JP2014147594A - 生体監視システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チューブ状の感圧部(11)には、監視場所(B)における生体(P1)の体動に伴う圧力が作用する。信号生成部(12)は、感圧部(11)の内圧変化に基づいて生体信号を生成する。信号処理部(13)は、信号生成部(12)によって生成された生体信号に基づいて生体(P1)の生体活動の状態急変の有無を実行する。生体情報通知部(14)は、信号処理部(13)による判定結果を通知する。
【選択図】図1
Description
図1は、実施形態1による生体監視システム(1)の構成例を示している。この生体監視システム(1)は、患者(P1)の生体活動(例えば、呼吸や心拍など)に関する生体情報とともに、患者(P1)の生体活動の状態急変の有無を医師(P2)(医療従事者)に知らせることにより、医師(P2)による患者(P1)の監視を支援している。
図2のように、感圧ユニット(11)は、感圧チューブ(101)と、感圧チューブ(101)の一端を閉塞する閉塞部(102)と、感圧チューブ(101)の他端に接続される連絡チューブ(103)とを有している。感圧ユニット(11)(特に、感圧チューブ(101))は、患者(P1)の監視場所となる寝具(B)のベッド台とマットレスとの間に配置され、寝具(B)にいる患者(P1)の体動に伴う圧力が作用するようになっている。
受圧部(201)は、感圧ユニット(11)の内圧変化を圧力信号(電気信号)に変換する。例えば、受圧部(201)は、本体ユニット(21)に設けられたマイクロフォンによって構成されている。寝具(B)における患者(P1)の体動に伴って感圧ユニット(11)の内圧が変化すると、感圧ユニット(11)の内圧変化に対応する圧力信号が受圧部(201)から出力される。
抽出部(202)は、受圧部(201)によって得られた圧力信号から体動信号を抽出する。詳しく説明すると、抽出部(202)は、受圧部(201)によって得られた圧力信号を100[sample/sec]に積算・平均化する。次に、抽出部(202)は、この信号から人体の固有振動帯域に相当する帯域(4〜10Hz)の信号を抽出する。次に、抽出部(202)は、この信号を整流化(絶対値化)した後に所定時間でピークホールド処理(所謂、包絡線検波処理)を施す。次に、抽出部(202)は、この信号から比較的低周波の振動帯域(0.5Hz)の信号を抽出し、この信号について約10秒間隔で積算・平均化を行う(または、信号の同様な間隔での標準偏差を算出する)。このような処理が実行されることにより、患者(P1)の体動が顕著化された体動信号を生成することができる。なお、患者(P1)の体動は、患者(P1)の呼吸および心拍に由来する微動と、患者(P1)の入床時,離床時,寝返り時などに生起する体の動きに由来する粗動とに大きく分類される。すなわち、この例では、体動信号は、患者(P1)の粗動に由来する粗動成分と、患者(P1)の呼吸および心拍に由来する微動成分とを含んでいる。
信号処理部(13)は、信号生成部(12)によって生成された生体信号(具体的には、体動信号,呼吸信号,および心拍信号のうち少なくとも1つの信号)に基づいて、患者(P1)の生体活動の状態急変の有無を判定する処理(急変判定処理)を実行する。例えば、信号処理部(13)は、本体ユニット(21)に設けられたCPUやメモリなどによって構成されている。
生体情報通知部(14)は、信号処理部(13)による急変判定処理の判定結果(患者(P1)の生体情報の状態急変の有無)を通知する結果通知処理を実行する。具体的には、生体情報通知部(14)は、信号処理部(13)の急変判定処理において患者(P1)の生体情報の状態急変があると判定されると、患者(P1)の生体情報の状態が急変したことを示す通知音声(または、通知映像)を出力し、信号処理部(13)の急変判定処理において患者(P1)の生体情報の状態急変がないと判定されると、通知音声(または、通知映像)の出力を停止する。例えば、生体情報通知部(14)は、ディスプレイやスピーカを有する音声映像再生装置によって構成されている。
次に、図6を参照して、信号処理部(13)による急変判定処理について説明する。信号処理部(13)は、生体信号(体動信号,呼吸信号,および心拍信号のうち少なくとも1つの信号)の信号レベル値を信号生成部(12)から取り込んで蓄積し、生体信号の信号レベル値の蓄積数が所定数(急変判定処理を実行するために必要となる個数)に到達すると急変判定処理を実行する。なお、以下の説明では、生体信号の信号レベル値の蓄積数を示すカウント値(n)の初期値は、ゼロに設定されているものとする。また、所定値(MAX)は、急変判定処理を実行するために必要となる信号レベル値の個数に対応している。
まず、信号処理部(13)は、生体信号の信号レベル値を信号生成部(12)から取り込み(ステップ(ST11))、カウント値(n)に「1」を加算する(ステップ(ST12))。そして、信号処理部(13)は、カウント値(n)が予め定められた所定値(MAX)に到達しているか否かを判定する(ステップ(ST13))。カウント値(n)が所定値(MAX)に到達していないと判定された場合には、ステップ(ST11)へ進む。一方、カウント値(n)が所定値(MAX)に到達していると判定された場合、信号処理部(13)は、蓄積された生体信号の信号レベル値と予め設定された判定基準とに基づいて急変判定処理を開始する(ステップ(ST14))。
次に、信号処理部(13)は、蓄積された生体信号の信号レベル値に基づいて、急変判定処理における判定基準が満たされているか否かを判定する(ステップ(ST15))。信号処理部(13)は、急変判定処理における判定基準が満たされていると判定した場合には、患者(P1)の生体活動の状態が急変していることを示す判定結果を出力し(ステップ(ST16))、急変判定処理における判定基準が満たされていないと判定した場合には、患者(P1)の生体活動の状態が急変していない(または、安定している)ことを示す判定結果を出力する(ステップ(ST17))。次に、信号処理部(13)は、カウント値(n)を初期値(ゼロ)に設定する(ステップ(ST18))。そして、患者(P1)の監視を継続する場合(ステップ(ST18)の「NO」)には、ステップ(ST11)へ進む。
以上のように、生体情報通知部(14)によって判定結果(患者(P1)の生体活動の状態急変の有無に関する判定結果)を通知することにより、医師(P2)による患者(P1)の状態判断を支援することができる。これにより、医師(P2)による生体監視の負担を軽減することができる。
次に、急変判定処理について具体例を挙げて説明する。以下に示す具体的な症例は、患者(P1)の病態が悪化した場合(特に、患者(P1)の生命予後が短くなっている場合)に発症することが多い。なお、信号処理部(13)は、以下の具体的な症例の全部を急変判定処理の対象とするものであっても良いし、以下の具体的な症例の一部を急変判定処理の対象とするものであっても良い。
図7は、患者(P1)が「チェーンストークス呼吸」を発症している場合の呼吸信号の波形を示している。「チェーンストークス呼吸」とは、呼吸振幅の緩やかな増加・減少を繰り返す呼吸の状態のことである。「チェーンストークス呼吸」を急変判定処理の対象とする場合、信号処理部(13)は、呼吸信号の波形がチェーンストークス呼吸を発症しているときの波形とみなせる場合に、患者(P1)の生体活動の状態が急変したと判定しても良い。例えば、信号処理部(13)は、呼吸信号の包絡線の周期の長さが予め定められた周期長さの範囲(チェーンストークス呼吸とみなすことができる周期長さの範囲)内に収まり、且つ、呼吸信号の包絡線の変動量(包絡線の最大値と最小値との差分)が予め定められた変動量(チェーンストークス呼吸とみなすことができる変動量の下限値)よりも大きくなっている場合に、患者(P1)の生体活動の状態が急変したと判定しても良い。
図8は、患者(P1)が「ビオ―呼吸」を発症している場合の呼吸信号の波形を示している。「ビオ―呼吸」とは、不規則な呼吸振幅や周期の変動を示す呼吸の状態のことである。「ビオ―呼吸」を急変判定処理の対象とする場合、信号処理部(13)は、呼吸信号の波形がビオ―呼吸を発症しているときの波形とみなせる場合に、患者(P1)の生体活動の状態が急変したと判定しても良い。例えば、信号処理部(13)は、呼吸信号の変動に基づいて呼吸周期毎の周期長さと振幅を算出し、呼吸周期の周期長さの分散値(ばらつき)および呼吸周期における振幅の分散値(ばらつき)を算出し、周期長さの分散値および振幅の分散値が予め定められた分散値(ビオ―呼吸とみなすことができる分散値の下限値)よりも大きくなっている場合に、患者(P1)の生体活動の状態が急変したと判定しても良い。
図9は、患者(P1)は「呼吸漸減」を発症している場合の呼吸信号の波形を示している。「呼吸漸減」とは、呼吸が次第に弱くなっていく状態のことである。「呼吸漸減」を急変判定処理の対象とする場合、信号処理部(13)は、呼吸信号の波形が呼吸漸減を発症しているときの波形とみなせる場合に、患者(P1)の生体活動の状態が急変したと判定しても良い。例えば、信号処理部(13)は、予め定められた期間内における呼吸信号(具体的には、期間内の各時刻における信号レベル値)に対して直線回帰処理を施して呼吸信号の時間変化を示す直線(時間変化直線)を算出し、呼吸信号の時間変化直線の傾きが負であり、且つ、呼吸信号の時間変化直線の傾き量が予め定められた傾き量(呼吸漸減とみなすことができる傾き量の最小値)よりも大きくなっている場合に、患者(P1)の生体活動の状態が急変したと判定しても良い。
また、「呼吸数漸減」を急変判定処理の対象としても良い。「呼吸数漸減」とは、呼吸数が次第に少なくなっていく状態のことである。この場合、信号処理部(13)は、呼吸信号に基づいて呼吸数の時間変化を算出し、呼吸数の時間変化が呼吸数漸減を発症しているときの時間変化とみなせる場合に、患者(P1)の生体活動の状態が急変したと判定しても良い。例えば、信号処理部(13)は、呼吸信号に基づいて呼吸数を算出し、予め定められた期間内の各時刻における呼吸数に対して直線回帰処理を施して呼吸数の時間変化を示す直線(時間変化直線)を算出し、呼吸数の時間変化直線の傾きが負であり、且つ、呼吸数の時間変化直線の傾き量が予め定められた傾き量(呼吸数漸減とみなすことができる傾き量の最小値)よりも大きくなっている場合に、患者(P1)の生体活動の状態が急変したと判定しても良い。
図10は、患者(P1)が「無呼吸」を発症している場合の呼吸信号の波形を示している。「無呼吸」とは、呼吸が停止している状態(または、呼吸が微弱である状態)のことである。「無呼吸」を急変判定処理の対象とする場合、信号処理部(13)は、呼吸信号の波形が無呼吸を発症しているときの波形とみなせる場合に、患者(P1)の生体活動の状態が急変したと判定しても良い。例えば、信号処理部(13)は、呼吸信号の包絡線の信号レベルが予め定められた信号レベル(無呼吸とみなすことができる信号レベルの最大値)よりも小さくなっている場合に、患者(P1)の生体活動の状態が急変したと判定しても良い。
なお、「呼吸数異常」を急変判定処理の対象としても良い。「呼吸数異常」とは、通常の呼吸数の範囲(例えば、9回/分〜24回/分の範囲)を逸脱している呼吸の状態のことである。この場合、信号処理部(13)は、呼吸信号に基づいて呼吸数を算出し、呼吸数が予め定められた呼吸数の範囲(通常の呼吸数とみなすことができる範囲)を逸脱している場合に、患者(P1)の生体活動の状態が急変したと判定しても良い。
図11は、サーカディアンリズムがある場合の呼吸数(白丸)の時間変化とサーカディアンリズムがない場合の呼吸数(黒丸)の時間変化とを示している。サーカディアンリズムとは、約24時間周期で変動する患者(P1)の生体活動(特に、呼吸数および心拍数)の変動パターンのことであり、患者(P1)の病態が悪化した場合や患者(P1)が意識混濁(または、昏睡状態)に陥った場合に消失することが多い。「サーカディアンリズムの消失」を急変判定処理の対象とする場合、信号処理部(13)は、呼吸信号(または、心拍信号)に基づいて呼吸数(または、心拍数)を算出し、呼吸数(または、心拍数)の時間変化がサーカディアンリズムを示していない場合に、患者(P1)の生体活動の状態が急変したと判定しても良い。例えば、信号処理部(13)は、1日分の呼吸数(または、心拍数)に対して高速フーリエ変換を施して呼吸数(または、心拍数)の時間変化を示す変動パターンを算出し、呼吸数(または、心拍数)の変動パターンの周期長さが予め定められた周期長さの範囲(サーカディアンリズムがあるとみなせる周期長さの範囲)を逸脱し、且つ、呼吸数(または、心拍数)の変動パターンの振幅が予め定められた振幅(サーカディアンリズムがあるとみなすことができる振幅の下限値)よりも小さくなっている場合に、患者(P1)の生体活動の状態が急変したと判定しても良い。
なお、「体動異常」を急変判定処理の対象としても良い。「体動異常」とは、痙攣のように患者(P1)の粗動が頻繁に発生する状態(体動過剰)や、昏睡状態のように患者(P1)の粗動が発生しない(または、極めて少ない)状態(体動消失)のことである。この場合、信号処理部(13)は、体動信号に基づいて患者(P1)の粗動を検出し、予め定められた期間内における粗動の回数が予め定められた回数の範囲(通常の体動であるとみなすことができる回数の範囲)を逸脱している場合に、患者(P1)の生体活動の状態が急変したと判定しても良い。すなわち、この場合、信号処理部(13)は、体動信号に基づいて患者(P1)の粗動の有無を検出し、患者(P1)の粗動の有無に応じて急変判定処理を実行していることになる。
粗動判定閾値は、固定値であっても良いし、可変値であっても良い。また、粗動判定閾値は、患者(P1)の平常安静時における呼吸信号および心拍信号(平常安静時に抽出された呼吸信号および心拍信号)のうち少なくとも一方に応じた値に設定されていても良い。例えば、平常安静時における呼吸信号の振幅(または、心拍信号の振幅)が大きくなるほど粗動判定閾値が大きくなるように、粗動判定閾値を設定しても良い。
実施形態2による生体監視システム(1)は、図1に示した構成と同様の構成を有しているが、信号処理部(13)による判定動作が異なっている。実施形態2における信号処理部(13)は、患者(P1)の粗動の有無および患者(P1)の粗動後における患者(P1)の体動の有無に応じて判定動作のモードを切り換えるように構成されている。
ここで、信号処理部(13)による判定動作について説明する前に、図12(a)〜図12(c)を参照して、患者(P1)の体動(粗動および微動)と体動信号の変動との関係について説明する。図12(a)は、寝具(B)において患者(P1)が就寝している場合の体動信号の波形を示している。図12(b)は、図12(a)に示された体動信号の波形のうち円で囲われた部分の波形を拡大した拡大波形図であり、図12(c)は、図12(a)に示された体動信号の波形のうち円で囲われた部分の波形を拡大した拡大波形図である。なお、図12(a)では、体動信号の振幅が大きくなっている時刻において患者(P1)の粗動(この例では、寝返り)が発生している。
体動信号のうち患者(P1)の粗動に由来する粗動成分の変動は、患者(P1)の微動(呼吸および心拍)に由来する微動成分の変動よりも遥かに大きくなっている。例えば、図12(c)のように、患者(P1)が寝返りを起こして患者(P1)の姿勢が仰臥から横臥に移行すると、体動信号は、患者(P1)の寝返りに伴って大きく変動する。なお、患者(P1)が寝返りだけでなく、患者(P1)が寝具(B)に入り込む動作(入床動作)や患者(P1)が寝具(B)から離れる動作(離床動作)の際にも、体動信号は、入床動作(または、離床動作)に伴って大きく変動することになる。したがって、体動信号の振幅(信号レベル値)と予め定められた閾値(粗動判定閾値)とを比較することにより、患者(P1)の粗動の有無を検出することが可能である。例えば、粗動判定閾値は、体動信号の微動成分の最大振幅(粗動がない場合の体動信号の最大振幅)よりも大きい値に設定されている。
また、図12(c)において患者(P1)の粗動(寝返り)前後の期間において、体動信号は、患者(P1)の呼吸および心拍に由来する体動(微動)に伴って変動している。なお、患者(P1)の心拍に由来する体動(拍動)は、患者(P1)の呼吸に由来する体動(呼吸動)よりも一般に小さいので、図12(a)〜図12(c)では、拍動に伴う体動信号の変動は、呼吸動に伴う体動信号の変動の中に埋もれている。また、患者(P1)の呼吸および心拍に由来する体動(微動)は、主に患者(P1)の胸部の動き(振動)として現れるものであり、患者(P1)の身体の前後方向において顕著に現れるので、図12(c)のように、体動信号のうち患者(P1)の微動に由来する微動成分の振幅は、患者(P1)の姿勢が「仰臥」または「伏臥」である場合よりも、患者(P1)の姿勢が「横臥」である場合のほうが小さくなる。
次に、図13を参照して、患者(P1)の粗動と生体活動(呼吸および心拍)の状態との関係について説明する。図13は、寝具(B)において患者(P1)が就寝している場合の体動信号の波形と患者(P1)の心拍数の時間変化とを示している。
次に、図14,図15を参照して、寝具(B)における患者(P1)の在否と体動信号の変動との関係について説明する。図14は、患者(P1)が寝具(B)において寝返りを起こした後に寝具(B)から離れた場合の体動信号の波形を示し、図15は、患者(P1)が寝具(B)から離れた後に寝具(B)に戻ってきた場合の体動信号の波形を示している。
次に、図16,図17,図18を参照して、信号処理部(13)による判定動作について説明する。この例では、信号処理部(13)は、通常判定モード(図16)と、変則判定モード(図17)と、判定待機モード(図18)とを有し、患者(P1)の粗動の有無および患者(P1)の粗動後における患者(P1)の体動の有無に応じて判定モードを切り換える。
初めに、図16を参照して、通常判定モードについて説明する。通常判定モードでは、信号処理部(13)は、患者(P1)の粗動の有無に応じて急変判定処理を実行する。
まず、信号処理部(13)は、体動信号の信号レベル値を信号生成部(12)から取り込む(ステップ(ST101))。次に、信号処理部(13)は、次の時刻における体動信号の信号レベル値を「体動信号の現時刻の信号レベル値」として信号生成部(12)から取り込む(ステップ(ST102))。なお、信号処理部(13)は、前回の処理において取り込んだ体動信号の信号レベル値(すなわち、現時刻の1つ前の時刻における信号レベル値)を、「体動信号の前時刻の信号レベル値」として蓄積している。
次に、信号処理部(13)は、体動信号の現時刻の信号レベル値に基づいて、現時刻における患者(P1)の粗動の有無を判定する(ステップ(ST103))。具体的には、信号処理部(13)は、体動信号の現時刻の信号レベル値(好ましくは、絶対値)が粗動判定閾値よりも大きくなっている場合に、現時刻において患者(P1)の粗動があると判定する。現時刻において患者(P1)の粗動があると判定された場合、信号処理部(13)は、急変判定処理を停止する(ステップ(ST104))。そして、患者(P1)の監視を継続する場合(ステップ(ST105)の「NO」)には、ステップ(ST102)へ進む。
一方、ステップ(ST103)において現時刻において患者(P1)の粗動がないと判定された場合、信号処理部(13)は、体動信号の前時刻の信号レベルに基づいて、前時刻における患者(P1)の粗動の有無を判定する(ステップ(ST106))。前時刻において患者(P1)の粗動がないと判定された場合、信号処理部(13)は、急変判定処理を実行する(ステップ(ST107))。そして、ステップ(ST105)へ進む。なお、ステップ(ST107)における急変判定処理については、図19を参照して、後で詳しく説明する。
一方、ステップ(ST106)において前時刻において患者(P1)の粗動があると判定された場合、信号処理部(13)は、体動信号の現時刻の信号レベル値に基づいて、現時刻における患者(P1)の体動の有無を判定する。具体的には、信号処理部(13)は、体動信号の現時刻の信号レベル値(好ましくは、絶対値)が不在判定閾値よりも大きくなっている場合に、現時刻において患者(P1)の体動があると判定する。すなわち、ステップ(ST108)において、信号処理部(13)は、体動信号に基づいて患者(P1)の粗動後における患者(P1)の体動の有無を判定していることになる。現時刻において患者(P1)の体動がある(すなわち、患者(P1)の粗動後に患者(P1)の体動がある)と判定された場合には、図17のステップ(ST201)へ進む。これにより、信号処理部(13)の判定モードは、通常判定モード(図16)から変則判定モード(図17)へと移行する。一方、現時刻において患者(P1)の体動がない(すなわち、患者(P1)の粗動後に患者(P1)の体動がない)と判定された場合には、図18のステップ(ST301)へ進む。これにより、信号処理部(13)の判定モードは、通常判定モード(図16)から判定待機モード(図18)へと移行する。
次に、図17を参照して、変則判定モードについて説明する。変則判定モードでは、信号処理部(13)は、体動信号に基づいて患者(P1)の粗動後に患者(P1)の体動があることを検出すると、急変判定処理における判定基準(患者(P1)の生体活動の状態急変の有無を判定するための判定基準)を、通常基準(第1の基準)から変則基準(第2の基準)に変更する。
通常基準は、患者(P1)の安静時における生体活動の状態に対応し、変則基準は、患者(P1)の粗動後における生体活動の状態に対応している。例えば、変則判定モードにおいて変則基準として設定される判定基準閾値(具体的には、呼吸数,心拍数,呼吸振幅,心拍振幅に関する閾値など)は、通常基準として設定される判定基準閾値よりも、患者(P1)の粗動に伴う生体活動の増加量(具体的には、呼吸数,心拍数,呼吸振幅,心拍振幅の増加量など)に応じた量だけ大きくなっていることが好ましい。または、変則判定モードにおいて変則基準として設定された判定基準範囲(具体的には、呼吸数,心拍数,呼吸振幅,心拍振幅に関する範囲など)は、通常基準として設定された判定基準範囲よりも、患者(P1)の粗動に伴う生体活動の増加量(具体的には、呼吸数,心拍数,呼吸振幅,心拍振幅の増加量など)に応じた量だけ広くなっていることが好ましい。
まず、信号処理部(13)は、急変判定処理における判定基準を通常基準から変則基準に変更する(ステップ(ST201))。そして、信号処理部(13)は、経過時間(すなわち、患者(P1)の粗動の検出からの経過時間)の計時を開始する(ステップ(ST202))。次に、信号処理部(13)は、変更後の判定基準(すなわち、変則基準)に基づいて急変判定処理を実行する(ステップ(ST203))。そして、患者(P1)の監視を継続する場合(ステップ(ST204)の「NO」)には、ステップ(ST205)へ進む。なお、ステップ(ST203)における急変判定処理については、図19を参照して、後で詳しく説明する。
次に、信号処理部(13)は、ステップ(ST202)において計時が開始された経過時間(すなわち、患者(P1)の粗動の検出からの経過時間)が予め定められた復帰時間に到達しているか否かを判定する。なお、復帰時間は、患者(P1)の生体活動が変動状態(患者(P1)の粗動後の変動状態)から安静状態に復帰するまでに要する期間(変動期間)に基づいて設定されている。経過時間が復帰時間に到達していると判定された場合には、図16のステップ(ST102)へ進む。これにより、信号処理部(13)の判定モードは、変則判定モード(図17)から通常判定モード(図16)へと移行する。
一方、ステップ(ST205)において経過時間が復帰時間に到達していないと判定された場合、信号処理部(13)は、急変判定処理における判定基準が変則基準から通常基準に戻るように、経過時間(すなわち、患者(P1)の体動の検出からの経過時間)に基づいて急変判定処理の判定基準を補正する。例えば、信号処理部(13)は、患者(P1)の体動の検出からの経過時間に応じて判定基準が変則基準から通常基準に直線的(または指数関数的に)に変化するように、判定基準の補正(例えば、判定基準閾値の減少や、判定基準範囲の縮小など)を実行しても良い。または、信号処理部(13)は、経過時間が復帰時間に到達するまで判定基準を変則基準のまま維持し、経過時間が復帰時間に到達したときに判定基準を変則基準から通常基準に切り換えても良い。
次に、信号処理部(13)は、次の時刻における体動信号の信号レベル値を「体動信号の現時刻の信号レベル値」として信号生成部(12)から取り込む(ステップ(ST207))。次に、信号処理部(13)は、体動信号の現時刻の信号レベル値に基づいて、現時刻における患者(P1)の粗動の有無を判定する(ステップ(ST208))。現時刻において患者(P1)の粗動がないと判定された場合には、ステップ(ST203)へ進む。一方、現時刻において患者(P1)の粗動があると判定された場合、信号処理部(13)は、急変判定処理を停止する(ステップ(ST209))。そして、患者(P1)の監視を継続する場合(ステップ(ST210)の「NO」)には、図16のステップ(ST102)へ進む。これにより、信号処理部(13)の判定モードは、変則判定モード(図17)から通常判定モード(図16)へと移行する。
次に、図18を参照して、判定待機モードについて説明する。判定待機モードでは、信号処理部(13)は、体動信号に基づいて患者(P1)の粗動後に患者(P1)の体動がないことを検出すると、急変判定処理を停止する。
まず、信号処理部(13)は、急変判定処理を停止する(ステップ(ST301))。そして、患者(P1)の監視を継続する場合(ステップ(ST302)の「NO」)には、ステップ(ST303)へ進む。
次に、信号処理部(13)は、次の時刻における体動信号の信号レベル値を「体動信号の現時刻の信号レベル値」として信号生成部(102)から取り込む(ステップ(ST303))。次に、信号処理部(13)は、体動信号の現時刻の信号レベル値に基づいて、現時刻における患者(P1)の粗動の有無を判定する(ステップ(ST304))。現時刻において患者(P1)の粗動がないと判定された場合には、ステップ(ST301)へ進む。一方、現時刻において患者(P1)の粗動があると判定された場合、信号処理部(13)は、急変判定処理を停止する(ステップ(ST305))。そして、患者(P1)の監視を継続する場合(ステップ(ST306)の「NO」)には、図16のステップ(ST102)へ進む。これにより、信号処理部(13)の判定モードは、判定待機モード(図18)から通常判定モード(図16)へと移行する。
次に、図19を参照して、図16のステップ(ST107)および図17のステップ(ST203)において実行される急変判定処理について説明する。なお、以下の説明では、呼吸信号(または、心拍信号)の信号レベル値の蓄積数を示すカウント値(n)は、初期値(ゼロ)に設定されているものとする。また、所定値(MAX)は、急変判定処理を実行するために必要となる信号レベル値の個数に対応している。
まず、信号処理部(13)は、呼吸信号(または、心拍信号)の現時刻の信号レベル値を信号生成部(12)から取り込み(ステップ(ST11))、カウント値(n)に「1」を加算する(ステップ(ST12))。次に、信号処理部(13)は、カウント値(n)が予め定められた所定値(MAX)に到達しているか否かを判定する(ステップ(ST13))。カウント値(n)が所定値(MAX)に到達していないと判定された場合には、急変判定処理を終了する。一方、カウント値(n)が所定値(MAX)に到達していると判定された場合、信号処理部(13)は、蓄積された呼吸信号(または、心拍信号)の信号レベル値と予め設定された判定基準とに基づいて急変判定処理を開始する(ステップ(ST14))。
次に、信号処理部(13)は、蓄積された呼吸信号(または、心拍信号)の信号レベル値に基づいて急変判定処理における判定基準が満たされているか否かを判定する(ステップ(ST15))。信号処理部(13)は、急変判定処理における判定基準が満たされていると判定した場合には、患者(P1)の生体活動の状態が急変していることを示す判定結果を出力し(ステップ(ST16))、急変判定処理における判定基準が満たされていないと判定した場合には、患者(P1)の生体活動の状態が急変していない(または、安定している)ことを示す判定結果を出力する(ステップ(ST17))。そして、信号処理部(13)は、カウント値を初期値(ゼロ)に設定し(ステップ(ST18))、急変判定処理を終了する。
なお、信号処理部(13)は、急変判定処理を停止した場合(ステップ(ST104,ST209,ST301,ST305)など)、急変判定処理の対象として蓄積された信号レベル値を破棄し、カウント値(n)の初期値(ゼロ)設定する。
また、体動信号に基づいて患者(P1)の粗動の有無を検出し、患者(P1)の粗動の有無に応じて急変判定処理を実行することにより、患者(P1)の粗動に伴う監視状況の変化(例えば、監視場所(B)における患者(P1)の在否や、患者(P1)の生体活動の状態変化など)を考慮して急変判定処理を実行することができる。これにより、患者(P1)の生体活動の状態急変の有無を正確に判定することができるので、監視者(P2)による生体監視の負担をさらに軽減することができる。例えば、患者(P1)の生体活動の状態が急変したことを示す判定結果が生体情報通知部(14)から過剰に通知されること(所謂、無駄鳴り)を抑制することができる。
具体的には、患者(P1)の粗動後に患者(P1)の体動がないことを検出した場合に急変判定処理を停止することにより、寝具(B)に患者(P1)がいない期間(不在期間)において急変判定処理を停止させることができる。これにより、不在期間における誤判定を防止することができるので、患者(P1)の生体活動の状態急変の有無を正確に判定することができる。
さらに、患者(P1)の粗動後に患者(P1)の体動があることを検出した場合に急変判定処理における判定基準を、通常基準(患者(P1)の安静時における生体活動の状態に対応する基準)から変則基準(患者(P1)の粗動後における生体活動の状態に対応する基準)に変更することにより、寝具(B)において患者(P1)が動いている場合に、急変判定処理における判定基準を変則基準(すなわち、患者(P1)の粗動後における生体活動の状態に対応する基準)に設定することができる。これにより、患者(P1)の粗動に伴う生体活動の状態変化を考慮して急変判定処理を実行することができるので、患者(P1)の生体活動の状態急変の有無を正確に判定することができる。
変則基準(具体的には、変則基準として設定される判定基準閾値や判定基準範囲)は、固定値であっても良いし、可変値であっても良い。また、変則基準は、患者(P1)の粗動の大きさ(または、患者(P1)の粗動の発生回数)に応じて設定されていても良い。例えば、患者(P1)の粗動が大きくなるほど(すなわち、体動信号の振幅が粗動判定閾値よりも大きくなるほど)通常基準に対する変則基準の増加量が大きくなるように、変則基準を調整しても良い。または、予め定められた期間内における患者(P1)の粗動の発生回数が多くなるほど通常基準に対する変則基準の増加量が大きくなるように、変則基準を調整しても良い。
次に、急変判定処理の具体例に対応する変則基準の具体例について説明する。
図7のような「チェーンストークス呼吸」を急変判定処理の対象とする場合、変則判定モードにおいて変則基準として設定される判定基準閾値(呼吸信号の包絡線の変動量に関する閾値)は、通常基準として設定される判定基準閾値よりも所定量(例えば、患者(P1)の粗動に伴う呼吸振幅の増加分に応じた量)だけ大きくなるように設定されていることが好ましい。
図8のような「ビオ―呼吸」を急変判定処理の対象とする場合、変則判定モードにおいて変則基準として設定される判定基準閾値(周期長さの分散値に関する閾値,および振幅の分散値に関する閾値)は、通常基準として設定される判定基準閾値よりも所定量(例えば、患者(P1)の粗動に伴う呼吸振幅の増加分に応じた量)だけ大きくなるように設定されていることが好ましい。
図9のような「呼吸漸減」(または、「心拍漸減」)を急変判定処理の対象とする場合、変則判定モードにおいて変則基準として設定される判定基準閾値(呼吸信号(または、心拍信号)の時間変化直線の傾き量に関する閾値)は、通常基準として設定される判定基準閾値よりも所定量(例えば、患者(P1)の粗動に伴う呼吸振幅(または、心拍振幅)の増加分に応じた量)だけ大きくなるように設定されていることが好ましい。
また、「呼吸数漸減」(または、「心拍数漸減」)を急変判定処理の対象とする場合、変則判定モードにおいて変則基準として設定される判定基準閾値(呼吸数(または、心拍数)の時間変化直線の傾き量に関する閾値)は、通常基準として設定される判定基準閾値よりも所定量(例えば、患者(P1)の粗動に伴う呼吸数(または、心拍数)の増加分に応じた量)だけ大きくなるように設定されていることが好ましい。
図10のような「無呼吸」(または、「心停止」)を急変判定処理の対象とする場合、変則判定モードにおいて変則基準として設定される判定基準閾値(呼吸信号(または、心拍信号)の包絡線の信号レベルに関する閾値)は、通常基準として設定される判定基準閾値よりも所定量(例えば、患者(P1)の粗動に伴う呼吸振幅(または、心拍振幅)の増加分に応じた量)だけ大きくなるように設定されていることが好ましい。
また、「呼吸数異常」(または、「心拍数異常」)を急変判定処理の対象とする場合、変則判定モードにおいて変則基準として設定される判定基準範囲(呼吸数(または、心拍数)に関する範囲)は、通常基準として設定される判定基準範囲よりも所定量(例えば、患者(P1)の粗動に伴う呼吸数(または、心拍数)の増加分に応じた量)だけ広くなるように設定されていることが好ましい。
なお、信号処理部(13)の判定モード(通常判定モード,変則判定モード,判定待機モード)のうち変則判定モード(図17)が省略されていても良い。この場合、図16のステップ(ST108)において現時刻に患者(P1)の体動があると判定された場合(ステップ(ST108)の「YES」)には、ステップ(ST107)へ進むことになる。すなわち、信号処理部(13)は、体動信号に基づいて患者(P1)の粗動後に患者(P1)の体動があることを検出した場合に、変則判定モードに移行せずに、判定基準を通常基準のままにして急変判定処理を実行するように構成されていても良い。
また、信号処理部(13)の判定モード(通常判定モード,変則判定モード,判定待機モード)のうち判定待機モード(図18)が省略されていても良い。この場合、通常判定モード(図16)においてステップ(ST108)が省略され、ステップ(ST106)において前時刻に患者(P1)の粗動があると判定された場合(ステップ(ST106)の「YES」)には、図17のステップ(ST201)へ進むことになる。すなわち、信号処理部(13)は、体動信号に基づいて患者(P1)の粗動を検出すると、急変判定処理における判定基準を通常基準(第1の基準)から変則基準(第2の基準)に変更するように構成されていても良い。
また、信号処理部(13)は、判定モード(通常判定モード,変則判定モード,判定待機モード)のうち変則判定モード(図17)の代わりに判定中断モード(図20)を有していても良い。図20に示した判定中断モードでは、図17に示したステップ(ST201,ST206)が省略され、図17に示したステップ(ST203)の代わりにステップ(ST401)(急変判定処理を停止する処理)が実行される。すなわち、信号処理部(13)は、体動信号に基づいて患者(P1)の粗動後に患者(P1)の体動があることを検出すると、患者(P1)の粗動の検出から予め定められた復帰時間が経過するまでの期間において急変判定処理を停止するように構成されている。なお、復帰時間は、患者(P1)の生体活動の状態が患者(P1)の粗動に伴って変動状態となった後に安静状態に復帰するまでに要する期間(変動期間)に基づいて設定されている。
なお、信号処理部(13)の判定モード(通常判定モード,判定中断モード,判定待機モード)のうち判定待機モード(図18)が省略されていても良い。この場合、通常判定モード(図16)においてステップ(ST108)が省略され、ステップ(ST106)において前時刻に患者(P1)の粗動があると判定された場合(ステップ(ST106)の「YES」)には、図20のステップ(ST202)へ進むことになる。すなわち、信号処理部(13)は、体動信号に基づいて患者(P1)の粗動を検出すると、患者(P1)の粗動の検出から復帰時間が経過するまでの期間において急変判定処理を停止するように構成されていても良い。
図21は、実施形態3による生体監視システム(1)の構成例を示している。この生体監視システム(1)は、図1に示した構成に加えて、操作部(15)と、医療情報送信部(16)と、医療情報受信部(17)と、医療情報通知部(18)とを備えている。また、信号処理部(13)は、信号送信部(301)および信号受信部(302)を含んでいる。この例では、信号生成部(12)は、非拘束センサ(20)の本体ユニット(21)に設けられている。信号送信部(301),医療情報受信部(17),および医療情報通知部(18)は、患者用情報端末(30)(生体用情報端末)に設けられている。信号受信部(302),生体情報通知部(14),操作部(15),および医療情報送信部(16)は、監視用情報端末(40)に設けられている。例えば、患者用情報端末(30)および監視用情報端末(40)は、携帯電話などの携帯情報端末やパーソナルコンピュータなどによって構成されている。
信号送信部(301)は、信号生成部(12)によって生成された生体信号(具体的には、体動信号,呼吸信号,および心拍信号のうち少なくとも1つの信号)に基づいて患者(P1)の生体活動の状態急変の有無を判定する処理(急変判定処理)と、急変判定処理の判定結果を送信する処理(送信処理)とを実行する。なお、信号送信部(301)は、患者(P1)の粗動の有無に応じて急変判定処理を実行しても良い(図16〜図20参照)。また、この例では、信号送信部(301)は、送信処理において、急変判定処理の判定結果だけでなく、信号生成部(12)によって生成された生体信号(体動信号,呼吸信号,および心拍信号)も送信する。例えば、信号送信部(301)は、患者用情報端末(30)に設けられた送信インターフェース回路,CPU,メモリなどによって構成されている。
信号受信部(302)は、信号送信部(301)から送信された判定結果を受信する処理(受信処理)と、受信処理によって受信された判定結果を生体情報通知部(14)に供給する処理(結果供給処理)とを実行する。なお、この例では、信号受信部(302)は、受信処理において、急変判定処理の判定結果だけでなく、信号送信部(301)から送信された生体信号(体動信号,呼吸信号,および心拍信号)も受信する。さらに、信号受信部(302)は、受信処理によって受信された生体信号(体動信号,呼吸信号,および心拍信号)に基づいて患者(P1)の生体活動に関する生体情報を生成する処理(情報生成処理)を実行する。例えば、信号受信部(302)は、監視用情報端末(40)に設けられた受信インターフェース回路,CPU,メモリなどによって構成されている。
操作部(15)は、医師(P2)により操作され、患者(P1)の医療に関する医療情報が与えられる。医療情報には、患者(P1)に処方(または、投与)される薬剤や患者(P1)に対する医学的な処置などに関する情報が含まれている。例えば、操作部(15)は、監視用情報端末(40)に設けられた入力機器(タッチパネル,キーボード,マウスなど)によって構成されている。
医療情報送信部(16)は、操作部(15)に与えられた医療情報を送信する。例えば、医療情報送信部(16)は、監視用情報端末(40)に設けられた送信インターフェース回路,CPU,メモリなどによって構成されている。
医療情報受信部(17)は、医療情報送信部(16)から送信された医療情報を受信する。例えば、医療情報受信部(17)は、監視用情報端末(40)に設けられた受信インターフェース回路,CPU,メモリなどによって構成されている。
医療情報通知部(18)は、医療情報受信部(17)によって受信された医療情報を通知する情報通知処理を実行する。なお、医療情報通知部(18)は、信号生成部(12)によって生成された生体信号(体動信号,呼吸信号,および心拍信号)に基づいて、患者(P1)の生体活動に関する生体情報を生成して表示する処理(情報生成表示処理)を実行しても良い。例えば、医療情報通知部(18)は、監視用情報端末(40)に設けられたディスプレイやスピーカを有する音声映像再生装置によって構成されている。
次に、図21に示した生体監視システム(1)による動作について説明する。まず、信号送信部(301)は、患者(P1)の生体活動の状態が急変したと判定すると、その旨を示した判定結果を送信する。信号送信部(301)から送信された判定結果は、信号受信部(302)によって受信された後に、生体情報通知部(14)によって医師(P2)に通知される。このとき、生体情報通知部(14)は、患者(P1)の生体活動の状態急変を示す判定結果とともに、患者(P1)の生体活動に関する生体情報を表示しても良い。このようにして、患者(P1)の自宅から離れた場所にある病院内の医師(P2)に、患者(P1)の生体活動の状態急変が通知される。
以上のように、信号送信部(301)から信号受信部(302)に伝送された急変判定処理の判定結果を生体情報通知部(14)に供給することにより、患者(P1)の自宅から離れた場所にある病院内において患者(P1)の生体活動の状態急変を医師(P2)に通知することができる。これにより、病院内において患者(P1)を監視している医師(P2)の負担を軽減することができる。
なお、信号送信部(301)は、急変判定処理の実行せずに、信号生成部(12)によって生成された生体信号(具体的には、体動信号,呼吸信号,および心拍信号のうち少なくとも1つの信号)を送信する処理(送信処理)を実行しても良い。この場合、信号受信部(302)は、信号送信部(301)から送信された生体信号を受信する処理(受信処理)と、受信処理によって受信された生体信号に基づいて患者(P1)の生体活動の状態急変の有無を判定する処理(急変判定処理)とを実行しても良い。なお、信号受信部(302)は、患者(P1)の粗動の有無に応じて急変判定処理を実行しても良い(図16〜図20参照)。さらに、信号受信部(302)は、受信処理によって受信された生体信号に基づいて患者(P1)の生体活動に関する生体情報を生成する処理(情報生成処理)を実行しても良い。
以上の実施形態において、監視対象となる生体(P1)が「患者」である場合を例に挙げて説明したが、生体(P1)は、人間に限らず、動物であっても良い。また、生体(P1)の監視者(P2)が「医師」である場合を例に挙げて説明したが、監視者(P2)は、医師以外の人間(例えば、看護師,薬剤師,介護士,患者の家族など)であっても良い。生体(P1)の別の監視者(P3)が「看護師」である場合を例に挙げて説明したが、監視者(P3)は、看護師以外の人間(例えば、患者の自宅に派遣された医師,介護士,患者の家族など)であっても良い。
11 感圧ユニット(感圧部)
12 信号生成部
13 信号処理部
14 生体情報通知部
15 操作部
16 医療情報送信部
17 医療情報受信部
18 医療情報通知部
20 非拘束センサ
21 本体ユニット
30 患者用情報端末(生体用監視端末)
40 監視用情報端末
201 受圧部
202 抽出部
301 信号送信部
302 信号受信部
P1 患者(生体)
P2 医師(監視者)
P3 看護師(監視者)
Claims (11)
- 予め定められた監視場所(B)に設置され、該監視場所(B)における生体(P1)の体動に伴う圧力が作用するチューブ状の感圧部(11)と、
上記感圧部(11)の内圧変化に基づいて生体信号を生成する信号生成部(12)と、
上記信号生成部(12)によって生成された生体信号に基づいて上記生体(P1)の生体活動の状態急変の有無を判定する急変判定処理を実行する信号処理部(13)と、
上記信号処理部(13)による急変判定処理の判定結果を通知する生体情報通知部(14)とを備えている
ことを特徴とする生体監視システム。 - 請求項1において、
上記生体信号は、上記生体(P1)の粗動に由来する粗動成分を含む体動信号,該生体(P1)の呼吸に由来する呼吸信号,および該生体(P1)の心拍に由来する心拍信号のうち少なくとも該体動信号を含み、
上記信号処理部(13)は、上記体動信号に基づいて上記生体(P1)の粗動の有無を検出し、該生体(P1)の粗動の有無に応じて上記急変判定処理を実行するように構成されている
ことを特徴とする生体監視システム。 - 請求項2において、
上記信号処理部(13)は、上記体動信号に基づいて上記生体(P1)の粗動後に該生体(P1)の体動がないことを検出すると、上記急変判定処理を停止するように構成されている
ことを特徴とする生体監視システム。 - 請求項3において、
上記信号処理部(13)は、上記体動信号に基づいて上記生体(P1)の粗動後に該生体(P1)の体動があることを検出すると、上記急変判定処理において該生体(P1)の生体活動の状態急変の有無を判定するための判定基準を、該生体(P1)の安静時における生体活動の状態に対応する第1の基準から該生体(P1)の粗動後における生体活動の状態に対応する第2の基準に変更するように構成されている
ことを特徴とする生体監視システム。 - 請求項2において、
上記信号処理部(13)は、上記体動信号に基づいて上記生体(P1)の粗動を検出すると、上記急変判定処理において該生体(P1)の生体活動の状態急変の有無を判定するための判定基準を、該生体(P1)の安静時における生体活動の状態に対応する第1の基準から該生体(P1)の粗動後における生体活動の状態に対応する第2の基準に変更するように構成されている
ことを特徴とする生体監視システム。 - 請求項4または5において、
上記信号処理部(13)は、上記急変判定処理における判定基準が上記第2の基準から上記第1の基準に戻るように上記生体(P1)の粗動の検出からの経過時間に基づいて該判定基準を補正するように構成されている
ことを特徴とする生体監視システム。 - 請求項2において、
上記信号処理部(13)は、上記体動信号に基づいて上記生体(P1)の粗動を検出すると、該生体(P1)の粗動の検出から予め定められた復帰時間が経過するまでの期間において上記急変判定処理を停止するように構成されている
ことを特徴とする生体監視システム。 - 請求項2〜7のいずれか1項において、
上記信号処理部(13)において上記生体(P1)の粗動の有無を検出するための粗動判定閾値は、上記生体(P1)の平常安静時において抽出された上記呼吸信号および上記心拍信号のうち少なくとも一方に応じた値に設定されている
ことを特徴とする生体監視システム。 - 請求項1〜8のいずれか1項において、
上記信号処理部(13)は、
上記急変判定処理を実行して判定結果を送信する信号送信部(301)と、
上記信号送信部(301)からの判定結果を受信して上記生体情報通知部(14)に供給する信号受信部(302)とを含んでいる
ことを特徴とする生体監視システム。 - 請求項1〜8のいずれか1項において、
上記信号処理部(13)は、
上記信号生成部(12)からの生体信号を送信する信号送信部(301)と、
上記信号送信部(301)からの生体信号に基づいて上記急変判定処理を実行して判定結果を上記生体情報通知部(14)に供給する信号受信部(302)とを含んでいる
ことを特徴とする生体監視システム。 - 請求項9または10において、
医療従事者である監視者(P2)により操作されて上記生体(P1)の医療に関する医療情報が与えられる操作部(15)と、
上記操作部(15)に与えられた医療情報を送信する医療情報送信部(16)と、
上記医療情報送信部(16)からの医療情報を受信する医療情報受信部(17)と、
上記医療情報受信部(17)によって受信された医療情報を通知する医療情報通知部(18)とをさらに備えている
ことを特徴とする生体監視システム。
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