JP2014152129A - 骨形成促進剤及び骨形成促進剤を配合した飲食品、口腔用製品又は動物用飼料 - Google Patents

骨形成促進剤及び骨形成促進剤を配合した飲食品、口腔用製品又は動物用飼料 Download PDF

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Abstract

【課題】少量の摂取で骨密度を増加させることができ、特に閉経後の女性の急激な骨密度の低下を防止し、骨粗鬆症を予防することができる骨形成促進剤およびそれを配合した飲食品、口腔用製品、あるいは動物用飼料を提供する。
【解決手段】アラメの抽出物を有効成分とする、或いはさらに、イソフラボン類、ビタミンK、ビタミンD、カルシウム、マグネシウム、リン酸化合物、β-クリプトキサンチン、β-カロテンから選ばれる抗骨粗鬆症剤又は骨形成促進剤の1種又は2種以上を添加することにより、優れた抗骨粗鬆症効果を示す骨形成促進剤およびそれを配合した飲食品、動物用飼料、或いは口腔用製品を得ることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、骨形成促進剤(抗骨粗鬆症)、特にアラメ抽出物又はアラメ乾燥物の粉砕物を有効成分として含有する骨形成促進剤、及び該骨形成促進剤を配合してなる飲食品、口腔用製品又は動物用飼料に関する。
骨は、体の支持組織としての役割だけでなく、カルシウム代謝や細胞の分化成熟を担う組織である。
骨形成に関係している細胞には軟骨細胞、骨芽細胞、骨細胞、破骨細胞があるが、特に重要なものに、骨を作る細胞の骨芽細胞と骨を壊す(骨を吸収する)細胞の破骨細胞がある。骨量は、これらの細胞のバランスによって一定に維持されている。このように骨が吸収と形成を繰り返している現象をリモデリング(骨改造現象)という(非特許文献1)。
骨粗鬆症は、上述の骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収のバランスが崩れ、骨吸収が骨形成を上回る状況になり、それが続いた時に骨密度が減少し、骨が折れやすくなる疾患である。主な原因としては閉経や加齢が挙げられるが、ほかにも食習慣やアルコール摂取などの生活習慣関連因子もある。骨粗鬆症は、自覚症状の無いまま進行していく場合が多く、発症した際には骨塩量の減少から腰椎や大腿骨の骨折を引き起こし、寝たきりになる等、著しいQOLの低下をもたらす。
高齢化社会の進展に伴い、老齢化とともに骨密度が減少し骨折しやすくなる骨粗鬆症が非常に問題となっている。現在、骨粗鬆症患者数は1,000万人といわれ、なかでも原発性骨粗鬆症に分類される閉経後骨粗鬆症は、50歳以上の更年期を過ぎた女性に高頻度に発症し、骨粗鬆症患者数の90%以上を占めることから、糖尿病に代表される生活習慣病と同様、現代社会において重要視されている疾患となっている。最近では、ダイゼインやゲニステインなどの大豆イソフラボン(非特許文献2参照)、ビタミンK、カルシウム(+マグネシウム)を配合したサプリメント剤、高産生納豆菌なども利用されている。
骨粗鬆症の予防には、若年期からの骨量を増加させることが大切で、そのためには適度な運動や日常摂取する食品に注意する必要がある。食事に際しては、カルシウムを多く含む乳製品や魚類などを多く摂取することが重要である。
骨粗鬆症の治療法としては、女性ホルモンのエストロゲンによるホルモン補充療法があるが、副作用があるため、長期使用が制限されている。すなわち、閉経後骨粗鬆症の治療に汎用されているエストロゲン製剤は、6ヶ月以上にわたる長期投与の間に顔面紅潮、乳房痛、子宮や膣からの不正性器出血などの副作用が高頻度で発生し、黄体ホルモン製剤(プロゲステロン)を併用しないと、子宮体ガンや乳ガン発症の危険性があることから、安全性の面で問題が指摘されている(特許文献1参照)。
その他の骨粗鬆症治療薬としては、カルシウム製剤、ビタミンD製剤、ビタミンK製剤、カルシトニン製剤、ビスホスホネート製剤、イプリフラボン、あるいは選択的エストロゲン受容モジュレーター(SERM)が知られている(非特許文献3、4参照)が、これら臨床で使用されている骨粗鬆症治療薬は、有効性が高いものほど安全域と中毒域の差が狭く、投与量の調節が困難である。特にビスホスホネート製剤は、投薬・休薬のプロトコールの設定が難しく、時には骨形成に重要な骨構成成分の石灰化を抑制することで、症状の悪化を引き起こすこともあるといわれている。また最近では、顎骨壊死との関連性も指摘されており、その安全性に懸念がもたれている(非特許文献5)。加えて、骨粗鬆症治療薬として開発されたものの多くは、治療に時間がかかり莫大な医療費がかかるという問題もある。
そこで、安全でかつ安価な予防食品素材の開発が期待されている。
例えば、特許文献1には、数種のハーブから選ばれた植物抽出物を有効成分とする閉経後骨粗鬆症の予防又は治療剤が報告されている。
また、特許文献2及び非特許文献6には、クズ(葛;Pueraria lobata)の茎からイソフラボン類等を抽出した抽出物からなる骨粗鬆症治療・治療剤および破骨細胞抑制剤が報告されており、特許文献3には、葛根粉末を含有してなる骨粗鬆症治療剤又は組成物が報告されている。
また、特許文献4は、温州ミカン果実、果皮及びじょうのう膜の抽出物を含有することを特徴とする骨粗鬆症予防効果を有する食品組成物又は医薬品組成物が報告されており、特許文献5には、温州ミカンなどのかんきつ類から果汁を絞った後の残渣の酵素反応液を遠心分離し乾燥することにより得られるカロテノイドとフラボノイド及び/又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする抗骨粗鬆症組成物及びそれらを含有する飲食品、医薬品又は飼料が報告されている。
また、特許文献6には、リン酸化デキストリン、リン酸化多糖、リン酸化澱粉、リン酸化還元デキストリンなどの、重合度が11以上のリン酸化糖類に、カルシウム及びマグネシウムを含有する骨密度減少抑制組成物が報告されている。
また、特許文献7には、オリーブに含まれる成分であるオレウロペイン及び/又はその分解物であるヒドロキシチロソールを有効成分として含有する骨形成促進剤が報告されている。
さらに、特許文献8、9には、ヒジキの抽出物を含有する抗骨粗鬆症組成物又は破骨細胞形成抑制組成物、並びに該組成物を含有する飲食品又は医薬品又は飼料が報告されている。しかしながら、その成分については、なんら明らかにされていない。
特開2000−53576号公報 特開2010−215607号公報 特開2003−95971号公報 特開2006−83151号公報 特開2006−104090号公報 特開2010−150144号公報 特開2009−227616号公報 特開2010−90097号公報 特開2010−222334号公報
知地英征、一般財団法人 食と健康財団 平成16年度調査研究報告書、初代細胞培養系におけるラット破骨細胞の形成および骨芽細胞の分化誘導に対する有効成分の研究、hhtp://www.hokkaido-fst.or.jp/ke_tyo_6a.html 奥村紀子、吉川隆章、飯田仁、市島國雄、高倉義典、イソフラボンの骨形成促進効果の検討―in vitro―、大豆たん白質研究、6、128−134(2003) 揖場和子、骨吸収抑制薬、CLINICAL CALCIUM、2(1)、96-100(1992) 能登谷浩平、武冨滋久、総説 骨粗鬆症薬イプリフラボンによる骨形成促進作用および骨吸収抑制作用の作用機構、武田研究所報、57、1−57(1998) 社団法人 日本口腔外科学会監修、ビスホスホネート系薬剤と顎骨壊死〜理解を深めて頂くために〜、http: //www.jsoms.or.jp/pdf2/bone_bisphos.pdf 田中照佳、鈴木佐和子、内山貴裕、唐漢軍、鵜澤有希、森山達哉、河村幸雄、骨粗鬆症モデルマウスの骨吸収に及ぼすクズ蔓抽出物の作用、Trace Nutrients Research、27、35−38(2010) Nakamura et al.Antioxidant activity of phlorotannins isolated from the brown alga Eisenia bicyclis.Fisheries Sci.62:923-926. 1996 武田薬品工業株式会社、"オステン錠200 mg「タケダ」"製品説明書、2010年5月改訂(第8版) 日医工株式会社、骨粗鬆症治療剤"イプリプラスト錠200 mg"製品説明書、2007年9月改訂(第3版)p.1-6
現在までに少量の摂取で有効的に骨密度を減少させ、骨粗鬆症を予防するような食品素材はまだ開発されていない。また大量に摂取すればある程度の効果が期待できる素材もあるが、大量に摂取することによる副作用の危険性が考えられるため、有効量に満たない摂取量で摂取しているのが現状であると考えられる。すなわち、副作用などの危険性が考えられない摂取量で、骨粗鬆症の予防ができ、骨密度を減少させることができる食品などの開発が望まれていた。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、比較的少量の摂取で骨密度を増加させることができ、特に閉経後の女性の急激な骨密度の低下を防止し、骨粗鬆症を予防することができる食品素材を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、アラメ抽出物又はアラメ乾燥物の粉砕物に非常に高い抗骨粗鬆症効果を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものであり、以下のとおりのものである。
[1]アラメ抽出物又はアラメ乾燥物の粉砕物を有効成分とすることを特徴とする骨形成促進剤。
[2]前記アラメ抽出物が、熱水及び/又はアルコール抽出物である[1]に記載の骨形成促進剤。
[3]イソフラボン類、ビタミンK、ビタミンD、カルシウム、マグネシウム、リン酸化合物、β-クリプトキサンチン、β-カロテンから選ばれる抗骨粗鬆症剤又は骨形成促進剤の1種又は2種以上を含有することを特徴とする[1]又は[2]に記載の骨形成促進剤。
[4]請求項1〜3のいずれか1項に記載の骨形成促進剤を含有することを特徴とする飲食品。
[5]請求項1〜3のいずれか1項に記載の骨形成促進剤を含有することを特徴とする口腔用製品。
[6]請求項1〜3のいずれか1項に記載の骨形成促進剤を含有することを特徴とする動物用飼料。
本発明は、食経験豊富な食品であるアラメ由来の抽出物を用いることにより、副作用の少ない安全・安心な骨形成促進剤を提供することが可能となる。また、本発明の骨形成促進剤は、少量で効果を発揮するものであるため、飲食品、動物用飼料および口腔用製品に使用できる。
供試試料A〜Cの細胞毒性試験の結果を示すグラフ 供試試料A〜CのALPase活性に及ぼす影響を示したグラフ 供試試料A(アラメ抽出物)の石灰化物形成試験の結果を示すウェルプレートの写真 供試試料A(アラメ抽出物)のI型コラーゲン(上段)およびBSP(下段)の遺伝子発現に及ぼす影響を示したグラフ
アラメは、学名がEisenia bicyclis (Kjellman) Setchellで、褐藻コンブ目コンブ科アラメ属の褐藻類である。コンブと同様に、仮根に続いて茎があり、その上部は二またに分れ、それぞれに多数の葉状体がついている。古くは大宝律令や正倉院の文書にも登場し、現在でも薬品原料、肥料、食料品などとして用いられているものである。
アラメが、フロログルシノール(phloroglucinol)、エコール(eckol)、フロロフコフロエコールA(phlorofucofuroeckol A)、ダイエコール(dieckol)、8,8'−バイエコール(bieckol)等のフロロタンニン類を多量に含有することは知られており(上記非特許文献7参照)、本発明は、このフロロタンニン類を多量に含有するアラメ抽出物又はアラメ乾燥物の粉砕物が、非常に高い抗骨粗鬆症効果を示すことを見いだしたものである。
なお、これらのフロロタンニン類は、ツルアラメ、クロメ、カジメ等の褐藻類コンブ科の海藻にも含有されるものであり、同様の効果を発揮することも考えられる。
すなわち、本発明の骨形成促進剤は、フロロタンニン類を含有するアラメ抽出物又はアラメ乾燥物の粉砕物を有効成分とするものである。
本発明におけるアラメ抽出物とは、アラメ乾燥物の粉砕物からの、熱水および/またはアルコール抽出物である。
本発明の骨形成促進剤の有効成分は、単独で用いてもよく、他の抗骨粗鬆症剤又は骨形成促進剤の有効成分と組み合せて用いてもよく、例えば、本発明の骨形成促進剤に、抗骨粗鬆症又は骨形成促進効果を有する、ダイゼインやゲニステインなどの大豆イソフラボン、ビタミンK、ビタミンD、カルシウム、マグネシウム、リン酸化合物、β-クリプトキサンチン、β-カロテンなどの骨形成促進剤又は抗骨粗鬆症剤をさらに添加することができる。
本発明の骨形成促進剤は、種々の剤型に調製し得る。
例えば、本発明の骨形成促進の有効成分であるアラメ抽出物を適宜な溶媒に溶解した溶液状のもの、或いはペースト状、粉粒状、ブロック状、更にはマイクロカプセル状など、所望の形態に調製したものを使用し得る。
本発明のアラメの抽出物又はアラメ乾燥物の粉砕物を有効成分とする骨形成促進剤は、従来食品として用いられているアラメに由来するものであり、微量で効果を発揮するものであるため、本発明の骨形成促進剤を、飲食品、口腔用製品、動物用飼料に使用できる。例えば、本発明の骨形成促進剤を、所定の割合で、カルシウムを配合したサプリメント錠剤やビタミンDやKを配合したカプセル製剤、大豆イソフラボンを配合した健康食品等、歯磨きなどの口腔用製品、さらには骨粗鬆症予防を目的としたペットフードや競走馬や家畜用の飼料等に添加し、常法に従って加工することにより製造することができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明について説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
まず、本発明に係わる抗骨粗鬆症試験法について説明する。
骨芽細胞は、高いアルカリホスファターゼ(ALPase)活性を有し、I型コラーゲンや骨シアロタンパク(BSP)などの細胞外マトリックスタンパクを多く産生し、骨形成において中心的な役割を演じている。ALPaseは、アルカリ性下で有機リン酸エステル化合物のエステル結合を水解する酵素であり、骨形成の石灰化過程において重要であり、ピロリン酸やATPなどの石灰化阻害物質を水解するだけでなく、ヒドロキシアパタイト結晶形成に必要な局所のリン酸濃度の押し上げにも深く関与している。一方、BSPやオステオカルシン、オステオポンチンなどの非コラーゲン性マトリックスタンパクは、コラーゲンとともにヒドロキシアパタイト結晶核形成やその成長に関与することが知られている。
実施例では、細胞増殖、骨芽細胞のALPase活性、石灰化物形成及びBSPおよびI型コラーゲンの発現に及ぼす各供試試料の影響を検討した。
<供試試料>
A:アラメ抽出物
アラメ抽出物は、アラメ乾燥体100gを食塩水3000mlに一晩浸漬し、濾過後、3000mlの水を加え、沸騰状態付近で7.5時間抽出した。次に抽出液を濾過した後、濾液をHP-20カラムに吸着させ、水で洗浄し、50%エタノールで溶出した。溶出液を減圧濃縮し、噴霧乾燥したものを実験に供した。
B:アルファルファ抽出物
アルファルファ抽出物は、アルファルファ乾燥葉50gを70%(w/w)エタノール450gに浸漬し、70℃付近で1時間抽出した。次に抽出液を吸引濾過した後、濾液を減圧濃縮することにより、濃緑色ペースト状のアルファルファ抽出物を得、比較用として実験に供した。
C:イプリフラボン
比較用として、イプリフラボン(化学名:7-Isopropoxyisoflavone)の試薬(和光純薬)を入手して実験に供した。ムラサキウマゴヤシ(アルファルファ)に含まれるイソフラボン誘導体の一種である。骨吸収抑制作用を有することが知られており、骨粗鬆症における骨量減少の改善に用いられる。分子式C18H16O3、(非特許文献8、9参照)。
<供試細胞>
骨芽細胞としてラット骨肉腫由来の株化細胞 (ROS17/2.8細胞) を用いた。
ROS17/2.8細胞の培養は10%ウシ胎児血清および1%ペニシリン‐ストレプトマイシン溶液添加のα-minimal essential medium (α-MEM)を培養液として用い、37℃、5%炭酸ガス存在下で行った。
<実験方法および結果>
(実施例1:細胞増殖試験)
抗骨粗鬆症効果について評価するに先立ち、供試試料が供試細胞に対する影響を調べる目的で細胞毒性試験を実施した。具体的には、96 well培養プレートに播種されたROS17/2.8細胞を、無添加(コントロール)及び10−6Mの各試料を添加した培地で10日間培養後、培養3、5、7及び10日目に細胞増殖を調べた。細胞増殖はcell-counting kit(同仁化学)を用いて、細胞数を調べた。結果を図1に示す。
ROS17/2.8細胞の増殖には、10日間の培養期間を通してA、B及びCグループのいずれの試料とも添加の影響(細胞毒性)は認められなかった。
(実施例2:アルカリフォスファターゼ(ALPase)活性試験)
ALPaseは、培養5日目に、前記の培養プレート上で直接その活性を測定した。すなわち、培養プレートの各well内の細胞をPBSで洗浄後、8mMパラニトロフェニルリン酸,10mM塩化マグネシウムおよび0.1mM塩化亜鉛を含む0.1MグリシンNaOH緩衝溶液(pH10.5)100μlを加えて、37℃で10分間酵素反応を行った。その後、0.2M水酸化ナトリウム溶液100μlを加えて酵素反応を停止し、この間に生成したパラニトロフェニール量を、マイクロプレートリーダーを用いて波長405nmでの吸光度で測定した。 ALPase活性値は、37℃で1分間に1μmolのパラニトロフェニルリン酸を加水分解する酵素量を1Uとし、細胞数10個当たりのmUnitに換算した。結果を図2に示す。
ROS17/2.8細胞のALPase活性は、A試料の添加では著明に増加した。一方、B試料及びC試料の添加では、ALPase活性は変化しない、もしくは低下する傾向が認められた。
(実施例3:石灰化物形成の観察)
24well培養プレートに播種されたROS17/2.8細胞を、10mMβ-glycerophospahteおよび50μg/mlアスコルビン酸を含む石灰化誘導培地に、無添加(control)、10−11及び10−10MのA試料を添加して10日間培養した。なお、β-glycerophospahteおよび50μg/mlアスコルビン酸を含まない培地で培養したものをnegative controlに、β-glycerophospahteおよび50μg/mlアスコルビン酸を含む培地に各種抽出物を加えて培養したものをpositive controlとした。培養3、5及び7日目に細胞層を4%中性ホルマリン溶液で固定し、1%アリザリン赤(シグマ)溶液で石灰化物を染色した。結果を図3に示す。
ContorolおよびA試料を添加した条件におけるROS17/2.8細胞のalizarine redの染色性は,培養5日、7日および10日で増加する傾向が認められた。
また,negative controlにおける染色性は,controlに比べて著しく低下した。培養7日目のROS17/2.8細胞の染色性は,controlに比べてA試料を添加した条件で増加した。
以上の結果から、A試料(アラメの抽出物)には、骨芽細胞の石灰化物形成能を増加させる作用があることが示唆された。
(実施例4:骨基質タンパク発現の検索)
ROS17/2.8細胞を無添加(control)、10−11及び10−10MのA試料を添加した培地で5日間培養後、細胞からRNAを抽出し、I型 コラーゲンおよびbone sialoprotein(BSP)の遺伝子発現をreal-time PCR法でmRNAレベルで調べた。すなわち、細胞から全RNAを抽出後、逆転写酵素でmRNAからcDNAを作成し、SYBER-GreenIを用いてreal-time PCRを行って調べた。遺伝子の増幅は、Smart Cycler II systemを用いて95℃で55秒間、60℃で20秒間を1サイクルとし、35サイクル行った。結果の解析はSmart Cycler softwareを用いて、あらかじめ作成した検量線をもとに遺伝子の増幅量を求め、グリセルアルデヒド3-リン酸脱水素酵素の増幅量で補正した値をmRNA発現量とした。BSPおよびOCNのタンパク発現はそれぞれの特異抗体を用いてWestern blottingを行って調べた。すべての実験は3回繰り返し、平均値と標準偏差で表した。結果を図4に示す。
I型コラーゲンの遺伝子発現は、A試料(アラメ抽出物)の添加では、培養5日目に僅かに増加した。また、BSPの遺伝子発現は、A試料の添加によって増加した。
(実施例5)
以下に、本発明のアラメ抽出物を用いた、歯周病予防製品、骨粗鬆症予防食品、骨強化食品、及び骨強化飼料の例を示す。
本発明は、アラメの抽出物を有効成分とすることを特徴とし、食経験豊富な食品であるアラメ由来の抽出物を用いることにより、副作用の少ない安全・安心な骨形成促進剤を提供することが可能となる。また、本発明の骨形成促進剤は、従来食品として用いられているアラメに由来するものであり、微量で効果を発揮するものであるため、本発明の骨形成促進剤を飲食品、口腔用製品、動物用飼料に使用できる。

Claims (6)

  1. アラメ抽出物又はアラメ乾燥物の粉砕物を有効成分とすることを特徴とする骨形成促進剤。
  2. 前記アラメ抽出物が、熱水及び/又はアルコール抽出物である請求項1に記載の骨形成促進剤。
  3. イソフラボン類、ビタミンK、ビタミンD、カルシウム、マグネシウム、リン酸化合物、β-クリプトキサンチン、β-カロテンから選ばれる抗骨粗鬆症剤又は骨形成促進剤の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の骨形成促進剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の骨形成促進剤を含有することを特徴とする飲食品。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の骨形成促進剤を含有することを特徴とする口腔用製品。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の骨形成促進剤を含有することを特徴とする動物用飼料。
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