JP2014148005A - 携帯型作業機 - Google Patents

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Kentaro Kanetani
健太郎 金谷
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Abstract

【課題】簡単な構成で、部品点数の増加や組み立て工数の増加を招くことなく、操作性の悪化を抑制しつつ、振動を確実に低減すること。
【解決手段】作業刃(ソーチェン14)及び動力源(エンジン11)が搭載されたケーシング10と、作業者が把持するハンドル(フロントハンドル21、リアハンドル22)が設けられたフレーム部20とを、ケーシング10とフレーム部20との相対変位を規制する弾性体(第1弾性体23b及び第2弾性体24b)が結合された弾性部材(第1コイルバネ23a、第2コイルバネ24a等)によって連結し、弾性部材(第1コイルバネ、第2コイルバネ24a等)によりフレーム部20側に伝わる動力源(エンジン11)からの振動を低減し、弾性体(第1弾性体23b及び第2弾性体24b)によりケーシング10とフレーム部20との相対変位を規制するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえばエンジンを動力源とするチェンソーやヘッジトリマ等の携帯型作業機に関する。
たとえば、エンジンを動力源とするチェンソー等の携帯型作業機では、エンジンで発生する振動やソーチェン等の切断部分で発生する衝撃の伝達を抑制するための対策が施されている。このような対策を施したものとして、たとえば特許文献1に示されるチェンソーが知られている。
このチェンソーは、エンジンを収容するケーシングと作業者が把持するハンドルを設けたフレーム部との間を第1〜第3のコイルバネによって連結することで、ケーシングからフレーム部に伝わる振動を低減し、さらに、フレーム部に取り付けた第1〜第2の弾性体によりケーシングとフレーム部との相対変位を規制し、操作性の悪化を抑制する構成となっている。
特開2011−189480号公報
ところで、上述した特許文献1に示されるチェンソーでは、ケーシングとフレーム部との間に設けられている第1〜第3のコイルバネと第1〜第2の弾性体とがそれぞれ分離されて配置されている。そのため、ケーシングとフレーム部との間に、第1〜第3のコイルバネと第1〜第2の弾性体とをそれぞれ配置する配置スペースを確保する必要があり、チェンソーの更なる小型、軽量化を図る上で妨げとなってしまう。
また、特に、第1〜第2の弾性体をフレーム部に取り付けるための取付部材が別途必要となるため、部品点数が増加してしまう。
しかも、ケーシングとフレーム部とを組み立てる際、第1〜第3のコイルバネによりケーシングとフレーム部との連結に加え、フレーム部に対する第1〜第2の弾性体の取り付けが必要となるため、組み立て工数が増加してしまう。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、部品点数の増加や組み立て工数の増加を招くことなく、操作性の悪化を抑制しつつ、振動を確実に低減することができる携帯型作業機を提供することを目的とする。
本発明の携帯型作業機は、作業刃及び動力源が搭載されたケーシングと、作業者が把持するハンドルが設けられたフレーム部と、前記ケーシングと前記フレーム部との間に設けられ、前記ケーシングと前記フレーム部とを連結する弾性部材と、該弾性部材の前記ケーシング又は前記フレーム部との取付部の近傍に設けられ、前記ケーシングと前記フレーム部との相対変位を規制する弾性体とを備えることを特徴とする。
また、前記弾性体は、前記弾性部材と共通の締結部材によって前記ケーシング又は前記フレーム部に取り付けられていることを特徴とする。
また、前記弾性部材はコイルバネであり、前記弾性体は略円形状をなすものであり、これらは同心円状となるように配置されていることを特徴とする。
また、前記弾性部材はコイルバネであり、前記弾性体は略円形状をなすものであり、該弾性体は前記弾性部材に対し中心位置が偏倚して配置されていることを特徴とする。
また、前記弾性部材はコイルバネであり、前記弾性体は円筒状をなすものであり、これらは同心円状となるように配置されていることを特徴とする。
また、前記弾性部材はコイルバネであり、前記弾性体は円筒状をなすものであり、該弾性体は前記弾性部材に対し中心位置が偏倚して配置されていることを特徴とする。
また、前記ケーシング又は前記フレーム部には、前記弾性体を囲むように配置された当接部材が設けられていることを特徴とする。
また、前記当接部材は、円弧形状とされていることを特徴とする。
本発明の携帯型作業機では、作業刃及び動力源が搭載されたケーシングと、作業者が把持するハンドルが設けられたフレーム部とを、ケーシングとフレーム部との相対変位を規制する弾性体が結合された弾性部材によって連結しているため、弾性部材によりフレーム部側に伝わる動力源からの振動を低減することができ、併せて弾性体によりケーシングとフレーム部との相対変位を規制することができる。
また、弾性体が弾性部材に結合されているため、ケーシングとフレーム部との間には、弾性部材を配置する配置スペースを確保すればよく、弾性体を配置する配置スペースを別途確保する必要が無くなる。
また、弾性体が弾性部材に結合されているため、弾性体をケーシング又はフレーム部に取り付けるための取付部材が不要となるとともに、ケーシングとフレーム部とを組み立てる際、弾性部材の取り付けと同時に弾性体の取り付けが行われる。
本発明の携帯型作業機によれば、ケーシングとフレーム部との相対変位を規制する弾性体が動力源からの振動を低減する弾性部材に結合されているため、弾性体を配置する配置スペースを別途確保する必要が無くなり、弾性体をケーシング又はフレーム部に取り付けるための取付部材が不要となるとともに、ケーシングとフレーム部とを組み立てる際、弾性部材の取り付けと同時に弾性体の取り付けが行われることから、簡単な構成で、部品点数の増加や組み立て工数の増加を招くことなく、操作性の悪化を抑制しつつ、振動を確実に低減することができる。
本発明の携帯型作業機をチェンソーに適用した場合の一実施形態を示す右側面図である。 図1のチェンソーのフレーム部を示す斜視図である。 図1のチェンソーの切断作業時の状態を示す右側面図である。 図1〜図3に示す弾性体の構成を変えた場合の他の実施形態を、一部切り欠いて示す図である。 図4の弾性体をB−B線に沿って切断して示す断面図である。 図4及び図5に示す弾性体の構成を変えた場合の他の実施形態を、一部切り欠いて示す図である。 図6の弾性体をC−C線に沿って切断して示す断面図である。 図7の弾性体の動作を一部切り欠いて示す図である。 図8の弾性体をD−D線に沿って切断して示す断面図である。
以下、本発明の携帯型作業機をチェンソーに適用した場合の一実施形態を、図1〜図3を参照しながら説明する。
まず、図1及び図2に示すように、チェンソー1は、ケーシング10とフレーム部20とを備えている。ケーシング10の中央部分には、動力源となる2サイクル又は4サイクルのエンジン11が搭載されている。エンジン11の後方には、キャブレター12が配置されている。エンジン11の前方には、マフラ13とガイドバー14aの外周に巻回されたソーチェン(作業刃)14とが配置されている。なお、図中符号15はフロントハンドガードを示している。
一方、フレーム部20には、一端がフレーム部20の後方の右側面側に取り付けられ、他端がフレーム部20の前方の右側面側に取り付けられたフロントハンドル21が設けられている。フロントハンドル21には、第3コイルバネ25aの一端部25fが取り付けられる第3取付部25cが設けられている。なお、第3コイルバネ25aの図示しない他端部は、ケーシング10側に連結されるようになっている。
また、フレーム部20の後方には、操作レバー22aを有するリアハンドル22が設けられている。また、フレーム部20の後方には、第1取付部23cが設けられている。第1取付部23cには、第1コイルバネ23aと円板状をなす第1弾性体23bとが取り付けられている。
ここで、第1コイルバネ23aと第1弾性体23bとは、同心円状となるように配置されている。また、第1弾性体23bは、第1コイルバネ23aの図示しない一端部に結合されている。なお、第1コイルバネ23aに対する第1弾性体23bの結合に際しては、たとえば第1弾性体23bの図示しない中心穴が第1コイルバネ23aの図示しない一端部に嵌着されるような構成となっている。
また、第1コイルバネ23aの他端部23gは、ケーシング10側に連結されるようになっている。また、第1コイルバネ23aの他端部23gが取り付けられるケーシング10側には、第1弾性体23bを囲むように配置された円弧形状の第1当接部材16が設けられている。
また、第1弾性体23bの外周と第1当接部材16の内面との間には、若干の隙間が設けられている。そして、ケーシング10とフレーム部20との相対変位が所定量以上になると、第1弾性体23bが弾性変形しつつ第1当接部材16の内面に当接することで、ケーシング10とフレーム部20との相対変位が規制され、チェンソー1の操作性の悪化が抑制されるようになっている。
なお、第1取付部23cにあっては、フレーム部20側ではなく、上述したケーシング10側に設けられていてもよい。この場合、第1弾性体23bを第1コイルバネ23aの他端部23gに結合し、第1コイルバネ23aの一端部をフレーム部20側に連結するようにすればよい。併せて、第1当接部材16をフレーム部20側に設けるようにすればよい。
また、フレーム部20の先端部分には第2取付部24cが設けられている。第2取付部24cには、第2コイルバネ24aと円板状をなす第2弾性体24bとが取り付けられている。
ここで、第2コイルバネ24aと第2弾性体24bとは、上記同様に、同心円状となるように配置されている。また、第2弾性体24bは、第2コイルバネ24aの図示しない他端部に結合されている。なお、第2コイルバネ24aに対する第2弾性体24bの結合に際しては、上記同様に、たとえば第2弾性体24bの図示しない中心穴が第2コイルバネ24aの図示しない他端部に嵌着されるような構成となっている。
また、第2コイルバネ24aの一端部24fは、ケーシング10側に連結されるようになっている。なお、第2コイルバネ24aの一端部24fが取り付けられるケーシング10側にも、第2弾性体24bを囲むように配置された円弧形状の第2当接部材17が設けられている。
また、第2弾性体24bの外周と第2当接部材17の内面との間には、若干の隙間が設けられている。そして、ケーシング10とフレーム部20との相対変位が所定量以上になると、上記同様に、第2弾性体24bが弾性変形しつつ第2当接部材17の内面に当接することで、ケーシング10とフレーム部20との相対変位が規制され、チェンソー1の操作性の悪化を抑制されるようになっている。
なお、第2取付部24cにあっては、フレーム部20側ではなく、上述したケーシング10側に設けられていてもよい。この場合、第2弾性体24bを第2コイルバネ24aの一端部24fに結合し、第2コイルバネ23aの図示しない他端部をフレーム部20側に連結するようにすればよい。併せて、第2当接部材17をフレーム部20側に設けるようにすればよい。
また、上述した第1取付部23c及び第2取付部24cにあっては、いずれか一方がフレーム部20側に設けられ、他方がケーシング10側に設けられていてもよい。また、上述した第1コイルバネ23a、第2コイルバネ24a、第3コイルバネ25aは、バネ定数等の特性が同一の種類のものであってもよいし、異なるものであってもよい。また、第1弾性体23b及び第2弾性体24bは、弾性変形等の特性が同一の種類のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
このように構成されたチェンソー1では、次のようにして振動の低減や、操作性の悪化の抑制が行われる。
すなわち、上述したように、ケーシング10とフレーム部20との間に、第1コイルバネ23a、第2コイルバネ24a及び第3コイルバネ25aが介在されている。そのため、エンジン11を始動した状態であっても、切断作業を行っていない場合には、第1コイルバネ23a、第2コイルバネ24a及び第3コイルバネ25aの伸縮や変形により、作業者が把持するフロントハンドル21及びリアハンドル22に伝わるエンジン11からの振動が低減されるようになっている。
一方、切断作業を行うとき、ソーチェン14による切断方向に応じた力がガイドバー14aに加わる。このとき、たとえば図3に示すように、ガイドバー14aに対し、矢印Aの方向(上方向)に力が加わったとすると、第1コイルバネ23a、第2コイルバネ24a及び第3コイルバネ25aがそれぞれ変形するため、ケーシング10とフレーム部20とが相対変位する。
ここで、ケーシング10とフレーム部20との相対変位が所定量以上になると第1弾性体23b及び第2弾性体24bが弾性変形しつつ第1当接部材16及び第2当接部材17の内面に当接する。これにより、ケーシング10とフレーム部20との相対変位が所定量以上にならないように規制されるため、作業者はガイドバー14aの位置あるいは変位量を容易かつ正確に予測することが可能となり、チェンソー1の操作性の悪化させることなく確実に切断作業を行うことができる。
また、切断作業中における、作業者が把持するフロントハンドル21及びリアハンドル22へのエンジン11からの振動にあっても、上述したように、第1コイルバネ23a、第2コイルバネ24a及び第3コイルバネ25aの伸縮や変形により、低減される。
この場合、第1弾性体23b及び第2弾性体24bが弾性変形しつつ第1当接部材16及び第2当接部材17の内面に当接するため、これらの第1弾性体23b及び第2弾性体24bによっても、作業者が把持するフロントハンドル21及びリアハンドル22へのエンジン11からの振動が低減される。
なお、第1弾性体23b及び第2弾性体24bは、上述したように、円弧形状の第1当接部材16及び第2当接部材17の内側に配置されている。そのため、ガイドバー14aに対して上述した矢印Aの方向(上方向)以外に、下方向や前後方向のように様々な方向に力が加わっても、第1弾性体23b及び第2弾性体24bの少なくとも一方が上記同様に、第1当接部材16あるいは第2当接部材17の内面に弾性変形しつつ当接するため、ケーシング10とフレーム部20との相対変位が所定量以上にならないように規制される。
このように、本実施形態では、作業刃(ソーチェン14)及び動力源(エンジン11)が搭載されたケーシング10と、作業者が把持するハンドル(フロントハンドル21、リアハンドル22)が設けられたフレーム部20とを、ケーシング10とフレーム部20との相対変位を規制する弾性体(第1弾性体23b及び第2弾性体24b)が結合された弾性部材(第1コイルバネ23a、第2コイルバネ24a)によって連結するようにした。
これにより、弾性部材(第1コイルバネ23a、第2コイルバネ24a)によりフレーム部20側に伝わる動力源(エンジン11)からの振動を低減することができ、併せて、弾性体(第1弾性体23b及び第2弾性体24b)によりケーシング10とフレーム部20との相対変位を規制することができる。
また、ケーシング10とフレーム部20との間に、弾性部材(第1コイルバネ23a、第2コイルバネ24a)を配置する配置スペースを確保すればよく、弾性体(第1弾性体23b及び第2弾性体24b)を配置する配置スペースを別途確保する必要が無くなる。
また、弾性体(第1弾性体23b及び第2弾性体24b)が弾性部材(第1コイルバネ23a、第2コイルバネ24a)に結合されているため、弾性体(第1弾性体23b及び第2弾性体24b)をケーシング10又はフレーム部20に取り付けるための取付部材が不要となるとともに、ケーシング10とフレーム部20とを組み立てる際、弾性部材(第1コイルバネ23a、第2コイルバネ24a)の取り付けと同時に弾性体(第1弾性体23b及び第2弾性体24b)の取り付けが行われる。
このように、ケーシング10とフレーム部20との相対変位を規制する弾性体(第1弾性体23b及び第2弾性体24b)が動力源(エンジン11)からの振動を低減する弾性部材(第1コイルバネ23a、第2コイルバネ24a)に結合されているため、簡単な構成で、部品点数の増加や組み立て工数の増加を招くことなく、操作性の悪化を抑制しつつ、振動を確実に低減することができる。
また、本実施形態では、第1コイルバネ23a及び第2コイルバネ24aと、第1弾性体23b及び第2弾性体24bは、それぞれ結合されて同心円状となるように配置されているため、切断作業中にケーシング10とフレーム部20とが相対変位すると、第1コイルバネ23a及び第2コイルバネ24aの変形に合わせて第1弾性体23b及び第2弾性体24bが第1当接部材16及び第2当接部材17の内面に当接する。
この場合、第1コイルバネ23aと第1弾性体23b、及び第2コイルバネ24aと第2弾性体24bは、それぞれ同一箇所に配置されているため、ケーシング10とフレーム部20との相対変位する部位が少なくされる。
言い換えれば、ケーシング10とフレーム部20との相対変位する部位が、第1弾性体23bが結合された第1コイルバネ23aの取り付け部位である第1取付部23cと、第2弾性体24bが結合された第2コイルバネ24aの取り付け部位である第2取付部24cに限定されるため、作業者はガイドバー14aの位置あるいは変位量をさらに容易かつ正確に予測することが可能となる。
ちなみに、上述した従来のように、ケーシングとフレーム部との間に設けられている第1〜第3のコイルバネと第1〜第2の弾性体とがそれぞれ分離されて配置されているようにすると、ケーシングとフレーム部との相対変位する部位が多くなるため、作業者はガイドバー14aの位置あるいは変位量を容易かつ正確に予測することができなくなる場合もある。
また、上述のように、それぞれが同一箇所に配置されているため、切断作業を行っていない場合にフレーム部20に対してケーシング10が変位しない程度まで、たとえば第1コイルバネ23a及び第2コイルバネ24aのバネ定数を下げたとしても、第1弾性体23b及び第2弾性体24bの作用により、第1コイルバネ23a及び第2コイルバネ24aの変形に影響されることなく、フレーム部20とケーシング10との変位量を所定以下とすることができるとともに、切断作業を行う場合や切断作業を行っていない場合での振動絶縁効果を大幅に高めることができる。
また、本実施形態では、第1当接部材16及び第2当接部材17を円弧形状としているため、ガイドバー14aに対して上下左右のように様々な方向に力が加わっても、第1弾性体23b及び第2弾性体24bの少なくとも一方が第1当接部材16あるいは第2当接部材17の内面に弾性変形しつつ当接することから、ケーシング10とフレーム部20との相対変位が所定量以上にならないように確実に規制することができる。
なお、本実施形態では、第1コイルバネ23a及び第2コイルバネ24aに、それぞれ第1弾性体23b及び第2弾性体24bを設けた場合として説明したが、第1弾性体23b及び第2弾性体24bのいずれか一方を省いてもよい。この場合は、いずれか一方の第1弾性体23b又は第2弾性体24bが第1当接部材16又は第2当接部材17の内面に当接するため、ケーシング10とフレーム部20との相対変位の規制を行うことができる。
また、本実施形態では、第1弾性体23b及び第2弾性体24bを、円板状をなすものとして説明したが、この例に限らず、たとえば図4及び図5に示すように他の形状とすることも可能である。
ここで、図4及び図5は、上述した第2弾性体24bの形状を変更した場合を例としたものである。なお、上述した第1弾性体23bにあっても以下の構成と同様に形状を変更してもよい。すなわち、これらの図に示す第2弾性体24dは、円筒状をなし、頭部24hに小径の挿通穴24iが形成されている。また、第2弾性体24dの内径は第2コイルバネ24aの外径に合わせられている。
このような第2弾性体24dは、挿通穴24iから第2コイルバネ24aの一端部24fが突出するように第2コイルバネ24aの一端部24f側に嵌着される。この場合、第2コイルバネ24aと第2弾性体24dとは、上述したように、同心円状となるように配置される。
このように、第2弾性体24dは第2コイルバネ24aの一端部24f側に嵌着される構成であるため、第2弾性体24dの装着が極めて容易となる。また、第2コイルバネ24aの一端部24fをフレーム部20側の第2取付部24cに取り付け、第2コイルバネ24aの他端部24gをケーシング10側に取り付けることで、第2弾性体24dの取り付けも同時に行われるため、上記同様に、部品点数の増加や組み立て工数の増加を招くこともない。
また、切断作業中にケーシング10とフレーム部20とが相対変位すると、第2コイルバネ24aの変形に合わせて第2弾性体24bが第2当接部材17の内面に当接するため、上記同様に、ケーシング10とフレーム部20との相対変位が所定量以上にならないように規制することができる。
また、第2弾性体24dが円筒状をなしていることにより、第2当接部材17の内面に対する第2弾性体24dの当接面積が増えることで、上述したガイドバー14aに対して上下方向や前後方向は勿論のこと、斜め方向からの力が加わっても、ケーシング10とフレーム部20との相対変位が所定量以上にならないように確実に規制することができる。
また、第2当接部材17の内面に対する第2弾性体24dの当接面積が増えることで、ソーチェン14による切断方向に応じた力を確実に受け止めることができ、振動等によってソーチェン14による切断方向とは異なる方向に上述した相対変位が生じても、その相対変位をより確実に規制することができる。
なお、ここでは、第2コイルバネ24aと第2弾性体24dとが同心円状となるように配置される場合として説明したが、この例に限らず、たとえば図6及び図7に示すように第2弾性体24eが第2コイルバネ24aに対し中心位置が偏倚して配置されるようにしてもよい。
この場合、図3で説明したように、ガイドバー14aに対し、矢印Aの方向(上方向)に力が加わったとすると、図8及び図9に示すように、第2弾性体24eが第2当接部材17の内面に弾性変形しつつ当接することができる。これにより、第2弾性体24eが第2コイルバネ24aに対し中心位置が偏倚して配置されている場合であっても、上記同様に、ケーシング10とフレーム部20との相対変位が所定量以上にならないように確実に規制することができる。
また、第2弾性体24eが第2コイルバネ24aに対し中心位置が偏倚して配置されるようにすることで、第2弾性体24eと第2当接部材17の内面との間隔を、第2コイルバネ24aに対する偏倚量に応じて変更することができる。この場合、第2弾性体24eと第2当接部材17の内面との間隔を調整することで、ケーシング10とフレーム部20との相対変位の量を任意に設定変更することができる。
また、第2弾性体24eが第2コイルバネ24aに対し中心位置が偏倚して配置されるようにすることで、たとえば上述したチェンソー1の機種が異なることにより、第2当接部材17の内面の形状等が異なり、第2弾性体24eと第2当接部材17の内面との間隔が異なる場合などがあっても、第2コイルバネ24aに対する第2弾性体24eの偏倚量の調整により、第2弾性体24eの装着が容易となるばかりか、ケーシング10とフレーム部20との相対変位の量を任意に設定することができる。
また、第2弾性体24eが第2コイルバネ24aに対し中心位置が偏倚して配置されるようにすることで、第2弾性体24eの第2当接部材17の内面に当接する側の側片部24jの肉厚を、第2コイルバネ24aに対する偏倚量に応じて変更することができる。この場合、図6及び図7に示すように、第2弾性体24eの第2当接部材17の内面に当接する側の側片部24jの肉厚を厚くすることで、ソーチェン14による切断方向に応じた力をより確実に受け止めることができ、振動等によってソーチェン14による切断方向とは異なる方向に上述した相対変位が生じても、その相対変位をさらにより確実に規制することができる。
なお、ここでは、円板状の第2弾性体24bを、円筒状とし、さらに第2コイルバネ24aに対し中心位置が偏倚して配置される第2弾性体24eとして説明したが、上述した円板状の第1弾性体23bも同様に円筒状とし、さらに第2コイルバネ24aに対し中心位置が偏倚して配置されるようにしてもよいことは勿論である。
また、上述した円板状の第1弾性体23b及び第2弾性体24bにあっても、いずれか一方又は両方がここでの例のように、第1コイルバネ23a及び第2コイルバネ24aに対し中心位置が偏倚して配置されるようにしてもよい。
また、以上の各実施形態では、動力源を、エンジン11とした場合で説明したが、この例に限らず、電動モータとしてもよい。
また、以上の各実施形態では、本発明の携帯型作業機をチェンソー1に適用した場合として説明したが、この例に限らず、ヘッジトリマ等の他の携帯型作業機に適用してもよい。
1 チェンソー
10 ケーシング
11 エンジン
12 キャブレター
13 マフラ
14 ソーチェン
14a ガイドバー
16 第1当接部材
17 第2当接部材
20 フレーム部
21 フロントハンドル
22 リアハンドル
22a 操作レバー
23a 第1コイルバネ
23b 第1弾性体
23c 第1取付部
24a 第2コイルバネ
24b、24d、24e 第2弾性体
24c 第2取付部
25a 第3コイルバネ
25c 第3取付部

Claims (8)

  1. 作業刃及び動力源が搭載されたケーシングと、
    作業者が把持するハンドルが設けられたフレーム部と、
    前記ケーシングと前記フレーム部との間に設けられ、前記ケーシングと前記フレーム部とを連結する弾性部材と、
    該弾性部材の前記ケーシング又は前記フレーム部との取付部の近傍に設けられ、前記ケーシングと前記フレーム部との相対変位を規制する弾性体とを備える
    ことを特徴とする携帯型作業機。
  2. 前記弾性体は、前記弾性部材と共通の締結部材によって前記ケーシング又は前記フレーム部に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の携帯型作業機。
  3. 前記弾性部材はコイルバネであり、前記弾性体は略円形状をなすものであり、これらは同心円状となるように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯型作業機。
  4. 前記弾性部材はコイルバネであり、前記弾性体は略円形状をなすものであり、該弾性体は前記弾性部材に対し中心位置が偏倚して配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯型作業機。
  5. 前記弾性部材はコイルバネであり、前記弾性体は円筒状をなすものであり、これらは同心円状となるように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯型作業機。
  6. 前記弾性部材はコイルバネであり、前記弾性体は円筒状をなすものであり、該弾性体は前記弾性部材に対し中心位置が偏倚して配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯型作業機。
  7. 前記ケーシング又は前記フレーム部には、前記弾性体を囲むように配置された当接部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の携帯型作業機。
  8. 前記当接部材は、円弧形状とされていることを特徴とする請求項7に記載の携帯型作業機。
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