JP2014142398A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
帯状体の摩耗が低減された定着装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】
無端の定着ベルト61と、定着ベルト61の内面に宛がわれる宛て面を有する固定パッド65と、定着ベルト61の内面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布器66と、定着ベルト61の外面を宛て面に向けて加圧する加圧位置と、定着ベルト61を加圧しない非加圧位置との間で移動自在に配置され、加圧位置に移動して、周回移動することで定着ベルト61を駆動して循環移動させ、未定着のトナー像を保持した媒体を定着ベルト61体との間に受け入れて定着ベルト61と共同して該トナー像を該媒体に定着させる加圧ロール62と、潤滑剤塗布器66によって塗布された潤滑剤を介して定着ベルト61内面に接し、加圧ロール62が非加圧位置にあるときに定着ベルト61を駆動して循環移動させる加熱ロール63とを備えた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
例えば特許文献1には、定着ベルト、加熱ローラ、ニップ形成部材、および加圧ローラを備えたベルト定着装置が示されている。このベルト定着装置で、定着ベルトは、加熱ローラおよびニップ形成部材に巻き掛けられており、定着ベルトの内面には潤滑剤が塗布されている。加圧ローラは、ニップ形成部材に対して定着ベルトを挟んだ状態で圧接しており、回転することで定着ベルトを駆動する。定着ベルトは、用紙を定着させるときも用紙を定着させないウォームアップ動作時にも、加圧ローラの回転に伴って移動する。
また、特許文献2には、エンドレスベルトを有する定着装置が示されている。エンドレスベルトを張架するロールの表面には、溝等により形成された凹凸が設けられている。
特開2004−286933号公報 特開平11−24458号公報
本発明は、帯状体の内側に配置されたローラによる帯状体内面の摩耗が低減された定着装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る定着装置は、
無端の帯状体と、
上記帯状体の内面に宛がわれる宛て面を有する宛て部材と、
上記帯状体の内面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布器と、
上記帯状体の外面を上記宛て面に向けて加圧する加圧位置と、この帯状体を加圧しない非加圧位置との間で移動自在に配置され、この加圧位置に移動して、周回移動することで上記帯状体を駆動して循環移動させ、未定着のトナー像を保持した媒体をこの帯状体との間に受け入れてこの帯状体と共同してこのトナー像をこの媒体に定着させる周回移動部材と、
上記潤滑剤塗布器によって塗布された上記潤滑剤を介して上記帯状体内面に接し、上記周回移動部材が上記非加圧位置にあるときにこの帯状体を駆動して循環移動させる回転体とを備えたことを特徴とする。
請求項2に係る定着装置は、上記回転体が上記帯状帯内面に境界潤滑状態で接するものであることを特徴とする。
請求項3に係る定着装置は、上記回転体の周面が、0.4μ以上1μ以下の表面粗さRaを有するものであることを特徴とする。
請求項4に係る画像形成装置は、
未定着のトナー像を媒体上に形成する像形成部と、
媒体上に形成された未定着のトナー像をこの媒体上に定着する像定着部とを備え、
上記像定着部が、
無端の帯状体と、
上記帯状体の内面に宛がわれる宛て面を有する宛て部材と、
上記帯状体の内面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布器と、
上記帯状体の外面を上記宛て面に向けて加圧する加圧位置と、この帯状体を加圧しない非加圧位置との間で移動自在に配置され、この加圧位置に移動して、周回移動することで上記帯状体を駆動して循環移動させ、未定着のトナー像を保持した媒体をこの帯状体との間に受け入れてこの帯状体と共同してこのトナー像をこの媒体に定着させる周回移動部材と、
上記潤滑剤塗布器によって塗布された上記潤滑剤を介して上記帯状体内面に接し、上記周回移動部材が上記非加圧位置にあるときにこの帯状体を駆動して循環移動させる回転体とを備えたことを特徴とする。
請求項1に係る定着装置および請求項3に係る画像形成装置は、潤滑剤塗布器を有していない場合と比較して帯状体の内側に配置されたローラによる帯状体内面の摩耗が低減される。
請求項2に係る定着装置は、帯状体内面の摩耗の低減と回転体による駆動とが両立する。
請求項3に係る定着装置は、帯状体の移動が維持される。
本発明の画像形成装置の一実施形態を示す構成図である。 図1に示す定着装置の概略構成を示す構成図である。 図2に示す定着装置のうち、定着ベルト周辺の部分を示す斜視図である。 加熱ロールの周面の表面粗さ、および、加熱ロールの周面と定着ベルト内面との間の摩擦係数の関係を示すグラフである。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す構成図である。
図1に示す画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色毎に画像形成部10Y,10M,10C,10Kを並列的に配置してなるタンデム型のカラープリンタである。画像形成装置1は、単色の画像をプリントすることができるほか、4色のトナー像からなるフルカラーの画像をプリントすることができる。トナーカートリッジ18Y,18M,18C,18Kには、YMCK各色のトナーが収容されている。
4つの画像形成部10Y,10M,10C,10Kは、ほぼ同様の構成を有しているため、これらを代表してイエローに対応する画像形成部10Yを取り上げて説明する。画像形成部10Yは、感光体ドラム11Y、帯電器12Y、露光器13Y、現像装置14Y、一次転写器15Y、および感光体クリーナ16Yを備えている。
感光体ドラム11Yは円筒状の基体表面に感光体層が設けられたものであり、表面に形成される像を保持して円筒の軸周りである矢印A方向に回転する。帯電器12Y、露光器13Y、現像装置14Y、一次転写器15Y、および感光体クリーナ16Yは、感光体ドラム11Yの周囲に矢印Aの方向の順に配置されている。
帯電器12Yは、感光体ドラム11Yの表面を帯電させる装置である。帯電器12Yは、感光体ドラム11Yの表面に接触する帯電ロールである。帯電器12Yには、現像装置14Yにおけるトナーと同極性の電圧が印加されており、接触する感光体ドラム11Yの表面を帯電させる。露光器13Yは、感光体ドラム11Yの表面に露光光を照射して露光する装置である。露光器13Yは、画像形成装置1外部から塗布される画像信号に応じたレーザ光を発光し、レーザ光で感光体ドラム11Yを走査する。現像装置14Yは、現像剤を用いて感光体ドラム11Yの表面を現像する。現像装置14Yにはトナーカートリッジ18Yからトナーが塗布される。現像装置14Yは、磁性キャリアとトナーが混合された現像剤を撹拌することでトナーおよび磁性キャリアを帯電し、帯電したトナーで感光体ドラム11Y表面を現像する。一次転写器15Yは、中間転写ベルト30を挟んで感光体ドラム11Yに対向したロールである。一次転写器15Yは、感光体ドラム11Yに対する電圧が印加されることで、感光体ドラム11Y上のトナー像を中間転写ベルト30に転写する。感光体クリーナ16Yは、感光体ドラム11Yの表面のうち、一次転写器15Yで転写が行われた部分に残ったトナー等の不要物を除去することによって、感光体ドラム11Yの表面を清掃する。
画像形成装置1には、中間転写ベルト30、定着装置60、用紙搬送部80、および制御部1Aも備えられている。中間転写ベルト30は、ベルト支持ロール31〜35に架け渡された無端のベルトである。中間転写ベルト30は、画像形成部10Y,10M,10C,10K、および二次転写器50を経由する矢印Bの方向に循環移動する。中間転写ベルト30には、画像形成部10Y,10M,10C,10Kから各色のトナー像が転写される。中間転写ベルト30は、これら各色のトナー像を保持しながら移動する。
二次転写器50は、ベルト支持ロール31〜35の一つであるバックアップロール34との間に中間転写ベルト30および用紙Pを挟んで回転するロールである。二次転写器50は、トナーの帯電極性とは逆極性の電圧が印加されることで、中間転写ベルト30上のトナー像を用紙Pに転写する。
定着装置60は、トナー像を用紙P上に定着させる装置である。定着装置60は、定着ベルト61および加圧ロール62を備えており、加熱ロール63内にはヒータが配置されている。定着ベルト61および加圧ロール62は、定着前のトナー像が形成された用紙Pを挟んで通過させることによりトナーを加熱・加圧して、トナー像を用紙P上に定着させる。
用紙搬送部80は、用紙Pを、二次転写器50および定着装置60を経由する用紙搬送路Rに沿って搬送する。用紙搬送部80は、取出ロール81、搬送ロール82、レジストレーションロール84、および排出ロール86を備えている。取出ロール81は用紙収容器Tに収容された用紙Pを取り出し、搬送ロール82は取り出された用紙Pを搬送する。レジストレーションロール84は用紙Pを二次転写器50に搬送し、排出ロール86は、用紙Pを外部に排出する。
図1に示す画像形成装置1の基本動作を説明すると、イエローの画像形成部10Yでは、感光体ドラム11Yが矢印A方向に回転駆動され、感光体ドラム11Yの表面が帯電器12Yによって帯電する。露光器13Yは、感光体ドラム11Yに、画像信号中の各色に対応するデータに応じた露光光を照射する。イエローの露光器13Yは、外部から塗布される画像信号のうちのイエローに対応する画像信号に基づく露光光を感光体ドラム11Yの表面に照射することで、感光体ドラム11Yの表面に静電潜像を形成する。現像装置14Yには、トナーカートリッジ18Yからイエローのトナーが塗布される。現像装置14Yは、感光体ドラム11Yの静電潜像をトナーで現像することで、トナー像を形成する。感光体ドラム11Yは、表面に形成されたイエローのトナー像を保持して回転する。感光体ドラム11Yの表面に形成されたトナー像は、一次転写器15Yによって中間転写ベルト30に転写される。転写後、感光体ドラム11Yに残留したトナーは、感光体クリーナ16Yによって除去される。
中間転写ベルト30は、矢印B方向に巡回移動している。イエロー以外の色に対応する画像形成部10M,10C,10Kは、画像形成部10Yと同様、それぞれの色に対応するトナー像を形成し、トナー像を中間転写ベルト30に重ねて転写していく。
用紙収容器Tからは、用紙Pが取出ロール81によって取り出される。用紙Pは、搬送ロール82およびレジストレーションロール84によって、用紙搬送路Rを二次転写器50に向かう矢印C方向に搬送される。レジストレーションロール84は、用紙Pを、中間転写ベルト30上にトナー像が転写されるタイミングに基づいて二次転写器50に送り込む。二次転写器50は、中間転写ベルト30のトナー像を用紙Pに転写する。トナー像が転写された用紙Pは二次転写器50から定着装置60に搬送され、用紙P上に転写されたトナー像が定着される。このようにして、用紙P上に画像が形成される。画像が形成された用紙Pは排出ロール86によって画像形成装置1の外部に排出される。二次転写器50による転写後、中間転写ベルト30に残留したトナーは、ベルトクリーナ70によって除去される。
[定着装置]
図2は、図1に示す定着装置の概略構成を示す構成図である。また、図3は、図2に示す定着装置のうち、定着ベルト周辺の部分を示す斜視図である。
定着装置60は、定着ベルト61、加圧ロール62、加熱ロール63、ステアリングロール64、固定パッド65、および、潤滑剤塗布器66を備えている。定着装置60が本発明にいう像定着部の一例に相当し、定着ベルト61が本発明にいう帯状体の一例に相当する。また、加熱ロール63が本発明にいう回転体の一例に相当し、加圧ロール62が周回移動部材の一例に相当する。
定着ベルト61は、無端の帯状体であり、加熱ロール63、ステアリングロール64、および固定パッド65によって内側面から支持されている。より詳細には、定着ベルト61は、加熱ロール63、ステアリングロール64、および固定パッド65に張り渡されており、加熱ロール63およびステアリングロール64の回転に伴い、矢印Dで示す方向に循環移動する。定着ベルト61は、基材の上に、ゴム層および離型層が設けられた構造を有する。例えば、基材はポリイミド製であり、ゴム層はシリコーンゴム製である。また、離型層はフッ素系樹脂、例えばPFA(パーフルオロアルコキシアルカン)である。定着ベルト61は、例えば330mmの幅を有しており、A3判の用紙に対応している。また、定着ベルト61は約10kg重(約98N)の張力で張り渡されている。
加熱ロール63およびステアリングロール64は、金属材料で形成された円筒状の部材である。加熱ロール63は、定着ベルト61の内面よりも硬い。より詳細には、加熱ロール63およびステアリングロール64のそれぞれの周面は、ステンレス鋼で形成されており、0.4μm以上1.0μm以下の表面粗さRaを有している。加熱ロール63は、40mm以上50mm以下の直径を有しており、内部にはヒータ631が内蔵されている。加熱ロール63の内部にもヒータが内蔵されている。加熱ロール63およびステアリングロール64は、定着ベルト61を内側面から加熱する。加熱ロール63は、図示しないモータによって駆動されて回転する。ステアリングロール64は、回転軸641が傾動自在に保持されている。ステアリングロール64は、回転軸641が、カム642の作用によって矢印F又は矢印F’の方向に傾くことで、定着ベルト61の軸方向の位置を調節する。
固定パッド65は、定着ベルト61の内面に宛がわれている。固定パッド65は、例えば金属材料で形成されており、加熱ロール63およびステアリングロール64に沿った方向に長く延びた形状を有している。固定パッド65の側面のうち加圧ロール62を向いた面は、定着ベルト61の内面に宛がわれた宛て面65aとなっている。定着ベルト61は、固定パッド65の宛て面65a上を摺れ動く。固定パッド65の内部にもヒータ651が備えられている。
潤滑剤塗布器66は、定着ベルト61の内側に配置されており、定着ベルト61の内側面に潤滑剤を塗布する。潤滑剤は、定着ベルト61の内側面と、固定パッド65の宛て面65aとの間の潤滑性を高め(摩擦係数を低減し)、摩擦力を低減するためのものである。潤滑剤は液状であり、例えば、アミノ変性シリコーンオイルである。潤滑剤塗布器66は、定着ベルト61の内側面における、加熱ロール63と固定パッド65との間の位置、すなわち、定着ベルト61の移動方向Dにおける固定パッド65よりも上流側に配置されている。
加圧ロール62は、定着ベルト61を挟んで固定パッド65の反対側に配置されている。加圧ロール62は、金属材料からなる円筒状の部材の周面をゴム材料からなる弾性層で覆った構造を有している。加圧ロール62は、定着ベルト61の外面を宛て面65aに向けて加圧する。加圧ロール62は、図示しないモータによって駆動され、矢印Eに示す方向に回転する。また、加圧ロール62の回転軸は、図示しない離接動作機構によって支持されており、加圧ロール62は、加圧位置と離隔位置との間で移動する。図2には、加圧位置にある加圧ロール62が示されている。加圧ロール62は、図2における下方に移動した離隔位置では、定着ベルト61から離れる。
加圧ロール62は、図示しないモータによって駆動され、図2に示す加圧位置において回転することで、定着ベルト61を駆動する。加圧ロール62は、未定着のトナー像を保持した用紙P(図1参照)を定着ベルト61との間に受け入れ、定着ベルト61と共同してトナー像を用紙Pに定着させる。
定着装置60が用紙Pの定着を行わない場合、加圧ロール62は離隔位置に移動し、定着ベルト61から離れる。仮に、定着を行わない場合でも加圧ロール62が定着ベルト61に接触し続けると、加圧ロール62が定着ベルト61からの熱によって、定着ベルト61の温度に近づくまで加熱される。両面印刷の場合には、用紙P(図1参照)のうち加圧ロール62に接触する面にも、既に定着済みのトナー像が形成されている場合がある。加圧ロール62が定着ベルト61の温度に近づくと、加圧ロール62に接触する、既に定着済みのトナーが再度溶融して画像劣化を生じさせるおそれがある。
本実施形態では、定着装置60が用紙Pの定着を行わない場合には、加圧ロール62が定着ベルト61から離れる。したがって、加圧ロール62の温度が、定着済みのトナーを再度溶融する温度まで上昇する事態が抑制される。加圧ロール62が離隔位置にある場合、定着ベルト61は加圧ロール62によっては駆動されない。このとき、定着ベルト61は加熱ロール63に駆動されて移動する(アイドリング)。定着装置60が用紙Pの定着を行わない場合でも定着ベルト61は移動する。したがって、定着ベルトが停止した場合に比べて、定着ベルト61の各場所に応じて生じる温度分布の差が抑制される。なお、加圧ロール62が離隔位置にあり、定着ベルト61が加熱ロール63に駆動されて移動する速度は、加圧ロール62が加圧位置にあり、定着ベルト61が加圧ロール62に駆動されて移動する速度よりも遅い。
加圧ロール62が離隔位置にある場合、定着ベルト61は加熱ロール63によって駆動される。加熱ロール63周面は、潤滑剤が塗布された定着ベルト61内面に境界潤滑状態で接している。本実施形態では、ステアリングロール64周面も定着ベルト61内面に境界潤滑状態で接している。境界潤滑状態は、例えば、日本機械学会編機械工学便覧に示されるように、摩擦する2面の完全なる隔離は維持されておらず摩擦面のところどころで表面の接触が生じている状態である(機械工学便覧,応用編B1機械要素設計・トライボロジ,日本機械学会,1985年7月発行,B1−33頁)。また、境界潤滑状態は、固体潤滑と混合潤滑との境界に位置する状態であり、固体面(本実施形態では、定着ベルト61、加熱ロール63、およびステアリングロール64)に吸着した単分子膜ないし、数分子膜程度の厚さの潤滑剤による潤滑形態であり、(微視的な)凸部同士の固体接触は頻繁な状態である(大同メタル工業株式会社のホームページ http://daidometal.com/technology/basic-06.html)。本実施形態では、固体面(加熱ロール63およびステアリングロール64)の表面粗さを調整することによって、潤滑状態を境界潤滑状態としている。
境界潤滑状態において、定着ベルト61内面と加熱ロール63周面との間には、潤滑剤が潤滑膜(普通境界膜)として介在している。したがって、固体潤滑の接触状態の場合に比べて、加熱ロール63による定着ベルト61の摩耗(削れ)が低減される。また、境界潤滑状態は、定着ベルト61内面と加熱ロール63周面が完全に離れた状態ではなく、一部に接触が生じている。このため、定着ベルト61内面と加熱ロール63周面の間には、回転する加熱ロール63によって定着ベルト61が駆動される程度の摩擦係数が生じる。したがって、加圧ロール62の離隔位置状態において、加熱ロール63によって定着ベルト61が駆動される(アイドリング)。定着ベルト61が循環移動することで、定着ベルト61の各部が加熱ロール63に周期的に接する。このため、定着ベルト61における熱履歴すなわち各部の温度むらが抑えられる。したがって、用紙上のトナー像の定着むらが低減する。
加熱ロール63の周面は、定着ベルト61を駆動するため従来の加熱ロールに施されていた溝形成が省略されることによって、従来の加熱ロールよりも小さな表面粗さを有している。このことによって、上述した境界潤滑状態が生じる。加熱ロール63の周面は、固定パッド65の宛て面65aよりも大きな表面粗さを有している。このことによって、固定パッド65の宛て面65aと定着ベルト61内面との間の摩擦係数は、加熱ロール63の周面と定着ベルト61内面との間の摩擦係数よりも小さい。
図4は、加熱ロールの周面の表面粗さ、および、加熱ロールの周面と定着ベルト内面との間の摩擦係数の関係を示すグラフである。
図4に示すグラフは、図2および図3に示す構成の定着装置において、加熱ロール63の表面粗さRaを変化させて動作させ(アイドリング)、各表面粗さにおける摩擦係数の値を結んだものである。摩擦係数は動摩擦係数であり、その値は、加熱ロール63の駆動部に設けたトルク計によって計測したトルクから算出される。なお、定着装置60における、定着ベルト61の内面の表面粗さRaは、0.7μm以上0.9μm以下である。
図4に示すグラフに示すように、加熱ロール63の表面粗さRaが1μmより大きい領域は、摩擦係数が表面粗さRaの変化に追従せず、ほぼ一定の範囲(図4の例では約0.5)に維持される。この領域は固体潤滑領域aと判断される。固体潤滑領域aでは、潤滑剤が加熱ロール63表面の凹凸における凹部分に入り込み、凸部分の大部分が定着ベルト61の内面と直接接触した状態であると考えられる。
表面粗さRaが1μm以下では、表面粗さRaの低下に従い摩擦係数が低下する。つまり、表面粗さRaと摩擦係数との間には正の相関関係がある。この領域は境界潤滑領域bと判断される。境界潤滑領域bは、固体潤滑領域aと比べると、定着ベルト61の内側面と、固定パッド65の宛て面65aとの間に潤滑剤の膜が介在するため、摩擦係数は低いが、定着ベルト61の摩耗は低減される。定着ベルト61は加熱ロール63に対しずれ動いてり、定着ベルト61の移動速度は加熱ロール63の周面の速度には追従してない。
表面粗さRaをさらに低下させると、摩擦係数は、加熱ロール63が定着ベルト61を駆動できない程度に低下する。摩擦係数が0.3未満では、加熱ロール63が空回り状態となり、定着ベルト61がほとんど移動しない。摩擦係数が0.3以上の範囲、すなわち表面粗さRaが0.4μm以上の範囲は、ベルト駆動範囲cである。したがって、表面粗さRaが0.4μm以上1.0μm以下の範囲dでは、加熱ロール63が定着ベルト61を境界潤滑状態で駆動する。
摩擦係数が1.0μmよりも大きい場合の、固体潤滑領域aでは、定着ベルト61が摩耗することで生じる摩耗屑が、定着ベルト61と固定パッド65の宛て面65aとの間に入り込むので、定着ベルト61と固定パッド65との間の潤滑性が経時的に低下する。本実施形態の定着装置60は、加熱ロール63が定着ベルト61内面に境界潤滑状態で接するため、固体潤滑状態で接する場合よりも、摩耗が低下し、また、摩耗屑に起因する潤滑性低下も低減される。
加熱ロールの駆動力を高める意図で、加熱ロールの周面の摩擦係数を高めるため、周面に溝が形成されて摩擦係数が1.0μmよりも大きい場合では、定着ベルトの内面が摩耗し、摩耗屑が固定パッドと定着ベルトとの間に挟まって駆動抵抗が増大するので、経時的には定着ベルトの移動量が却って低下するおそれがあった。本実施形態の定着装置60では、摩耗屑の発生量が低減するため、定着ベルトの移動量が維持される。
ステアリングロール64は、定着ベルト61を駆動しないが、傾くことによって、定着ベルト61の幅方向の位置を調整する。ステアリングロール64の周面が0.4μm以上1.0μm以下の表面粗さRaを有することで、定着ベルト61がステアリングロール64によって幅方向に案内される。また、ステアリングロール64の周面と定着ベルト61の内面が固体潤滑状態で接する場合よりも、摩耗が低下する。
なお、上述した実施形態では、加熱ロール63およびステアリングロール64の双方の周面が、0.4μm以上1.0μm以下の表面粗さRaを有する例が示されている。ただし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、加熱ロールのみが0.4μm以上の表面粗さRaを有するものであってもよい。
また、上述した実施形態では、本発明にいう回転体の例として加熱ロール63が示され、帯状体の例として加熱ロール63に掛け渡された定着ベルト61が示されている。ただし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、帯状体は、加熱をしないロールに掛け渡されていてもよい。
また、上述した実施形態では、本発明にいう周回移動部材の例として加圧ロール62が示されている。ただし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、周回移動部材は、ベルトであってもよい。
また、上述した実施形態では、本発明にいう回転体および帯状体の例として特定の寸法や張力を有する加熱ロール63および定着ベルト61が示されている。ただし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、回転体および帯状体の寸法や張力は、実施形態の例と異なるものであってもよい。
上述した実施形態では、画像形成装置の例としてタンデム型のカラープリンタが示されている。ただし、本発明にいう画像形成装置はこれに限られず、例えば、中間転写ベルトを有しないモノクロ専用プリンタであってもよい。
また、上述した実施形態では、画像形成装置の例としてプリンタが示されている。ただし、本発明にいう画像形成装置はプリンタに限られず、例えば、複写機やファクシミリであってもよい。
また、上述した実施形態では、本発明にいう像形成部の例として、帯電ロールおよびレーザ露光器による構成が示されている。ただし、本発明にいう像形成部はこれに限られず、例えば、帯電ロールに代えてコロトロンやスコロトロンといったコロナ放電器を有するものであってもよく、レーザ露光器に代えて複数の発光ダイオードからなるアレイを有するものであってもよい。
1 画像形成装置
10Y,10M,10C,10K 画像形成部
60 定着装置
61 定着ベルト
62 加圧ロール
63 加熱ロール
64 ステアリングロール
65 固定パッド
66 潤滑剤塗布器

Claims (4)

  1. 無端の帯状体と、
    前記帯状体の内面に宛がわれる宛て面を有する宛て部材と、
    前記帯状体の内面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布器と、
    前記帯状体の外面を前記宛て面に向けて加圧する加圧位置と、該帯状体を加圧しない非加圧位置との間で移動自在に配置され、該加圧位置に移動して、周回移動することで前記帯状体を駆動して循環移動させ、未定着のトナー像を保持した媒体を該帯状体との間に受け入れて該帯状体と共同して該トナー像を該媒体に定着させる周回移動部材と、
    前記潤滑剤塗布器によって塗布された前記潤滑剤を介して前記帯状体内面に接し、前記周回移動部材が前記非加圧位置にあるときに該帯状体を駆動して循環移動させる回転体とを備えたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記回転体が、前記帯状体内面に境界潤滑状態で接するものであることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記回転体の周面が、0.4μ以上1μ以下の表面粗さRaを有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の定着装置。
  4. 未定着のトナー像を媒体上に形成する像形成部と、
    媒体上に形成された未定着のトナー像を該媒体上に定着する像定着部とを備え、
    前記像定着部が、
    無端の帯状体と、
    前記帯状体の内面に宛がわれる宛て面を有する宛て部材と、
    前記帯状体の内面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布器と、
    前記帯状体の外面を前記宛て面に向けて加圧する加圧位置と、該帯状体を加圧しない非加圧位置との間で移動自在に配置され、該加圧位置に移動して、周回移動することで前記帯状体を駆動して循環移動させ、未定着のトナー像を保持した媒体を該帯状体との間に受け入れて該帯状体と共同して該トナー像を該媒体に定着させる周回移動部材と、
    前記潤滑剤塗布器によって塗布された前記潤滑剤を介して前記帯状体内面に接し、前記周回移動部材が前記非加圧位置にあるときに該帯状体を駆動して循環移動させる回転体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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