらは置換基を有していても良く、置換基の例としては、前述の置換基群Aと同じであり、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、又はアルコキシ基が好ましく、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基が更に好ましい。
Arはそれぞれ独立に、置換若しくは無置換のアリール基であることが好ましく、置換若しくは無置換のフェニル基であることが更に好ましく、イオン性親水性基で置換されたフェニル基であることが特に好ましく、該イオン性親水性基は、−SOM又は−COMが好ましく、−COMがより好ましい。Mはそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましい。該イオン性親水性基は、カルボキシル基であることが好ましく、カルボキシル基のカリウム塩であることが更に好ましい。
で表される二価の連結基は、アルキレン基(例、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アルケニレン基(例、エテニレン、プロぺニレン)、アルキニレン基(例、エチニレン、プロピニレン)、アリーレン基(例、フェニレン、ナフチレン)、二価のヘテロ環基(例、6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基、キノキサリン−2,3−ジイル基)、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO−、−SO−又はこれらの組み合わせであることが好ましい。これらは更に−OR20(R20は水素原子又はカチオンを表し、Mがカチオンを表す場合はLiイオン、Naイオン、Kイオン又はNH イオンを表す。)により置換されていてもよい。より好ましくは二価のヘテロ環基であり、特に好ましくは、−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル基であり、−OR20で置換されていることがより好ましい。
n6は1であることが好ましい。
一般式(B−V)で表される化合物は、下記一般式(B−VI)で表される化合物であることが好ましく、下記一般式(B−VII)で表される化合物であることが更に好ましい。
Figure 2014152231
(一般式(B−VI)中、R13はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R14はそれぞれ独立に、−OR16、−NHR17又はシアノ基を表し、R16及びR17は水素原子又は置換基を表し、Xは置換若しくは無置換のアリール基又は置換若しくは無置換のトリアジン基を表し、n0は0又は1であり、Arはそれぞれ独立に、2価のヘテロ環基を表し、Aはそれぞれ独立に、イオン性親水性基を表し、n7は0〜2を表す。)
一般式(B−VI)におけるAr、R13、R14、n6及びXは一般式(B−V)におけるAr、R13、R14、n6及びXと同義であり好ましいものも同様である。
が表すイオン性親水性基は、−SOM又は−COMが好ましく、−SOMがより好ましく、−COKが特に好ましい。Mはそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、カリウム塩又はカリウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、カリウム塩が最も好ましい。
n7は1又は2であることが好ましく、2であることがより好ましい。
Figure 2014152231
(一般式(B−VII)中、R15は−OMを表し、R20は−COMを表し、Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。R21は置換若しくは無置換のアルキル基を表し、R13はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R18は置換若しくは無置換のアミノ基を表し、R19はシアノ基を表す。)
一般式(B−VII)におけるR13及びMは、一般式(B−V)におけるR13及びMと同義であり好ましいものも同様である。
21はそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、又は置換若しくは無置換のアリール基であることが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、ターシャリーブチル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基であることがより好ましく、水素原子、又はターシャリーブチル基であることが更に好ましい。R21がさらに置換基を有する場合の置換基としては、前記置換基群Aが挙げられ、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、又はアルコキシ基が好ましく、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基が更に好ましい。
一般式(B−VII)におけるR18は無置換のアミノ基であることが好ましい。
次に上記一般式(B−V)〜(B−VII)で表される化合物の具体例を下記に示す。
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
上記化合物については、特開2006−57076号公報、特開2007−217681号公報に記載の合成法により合成される。
〔色材の含有量〕
本発明のインクセットにおいて、前記一般式(A−I)で表される化合物(第1の色材)と、前記一般式(B−I)で表される化合物及び前記一般式(B−V)で表される化合物より選択される少なくとも1種(第2の色材)とを含有するインク組成物(イエローインク組成物)は、前記第1の色材(染料)及び第2の色材(染料)とを含有し、例えば水性媒体中に前記第1の色材及び第2の色材を溶解してなることが好ましい。
一般式(A−I)で表される染料(第1の色材)の含有量は、インク組成物全量に対し、好ましくは、0.1〜8質量%であり、より好ましくは、0.5〜7.5質量%であり、更に好ましくは1.0〜7質量%である。当該染料を使用することで、得られる画像のにじみや色移りを抑制することができ、また良好な色相や色濃度を有する品質とすることができる。更に、一般的なアゾ染料に比して、光、熱、空気、水、薬品等に対する堅牢性に優れるため、インク及び記録画像の保存安定性に寄与する。
一般式(B−I)又は一般式(B−V)で表される染料(第2の色材)の含有量は、インク組成物全量に対し、好ましくは、0.1〜8質量%であり、より好ましくは、0.5〜7.5質量%であり、更に好ましくは1〜7質量%である。当該第2の色材を第1の色材と組み合わせて使用することで、所望の色相を得ることができる。
なお、この場合の第2の色材の含有量は、下記のようにすることがより好ましい。一般式(B−I)で表される化合物を単独で用いる場合はその含有量が、また、一般式(B−I)で表される化合物及び一般式(B−V)で表される化合物のうち、2種以上を併用する場合はその合計含有量が、それぞれ上記の範囲を満足するように構成することが好ましい。第1の色材及び第2の色材の含有量を上述の範囲とすることで、それぞれ単独の色材を用いた場合には発現できなかった領域での発色が可能となった。さらに、画像の対光性と色調を満足させるだけではなく、色濃度や色再現性といったインクの性能も満足させることが可能となる。
また上記インク組成物は、インクジェット記録用インクであることが好ましい。すなわち、本発明はインクジェット記録用インクセットにも関する。インクジェット記録用インクにおける一般式(A−I)で表される第1の色材及び一般式(B−I)及び一般式(B−V)より選択される第2の色材の含有量は、上記インク組成物中における含有量と同様である。
上記インクジェット記録用インクは、インクジェット記録用インクの原液を水等により希釈して調製してもよい。またインクジェット記録用インクには、インク組成物が含有していてもよい後述の成分を同様に含ませることができる。
インク組成物中における一般式(A−I)で表される第1の色材の含有量は、第2の色材の含有量に対して、質量比率(第1の色材の質量/第2の色材の質量)で、0.1以上10.0以下であることが好ましい。色材の含有量の質量比率を上記範囲となるように構成することで、予測される性能をはるかに上回る所望の色相を発現することができる。
本発明においては更に、第1の色材の含有量は、第2の色材の含有量に対して、質量比率(第1の色材の質量/第2の色材の質量)で、0.1以上8.0以下であることがより好ましく、0.2以上6.0以下であることが更に好ましい。この割合とすることで、堅牢性及び印字濃度等の点でより優れた効果を得ることができ、加えて、インクとしての信頼性も十分に満足することが可能となる。
質量比率が0.1以上であると、インク溶液の保存安定性が向上し、10.0以下であれば、インク組成物の水溶液安定性に優れる。色材の含有量の質量比率を上記範囲となるように構成することで、第1の色材が有する色相・色濃度と、第2の色材が有する色相・色濃度との組み合わせから予測される性能を上回る高いレベルの色相・色濃度の制御を達成することができる。また、好ましい色相の画像が得られ、インクとしての信頼性も満足できる。
第1の色材と第2の色材とを併用することで、相乗効果が発揮され、予測を上回る色相・色濃度の制御を達成できる理由を本発明者らは以下のように推測している。第1の色材は、もともと水性媒体に対する溶解性が低い傾向があるため、これらの化合物を含有するインク組成物を用いたインクを記録媒体に付与すると、その直後から速やかに色材の会合や凝集が起こる。会合や凝集は、画像を形成している記録媒体上の色材の堅牢性を向上させる傾向がある。しかし、その一方で、過度の会合や凝集は、水溶液及びインク溶液への溶解性を低下させ、色相・色濃度を低下させる場合がある。これに対し、第1の色材と第2の色材とを共存させることで第1の色材と第2の色材とで適度な会合・凝集が起こり、記録媒体上で、第1の色材と第2の色材が色相・色濃度に関して最適な会合や凝集の状態を形成し、これにより、画像の色相・色濃度が向上したものと考えられる。このメカニズムは堅牢性(耐光性、耐オゾン性)の向上にも当てはまる。
また、第1の色材と第2の色材とを特定の質量比率で用いることで、相乗効果が発揮され、インク組成物を用いたインクの信頼性が達成される理由を本発明者らは以下のように推測している。上記で述べた通り、インク中には、インクカートリッジやインク供給経路を構成する部材から溶出したと考えられる不純物が混入し、インク供給経路の目詰まりやインク供給特性の低下、インク保存安定性の低下の原因となる場合がある。本発明者らは検討の結果、第一の色材構造に類似の第二の色材をインク中に共存させることにより、インクの着色力を低下させること無く、第一の色材の結晶化抑制を付与することができ、インクの貯蔵安定性を大幅に向上させることができたと考えている。つまり、色材として第1の色材のみを使用することでは達成が困難であったインクの信頼性に関して、第2の色材を併用することにより、予想を上回る効果が得られ、十分な信頼性を達成することができるのである。
また、インク組成物中の第1の色材と、第2の色材との含有量の合計(質量%)が、インク組成物全質量を基準として、0.1質量%以上20.0質量%以下であることが好ましく、特に2.0質量%以上15.0質量%以下であることが好ましい。含有量の合計が2.0質量%以上であれば、耐光性及び発色性が十分に得られ、含有量の合計が15.0質量%以下であれば、インク中に不溶物の析出等が無くインクジェット吐出特性に優れる。
上記インク組成物は、インク原料として、着色剤を高い濃度で含む濃厚水溶液とすることができる。濃厚水溶液の着色剤濃度は15質量%以下、好ましくは12質量%以下であることが染料の経時安定性、取り扱いの容易さ(粘度)の点で好ましく、染料の経時安定性の向上や輸送コストの抑制の観点から、8質量%以上の濃度であることが好ましい。
また、上記インク組成物は、インクジェット用インクとすることもできる。インクジェット用インクの着色剤濃度はインク粘度や、印画物の濃度の点で、1〜12質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましく、3〜6質量%が特に好ましい。3質量%以上とすることで紙上に明瞭な印字を行うことができ、6質量%以下とすることで、高濃度によるインクの析出やそれによるプリンタからの印字不良を防ぐことができる。また、高濃度では、紙に印刷した際に金属光沢が生じたり、粘度が上がることにより均一にインクが印字されなくなる問題が生じる。
前記した第1の色材と第3の色材とを特定の質量比で用いることで、相乗効果が発揮され、予測を上回る耐水性、耐光性、耐オゾン性、色調、濃度、紙依存性も改良が得られる理由は明確には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
一般式(A−I)で表される化合物は、分子間相互作用が働き易く、もともと水への溶解性が低い。そのため、これらの化合物を含有するインクを記録媒体に付与すると、その直後から速やかに水溶性染料の会合や凝集、或いは受像層構成素材との相互作用も起こり易い。会合や凝集は、画像を形成している記録媒体上の水溶性染料の堅牢性を向上させる傾向があるため好ましいが、一方で、過度の会合や凝集は、化合物本来の耐光性の能力を低下させる場合がある。これに対して、一般式(B−I)及び一般式(B−V)より選択される化合物が堅牢性や浸透性に関して最適な会合や凝集の状態を形成し、受像層構成素材との相互作用をも適度に抑制するため、印字濃度までもが、これにより向上したものと考えられる。
なお、上記インクジェット用インクはイエローインクであるが、イエローインクとして好ましい色調とは、以下の二つのことを意味する。すなわち、イエローインクのみを用いて形成した画像が赤味や緑味を帯びていないことを意味する。更に、これに加えて、イエローインクを用いて形成する2次色の画像、つまりレッド領域やグリーン領域の画像を形成する際に、レッド領域及びグリーン領域の色域をいずれも大きく損失することがない色調を有することを意味する。より具体的には、イエローインクのみを用いて形成した画像の色相角が、85°以上92°以下、更には88°以上90°以下であることが好ましい。
本発明のインク組成物(好ましくはインクジェット記録用インク)には、前記一般式(A−I)で表される第1の色材及び前記一般式(B−I)で表される第2の色材とともに、色調を整えるためや性能のバランスをとるために他の染料を併用してもよい。また、フルカラーの画像を得る目的で、本発明のインク組成物とともに他の染料や色素を含むインクを併用してもよい。併用することが出来る染料や色素の例としては以下を挙げることが出来る。
イエロー染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエローを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、更にはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
マゼンタ染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料、例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系染料等を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてマゼンタを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、更にはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
シアン染料としては、例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料のようなアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ染料を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてシアンを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、更にはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
また、ポリアゾ染料などのブラック染料も使用することができる。
水溶性染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料等が挙げられる。好ましいものとしては、
C.I.ダイレクトレッド2、4、9、23、26、31、39、62、63、72、75、76、79、80、81、83、84、89、92、95、111、173、184、207、211、212、214、218、21、223、224、225、226、227、232、233、240、241、242、243、247
C.I.ダイレクトバイオレット7、9、47、48、51、66、90、93、94、95、98、100、101
C.I.ダイレクトイエロー8、9、11、12、27、28、29、33、35、39、41、44、50、53、58、59、68、86、87、93、95、96、98、100、106、108、109、110、130、132、142、144、161、163
C.I.ダイレクトブルー1、10、15、22、25、55、67、68、71、76、77、78、80、84、86、87、90、98、106、108、109、151、156、158、159、160、168、189、192、193、194、199、200、201、202、203、207、211、213、214、218、225、229、236、237、244、248、249、251、252、264、270、280、288、289、291
C.I.ダイレクトブラック9、17、19、22、32、51、56、62、69、77、80、91、94、97、108、112、113、114、117、118、121、122、125、132、146、154、166、168、173、199
C.I.アシッドレッド35、42、52、57、62、80、82、111、114、118、119、127、128、131、143、151、154、158、249、254、257、261、263、266、289、299、301、305、336、337、361、396、397
C.I.アシッドバイオレット5、34、43、47、48、90、103、126
C.I.アシッドイエロー17、19、23、25、39、40、42、44、49、50、61、64、76、79、110、127、135、143、151、159、169、174、190、195、196、197、199、218、219、222、227
C.I.アシッドブルー9、25、40、41、62、72、76、78、80、82、92、106、112、113、120、127:1、129、138、143、175、181、205、207、220、221、230、232、247、258、260、264、271、277、278、279、280、288、290、326
C.I.アシッドブラック7、24、29、48、52:1、172
C.I.リアクティブレッド3、13、17、19、21、22、23、24、29、35、37、40、41、43、45、49、55
C.I.リアクティブバイオレット1、3、4、5、6、7、8、9、16、17、22、23、24、26、27、33、34
C.I.リアクティブイエロー2、3、13、14、15、17、18、23、24、25、26、27、29、35、37、41、42
C.I.リアクティブブルー2、3、5、8、10、13、14、15、17、18、19、21、25、26、27、28、29、38
C.I.リアクティブブラック4、5、8、14、21、23、26、31、32、34
C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、18、22、23、24、25、27、29、35、36、38、39、45、46
C.I.ベーシックバイオレット1、2、3、7、10、15、16、20、21、25、27、28、35、37、39、40、48
C.I.ベーシックイエロー1、2、4、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、39、40
C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、22、26、41、45、46、47、54、57、60、62、65、66、69、71
C.I.ベーシックブラック8、等が挙げられる。
更に上記インク組成物には、顔料も併用し得る。
本技術に用いられる顔料としては、市販のものの他、各種文献に記載されている公知のものが利用できる。文献に関してはカラーインデックス(The Society of
Dyers and Colourists編)、「改訂新版顔料便覧」日本顔料技術協会編(1989年刊)、「最新顔料応用技術」CMC出版(1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版(1984年刊)、W.Herbst,K.Hunger共著によるIndustrial Organic Pigments (VCH Verlagsgesellschaft、1993年刊)等がある。具体的には、有機顔料ではアゾ顔料(アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料)、多環式顔料(フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等)、染付けレーキ顔料(酸性又は塩基性染料のレーキ顔料)、アジン顔料等があり、無機顔料では、黄色顔料のC.I.Pigment Yellow 34,37,42,53など、赤系顔料のC.I.Pigment Red 101,108など、青系顔料のC.I.Pigment Blue 27,29,17:1など、黒系顔料のC.I.Pigment Black 7,マグネタイトなど、白系顔料のC.I. Pigment White 4,6,18,21などを挙げることができる。
画像形成用に好ましい色調を持つ顔料としては、青ないしシアン顔料ではフタロシアニン顔料、アントラキノン系のインダントロン顔料(たとえばC.I.Pigment Blue 60など)、染め付けレーキ顔料系のトリアリールカルボニウム顔料が好ましく、特にフタロシアニン顔料(好ましい例としては、C.I.Pigment Blue 15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6などの銅フタロシアニン、モノクロロないし低塩素化銅フタロシアニン、アルニウムフタロシアニンでは欧州特許860475号に記載の顔料、C.I.Pigment Blue 16である無金属フタロシアニン、中心金属がZn、Ni、Tiであるフタロシアニンなど、中でも好ましいものはC.I.Pigment Blue 15:3、同15:4、アルミニウムフタロシアニン)が最も好ましい。
赤ないし紫色の顔料では、アゾ顔料(好ましい例としては、C.I.Pigment Red 3、同5、同11、同22、同38、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同49:1、同52:1、同53:1、同57:1、同63:2、同144、同146、同184)など、中でも好ましいものはC.I.Pigment Red 57:1、同146、同184)、キナクリドン系顔料(好ましい例としてはC.I.Pigment Red 122、同192、同202、同207、同209、C.I.Pigment Violet 19、同42、なかでも好ましいものはC.I.Pigment Red 122)、染め付けレーキ顔料系のトリアリールカルボニウム顔料(好ましい例としてはキサンテン系のC.I.Pigment Red 81:1、C.I.Pigment Violet 1、同2、同3、同27、同39)、ジオキサジン系顔料(例えばC.I.Pigment Violet 23、同37)、ジケトピロロピロール系顔料(例えばC.I.Pigment Red 254)、ペリレン顔料(例えばC.I.Pigment Violet 29)、アントラキノン系顔料(例えばC.I.Pigment Violet 5:1、同31、同33)、チオインジゴ系(例えばC.I.Pigment Red 38、同88)が好ましく用いられる。
黄色顔料としては、アゾ顔料(好ましい例としてはモノアゾ顔料系のC.I.Pigment Yellow 1,3,74,98、ジスアゾ顔料系のC.I.PigmentYellow 12,13,14,16,17,83、総合アゾ系のC.I.Pigment Yellow 93,94,95,128,155、ベンズイミダゾロン系のC.I.Pigment Yellow 120,151,154,156,180など、なかでも好ましいものはベンジジン系化合物を原料に使用しないもの)、イソインドリン・イソインドリノン系顔料(好ましい例としてはC.I.Pigment Yellow 109,110,137,139など)、キノフタロン顔料(好ましい例としてはC.I.Pigment Yellow 138など)、フラパントロン顔料(例えばC.I.Pigment Yellow 24など)が好ましく用いられる。
黒顔料としては、無機顔料(好ましくは例としてはカーボンブラック、マグネタイト)やアニリンブラックを好ましいものとして挙げることができる。
この他、オレンジ顔料(C.I.Pigment Orange 13,16など)や緑顔料(C.I.Pigment Green 7など)を使用してもよい。
本技術に使用できる顔料は、上述の裸の顔料であっても良いし、表面処理を施された顔料でも良い。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート、ジアゾニウム塩から生じるラジカルなど)を顔料表面に結合させる方法などが考えられ、次の文献や特許に記載されている。(1) 金属石鹸の性質と応用(幸書房)(2) 印刷インキ印刷(CMC出版 1984)(3) 最新顔料応用技術(CMC出版 1986)(4) 米国特許5,554,739号、同5,571,311号(5)特開平9−151342号、同10−140065号、同10−292143号、同11−166145号
特に、上記(4)の米国特許に記載されたジアゾニウム塩をカーボンブラックに作用させて調製された自己分散性顔料や、上記(5)の日本特許に記載された方法で調製されたカプセル化顔料は、インク中に余分な分散剤を使用することなく分散安定性が得られるため特に有効である。
本発明においては、顔料は更に分散剤を用いて分散されていてもよい。分散剤は、用いる顔料に合わせて公知の種々のもの、例えば界面活性剤型の低分子分散剤や高分子型分散剤を用いることが出来る。分散剤の例としては特開平3−69949号、欧州特許549486号等に記載のものを挙げることができる。また、分散剤を使用する際に分散剤の顔料への吸着を促進するためにシナジストと呼ばれる顔料誘導体を添加してもよい。
本技術に使用できる顔料の粒径は、分散後で0.01〜10μの範囲であることが好ましく、0.05〜1μであることが更に好ましい。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造時に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、縦型あるいは横型のアジテーターミル、アトライター、コロイドミル、ボールミル、3本ロールミル、パールミル、スーパーミル、インペラー、デスパーサー、KDミル、ダイナトロン、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986)に記載がある。
〔インクのpH〕
上記インクは、インクの保存安定性及び吐出性の観点から、pHが7.0以上10.0以下であることが好ましい。
〔水性媒体〕
上記インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
〔水溶性有機溶剤〕
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール(グリコール類、ポリオール類などを含む)、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インクの吐出安定性などの観点から、インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下が好ましく、更には10.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
メチルアルコール、エチルアルコール、nープロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類。
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類。
アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトン又はケトアルコール類。
テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類。
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類。
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、チオジグリコールなどのグリコール類。
グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、トリメチロールプロパンなどのポリオール類。
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチルー1,3−プロパンジオール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオ−ルなどのアルキレン基が2〜6個の炭素原子を持つアルキレングリコール類。
ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン。
ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの低級アルキルエーテルアセテート類。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルなどのグリコール誘導体を含む多価アルコールのアルキルエーテル類。
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミンン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミンなどのアミン類。
N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなど。
勿論、本発明はこれらに限られるものではない。これらの水溶性有機溶剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
〔その他の添加剤〕
上記インクは、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。更に、上記インクは必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性ポリマーなど、種々の添加剤を含有してもよい。
上記インク組成物は、安定性向上(特に、ノズルの目詰まり抑制、及び吐出安定性向上)という観点から、水溶性有機溶剤、尿素系化合物、防腐剤、ノニオン性界面活性剤、及び金属キレート剤の少なくとも1種を含有することが好ましい。
水溶性有機溶剤の具体例としては前記のとおりである。
溶媒である水と染料や他の添加剤との親和性の観点から、水溶性有機溶剤としては、多価アルコールを含むことが好ましく、多価アルコールとグリコール誘導体とを含むことがより好ましい。また、多価アルコールとしては、グリセリンが特に好ましい。
〔尿素系化合物〕
次に、尿素系化合物について説明する。
尿素系化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素又はそれらの誘導体などを該尿素系化合物として挙げることができる。これらの化合物は、その保水効果によってインクの水分蒸発を抑えることができ、染料の溶解安定性を向上させるため、インク吐出時のノズルの目詰まりを抑制し、低温での凝固(結晶析出)を防止する。また該染料の会合を緩和することで記録紙等への浸透性を向上させる。更にpH維持剤としての効果も有するため、インクの保存安定性を良好にする。
尿素及びチオ尿素の誘導体としては、特に限定はされないが、メチル尿素、エチル尿素等のモノアルキル尿素;ジメチル尿素(例えば1,1−ジメチル尿素、1,3−ジメチル尿素)、ジエチル尿素(例えば1,1−ジエチル尿素、N、N’−ジエチル尿素)、トリメチル尿素、テトラメチル尿素、n−プロピル尿素、n−ブチル尿素、1,1−ジブチル尿素、1,3−ジブチル尿素、アリル尿素、シクロヘキシル尿素、2,4−ジメチルフェニル尿素、(2,4,6−トリメチルフェニル)尿素、1,3−ビス[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル]尿素等のジアルキル尿素;エチレン尿素、ジメチルエチレン尿素、ジメチルプロピレン尿素等のアルキレン尿素;メチルチオ尿素、エチルチオ尿素等のモノアルキルチオ尿素;ジメチルチオ尿素(例えば1,1−ジメチルチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、)、ジエチルチオ尿素(例えば1,1−ジエチルチオ尿素、1,3−ジエチルチオ尿素)等のジアルキルチオ尿素;エチレンチオ尿素等のアルキレンチオ尿素が挙げられる。
また、より保水効果の高い尿素誘導体として、ヒドロキシ基を有するヒドロキシエチル尿素(例えば(2−ヒドロキシエチル)尿素)、ジヒドロキシエチル尿素(例えばN、N’−ジヒドロキシエチル尿素)、RNCONHCHCHCHOH[式中R、Rは、水素又はC2nOH(n=2又は3)を示し、R及びRは、同時に水素ではない](例えばR=H、R=CHCHOH;R=CHCHOH、R=CHCHOH;R=H、R=CHCHCHOH;R=CHCHCHOH、R=CHCHCHOH等)で表わされる尿素誘導体を挙げることができる。
具体的には、特に限定はされないが、1,3−ビス(βヒドロキシエチル)尿素、(1−γヒドロキシプロピル−3−(βヒドロキシエチル)尿素、1,1−ビス(βヒドロキシエチル)−3−(βヒドロキシエチル)尿素、1,1−ビス−(γヒドロキシプロピル)−3−(βヒドロキシエチル)尿素、3−モノ(βヒドロキシエチル)尿素、1−モノβヒドロキシエチル−3、3−ビス−βヒドロキシエチル尿素、1−モノβヒドロキシエチル−3、3−ビス−γヒドロキシプロピル尿素等である。
これらのなかでも、特にメチル尿素、エチル尿素、N、N’−ジエチル尿素、尿素、エチレン尿素又はN、N’−ジヒドロキシエチル尿素であることが好ましく、例えばインクの保湿性の観点からは、尿素及びN、N’−ジヒドロキシエチル尿素が好ましく、経時的な安定性と溶解安定性の観点からは、エチレン尿素が好ましい。
尿素系化合物の添加量は広い範囲で使用可能であるが、好ましくは、インク組成物全質量を基準として、0.1〜20質量%、より好ましくは、2〜10質量%である。この範囲とすることで、尿素系化合物の効果をより効率的に得ることができ、また水分蒸発時の粘度変化を抑えることができる。尿素系化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上併用して使用してもよい。
〔防腐剤〕
次に、防腐剤について説明する。
本発明において、防腐剤とは微生物、特に細菌・真菌(カビ)の発生、発育を防止する機能を有するものを言う。
本発明に使用可能な防腐剤としては、種々のものが使用可能である。
重金属イオンを含有する無機物系の防腐剤(銀イオン含有物など)や塩類をまず挙げることができる。有機系の防腐剤としては、第4級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等)、フェノール誘導体(フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、キシレノール、ビスフェノール等)、フェノキシエーテル誘導体(フェノキシエタノール等)、複素環化合物(ベンゾトリアゾール、プロキセル(PROXEL)、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等)、アルカンジオール類(ペンチレングリコール(1,2−ペンタンジオール)、イソペンチルジオール(3−メチル−1,3−ブタンジオール)、ヘキサンジオール(1,2−ヘキサンジオール等)、カプリリルグリコール(1,2−オクタンジオール)等)、酸アミド類、カルバミン酸、カルバメート類、アミジン・グアニジン類、ピリジン類(ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド等)、ジアジン類、トリアジン類、ピロール・イミダゾール類、オキサゾール・オキサジン類、チアゾール・チアジアジン類、チオ尿素類、チオセミカルバジド類、ジチオカルバメート類、スルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、スルファミド類、抗生物質類(ペニシリン、テトラサイクリン等)、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、及びその塩など種々のものが使用可能である。
防腐剤として好ましくは複素環化合物、フェノール誘導体、フェノキシエーテル誘導体、及びアルカンジオール類からなる群より選ばれる防腐剤を少なくとも1種用いることが好ましい。また、防腐剤としては防菌防微ハンドブック(技報堂:1986)、防菌防黴剤事典(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載のものも使用し得る。
これらの化合物は油溶性の構造、水溶性の構造のものなど種々のものが使用可能であるが、好ましくは水溶性の化合物である。
上記インク組成物は、2種以上の防腐剤を含有してもよい。本発明では、これらの防腐剤を2種以上併用して使用すると、インク及び記録画像の保存安定性、特に色相安定性が向上し、またインクの長期間の経時における吐出安定性が格段に向上するなど、本発明の効果が更に良好に発揮される。これは、2種以上の防腐剤に菌が接触することにより、個々の防腐剤に対する菌の耐性獲得が抑制されるためであると考えられる。
2種以上の防腐剤を組み合わせる場合、それらの防腐剤は異なった化学構造の骨格を有するものであることが好ましい。また、2種以上の防腐剤を含有する場合には、少なくとも1種の防腐剤が、複素環化合物、フェノール誘導体、フェノキシエーテル誘導体、又はアルカンジオール類であることが好ましく、なかでも複素環化合物であることが好ましい。例えば、複素環化合物とフェノキシエーテル誘導体の組み合わせ、複素環化合物とフェノール誘導体との組み合わせ、複素環化合物とアルカンジオール類との組み合わせ等が好ましく挙げられる。
更に、複素環化合物としては、チアゾール系化合物又はベンゾトリアゾール系化合物であることが好ましい。
チアゾール系化合物は、防腐剤のなかでも、特に防黴剤として機能する。チアゾール系化合物としては、ベンズイソチアゾリン、イソチアゾリン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−(チオシアノメチルチオ)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズチアゾール及び3−アリルオキシ−1,2−ベンズイソチアゾール−1,1−オキシド等を挙げることができる。また、チアゾール系防黴剤としてアーチ・ケミカルズ(株)より製造販売されているProxel(商標)シリーズ(BDN,BD20,GXL,LV,XL2及びUltra10等)を使用することもできる。
ベンゾトリアゾール系化合物は、防腐剤のなかでも、特に防錆剤として機能し、例えば、インクジェットヘッドを構成する金属材料(特に、42合金(42%ニッケルを含有するニッケル−鉄合金))がインクとの接触を原因の一つとする錆の発生を防止することができる。ベンゾトリアゾール系化合物としては、1H−ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール及びこれらのナトリウム塩又はカリウム塩等を挙げることができる。
2種以上の防腐剤を組み合わせる場合の含有量比は、特に限定的ではないが、各防腐剤のそれぞれの含有量が、防腐剤の総含有量の1質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。また各防腐剤のそれぞれの含有量が、防腐剤の総含有量の99質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、80質量%以下であることが更に好ましい。この値とすることで、それぞれの防腐剤の効果を効率的に得ることができ、また防腐剤間の相乗効果も得やすくなる。また、防腐剤の効果を維持しつつ、インクに触れた人、特に防腐剤に対して敏感な人が、かぶれ等を生じる可能性も低減できる。
防腐剤のインク組成物中への添加量(防腐剤を2種以上添加する場合にはその総含有量)は広い範囲で使用可能であるが、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.005〜2.0質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。この値とすることで、防腐剤の効果をより効率的に得ることができ、また析出物の発生の危険性を抑えることができる。
上記インクジェット記録用インクは、前記インク組成物を原液として水等により、例えば2〜5倍に希釈して調製することができる。また水等による希釈の際に、防腐剤を追加で添加してもよい。防腐剤のインクジェット記録用インク中への添加量は、上記インク組成物中における添加量と同様である。
上記インク組成物又はインクジェット記録用インクにおいて、染料の含有量に対する防腐剤の含有量の比(防腐剤/染料)は、質量比で0.0001〜5であることが好ましく、0.0002〜0.5であることがより好まく、0.001〜0.05であることが更に好ましい。
〔ノニオン性界面活性剤〕
次に、ノニオン性界面活性剤について説明する。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、脂肪アミン塩、4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を用いることができる。
特に、下記一般式(I)又は(II)で表される化合物あるいはアセチレングリコール系界面活性剤がより好ましい。
まず、一般式(I)で表される化合物について説明する。
Figure 2014152231
一般式(I)中、R21は炭素数5〜40、好ましくは炭素数8〜18のアルキル基を表し、直鎖であっても分岐であってもよく、また置換されていてもよい。
21で表されるアルキル基に置換可能な基としては、アリール基(例えばフェニル、o−トリル、p−トリル、p−t−ブチルフェニル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)等を挙げることができる。
21で表されるアルキル基の具体例としては、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−ペンタデシル、n−オクタデシル、2−エチルヘキシル、1−エチルペンチル、1−n−ブチルペンチル、1−n−ペンチルヘキシル、1−n−ヘキシルヘプチル、1−n−ヘプチルオクチル、1−n−オクチルノニル、6−メトキシヘキシル、2−フェニルエチル等を挙げることができる。
はエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、2〜40であり、好ましくは3〜30であり、特に好ましくは3〜20である。
一般式(I)で表される化合物のうち、特に好ましいのは下記一般式(I−1)で表される化合物である。
Figure 2014152231
一般式(I−1)中、R22、R23は各々独立に炭素数4〜10の飽和炭化水素を表し、R22、R23の炭素数の合計が8〜18である。m11はエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、3〜20である。R22、R23で表される炭素数4〜10の飽和炭化水素としてはn−ブチル、i−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル等を挙げることができる。R22とR23の炭素数の合計は8〜18であり、8〜16が更に好ましい。m11は3〜20であり、より好ましくは5〜20であり、更に好ましくは6〜18である。
以下に、一般式(I)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014152231
以下の表4に、一般式(I−1)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014152231
次に一般式(II)で表される化合物について説明する。
Figure 2014152231
一般式(II)中、R24は炭素数5〜40、好ましくは炭素数5〜30のアルキル基を表し、直鎖であっても分岐であってもよく、また置換されていてもよい。
24で表されるアルキル基に置換可能な基としては、アリール基(例えばフェニル、o−トリル、p−トリル、p−t−ブチルフェニル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)等を挙げることができる。R24で表されるアルキル基の具体例としては、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−ペンタデシル、n−オクタデシル、2−エチルヘキシル、1−エチルペンチル、1−n−ブチルヘプチル、1−n−ヘキシルノニル、1−n−ヘプチルデシル、1−n−オクチルドデシル、1−n−デシルテトラデシル、6−メトキシヘキシル、2−フェニルエチル等を挙げることができる。
はエチレンオキシドの平均付加数を表し、2〜40であり、好ましくは3〜30であり、特に好ましくは4〜20である。
一般式(II)で表される化合物のうち、特に好ましいのは下記一般式(II−1)で表される化合物である。
Figure 2014152231
一般式(II−1)中、R25、R26は各々炭素数2〜20の飽和炭化水素基であり、炭素数4〜13が好ましい。R25、R26で表される炭素数2〜20の飽和炭化水素基としてはエチル、n−ブチル、i−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル等を挙げることができる。m21はエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、2〜40であり、3〜30が好ましい。
以下に、一般式(II)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014152231
一般式(II−1)で表される化合物としては、例えば、2−ブチルオクタン酸のポリエチレンオキシドの片末端エステル、ウンデカン−6−オールのポリエチレンオキシド付加物などが挙げられる。以下の表5に、一般式(II−1)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014152231
一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物は、公知の方法を用いて合成することが可能であり、例えば藤本武彦著 全訂版「新・界面活性剤入門」(1992年)94〜107頁等に記載の方法で得ることができる。
次にアセチレングリコール系界面活性剤(アセチレン系ポリオキシエチレンオキシドを含む)について説明する。
アセチレングリコール系界面活性剤は、他の界面活性剤と比較して、表面張力及び界面張力を適正に保つ能力に優れており、かつ起泡性がほとんどないという特性を有する。これにより、アセチレングリコール系界面活性剤を含有するインクは、表面張力やヘッドノズル面などインクと接触するプリンター部材との界面張力を適正に保つことができる。またアセチレングリコール系界面活性剤によって、インクの液物性をより好適に調整することもできる。更に、インクの加温保存安定性をより向上させることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられるが、その他にも、下記一般式(III)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014152231
式中R31、R32はそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基を表す。
更に詳しく説明すると、R31、R32はそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等)を表し、置換されていてもよい。置換基の例としては、アルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)等を挙げることができる。このうち、R31、R32としては炭素数1〜12の無置換の直鎖アルキル基若しくは無置換の分岐アルキル基が好ましく、その特に好ましい具体例としてはメチル、エチル、n−ブチル、2−メチルブチル、2,4−ジメチルペンチル等を挙げることができる。
33は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基を表し、アルキル基、フェニル基は置換されていてもよい。
33のアルキル基の置換基としては、アルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ等)、フェニル基を挙げることができる。R33のフェニル基の置換基としては、アルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)等を挙げることができる。R33のうち好ましいのは、水素原子あるいは炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましいのは水素原子である。
Xは水素原子、又は
Figure 2014152231
を表し、R34、R35はそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基を表す。R34、R35の好ましい置換基や具体例は、上記のR31、R32と同じ群から選ばれる置換基や具体例である。R36は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基を表し、その好ましい具体例は上記のR33と同じ群から選ばれる置換基や具体例である。
、mはそれぞれエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、m+mは0〜100、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜40である。
ここで、m=0の時R33は水素原子を表し、m=0の時R36は水素原子を表す。 またXが水素原子を表す時、mは1〜100を表し、好ましくは1〜50、特に好ましくは1〜40を表す。
一般式(III)で表される化合物のうち、特に好ましいのは下記一般式(III−1)で表される化合物である。
Figure 2014152231
式中、R37、R38、R39及びR40は、それぞれ独立に、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を表す。m31とm41はそれぞれエチレンオキシドの付加モル数を表し、それらの和が0〜40、好ましくは2〜20となる数である。
以下に、一般式(III)又は一般式(III−1)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
一般式(III)又は一般式(III−1)で表される化合物は、公知の方法を用いて合成することが可能であり、例えば藤本武彦著 全訂版「新・界面活性剤入門」(1992年)94頁〜107頁等に記載の方法で得ることができる。
また、一般式(III)又は一般式(III−1)で表される化合物は市販品としても容易に入手することができ、その具体的な商品名としてはサーフィノール61,82,104,104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420,440,465,485,504、CT−111,CT−121,CT−131,CT−136,CT−141,CT−151,CT−171,CT−324,DF−37,DF−58,DF−75,DF−110D,DF−210,GA,OP−340,PSA−204,PSA−216,PSA−336,SE,SE−F,TG、GA、ダイノール604(以上、日信化学(株)及びAirProducts&Chemicals社)、オルフィンA,B,AK−02,CT−151W,E1004,E1010,P,SPC,STG,Y,32W、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、SK−14、AE−3(以上、日信化学(株))アセチレノールE00、E13T、E40、E60、E81、E100、E200(以上全て商品名、川研ファインケミカル(株)社製)等を挙げることができる。なかでもサーフィノール465、オルフィンE1010、アセチレノールE100、E200が好適である。
一般式(III−1)で表される化合物としては、例えば、アセチレン系ジオールのエチレンオキシド付加物(SURFYNOLシリーズ(AirProducts&Chemicals社))などが好ましく、なかでも分子量が200以上1000以下のものが好ましく、分子量300以上900以下のものが更に好ましく、分子量400以上900以下のものが特に好ましい。
インク組成物に含有させるノニオン性界面活性剤としては、インクからの析出や分離が起こりにくく、発泡性が少ないことが好ましく、この観点から、疎水性部位の中央付近に親水性基を有するノニオン性界面活性剤、更に疎水性部位が2本鎖若しくは疎水性部位が分岐しているノニオン性界面活性剤が好ましい。なかでも、疎水性部位が2本鎖若しくは疎水性部位が分岐しているノニオン性界面活性剤として一般式(I−1)又は一般式(II−1)で表される化合物、疎水性部位の中央付近に親水性基を有するノニオン性界面活性剤として一般式(III−1)で表される化合物が好ましい。特に、アセチレングリコール系界面活性剤に相当するものが好ましい。
インク組成物におけるノニオン性界面活性剤の含有量は、0.05〜50g/Lであり、好ましくは0.05〜30g/L、更に好ましくは0.1〜20g/Lである。インク組成物中の界面活性剤が0.05g/L以上であると、吐出安定性の低下、混色時の滲みの発生、ひげ発生などのように印字品質が著しく低下することを抑制する傾向がある。またインク組成物中のノニオン性界面活性剤が50g/L以下であると、吐出時、ハード表面へのインクの付着等により印字不良となることを抑制する傾向がある。この観点から、インクの静的表面張力は、25℃において20mN/m以上が好ましく、25mN/m以上がより好ましい。また、25℃において60mN/m以下が好ましく、50mN/m以下がより好ましく、40mN/m以下が特に好ましい。
インク組成物又はインクジェット記録用インクにおいて、染料の含有量に対するノニオン性界面活性剤の含有量の比(ノニオン性界面活性剤/染料)は、質量比で0.02〜1.5であることが好ましく、0.05〜1.2であることがより好ましく、0.1〜1.0であることが特に好ましい。
〔金属キレート剤〕
次に、金属キレート剤について説明する。金属キレート剤とは金属イオンと結合した分子の中に2個以上のドナー原子を持つ金属イオン錯体を形成可能な化合物を指す。
このような化合物としては種々の化合物が知られている。
たとえば脂肪族若しくは芳香族のカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸以上のポリカルボン酸、オキシカルボン酸、ケトカルボン酸、チオカルボン酸、芳香族アルデヒド、アミン系化合物、ジアミン化合物、ポリアミン化合物、アミノポリカルボン酸、ニトリロトリ酢酸誘導体、エチレンジアミンポリカルボン酸、アミノ酸、ヘテロ環カルボン酸、ヘテロ環類、ピリミジン類、ヌクレオシド類、プリン塩基類、β−ジケトン類、オキシン類等を挙げることができる。この中でも特にエチレンジアミンポリカルボン酸類若しくは窒素原子のローンペアがドナーとして作用可能なキレート剤が好ましい。
このような例としては、特に限定されないが、ピリジン−2−カルボン酸、ピリジン−2,3−ジカルボン酸、ピリジン−2,4−ジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、イミノジ酢酸(IDA)、イミノジプロピオン酸、N−メチルイミノジ酢酸、N,N′−エチレンジアミンジ酢酸(EDDA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸−N,N′−ジプロピオン酸(EDPA)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸(EDTP)、1,2−プロピレンジアミンテトラ酢酸(PDTA)、トリメチレンジアミンテトラ酢酸(TMTA)、テトラメチレンジアミンテトラ酢酸、ペンタメチレンジアミンテトラ酢酸、ヘキサメチレンジアミンテトラ酢酸、オクタメチレンジアミンテトラ酢酸、1,2−シクロペンタンジアミンテトラ酢酸、trans−シクロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸(CDTA)、1,3,5−トリアミノシクロヘキサンヘキサ酢酸(CTHA)、エチルエーテルジアミンテトラ酢酸〔2,2−オキシビス(エチルイミノジ酢酸)〕(E−EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、グリコールエーテルジアミンテトラ酢酸(GEDTA)、トリメチレンテトラアミンヘキサ酢酸(TTHA)、キノリン−2−カルボン酸、キノリン−8−カルボン酸、8−ヒドロキシキノリン、1,10−フェナントロリン、2−メチル−1,10−フェナントロリン(70)、5−メチル−1,10−フェナントロリン、EDTA−4ナトリウム、ピコリン酸ナトリウム、キノリン酸ナトリウム、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジメチル−1,10−フェナントロリン、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸4ナトリウム等が挙げられる。
本発明に用いられる金属キレート剤としては、EDTA−4ナトリウム、ピコリン酸ナトリウム、キノリン酸ナトリウム、1,10―フェナントロリン、8−ヒドロキシキノリン、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸4ナトリウムが好ましい。上記金属キレート剤を使用することにより、多へテロ系で分子量の大きい本願染料のインク中の多価金属イオンによる凝集等を抑制するため、インクの受像紙への浸透性が向上し、印画物のブロンズ光沢を抑えることが可能になる。またカルシウムやマグネシウムなどの2価金属イオンが受像紙媒体中に存在すると、本願記載の染料は、受像紙中でいわゆるレーキ顔料を形成し、不溶化・凝集する為、受像紙内部への浸透性に優れ、印画物のブロンズ光沢を抑えることができるようになる。
また、インク組成物において、染料の含有量に対する金属キレート剤の含有量の比(金属キレート剤の含有量(mol)/染料の含有量(mol))は0.5〜1であることが好ましい。
また、インク組成物において、金属キレート剤の含有量が、インク組成物の全質量に対して0.01〜5質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましく、1〜2質量%であることが更に好ましい。
本発明のインクセットは、更に、下記一般式(C−1)で表される化合物を含むインク組成物、下記一般式(D−1)で表される化合物を含むインク組成物、及び下記一般式(E−1)で表される化合物を含むインク組成物を含有することが好ましい。
好ましくは、下記一般式(C−1)で表される化合物を含むインク組成物はシアンインク組成物であり、下記一般式(D−1)で表される化合物を含むインク組成物はマゼンタインク組成物であり、下記一般式(E−1)で表される化合物を含むインク組成物はブラックインク組成物である。
一般式(C−1):
Figure 2014152231
一般式(C−1)中、X21、X22、X23およびX24はそれぞれ独立に−SO−Z、−SO−Z、−SONR2122、スルホ基、−CONR2122、または−COOR21を表す。
はそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。
21、R22はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。
21、Y22、Y23およびY24はそれぞれ独立に、一価の置換基を表す。
21〜a24、b21〜b24は、それぞれX21〜X24およびY21〜Y24の置換基数を表す。a21〜a24はそれぞれ独立に0〜4の数を表すが、全てが同時に0になることはない。b21〜b24はそれぞれ独立に0〜4の数を表す。なお、a21〜a24およびb21〜b24が2以上の数を表す時、複数のX21〜X24、およびY21〜Y24はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
Mは水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。
一般式(D−1):
Figure 2014152231
一般式(D−1)中、A31は5員ヘテロ環ジアゾ成分A31−N−の残基を表す。
31およびB32は各々=CR31−、−CR32=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR31−または−CR32=を表す。R35、R36は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。
、R31、R32は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、ヘテロ環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、ヘテロ環スルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
31とR35、あるいはR35とR36が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
一般式(E−1):
41−(N=N−(B41−N=N−C41
一般式(E−1)中、A41、B41およびC41は、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよいヘテロ環基を表し、A41およびC41は一価の基であり、B41は二価の基である。また、mは1または2であり、nは0以上の整数である。ただし、A41、B41およびC41の少なくとも1つはヘテロ環基である。
<シアンインク組成物>
[一般式(C−1)で表される化合物]
上記一般式(C−1)で表される化合物について説明する。
上記一般式(C−1)で表される化合物は、フタロシアニン染料であることが好ましく、シアンインク組成物に用いられることが好ましい。
上記一般式(C−1)において、X21、X22、X23およびX24は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO−Z、−SONR2122、スルホ基、−CONR2122、または−CO21を表す。これらの置換基の中でも、−SO−Z、−SO−Z、−SONR2122および−CONR2122が好ましく、特に−SO−Zおよび−SONR2122が好ましく、−SO−Zが最も好ましい。ここで、その置換基数を表すa21〜a24のいずれかが2以上の数を表す場合、X21〜X24の内、複数存在するものは同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に上記のいずれかの基を表す。また、X21、X22、X23およびX24は、それぞれ全く同じ置換基であってもよく、あるいは例えばX21、X22、X23およびX24が全て−SO−Zであり、かつ各Zは異なるものを含む場合のように、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基であってもよく、あるいは互いに異なる置換基を、例えば−SO−Zと−SONR2122を含んでいてもよい。
上記Zは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が最も好ましい。
上記R21、R22は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。なかでも、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、および置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、その中でも水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、および置換ヘテロ環基がさらに好ましい。但し、R21、R22がいずれも水素原子であることは好ましくない。
21、R22およびZが表す置換もしくは無置換のアルキル基としては、炭素原子数が1〜30のアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R21、R22、Y21、Y22、Y23およびY24が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。なお、アルキル基の炭素原子数は置換基の炭素原子を含まず、他の基についても同様である。
21、R22およびZが表す置換もしくは無置換のシクロアルキル基としては、炭素原子数が5〜30のシクロアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R21、R22、Y21、Y22、Y23およびY24が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、およびスルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
21、R22およびZが表す置換もしくは無置換のアルケニル基としては、炭素原子数が2〜30のアルケニル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルケニル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R21、R22、Y21、Y22、Y23およびY24が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していてもよい。
21、R22およびZが表す置換もしくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアラルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R21、R22、Y21、Y22、Y23およびY24が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していてもよい。
21、R22およびZが表す置換もしくは無置換のアリール基としては、炭素原子数が6〜30のアリール基が好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R21、R22、Y21、Y22、Y23およびY24が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、染料の酸化電位を貴とし堅牢性を向上させるので電子吸引性基が特に好ましい。電子吸引性基としては、ハメットの置換基定数σp値が正のものが挙げられる。なかでも、ハロゲン原子、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、イミド基、アシル基、スルホ基、4級アンモニウム基が好ましく、シアノ基、カルボキシル基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、イミド基、アシル基、スルホ基、4級アンモニウム基が更に好ましい。
21、R22およびZが表すヘテロ環基としては、5員または6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族ヘテロ環であっても非芳香族ヘテロ環であっても良い。以下にR21、R22およびZで表されるヘテロ環基を、置換位置を省略してヘテロ環の形で例示するが、置換位置は限定されるものではなく、例えばピリジンであれば、2位、3位、4位で置換することが可能である。ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。なかでも、芳香族ヘテロ環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられる。それらは置換基を有していても良く、置換基の例としては、後述のZ、R21、R22、Y21、Y22、Y23およびY24が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。好ましい置換基は前記アリール基の置換基と、更に好ましい置換基は、前記アリール基の更に好ましい置換基とそれぞれ同じである。
21、Y22、Y23およびY24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、カルボキシル基、またはスルホ基を挙げる事ができ、各々はさらに置換基を有していてもよい。
なかでも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基およびスルホ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
、R21、R22、Y21、Y22、Y23およびY24が更に置換基を有することが可能な基であるときは、以下に挙げる置換基を更に有してもよい。
炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖または分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルケニル基(以上の各基は分岐鎖を有するものが染料の溶解性およびインクの安定性を向上させる理由から好ましく、不斉炭素を有するものが特に好ましい。以上の各基の具体例:例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイル)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基および4級アンモニウム基)が挙げられる。
前記一般式(C−1)で表されるフタロシアニン染料が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンのなかでも、アルカリ金属塩が好ましく、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安定性を向上させるため特に好ましい。
イオン性親水性基の数としては、フタロシアニン系染料1分子中少なくとも2個有することが好ましく、スルホ基および/またはカルボキシル基を少なくとも2個有することが特に好ましい。
21〜a24およびb21〜b24は、それぞれX21〜X24およびY21〜Y24の置換基数を表す。a21〜a24は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表すが、全てが同時に0になることはない。b21〜b24は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。なお、a21〜a24およびb21〜b24のいずれかが2以上の整数であるときは、X21〜X24およびY21〜Y24のいずれかは複数個存在することになり、それらは同一でも異なっていてもよい。
21とb21は、a21+b21=4の関係を満たす。特に好ましいのは、a21が1または2を表し、b21が3または2を表す組み合わせであり、そのなかでも、a21が1を表し、b21が3を表す組み合わせが最も好ましい。
22とb22、a23とb23、a24とb24の各組み合わせにおいても、a21とb21の組み合わせと同様の関係であり、好ましい組み合わせも同様である。
Mは、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。
Mとして好ましいものは、水素原子の他に、金属元素として、Li、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi等が挙げられる。酸化物としては、VO、GeO等が好ましく挙げられる。
また、水酸化物としては、Si(OH)、Cr(OH)、Sn(OH)等が好ましく挙げられる。さらに、ハロゲン化物としては、AlCl、SiCl、VCl、VCl、VOCl、FeCl、GaCl、ZrCl等が挙げられる。なかでも、Cu、Ni、Zn、Al等が好ましく、Cuが最も好ましい。
また、L(2価の連結基)を介してPc(フタロシアニン環)が2量体(例えば、Pc−M−L−M−Pc)または3量体を形成してもよく、その時のMはそれぞれ同一であっても異なるものであってもよい。
Lで表される2価の連結基は、オキシ基−O−、チオ基−S−、カルボニル基−CO−、スルホニル基−SO−、イミノ基−NH−、メチレン基−CH−、およびこれらを組み合わせて形成される基が好ましい。
前記一般式(C−1)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
前記一般式(C−1)で表されるフタロシアニン染料のなかでも、下記一般式(C−2)で表される化合物が更に好ましい。
一般式(C−2):
Figure 2014152231
一般式(C−2)において、X51〜X54およびY51〜Y58、Mは一般式(C−1)の中のX21〜X24およびY21〜Y24、Mとそれぞれ同義である。a51〜a54はそれぞれ独立に1または2の整数を表す。
以下に一般式(C−2)で表されるフタロシアニン染料について詳しく述べる。
前記一般式(C−2)において、X51〜X54、Y51〜Y58は一般式(C−1)の中のX21〜X24、Y21〜Y24とそれぞれ同義であり、好ましい例も同じである。また、Mは一般式(C−1)中のMと同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(C−2)中、a51〜a54は、それぞれ独立に、1または2の整数であり、好ましくは4≦a51+a52+a53+a54≦6を満たし、特に好ましくはa51=a52=a53=a54=1のときである。
51、X52、X53およびX54は、それぞれ全く同じ置換基であってもよく、あるいは例えばX51、X52、X53およびX54が全て−SO−Zであり、かつ各Zは異なるものを含む場合のように、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基であってもよく、あるいは互いに異なる置換基を、例えば−SO−Zと−SONR5152を含んでいてもよい。
一般式(C−2)で表されるフタロシアニン染料のなかでも、特に好ましい置換基の組み合わせは、以下の通りである。
51〜X54としては、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO−Z、−SONR5152または−CONR5152が好ましく、特に−SO−Zまたは−SONR5152が好ましく、−SO−Zが最も好ましい。
は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、そのなかでも、置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が最も好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、置換基中に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が好ましい。また、会合性を高め堅牢性を向上させるという理由から、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が置換基中に有する場合が好ましい。
51、R52は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、そのなかでも、水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基がより好ましい。ただしR51、R52が共に水素原子であることは好ましくない。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、置換基中に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が好ましい。また、会合性を高め堅牢性を向上させるという理由から、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が置換基中に有する場合が好ましい。
51〜Y58は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、またはスルホ基であることが好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
51〜a54は、それぞれ独立に、1または2であることが好ましく、全てが1であることが特に好ましい。
は、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表し、特にCu、Ni、Zn、Alが好ましく、なかでも特に特にCuが最も好ましい。
前記一般式(C−2)で表されるフタロシアニン染料が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンのなかでも、アルカリ金属塩が好ましく、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安定性を向上させるため特に好ましい。
イオン性親水性基の数としては、フタロシアニン系染料1分子中に少なくとも2個有することが好ましく、スルホ基および/またはカルボキシル基を少なくとも2個有することが特に好ましい。
前記一般式(C−2)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
一般式(C−2)で表される化合物の化学構造としては、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモイル基のような電子吸引性基を、フタロシアニンの4つの各ベンゼン環に少なくとも一つずつ、フタロシアニン骨格全体の置換基のσp値の合計で1.6以上となるように導入することが好ましい。
ここで、本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について説明する。ハメット則はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年にL.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(McGraw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。尚、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり、説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に包まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。また、本発明の一般式(3−A)の中には、ベンゼン誘導体ではない物も含まれるが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明において、σp値をこのような意味で使用する。
ハメット置換基定数σp値が0.60以上の電子吸引性基としては、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基(例えばメチルスルホニル基、アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基)を例として挙げることができる。
ハメットσp値が0.45以上の電子吸引性基としては、上記に加えアシル基(例えばアセチル基)、アルコキシカルボニル基(例えばドデシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、m−クロロフェノキシカルボニル)、アルキルスルフィニル基(例えば、n−プロピルスルフィニル)、アリールスルフィニル基(例えばフェニルスルフィニル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフロロメチル)を挙げることができる。
ハメット置換基定数σp値が0.30以上の電子吸引性基としては、上記に加え、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば、トリフロロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフロロフェニルオキシ)、スルホニルオキシ基(例えばメチルスルホニルオキシ基)、ハロゲン化アルキルチオ基(例えば、ジフロロメチルチオ)、2つ以上のσp値が0.15以上の電子吸引性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、ペンタクロロフェニル)、およびヘテロ環(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニルー2−ベンゾイミダゾリル)を挙げることができる。
σp値が0.20以上の電子吸引性基の具体例としては、上記に加え、ハロゲン原子などが挙げられる。
一般式(C−2)で表される化合物は、特表2007−510760号公報等に記載された方法により合成することができる。
以下に、一般式(C−2)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014152231
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なお、化合物No.146〜191で示されるフタロシアニン化合物の構造は下記一般式(C)の通りである。なお、m、nは置換数を示す。YqとYq’は各々独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、カルボキシル基、又はアミノ基を表す。
一般式(C):
Figure 2014152231
本発明のインクセットは、シアンインク組成物中、一般式(C−1)で表される化合物を好ましくは、0.2〜20質量%含有し、より好ましくは、0.5〜15質量%含有する。
シアンインク組成物は、一般式(C−1)で表される化合物以外の成分を含有してもよい。これらの成分としては、上記イエローインク組成物において説明した染料、顔料、水溶性有機溶剤、その他の添加剤が挙げられる。
<マゼンタインク組成物>
[一般式(D−1)で表される化合物]
下記一般式(D−1)で表される化合物について説明する。
下記一般式(D−1)で表される化合物は、マゼンタインク組成物に用いられることが好ましい。
一般式(D−1):
Figure 2014152231
一般式(D−1)中、A31は5員ヘテロ環ジアゾ成分A31−N−の残基を表す。
31およびB32は各々=CR31−、−CR32=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR31−または−CR32=を表す。R35、R36は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。
、R31、R32は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、ヘテロ環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、ヘテロ環スルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
31とR35、あるいはR35とR36が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
一般式(D−1)について更に詳細に説明する。
一般式(D−1)において、A31は5員ヘテロ環基を表すが、ヘテロ環のヘテロ原子の例には、N、O、およびSを挙げることができる。好ましくは含窒素5員ヘテロ環であり、ヘテロ環に脂肪族環、芳香族環または他のヘテロ環が縮合していてもよい。A31の好ましいヘテロ環の例には、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環を挙げる事ができる。各ヘテロ環基は更に置換基を有していても良い。中でも下記一般式(a)から(f)で表されるピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環が好ましい。
下記一般式(a)から(f)において、RからR20は一般式(D−1)におけるG3、R31、R32と同じ置換基を表す。
一般式(a)から(f)のうち、好ましいのは一般式(a)、(b)で表されるピラゾール環、イソチアゾール環であり、最も好ましいのは一般式(a)で表されるピラゾール環である。
Figure 2014152231
一般式(D−1)において、B31およびB32は各々=CR31−および−CR32=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR31−または−CR32=を表すが、各々=CR31−、−CR32=を表すものがより好ましい。
35およびR36は各々独立に水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、該各置換基の水素原子は置換されていても良い。
35、R36は好ましくは、水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基を挙げる事ができる。さらに好ましくは水素原子、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基である。最も好ましくは、水素原子、アリール基、ヘテロ環基である。該各置換基の水素原子は置換されていても良い。ただし、R35およびR36が同時に水素原子であることはない。
、R31およびR32は各々独立して、水素原子または置換基を示し、該置換基は、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ヘテロ環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロ環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、該各置換基の水素原子は置換されていても良い。
としては水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールチオ基、またはヘテロ環チオ基が好ましく、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基またはアシルアミノ基であり、中でも水素原子、アミノ基(好ましくは、アニリノ基)、アシルアミノ基が最も好ましい。該各置換基の水素原子は置換されていても良い。
31、R32として好ましいものは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基を挙げる事ができる。該各置換基の水素原子は置換されていても良い。
31とR35、あるいはR35とR36が結合して5〜6員環を形成しても良い。
31が置換基を有する場合、またはR31、R32、R35、R36またはGの置換基が更に置換基を有する場合の置換基としては、上記G、R31、R32で挙げた置換基を挙げる事ができる。
本発明の染料が水溶性染料である場合には、A31、R31、R32、R35、R36、G上のいずれかの位置に置換基としてさらにイオン性親水性基を有することが好ましい。置換基としてのイオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
一般式(D−1)の中でも、特に好ましい構造は、下記一般式(D−2)で表されるものである。
一般式(D−2):
Figure 2014152231
一般式(D−2)において、R31、R32、R35およびR36は一般式(D−1)と同義である。
33およびR34は各々独立に水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。
31はハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基を表す。
32は水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基もしくはヘテロ環基を表す。
Qは水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基もしくはヘテロ環基を表す。
一般式(D−2)中、R31、R32、R35およびR36は一般式(D−1)と同義である。
33およびR34は各々独立に水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。中でも水素原子、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基もしくはアリールスルホニル基が好ましく、水素原子、芳香族基、ヘテロ環基が特に好ましい。
31はハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。Z31はσp値が0.30以上の電子吸引性基であるのが好ましく、0.45以上の電子吸引性基が更に好ましく、0.60以上の電子吸引性基が特に好ましいが、1.0を超えないことが望ましい。好ましい具体的な置換基については後述する電子吸引性置換基を挙げることができるが、中でも、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数1〜20のカルバモイル基及び炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基が好ましい。特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基であり、最も好ましいものはシアノ基である。
32は水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基もしくはヘテロ環基を表す。Z32は好ましくは脂肪族基であり、更に好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。
Qは水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基もしくはヘテロ環基を表す。中でもQは5〜8員環を形成するのに必要な非金属原子群からなる基が好ましい。前記5〜8員環は置換されていてもよいし、飽和環であっても不飽和結合を有していてもよい。その中でも特に芳香族基、ヘテロ環基が好ましい。好ましい非金属原子としては、窒素原子、酸素原子、イオウ原子または炭素原子が挙げられる。そのような環構造の具体例としては、例えばベンゼン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロヘキセン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、イミダゾール環,ベンゾイミダゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサン環、スルホラン環およびチアン環等が挙げられる。
一般式(D−2)で説明した各置換基の水素原子は置換されていても良い。該置換基としては、一般式(D−1)で説明した置換基、G、R31、R32で例示した基やイオン性親水性基が挙げられる。
前記一般式(D−1)で表されるアゾ染料として特に好ましい置換基の組み合わせは、R35およびR36として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、スルホニル基、アシル基であり、さらに好ましくは水素原子、アリール基、ヘテロ環基、スルホニル基であり、最も好ましくは、水素原子、アリール基、ヘテロ環基である。ただし、R35およびR36が共に水素原子であることは無い。
として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基であり、さらに好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基であり、もっとも好ましくは水素原子、アミノ基、アシルアミノ基である。
31のうち、好ましくはピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環であり、さらにはピラゾール環、イソチアゾール環であり、最も好ましくはピラゾール環である。
31およびB32がそれぞれ=CR31−、−CR32=であり、R31、R32は各々好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル基、カルボキシル基、シアノ基、カルバモイル基である。
尚、前記一般式(D−1)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
前記一般式(D−1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014152231

Figure 2014152231



Figure 2014152231


Figure 2014152231

Figure 2014152231

Figure 2014152231

Figure 2014152231
Figure 2014152231

Figure 2014152231
Figure 2014152231


Figure 2014152231

Figure 2014152231

Figure 2014152231

Figure 2014152231
本発明のインクセットは、マゼンタインク組成物中、一般式(D−1)で表される染料を好ましくは、0.2〜20質量%含有し、より好ましくは、0.5〜15質量%含有する。また、その染料の20℃における水への溶解度(又は安定状態での分散度)は、5質量%以上が好ましく、より好ましくは10質量%以上である。
マゼンタインク組成物は、一般式(D−1)で表される化合物以外の成分を含有してもよい。これらの成分としては、上記イエローインク組成物において説明した染料、顔料、水溶性有機溶剤、その他の添加剤が挙げられる。
<ブラックインク組成物>
[一般式(E−1)で表される化合物]
下記一般式(E−1)で表される化合物について説明する。
本発明のインクセットにおいて、一般式(E−1)で表される化合物は、ブラックインク組成物に含有されることが好ましい。
一般式(E−1):
41−(N=N−(B41−N=N−C41
一般式(E−1)中、A41、B41およびC41は、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよいヘテロ環基を表し、A41およびC41は一価の基であり、B41は二価の基である。また、mは1または2であり、nは0以上の整数である。ただし、A41、B41およびC41の少なくとも1つはヘテロ環基である。
一般式(E−1)中、A41、B41およびC41は、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよいヘテロ環基を表す(A41およびC41は一価の基であり、B41は二価の基である)。
mは1または2であり、nは0以上の整数であり、好ましくはm=n=1である。
一般式(E−1)において、A41、B41、C41は、それぞれ独立して、置換されていてもよい芳香族基(A41、C41は1価の芳香族基、例えばアリール基;B41は2価の芳香族基、例えばアリーレン基)または置換されていてもよいヘテロ環基(A41、C41は1価のヘテロ環基;B41は2価のヘテロ環基)を表す。芳香族環の例としてはベンゼン環やナフタレン環をあげることができ、ヘテロ環のヘテロ原子としてはN、O、およびSをあげることができる。ヘテロ環に脂肪族環、芳香族環または他のヘテロ環が縮合していてもよい。
置換基としてはアリールアゾ基またはヘテロ環アゾ基であってもよい。
41、B41、C41の少なくとも1つがヘテロ環基であるのが好ましく、A41、B41、C41の少なくとも2つがヘテロ環基であるのがより好ましい。また、A41、B41、C41の全てがヘテロ環基であってもよい。
41が環構造であるときの好ましいヘテロ環としてはチオフェン環、チアゾール環、イミダゾール環、ベンゾチアゾール環、チエノチアゾール環を挙げることができる。各ヘテロ環基は更に置換基を有していても良い。
一般式(E−1)で表される化合物は、下記一般式(E−2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(E−2):
Figure 2014152231
一般式(E−2)中、Aは置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。
は置換又は無置換のアリール基を表す。
は窒素原子又は−C(R60)=を表す。R60は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。
、及びBはそれぞれ独立に、窒素原子又は−C(R61)=を表す。R61は、水素原子、アルキル基、スルホ基、カルボキシ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。
及びRはそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、又は置換若しくは無置換のアリールアミノ基を表す。
は水素原子、置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、又は置換若しくは無置換のアリールアミノ基を表す。
は置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表し、置換アリール基であることが好ましい。Aが、置換基を有する場合の置換基としては、イオン性親水性基、シアノ基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、ニトロ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、置換又は無置換のカルバモイル基、又は置換又は無置換のスルファモイル基であることが好ましく、イオン性親水性基、シアノ基、メタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、ニトロ基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基であることがより好ましく、イオン性親水性基、又はシアノ基であることがより好ましく、イオン親水性基であることが更に好ましい。
は置換又は無置換のアリール基を表し、該アリール基としては、フェニル基又はナフチル基が好ましい。
上記アリール基が有してもよい置換基としては、イオン性親水性基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、置換若しくは無置換のスルファモイル基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のアシルアミノ基のいずれかであることが好ましい。置換若しくは無置換のアミノ基である場合、ヘテロ環アミノ基であることが好ましい。
置換基としては、イオン性親水性基、置換若しくは無置換のヘテロ環アミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のアシルアミノ基のいずれかであることがより好ましく、水素原子、置換若しくは無置換のヘテロ環アミノ基、置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のアシルアミノ基のいずれかであることが特に好ましい。
ヘテロ環アミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基が置換基を有する場合の置換基としては、それぞれ独立に、イオン性親水性基(例えば、−COM、−SOM:Mは一価のカウンターカチオン)であることより好ましい。
該置換基は更に置換基を有していてもよく、更なる置換基としては、水酸基、置換若しくは無置換のアミノ基又はイオン性親水性基を有していてもよいアリール基、イオン性親水性基を有していてもよいヘテロ環基を挙げることができ、置換若しくは無置換のアミノ基であることが好ましい。該置換アミノ基の置換基としては、例えば、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基であることが好ましく、イオン性親水性基で置換されたアルキル基、又はイオン性親水性基で置換されたアリール基であることがより好ましい。
ヘテロ環アミノ基としては、置換若しくは無置換のトリアジニルアミノ基が好ましく、置換基を有するトリアジニルアミノ基がより好ましい。
トリアジニルアミノ基が有する置換基としては、置換若しくは無置換のアミノ基が好ましく、置換若しくは無置換のアミノ基であることが特に好ましい。
該置換アミノ基の置換基としては、上述の例が好適に用いられる。ここで、イオン性親水性基で置換されたアルキル基におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、又はn−プロピル基が好ましく、エチル基がより好ましい。イオン性親水性基で置換されたアリール基におけるアリール基としてはフェニル基が好ましい。
アシルアミノ基としては、アルキルカルボニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアルキルカルボニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアリールカルボニルアミノ基が好ましい。該アルキルカルボニルアミノ基におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、又はn−プロピル基が好ましく、エチル基がより好ましい。該アリールカルボニルアシル基におけるアリール基としてはフェニル基が好ましい。
置換基は、互いに結合して環を形成しても良く、該環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環が挙げられ、ベンゼン環であることが好ましい。
置換アミノ基としてより具体的には、下記の置換基(A1)を挙げることができる。
Figure 2014152231
(置換基(A1)中、*は結合手を表す。Lは単結合、カルボニル基、スルホニル基を表す。Rは置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。)
は置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基であることが好ましく、置換基を有する場合の置換基は、イオン性親水性基、アリールアミノ基、アルキルアミノ基が挙げられる。
前記置換基(A1)は、下記置換基(A2)又は(A3)であることが好ましい。
Figure 2014152231
(置換基(A2)及び(A3)中、*は結合手を表す。Lはカルボニル基、又はスルホニル基を表す。RA2は置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。RA3は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。)
A2は置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、アルキル基であることが好ましい。置換基を有する場合の置換基は、イオン性親水性基であることが好ましい。
はカルボニル基であることが好ましい。
A3は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表し、置換基を有する場合の置換基は、アルキルアミノ基、アリールアミノ基であることが好ましく、アルキルアミノ基又はアリールアミノ基であることがより好ましく、これらは更に置換基を有していてもよくイオン性親水性基により置換されていることが好ましい。
前記置換基(A3)は、下記置換基(A4)であることが好ましい。
Figure 2014152231
(置換基(A4)中、*は結合手を表す。RA4はそれぞれ独立に置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、又は置換若しくは無置換のアリールアミノ基を表す。)
A4はそれぞれ独立に置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、または置換若しくは無置換のアリールアミノ基を表し、置換基を有する場合の置換基は、イオン性親水性基であることが好ましい。
前記置換基(A1)〜(A4)の具体例を以下に示すが、下記の例に限定されるものではない。
Figure 2014152231
は窒素原子又は−C(R60)=を表し、窒素原子であることが好ましい。R60は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表し、カルバモイル基(−CONH基)又はシアノ基であることが好ましく、シアノ基であることがより好ましい。
、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、又は置換若しくは無置換のアリールアミノ基を表し、置換若しくは無置換のアリールアミノ基であることが好ましい。置換若しくは無置換のフェニルアミノ基であることが好ましい。
、及びRが、置換基を有する場合の置換基としては、イオン性親水性基、シアノ基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、ニトロ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、置換又は無置換のカルバモイル基、又は置換又は無置換のスルファモイル基であることが好ましく、イオン性親水性基、シアノ基、メタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、ニトロ基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基であることがより好ましく、イオン性親水性基、又はシアノ基であることがより好ましく、イオン親水性基であることが更に好ましい。
、及びBはそれぞれ独立に、窒素原子又は−C(R61)=を表し−C(R61)=であることが好ましい。R61は、水素原子、アルキル基、スルホ基、カルボキシ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表し、アルキル基又はシアノ基であることがより好ましい。
は水素原子、置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、又は置換若しくは無置換のアリールアミノ基を表し置換若しくは無置換のアリールアミノ基であることが好ましい。置換若しくは無置換のフェニルアミノ基であることが好ましい。
が、置換基を有する場合の置換基としては、イオン性親水性基、シアノ基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、ニトロ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、置換又は無置換のカルバモイル基、又は置換又は無置換のスルファモイル基であることが好ましく、イオン性親水性基、シアノ基、メタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、ニトロ基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基であることがより好ましく、イオン性親水性基、又はシアノ基であることがより好ましく、イオン親水性基であることが更に好ましい。
一般式(E−2)で表される化合物は、下記一般式(E−3)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(E−3):
Figure 2014152231
一般式(E−3)中、Aは置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換の含窒素5員ヘテロ環基を表す。
は置換又は無置換のアリール基を表す。
は窒素原子又は−C(R60)=を表す。R60は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。
Mはそれぞれ独立に水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。
一般式(E−3)におけるG、R、及びAは、前記一般式(E−2)におけるG、R、及びAと同義であり好ましいものも同様である。
以下に、一般式(E−1)で表される化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されない。
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
一般式(E−1)〜(E−3)で表される化合物は、ジアゾ成分とカプラーとのカップリング反応によって合成することができるが、それらについては、特開2003−306623号や特開2005−139427号に記載がある。
本発明のインクセットでは、ブラックインク組成物中、一般式(E−1)で表される染料を好ましくは、0.2〜20質量%含有し、より好ましくは、0.5〜15質量%含有する。
ブラックインク組成物は、一般式(E−1)で表される化合物以外の成分を含有してもよい。これらの成分としては、上記イエローインク組成物において説明した染料、顔料、水溶性有機溶剤、その他の添加剤が挙げられる。
<その他のインク組成物>
本発明のインクセットは、上記イエローインク組成物、シアンインク組成物、マゼンタインク組成物、ブラックインク組成物以外のインク組成物を含有してもよい。例えば、ライトマゼンタインク組成物、ライトシアンインク組成物、ダークイエローインク組成物、フォトシアンインク組成物、フォトマゼンタインク組成物、レッドインク組成物、グリーンインク組成物及びブルーインク組成物などが挙げられる。また、これらのインク組成物と実質的に同一の色調を有する、所謂淡インクを更に組み合わせて用いることもできる。これらのインク又は淡インクの水溶性染料は、公知の染料であっても、新規に合成された水溶性染料であっても用いることができる。
<インクジェット印刷機用カートリッジインク>
本発明のインクセットは、インクジェット印刷機用のカートリッジインクセットとして好適に使用することができる。即ち、上記インクセットを印刷機用カートリッジ内のチャンバーに充填することにより、インクジェット印刷機により画像を形成することができる。
<記録媒体>
上記インクセットを用いて画像を形成する際に用いる記録媒体は、インクを付与して記録を行う記録媒体であればいずれのものでも用いることができる。本発明においては、染料や顔料などの色材をインク受容層の多孔質構造を形成する微粒子に吸着させる、インクジェット用の記録媒体を用いることが好ましい。特には、支持体上のインク受容層に形成された空隙によりインクを吸収する、所謂、隙間吸収タイプのインク受容層を有する記録媒体を用いることが好ましい。隙間吸収タイプのインク受容層は、微粒子を主体として構成されるものであり、更に必要に応じて、バインダーやその他の添加剤を含有してもよい。
微粒子は、具体的には、以下のものを用いることができる。シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、アルミナ又はアルミナ水和物などの酸化アルミニウム、珪藻土、酸化チタン、ハイドロタルサイト、又は酸化亜鉛などの無機顔料。尿素ホルマリン樹脂、エチレン樹脂、スチレン樹脂などの有機顔料。これらの微粒子は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
バインダーは、水溶性高分子やラテックスなどが挙げられ、具体的には、以下のものを用いることができる。ポリビニルアルコール、澱粉、ゼラチン、又はこれらの変性体。アラビアゴム。カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、又はヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体。SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、又はエチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス。ポリビニルピロリドン。無水マレイン酸若しくはその共重合体、又はアクリル酸エステル共重合体など。これらのバインダーは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
その他に、必要に応じて添加剤を用いることができる。例えば、分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、染料定着剤などを用いることができる。
本発明のインクセットを用いて画像を形成する際には、平均粒子径が1μm以下である微粒子を主体として、インク受容層を形成した記録媒体を用いることが好ましい。前記微粒子の具体例は、シリカ微粒子や酸化アルミニウム微粒子などが挙げられる。シリカ微粒子として好ましいものは、コロイダルシリカに代表されるシリカ微粒子である。コロイダルシリカは市販品を用いることもできるが、特には、例えば、特許第2803134号公報、同2881847号公報に記載のコロイダルシリカを用いることが好ましい。また、酸化アルミニウム微粒子として好ましいものは、アルミナ水和物微粒子(アルミナ系顔料)を挙げることができる。
記録媒体は上記したインク受容層を支持するための支持体を有することが好ましい。支持体は、インク受容層が、上記多孔質の微粒子で形成することが可能であって、かつインクジェット記録装置などの搬送機構によって搬送可能な剛度を与えるものであれば、特に制限はなく、いずれのものも用いることができる。例えば、天然セルロース繊維を主体としたパルプ原料で構成される紙支持体を用いることができる。また、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタラート)、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリイミドなどの材料で構成されるプラスチック支持体を用いることができる。更に、基紙の少なくとも一方の面に白色顔料などを添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(例:RCペーパー)を用いることができる。
<インクジェット記録方法>
本発明は、上記インクセット又はインクジェット記録用インクセットを使用して、インクジェットプリンターにより画像記録を行うインクジェット記録方法にも関する。
本発明のインクセットはインクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。
インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
本発明のインクジェット記録用インクは、インクジェット記録以外の用途に使用することもできる。例えば、ディスプレイ画像用材料、室内装飾材料の画像形成材料及び屋外装飾材料の画像形成材料などに使用が可能である。
ディスプレイ画像用材料としては、ポスター、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、商業宣伝用チラシ、包装紙、ラッピング材料、紙袋、ビニール袋、パッケージ材料、看板、交通機関(自動車、バス、電車など)の側面に描画や添付した画像、ロゴ入りの洋服、等各種の物を指す。本発明の染料をディスプレイ画像の形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
室内装飾材料としては、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、照明器具の部材、家具の部材、床や天井のデザイン部材等各種の物を指す。本発明の染料を画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
屋外装飾材料としては、壁材、ルーフィング材、看板、ガーデニング材料屋外装飾小物(置物や人形など)、屋外照明器具の部材等各種の物を指す。本発明の染料を画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像ののみならず、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
以上のような用途において、パターンが形成されるメディアとしては、紙、繊維、布(不織布も含む)、プラスチック、金属、セラミックス等種々の物を挙げることができる。染色形態としては、媒染、捺染、若しくは反応性基を導入した反応性染料の形で色素を固定化することもできる。この中で、好ましくは媒染形態で染色されることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。
以下、実施例に本発明の染料混合物の合成法を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(合成例)
〔化合物(A−1)の合成〕
以下に示す化合物A−1で表される染料は、例えば下記合成ルートから誘導することができる。
Figure 2014152231
(合成例A−1−1)
DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)450mLと1,2−ジクロロエタン24.75g中に、室温で化合物(a)(2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール(和光純薬工業(株)製/カタログ番号019−11125))76.5gを加え、炭酸カリウム79.5gを添加後に70℃まで昇温して同温度で30分間撹拌した。引き続き、80℃の温水375mLを上記反応液中に10分間かけて滴下し、内温25℃まで冷却した。析出した結晶をろ別し、イオン交換水250mL、引き続きメタノール150mLで洗浄後70℃にて一晩乾燥して化合物(b)65.1gを得た。
(合成例A−1−2)
アミノイソフタル酸((和光純薬工業(株)製/カタログ番号322−26175))(A)181.2gをイオン交換水1000mlに懸濁後、濃塩酸257mLを添加し、氷浴で5℃に保った。そこへ亜硝酸ナトリウム69.7gの水溶液116mlを滴下した(反応液A)。亜硫酸ナトリウム378.1gの水溶液1300mlを内温25℃で攪拌し、そこへ上記反応液Aを注入した。この状態で30分攪拌した後、内温を30℃まで加熱して、60分攪拌した。この反応液に塩酸500mLを添加し、すぐに内温50℃まで昇温した(反応液B)。この状態で90分攪拌した後に、ピバロイルアセトニトリル(東京化成(株)製/カタログ番号P1112)125.2gとイソプロパノール100mLを上記反応液Bに添加後、内温を93℃まで昇温し、240分間攪拌した。室温まで冷却後、析出した結晶(C)を吸引濾過し、結晶をイオン交換水1500mL、続いてイソプロパノール1000mLで洗浄後乾燥した。単離収率223.5g。収率73.7%。
(合成例A−1−3)
メタンスルホン酸100mL、酢酸120mL、プロピオン酸180mL中に、室温で化合物(b)29.2gを添加し、内温を45℃まで昇温して均一溶液にした後に内温0℃まで冷却した。引き続き、NaNO14.7gとイオン交換水27mLの溶液を上記均一溶液中に内温0〜10℃を保ちながら滴下し、内温5℃で15分間撹拌して、ジアゾニウム塩を調製した。合成例A−1−2で作成したカプラー成分(結晶)(C)60.6g、メタノール600mL、エチレングリコール600mLから予め作成した溶液に、内温0〜10℃を保つ速度で上記ジアゾニウム塩溶液を滴下した。引き続き、内温25℃で30分間撹拌した。析出した結晶をろ過し、メタノール250mLで洗浄後、粗結晶を650mLの水に分散し、その後内温80℃で30分間撹拌後室温まで冷却し、ろ過、水300mLで洗浄後、60℃で一晩乾燥して、64.47gの色素(D)を得た。
(合成例A−1−4)
予め調製したKOH(錠剤)16.5gとイオン交換水414.9mLの溶液中に、内温20〜30℃で上記合成例A−1−3で作成した色素(D)46.1gを添加して溶解した。
引き続き、酢酸カリウム40.0gとメタノール200mLの溶液を上記色素水溶液中に内温25℃で滴下し、引き続き同温で10分間撹拌した。その後、IPA(イソプロパノール)2488mLを滴下して造塩し、同温度で30分間撹拌後にろ過、IPA500mLで洗浄、70℃で一晩乾燥して、44gの化合物(A−1)で表される水溶性染料の粗結晶を得た。
(合成例A−1−5)
イオン交換水78.3mLに化合物(A−1)で表される水溶性染料の粗結晶8.7gを室温で溶解後、0.1N塩酸を用いて水溶液のpH値を8.5に調整し、0.2μmのメンブランフィルターでろ過後、ろ液中にIPA391.5mLを内温25℃で滴下した。析出した結晶をろ過、IPA100mLで洗浄後、80℃で一晩乾燥して、7.8gの化合物(A−1)で表される水溶性染料の精結晶を得た。{λmax:428nm(HO)、εmax:4.20×10
Figure 2014152231
<インク組成物の調製>
下記インク処方A及びBのインクセットを作成した。各インク組成物は、下記組成に基づき、各成分を常温において30分間攪拌した後、得られた溶液を目開き1.0μmのメンブランフィルターを用いて濾過することにより各インク組成物を調製した。
[インク処方A]
〔ライトシアンインク=LC−101処方〕
(固形分)
シアン染料(下記表6〜9に記載のシアン染料) 20g/l
尿素(UR) 15g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
PROXEL XL2(PXL) 3.5g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 110g/l
グリセリン(GR) 130g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 110g/l
2−ピロリドン(PRD) 60g/l
トリエタノールアミン(TEA) 7g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔シアンインク=C−101処方〕
(固形分)
シアン染料(下記表6〜9に記載のシアン染料) 60g/l
尿素(UR) 30g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
PROXEL XL2(PXL) 3.5g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 110g/l
グリセリン(GR) 130g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 130g/l
2−ピロリドン(PRD) 60g/l
トリエタノールアミン(TEA) 7g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔ライトマゼンタインク=LM−101処方〕
(固形分)
マゼンタ色素(下記表6〜9に記載のマゼンタ染料) 7.5g/l
尿素(UR) 10g/l
PROXEL XL2(PXL) 5g/l
(液体成分)
ジエチレングリコール(DEG) 90g/l
グリセリン(GR) 70g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 70g/l
トリエタノールアミン(TEA) 6.9g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔マゼンタインク=M−101処方〕
(固形分)
マゼンタ色素(下記表6〜9に記載のマゼンタ染料) 23g/l
尿素(UR) 15g/l
PROXEL XL2(PXL) 5g/l
(液体成分)
ジエチレングリコール 90g/l
グリセリン 70g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 70g/l
トリエタノールアミン 6.9g/l
サーフィノールSTG 10g/l
〔イエローインク=Y−101処方〕
(固形分)
イエロー染料(下記表6〜9に記載のイエロー染料) 35g/l
PROXEL XL2(PXL) 3.5g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
尿素 10g/l
(液体成分)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 130g/l
グリセリン(GR) 115g/l
ジエチレングリコール(DEG) 120g/l
2−ピロリドン 35g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔ダークイエローインク=DY−101処方〕
(固形分)
イエロー染料(下記表6〜9に記載のイエロー染料) 35g/l
マゼンタ染料(下記表6〜9に記載のマゼンタ染料) 2g/l
シアン染料(下記表6〜9に記載のシアン染料) 2g/l
PROXEL XL2(PXL) 5g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
尿素 10g/l
(液体成分)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 140g/l
グリセリン(GR) 125g/l
ジエチレングリコール(DEG) 120g/l
2−ピロリドン 35g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔ブラックインク=Bk−101処方〕
(固形分)
ブラック染料(下記表6〜9に記載のブラック染料) 105g/l
PROXEL XL2(PXL) 5g/l
尿素 10g/l
ベンゾトリアゾール 3g/l
(液体成分)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DGB) 120g/l
グリセリン(GR) 125g/l
ジエチレングリコール(DEG) 100g/l
2−ピロリドン 35g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
[インク処方B]
〔フォトシアンインク液=LC−201処方〕
(固形分)
シアン染料(下記表6〜9に記載のシアン染料) 10g/l
尿素(UR) 15g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
PROXEL XL2(PXL) 3.5g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 50g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 60g/l
1,5−ペンタンジオール(PTD) 40g/l
イソプロパノール(IPA) 20g/l
トリエタノールアミン(TEA) 7g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔シアンインク=C−201処方〕
(固形分)
シアン染料(下記表6〜9に記載のシアン染料) 30g/l
尿素(UR) 40g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
PROXEL XL2(PXL) 3.5g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 40g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 70g/l
1,5−ペンタンジオール(PTD) 50g/l
イソプロパノール(IPA) 20g/l
トリエタノールアミン(TEA) 7g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔フォトマゼンタインク=LM−201処方〕
(固形分)
マゼンタ色素(下記表6〜9に記載のマゼンタ染料) 7.5g/l
尿素(UR) 10g/l
PROXEL XL2(PXL) 5g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 40g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 60g/l
1,5−ペンタンジオール(PTD) 40g/l
イソプロパノール(IPA) 20g/l
トリエタノールアミン(TEA) 6.9g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔マゼンタインク=M−201処方〕
(固形分)
マゼンタ色素(下記表6〜9に記載のマゼンタ染料) 23g/l
尿素(UR) 15g/l
PROXEL XL2(PXL) 5g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 50g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 50g/l
1,5−ペンタンジオール(PTD) 40g/l
イソプロパノール(IPA) 20g/l
トリエタノールアミン 6.9g/l
サーフィノールSTG 10g/l
〔イエローインク=Y−201処方〕
(固形分)
イエロー染料(下記表6〜9に記載のイエロー染料) 35g/l
PROXEL XL2(PXL) 3.5g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
尿素 10g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 40g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 70g/l
1,5−ペンタンジオール(PTD) 60g/l
イソプロパノール(IPA) 20g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔ブラックインク=Bk−201処方〕
(固形分)
ブラック染料(下記表6〜9に記載のブラック染料) 105g/l
PROXEL XL2(PXL) 5g/l
尿素 10g/l
ベンゾトリアゾール 3g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 60g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 70g/l
1,5−ペンタンジオール(PTD) 50g/l
イソプロパノール(IPA) 20g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
下記表6〜9に記載のシアン染料No.154及び191は、前記一般式(C)中のYqとYq’が全て水素原子である化合物である。
これらのインクをEPSON社製インクジェットプリンターPM−980C(実施例A)またはPIXUS950i(実施例B)のインクカートリッジに装填し、C、M、Y、B、G、R6色とグレーに関して、階段状に濃度が変化した画像パターンを印字させた。
比較例のインクセットとして、キヤノン株式会社製のBCI−321、BCI−351、セイコーエプソン株式会社製のIC−50、IC−70を用いた。
ここで使用した受像シートは、富士フイルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩」を用いた。
これらのサンプルを使用して、画像保存性の評価を行った。なお、評価には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインク組成物を用いた。
光堅牢性(LF)は印字直後の画像濃度Ci(OD_RED)を反射濃度計(X−Rite310TR)にて測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(8万5千ルックス)を21日照射した後、再び画像濃度Cf(OD_RED)を測定し染料残存率{(Cf(OD_RED)/Ci(OD_RED))×100}を求め評価を行った。OD_GREEN、OD_BLUEについても同様に評価した。
耐オゾン性(OF)については、前記画像を形成したフォト光沢紙を、オゾンガス濃度が5ppmに設定されたボックス内に7日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、上記と同様に染料残存率として評価した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
耐湿性(HF)は温度30℃、湿度90%の恒温槽で7日間放置した前後での反射濃度の残存率(%)から上記と同様に算出した。
LF、OF、HFは、OD_RED、OD_GREEN、OD_BLUEのそれぞれの差が、0〜15%であることが好ましく、0〜10%であることがより好ましく、0〜5%であることが更に好ましい。
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231
Figure 2014152231

Claims (14)

  1. 少なくとも、下記一般式(A−I)で表される化合物と、下記一般式(B−I)で表される化合物及び下記一般式(B−V)で表される化合物から選択される少なくとも1種の化合物とを含むインク組成物を含有するインクセット。
    Figure 2014152231

    (一般式(A−I)中、Rは置換基を表し、Rは−OR又は−NHRを表し、R及びRは水素原子又は置換基を表し、Xは2価の連結基を表し、n0は0又は1であり、Arは2価のヘテロ環基を表し、Arはアルキル基、アリール基又はトリアジン基を表す。)
    Figure 2014152231

    (一般式(B−I)中、Rは水素原子又は置換基を表し、Rは置換基を表し、Rはイオン性親水性基又は環を形成してもよいアルキル基を表し、n4は0〜4であり、n5は2〜5である。)
    Figure 2014152231

    (一般式(B−V)中、R13はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R14はそれぞれ独立に、−OR16、−NHR17又はシアノ基を表し、R16及びR17は水素原子又は置換基を表し、Xは置換若しくは無置換のアリール基又は置換若しくは無置換のトリアジン基を表し、n6は0又は1であり、Arはそれぞれ独立に、2価のヘテロ環基を表し、Arはそれぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基又はトリアジン基を表す。)
  2. 更に、下記一般式(C−1)で表される化合物を含むインク組成物、下記一般式(D−1)で表される化合物を含むインク組成物、及び下記一般式(E−1)で表される化合物を含むインク組成物を含有する請求項1に記載のインクセット。
    一般式(C−1):
    Figure 2014152231

    一般式(C−1)中、X21、X22、X23およびX24はそれぞれ独立に−SO−Z、−SO−Z、−SONR2122、スルホ基、−CONR2122、または−COOR21を表す。
    はそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。
    21、R22はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。
    21、Y22、Y23およびY24はそれぞれ独立に、一価の置換基を表す。
    21〜a24、b21〜b24は、それぞれX21〜X24およびY21〜Y24の置換基数を表す。a21〜a24はそれぞれ独立に0〜4の数を表すが、全てが同時に0になることはない。b21〜b24はそれぞれ独立に0〜4の数を表す。なお、a21〜a24およびb21〜b24が2以上の数を表す時、複数のX21〜X24、およびY21〜Y24はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    Mは水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。
    一般式(D−1):
    Figure 2014152231
    一般式(D−1)中、A31は5員ヘテロ環ジアゾ成分A31−N−の残基を表す。
    31およびB32は各々=CR31−、−CR32=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR31−または−CR32=を表す。R35、R36は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。
    、R31、R32は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、ヘテロ環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、ヘテロ環スルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
    31とR35、あるいはR35とR36が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
    一般式(E−1):
    41−(N=N−(B41−N=N−C41
    一般式(E−1)中、A41、B41およびC41は、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよいヘテロ環基を表し、A41およびC41は一価の基であり、B41は二価の基である。また、mは1または2であり、nは0以上の整数である。ただし、A41、B41およびC41の少なくとも1つはヘテロ環基である。
  3. 前記一般式(A−I)で表される化合物が、下記一般式(A−II)で表される化合物である請求項1又は2に記載のインクセット。
    Figure 2014152231

    (一般式(A−II)中、Rは置換基を表し、Rは−OR又は−NHRを表し、R及びRは水素原子又は置換基を表し、Xは2価の連結基を表し、n0は0又は1であり、Arは2価のヘテロ環基を表し、Aはイオン性親水性基を表し、n1は0〜2を表す。)
  4. 前記一般式(A−I)で表される化合物が、下記一般式(A−III)で表される化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクセット。
    Figure 2014152231

    (一般式(A−III)中、R20はアルキレン基、−S−、又はこれらの組み合わせからなる連結基を表し、R21はイオン性親水性基を表し、R11はアルキル基を表し、R12はアミノ基を表す。)
  5. 前記一般式(B−I)で表される化合物が、下記一般式(B−II)で表される化合物及び下記一般式(B−III)で表される化合物から選択された少なくとも1種の化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク組成物。
    Figure 2014152231

    (一般式(B−II)及び(B−III)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の置換基を表し、A及びAはイオン性親水性基を表し、n4は0〜4であり、n2及びn3は0〜2を表す。)
  6. 前記一般式(B−I)で表される化合物が、下記一般式(B−IV)で表される化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクセット。
    Figure 2014152231

    (一般式(B−IV)中、Rはヒドロキシル基、モルホリノ基又はアミノ基を表し、Rはそれぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基、スルホ基又はアミノカルボニルアミノ基を表し、R10はそれぞれ独立にカルボキシル基又はスルホ基を表す。)
  7. 前記一般式(B−V)で表される化合物が、下記一般式(B−VI)で表される化合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクセット。
    Figure 2014152231

    (一般式(B−VI)中、R13はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R14はそれぞれ独立に、−OR16、−NHR17又はシアノ基を表し、R16及びR17は水素原子又は置換基を表し、Xは置換若しくは無置換のアリール基又は置換若しくは無置換のトリアジン基を表し、n0は0又は1であり、Arはそれぞれ独立に、2価のヘテロ環基を表し、Aはそれぞれ独立に、イオン性親水性基を表し、n7は0〜2を表す。)
  8. 前記一般式(B−V)で表される化合物が、下記一般式(B−VII)で表される化合物である請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクセット。
    Figure 2014152231

    (一般式(B−VII)中、R15は−OMを表し、R20は−COMを表し、Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。R21は置換若しくは無置換のアルキル基を表し、R13はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R18は置換若しくは無置換のアミノ基を表し、R19はシアノ基を表す。)
  9. 前記一般式(E−1)で表される化合物が、下記一般式(E−2)で表される化合物である請求項2〜8のいずれか1項に記載のインクセット。
    一般式(E−2):
    Figure 2014152231

    一般式(E−2)中、Aは置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。
    は置換又は無置換のアリール基を表す。
    は窒素原子又は−C(R60)=を表す。R60は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。
    、及びBはそれぞれ独立に、窒素原子又は−C(R61)=を表す。R61は、水素原子、アルキル基、スルホ基、カルボキシ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。
    及びRはそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、又は置換若しくは無置換のアリールアミノ基を表す。
    は水素原子、置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、又は置換若しくは無置換のアリールアミノ基を表す。
  10. 前記一般式(E−1)で表される化合物が、下記一般式(E−3)で表される化合物である請求項2〜9のいずれか1項に記載のインクセット。
    一般式(E−3):
    Figure 2014152231

    一般式(E−3)中、Aは置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換の含窒素5員ヘテロ環基を表す。
    は置換又は無置換のアリール基を表す。
    は窒素原子又は−C(R60)=を表す。R60は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。
    Mはそれぞれ独立に水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。
  11. 前記一般式(C−1)で表される化合物が、下記一般式(C−2)で表される化合物である請求項2〜10のいずれか1項に記載のインクセット。
    一般式(C−2):
    Figure 2014152231

    一般式(C−2)において、X51〜X54およびY51〜Y58、Mは一般式(C−1)の中のX21〜X24およびY21〜Y24、Mとそれぞれ同義である。a51〜a54はそれぞれ独立に1または2の整数を表す。
  12. 前記一般式(D−1)で表される化合物が、下記一般式(D−2)で表される化合物である請求項2〜11のいずれか1項に記載のインクセット。
    一般式(D−2):
    Figure 2014152231

    一般式(D−2)において、R31、R32、R35およびR36は一般式(D−1)と同義である。
    33およびR34は各々独立に水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。
    31はハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基を表す。
    32は水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基もしくはヘテロ環基を表す。
    Qは水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基もしくはヘテロ環基を表す。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のインクセットがインクジェット記録用である、インクジェット記録用インクセット。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のインクセット又は請求項13に記載のインクジェット記録用インクセットを使用して、インクジェットプリンターにより画像記録を行うインクジェット記録方法。
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