JP2014145162A - 病院 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】病院10は、地面Gに立設され、患者用の正面出入り口、患者を受け付ける受け付け室、待合室、診察室、薬局、ナースセンター等が設けられる下部躯体20と、下部躯体20の上に免震装置30,30…を介して、手術室と、発電設備又は蓄電設備とが免震支持された上部躯体40と、を有する構成とした。
【選択図】図1
Description
一方、地震被害から建物を免れさせる技術として免震化が挙げられる(特許文献1)。
受け付け室を有する下部躯体の上に、免震装置を介して、手術室と、発電設備又は蓄電設備とが免震支持されていることを特徴とする。
また、下部躯体に対しては免震化をしなくて良いので、病院全体を免震化する場合と比較して、免震対象物の重量を大幅に縮小できる。そして、その結果、かかる免震化の際に、大容量の免震装置を用いずに小容量の免震装置で対応可能となって、病院の建造コストを低く抑えることができる。
前記手術室を有する上部躯体が、前記免震装置を介して前記下部躯体の上に免震支持されることにより、前記手術室は免震支持されており、
前記病院の屋上部には、ヘリポートが設けられており、
前記屋上部と前記手術室とを繋ぐエレベータシャフトが、前記上部躯体に設けられていることを特徴とする。
前記手術室と、前記発電設備又は前記蓄電設備とを有する上部躯体が、前記免震装置を介して前記下部躯体の上に免震支持されることにより、前記手術室と、前記発電設備又は前記蓄電設備とが免震支持されていることを特徴とする。
前記手術室を有する第1の上部躯体が、免震装置を介して前記下部躯体の上に免震支持されることにより、前記手術室が免震支持されており、
前記発電設備又は前記蓄電設備を有する第2の上部躯体が、免震装置を介して前記下部躯体の上に免震支持されることにより、前記発電設備又は前記蓄電設備が免震支持されていることを特徴とする。
前記病院の躯体のうちの上側の躯体部分には、空間が形成されており、
前記上側の躯体部分の下方に位置する躯体部分が、前記下部躯体であり、
前記空間内に、前記上部躯体が収容されていることを特徴とする。
前記病院の躯体は、既存病院の躯体であることを特徴とする。
前記下部躯体の上に、免震装置を介して、備蓄庫及び貯水槽が免震支持されていることを特徴とする。
前記手術室を有する上部躯体が、前記免震装置を介して前記下部躯体の上に免震支持されることにより、前記手術室は免震支持されており、
前記上部躯体に対して外力を付与可能なアクチュエータと、前記下部躯体の振動又は地震動を計測するセンサーと、前記センサーから入力される振動又は地震動の計測データに基づいて前記アクチュエータを制御するコントローラと、を有し、
前記上部躯体に入力される前記振動又は前記地震動を打ち消すように、前記コントローラは、前記計測データに基づいて前記アクチュエータを制御することを特徴とする。
また、上記のように上部躯体だけを絶対免震すれば、病院全体を絶対免震する場合と比較して免震対象物の重量を大幅に縮小できる。よって、かかる絶対免震の際に、大容量のアクチュエータを用いずに小容量のアクチュエータで対応可能となって、病院の建造コストを低く抑えることができる。
図1は、第1実施形態の病院10を側方から見た概略図である。
図1に示すように、病院10は、地面Gに立設された下部躯体20と、下部躯体20の上に免震装置30,30…を介して免震支持された上部躯体40と、を有する。下部躯体20は、例えば地上一階又は地上複数階建ての構造物であり、図1の例では四階建てである。そして、一階フロアーには、患者用の正面出入り口、患者を受け付ける受け付け室、待合室、診察室、薬局、ナースセンター等が設けられ、二階フロアーには、レントゲン室やMRI室、病室等が設けられ、三階フロアー及び四階フロアーには主に病室等が設けられている。
また、下部躯体20の各階フロアーの用途も、何等上記に限らない。但し、患者の利便性の観点から、受け付け室だけは、下部躯体20の何れかの階に設けられている必要があって、図1の例では、一階フロアーに受け付け室が設けられている。
また、これら医療機器の中には、電力で作動する機器も存在するが、平時には、かかる機器への給電は、例えばその地域の電力会社から供給される電力によってなされる。すなわち、電力会社の発電所で発電された電気が、送電線を介して病院10へ送られて、病院10の配電盤等を経由して手術室へ供給される。
そして、これにより、救急医療に欠かせない手術室、及び手術室での手術や治療に必要な電力を上記の発電設備又は蓄電設備から確実に確保できて、結果、被災直後から救急医療を問題無く行うことができる。
また、この変形例によれば、各上部躯体40a,40aは、それぞれ別々の免震装置30,30…によって個別に免震支持されている。よって、上記の第1実施形態(図1)のように手術室及び発電設備又は蓄電設備の両者が設けられた大重量の上部躯体40を免震化する場合と比較して、免震装置30が支持すべき上部躯体40aの重量を縮小することができる。そして、その結果、大容量の免震装置30を用いずに小容量の免震装置30で対応可能となって、病院10の建造コストを低く抑えることができる。
図3は、第2実施形態の病院10bを側方から見た概略図である。
この病院10bは、既存病院110の躯体のうちで上側の躯体部分140を改築することによって構築されている。既存病院110は、複数階建ての構造物であり、この例では、四階建てである。そして、改築対象たる上側の躯体部分140としての最上階の四階の躯体部分140に大きな空間SP140を形成すべく、四階フロアーの間仕切り壁等が取り外されて、例えば四階フロアー全体が一連の大きな空間SP140にされている。そして、この空間SP140に、手術室を有した上部躯体40bと、発電設備又は蓄電設備を有した上部躯体40bとが収容されている。すなわち、各上部躯体40b,40bは、四階フロアーの床部40fの上にそれぞれ別々の免震装置30,30…を介して並列配置され、これにより、各上部躯体40,40は、当該床部40f以下の躯体部分120を下部躯体120として、当該下部躯体120の上に免震支持されている。よって、手術室と、発電設備又は蓄電設備との両者については、地震被害から免れることができ、また、下部躯体120の高さまでの浸水被害からも免れることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
更には、上部躯体40,40a,40b,40cに対して外力を付与可能なアクチュエータ(不図示)を用いることによって、所謂アクティブ制振を上部躯体40,40a,40b,40cに対して行っても良い。すなわち、上記のアクチュエータに加えて、下部躯体20,120の振動又は地震動を計測するセンサー(不図示)と、センサーから入力される振動又は地震動の計測データに基づいてアクチュエータを制御するコンピュータ等のコントローラと、を設け、そして、計測データが示す変位と略逆方向に上部躯体40,40a,40b,40cを強制的且つリアルタイムで動かすようにアクチュエータを制御することによって、上部躯体40,40a,40b,40cに入力される振動又は地震動を打ち消すようにしても良い。そして、かかるアクティブ制振を適用すれば、上部躯体40,40a,40b,40cの振動を激減して概ね零にするという絶対免震を実現可能であり、これにより、手術室に対して要求される高度な静止状態を達成することができる。また、上記のように上部躯体40,40a,40b,40cだけをアクティブ制振すれば、病院10全体をアクティブ制振する場合と比較して制振対象物の重量を大幅に縮小できる。よって、かかるアクティブ制振の際に、大容量のアクチュエータを用いずに小容量のアクチュエータで対応可能となって、病院10の建造コストを低く抑えることができる。
10r 屋上部、
20 下部躯体、20t 天井部、20w 外壁部、
30 免震装置、
40 上部躯体、
40a 上部躯体(第1の上部躯体、第2の上部躯体)、
40b 上部躯体(第1の上部躯体、第2の上部躯体)、
40c 上部躯体、
40f 床部、40t 天井部、40w 外壁部、43 渡り部材、
110 既存病院、110r 屋上部、
120 下部躯体、120w 外壁部、140 上側の躯体部分、
EV1 エレベータ、EVS1 エレベータシャフト、
EV2 エレベータ、EVS2 エレベータシャフト、
SP140 空間、G 地面、H ヘリポート
Claims (8)
- 受け付け室を有する下部躯体の上に、免震装置を介して、手術室と、発電設備又は蓄電設備とが免震支持されていることを特徴とする病院。
- 請求項1に記載の病院であって、
前記手術室を有する上部躯体が、前記免震装置を介して前記下部躯体の上に免震支持されることにより、前記手術室は免震支持されており、
前記病院の屋上部には、ヘリポートが設けられており、
前記屋上部と前記手術室とを繋ぐエレベータシャフトが、前記上部躯体に設けられていることを特徴とする病院。 - 請求項1又は2に記載の病院であって、
前記手術室と、前記発電設備又は前記蓄電設備とを有する上部躯体が、前記免震装置を介して前記下部躯体の上に免震支持されることにより、前記手術室と、前記発電設備又は前記蓄電設備とが免震支持されていることを特徴とする病院。 - 請求項1又は2に記載の病院であって、
前記手術室を有する第1の上部躯体が、免震装置を介して前記下部躯体の上に免震支持されることにより、前記手術室が免震支持されており、
前記発電設備又は前記蓄電設備を有する第2の上部躯体が、免震装置を介して前記下部躯体の上に免震支持されることにより、前記発電設備又は前記蓄電設備が免震支持されていることを特徴とする病院。 - 請求項3又は4に記載の病院であって、
前記病院の躯体のうちの上側の躯体部分には、空間が形成されており、
前記上側の躯体部分の下方に位置する躯体部分が、前記下部躯体であり、
前記空間内に、前記上部躯体が収容されていることを特徴とする病院。 - 請求項5に記載の病院であって、
前記病院の躯体は、既存病院の躯体であることを特徴とする病院。 - 請求項1乃至6の何れかに記載の病院であって、
前記下部躯体の上に、免震装置を介して、備蓄庫及び貯水槽が免震支持されていることを特徴とする病院。 - 請求項1乃至7の何れかに記載の病院であって、
前記手術室を有する上部躯体が、前記免震装置を介して前記下部躯体の上に免震支持されることにより、前記手術室は免震支持されており、
前記上部躯体に対して外力を付与可能なアクチュエータと、前記下部躯体の振動又は地震動を計測するセンサーと、前記センサーから入力される振動又は地震動の計測データに基づいて前記アクチュエータを制御するコントローラと、を有し、
前記上部躯体に入力される前記振動又は前記地震動を打ち消すように、前記コントローラは、前記計測データに基づいて前記アクチュエータを制御することを特徴とする病院。
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