JP2014151122A - コーティング及びマイクロニードルデバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】エピネフリンを十分に可溶化させ、皮膚刺激を低減した、マイクロニードルデバイスのニードル上に形成されるコーティングを提供する。
【解決手段】マイクロニードルデバイス10のニードル上に形成され、エピネフリン又はその薬学的に許容可能な塩と、クエン酸と、塩化水素と、を含有し、クエン酸に対する塩化水素の質量比が0.7〜1.5であるコーティング6、及び基板2と、基板2上に備えられたマイクロニードル4と、マイクロニードル4の表面の少なくとも一部に形成されたコーティング6とを備えるマイクロニードルデバイス。
【選択図】図1

Description

本発明は、コーティング及びマイクロニードルデバイスに関する。
エピネフリンは薬物、食物、ハチ毒などによるアナフィラキシーショックやその他の急性の血圧低下症状を緩和するのに汎用される薬物である。このような用途のエピネフリンの投与では一般に注射剤が用いられる。
薬剤を投与するための形態としてマイクロニードルデバイス(マイクロニードル装置)が知られている(例えば、特許文献1)。マイクロニードルデバイスは、マイクロニードルを皮膚の最外層にある角質層に穿刺し、微細な穴を形成することで、薬剤をその穴から投与することを可能とする。
特許文献2には、薬剤を含有する固体の生分解性リザーバー媒体を含んでなる少なくとも1つの皮膚穿刺部材を有する、薬剤送達デバイスが記載されている。特許文献3には、経皮送達装置を製造するための方法が記載されている。
特許文献4には、遊離塩基形態と酸添加塩の形態で存在する活性浸透剤を含有する局処適用の浸透促進薬剤成分が記載されている。特許文献5には、エピネフリン、塩酸、塩化ナトリウム、滅菌水を含有する眼科用水溶液が記載されている。
特表2001−506904号公報 特表2004−504120号公報 特表2009−522288号公報 特開平2−104516号公報 カナダ特許2002643号明細書
しかし、本発明者らが、エピネフリンをコーティングしたマイクロニードルデバイスの製造を試みたところ、エピネフリンを組成物中に溶解させることが困難であり、そのために十分な量のエピネフリンがマイクロニードル表面にコーティングされたマイクロニードルデバイスを得ることができないことが判明した。
そこで、本発明の目的は、エピネフリンが十分な量可溶化された、マイクロニードルデバイスのニードル上に形成されるコーティングを提供することにある。本発明の目的はまた、このコーティングを備えるマイクロニードルデバイスを提供することにある。
本発明者らはエピネフリンの可溶化剤としてクエン酸が特に適することを見出した。しかし、可溶化剤としてのクエン酸の選択は、皮膚刺激の増加を招いた。その後の検討により、クエン酸及び塩化水素を特定の質量比でエピネフリンと組み合わせることで、エピネフリンの溶解性がより向上すること、さらには、皮膚刺激が低減されることが見出された。
本発明は、マイクロニードルデバイスのニードル上に形成されたコーティングであって、上記コーティングは、エピネフリン又はその薬学的に許容可能な塩と、クエン酸と、塩化水素とを含んでおり、上記クエン酸に対する上記塩化水素の質量比が0.7〜1.5である、コーティングを提供する。
本発明のコーティングは、エピネフリンが十分に可溶化されているために、十分な量のエピネフリンをマイクロニードル表面にコーティングすることができる。また、エピネフリンの投与の際の皮膚刺激が低減されるという効果も奏する。なお、本発明のコーティングには、クエン酸として、クエン酸無水物、クエン酸水和物及びクエン酸塩の少なくとも一種を用いることができるが、クエン酸に対する塩化水素の質量比を求めるに際しては、クエン酸のフリー体(クエン酸無水物)の質量を基準に算出する。また、本発明のコーティングには、エピネフリンとして、エピネフリンの薬学的に許容可能な塩であるエピネフリン塩酸塩を用いることができるが、クエン酸に対する塩化水素の質量比を求めるに際しては、この塩が含有する塩化水素も塩化水素の総量に加えて計算する。すなわち、コーティング中に存在する化合物について質量比や濃度を算出するときは、フリー体としての質量で計算し、また、コーティング中に計算の対象となる化合物が存在する限り、その由来によらず当該化合物の合計量で評価する。以下、このような計算法を「遊離基換算」によると称する場合がある。
コーティングの全量基準で、エピネフリン及びその薬学的に許容可能な塩の合計の含有量が35〜80質量%であり、クエン酸の含有量が5〜40質量%であり、且つ、塩化水素の含有量が5〜25質量%であることが好ましい。このような構成によれば、エピネフリンの溶解性にさらに優れ、皮膚刺激を顕著に抑制することが可能となる。なお、上記含有量も遊離基換算に基づく。すなわち、仮に、エピネフリンが、エピネフリン・クエン酸塩又はエピネフリン・塩酸塩で提供された場合、これらが含有するクエン酸又は塩化水素は、クエン酸又は塩化水素の合計量に加えて計算し、エピネフリンの質量はフリー体としての質量で計算する。
上記コーティングは、揮発成分が除去されているものであることが好ましい。ここで揮発成分とは、通常、1気圧、25℃〜100℃で揮発する成分をいい、凍結乾燥工程を有する場合には、5Paで揮発する成分をいう。この揮発成分はコーティングが他に付着しない程度に除去されていればよい。このような構成により、マイクロニードル上におけるエピネフリンの安定性を高めることができる。
本発明はまた、基板と、該基板上に備えられたマイクロニードルと、マクロニードルの表面の少なくとも一部に形成されたコーティングと、を備えるマイクロニードルデバイスであって、コーティングは、上述したコーティングである、マイクロニードルデバイスを提供する。
このようなマイクロニードルデバイスによれば、本発明のコーティングを備えるため、エピネフリンをより簡便に投与することができ、投与時の皮膚刺激も低減することができる。そして、従来の注射剤の様な剤形に比べ、取扱が容易であるため、特に応急処置の際に好適に用いることができる。
本発明によれば、エピネフリンが十分に可溶化され、皮膚刺激も低減されたコーティング剤及びこれを備えるマイクロニードルデバイスが提供される。また、本発明によれば、十分な量のエピネフリンがマイクロニードルデバイスで投与可能となることから、従来の注射剤に比べ、より容易に患者に投与することができる。したがって、このようなマイクロニードルデバイスは、特に応急処置用に適している。
マイクロニードルデバイスの一実施形態を示す斜視図である。 図1におけるII−II断面図である。 マイクロニードルデバイスの一実施形態の製造方法を示す模式断面図であり、(a)はマスク版に溶液を充填する工程、(b)はマイクロニードルに溶液を塗布する工程、(c)はマイクロニードル上にコーティングを形成する工程である。 (a)及び(b)は、実施例の皮膚刺激性試験の結果を示す写真であり、(c)及び(d)は比較例の皮膚刺激性試験の結果を示す写真である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図面は理解を容易にするために一部を誇張又は修飾して模式的に描いており、その寸法、比率、及び、形状は必ずしも実際の形態とは一致しない。また、以下の図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係るマイクロニードルデバイスを示す斜視図である。図1に示すマイクロニードルデバイス10は、基板2と、基板2の表面に配置された複数のマイクロニードル4と、マイクロニードル4上に形成されたエピネフリンを含有するコーティング6とからなる。コーティング6は、本発明に係るエピネフリンを含有するコーティングである。図2は、図1におけるII−II断面図である。図2に示すように、マイクロニードルデバイス10は、基板2上に、等間隔にマイクロニードル4が配置された構造を有しており、マイクロニードル4は、その先端を含む側面の表面上にエピネフリンを含有するコーティング6を備えている。なお、本明細書においては、基板2上にマイクロニードル4が複数形成された態様をマイクロニードルアレイという。
基板2は、マイクロニードル4を支持するための土台である。図1においては、基板2は矩形状をなしているが、基板2は他の形状、例えば円形状であってもよい。図1においてはまた、基板2は平坦状であるが、曲面状であってもよい。基板2は、基板2を貫通する貫通孔が形成されていてもよく、基板2表面に窪みを備えてもよい。貫通孔を有する場合、基板2の背面(マイクロニードル4が形成されていない面)からエピネフリンを含有する成分を更に投与することが可能になる。
基板2の面積は、その目的又は用途に応じて任意に決定することができる。例えば、その面積は、0.05〜10cmであり、好ましくは0.5〜5cmであり、より好ましくは1〜3cmである。この基板2は、複数個を連結させることで、所望の大きさの基板を構成するようにすることもできる。
図1及び図2に示すマイクロニードル4は、円錐状の構造を有している。しかし、皮膚の穿刺に適していれば、その形状は限定されるものではない。マイクロニードル4の構造としては、針状の構造又は刃状の構造であることが好ましい。このような構造によれば、皮膚穿刺が容易となる。マイクロニードル4は、先端に「返し(barb)」を有する構造であってもよい。
マイクロニードル4が円錐状の場合、断面の形状(高さ方向に垂直な断面。以下同様。)は、円形状の断面となる。なお、マイクロニードル4が中空の円錐状の場合は、断面は環状となる。マイクロニードル4は、断面が三日月状である錐体状であってもよい。マイクロニードル4は多角錐状でもよく、その場合、断面は三角形状、四角形状又は星形状となる。また、マイクロニードル4が基板2となす角度は、マイクロニードル4上のエピネフリンが適用可能な限り任意であり、マイクロニードル4が形成されている面に対して、マイクロニードル4が垂直となるように形成されてもよく、傾斜するように形成されていてもよい。
マイクロニードル4の基底面の直径は、50〜400μmである。図2に示す、マイクロニードル4の高さHは、50〜1000μmである。ここで、マイクロニードル4の高さHを50μm以上とすることにより、エピネフリンの投与を確実にすることができる。マイクロニードル4の高さHを1000μm以下とすることにより、マイクロニードルが神経に到達することを回避し、痛みの発生を減少させると共に、穿刺による出血を低減させることができる。さらに、マイクロニードル4の高さHが1000μm以下であると、必要量のエピネフリンを効率よく投与することができる。マイクロニードル4の高さHは、50〜500μmの範囲であることが好ましい。
上記の各種マイクロニードルは、異なる構造(形状、直径、高さ)のマイクロニードルを複数組み合わせて用いることもできる。
マイクロニードル4は、基板2上に1mm当たり1〜10列となるように間隔を設けて形成される。一般に、マイクロニードル4は等間隔に形成され、単位面積当たりの個数(以下、面密度ともいう。)は、100〜10000個/cmである。面密度を100個/cm以上とすることにより、効率よく皮膚に穿刺することができ、エピネフリンの投与を確実とすることができる。面密度を1000個/cm以下とすることにより、マイクロニードルの皮膚を穿刺するための強度を保つことができる。マイクロニードル4の面密度は、200〜5000個/cmの範囲であることが好ましく、400〜850個/cmの範囲であることがより好ましい。
基板2及びマイクロニードル4の材質としては、シリコン、二酸化ケイ素、セラミック類、金属(ステンレス鋼又は鉄、アルミニウム、チタン、ニッケル、モリブテン、クロム、コバルト、銅、鉛、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、錫、金、銀等)又はこれを含む合金類、合成又は天然のプラスチック等が例示される。ポリ乳酸、ポリ酪酸、ポリグリコリド、ポリ乳酸−co−ポリグリコリド、プルラン、ポリカプロノラクトン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリエステル、ナイロン、ポリスチレン、ポリオレフィン等が好ましい。このような材質であれば、基板2及びマイクロニードル4の抗原性、材料単価、加工性、強度などがより良好なものとなる。また、上記の材質としては、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、デキストラン、デキストリン、コンドロイチン硫酸等の多糖類も好ましく用いることができる。また、ポリ乳酸を用いる場合、マイクロニードルデバイスの薬学的又は物理化学的特性を改良するために、他の材質を混合することができる。
基板2上にマイクロニードル4を形成する方法としては、シリコン基板を用いた強アルカリ性水溶液によるウエットエッチング加工又は反応性ガスによるドライエッチング加工、金属又は樹脂を用いた精密機械加工(放電加工、レーザー加工、ホットエンボス加工等)、機械研削加工、鍍金加工、射出成型加工、又はこれらを組合せた加工法などが例示される。上記加工法によれば、基板2とマイクロニードル4とを一体的に成型できる。中空のマイクロニードル4を形成する方法としては、マイクロニードル4を形成した後、レーザー等により二次加工する方法を挙げられる。
図1及び2においては、エピネフリンを含有するコーティング6は、マイクロニードル4の先端を含む表面の一部に形成されているが、コーティング6は、マイクロニードル4の全部を覆うように形成されていてもよい。コーティング6は、さらに、基板2上を覆うように形成されていてもよい。なお、コーティング6は、全てのマイクロニードル4上に形成されていなくてもよく、その少なくとも一部に形成されていればよい。
コーティング6を、マイクロニードル4及び基板2上に形成する方法としては、浸漬コーティング、インクジェット式コーティングなどが挙げられる。
図3の(a)、(b)及び(c)は、マイクロニードルデバイスの一実施形態の製造方法を示す模式図である。溶液20は、エピネフリンを含有するコーティング6を形成するための溶液である。この方法は、まず、図3(a)に示すように、マスク版22上に適量の溶液20を滴下し、この溶液20をヘラ(スキージ)26により矢印A方向に掃引することで、マスク版22の一方の表面に形成された窪み24に溶液20を充填させる。窪み24は、基板2上に配置されたマイクロニードル4の位置に対応するように、マスク版22の一方の表面上に形成されている。続いて、図3(b)に示すように、マスク版22の窪み24に充填された溶液20にマイクロニードル4を挿入する。その後、図3(c)に示すように、マスク版22の窪み24に充填された溶液20からマイクロニードル4を引き出す。このようにして、マイクロニードル4の先端を含む表面上にコーティング6を形成することができる。なお、コーティング6は基板2に付着させてもよい。
形成されるコーティング6の高さHは、図3(b)に示すクリアランスCで調整される。このクリアランスCは、基板2からマスク版22の窪み24が形成されている面の表面までの距離を示す。クリアランスCは、0μm以上1000μm未満である。クリアランスCが0μmの場合は、マイクロニードル4の表面の全部に溶液20が塗布されることを意味する。また、コーティング6の高さHは、溶液20の組成、濃度、粘度の他、マイクロニードル4の構造、マイクロニードル4の溶液20への挿入時間、マイクロニードル4を溶液20から引き出す速度などを調整することによっても、調整することができる。マイクロニードル上に形成されるコーティングの高さHは、0μm以上1000μm未満とすることができ、通常10μm以上1000μm未満であり、30μm以上500μm未満であることが好ましく、40μm以上300μm未満であることがより好ましい。このようにすることで、皮膚に対する刺激を抑え、コーティング6中のエピネフリンを有効に用いることができる。
マイクロニードル4の表面上に塗布された溶液20から溶媒を除去してもよい。溶媒を除去することにより、マイクロニードル上に形成された溶液20の層を皮膜として固化させることができる。溶媒を除去することにより、マイクロニードル4上にコーティング6を安定して保持することができる。溶媒の除去は、例えば、風乾、真空乾燥、凍結乾燥などの方法又はその組み合わせにより行うことができる。この際、溶液20中の揮発成分が溶媒とともに一部除去されることがある。溶液20に揮発成分が含まれる場合には、上記の様な除去工程を経ることが好ましい。ここで揮発成分とは、通常、1気圧、25℃〜100℃で揮発する成分をいい、凍結乾燥工程を有する場合には、5Paで揮発する成分をいう。この揮発成分はコーティングが他に付着しない程度に除去されていればよい。
マイクロニードル4上への溶液20の塗布は繰り返し行うことができる。繰り返し塗布することにより、形成されるコーティング6の最大膜厚を調整することが可能であり、マイクロニードル4の表面上に保持されるエピネフリンの量を調整することが可能である。
上記製造方法により得られるコーティング6の膜厚は、75μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、1μm以上25μm以下であることがさらに好ましい。コーティング6の膜厚を75μm以下とすることにより、必要量のエピネフリンを効率良く投与することができる。また、1μm以上とすることにより、エピネフリンの投与を確実とすることができる。コーティングの膜厚は、マイクロニードル4に形成されたコーティング6の平均の厚さを示す。上記コーティング6の最大膜厚は、マイクロスコープにより測定することができる。
マイクロニードル4上にコーティング6を形成する環境は、温湿環境が一定に制御されていることが好ましい。環境を一定に制御することにより、溶液20が含有する揮発成分の揮発や溶媒の蒸散を抑制することができ、形成されるコーティング6の不均一化を抑制することができる。水分などの溶媒の揮発は、温度を低下させる、湿度を上昇させる、又は、その組み合わせにより制御することができる。例えば、環境の室温を1〜30℃とし、相対湿度を70〜99.9%RHとすることが好ましい。相対湿度を50%RH以上とすることで、溶媒の揮発が抑制され、得られるコーティング6の物性や厚みのバラつきを抑制することができる傾向にある。このほか、必要に応じて、溶媒に用いる化合物の蒸気で満たされた空間において、各工程を行うこともできる。
溶液20は、溶媒を含まないものであってもよいが、取扱性の観点からは、溶媒を含むことが好ましい。この場合、溶媒としては、水や揮発性の溶媒が適している。例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びこれらの混合物が挙げられる。溶媒としては、水が最も好ましい。
溶液20の粘度は、25℃で、100〜500000cpsとすることが好ましく、500〜500000cpsとすることがより好ましい。溶液20の粘度を上記範囲とすることにより、各マイクロニードル4に対する塗布量のバラつきを軽減することができる。また、マイクロニードル4の材質に依存せず、所望量の溶液20をマイクロニードル4の表面上に塗布することが可能となる。さらに、溶液20の粘度が高いほどマイクロニードル4の表面上への塗布量は増加する。上記溶液の粘度は、微量サンプル粘度計VROC(日本ルフト株式会社製、最大負荷圧力170000Pa)により測定することができる。
エピネフリンを含有するコーティング6は、エピネフリン又はその薬学的に許容可能な塩と、クエン酸と、塩化水素と、を含有しており、クエン酸に対する塩化水素の質量比が0.7〜1.5のものである。コーティング6はエピネフリン、クエン酸及び塩化水素のみからなる組成物であっても、これらとその他成分(溶媒、添加剤等)とを含む組成物であってもよい。
エピネフリンを含有するコーティング6は、遊離(フリー体)のエピネフリンに限らず、エピネフリンの薬学的に許容可能な塩を含むことができる。塩としては、例えば、塩酸付加塩、クエン酸付加塩、酒石酸水素付加塩、又は、これらの混合物が挙げられる。なお、コーティング6を形成するための組成物を調製する際には、溶解性及び生物学的利用率の観点から、エピネフリンの遊離塩基を用いることが好ましい。なお、エピネフリンは、別名でアドレナリンと呼ばれることもある。
コーティング6中のエピネフリン及びその薬学的に許容可能な塩の合計の含有量は、コーティング6の全量基準で、遊離基換算した場合、35〜80質量%である。このようにすることで、コーティング6の最大膜厚25〜75μmの範囲で、基板2の1〜3cmあたり、100〜500μgのエピネフリン又はその薬学的に許容可能な塩をコーティング6中に精度よく含有させ、投与することが可能である。含有量を40質量%以上とすることにより、エピネフリン及びその薬学的に許容可能な塩を十分な量で投与することが可能となる。含有量を80質量%超とすると、コーティング6を形成するための組成物を調製する際にエピネフリン又はその薬学的に許容可能な塩の溶解が不十分となる傾向にある。なお、エピネフリンの推奨される臨床用量は、小児で150μm、成人で300μmであり、コーティング6によれば、十分な量の投与が可能である。コーティング6中のエピネフリン又はその薬学的に許容可能な塩の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー法やELISA法により、測定することができる。
コーティング6は、クエン酸を含有する。コーティング6を形成するための組成物を調製する際にクエン酸の無水結晶又は含水結晶、非晶質固体等を用いることができる。含水結晶は、例えば、一水和結晶を用いることができる。
コーティング6中のクエン酸の含有量は、コーティング6の全量基準で、遊離基換算した場合、5〜40質量%である。コーティング中のクエン酸の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー法により、測定することができる。
コーティング6は、塩化水素を含有する。塩化水素を含有させることで、クエン酸単独よりも高濃度にエピネフリンを溶解させることが可能であり、且つ皮膚刺激を低減することができる。塩化水素は、コーティング6を形成するための組成物を調製する際には、例えば、塩酸として導入する。塩酸としては、濃塩酸、希塩酸等の各種塩酸を用いることができる。塩酸を用いる場合、組成物をマイクロニードル4に塗布するのに適切な粘性とするために、適宜凍結乾燥、減圧、加熱などの方法によって組成物から水分を除去してもよい。
ところで、本発明者らは、マイクロニードルの表面上に、塩化水素を含有させないコーティングを形成し、皮膚に適用した場合、強い皮膚刺激が生じることを見出した。さらに、塩化水素が単独で強い皮膚刺激性を示すにもかかわらず、塩化水素を含有させたコーティング6は、塩化水素を含まないコーティングに比べ、皮膚刺激が低減されることを見出した。このような効果が生じる理由については、エピネフリン又はその薬学的に許容可能な塩を溶解させるためのクエン酸の使用量を、塩化水素を用いることによって、減じさせることができたためである、と本発明者らは推察する。
コーティング6中の塩化水素の含有量は、コーティング6の全量基準で、遊離基換算した場合、5〜25質量%である。含有量が5質量%未満であると、コーティング6を形成するための組成物を調製する際にエピネフリンの溶解が不十分となる傾向にある。含有量が20質量%超であると、コーティング6のpHが低下する傾向にあり、皮膚に対する刺激が高まる傾向にある。コーティング6中の塩化水素の含有量は、例えば、イオンクロマトグラフィー法や、モール法、フォルハルト法、ファヤンス法などにより、測定することができる。中でも、イオンクロマトグラフィー法が好ましい。
クエン酸に対し塩化水素は、遊離基換算の質量比率で、0.7〜1.5であり、0.8〜1.0であることが好ましい。クエン酸の含有量が相対的に増加すると、皮膚刺激性が高まる傾向にあり、クエン酸の含有量が相対的に減少すると、エピネフリンの組成物への溶解性が高まる傾向にある。
また、コーティング6中の各成分の含有量は、コーティング6の全量基準で、遊離基換算した場合、エピネフリン又はその薬学的に許容可能な塩が35〜80質量%、クエン酸が5〜40質量%、塩化水素が5〜25質量%、であることが好ましく、エピネフリン又はその薬学的に許容可能な塩が60〜80質量%、クエン酸が5〜15質量%、塩化水素が5〜15質量%であることがより好ましい。エピネフリン又はその薬学的に許容可能な塩は70質量%、塩化水素は10質量%、クエン酸は10〜12質量%であることが特に好ましい。
コーティング6を形成するための組成物を調製する際には、上記の成分の他に、精製水、基剤、その他添加剤などを含有してもよい。
精製水としては、イオン交換水、蒸留水、限外ろ過水等の精製した水を使用することができる。また、塩化水素の水溶液や含水結晶を用いた場合には、その中に含まれる水分も精製水として算入する。
基剤としては、低分子量の基剤と高分子量の基剤がある。種々の成分を含有させることができる。
低分子量の基剤としては、アミノ酸や、トレハロース、スクロース、ラクトース、果糖、ガラクトース、マンノース、マルトース、ブドウ糖、マンニトール等などの糖類や、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類の有機化合物が例示される。
高分子量の基剤としては、ポリエチレンオキサイド、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、デキストラン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、デキストリン、アラビアガム等が例示される。高分子量の基剤としては、エピネフリンとの相溶性の点で、ヒドロキシプロピルセルロース、プルラン、アラビアガム等が好ましい。また、高分子量の基剤は、上記溶液20における増粘剤、皮膜形成剤としても作用する。溶液20の増粘剤又は皮膜形成剤としては、特に限定されるものではないが、プルランが好ましい。
基剤の含有量としては、コーティング6の全量基準で、1〜90質量%が好ましく、10〜65質量%がより好ましい。基剤の含有量が90質量%以下であれば、本願発明の効果を損なうことがない。
その他の添加剤としては、特に制限はなく、界面活性剤、抗酸化剤、緩衝剤等を用いることができる。
界面活性剤としては、双性イオン性、カチオン性、アニオン性、又は非イオン性でありうる。例えば、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、ラウリン酸ソルビタンのような他のソルビタン誘導体、ラウロマクロゴールのようなアルコキシル化アルコール類等が例示される。界面活性剤を含有することにより、他成分の組成物への溶解性を向上させることができる。また、上記溶液20がマイクロニードル4に塗布し易くなり、又は、エピネフリンの生物学的利用率を向上させることができる。
抗酸化剤としては、EDTA又はその塩などのキレート剤、アスコルビン酸又はその塩、ジブチルヒドロキシトルエンなどのラジカル捕捉剤、ピロ亜硫酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム等の還元性物質などが例示される。エピネフリンは酸化されやすいことから、抗酸化剤の併用が好ましい。抗酸化剤は、例えばピロ亜硫酸ナトリウムが好ましい。
コーティング6を形成するための組成物のpH値は、酸性が強いとエピネフリンによる皮膚刺激が強くなるため、低くともpH5〜pH6であり、高くとも中性付近(約pH7)とすることが好ましく、pH5.8〜pH7.2とすることがより好ましい。組成物のpH値は、組成物を精製水で400μg/mLに希釈した液について、複合ガラス電極を用いて測定した値をいう。
本発明に係るコーティングは、マイクロニードル用のコーティングとして好適に使用することができる。また、本発明に係るマイクロニードルデバイスは、例えば、衝撃アプリケータを用いてマイクロニードルの背面側から機械的な力を付勢して皮膚に穿刺する方法により使用することができる。皮膚に穿刺されたのち、マイクロニードル上に形成されたエピネフリンを含有するコーティングは、生体の体液等により溶解し、薬物が生体に分配又は付着される。必要な薬物が生体に適用された後、マイクロニードルを皮膚から除去することができる。
以下、実施例に基づいて本発明のマイクロニードルデバイス用コーティング及びマイクロニードルデバイスをより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
エピネフリンの水に対する溶解性の向上に適する酸の種類を選択するため、各種酸を用いて、エピネフリンの溶解性試験を行った。エピネフリンとクエン酸を2:1の質量比で秤取し、精製水を加えて、50質量%のエピネフリンを含有する溶液を調製し、溶解性を評価した。溶解性については、未溶解のエピネフリンが存在しない場合を○、未溶解のエピネフリンが存在する場合を×として評価した。結果を表1に示す。
クエン酸の代わりに、他の酸(酒石酸、乳酸、メシル酸、リン酸、リン酸二水素カリウム)を用いて、上記と同様にエピネフリンを含有する溶液を調製し、溶解性を評価した。結果を表1に示す。
調製した各溶液について、エピネフリンの溶解状態を観察したところ、上記表1のとおり、エピネフリンの溶解性を向上させるためには、クエン酸又は酒石酸が優れることが判明した。
さらに、エピネフリンの溶解性が良好であった、クエン酸と酒石酸について、抗酸化剤、増粘剤を含有させた溶液を調整し、エピネフリン溶解性を評価した。溶解性については、未溶解のエピネフリンが存在しない場合を○、未溶解のエピネフリンが存在する場合を×として評価した。結果を表2に示す。
両溶液のエピネフリンの溶解状態を観察したところ、上記表2のとおり、より高い濃度でエピネフリンを溶解させるためには、酒石酸(調製例8)よりもクエン酸(調製例7)を用いる方が良いことが判明した。結果が良好であったクエン酸を用いて、以下の実験を行った。
さらに、塩化水素を含有させた場合のエピネフリンの溶解性試験を行った。
(実施例1)
エピネフリンが70質量%、酸としてクエン酸が10質量%、且つ塩化水素が10質量%、溶媒として精製水が10質量%となるように溶液を調製し、溶液のpH測定及びエピネフリンの溶解性を評価した。この際、塩化水素として、5N塩化水素水溶液を用いた。結果を下記表3に示す。
溶液のpH測定は、以下の方法により行った。
溶液に精製水を加えて400μg/mLに希釈し、簡易pHメーター(堀場製作所、COMPACT pH METER B−212、複合ガラス電極)を用いてpHを測定した。
溶解性については、エピネフリンが完全に溶解している場合を○、エピネフリンがほぼ溶解している場合を△、溶解していないエピネフリンが多量に存在する場合を×として評価した。
(実施例2〜5及び比較例1〜2)
上記表3に記載の質量%となるように各成分を配合し、実施例1と同様にして、溶液のpH測定及びエピネフリンの溶解性の評価を行った。結果は、上記表3に示す。
上記表3に示す結果より、実施例1のクエン酸と塩化水素の含有量を基準として、塩化水素の含有量が相対的に少ない比較例1と2はエピネフリンの溶解性が悪く、塩化水素の含有量を相対的に増した実施例2はエピネフリンの溶解性が良いもののpHが低下することが確認された。一方、塩化水素の含有量が増加すると溶液のpHが低下する傾向にある。pHが低下すると、皮膚刺激が増すと推察される。
実施例1及び3〜5の対比から、塩化水素の含有量を固定した場合のクエン酸含有量の変化について評価した。実施例5のように、クエン酸の含有量が相対的に減少するとエピネフリンの溶解性が低下する。クエン酸の含有量が相対的に増加すると溶液のpHが低下する傾向にある。
溶液のpHの観点からは、pH値が5.9以上7以下(中性領域)の範囲にある、実施例1及び3が良好であった。
以上より、溶液のpH及びエピネフリンの溶解性の観点から好ましいと考えられる、エピネフリンが70質量%であり、酸としてクエン酸が10〜12質量%であり、且つ塩化水素が10質量%となる溶液を基準として、以下の実験を行った。
(実施例6)
以下の通り、マイクロニードル上にコーティングを形成し、マイクロニードルデバイスを製造した。
まず、エピネフリンが70質量%、酸としてクエン酸が10質量%、且つ塩化水素が10質量%、抗酸化剤としてピロ亜硫酸ナトリウムが1質量%、溶媒として精製水が9質量%となるコーティング形成用の溶液を調製した。この溶液を浸漬コーティング法により、マイクロニードルの先端から200μmまでの領域に塗布し、乾燥してコーティングを形成した。コーティング中において、エピネフリンが76.9質量%、クエン酸が11質量%、塩化水素が11質量%、ピロ亜硫酸ナトリウムが1.1質量%であった。
マイクロニードル及び基板(マイクロニードルアレイ)としては、次のものを用いた。
[マイクロニードルアレイ]
マイクロニードルの形状 四角錐形
マイクロニードルの基底の大きさ 一辺の長さ200〜250μm
マイクロニードルの高さ 500μm
マイクロニードル基板の面積 約1cm
マイクロニードルの面密度 640個/cm
マイクロニードル及びマイクロニードル基板の材質 ポリ乳酸
上記の様にして製造したマイクロニードルデバイスE1及びE2を用いて、エピネフリン投与量の測定及び皮膚刺激性試験を行った。
エピネフリン投与量は、マイクロニードルデバイスの皮膚への適用後のエピネフリンの残存量を測定することにより算出した。
まず、皮膚刺激試験前のマイクロニードルデバイスのエピネフリン含有量の定量を行った。具体的には、皮膚刺激試験を行うマイクロニードルデバイスの製造と同じ条件で製造したマイクロニードルデバイスを別途2つ用意し、それぞれ精製水を用いて洗浄し、その洗浄液それぞれについて、高速液体クロマトグラフィー法によってエピネフリン量を定量した。2つの測定値の平均値をもって投与前のエピネフリン含有量とした。次に、皮膚刺激試験後のマイクロニードルデバイスを精製水で洗浄し、その洗浄液について、エピネフリン量を定量した。この測定値をもって投与後のエピネフリン残存量とした。上記投与前のエピネフリン含有量と上記投与後のエピネフリン残存量の差を算出し、エピネフリン投与量とした。結果を下記表4に示す。
皮膚刺激性試験は以下の方法により行った。
マイクロニードルデバイスの適用前日に背部を電気バリカンで除毛したウサギ(日本白色種)に、衝撃アプリケータを用いてマイクロニードルデバイスを適用し、5分間皮膚にこれを保持した後、除去した。除去後1時間での皮膚刺激を目視で観察した。図4の(a)及び(b)は、それぞれ実施例6のE1、E2に対応する皮膚刺激性試験の結果を示す写真である。皮膚刺激性については、軽度の紅斑の場合を○、重度の紫斑の場合を×として評価した。結果を下記表4に示す。
エピネフリンの投与量が増すに応じて、わずかにエピネフリンによる皮膚刺激性が増加する傾向がみられた。
(比較例3)
エピネフリンが52質量%、酸としてクエン酸が32.5質量%、抗酸化剤としてピロ亜硫酸ナトリウムが2.5質量%、溶媒として精製水が13質量%となるコーティング形成用の溶液を調製した。この溶液を用いて、実施例と同様の方法によりマイクロニードルデバイスR1及びR2を製造した。
得られたマイクロニードルデバイスR1及びR2についてエピネフリン投与量の測定及び皮膚刺激性試験を行った。図4の(c)及び(d)は、それぞれ比較例3のR1、R2に対応する皮膚刺激性試験の結果を示す写真である。結果は、下記表5に示す。
上記結果から、表4に記載の実施例と同様、エピネフリンの投与量が増すに応じて、エピネフリンによる皮膚刺激性が増加する傾向があることが判明した。また、実施例と比較して、酸としてクエン酸のみ含有する比較例では、マイクロニードルデバイスを皮膚に適用した際の皮膚刺激性が非常に強いことが判明した。
2…基板、4…マイクロニードル、6…コーティング、10…マイクロニードルデバイス、20…溶液、22…マスク版、24…窪み、26…ヘラ。

Claims (4)

  1. マイクロニードルデバイスのニードル上に形成されたコーティングであって、
    前記コーティングは、エピネフリン又はその薬学的に許容可能な塩と、クエン酸と、塩化水素とを含んでおり、前記クエン酸に対する前記塩化水素の質量比が0.7〜1.5である、コーティング。
  2. 前記コーティングの全量基準で、
    前記エピネフリン及びその薬学的に許容可能な塩の合計の含有量が35〜80質量%であり、前記クエン酸の含有量が5〜40質量%であり、且つ、前記塩化水素の含有量が5〜25質量%である、請求項1記載のコーティング。
  3. 揮発成分が除去されている、請求項1又は2記載のコーティング。
  4. 基板と、該基板上に備えられたマイクロニードルと、該マイクロニードルの表面の少なくとも一部に形成されたコーティングと、を備えるマイクロニードルデバイスであって、
    前記コーティングは、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコーティングである、マイクロニードルデバイス。
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