JP2014149921A - イオンビーム装置、および試料観察方法 - Google Patents

イオンビーム装置、および試料観察方法 Download PDF

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Abstract

【課題】帯電による像障害を抑制し、凹凸断面を含んだ試料の加工表面を高い像分解能で観察する装置及び方法を提供する。
【解決手段】真空容器4の内部において、試料2の加工断面に液状媒体供給部17よりイオン液体を含む液状媒体1を供給して、少なくともイオンビーム3の照射面をイオン液体を含む液状媒体1で覆う。液状媒体供給部17は、リザバーと探針をもつマニピュレータを有する。イオン源7にはガス電界電離イオン源を用いる。
【選択図】図3(a)

Description

本発明は、イオン顕微鏡およびイオンビーム加工観察装置などのイオンビーム装置、また、イオンビーム加工観察装置とイオン顕微鏡との複合装置、ならびにイオン顕微鏡と電子顕微鏡との複合装置に関する。また、イオン顕微鏡と電子顕微鏡を適用した解析・検査装置、およびこれらの装置を用いた試料観察方法に関する。
電子を走査しながら試料に照射して、試料から放出される二次荷電粒子を検出すれば試料表面の構造を観察することができる。これは走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、 以下SEMと略記)と呼ばれる。一方、イオンビームを走査しながら試料に照射して、試料から放出される二次荷電粒子を検出しても試料表面の構造を観察することができる。これは走査イオン顕微鏡(Scanning Ion Microscope、以下SIMと略記)と呼ばれる。
特に、水素、ヘリウムなどの質量の軽いイオン種を試料に照射すれば、相対的にスパッタ作用は小さくなり、試料を観察するのに好適となる。
逆に、アルゴン、キセノン、ガリウムなどの質量の重いイオン種を試料に照射すれば、スパッタ作用により試料を加工するのに好適となる。特に、液体金属イオン源(Liquid Metal Ion Source、以下LMISと略記)を用いた集束イオンビーム装置(Focused Ion Beam、以下FIBと略記)が、集束イオンビーム加工観察装置として知られている。更に、近年では、走査電子顕微鏡(SEM)と集束イオンビーム(FIB)の複合機であるFIB-SEM装置も用いられている。FIB-SEM装置では、FIBを照射して所望の箇所に角穴を形成することにより、その断面をSEM観察することができる。また、プラズマイオン源やガス電界電離イオン源により、アルゴンやキセノンなどのガスイオンを生成して試料に照射するようにしても試料の加工は可能である。
荷電粒子線を用いて試料の表面形状を観察する場合、試料の二次電子の放出量が試料の材質や表面形状により異なるため、試料の導電性が良好でない場合には電子ビームを用いても帯電による像障害が発生してしまう。イオンビームを用いる場合には、プラスのイオンを試料に照射してマイナスの二次電子が放出されるため更に帯電が起こりやすく、表面形状の観察では像障害が発生し、試料の加工では加工エッジの鈍化や加工形状の変形若しくはドリフトによる加工位置ずれといった致命的な障害が起こる。
上記帯電による障害を解決する方法として、試料表面に導電体をコーティングする方法が知られている。導電体として、金やプラチナなどの金属を用いる。
また、特許文献1には、常温で液体状態の塩であり、蒸気圧が限りなく0に近く、熱しても真空中であっても液体状態を保持してほとんど揮発しないイオン液体を塗布して電子照射面に導電性を付与する方法が開示されている。特許文献1には、真空中でほとんど揮発しないカチオンおよびアニオンから構成されるイオン液体を必須成分とし、SEM用試料または透過型電子顕微鏡(TEM)用試料の全体に含浸させ、またはその電子照射面に塗布し、電子照射面に導電性を付与する電子顕微鏡用チャージアップ防止液状媒体が開示されている。
また、帯電による障害を解決する別の方法として、特許文献2には、低加速電子を用いることにより、帯電があっても安定な観察を行うことができる低加速SEMが開示されている。
また、特許文献3には、電子顕微鏡による各種観察に適するように、試料に付着させるイオン液体の形状および膜厚を調整する機構を有する荷電粒子線装置が開示されている。
また、荷電粒子線による試料の表面形状観察では試料を真空容器内に入れる必要があるため、水を含む試料はそのままでは観察することができない。たとえばタンパク質結晶は水を50%前後含んでおり、真空内に入れてその水が失われると結晶構造が崩れてしまう。
国際公開第2007/083756号 特開2000−195459号公報 特開2011−124162号公報
本願発明者が、真空容器内で作製した断面を含んだ試料の表面を、凹凸形状によらずに高い像分解能で観察することについて鋭意検討した結果、次の知見を得るに至った。
近年、SEMの高分解能化にともない、試料の表面形状の検査や計測、詳細構造の観察に低加速SEMが利用されている。しかし、低加速電子を用いても試料の表面は帯電している。そのため、試料の表面形状が微細な構造である場合、エッジ部でのコントラストの消失などの帯電による像障害が問題となる。低加速SEMにおける像障害を抑制するために金属膜を絶縁体試料にコーティングした場合、金属膜の粒界に起因したコントラストが試料の形状コントラストに重畳されてしまうなどといった不具合を生じてしまい、本来の試料情報が得られなくなる。
また、試料の電子照射面にイオン液体を塗布して電子線で観察する場合には、試料表面の凹凸形状によって、分解能が変化してしまうという問題がある。イオン液体表面から試料表面までの距離が試料表面の凹凸形状によって異なるので、試料表面の凹凸パターンにおける二次電子発生領域の大きさが変わってしまうためである。したがって、分解能を一定に保つには、試料表面の凹凸形状に応じてイオン液体の膜厚を調整する必要がある。
さらに、試料の断面を観察したい場合には、真空容器内で試料を割断して断面を形成したり、LMISを用いた集束イオンビーム装置で加工して断面を作製したりする。金属膜を絶縁体試料にコーティングした場合には、作製した断面には金属膜が存在しないため、帯電による像障害が起きる可能性がある。また、試料の荷電粒子照射面にイオン液体を塗布して観察する場合には、作製した断面にイオン液体が移動せず、帯電による像障害が起きる可能性がある。
本発明の目的は、帯電による像障害を抑制して、真空容器内で作製した断面を含んだ試料の表面を凹凸形状によらずに高い像分解能で観察することに関する。
本発明は、真空容器の内部において試料に作製された断面にイオン液体を含む溶液を供給する手段を備えたイオンビーム装置において、少なくともイオンビームが照射される面がイオン液体を含む溶液で覆われた試料に対して、ガス電界電離イオン源によって発生したイオンビームを照射して試料の画像を取得することに関する。
本発明によれば、帯電による像障害を抑制して、真空容器内で作製した断面を含んだ試料の表面を凹凸形状によらずに高い像分解能で観察することができる。水を含む試料では、真空中で作製する断面から水が消失して試料が壊れること、および帯電による像障害を抑制して、断面を含んだ試料の表面を凹凸形状によらずに高い像分解能で観察することができる。
ヘリウムイオンビームと電子ビームとの特徴比較の説明図(浸入深さの違い)。 ヘリウムイオンビームと電子ビームとの特徴比較の説明図(二次電子の発生領域の違い)。 イオン液体を塗布した試料の概略図(上面図)。 イオン液体を塗布した試料の概略図(断面図)。 イオンビーム装置の第1の例の概略構成図。 イオンビーム装置の第1の例(断面加工時)の部分概略構成図。 イオンビーム装置の第1の例(断面観察時)の部分概略構成図。 イオンビームと電子ビームとの特徴比較の説明図(電子ビームの場合)。 イオンビームと電子ビームとの特徴比較の説明図(イオンビームの場合)。 イオンビーム装置の第2の例の概略構成図。 イオンビーム装置の第2の例における膜厚判定の説明図(イオンビームが透過できない場合の二次電子像)。 イオンビーム装置の第2の例における膜厚判定の説明図(イオンビームが透過できない場合の断面模式図)。 イオンビーム装置の第2の例における膜厚判定の説明図(イオンビームが透過できない場合の輝度変化図)。 イオンビーム装置の第2の例における膜厚判定の説明図(イオンビームが透過できる場合の二次電子像)。 イオンビーム装置の第2の例における膜厚判定の説明図(イオンビームが透過できる場合の二次電子像)。 イオンビーム装置の第2の例における膜厚判定の説明図(イオンビームが透過できる場合の輝度変化図)。 イオンビーム装置の第3の例の概略構成図。 イオンビーム装置の第3の例における膜厚判定の説明図(加速電圧と飛程の関係)。 イオンビーム装置の第3の例における膜厚判定の説明図(加速電圧を変化させたときの吸収電流の変化)。 イオンビーム装置の第4の例の概略構成図。 イオンビーム装置の第4の例(試料切り離し時)の部分概略構成図。
まず、従来技術における課題をより詳細に説明する。
観察に用いるビームによって試料表面が帯電して引き起こされる像障害を抑制するため、金属膜を試料にコーティングする方法がある。しかしこの方法では、金属膜の粒界に起因したコントラストが試料の形状コントラストに重畳されてしまうなどといった不具合を生じてしまい、本来の試料情報が得られなくなる。観察装置が金属膜のコーティング手段を持たない場合には、断面観察を行うために作製した断面には金属膜が存在しない状態となり、観察したい試料表面(この場合は作製した断面)だけが帯電して像障害を起こす可能性がある。また、水を含む試料では、水が逃げないよう表面にコーティング処理を施していたとしても断面作製中にコーティングのない面が出現することになり、ここから水が失われて試料が壊れてしまう。
別の解決方法として、試料の電子線照射面にイオン液体を塗布する方法がある。しかしこの方法では、イオン液体にパターン等の詳細構造全面が埋もれてしまい、低加速SEMでは試料の表面形状を観察できない。また、低加速SEMでは焦点深度が浅いために、高さ方向に差が大きい立体構造の表面観察が困難である。したがって、分解能を一定に保つには、試料表面の凹凸形状に応じてイオン液体の膜厚を調整する必要がある。尚、電子ビームではなく、主にガリウムをイオン種とする液体金属イオン源(LMIS)を用いたガリウムイオンビームによる観察もあるが、試料の構成元素、またはイオン液体の構成元素、若しくはその両方によっては、内部に打ち込まれて残留するガリウムにより性質などが変化してしまうものもあり、長時間の観察には適さない。断面観察を行うために作製した断面にあらかじめ塗布していたイオン液体が移動しない状態となると、断面は帯電を逃がす術を失い、像障害が起きる可能性がある。また、あらかじめ塗布していたイオン液体が作製した断面に移動すると、作製した断面も含めた試料表面のイオン液体が不足して、試料表面が帯電して像障害を起こす可能性がある。さらに、水を含む試料では水が逃げないようイオン液体が表面を保護しているのだが、断面観察を行うために作製した断面にあらかじめ塗布していたイオン液体が移動しない状態となったり、あらかじめ塗布していたイオン液体が作製した断面に移動して作製した断面も含めた試料表面のイオン液体が不足したりすると、断面から水が失われて試料が壊れてしまう。
そこで、実施例にかかるイオンビーム装置では、イオン液体を含む溶液によって観察面が覆われた試料に対して、荷電粒子照射面にイオン液体を含む溶液を供給する手段を備え、ガス電界電離イオン源によって発生したイオンビームを照射することにより観察を行っている。
具体的に実施例を説明する前に、まず、図1を用いてイオンビームと電子ビームの性質の違いについて説明する。図1(a)は、加速電圧を10kVと共通にし、試料をシリコンとして、ヘリウムイオンと電子の侵入深さの違いをシミュレーションしたものである。シリコンに対する加速電圧10kVでのヘリウムイオン(イオンビーム3)の侵入深さ21は約240nmである。一方、シリコンに対する加速電圧10kVでの電子(電子ビーム18)の侵入深さ22は約1μmである。このように、同じ加速電圧であれば、ヘリウムイオンのほうが電子よりも侵入深さが浅く、試料の極表面情報が得られることが分かる。逆に言えば、極表面を観察する場合、電子ビームは試料への侵入深さを浅くするために加速電圧を低くする(〜数kV)必要がある。加速電圧を低くすると、ビームの集束性能が悪化して入射電子ビームの直径が増大し、分解能が低下してしまう。イオンビームは同じ加速電圧ならば電子ビームよりも侵入深さが浅いので、極表面を観察する場合にも加速電圧を低くする必要はなく(〜数十kV)、ビームの集束性能を保てるため、入射イオンビームの直径は増大しない。
図1(b)は、試料をシリコンとして、ヘリウムイオンと電子の二次電子の発生領域の違いをシミュレーションしたものである。二次電子はエネルギーが低く(通常数10eV)、試料表面の深さ10nm以内で発生したものしか試料表面から飛び出すことができない。シリコンに対する加速電圧40kVでのヘリウムイオンによる二次電子発生領域23と、シリコンに対する加速電圧1kVでの電子による二次電子発生領域24とを比較すると、明らかにヘリウムイオンのほうが二次電子の発生領域が狭い。電子の場合には、一次電子により直接励起されて真空中に放出される二次電子(SE1、入射電子ビームの直径に近い領域からのみ放出される)と、反射電子が表面付近で励起した二次電子(SE2、入射電子ビームの直径に比べるとかなり大きな領域から放出される)が放出されるため、二次電子の発生領域は大きくなり像分解能が悪化する。一方、ヘリウムイオンの場合には、一次イオンにより直接励起されて真空中に放出される二次電子(SE1)しかないため、二次電子の発生領域は入射イオンビームの直径に近く、電子よりも高い像分解能で極表面観察ができる。
このように、二次荷電粒子の励起領域が電子ビームの照射に比べて試料表面により局在するので、イオンビームは電子ビームに比べて試料表面の情報に敏感である。
また、電子ビームでは、電子の波としての性質が無視できないため、回折効果により収差が発生するが、イオンビームでは、電子に比べて重いため、回折効果を無視することができる。
以上のイオンビームの性質を用いているので、実施例では、試料の表面凹凸形状に合わせてイオン液体を含む溶液の膜厚調整をしなくても、高い像分解能で観察することができる。作製した断面にイオン液体を含む溶液を供給する場合にも断面上のイオン液体を含む溶液の膜に対して高精度な膜厚制御が不要となる。
実施例では、試料にイオンビームを照射して得られる二次粒子を検出して試料の画像を取得するイオンビーム装置であって、イオンビームを発生するガス電界電離イオン源と、その内部に試料が配置される真空容器と、イオンビームを試料上に集束して走査する光学系と、二次粒子を検出する検出器と、真空容器の内部において試料に作製された断面に、イオン液体を含む溶液を供給する液状媒体供給部と、を備えるものを開示する。
また、実施例では、液状媒体供給部が、少なくとも試料上のイオンビーム走査範囲にイオン液体を含む溶液を供給することを開示する。また、液状媒体供給部が、試料からイオン液体を取り除くことができることを開示する。また、液状媒体供給部が、イオン液体を含む溶液を溜めておくリザーバと、探針をもつマニピュレータと、を有することを開示する。
また、実施例では、ガス電界電離イオン源で用いるイオン化ガスが、水素またはヘリウム若しくはその両方であることを開示する。
また、実施例では、イオンビーム装置が、試料の少なくともイオンビームが照射される面を覆うイオン液体を含む溶液の膜厚が、イオンビームが試料の表面まで透過できる膜厚であるか否かを判定する膜厚判定部と、を備えることを開示する。また、膜厚判定部が、試料の吸収電流の変化から膜厚を判定することを開示する。また、膜厚判定部が、イオンビームの加速電圧を変化させたときの試料の画像を比較することにより膜厚を判定することを開示する。
また、実施例では、ガス電界電離イオン源により発生したイオンビームを試料に照射して得られる二次粒子を検出して試料の画像を取得する試料観察方法であって、試料の少なくともイオンビームが照射される面を、イオン液体を含む溶液で覆い、真空容器の内部において試料に作製された断面を、イオン液体を含む溶液で覆い、イオンビームを試料に照射して試料および/または断面の画像を取得するものを開示する。
また、実施例では、イオン液体を含む溶液の膜厚が、イオンビームが試料の表面まで透過できる膜厚であることを開示する。
また、実施例では、ガス電界電離イオン源において試料観察に用いるイオン化ガスが、水素またはヘリウム若しくはその両方であることを開示する。
また、実施例では、試料の内部にもイオン液体を含む溶液を浸透させることを開示する。
以下、上記およびその他の新規な特徴と効果について、図面を参酌して説明する。なお、図面はもっぱら発明の理解のために用いるものであり、権利範囲を限縮するものではない。
以下、第1の実施例について説明する。
図2(a)に、試料2上のイオン液体を含む液状媒体1が薄膜状である観察対象物の上面図を、図2(b)に、イオン液体を含む液状媒体1が薄膜状の観察対象物の断面図を示す。試料2は、凹凸形状をもつ試料であり、イオン液体は、凹凸形状の試料2の上で薄膜状となっている。図2(b)では、試料表面の凹凸に合わせた膜厚調整を行わずに、試料表面にイオン液体を含む液状媒体1を塗布した例である。図2(b)の状態では、試料表面の位置によって液状媒体表面までの液状媒体の厚さが異なっているが、本実施例ではこのような状態の試料であっても観察を行うことができる。
本実施例で用いるイオン液体は、真空中で蒸発しにくく、導電性を有する液体であればよい。
ここで、試料に塗布するイオン液体は、イオン液体を溶媒で希釈したイオン液体溶液を用いてもよい。溶媒としては、例えば、水、エタノール、メタノール、アセトン、ヘキサンなどが挙げられる。また、像のコントラストが明瞭に得られるように、イオン液体に、イオン液体と二次電子放出率の異なる微粒子を混合してもよい。二次電子放出率とは、放出された二次電子数を、照射した一次電子数で割ったものである。イオン液体を含む液状媒体とは、イオン液体と該イオン液体以外の物質を含む液状媒体である。以降、イオン液体とは、イオン液体またはイオン液体を含む液状媒体(イオン液体溶液)を指すものとする。
作製した断面観察でも、観察対象物の上面図が断面に代わるだけで上記と同じである。
図3に、本実施例にかかるイオンビーム装置の概略構成図を示す。ここで、イオンビーム装置とは、イオン顕微鏡、イオンビーム加工観察装置、イオンビーム加工観察装置とイオン顕微鏡との複合装置、イオン顕微鏡と電子顕微鏡との複合装置を含む。また、イオン顕微鏡と電子顕微鏡を適用した解析・検査装置も含む。
イオンビーム装置の一例として、走査イオン顕微鏡について、図3(a)を用いて説明する。走査イオン顕微鏡は、真空容器4と、真空排気ポンプ5と、試料を載置するステージ6と、イオン源7と、イオンビーム3を集束する対物レンズと試料上を走査するようにイオンビーム3を偏向する偏向器を含むイオンビーム照射系8と、試料から発生する二次粒子を検出する二次粒子検出器9と、二次粒子像を表示する表示部10と、イオン化ガスを供給するガス供給配管11と、ガスイオン化室12と、ガス源13により構成されている。そして、このようなイオンビーム装置に、液状媒体供給部17が具備されている。なお、イオンビーム装置には、このほかにも各部分の動作を制御する制御部や、検出器から出力される信号に基づいて画像を生成する画像生成部が含まれている(図示省略)。制御部や画像生成部は、専用の回路基板によってハードとして構成されていてもよいし、イオンビーム装置に接続されたコンピュータで実行されるプログラムによって構成されてもよい。
イオン源7はガス電界電離イオン源(ガスイオン源と略称する)である。ガス電界電離イオン源とは、エミッタティップが作る電界によってガスをイオン化してイオンビームとして用いるイオン源である。イオン源7は、高電圧が印加できる針状のエミッタティップを内部に持つガスイオン化室12を有し、ガスイオン化室12には、ガス源13からガス供給配管11を介してイオン化ガスが供給される。高電圧が印加され強電界のかかった針状のエミッタティップ先端に、ガス供給配管11から供給されたイオン化ガス(あるいはガス分子)が近づくと、ガス(ガス分子)内の電子が電界によって低減したポテンシャル障壁をトンネリングし、正イオンとなり放出される。ガスイオン源は、これをイオンビームとして利用する。
イオン化ガスは、断面加工には、アルゴンやクリプトンなどの質量の重いイオン種を用い、観察には、水素やヘリウムなどの質量の軽いイオン種を用いる。水素とヘリウムの混合ガスや、その他のガスとの混合ガスを用いてもよい。また、断面加工に時間を要しても構わない場合には、イオン化ガスは、水素またはヘリウムのみとしてもよい。荷電粒子線としてヘリウムなどの質量の軽いイオン種を用いたイオンビームを用いることにより、低加速SEMよりも高い像分解能、極表面情報および大焦点深度が得られる。これは、図1を用いて前述したとおり、イオンビームは電子ビームに比べて侵入深さが浅く、二次荷電粒子の励起領域が狭いため電子ビームよりも表面感度が高く、高い像分解能が得られるためである。また、電子ビームでは、電子の波としての性質が無視できず回折収差が発生するが、イオンビームでは、電子に比べて重いため回折効果を無視することができ、大焦点深度が得られるためである。
液状媒体供給部17は、具体的には、イオン液体を含む液状媒体1を溜めておくリザーバと、探針をもつマニピュレータから構成される。液状媒体供給部17によって、イオンビーム走査範囲にイオン液体を含む液状媒体1が供給される。液状媒体を試料に供給する場合には、探針をリザーバに浸けることにより探針先端部に液状媒体を付着させ、液状媒体を付着させた探針を試料のイオンビーム走査範囲(イオンビームは走査していてもブランキングしていても良い)に接触させて、液状媒体を試料に供給する。また、液状媒体を供給しすぎた場合には、液状媒体が付着していない探針を試料上の液状媒体に浸けることにより探針先端部に液状媒体を付着させ、試料から探針に移すことにより取り除く。液状媒体供給部17によりイオン液体の付着や膜厚制御が可能となる。
試料2は、イオン液体を含む液状媒体1(イオン液体と略称する)が薄膜状に塗布されており、ステージ6に載置されている。ここで、イオン液体を含む液状媒体1は、塗布に限られず、噴霧、または滴下されてもよい(以下同様)。これにより、少なくとも前記イオンビームが照射される面を覆うようにイオン液体の膜が形成される。例えば溝等のパターンを持つ半導体デバイスを観察すると、イオン液体を塗布していない場合には帯電によりパターン部分が暗くなるシェーディングと呼ばれる現象が生じ、試料表面が正確に観察できないが、本実施例のようにイオン液体を含む液状媒体を用いることにより試料の帯電を防止できる。
図3(b)は、イオンビーム3により試料2に断面30を加工している模式図である。スパッタリング現象を利用して試料2の構成元素を叩き出しながら断面30を作製(断面加工)する。試料2と同時に、イオン液体を含む液状媒体1もスパッタリング現象で叩き出されて、断面30上にはイオン液体を含む液状媒体1が不足する可能性があるが、液状媒体供給部17によりイオン液体を含む液状媒体1を断面30に供給し、断面30からイオン液体を含む液状媒体1がなくならないようにすれば、これまで述べてきた不具合は回避できる。断面30を観察する場合には、図3(c)のようにステージ6を傾斜させればよい。イオンビーム3により試料2を加工する場合、試料2を構成する元素の違い、結晶構造の違い、または結晶面の向きの違いなどの影響でスパッタリング収率が一定とはならないため、断面30は図2に示したように、程度の差はあるが凹凸形状となる。
従来のように電子ビームで観察する場合には、イオン液体を含む液状媒体を観察するときには、分解能を一定に保つために試料表面の凹凸形状に応じてイオン液体の膜厚を調整する必要があった。
この理由について、図4を用いて説明する。図4(a)は、試料2にイオン液体を含む液状媒体1を十分な膜厚制御を行わずに塗布した観察対象物に、電子ビーム18を照射した場合の断面模式図である。二次電子発生領域20に着目すると、二次電子19が発生する領域の大きさが試料の凹凸状況により変化することが分かる。試料2の表面がイオン液体を含む液状媒体1の表面から深くなるほど二次電子19の発生領域が大きくなり、像分解能が劣化する。従って、試料全面で同じ像分解能を得るためには、図2(b)のように、イオン液体を含む液状媒体1の薄膜の厚さが試料の凹凸に追従して場所に依存せず試料表面から一定の膜厚になるよう制御しなければならない。例えば、低加速SEMによるデバイス観察ではイオン液体を含む液状試料の平均膜厚を100nm以下の精度で制御しなければならない場合もあり、厳密な膜厚測定装置および膜厚制御装置を必要とするときもある。
これに対して、本実施例では、観察にイオンビームを用いることにより、電子ビームで観察する場合より、イオン液体の薄膜の膜厚制御を容易にすることができる。図4(b)は、試料2にイオン液体を含む液状媒体1を十分な膜厚制御を行わずに塗布した観察対象物にイオンビーム3を照射した場合の断面模式図である。試料表面の二次電子発生領域20に着目すると、二次電子19が発生する領域の大きさが試料の凹凸状況により変化しないことが分かる。従って、イオンビームによる観察の場合には、電子ビームによる観察のときほど、イオン液体を含む液状媒体1の薄膜を試料の凹凸に追従するように形成する必要はない。
ただし、マイクロピペット等で半導体デバイス上にイオン液体を滴下した場合には、イオン液体が薄膜状とならず、膜厚が厚すぎる場合には、一次イオンビームがイオン液体を透過できずパターンが識別できない。したがって、イオン液体を含む液状媒体の膜厚は、一次イオンビームが前記試料表面まで透過し試料に到達できる膜厚より小さくする。別の表現で言い換えれば、観察領域(すなわちイオンビームの走査領域)の範囲内において、液状媒体の表面から試料表面までの膜厚の最大値が、イオンビームの透過できる厚さより小さくなるようにすればよい。これによって、シェーディング等の帯電による像障害を抑制しつつ、試料のパターンの凹凸形状によらずに分解能がほぼ一定に保たれた画像を得ることができる。
また、前記試料の少なくとも前記イオンビームが照射される面を、イオン液体を含む液状媒体で覆うコーティング手段を有する試料作製装置を用いて、上述のように、一次イオンビームが前記試料表面まで透過できる膜厚に調整したり、試料の表面形状に沿った膜に成形したりしても良い。
多孔質材料のような試料を観察する場合には、試料内部にイオン液体を含む液状媒体を含浸させるのがよい。これによって、イオンビームを試料に照射することにより生じるスパッタリング現象によってイオン液体を含む液状媒体が減少することを抑制し、帯電防止機能を維持できる。
このようにして作成された試料にイオンビーム3を照射する。イオンビーム3の照射により試料2から二次粒子が発生する。この二次粒子を二次粒子検出器9で検出し、一次イオンビームの走査位置と対応付けて画像を生成する。生成された画像は表示部10に表示される。
本実施例のようなイオンビーム装置を用いて観察することにより、低加速SEMに代表される電子ビームのような厳密なイオン液体を含む液状媒体の膜厚制御は必要なく、試料の前処理が簡便となる。本実施例では、イオン液体を含む液状媒体の膜をイオンビームが透過できる厚さとすれば良いため、膜厚制御は電子ビームでの観察時よりも容易となる。
さらに、厳密な膜厚制御装置が必要ないので観察装置の生産性が向上し、低コスト化を実現できる。
本実施例は一つのイオン光学系を使用した例であるが、断面加工用のイオン光学系と観察用のイオン光学系の複数をもつことも可能である。複数持てばイオン化ガスの種類を加工と観察で変更する手間が省ける。断面加工用のイオン光学系と観察用のイオン光学系を45度から90度までのいずれかの角度で配置すれば、ステージ6を傾斜させなくても断面観察ができる装置となる。
図5に、本実施例にかかるイオンビーム装置の概略構成図を示す。なお、以下においては、実施例1との相違点を中心に説明する。
実施例1で述べたように、イオンビームを用いた観察の場合には、厳密な膜厚制御は必要ないが、イオン液体を含む液状媒体の膜をイオンビームが透過できるかできないかを判断する必要がある。そこで、本実施例では、実施例1のイオンビーム装置にさらに膜厚判定部14を具備したものとなっている。本実施例の膜厚判定部14は、二次粒子検出部9により検出した二次電子による二次電子像のパターン形状の有無を検出(例えば、二次電子像内にコントラストの変化があるかを検出するなど)してイオン液体を含む液状媒体の膜をイオンビームが透過できるかできないかを判断する。
図6(a)は、イオンビーム3が透過できない厚さに試料2にイオン液体を含む液状媒体1を塗布した観察対象物の二次電子像、図6(b)は、イオンビーム3が透過できない厚さに試料2にイオン液体を含む液状媒体1を塗布した観察対象物の断面模式図である。イオンビーム3は試料2まで到達していないため、二次電子像には試料の表面形状が現れない。一例として、図6(a)でX方向に輝度変化を検出するライン25と、Y方向に輝度変化を検出するライン26について、輝度変化を図6(c)に示す。輝度変化はないため一定値となる。
図6(d)は、イオンビーム3が透過できるように厚さを調整して試料2にイオン液体を含む液状媒体1を塗布した観察対象物の二次電子像、図6(e)は、イオンビーム3が透過できるように厚さを調整して試料2にイオン液体を含む液状媒体1を塗布した観察対象物の断面模式図である。イオンビーム3は試料2まで到達できるため、二次電子像には試料の表面形状が現れる。一例として、図6(d)でX方向に輝度変化を検出するライン25と、Y方向に輝度変化を検出するライン26について、輝度変化を図6(f)に示す。
表面形状に対応した輝度変化が現れる。膜厚判定部14は、上述した二次電子像の違いまたは輝度プロファイルを比較し、検出して、薄膜状のイオン液体を含む液状媒体1の膜厚が適切か否かを判断する。判定結果はイオン顕微鏡の表示部に表示されてもよいし、判定結果に応じて自動的に膜厚が調整されてもよい。イオン液体を含む液状媒体1の膜厚が厚すぎる場合には、液状媒体供給部17を利用して膜厚を調整する。
図7に、本実施例にかかるイオンビーム装置の概略構成図を示す。なお、以下においては、実施例1〜2との相違点を中心に説明する。
本実施例は、実施例2とは別の方法でイオン液体の膜厚を評価するものである。尚、本実施例は、実施例2にかかる二次電子像の比較による膜厚判断と併用した形式で用いられても良いし、以下に説明する吸収電流の検出のみにより膜厚評価が行われてもよい。以下で、吸収電流とは、イオンビームを照射したときに基板から流れ出す電流のことをいう。
本実施例では、第1または第2のイオンビーム装置のステージ6に、さらに、電流計15が具備されている。イオンビーム3を照射したときの吸収電流を計測してイオン液体の膜厚を評価する。イオンビーム3照射下で試料2に蓄積する電荷により誘起される変位電流を、吸収電流として測定する。
図8(a)は、一次イオンビームの加速電圧と飛程の関係を示す模式図である。A、B、Cと一次イオンビームの加速電圧を増加させていくと、一次イオンビームの飛程が長くなり、イオンの到達領域16は深くなる。一次イオンビームの飛程がイオン液体を含む液状媒体1の膜厚以上のとき(図8(a)のC)、一次イオンビームは試料2に到達して、試料2に電荷が蓄積する。このとき電荷蓄積による変位電流が生じ、吸収電流として計測できる。
図8(b)に一次イオンビームの加速電圧を変化させたときの吸収電流の変化の模式図を示す。図8(b)では、加速電圧がBのとき吸収電流が急激に増加している。この吸収電流が急激に増加した時の加速電圧が、イオンが膜厚を透過した時の加速電圧である。以上の通り、Bのときの加速電圧以上の加速電圧で観察を行えば、一次イオンビームは試料表面に到達するので、試料の画像を得ることができる。
さらに、加速電圧と飛程との関係をあらかじめ求めておけば、Bのときの加速電圧に対応する飛程からイオン液体を含む液状媒体1の膜厚がわかる。なお、加速電圧と飛程との関係は走査イオン顕微鏡に接続されたメモリやハードディスク等の記憶部に予め保存しておく。
また、ユーザが所望の加速電圧で観察したい場合には、当該加速電圧でイオン液体の膜を一次イオンビームが透過するように膜厚を調整しなおす必要がある。この場合には、観察条件としたい加速電圧に設定しておき、イオン液体を試料表面から少量ずつ除去して、吸収電流の変化をモニタリングし、吸収電流が急激に増えるところを検知する。膜厚をこのときの膜厚以下にすれば、設定した加速電圧で試料表面に一次イオンビームが到達することができる。
図9に、本実施例にかかるイオンビーム装置の概略構成図を示す。なお、以下においては、実施例1〜3との相違点を中心に説明する。
本実施例では、実施例1〜3にかかるイオンビーム装置に、さらに、マニピュレータ機構31が具備されている。図9(b)は、試料2の一部分をマニピュレータ機構31が保持し、液状媒体供給部17から液状媒体を供給して、前記した試料2の一部分をイオン液体を含む液状媒体1で覆いながら、試料2からイオンビーム3により切り離している途中の模式図である。図9(a)は、前記した試料2の一部分がイオン液体を含む液状媒体1で覆われた状態で切り離され、マニピュレータ機構31で保持されている状態の模式図である。本実施例ならば、たとえば生物などの水を含む試料であっても、切断面から水が失われて試料が壊れてしまうことなしに、試料2の一部分を取り出すことができ、取り出した試料2の一部分を他の試料に移植したり、あるいは透過型電子顕微鏡などの他の分析装置に移設して分析したりすることができる。
なお、本発明は上記した実施例1〜4に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。本明細書は、これら構成も開示している。
また、実施例2および3に示した膜厚の評価、判定部を備えたイオンビーム装置では、膜厚について予めしきい値を定めておき、例えば観察時のイオンビーム照射により起きるスパッタリング現象により消失したイオン液体の量を検知し、このしきい値を越えたら液状媒体供給部17からイオン液体を含む液状媒体が供給される構成としてもよい。このしきい値は、実施例2または3で述べた方法で求められた膜厚に限られず、例えば、イオン液体が塗布された試料の全体の重量の変化量によっても定めることができる。
1 イオン液体を含む液状媒体
2 試料
3 イオンビーム
4 真空容器
5 真空排気ポンプ
6 ステージ
7 イオン源
8 イオンビーム照射系
9 二次粒子検出部
10 表示部
11 ガス供給配管
12 ガスイオン化室
13 ガス源
14 膜厚判定部
15 電流計
16 イオンの到達領域
17 液状媒体供給部
18 電子ビーム
19 二次電子
20 二次電子発生領域
21 シリコンに対する加速電圧10kVでのヘリウムイオンの侵入深さ
22 シリコンに対する加速電圧10kVでの電子の侵入深さ
23 シリコンに対する加速電圧40kVでのヘリウムイオンによる二次電子発生領域
24 シリコンに対する加速電圧1kVでの電子による二次電子発生領域
25 X方向に輝度変化を検出するライン
26 Y方向に輝度変化を検出するライン
30 断面
31 マニピュレータ機構

Claims (12)

  1. 試料にイオンビームを照射して得られる二次粒子を検出して前記試料の画像を取得するイオンビーム装置であって、
    前記イオンビームを発生するガス電界電離イオン源と、
    その内部に前記試料が配置される真空容器と、
    前記イオンビームを前記試料上に集束して走査する光学系と、
    前記二次粒子を検出する検出器と、
    前記真空容器の内部において前記試料に作製された断面に、イオン液体を含む溶液を供給する液状媒体供給部と、を備えることを特徴とするイオンビーム装置。
  2. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記液状媒体供給部が、少なくとも前記試料上のイオンビーム走査範囲に前記イオン液体を含む溶液を供給することを特徴とするイオンビーム装置。
  3. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記液状媒体供給部が、前記試料からイオン液体を取り除くことができることを特徴とするイオンビーム装置。
  4. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記液状媒体供給部が、イオン液体を含む溶液を溜めておくリザーバと、探針をもつマニピュレータと、を有することを特徴とするイオンビーム装置。
  5. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記ガス電界電離イオン源で用いるイオン化ガスが、水素またはヘリウム若しくはその両方であることを特徴とするイオンビーム装置。
  6. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記試料の少なくとも前記イオンビームが照射される面を覆うイオン液体を含む溶液の膜厚が、前記イオンビームが前記試料の表面まで透過できる膜厚であるか否かを判定する膜厚判定部と、を備えることを特徴とするイオンビーム装置。
  7. 請求項6に記載のイオンビーム装置において、
    前記膜厚判定部が、前記試料の吸収電流の変化から前記膜厚を判定することを特徴とするイオンビーム装置。
  8. 請求項6に記載のイオンビーム装置において、
    前記膜厚判定部が、前記イオンビームの加速電圧を変化させたときの前記試料の画像を比較することにより前記膜厚を判定することを特徴とするイオンビーム装置。
  9. ガス電界電離イオン源により発生したイオンビームを試料に照射して得られる二次粒子を検出して前記試料の画像を取得する試料観察方法であって、
    前記試料の少なくとも前記イオンビームが照射される面を、イオン液体を含む溶液で覆い、
    前記真空容器の内部において前記試料に作製された断面を、イオン液体を含む溶液で覆い、
    前記イオンビームを前記試料に照射して前記試料および/または前記断面の画像を取得することを特徴とする試料観察方法。
  10. 請求項9に記載の試料観察方法において、
    前記イオン液体を含む溶液の膜厚が、前記イオンビームが前記試料の表面まで透過できる膜厚であることを特徴とする試料観察方法。
  11. 請求項9に記載の試料観察方法において、
    前記ガス電界電離イオン源において試料観察に用いるイオン化ガスが、水素またはヘリウム若しくはその両方であることを特徴とする試料観察方法。
  12. 請求項9に記載の試料観察方法において、
    前記試料の内部にも前記イオン液体を含む溶液を浸透させることを特徴とする試料観察方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111243926A (zh) * 2018-11-29 2020-06-05 江苏鲁汶仪器有限公司 一种载台系统

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