JP2014144410A5 - - Google Patents

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微粉末の製造方法及び製造装置
本発明は、被粉砕原料を液体窒素などの液化不活性ガス中に懸濁させ、これを超低温下で媒体粉砕法によって粉砕処理し、サブミクロンサイズ乃至ナノサイズに微粉砕された微粉末を製造することができる、微粉末の製造方法及び製造装置に関するものである。
本発明は、また、二種以上の被粉砕原料を液化不活性ガス中で媒体粉砕法によって粉砕処理し、及び/又は、分散処理し、均一に混合された二種以上の被粉砕原料からなる微粉末を製造することができる、微粉末の製造方法及び製造装置に関するものである。
従来、微粉末の製造装置として、ジェットミルやハンマーミルに代表される乾式粉砕装置や、ボールミル、サンドミル、ビーズミルなどの湿式媒体粉砕装置が使用されている。一般に、湿式媒体粉砕装置は、乾式粉砕装置と比較して、被粉砕原料をより微細化することが可能であると言われている。特開平5−220373号公報は、複合セラミックス部材使用の湿式分散機を開示する。また、特開2012−45456号公報は、湿式媒体撹拌粉砕分散機を開示する。
湿式媒体粉砕装置として汎用されているビーズミルは、水や有機溶剤からなる溶媒と粉末の被粉砕原料をプレミキサーで撹拌して懸濁液(スラリー)を生成し、この懸濁液を、数十ミクロンから数ミリメートル程度の直径を有する球体で構成された多数のビーズ(固体粉砕媒体)と共に粉砕容器内で撹拌し、このスラリー中を運動する多数のビーズの衝突等によって、被粉砕原料を粉砕し、凝集した二次粒子を分散させて、被粉砕原料の微細化された粒子を含む液体を回収する装置である。粉砕用又は分散用のビーズとして、化学的に安定し硬度が高いジルコニア等で作られたセラミックスビーズや、金属コンタミネーションの発生が少ないウレタンやナイロン等で作られた樹脂ビーズや、ステンレス鋼等で作られた金属ビーズ等が使用されている。
ビーズミルによって生成された被粉砕原料の微粉末は、ビーズミルの粉砕容器に貯留された懸濁液中に、粉砕用又は分散用のビーズと混在する。通常は、懸濁液から、先ず、ビーズを分離し、次いで、微粉末を分離する。懸濁液から分離された微粉末はスラリー状であるため、乾燥工程を経て、乾燥粉末にする必要がある。乾燥工程で加熱された粉体が再凝集する場合には、再度、粉砕又は分散処理を施す必要がある。また、同一の湿式媒体粉砕機を使用して他の被粉砕原料を微粉化するには、粉砕容器から懸濁液とビーズを取り出し、粉砕容器の洗浄を行うと共に、必要に応じて、湿式媒体粉砕機の洗浄運転や取り出されたビーズの洗浄等を行う。特開2007−268403号公報は、ビーズミルのメンテナンスを容易化するため、粉砕機内に残留するスラリーをできる限り少なくすると共に、残留スラリーと微小ビーズを短時間で完全にかつ容易に取り出すことができるビーズミルを開示する。
ビーズミルの固体粉砕媒体であるビーズは、被粉砕原料の粉砕中に粉砕容器の内壁や粉砕円盤や回転軸に衝突し、摩擦熱を発生する。同時に、ビーズと被粉砕原料の間の衝突や摩擦によっても、また、ビーズ同士の衝突や摩擦によっても、摩擦熱が発生し、懸濁液の温度が上昇する。したがって、熱に弱い被粉砕原料を微粉化するときには、粉砕容器の冷却装置が必要である。また、水分解性がある被粉砕原料を微粉化するときには、水以外の媒体を使用する必要がある。湿式粉砕で回収物を乾燥粉で得たい場合に、媒体として有機溶剤を使用するときには、スラリーの乾燥装置が必要であると共に、有機溶剤の回収装置が必要である。
特開2003−1129号公報は、小規模な機械で効率よく粉砕した乾燥微粉末を得ることの出来る方法として、液化不活性ガス内に被粉砕物を分散させた懸濁液を媒体撹拌ミルで粉砕し、その後、液化不活性ガスを気化させて乾燥粉末を得ることを特徴とする、微粉末の製造方法を提案する。また、国際公開第WO 2011/059074号公報は、液化不活性ガスを分散媒体として被粉砕原料の懸濁液を生成し、この懸濁液を粉砕機によって粉砕用又は分散用ビーズと共に撹拌することにより、被粉砕原料を微粉化するに際し、ビーズの粒径が特定範囲にあるビーズの使用や、粉砕用又は分散用ビーズの全部又は一部に代えて粒状ドライアイスの使用などを提案する。
特開平5−220373号公報 特開2012−45456号公報 特開2007−268403号公報 特開2003−1129号公報 国際公開番号WO 2011/059074公報
本発明の目的は、液化不活性ガス中で一種又は二種以上の被粉砕原料を連続して粉砕処理することを可能にし、これにより、均一な品質の微粉末を製造することができる、微粉末の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、一種又は二種以上の被粉砕原料を液化不活性ガス中で媒体粉砕法によって連続して粉砕処理又は分散処理することを可能にしこれにより均一な品質の微粉末を製造することができる、微粉末の製造装置を提供することにある。
本発明の微粉末の製造方法は、液化不活性ガスと被粉砕原料を含む懸濁液を、粉砕容器内で、媒体粉砕法によって粉砕処理し、前記被粉砕原料の微粉末を生成する、微粉末の製造方法において、前記被粉砕原料の粉砕処理中に、前記粉砕容器内の前記懸濁液の液面が予め定められた下限値に達すると、前記粉砕容器に液化不活性ガスの供給を自動的に開始し、前記粉砕容器内の前記懸濁液の液面が予め定められた上限値に達すると、前記粉砕容器への液化不活性ガスの供給を自動的に停止することによって、粉砕処理中の前記粉砕容器内の前記懸濁液の液面の高さを所定の範囲に維持することを特徴とする。
本発明の微粉末の製造装置は、液化不活性ガスと被粉砕原料を含む懸濁液を、粉砕容器内で、媒体粉砕法によって粉砕処理し、前記被粉砕原料の微粉末を生成する、微粉末の製造装置において、前記粉砕容器内の前記懸濁液の液面の下限値を検知する下限レベルセンサと、前記粉砕容器内の前記懸濁液の液面の上限値を検知する上限レベルセンサを有し、前記下限レベルセンサが前記懸濁液の液面の下限値を検知すると、前記粉砕容器に液化不活性ガスの供給を開始し、前記上限レベルセンサが前記懸濁液の液面の上限値を検知すると、前記粉砕容器への液化不活性ガスの供給を停止する、液面制御装置を設けたことを特徴とする。
本発明の微粉末の製造装置は、また、前記粉砕容器に前記粉砕容器の粉砕室に連通したサービス室を画成し、前記サービス室に前記下限レベルセンサと前記上限レベルセンサを設けたことを特徴とする。
本発明では、粉砕装置を縦型ビーズミルで構成することができる。そして、縦型ビーズミルの粉砕容器の天井部に縦型ビーズミルの回転軸を貫通させ、縦型ビーズミルの粉砕媒体であるビーズが、粉砕容器部の粉砕室で撹拌されて、天井部に沿って天井部の周縁部から回転軸に向かって移動するように、縦型ビーズミルの撹拌部材である複数のディスクを粉砕容器の粉砕室に配置することが望ましい
本発明は、また、粉砕容器に中空部材を配置し、この中空部材によって粉砕容器の天井部の上部にサービス室を画成し、懸濁液が粉砕容器の内部の粉砕室とサービス室の間を流動するように、天井部に貫通孔を形成することができる。このとき、液面制御装置は、サービス室内の懸濁液の液面高さが、予め定められた制御範囲内にあるか否かを検知する、上限レベルセンサ及び下限レベルセンサと、液化不活性ガスの供給源と、サービス室に開口した液化不活性ガス供給口と、液化不活性ガスの供給源から液化不活性ガス供給口に液化不活性ガスを圧送するポンプと、サービス室内の懸濁液の液面高さが制御範囲よりも低位になると、ポンプを作動させてサービス室に液化不活性ガスを供給し、かつ、サービス室内の懸濁液の液面高さが制御範囲よりも高位になると、ポンプを停止させてサービス室への液化不活性ガス給を停止する、液化不活性ガス自動供給装置を有することができる。
本発明では、また、中空部材に、中空部材の前記サービス室に連通し、かつ、被粉砕原料とビーズを投入するための試料・ビーズ投入口を設け、粉砕容器の天井部に、試料・ビーズ投入口から投入された被粉砕原料とビーズを、サービス室から粉砕容器に導入することができるように、貫通孔を形成することができる。
本発明は、更に、中空部材にシール・ブロックを取り付け、このシール・ブロックにサービス室に連通する回転軸貫通孔を形成し、粉砕容器の天井部を貫通した回転軸は、中空部材のサービス室と回転軸貫通孔を貫通して、このシール・ブロックの外部に延在させることができる。このとき、粉砕容器とサービス室で気化した液化不活性ガスが回転軸貫通孔から外部に流出しないように、回転軸の周面とシール・ブロックの間に軸封部材を介装することができる。減圧・排気装置は、軸封部材よりもサービス室側で回転軸とサービス室の間に介装され、かつ、サービス室に連通する流体通路を有する、ラビリンスシールと、サービス室の上部に連結されたリリーフ・バルブと、ラビリンスシールの流体通路を気引きするリング・ブロワとを有することができる。
本発明の微粉末の製造装置は、懸濁液を収容し、かつ、被粉砕原料を媒体粉砕法で粉砕処理する、粉砕装置と、被粉砕原料が前記粉砕装置によって液化不活性ガス中で粉砕処理されるように、懸濁液の液面の高さを所望の範囲に維持する、液面制御装置の他に、粉砕装置又は液面制御装置で気化した液化不活性ガスを、粉砕装置及び/又は液面制御装置から流出させる、減圧・排気装置と、粉砕装置によって粉砕処理された懸濁液を粉砕装置から取り出す、回収装置とを有することができる。この回収装置は、粉砕容器の底面に開口部を有する回収通路と、粉砕容器から回収通路に流入する懸濁液からビーズを分離するビーズ分離器と、回収通路を開閉する弁装置とを有することができる。
本発明は、前記液化不活性ガスとして、液体窒素、液体ヘリウム、液体ネオン、液体アルゴン、液体クリプトン、又は、液体キセノン等を使用することができる。
また、本発明は、粉砕媒体として、ジルコニア、メノウ、石英、チタニア、タングステンカーバイト、窒化ケイ素、アルミナ、ステンレス鋼、ソーダガラス、低ソーダガラス、ソーダレスガラス、高比重ガラス、又は、ドライアイス(二酸化炭素、亜酸化窒素)のビーズを使用することができる。
液体窒素等の液化不活性ガス中で被粉砕原料を粉砕処理するとき、液体窒素等は次第に気化して、その容積が減少するため、適宜、粉砕容器中に補充する必要がある。また、被粉砕原料の粉砕処理中、液面制御装置が液化不活性ガスを自動的に補充するから、一旦、被粉砕原料等を仕込んでしまえば、長時間にわたる粉砕処理の場合にもその完了まで作業者の手を煩わせることはない。よって、均一の品質の粉砕物を量産することができる。なお、この明細書で使用される粉砕処理という用語には、固体粒子にエネルギーを投入し、粒子の寸法を減少させて新しい面を生成する「粉砕」のみならず、凝集粒子に機械的エネルギーを投入し、粒子の結びつきを解す「解砕」や、固体粒子が微細化して他の物質中に広がる「分散」が含まれる。
また、本発明の微粉末の製造装置は、粉砕装置や液面制御装置で気化した液体窒素等を、粉砕装置や液面制御装置から流出させる、減圧・排気装置を備えることができる。これによって、窒息や閉塞による破裂を未然に防止することができる。なお、粉砕容器とサービス室で気化した液化不活性ガスがシール・ブロックの回転軸貫通孔から外部に流出しないように、粉砕装置の回転軸の周面とシール・ブロックの間に軸封部材を介装し、更に、この軸封部材よりもサービス室側の回転軸とサービス室の間にラビリンスシールを介装した場合に、空気中の水分が混入してラビリンスシールが氷結したときには、サービス室の上部に連結されたリリーフ・バルブが開放して、閉塞による破裂を回避することができる。
また、粉砕処理中は、粉砕装置の粉砕容器には揮発性流体が充満し、ラビリンスシールの流体通路を気引きしていることを除けば、懸濁液の液面を制御するサービス室を含めて、閉回路が構成されている。よって、粉砕容器やサービス室に水分が混入して氷結を生じる可能性を減じることができる。必要な場合には、粉砕装置及びその周辺の機器を密封容器に収納し、この密封容器の内部に窒素ガス等を充填し、空気中の水分の混入を防止することができる。
粉砕処理が完了すると、粉砕後の懸濁液を回収装置によって取り出すことができる。粉砕処理にジルコニアビーズ等の粉砕媒体を使用した場合には、その懸濁液中のビーズはセパレータで分離されるから、液体窒素等の溶媒と粉砕処理された被粉砕原料との懸濁液のみを取り出すことができる。液体窒素等の溶媒は、空気中で気化するから、特別な乾燥工程を経ることなく、粉砕処理後の微粉末を粉体で得ることができる。このとき、ジルコニアビーズ等に付着した被粉砕原料の微粉末は、粉砕容器の内部を液体窒素等の溶媒でフラッシングすることにより、回収することができる。粉砕処理にドライアイスビーズを使用した場合には、粉砕処理によって微小化したドライアイスビーズが懸濁液と共に回収される場合もあるが、ドライアイスビーズは常温で昇華するから、この場合も特別な乾燥工程を要しない。
なお、液体窒素等の液化不活性ガス中で被粉砕原料の低温粉砕処理を行えば、粉砕容器は液化不活性ガスによって冷却され、粉砕容器の冷却は不要である。粉砕容器に冷却水通路を形成する必要はない。
本発明のその他の特徴は、図面を参照して行う、以下の説明から明らかになる。
図1は、本発明の微粉末の製造装置の構成の概略を示す模式図である。(実施例1) 図2は、図1の製造装置に組み込まれた粉砕装置の縦断面図である。 図3は、図1の製造装置に組み込まれた液面制御装置の上限レベルセンサと下限レベルセンサを示し、図3(A)は、上限レベルセンサの取り付け状態を示す断面図であり、図3(B)は、下限レベルセンサの取り付け状態を示す断面図である。 図4は、図1の製造装置に組み込まれた中空部材の平面図である。 図5は、図4の中空部材と、この中空部材に取り付けられたシール・ブロックの平面図である。
以下、液化不活性ガスとして液体窒素を使用し、粉砕装置として縦型ビーズミルを組み込んだ微粉末の製造装置について説明する。
図1に示すように、本発明の微粉末の製造装置1は、粉砕処理される懸濁液を収容し、被粉砕原料を媒体粉砕法で粉砕処理する、縦型ビーズミル2と、被粉砕原料が縦型ビーズミル2によって液化不活性ガス中で粉砕処理されるように、懸濁液の液面の高さを所望の範囲に維持する、液面制御装置3と、縦型ビーズミル2又は液面制御装置3で気化した液化不活性ガスを、縦型ビーズミル2や液面制御装置3から流出させる、減圧・排気装置4と、縦型ビーズミル2によって粉砕処理された懸濁液を縦型ビーズミル2から取り出す、回収装置5を有する。
図1中、参照番号6は縦型ビーズミル2の粉砕容器であり、7は回転軸、8は撹拌ディスク、9は粉砕容器6の天井部である。粉砕容器6の内部は粉砕室となる。縦型ビーズミル2の回転軸7は、粉砕容器6の天井部9を貫通して、その外部に延在し、図示しない電動モータによって、所望の回転数で駆動される。撹拌ディスク8はピン付きディスクであることができる。撹拌ディスク8は、縦型ビーズミル2の粉砕媒体であるビーズ(図示せず。)が、粉砕容器6内で撹拌されて、天井部9に沿って天井部9の周縁部から回転軸7に向かって矢印Zの方向に移動するように、粉砕容器6の内部に配置される。
図1に示すように、粉砕容器6の天井部9の上部にサービス室10が画成される。ここで、液化不活性ガスが粉砕容器6とサービス室10の間を流動するように、天井部9には貫通孔が形成されている。液面制御装置3は、サービス室10内の懸濁液の液面高さTが、予め定められた制御範囲Y内にあるか否かを検知する、上限レベルセンサ11及び下限レベルセンサ12と、液体窒素の供給源であるLN2容器13と、サービス室10に開口した液体窒素供給口14と、LN2容器13から液体窒素供給口14に液体窒素を圧送するポンプ15と、サービス室10内の懸濁液の液面高さTが制御範囲Yよりも低位になると、ポンプ15を作動させてサービス室10液体窒素を供給し、サービス室10内の懸濁液の液面高さTが制御範囲Yよりも高位になると、ポンプ15を停止させてサービス室10に液体窒素を供給するのを停止する、液体窒素自動供給装置16を有する。図1中、参照番号17は、液面制御装置3が動作不良を起こし、サービス室10内の液面高さTが上昇したとき、サービス室10から懸濁液を排出させるオーバーフロー系路を示す。液体窒素自動供給装置16は、株式会社エムアールテクノロジーのSXDII型を使用することができる。なお、図1中、参照番号14aは、LN2容器13と液体窒素供給口14を連結する系路に介装された気液分離器を示す。
図1に示すように、サービス室10の上部にシール・ブロック18を配置し、シール・ブロック18にサービス室10に連通する回転軸貫通孔19を形成する。粉砕容器6の天井部9を貫通した回転軸7は、サービス室10と回転軸貫通孔19を貫通して、シール・ブロック18の外部に延在する。粉砕容器6とサービス室10で気化した液体窒素が回転軸貫通孔19から外部に流出しないように、回転軸7の周面とシール・ブロック18の間には、軸封部材20が介装されている。ここで、減圧・排気装置4は、軸封部材20よりもサービス室10側で、回転軸貫通孔19から気引きするリング・ブロワ21と、サービス室10の上部に連結されたリリーフ・バルブ22を有する。これにより、図1中、参照番号L、M、Nは、粉砕部、懸濁液の液面制御部、減圧・排気部をそれぞれ示す。
そして、図1を参照すると、回収装置5は回収通路を開閉する弁装置23を有する。
図2は、図1の粉砕部L、懸濁液の液面制御部M、減圧・排気部Nを構成する各部装置のより詳細な構造を表す断面図である。
粉砕部Lを構成する縦型ビーズミル2は円筒状の粉砕容器6を有し、粉砕容器6の内部は粉砕室となる。粉砕容器6は、図2に示すように、接液部を成すジルコニア製の内筒6aと、ステンレス製の外筒6bと、合成樹脂製の中間層6cから成る。粉砕容器6の天井部9は、粉砕容器6の内部に向かって突出したテーパコーン部9aと、テーパコーン部9aの先端に形成された貫通孔9bを有する、ジルコニア製の天井部材90によって構成される。天井部材90と粉砕容器6の間には、パッキン91が介装される。パッキン91は、バルカロン7020(使用温度範囲は−200℃から+200℃まで)を使用した。
粉砕容器6の底面部は、ジルコニア製の底板部材60で構成され、底板部材60の中央部には開口61が形成されている。開口61には、回収装置5の回収通路5aが連結され、粉砕容器6から回収通路5aに流入する懸濁液からビーズを分離するビーズ分離器5bが配されている。弁装置23は、回収通路5aを開閉する。弁装置23は凍結し難い材料で構成され、例えば、真鍮製弁装置である。底板部材60と粉砕容器6の間には、パッキン62に介装される。パッキン62は、バルカロン7020(使用温度範囲は−200℃から+200℃まで)を使用した。
回転軸7はSUS304で構成され、回転軸7にはジルコニア製のピン付きディスク8が4枚固定されている。ディスク8の下面にはピン8aが突設され、また、ディスク8には貫通孔8bが形成されている。これらのディスク8は、回転軸7の軸線方向に間隔を空けて配置され、縦型ビーズミル2の粉砕媒体であるビーズ(図示せず。)が、粉砕容器6部の粉砕室で撹拌されて、天井部9に沿って天井部9の周縁部から回転軸7に向かって矢印Zの方向に移動するように(図1参照)、粉砕容器6の内部の粉砕室に配置される。
図2の懸濁液の液面制御部Mは、サービス室10を有するが、このサービス室10はジルコニア製の中空部材100によって、ジルコニア製の天井部材90の上に形成される。サービス室10と粉砕容器6の内部とは、天井部材90の貫通孔9bを介して、連通している。中空部材100には、サービス室10に連通し、サービス室10に被粉砕原料とビーズを投入するための試料・ビーズ投入口101が設けられている。試料・ビーズ投入口101には、蓋体102が着脱可能に装着され、被粉砕原料と粉砕材としてビーズは、蓋体102を外して試料・ビーズ投入口101からサービス室10に投入される。被粉砕原料とビーズの投入が済むと、試料・ビーズ投入口101は蓋体102によって気密に密封される。前記試料・ビーズ投入口1010から投入された被粉砕原料とビーズは、天井部材90のテーパコーン部9aに落下し、回転軸7の外周面と貫通孔9bの間の環状の隙間を通って、粉砕容器6の内部の粉砕室に落下する。
図3乃至5に示すように、中空部材100には、サービス室10内の懸濁液の液面高さTが、予め定められた制御範囲Y内にあるか否かを検知する、上限レベルセンサ11及び下限レベルセンサ12と、サービス室10に開口した液体窒素供給口14が設けられている。これらの機器の機能は、前述の通りである。サービス室10内の懸濁液は、回転軸7の外周面と貫通孔9bの間の環状の隙間を通って、粉砕容器6の内部との間で自由に流動する。
中空部材100の上にシール・ブロック18が固定される。シール・ブロック18は、PTFE含浸グラントパッキン201を挟んで中空部材100に固定される。PTFE含浸グラントパッキン201は、回転軸7に取り付けられたラビリンスシール200と対を成して、流体通路202を画成し、流体通路202はサービス室10とシール・ブロック18の開口18aの間に延在する。シール・ブロック18の開口18aには、リングブロア21が連結される(図1参照)。リングブロア21は、前述のとおり、気化した液体窒素をサービス室10から強制的に気引きし、サービス室10内の減圧・排気を行う。シール・ブロック18には、また、サービス室10とシール・ブロック18の外面の間に延在するリリーフ通路18bが形成され、リリーフ通路18bにはリリーフ・バルブ22が連結される。
前述のように、シール・ブロック18には、サービス室10に連通する回転軸貫通孔19が形成され、粉砕容器6の天井部9を貫通した回転軸7は、サービス室10と回転軸貫通孔19を貫通して、シール・ブロック18の外部に延在する(図2参照)。また、粉砕容器6とサービス室10で気化した液体窒素が回転軸貫通孔19から外部に流出しないように、回転軸7の外周面とシール・ブロック18の間には、軸封部材20が介装されている。
以上の説明から明らかなように、本発明の微粉末の製造装置によれば、被粉砕原料の粉砕処理中、液面制御装置が液化不活性ガスを自動的に補充するから、一旦、被粉砕原料等を仕込んでしまえば、長時間にわたる粉砕処理の場合にもその完了まで作業者の手を煩わせることはない。よって、均一の品質の粉砕物を量産することができる。
実施例1では、液体窒素等の液化不活性ガス中で、粉砕媒体としてのジルコニアビーズやドライアイスビーズを被粉砕原料と共に撹拌することにより、被粉砕原料の粉砕処理を行ったが、本実施例では、液体窒素を使用することなく、粉砕媒体としてのドライアイスビーズと被粉砕物(粉体)のみをビーズミルで強制撹拌し、被粉砕物(粉体)を微粉化するドライアイスミルを提案する。ドライアイスは常温で昇華するから、被粉砕物を汚染しない。また、ドライアイスは昇華するから、粉砕媒体に付着する等して、回収率が低下することはない。更に、ドライアイスは冷媒であるから、粉砕時の発熱を抑制することができる。そして、液体窒素等の液体を使用しないから、縦型の乾式粉砕機によっても、横型の乾式粉砕機によっても、粉砕することができる。更に、必要に応じて、ブロワやバグフィルタを使用することにより、連続式ドライアイスミルを提供することができる。しかし、ドライアイスビーズは比較的粉砕力が弱いので、自動充填装置が必要になる。ドライアイスビーズは、自動充填されるまで、液体窒素中で保管しておくのが好ましい。ドライアイスビーズの自動充填時にドライアイスビーズを適当量の液体窒素と共に充填することにすれば、液体窒素の冷却能によって、ドライアイスミルによる粉砕時の発熱をより効果的に低下させ、ドライアイスビーズの形状をより長く保持することもできる。
本発明の微粉末の製造方法及び装置は、医薬品、化粧品、塗料、複写機、太陽電池、二次電池、記録媒体等の種々の分野の製品に使用される種々の原材料を製造することができる。
1 微粉末の製造装置
2 縦型ビーズミル
3 液面制御装置
4 減圧・排気装置
5 回収装置

Claims (3)

  1. 液化不活性ガスと被粉砕原料を含む懸濁液を、粉砕容器内で、媒体粉砕法によって粉砕処理し、前記被粉砕原料の微粉末を生成する、微粉末の製造方法において、前記被粉砕原料の粉砕処理中に、前記粉砕容器内の前記懸濁液の液面が予め定められた下限値に達すると、前記粉砕容器に液化不活性ガスの供給を自動的に開始し、前記粉砕容器内の前記懸濁液の液面が予め定められた上限値に達すると、前記粉砕容器への液化不活性ガスの供給を自動的に停止することによって、粉砕処理中の前記粉砕容器内の前記懸濁液の液面の高さを所定の範囲に維持することを特徴とする、微粉末の製造方法。
  2. 液化不活性ガスと被粉砕原料を含む懸濁液を、粉砕容器内で、媒体粉砕法によって粉砕処理し、前記被粉砕原料の微粉末を生成する、微粉末の製造装置において、前記粉砕容器内の前記懸濁液の液面の下限値を検知する下限レベルセンサと、前記粉砕容器内の前記懸濁液の液面の上限値を検知する上限レベルセンサを有し、前記下限レベルセンサが前記懸濁液の液面の下限値を検知すると、前記粉砕容器に液化不活性ガスの供給を開始し、前記上限レベルセンサが前記懸濁液の液面の上限値を検知すると、前記粉砕容器への液化不活性ガスの供給を停止する、液面制御装置を設けたことを特徴とする、微粉末の製造装置。
  3. 請求項2に記載した微粉末の製造装置において、前記粉砕容器に前記粉砕容器の粉砕室に連通したサービス室を画成し、前記サービス室に前記下限レベルセンサと前記上限レベルセンサを設けたことを特徴とする、前記製造装置。
JP2013013779A 2013-01-28 2013-01-28 微粉末の製造方法及び製造装置 Active JP6281077B2 (ja)

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