JP2014145330A - アイドルストップ制御装置 - Google Patents

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Kazuhisa Nishikawa
和久 西川
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【課題】アイドルストップのエンジン自動停止制御の開始後に、ドライバの意図しないエンジン再始動を確実に防止して燃費の向上を図れるようにする。
【解決手段】制御処理部6は、車速VがVs(例えば、7km/h)以下で、かつ、ブレーキ液圧が第1の閾値である0.5MPa以上となるとエンジン自動停止条件が成立したとして、エンジンの自動停止制御を開始してE/GECU8にエンジン停止を要求する。また、制御処理部6は、ブレーキ液圧が第2の閾値である0.1MPa以下となればエンジン再始動条件が成立したとして、E/GECU8にエンジンの再始動を要求する。さらに、制御処理部6は、Gセンサ9から減速度に応じた信号を取り込み、取り込んだ信号に基づき、エンジンの自動停止の際の減速度合いとしてのエンジンの自動停止開始時の減速度が大きいほど、エンジン再始動条件であるブレーキ液圧の第2の閾値を低く変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、走行中に所定のエンジン自動停止条件の成立によりエンジンを自動停止し、エンジンの自動停止中に所定のエンジン再始動条件の成立によりエンジンを再始動するアイドルストップ制御装置に関する。
従来、車両のアイドルストップ制御装置においては、ブレーキペダルが踏み込まれて車両の走行が完全に停止することを条件としてアイドルストップ制御が行なわれるようになっており、具体的には、車両の走行が完全に停止すると、その停止中にブレーキ液圧が第1基準液圧(エンジン停止判定液圧)以上になることにより、エンジンを停止してアイドルストップに制御し、また、アイドルストップ中にブレーキペダルの踏み込みが緩められて第1基準液圧より低い第2基準液圧(エンジン始動判定液圧)を下回ると、エンジンを始動するようにしたものがある。これは、ブレーキペダルが踏み込まれて車両の走行が完全に停止することを条件としてアイドルストップに制御するというものである(特許文献1参照)。
特開平11−270378号公報(段落0023〜0035、図1、図3)
ところで、ドライバによっては、走行停止間際(正確には走行停止直後)に大きなブレーキ液圧によっていわゆる「カックンブレーキ」になることを避けるため、一時的にブレーキペダルの踏み込みを弱くしてブレーキ度合いを緩めることがあり、上記したアイドルストップ制御装置を搭載した車両であっても、同様のブレーキ操作が行われるものと考えられる。
しかし、上記した特許文献1に記載のものでは、「カックンブレーキ」を防止するために、ドライバが一時的にブレーキペダルの踏み込みを弱くしてブレーキ度合いを緩めると、エンジンの自動停止制御中にブレーキ液圧が第2基準液圧に低下することにより、ドライバにエンジン再始動の意図がなくても不要にエンジンが再始動してしまう可能性があり、このような不要なエンジン再始動はドライバに違和感を与えることになる上、燃費の低下を招くという問題点がある。
本発明は、アイドルストップのエンジン自動停止制御の開始後に、ドライバの意図しないエンジン再始動を確実に防止して燃費の向上を図れるようにすることを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明のアイドルストップ制御装置は、走行中にブレーキ操作度合いが第1の閾値になったことを含むエンジン自動停止条件の成立によりエンジンを自動停止し、エンジンの自動停止中に前記ブレーキ操作度合いが前記第1の閾値よりも低い第2の閾値以下になったことを含むエンジン再始動条件の成立によりエンジンを再始動するアイドルストップ制御装置であって、前記エンジン自動停止条件の成立によるエンジンの自動停止の際の減速度合いに応じて、前記第2の閾値を変更する閾値変更手段を備えたことを特徴としている(請求項1)。
また、前記閾値変更手段は、前記エンジン自動停止条件の成立によるエンジンの自動停止の際の減速度合いが大きいほど前記第2の閾値を低く変更するものであってもよい(請求項2)。
請求項1に係る発明によれば、閾値変更手段により、エンジン自動停止条件の成立によるエンジンの自動停止の際の減速度合いに応じて、エンジン再始動条件に関わる第2の閾値が変更され、例えばエンジンの自動停止開始時の減速度、エンジンの自動停止開始直前の一定時間内の減速度の積分値、エンジンの自動停止開始直前の一定時間内の減速度の最大値などをパラメータとすると、これらのパラメータの数値に応じて第2の閾値が変更される。
このとき、ドライバがエンジンの自動停止の際に大きな減速度合いを抑制するために、よりブレーキの踏み込みを弱くしてブレーキ度合いを緩めると考えられることから、このような場合には例えばエンジン再始動条件に関わる第2の閾値を低く変更することにより、ブレーキ操作度合いが低く変更された第2の閾値以下に低下しない限りエンジンン再始動条件が成立することはなく、ドライバの意図しない不要なエンジン再始動が行われることがない。なお、変更後の第2の閾値は、車両が完全に停止して車速がゼロ(停車状態)になれば元に戻すのが好ましい。
したがって、エンジン自動停止条件の成立によるエンジンの自動停止の際の減速度合いに応じて、第2の閾値が変更することにより、アイドルストップのエンジン自動停止制御の開始後に、ドライバの意図しないエンジン再始動を確実に防止することができ、不要なエンジン再始動による燃費の向上を図ることができる。
請求項2に係る発明によれば、エンジン自動停止条件の成立によるエンジンの自動停止の際の減速度合いが大きいほど前記第2の閾値を低く変更するため、アイドルストップのエンジン自動停止制御の開始後におけるドライバの意図しない不要なエンジン再始動をより確実に防止することができる。
本発明に係るアイドルストップ制御装置の一実施形態のブロック図である。 図1の動作説明図である。 図1の動作説明用フローチャートである。
本発明に係るアイドルストップ制御装置の一実施形態について、図1ないし図3を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の「ブレーキ操作度合い」は、本実施形態の場合、ブレーキ液圧の大きさとして説明する。
図1は車両1に搭載された本実施形態のアイドルストップ制御装置のエンジン制御の要部を示し、図1において、2は車速を検出する車速センサ、3はブレーキ機構(図示せず)のブレーキ液圧(具体的にはマスタシリンダのブレーキ液圧)を検出するブレーキ液圧センサ、4はストップランプ(図示せず)の点灯中にオンするストップランプスイッチ、5はエンジン(図示せず)の回転数を検出するエンジン回転数センサである。
6はマイクロコンピュータ等からなるECU構成の制御処理部であり、予めROM等に記憶されたアイドルストップ制御の各種プログラムを実行し、本発明に係るアイドルストップの制御全体を司り、スタータ7を介してエンジンの始動を制御する。
なお、スタータ7は、エンジンの停止制御中(回転中)にもエンジンの再始動が可能なものであればどのようなものであってもよい。
制御処理部6に設定される本発明のアイドルストップにおけるエンジン自動停止条件は、車速VがVs(例えば、7km/h)以下で、かつ、ブレーキ液圧(ブレーキ度合い)が0.5MPa以上となることであり、このエンジン自動停止条件が成立すれば、エンジンの自動停止制御を開始してエンジン(E/G)ECU8にエンジン停止を要求する。このとき、0.5MPaのブレーキ液圧(ブレーキ度合い)が本発明における第1の閾値Th1に相当する。
一方、制御処理部6に設定される本発明のアイドルストップにおけるエンジン再始動条件は、ブレーキ液圧(ブレーキ度合い)が0.1MPa以下となることであり、このエンジン再始動条件が成立すれば、E/GECU8にエンジンの再始動を要求する。このとき、0.1MPaのブレーキ液圧(ブレーキ度合い)が本発明における第2の閾値Th2に相当する。
ところで、制御処理部6は、Gセンサ9から減速度に応じた信号を取り込み、取り込んだ信号に基づき、エンジンの自動停止の際の減速度合いとして、エンジンの自動停止開始時の減速度が大きいほど、エンジン再始動条件であるブレーキ液圧の第2の閾値Th2(=0.1MPa)を低く変更する。すなわち、エンジンの自動停止制御中、車両1が完全に停止するまでの間、エンジンの自動停止制御開始時の減速度に応じたブレーキ液圧の第2の閾値Th2の変更により、エンジン再始動条件の再設定がなされる。このような制御処理部6による第2の閾値Th2の変更処理が、本発明における閾値変更手段に相当する。
このとき、例えばエンジンの自動停止開始時の減速度が0.15Gであれば第2の閾値Th2を0.05MPaに、0.12Gであれば第2の閾値Th2を0.07MPaに、0.1Gであれば、第2の閾値Th2を0.08MPaに変更する。ここで、エンジンの自動停止開始時における減速度の各々の数値と、これに対応するブレーキ液圧の第2の閾値Th2の変更値(以下、これを変更値という)との関係を予め実験等により求めてマップ化し、メモリ10に記憶させておき、Gセンサ9によるエンジンの自動停止開始時の減速度に対応する変更すべき第2の閾値Th2を、ROM或いは書き換え可能なEEPROM等のメモリ10から読み出す。なお、変更値はゼロではないがブレーキをほとんど踏み込んでいない状態時のブレーキ液圧とするのが好ましい。
このような制御処理部6によるアイドルストップ動作について具体的に説明する。いま、図2(a)に示すように、ドライバが交差点の赤信号を見てブレーキ操作を行うことにより、時刻t1に、車速VがVs(=7km/h)以下になり、かつ、ブレーキ液圧が第1の閾値Th1である0.5MPa以上になると、アイドルストップのエンジン自動停止条件が成立してエンジンの自動停止制御が開始される。
一方、エンジンの自動停止制御の開始時である時刻t1におけるGセンサ9の入力信号に基づく車両1の減速度が制御処理部6により導出され、導出された減速度の数値に対応する変更値がメモリ10から読み出され、読み出された変更値がエンジン再始動条件を定める第2の閾値Th2として保持される。例えば、図2(b)に示すように、時刻t1における減速度が0.15Gであれば上記したように0.05MPaが変更値としてメモリ10から読み出されて新たな第2の閾値Th2として保持される。
そして、図2(a)に示すように、エンジンの自動停止制御により車速Vが徐々に低下し、時刻t3に車速Vがゼロになって車両1は完全に停止される。このとき、時刻t1にエンジンの自動停止制御の開始により車速Vが徐々に低下し、図2(c)に示すように、ドライバがエンジンの自動停止の際に大きな減速度合いを抑制(いわゆるカックンブレーキの抑制)するために、よりブレーキの踏み込みを弱くしてブレーキ度合いを緩めたとしても、自動停止開始時刻である時刻t1より後であって車両1が完全に停止状態となる時刻t3よりも前の時刻t2に、変更後の第2の閾値Th2である0.05MPa以下にまで低下することはなく、エンジン自動停止制御の開始後にエンジンの再始動条件が成立して不要にエンジンが再始動されることはない。なお、車両1が完全に停止して車速Vがゼロになれば、第2の閾値th2は元の0.1MPaに戻され、エンジン再始動条件が当初の状態に戻される。
次に、制御処理部6の処理手順について、図3のフローチャートを参照して説明する。
図3に示すように、エンジン自動停止条件が成立(車速Vが7km/h以下で、ブレーキ液圧が第1の閾値Th1である0.5MPa以上)により、エンジンの自動停止制御が開始され(ステップS1)、エンジンの自動停止制御開始時におけるGセンサ9の出力に基づく減速度が導出され、導出された減速度に対応する変更値(変更すべきブレーキ液圧の第2の閾値Th2の値がメモリ10から読み出される(ステップS2)。
続いて、読み出された変更値が新たなエンジン再始動条件であるブレーキ液圧の第2の閾値Th2として設定保持され(ステップS3)、エンジン再始動条件の再設定がなされる。そして、現在のブレーキ液圧センサ3によるブレーキ液圧が変更後の第2の閾値Th2以下であるか否かの判定がなされ(ステップS4)、この判定結果がNOであれば、判定結果がYESになるまで繰り返され、判定結果がYESになれば、エンジン再始動条件が成立したとして制御処理部6に内蔵のフラグレジスタにエンジン再始動フラグがセットされ(ステップS5)、その後動作は終了する。
したがって、上記した実施形態によれば、エンジン自動停止条件の成立によるエンジンの自動停止の際のGセンサ9による減速度が大きいほど、エンジン再始動条件である第2の閾値Th2が低く変更されるため、ドライバがエンジンの自動停止の際に大きな減速度合いを抑制するために、よりブレーキの踏み込みを弱くしてブレーキ度合いを緩めたとしても、ブレーキ液圧が変更後の第2の閾値Th2以下にならない限りエンジンン再始動条件が成立せず、不要なエンジン再始動がドライバの意に反して行われることはなく、アイドルストップのエンジン自動停止後に、ドライバの意図しないエンジン再始動を確実に防止することができ、不要なエンジン再始動による燃費の向上を図ることができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行なうことが可能である。
また、上記した実施形態では、エンジンの自動停止開始時の減速度が0.15Gであれば第2の閾値Th2を0.05MPaに、0.12Gであれば第2の閾値Th2を0.07MPaに、0.1Gであれば、第2の閾値Th2を0.08MPaに変更するという例を示したが、これらの数値はあくまでも一例であって、これらの数値に限定されるものでないのは勿論である。
また、上記した実施形態では、エンジン自動停止条件の成立によるエンジンの自動停止の際の減速度合いをエンジンの自動停止開始時の減速度とした場合について説明したが、例えば、エンジンの自動停止開始直前の一定時間(例えば、1000ms)内の減速度の積分値に応じて、エンジン再始動条件である第2の閾値を変更するようにしてもよい。
さらに、エンジンの自動停止開始直前の一定時間(例えば、1000ms)内における減速度の最大値に応じて、エンジン再始動条件である第2の閾値を変更するようにしてもよい。
このとき、減速度と第2の閾値Th2の変更値との関係をマップ化した上記実施形態と同様、これら一定時間内の減速度の積分値や最大値の各々の数値と、これに対応するブレーキ液圧の第2の閾値Th2の変更値との関係を予め実験等により求めてマップ化し、メモリ10に記憶させておくのが望ましい。
また、上記した実施形態では、本発明におけるブレーキ操作度合いを、ブレーキ液圧とした場合について説明したが、ブレーキ操作度合いは、ブレーキ圧の大きさやブレーキペダル踏み込みストローク量等、ブレーキの程度を示すものであればよい。
そして、本発明は、種々の車両のアイドルストップ制御装置に適用できる。
1 …車両
6 …制御処理部(閾値変更手段)

Claims (2)

  1. 走行中にブレーキ操作度合いが第1の閾値になったことを含むエンジン自動停止条件の成立によりエンジンを自動停止し、エンジンの自動停止中に前記ブレーキ操作度合いが前記第1の閾値よりも低い第2の閾値以下になったことを含むエンジン再始動条件の成立によりエンジンを再始動するアイドルストップ制御装置であって、
    前記エンジン自動停止条件の成立によるエンジンの自動停止の際の減速度合いに応じて、前記第2の閾値を変更する閾値変更手段を備えたことを特徴とするアイドルストップ制御装置。
  2. 前記閾値変更手段は、前記エンジン自動停止条件の成立によるエンジンの自動停止の際の減速度合いが大きいほど前記第2の閾値を低く変更するものであることを特徴とする請求項1に記載のアイドルストップ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007056789A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Daihatsu Motor Co Ltd アイドリング運転制御方法
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