JP2014146942A - ノイズ低減装置、放送受信装置及びノイズ低減方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ステレオ音声のバランス感を保ちつつ、効果的にノイズ成分を低減する。
【解決手段】
ノイズ低減装置130Aのノイズ除去部131Mが、ステレオ和信号(L+R)に含まれるノイズ成分を推定し、ステレオ和信号(L+R)から当該推定されたノイズ成分を差し引いた補正和信号CMTを生成する。また、ノイズ低減装置130Aのノイズ除去部131Sが、ステレオ差信号(L−R)に含まれるノイズ成分を推定し、ステレオ差信号(L−R)から当該推定されたノイズ成分を差し引いた補正差信号CSTを生成する。引き続き、マトリクス部136Aが、補正和信号CMT及び補正差信号CSTに基づいて、再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDを算出する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ノイズ低減装置、放送受信装置、ノイズ低減方法、ノイズ低減プログラム、及び、当該ノイズ低減プログラムが記録された記録媒体に関する。
従来から、FMステレオ放送の放送波を受信して処理し、音声を再生する放送受信装置が広く普及している。かかる放送波の受信信号には、ノイズ成分が混入している。このため、音声品質を維持するために、ノイズ成分を低減させる技術が提案されている。
こうしたノイズ成分を低減させる技術の一例として、FMステレオ放送波の受信信号のノイズ低減に特化したものではないが、スペクトルサブトラクション法を用いたものがある(特許文献1参照:以下、「従来例1」と呼ぶ)。この従来例1の技術では、入力信号をフーリエ変換してスペクトルを算出する。引き続き、当該算出されたスペクトルのうち音声成分が含まれていない時間区間(以下、「無音声区間」と呼ぶ)の無音声スペクトルを用いて雑音スペクトルを推定する。そして、入力信号のスペクトルから、推定された雑音スペクトルを減算して、ノイズ成分を低減させるようになっている。
また、ノイズ成分を低減させる技術の他例として、高SN比の信号を用いて低SN比の信号のノイズを低減させるものがある(特許文献2参照:以下、「従来例2」と呼ぶ)。この従来例2の技術では、まず、高SN比の信号、及び、低SN比の信号を複数の帯域に分割してする。引き続き、分割された高SN比の分割信号と、当該高SN比の分割信号を振幅制限した信号との差分を算出し、当該差分の結果と低SN比の分割信号とを加算した加算信号する。また、当該加算信号の算出と並行して、分割された低SN比の分割信号と、当該低SN比の分割信号を振幅制限した信号との差分を算出する。そして、当該低SN比の信号に関する差分結果と加算信号との差分を算出して、低SN比の信号のノイズ成分を低減させるようになっている。
特開平8−221092号公報 特開平6−224788号公報
上述した従来例1の技術を、FMステレオ放送波の受信信号のノイズ低減に適用する際には、利用者が聴取する音声の信号であるレフトチャンネル(以下、「Lチャンネル」とも記す)信号及びライトチャンネル(以下、「Rチャンネル」とも記す)信号のそれぞれに対して、ノイズ低減処理を行うことが考えられる。ステレオチャンネル信号では、Lチャンネル信号(以下、単に「L信号」とも記す)とRチャンネル信号(以下、単に「R信号」とも記す)とで信号内容が異なっている。したがって、かかるL,R信号ごとに行うノイズ低減処理では、L信号とR信号とで、上述した無音声区間が異なり、推定される雑音スペクトルの形状に違いが生じることがある。この結果、従来例1を適用したノイズ低減処理では、ノイズ低減処理後のLチャンネル音声とRチャンネル音声との間で、ノイズバランスが崩れることがある。そうした場合には、ステレオ放送波の聴取者に対して、聴感上の違和感を与えることがある。
また、FMステレオ放送では、ステレオ和信号(L+R)とステレオ差信号(L−R)との伝送系が異なるため、ステレオ差信号(L−R)のSN比が、ステレオ和信号(L+R)のSN比よりも20dB以上悪化している。こうしたFM放送波の特性から、上述した従来例2の技術を、FMステレオ放送波の受信信号のノイズ低減に適用すると、高SN比の信号がステレオ和信号(L+R)に対応し、低SN比の信号がステレオ差信号(L−R)に対応する。そして、従来例2の技術では、相関性のあるステレオ和信号とステレオ差信号とを受信した際に、ステレオ差信号のノイズ低減に効果を発揮する。しかしながら、従来例2の技術では、相関性の弱いステレオ和信号とステレオ差信号とを受信した際には、効果的に低SN比の信号であるステレオ差信号のノイズ低減を行うことができない。
このため、FMステレオ放送波の受信信号を処理するに際して、相関性の弱いステレオ和信号とステレオ差信号を受信した際にも、ステレオバランス感を保ちつつ、効果的にノイズを低減することができる技術が望まれている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、FMステレオ放送波の受信信号から、Lチャンネル音声とRチャンネル音声との間のバランス感を保ちつつ、効果的にノイズ成分を低減することができるノイズ低減装置及びノイズ低減方法を提供することを目的とする。また、本発明は、当該ノイズ低減された受信信号に基づいて、聴取者に対して聴感上の違和感を抑制した放送音声を提供することができる放送受信装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、FMステレオ放送を受信する放送受信装置が有するノイズ低減装置であって、ステレオ差信号に含まれるノイズ成分を推定し、前記ステレオ差信号から前記推定されたノイズ成分を除去する第1ノイズ除去部と;前記第1ノイズ除去部による除去結果とステレオ和信号とに基づいて、再生用レフトチャンネル信号及び再生用ライトチャンネル信号を算出するチャンネル信号算出部と;を備えることを特徴とするノイズ低減装置である。
請求項4に記載の発明は、FMステレオ放送波の受信結果に基づいて、ステレオ和信号及びステレオ差信号を生成する受信処理部と;請求項1〜3のいずれか一項に記載のノイズ低減装置と;を備えることを特徴とする放送受信装置である。
請求項5に記載の発明は、FMステレオ放送を受信する放送受信装置が有するノイズ低減装置において使用されるノイズ低減方法であって、ステレオ差信号に含まれるノイズ成分を推定し、前記ステレオ差信号から前記推定されたノイズ成分を除去するノイズ除去工程と;前記ノイズ除去工程における除去結果とステレオ和信号とに基づいて、再生用レフトチャンネル信号及び再生用ライトチャンネル信号を算出するチャンネル信号算出工程と;を備えることを特徴とするノイズ低減方法である。
請求項6に記載の発明は、FMステレオ放送を受信する放送受信装置が有するノイズ低減装置が備えるコンピュータに、請求項5に記載のノイズ低減方法を実行させる、ことを特徴とするノイズ低減プログラムである。
請求項7に記載の発明は、FMステレオ放送を受信する放送受信装置が有するノイズ低減装置が備えるコンピュータにより読み取り可能に、請求項6に記載のノイズ低減プログラムが記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。
本発明の第1実施形態に係る放送受信装置の構成を概略的に説明するためのブロック図である。 図1の受信処理ユニットの構成を説明するためのブロック図である。 図1のノイズ低減装置の構成を説明するためのブロック図である。 図3のノイズ除去部の構成を説明するためのブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る放送受信装置における受信処理ユニットの構成を説明するためのブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る放送受信装置におけるノイズ低減装置の構成を説明するためのブロック図である。
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態を、図1〜図4を参照して説明する。
<構成>
図1には、第1実施形態に係る放送受信装置100Aの概略的な構成がブロック図にて示されている。図1に示されるように、放送受信装置100Aは、アンテナ110と、受信処理ユニット120Aと、ノイズ低減装置130Aとを備えている。また、放送受信装置100Aは、アナログ処理ユニット140と、スピーカユニット150L,150Rとを備えている。さらに、放送受信装置100Aは、入力ユニット180と、制御ユニット190とを備えている。
上記のアンテナ110は、FMステレオ放送波を受信する。アンテナ110による受信結果は、信号RFSとして、受信処理ユニット120Aへ送られる。
上記の受信処理ユニット120Aは、アンテナ110から送られた信号RFSを受ける。そして、受信処理ユニット120Aは、制御ユニット190から送られた選局指令CSLに従って、信号RFSから、選局指令CSLによって指定された希望放送局に対応するステレオ和信号(R+L)及びステレオ差信号(R−L)を生成する。こうして生成されたステレオ和信号(R+L)及びステレオ差信号(R−L)は、ノイズ低減装置130Aへ送られる。すなわち、受信処理ユニット120Aは、受信処理部としての機能を果たすようになっている。
なお、受信処理ユニット120Aの構成の詳細については、後述する。
上記のノイズ低減装置130Aは、受信処理ユニット120Aから送られたステレオ和信号(R+L)及びステレオ差信号(R−L)を受ける。そして、ノイズ低減装置130Aは、ステレオ和信号(R+L)及びステレオ差信号(R−L)に基づいて、再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDを生成する。こうして生成された再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDは、アナログ処理ユニット140へ送られる。
なお、ノイズ低減装置130Aの構成の詳細については、後述する。
上記のアナログ処理ユニット140は、ノイズ低減装置130Aから送られた再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDを受ける。そして、アナログ処理ユニット140は、制御ユニット190による制御のもとで、再生用Lチャンネル信号CLDに基づいて出力音信号AOSLを生成するとともに、再生用Rチャンネル信号CRDに基づいて出力音信号AOSRを生成する。
かかる機能を有するアナログ処理ユニット140は、DA(Digital to Analogue)変換部と、音量調整部と、パワー増幅部とを備えて構成されている。ここで、DA変換部は、ノイズ低減装置130Aから送られた再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDを受ける。そして、DA変換部は、再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDをアナログ信号に変換する。なお、DA変換部は、再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDに対応して、互いに同様に構成された2個のDA変換器を備えている。DA変換部によるアナログ変換結果は音量調整部へ送られる。
音量調整部は、DA変換部から送られたLチャンネル及びRチャンネルのアナログ変換結果の信号を受ける。そして、音量調整部は、制御ユニット190から送られた音量調整指令VLCに従って、Lチャンネル及びRチャンネルのそれぞれに対応するアナログ変換結果信号に対して音量調整処理を施す。なお、音量調整部は、Lチャンネル及びRチャンネルに対応して、互いに同様に構成された2個の電子ボリューム素子等を備えて構成されている。音量調整部による音量調整結果の信号は、パワー増幅部へ送られる。
パワー増幅部は、音量調整部から送られたLチャンネル及びRチャンネルの音量調整結果の信号を受ける。そして、パワー増幅部は、音量調整結果の信号をパワー増幅して、出力音信号AOSL及び出力音信号AOSRを生成する。こうして生成された出力音信号AOSLは、スピーカユニット150Lへ送られ、生成された出力音信号AOSRは、スピーカユニット150Rへ送られる。
上記のスピーカユニット150Lは、アナログ処理ユニット140から送られた出力音信号AOSLを受ける。そして、スピーカユニット150Lは、出力音信号AOSLに従って、音声を再生出力する。
上記のスピーカユニット150Rは、アナログ処理ユニット140から送られた出力音信号AOSRを受ける。そして、スピーカユニット150Rは、出力音信号AOSRに従って、音声を再生出力する。
上記の入力ユニット180は、放送受信装置100Aの本体部に設けられたキー部、あるいはキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、不図示の表示ユニットに設けられたタッチパネルを用いることができる。また、キー部を有する構成に代えて、音声入力する構成を採用することもできる。入力ユニット180への入力結果は、入力データIPDとして制御ユニット190へ送られる。
上記の制御ユニット190は、入力ユニット180から送られた入力データIPDを受ける。この入力データIPDの内容が選局指定であった場合には、制御ユニット190は、指定された希望局に対応する選局指令CSLを生成して、受信処理ユニット120Aへ送る。また、入力データIPDの内容が音量調整指定であった場合には、制御ユニット190は、指定された音量調整指定に対応する音量調整指令VLCを生成して、アナログ処理ユニット140へ送る。
《受信処理ユニット120Aの構成》
次に、受信処理ユニット120Aの構成について説明する。
受信処理ユニット120Aは、図2に示されるように、RF処理部121と、検波部122と、マルチプレクサ(MPX)部123とを備えている。
上記のRF処理部121は、制御ユニット190から送られた選局指令CSLに従って、選局すべき希望局の信号を信号RFSから抽出する選局処理を行い、所定の中間周波数帯の成分を有する中間周波信号IFDに変換する。こうして得られた中間周波信号IFDは、検波部122へ送られる。
なお、中間周波信号IFDはデジタル信号となっている。
上記の検波部122は、RF処理部121から送られた中間周波信号IFDを受ける。そして、検波部122は、中間周波信号IFDに対して検波処理を施す。検波部122による検波結果は、検波信号DTDとして、MPX部123へ送られる。
なお、検波信号DTDは、Lチャンネル信号LとRチャンネル信号Rとのステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)が、異なる周波数帯に反映されたステレオ復号信号となっている。
上記のMPX部123は、検波部122から送られた検波信号DTDを受ける。そして、MPX部123は、検波信号DTDからステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)をそれぞれ抽出する。抽出されたステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)は、ノイズ低減装置130Aへ送られる。
《ノイズ低減装置130Aの構成》
次いで、ノイズ低減装置130Aの構成について説明する。
ノイズ低減装置130Aは、図3に示されるように、ノイズ除去部131M,131Sと、マトリクス部136Aとを備えている。
上記のノイズ除去部131Mは、受信処理ユニット120Aから送られたステレオ和信号(L+R)(=信号LRM)を受ける。ノイズ除去部131Mは、ステレオ和信号(L+R)に含まれるノイズ成分を推定する。そして、ノイズ除去部131Mは、ステレオ和信号(L+R)から推定されたノイズ成分を除去して、補正和信号CMTを生成する。こうして生成された補正和信号CMT(=信号CTM)は、マトリクス部136Aへ送られる。すなわち、ノイズ除去部131Mは、第2ノイズ除去部としての機能を果たすようになっている。
なお、ノイズ除去部131Mの構成の詳細については後述する。
上記のノイズ除去部131Sは、受信処理ユニット120Aから送られたステレオ差信号(L−R)(=信号LRS)を受ける。ノイズ除去部131Sは、ステレオ差信号(L−R)に含まれるノイズ成分を推定する。そして、ノイズ除去部131Sは、ステレオ差信号(L−R)から推定されたノイズ成分を除去して、補正差信号CSTを生成する。こうして生成された補正差信号CST(=信号CTS)は、マトリクス部136Aへ送られる。すなわち、ノイズ除去部131S は、第1ノイズ除去部としての機能を果たすようになっている。
なお、ノイズ除去部131Sの構成の詳細については後述する。
上記のマトリクス部136Aは、ノイズ除去部131Mから送られた補正和信号CMT、及び、ノイズ除去部131Sから送られた補正差信号CSTを受ける。そして、マトリクス部136Aは、補正和信号CMTと補正差信号CSTとを加算し、加算結果に基づいて、再生用Lチャンネル信号CLDを算出する。また、マトリクス部136Aは、補正和信号CMTから補正差信号CSTを減算し、減算結果に基づいて、再生用Rチャンネル信号CRDを算出する。こうして算出された再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDは、アナログ処理ユニット140へ送られる。
なお、第1実施形態では、ノイズ除去部131M及びマトリクス部136Aが、チャンネル信号算出部としての機能を果たすようになっている。
(ノイズ除去部131M,131Sの構成)
上述したノイズ除去部131j(j=M,S)の構成について説明する。
ノイズ除去部131jは、図4に示されるように、フーリエ変換部(FFT部)211jと、パワースペクトル算出部212jと、推定部213jとを備えている。また、ノイズ除去部131jは、減算部214jと、逆フーリエ変換部(IFFT部)215jとを備えている。
上記のFFT部211jは、受信処理ユニット120から送られた信号LRjを受ける。そして、FFT部211jは、信号LRjに対して、所定時間長を有するフレーム期間ごとにフーリエ変換(時間周波数変換)を施す。FFT部211jによる変換結果FQj(f)は、パワースペクトル算出部212jへ送られる。また、FFT部211jは、信号LRjのフーリエ変換に対応して得られるフレーム期間における各周波数成分の位相情報PHIjを、逆フーリエ変換部215jへ送る。
上記のパワースペクトル算出部212jは、FFT部211jから送られた変換結果FQj(f)を受ける。そして、パワースペクトル算出部212jは、信号LRjのパワースペクトル分布PSDj(f)を算出する。こうして算出されたパワースペクトル分布PSDj(f)は、推定部213jへ送られるとともに、減算部214jへ送られる。
上記の推定部213jは、受信処理ユニット120から送られた信号LRjを受ける。そして、推定部213jは、音声成分が含まれていない無音声区間を検出する。また、推定部213jは、パワースペクトル算出部212jから送られたパワースペクトル分布PSDj(f)を受ける。そして、推定部213jは、無音声区間におけるパワースペクトル分布に基づいて、定常ノイズ成分のパワースペクトル分布(以下、「ノイズスペクトル分布」とも記す)NSD(f)を推定する。こうして推定されたノイズスペクトル分布NSDj(f)は、減算部214jへ送られる。
上記の減算部214jは、パワースペクトル算出部212jから送られた信号LRjのパワースペクトル分布PSDj(f)を受けるとともに、推定部213jから送られたノイズスペクトル分布NSDj(f)を受ける。そして、減算部214jは、パワースペクトル分布PSDj(f)からノイズスペクトル分布NSDj(f)を差し引いて、ノイズ除去スペクトル分布NRDj(f)を生成する。こうして生成されたノイズ除去スペクトル分布NRDj(f)は、IFFT部215jへ送られる。
上記のIFFT部215jは、減算部214jから送られたノイズ除去スペクトル分布NRDj(f)を受けるとともに、FFT部211jから送られた位相情報PHIjを受ける。そして、IFFT部215jは、位相情報PHIjを用いて、ノイズ除去スペクトル分布NRDj(f)に対して逆フーリエ変換(周波数時間変換)を施して、信号LRjにおけるノイズ成分を低減した信号CTjを算出する。こうして算出された信号CTjは、マトリクス部136Aへ送られる。
<動作>
以上のようにして構成された放送受信装置100Aの動作について、ノイズ低減装置130Aによるノイズ成分の低減処理に主に着目して説明する。
前提として、入力ユニット180には既に利用者により選局指定が入力されており、指定された希望局に対応する選局指令CSLが、受信処理ユニット120A(より詳しくは、RF処理部121)へ送られているものとする。また、入力ユニット180には既に利用者により音量調整指定が入力されており、指定された音量調整態様に対応する音量調整指令VLCが、アナログ処理ユニット140へ送られているものとする(図1参照)。
こうした状態で、アンテナ110で放送波を受信すると、信号RFSが、アンテナ110から受信処理ユニット120Aへ送られる。この受信処理ユニット120Aでは、RF処理部121が、信号RFSを受ける。そして、RF処理部121において、選局すべき希望局の信号が中間周波数帯の信号に変換された後、AD変換が行われる。このAD変換の結果が、中間周波信号IFDとして、検波部122へ送られる(図2参照)。
検波部122では、中間周波信号IFDに対して検波処理が施される。そして、検波部122は、検波処理の結果を、検波信号DTDとして、MPX部123へ送る。そして、MPX部123が、検波信号DTDからステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)を抽出する。引き続き、MPX部123は、抽出されたステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)を、ノイズ低減装置130Aへ送る(図2参照)。
ノイズ低減装置130Aでは、ノイズ除去部131Mがステレオ和信号(L+R)を受け、ノイズ除去部131Sがステレオ差信号(L−R)を受ける(図3参照)。
ノイズ除去部131Mでは、FFT部211Mがステレオ和信号(L+R)を受ける。ステレオ和信号(L+R)を受けたFFT部211Mは、所定期間長のフレーム期間ごとに、ステレオ和信号(L+R)に対するフーリエ変換を行う。そして、FFT部211Mは、変換結果FQMをパワースペクトル算出部212Mへ送る(図4参照)。
FFT部211Mから送られた変換結果FQMを受けると、パワースペクトル算出部212Mは、当該変換結果FQMに基づいて、ステレオ和信号(L+R)のパワースペクトル分布PSDMを算出する。そして、パワースペクトル算出部212Mは、算出されたパワースペクトル分布PSDMを推定部213M及び減算部214Mへ送る(図4参照)。
推定部213Mは、ステレオ和信号(L+R)についての無音声区間におけるパワースペクトル分布に基づいて、ノイズスペクトル分布NSDMを推定する。そして、推定部213Mは、推定されたノイズスペクトル分布NSDMを減算部214Mへ送る。ステレオ和信号(L+R)のパワースペクトル分布PSDM及びノイズスペクトル分布NSDMを受けた減算部214Mは、パワースペクトル分布PSDMからノイズスペクトル分布NSDMを差し引いて、ノイズ除去スペクトル分布NRDMを生成し、IFFT部215Mへ送る(図4参照)。
ノイズ除去スペクトル分布NRDMを受けたIFFT部215Mは、ノイズ除去スペクトル分布NRDMに対して逆フーリエ変換を行い、ステレオ和信号(L+R)におけるノイズ成分を低減した補正和信号CMTを算出する。そして、IFFT部215Mは、算出された補正和信号CMTをマトリクス部136Aへ送る(図4参照)。
一方、ノイズ除去部131Sでは、FFT部211Sがステレオ差信号(L−R)を受ける。そして、FFT部211Sは、所定期間長のフレーム期間ごとに、ステレオ差信号(L−R)に対するフーリエ変換を行い、変換結果FQSをパワースペクトル算出部212Sへ送る(図4参照)。
パワースペクトル算出部212Sは、FFT部211Sから送られた変換結果FQSを受けると、当該変換結果FQSに基づいて、ステレオ差信号(L−R)のパワースペクトル分布PSDSを算出する。そして、パワースペクトル算出部212Sは、算出されたパワースペクトル分布PSDSを推定部213S及び減算部214Sへ送る(図4参照)。
推定部213Sは、ステレオ差信号(L−R)についての無音声区間におけるパワースペクトル分布に基づいて、ノイズスペクトル分布NSDSを推定する。そして、推定部213Sは、推定されたノイズスペクトル分布NSDSを減算部214Sへ送る。引き続き、減算部214Sが、パワースペクトル分布PSDSからノイズスペクトル分布NSDSを差し引いて、ノイズ除去スペクトル分布NRDSを生成し、IFFT部215Sへ送る(図4参照)。
ノイズ除去スペクトル分布NRDSを受けたIFFT部215Sは、ノイズ除去スペクトル分布NRDSに対して逆フーリエ変換を行い、ステレオ差信号(L−R)におけるノイズ成分を低減した補正差信号CSTを算出する。そして、IFFT部215Sは、算出された補正差信号CSTをマトリクス部136Aへ送る(図4参照)。
引き続き、マトリクス部136Aが、補正和信号CMT及び補正差信号CSTに基づいて、再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDを算出する。そして、マトリクス部136Aは、算出された再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDを、アナログ処理ユニット140へ送る(図3参照)。
アナログ処理ユニット140では、DA変換部、音量調整部及びパワー増幅部が順次処理を行い、再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDから出力音声信号AOSL,AOSRを生成し、スピーカユニット150R,150Rへ送る(図1参照)。そして、スピーカユニット150L,150Rが、アナログ処理ユニット140から送られた出力音声信号AOSL,AOSRに従って、音声を再生出力する。
以上説明したように、第1実施形態では、受信処理ユニット120Aが、FMステレオ放送波の受信結果に基づいて、ステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)を生成し、ノイズ低減装置130Aへ送る。そして、ノイズ低減装置130Aのノイズ除去部131Mが、ステレオ和信号(L+R)に含まれるノイズ成分を推定し、ステレオ和信号(L+R)から当該推定されたノイズ成分を差し引いた補正和信号CMTを生成する。また、ノイズ低減装置130Aのノイズ除去部131Sが、ステレオ差信号(L−R)に含まれるノイズ成分を推定し、ステレオ差信号(L−R)から当該推定されたノイズ成分を差し引いた補正差信号CSTを生成する。引き続き、マトリクス部136Aが、補正和信号CMT及び補正差信号CSTに基づいて、再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDを算出する。
このため、第1実施形態では、ステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)に含まれているノイズ成分が有効に除去された後に、ノイズバランスがとれた再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDが算出される。
したがって、第1実施形態によれば、FMステレオ放送波の受信信号から、Lチャンネル音声とRチャンネル音声との間のバランス感を保ちつつ、効果的にノイズ成分を低減することができ、聴取者に対して聴感上の違和感を抑制した放送音声を提供することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を、図5を主に参照して説明する。
<構成>
第2実施形態に係る放送受信装置は、上述した第1実施形態の放送受信装置100Aと比べて、受信処理ユニット120Aに代えて、図5に示される構成の受信処理ユニット120Bを備える点が異なっている。なお、以下の説明においては、第2実施形態の放送受信装置を「放送受信装置100B」と記す。
図5に示されるように、受信処理ユニット120Bは、上述した受信処理ユニット120Aと比べて、マトリクス部125,127を更に備える点が異なっている。以下、これらの相違点に主に着目して説明する。
受信処理ユニット120Bでは、RF処理部121、検波部122及びMPX部123は、受信処理ユニット120Aの場合と同様に動作する。そして、MPX部123により抽出されたステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)が、マトリクス部125へ送られる。
上記のマトリクス部125は、MPX部123から送られたステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)を受ける。そして、マトリクス部125は、ステレオ和信号(L+R)とステレオ差信号(L−R)とを加算し、加算結果に基づいて、Lチャンネル信号Lを算出する。また、マトリクス部125は、ステレオ和信号(L+R)からステレオ差信号(L−R)を減算し、減算結果に基づいて、Rチャンネル信号Rを算出する。こうして算出されたLチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rは、マトリクス部127へ送られる。
上記のマトリクス部127は、マトリクス部125から送られたLチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rを受ける。そして、マトリクス部127は、Lチャンネル信号LとRチャンネル信号Rとを加算することにより、ステレオ和信号(L+R)を算出する。また、マトリクス部127は、Lチャンネル信号LからRチャンネル信号Rを減算することにより、ステレオ差信号(L−R)を算出する。こうして算出されたステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)は、ノイズ低減装置130Aへ送られる。
ところで、上述した受信処理ユニット120Bからマトリクス部127を除いた構成は、従来から放送受信装置において一般的に採用されており、LSI(Large Scale Integrated Circuit)化も行われている構成である。すなわち、放送受信装置100Bにおける受信処理ユニット120Bの構成は、一般的に採用されている受信処理ユニットの構成に、マトリクス部127をアドオンした構成となっている。
<動作>
以上のようにして構成された放送受信装置100Bの動作について、受信処理ユニット120Bによるステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)の生成処理に主に着目して説明する。
前提として、入力ユニット180には既に利用者により選局指定が入力されており、指定された希望局に対応する選局指令CSLが、受信処理ユニット120B(より詳しくは、RF処理部121)へ送られているものとする。また、入力ユニット180には既に利用者により音量調整指定が入力されており、指定された音量調整態様に対応する音量調整指令VLCが、アナログ処理ユニット140へ送られているものとする(図1及び図5参照)。
こうした状態で、アンテナ110で放送波を受信すると、上述した放送受信装置100Aの場合と同様に、MPX部123から、ステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)が出力される。こうして出力されたステレオ和信号(L+R)が及びステレオ差信号(L−R)が、マトリクス部125へ入力する(図5参照)。
マトリクス部125は、ステレオ和信号(L+R)とステレオ差信号(L−R)とを加算し、加算結果に基づいて、Lチャンネル信号Lを算出する。また、マトリクス部125は、ステレオ和信号(L+R)からステレオ差信号(L−R)を減算し、減算結果に基づいて、Rチャンネル信号Rを算出する。そして、マトリクス部125は、Lチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rをマトリクス部127へ送る(図5参照)。
マトリクス部127は、Lチャンネル信号LとRチャンネル信号Rとを加算することにより、ステレオ和信号(L+R)を算出する。また、マトリクス部127は、Lチャンネル信号LからRチャンネル信号Rを減算することにより、ステレオ差信号(L−R)を算出する。そして、マトリクス部127は、ステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)をノイズ低減装置130Aへ送る(図5参照)。
以後、ノイズ低減装置130A及びアナログ処理ユニット140により、上述した第1実施形態の場合と同様の処理が順次行われ、出力音信号AOSL,AOSRが生成される。そして、スピーカユニット150L,150Rが、出力音信号AOSL,AOSRに従って、音声を再生出力する。
以上説明したように、第2実施形態では、一般的に採用されている受信処理ユニットの構成を利用しつつ、第1実施形態と同様にして、ノイズ低減装置130Aが、FMステレオ放送波の受信信号にノイズ成分が含まれている場合に、有効に当該ノイズ成分を除去する。したがって、第2実施形態によれば、一般的に採用されている受信処理ユニットの構成に関する成果を最大限に利用しつつ、第1実施形態と同様に、FMステレオ放送波の受信信号から、Lチャンネル音声とRチャンネル音声との間のバランス感を保ちつつ、効果的にノイズ成分を低減することができ、聴取者に対して聴感上の違和感を抑制した放送音声を提供することができる。
[第3実施形態]
次いで、本発明の第3実施形態を、図6を主に参照して説明する。
第3実施形態に係る放送受信装置は、上述した第1実施形態の放送受信装置100Aと比べて、ノイズ低減装置130Aに代えて、図6に示される構成のノイズ低減装置130Cを備える点が異なっている。なお、以下の説明においては、第3実施形態の放送受信装置を「放送受信装置100C」と記す。
図6に示されるように、ノイズ低減装置130Cは、上述したノイズ低減装置130Aと比べて、ノイズ除去部131Mを備えていない点、及び、マトリクス部136Aに代えてマトリクス部136Cを備える点が異なっている。
上記のマトリクス部136Cは、受信処理ユニット120Aから送られたステレオ和信号(L+R)を受ける。また、マトリクス部136Cは、ノイズ除去部131Sから送られた補正差信号CSTを受ける。そして、マトリクス部136Cは、ステレオ和信号(L+R)に対して、ノイズ除去部131Sによる補正差信号CSTの生成処理に要する時間に相当する遅延を施す。引き続き、マトリクス部136Cは、遅延を施したステレオ和信号(L+R)と補正差信号CSTとを加算し、加算結果に基づいて、再生用Lチャンネル信号CLDを算出する。また、マトリクス部136Cは、遅延を施したステレオ和信号(L+R)から補正差信号CSTを減算し、減算結果に基づいて、再生用Rチャンネル信号CRDを算出する。こうして算出された再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDは、アナログ処理ユニット140へ送られる。
なお、第3実施形態では、マトリクス部136Cが、チャンネル信号算出部としての機能を果たすようになっている。
<動作>
以上のようにして構成された放送受信装置100Cの動作について、ノイズ低減装置130Cによるノイズ成分の低減処理に主に着目して説明する。
前提として、入力ユニット180には既に利用者により選局指定が入力されており、指定された希望局に対応する選局指令CSLが、受信処理ユニット120A(より詳しくは、RF処理部121)へ送られているものとする。また、入力ユニット180には既に利用者により音量調整指定が入力されており、指定された音量調整態様に対応する音量調整指令VLCが、アナログ処理ユニット140へ送られているものとする(図1参照)。
こうした状態で、アンテナ110で放送波を受信すると、上述した放送受信装置100Aの場合と同様にして、MPX部123により、ステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)が抽出される。そして、MPX部123は、抽出されたステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)を、ノイズ低減装置130Cへ送る。
ノイズ低減装置130Cでは、ステレオ和信号(L+R)をマトリクス部136Cが受け、ステレオ差信号(L−R)をノイズ除去部131Sが受ける(図6参照)。
ステレオ差信号(L−R)を受けたノイズ除去部131Sでは、上述した第1実施形態の場合と同様にして、ステレオ差信号(L−R)におけるノイズ成分を低減した補正差信号CSTを算出する。そして、ノイズ除去部131Sは、算出された補正差信号CSTをマトリクス部136Cへ送る(図6参照)。
マトリクス部136Cは、受信処理ユニット120Aから送られたステレオ和信号(L+R)を受けると、当該ステレオ和信号(L+R)に対して、ノイズ除去部131Sによる補正差信号CSTの生成処理に要する時間に相当する遅延を施す。そして、マトリクス部136Cは、遅延を施したステレオ和信号(L+R)と補正差信号CSTとを加算し、加算結果に基づいて、再生用Lチャンネル信号CLDを算出する。また、マトリクス部136Cは、遅延を施したステレオ和信号(L+R)から補正差信号CSTを減算し、減算結果に基づいて、再生用Rチャンネル信号CRDを算出する。そして、マトリクス部136Cは、再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDをアナログ処理ユニット140へ送る(図6参照)。
以後、第1実施形態の場合と同様にして、アナログ処理ユニット140が、再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDから出力音信号AOSL,AOSRを生成し、スピーカユニット150L,150Rへ送る。そして、スピーカユニット150L,150Rが、出力音信号AOSL,AOSRに従って、音声を再生出力する。
以上説明したように、第3実施形態では、ノイズ低減装置130Cのノイズ除去部131Sが、ステレオ差信号(L−R)に含まれるノイズ成分を推定し、ステレオ差信号(L−R)から当該推定されたノイズ成分を差し引いた補正差信号CSTを生成する。引き続き、マトリクス部136Cが、ステレオ和信号(L+R)及び補正差信号CSTに基づいて、再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDを算出する。
このため、第3実施形態では、低SN比のステレオ差信号(L−R)に含まれているノイズ成分が有効に除去された後、ノイズバランスがとれた再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDが算出される。
したがって、第3実施形態によれば、上述した第1及び第2実施形態と同様に、FMステレオ放送波の受信信号から、Lチャンネル音声とRチャンネル音声との間のバランス感を保ちつつ、効果的にノイズ成分を低減することができ、聴取者に対して聴感上の違和感を抑制した放送音声を提供することができる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、ステレオ差信号(第1実施形態では、ステレオ和信号及びステレオ差信号)のパワースペクトル分布から定常ノイズ成分のパワースペクトル分布を差し引いてノイズ低減信号を生成するというスペクトルサブトラクション法を用いてノイズ低減処理を行った。これに対して、ノイズ低減手法として、例えば、ノイズ成分のパワースペクトルに基づいて時間領域のノイズ信号を生成し、当該ノイズ信号の位相を反転させた信号を、入力信号に加算して、ノイズ低減信号を生成するようにしてもよい。
また、上記の第3実施形態では、マトリクス部136Cが、ステレオ和信号(L+R)に対して、ノイズ除去部131Sによる補正差信号CSTの生成処理に要する時間に相当する遅延を施して、アナログ処理ユニットに供給される再生用Lチャンネル信号と再生用Rチャンネル信号との同期を図るようにした。これに対して、ノイズ低減装置の構成として、マトリクス部136Cに代えて、受信処理ユニットから送られるステレオ和信号を受ける遅延部と、第1実施形態のマトリクス部136Aとを備える構成としてもよい。
こうしたノイズ低減装置の構成では、受信処理ユニット120Aから送られたステレオ和信号を受けた遅延部が、当該ステレオ和信号に対して、ノイズ除去部131Sによる補正差信号CSTの生成処理に要する時間に相当する遅延を施すようにする。そして、遅延部は、遅延を施したステレオ和信号を、マトリクス部136Aへ送る。かかる構成を採用することにより、マトリクス部136Aに供給されるステレオ和信号と補正差信号との同期を図ることができる。
また、上記の第1実施形態に対する第2実施形態への変形を、第3実施形態に対して行ってもよい。
なお、上記の実施形態におけるノイズ低減装置を、DSP(Digital Signal Processor)等を備えた演算手段としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、上記の実施形態における処理の一部又は全部を実行するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体から読み出されて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
100A〜100C … 放送受信装置
120A,120B … 受信処理ユニット(受信処理部)
130A,130C … ノイズ低減装置
131M … ノイズ除去部(第2ノイズ除去部)
131S … ノイズ除去部(第1ノイズ除去部)
136A,136C … マトリクス部

Claims (7)

  1. FMステレオ放送を受信する放送受信装置が有するノイズ低減装置であって、
    ステレオ差信号に含まれるノイズ成分を推定し、前記ステレオ差信号から前記推定されたノイズ成分を除去する第1ノイズ除去部と;
    前記第1ノイズ除去部による除去結果とステレオ和信号とに基づいて、再生用レフトチャンネル信号及び再生用ライトチャンネル信号を算出するチャンネル信号算出部と;
    を備えることを特徴とするノイズ低減装置。
  2. 前記チャンネル信号算出部は、
    ステレオ和信号に含まれるノイズ成分を推定し、前記ステレオ和信号から前記推定されたノイズ成分を除去する第2ノイズ除去部と;
    前記第1ノイズ除去部による除去結果、及び、前記第2ノイズ除去部による除去結果から、前記再生用レフトチャンネル信号及び前記再生用ライトチャンネル信号を算出するマトリクス部と;
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のノイズ低減装置。
  3. 前記チャンネル信号算出部は、前記第1ノイズ除去部による除去結果及びステレオ和信号から、前記再生用レフトチャンネル信号及び前記再生用ライトチャンネル信号を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載のノイズ低減装置。
  4. FMステレオ放送波の受信結果に基づいて、ステレオ和信号及びステレオ差信号を生成する受信処理部と;
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のノイズ低減装置と;
    を備えることを特徴とする放送受信装置。
  5. FMステレオ放送を受信する放送受信装置が有するノイズ低減装置において使用されるノイズ低減方法であって、
    ステレオ差信号に含まれるノイズ成分を推定し、前記ステレオ差信号から前記推定されたノイズ成分を除去するノイズ除去工程と;
    前記ノイズ除去工程における除去結果とステレオ和信号とに基づいて、再生用レフトチャンネル信号及び再生用ライトチャンネル信号を算出するチャンネル信号算出工程と;
    を備えることを特徴とするノイズ低減方法。
  6. FMステレオ放送を受信する放送受信装置が有するノイズ低減装置が備えるコンピュータに、請求項5に記載のノイズ低減方法を実行させる、ことを特徴とするノイズ低減プログラム。
  7. FMステレオ放送を受信する放送受信装置が有するノイズ低減装置が備えるコンピュータにより読み取り可能に、請求項6に記載のノイズ低減プログラムが記録されている、ことを特徴とする記録媒体。
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