JP2014144574A - インクジェット装置用のインクジェットヘッド - Google Patents

インクジェット装置用のインクジェットヘッド Download PDF

Info

Publication number
JP2014144574A
JP2014144574A JP2013014102A JP2013014102A JP2014144574A JP 2014144574 A JP2014144574 A JP 2014144574A JP 2013014102 A JP2013014102 A JP 2013014102A JP 2013014102 A JP2013014102 A JP 2013014102A JP 2014144574 A JP2014144574 A JP 2014144574A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
ink jet
ejection
piezoelectric element
discharge port
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013014102A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Kurita
雅章 栗田
Ryusuke Horiguchi
竜助 堀口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kishu Giken Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Kishu Giken Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kishu Giken Kogyo Co Ltd filed Critical Kishu Giken Kogyo Co Ltd
Priority to JP2013014102A priority Critical patent/JP2014144574A/ja
Publication of JP2014144574A publication Critical patent/JP2014144574A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】本発明では、産業用に用いられるインクジェット装置において、その構造を改善することにより、インクを遠くまでまっすぐ飛翔させることができるインクジェットヘッドを作製することを課題とする。
【解決手段】このインクジェットヘッド101は、1つ乃至複数の吐出部を有し、吐出部は、圧電素子を有する駆動部、インクが吐出される吐出口104を1つ乃至複数有しており、駆動部の圧電素子は、主としてその最大変位方向が吐出口104からインクが吐出する方向と同方向に配置されている。そして、インクを吐出する吐出口104は平板に穿たれた穴であり、当該吐出口104が設けられている平板の厚さは、吐出口104の径に比して、1.28倍以上2.0倍未満である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダンボール等の包装・梱包紙への印字に代表される、産業用のドロップオンデマンド式インクジェット装置に用いられるインクジェットヘッドに関する。
近年、製品の安全性を求める消費者の発言力は日増しに大きくなり、製品一つ一つを個別に識別し、原料から製品までの製造や流通の管理を厳しくすることで品質管理の徹底が求められている。そのため、個々の商品に日付やバーコードが印字されることはもちろんのこと、それらを梱包したダンボールなどの包装材にも、流通管理用の文字や記号がオンデマンドで印字され、流通時にもまとめて品質管理ができるようになってきている。
製品に個別に期限などを印字するのは、連続式と呼ばれる方式のインクジェット装置が使用されることが多い。これは、小さな文字を印字するのに適している。逆に、製品を梱包したダンボールには、大きな文字が印字できるようにドロップオンデマンド式と呼ばれるインクジェット装置が用いられる。
特開2009−269018号公報 特開2010−30048号公報
連続式のインクジェット装置は、ポンプからの圧力でインク滴を飛ばすので、遠くまでインクを飛ばすことができ、ヘッドから印字対象物までの距離を長く取ることができる。また、常時ポンプから圧力がかかっているため、インクの逆流や空気の混入などは生じ難い。逆に、ドロップオンデマンド式のインクジェットは、おもに圧電素子の変位や、熱による体積膨張の変位を用いてインクを飛ばすため、インクの飛翔距離は短い。また、ヘッドに振動を受けることにより、インクの吐出口(以下、オリフィスと記載することもある)から空気が混入し、吐出不良を起こすことがある。
そして、個別の商品に印字する連続式インクジェット装置を使用する環境というのは、むき出しになった個別の商品に傷をつけないよう、通常、丁寧正確に搬送される搬送系が使用されていることが多く、狙った位置に文字を印字することが容易に設定できる場合が多い。逆に、製品を梱包してしまった後には少々手荒く扱っても良いことが多く、ドロップオンデマンド式のインクジェット装置を使用する環境というのは、梱包されたものが運搬されていれば良いという程度の搬送系であり、振動に弱く、飛翔距離の短いドロップオンデマンド式のインクジェット装置には過酷な環境であることが多いのが現実である。
ドロップオンデマンド式のインクジェット装置を使用する場合、印字対象物が正確な位置に搬送されず少しぐらいずれていても、指定の場所に必要な文字や認識に必要な図柄が印字できるようにするためには、インクジェットヘッドと印字対象物との距離(以下、ワーキングディスタンス、またはWDと記載することもある)が長くても印字できるインクジェット装置を用いる必要がある。言い換えれば、印字対象物の搬送系に依存してワーキングディスタンスが長くなろうが短くなろうが、決められた文字を印字することのできるインクジェット装置が必要である。ワーキングディスタンスを長く取れば、搬送系からの振動がインクジェットヘッドに伝わりにくくなり、吐出口からの空気の混入を抑えることができるという効果も得られる。
インクジェット装置といえば家庭用インクジェットプリンターの普及が目覚しく、家庭用プリンターは、高精細な印刷性能を求めて、吐出させるインク滴の微細化、WDの極小化を求めて開発されてきた(特許文献2参照)。従って、上記のような、インクが長距離飛翔するインクジェットに関する先行技術文献は非常に少ない。そのなかでも、上記特許文献1は、本発明と同様に産業用インクジェットに関する発明であり、駆動部(圧電素子)に印加する電圧パルスを工夫することで、長いワーキングディスタンスを実現している。
本明細書において、一般家庭やオフィスで使用され印刷用紙に印字するプリンターを「家庭用インクジェットプリンター」、主に製品の生産ラインでダンボールや個別包装、または製品に直接印字するプリンターを「産業用インクジェット装置」と記載する。
上記特許文献1では、流路と流体と、圧電素子の固有振動数などから最適な電圧の波形を2回に分けて印加し(これを、ダブルパルスと呼ぶことがある)、駆動部の力がインクに最もよく伝わり、速いスピードでインクが吐出するようにしている。
駆動部の力をダイレクトに伝え、インクを早いスピードで吐出させることはすなわち遠くまでインクを飛ばすことが可能になることに他ならない。しかしながらこの方法は、インクをできるだけ強い力で叩き出すために、吐出されたインクの形状や方向を制御することができないという欠点がある。例えば、インクジェットヘッドからのインクの吐出は、1つの液滴が飛び出すと考えられがちであるが、印加するパルスの強さや形状によっては、一番大きな主滴の前後左右に小さな副滴(以下、サテライトと記載することがある)が1つから複数発生し、印字対象物に着弾したときには、大きなインク滴の周囲に細かな飛沫が付着する。
また、速いスピードで吐出させたからといって、それがまっすぐに飛翔するとは限らない。速いスピードで曲がって飛んでいけば、狙った位置にインクを着弾させることができず、印字は歪んでしまう。
上記特許文献2やその他のインクジェットプリンターに関する研究を参考にすると分かるように、インクジェットの吐出は、吐出口を作る材質とインクの表面張力のコントロールという極めて微妙なバランスの上に成り立っている。とりわけ、特許文献2のインクジェットヘッドはシリコン基板を用いて作られている。シリコン基板は撥水性が高く、水系の溶媒で作製したインクを吐出させるのに非常に好適である。つまり、オリフィス内部にメニスカス(オリフィス内面に形成されるインク液面の曲面)を保ったままインクを保持し、かつ吐出口付近やオリフィスプレート(吐出口が形成されている平板)をインクで濡らすことがないという条件を満たしている。このように、吐出口周りにインクを付着させず、吐出口内に丁度良いメニスカスを作ることが、インクを直線的に飛翔させるのに重要と考えられている。
しかし、産業用に用いられるインクジェット装置は、マーキング用途に用いられることが多く、それによりコストアップを見込めるような付加価値を得られるようなものではない。そのうえ、家庭用に用いられるインクジェットプリンターのように膨大な数が生産されるわけでもない。そのため、できるだけ安く作ることも重要である。そのような視点から、特許文献2に記載されているようなシリコン基板やフォトリソグラフィープロセスなどは使用しないのが一般的である。
本発明では、産業用に用いられるインクジェット装置において、その構造を改善することにより、インクを遠くまでまっすぐ飛翔させることができるインクジェットヘッドを安価に作製することを課題とする。
ワーキングディスタンスを長く取るということは、吐出されたインクができるだけまっすぐ飛翔し続けることが必要であり、そのためには、インクを吐出させるための力が強く、インクをまっすぐ飛ぶように方向付ける必要がある。
それを実現するための本発明のインクジェットヘッドは、1つ乃至複数の吐出部を有し、吐出部は、圧電素子を有する駆動部、インクが吐出する吐出口を1つ乃至複数有しており、駆動部の圧電素子は、主としてその最大変位方向が吐出口からインクが吐出する方向と同方向に配置されている。そして、インクを吐出する吐出口は平板に穿たれた穴であり、当該吐出口が設けられている平板の厚さは、吐出口の径に比して、1.28倍以上2.0倍未満である。
このようなインクジェットヘッドにおいて、吐出口が設けられている平板は、遷移金属、周期表13属元素、周期表14属元素、前記遷移金属、前記周期表13属元素および前記周期表14属元素から成る群より選ばれた2種以上で構成される合金、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート(PolyEthylene Naphthalate、略称:PEN)、またはポリエーテルエーテルケトン(PolyEther Ether Ketone、略称:PEEK)のいずれかで構成されている。
本発明のインクジェットヘッドは、上記課題を解決する手段をとることで、
(1)ピエゾの変位を大きく取ってできるだけ強い力でインクを押し出し、
(2)吐出口径に比して平板厚を厚くし、長いストロークでインクを押し出す方向に方向付け、
(3)押し出されたインクの量を多くして慣性によりその方向を持続させる、
ことで、吐出口から吐出したインクがまっすぐに長距離飛翔し続けることができる。
本発明は上記構成を有することにより、インクジェットヘッドと印字対象物との距離を長く取る事ができる。それによって、場所が正確に定まらない印字対象物にも明瞭な印字が可能となる。さらに、印字対象物の搬送系から受ける振動により吐出口から空気が入り込んだり、それによる吐出不良を防ぐことができるようになる。
また、本発明はインクジェットヘッドの構造そのものにより、インクを長距離に飛翔させることを可能とした。従って、駆動部の圧電素子に印加する電圧を変化させることにより、サテライトの出現や形状を制御することも可能である。
本発明のインクジェットヘッドの外観図である。 本発明のインクジェットヘッドの分解図である。 本発明のインクジェットヘッドにおける1つの吐出部の断面図である。 比較実験の結果を示す表を表した図である。
本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。ただし、本発明は以下の説明のみに限定されることはない。本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解されるからである。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容のみに限定して解釈されるものではない。なお、図面を用いて本発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。
(実施の形態1)
本発明のインクジェットヘッドは、ドロップオンデマンド式のインクジェットである。当該ドロップオンデマンド式のインクジェットに用いられるインクジェットヘッドには、様々な吐出方式のものがある。例えば、電磁弁により吐出を制御するバルブ方式、インクを加熱した時の体積膨張を利用して吐出させるサーマル方式、圧電素子(以下、ピエゾとも記載する)の変位を利用して吐出させるピエゾ方式があり、ピエゾ方式には圧電素子の変位をどのように利用するかにより、ベンドモード、プッシュモード、シェアモードなどに分類される。
本発明のインクジェットヘッドはピエゾ方式のプッシュモードインクジェットヘッドであり、図1に本発明のインクジェットヘッドの外観図を例示する。
インクジェットヘッド101は、駆動部やそれらを制御する電子回路の入ったボディー102、流路やオリフィスなどが形成されている積層プレート103、インクを供給する供給口105を有する。積層プレート103の最表面はオリフィスプレートであり、インクを吐出する吐出口104が1つまたは複数設けられている。
インクジェットヘッド101は、インクタンク(または、リザーバと記載することもある)がインクジェットと分離して設置される。したがって、リザーバからインクが供給される供給口105が設けられている。このように、外からインクを供給する構造の場合、インクを入れる際、追加する際、または交換する際に、インク流路内に空気が混入して吐出不良を起こすことがある。そのような場合に備えて、インクジェットヘッド101には、空気をインクと共に排出するインク排出口106が設けられている事がこのましい。排出口106があれば、インクタンクからインクジェットヘッド101へインクを充填する時に混入した、吐出口104からは排出できないような大きな気泡を、排出口106から排出することができる。もちろん空気の混入を回避する手段を別途設ければ、当該排出口106を設けなくても良い。
インクジェットヘッド101の吐出口は1つでもよく、複数あってもよい。産業用インクジェットプリンターのインクジェットヘッドは、吐出口104が1つのものから、7、8、32、128、500、600、それ以上と様々ある。そして、その吐出口104はオリフィスプレートと呼ばれる平板に穿たれた穴によって形成されている。本実施の形態では吐出口104が7つ設けられている例を示す。
次に、インクジェットヘッド101の主要な構成部品の分解図を図2に示す。図1で示した積層プレート103は、したから、オリフィスプレート201、流路プレート202、均衡化プレート203(または、リストリクタープレートとも記載する)、およびダイアフラムプレート204が積層されている。ダイアフラムプレート204の上には、インクジェットの駆動部として、一辺の長い直方体として切り出された圧電素子205(またはピエゾ素子、PZT等と記載することもある)が配置されている。当該圧電素子205は、PZTと呼ばれるチタン酸ジルコン酸鉛を用いるのが一般的である。圧電素子205とダイアフラムプレート204は直接接触しても良いが、圧電素子205を保護し、その振動をダイアフラムに効率よく伝達させるために、フット206と呼ばれる保護材を介している。
本明細書において、図2中の点線でしめす駆動部(圧電素子105)−ダイアフラム−リストリクター−吐出口104までの吐出に関わる一連の系統を「吐出部」と記載する。
オリフィスプレート201は、吐出口104が形成されているプレートであり、本発明のインクジェットヘッドの要である。図1〜図3では、一つの駆動部に対して吐出口104を1つ設けている絵を示している。しかしながら、産業用に使用されるインクジェット装置は、ダンボールのような包装紙に濃い印字を行うため(つまり、一度に沢山のインクを吐出させるために)、一つの吐出部に対して複数の吐出口を設けても良い。流路プレート202は流路207とインク溜まり208が形成されており、インクの供給口105から供給されたインクを、流路207を伝って各吐出口104の上のインク溜まり208にまで流す役割を有する。均衡化プレート203は、流路からインク溜まり208にインクを均一に配分する役割と、インクジェットヘッド101が駆動した時にインク溜まり208のインクが流路が逆流しないようにする役割を有する。ダイアフラムプレート204は、フット206と接触する部分にダイアフラム209が形成されており、圧電素子205の変位による力をインク溜まり208に溜まっているインクに伝達する。
この構造の縦の断面図を図3に示す。下から、積層プレート103は、オリフィスプレート201、流路プレート202、均衡化プレート203、およびダイアフラムプレート204が積層されている。圧電素子205の一端はフット206を介してダイアフラムプレート204と固定されずに接している。圧電素子205のもう一端は、ボディー102に固定されている。ボディー102には、流路プレート202の流路207と対向する部分に流路301を設けても良い。これは、インクジェットヘッド101内にじゅうぶんなインクを保持しておくためであり、流路プレート202でじゅうぶんなインク量が確保できる場合にはボディー側の流路301を設けなくても良い。
このような構造を有するインクジェットヘッド101の駆動について簡単に説明する。まず、インクタンクから供給口105、流路207を経て、インクをインク溜まり208にまで溜める。この時に、流路207やインク溜まり208内に空気が混入していない、つまりエア抜きされている必要がある。そして、駆動部である圧電素子205に電圧を印加する。圧電素子205は正の電圧を印加すると収縮する。そして、電圧印加しない状態に戻すと、収縮が開放されもとの状態に戻る。この圧電素子205の変位から生まれる力が、ダイアフラム209を介してインク溜まり208中のインクに伝わり、吐出口104からインクが吐出される。
上記したように本発明のインクジェットヘッドにおいて、吐出口が設けられているオリフィスプレートの構造は非常に重要である。一般的に、オリフィスプレートは遷移金属(例えば鉄やチタン等)、周期表13属および14属元素(例えばシリコンや錫等)、またはそれらの合金(例えば、JIS規格においてSUSと呼ばれるステンレス鋼)のいずれかによって構成する。しかし、金属やシリコンのような硬い物質に小さな穴を穿つことは加工技術的に難易度が高い。もちろん、ドライエッチングや放電加工のように加工費を無視すれば加工できないことは無いが、安価な装置構成という概念に反する。そこで加工の容易性を鑑み、吐出口を設けるオリフィスプレートは、耐熱性に優れたプラスチック板、例えばポリイミド、PEN(PolyEthylene Naphthalate)、PEEK(PolyEther Ether Ketone)等を用いても良い。価格や加工の容易性を鑑みると、ステンレス鋼やポリイミドが好ましい。
例えば、積層プレートにおいて、オリフィスプレートのみをポリイミドで形成、その他をステンレス鋼で形成し、最後に熱圧着する方法を用いても良い。しかし、本実施の形態では、積層プレートを全てステンレス鋼(SUS304)で形成する。このときのオリフィスプレートの厚さは80μm、それに対して吐出口の直径を50μmとする。
(比較実験)
上記実施の形態で示したオリフィスプレートの構造と、インクジェットヘッドを駆動させた時のインク吐出の直進性について比較実験をおこなった。
実験は、吐出口の直径を50μmとした時にオリフィスプレートの厚さを、吐出口の直径に比して1倍(50μm厚)、1.28倍(64μm厚)、1.6倍(80μm厚)、2倍(100μm)と変え、同じ駆動波形でインクを吐出させたときの直進性を印字パターンの目視にて判断した。この実験でのオリフィスプレートの厚み設定は、単一要件によって決められたものではない。つまり、吐出口に対するプレート厚さの比が小さいもの(50μm厚)に関してはオリフィス径とオリフィスプレートの厚みが1:1となる値を選択しているが、厚いほうは「安価に加工できる最大値」としての1.6倍(80μm厚)、その上はコスト度外視の加工法を適用したプレートとして2倍(100μm厚)を選択した。
上記しているように、産業用インクジェット装置は付加価値を生み出すものでない限り、できるだけ安価に製造、販売する必要がある。したがって、素晴しい性能を得られたとしても高い装置では買い手が付かない。その折り合いを判断する必要があるため、このような条件にて実験を行った。
実験は、上記4種類のオリフィスプレートをインクジェットヘッドに取り付け、同じインク、同じ吐出波形を用いて特定のパターン(縦線)を印字させた。このときの、印字対象物とインクジェットヘッドとの距離は(以下、ワーキングディスタンス、またはWDと記載する場合もある)20mmで固定している。
結果を図0に表で示す。同じ駆動波形では、吐出口径に対するオリフィスプレートの厚さ比が大きくなるほどインクの吐出直進性が向上し、印字品位が向上する。しかし、厚さ比が2倍(100μm厚)のオリフィスプレートでは吐出しなかった。これは、吐出口の長さ(または、ストレート長と記載することがある)が長すぎて、インクに大きな抵抗がかかり吐出しなくなったと考えられる。この厚さ比2倍(100μm厚)のオリフィスプレートでも印加電圧を高くし、インクを吐出させる力を大きくすると吐出させることができ、印字品位も厚さ比1.6倍(80μm厚)と同等程度に高いことがわかった。
しかし、駆動波形の変更は、制御装置の仕様変更を余儀なくされること、および当該吐出口の形成は放電加工で行い、非常にコストがかかってしまうことなどから、安価な産業用インクジェット装置に適用するインクジェットヘッドとしては、オリフィス径(50μm)に対しオリフィスプレートの厚さ比が1.6倍(80μm厚)のものが最適であるとの結論に達した。
(実施の形態2)
近年、インクジェットプリンターは、文字を印刷する以外にも電子デバイスを作製する装置として開発が進められている。一般的には、家庭用インクジェットプリンター用に開発された高精細描画用のインクジェットヘッドが用いられがちであるが、一部、ワーキングディスタンスが長いインクジェットヘッドのニーズが高まってきている。このように、付加価値を得られるインクジェットであれば、吐出口径に対するオリフィスプレートの厚さ比を2倍にするために放電加工で作製したオリフィスプレートを搭載したインクジェットヘッドでもじゅうぶんに市場を獲得できる可能性があると考えられる。
インクジェット装置がこのような電子デバイス作製用途に用いられる場合、ダンボール等の包装用紙よりも高精細な印字が求められると考えられる。一般的に高精細な描画を行うためには、インクの着弾径が100μm以下、好ましくは80μm以下となるような印字が求められるといわれている。従って、当該用途に使用されるインクジェット装置には、オリフィス径が50μmよりも小さく、30μm〜20μmであるインクジェットヘッドを使用することとなる。そのときに使用されるインクジェットヘッドにおいても、オリフィス径に対するオリフィスプレートの厚さを1.28倍以上2.0未満とすることで、良好な印字性能が得られる。
ドロップオンデマンド式のインクジェット装置において、インクを直線的に飛ばしワーキングディスタンスが長いインクジェットヘッドを提供することができる。それにより、印字対象物からインクジェットヘッドを離した状態で印字品位の高いインクジェット装置を提供することができる。
101 インクジェットヘッド
102 ボディー
103 積層プレート
104 吐出口
105 供給口
106 排出口
201 オリフィスプレート
202 流路プレート
203 均衡化プレート
204 ダイアフラムプレート
205 圧電素子
206 フット
207 流路
208 インク溜まり
209 ダイアフラム
301 ボディー側の流路

Claims (2)

  1. 1つ乃至複数の吐出部を有し、
    前記吐出部は、圧電素子を有する駆動部、インクが吐出する吐出口を1つ乃至複数有し、
    前記圧電素子は、主として前記圧電素子の最大変位方向が前記吐出口からインクが吐出する方向と同方向に、一端が固定されて配置され、
    前記吐出口は平板に穿たれた穴であり、
    吐出口が設けられている平板の厚さは、吐出口の径に比して、1.28倍以上2.0倍未満である
    ことを特徴とするインクジェット装置用のインクジェットヘッド。
  2. 前記平板は、遷移金属、周期表13属および14属元素、またはそれらの合金、ならびに、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトンのいずれかである
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット装置用のインクジェットヘッド。
JP2013014102A 2013-01-29 2013-01-29 インクジェット装置用のインクジェットヘッド Pending JP2014144574A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013014102A JP2014144574A (ja) 2013-01-29 2013-01-29 インクジェット装置用のインクジェットヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013014102A JP2014144574A (ja) 2013-01-29 2013-01-29 インクジェット装置用のインクジェットヘッド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014144574A true JP2014144574A (ja) 2014-08-14

Family

ID=51425236

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013014102A Pending JP2014144574A (ja) 2013-01-29 2013-01-29 インクジェット装置用のインクジェットヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014144574A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018501993A (ja) * 2015-01-20 2018-01-25 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.Hewlett‐Packard Development Company, L.P. 液体/ガス分離器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018501993A (ja) * 2015-01-20 2018-01-25 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.Hewlett‐Packard Development Company, L.P. 液体/ガス分離器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9156262B2 (en) Fluid ejection device with two-layer tophat
US11230097B2 (en) Fluid ejection device
JP5058719B2 (ja) 液体吐出ヘッド及びインクジェット記録装置
EP2563597B1 (en) Fluid ejection device
JP2012192716A (ja) 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
US8177338B2 (en) High frequency mechanically actuated inkjet
US20140022313A1 (en) Liquid dispenser including asymmetric nozzle actuator configuration
US9878556B2 (en) Valve
JP2013018252A (ja) 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置
US8573744B2 (en) Continuous type liquid ejection head and liquid ejection device
JP2014144574A (ja) インクジェット装置用のインクジェットヘッド
JP2014113745A (ja) 液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置
US20140022308A1 (en) Liquid dispenser including passive pre-stressed flexible membrane
JP2012179810A (ja) 液体噴射装置
JP2011093131A (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた液体吐出装置、ならびに記録装置
JP2010099996A (ja) 液体噴射ヘッド、およびプリンタ
US11155082B2 (en) Fluid ejection die
JP2019135086A (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット及び液体を吐出する装置
JP2014162083A (ja) 液体吐出ヘッド、画像形成装置
JP2010167760A (ja) インクジェットヘッド
JP2013230571A (ja) 液体噴射装置、および、液体噴射装置の制御方法
US10668723B2 (en) Liquid ejection head and recording apparatus
JP6048808B2 (ja) 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置
JP2014162019A (ja) 液体吐出ヘッド、画像形成装置
JP2024104763A (ja) 液滴吐出装置