JP2014141619A - 改質炭の製造装置およびそれを備えた火力発電プラント - Google Patents
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Abstract
【課題】乾留前に粉砕炭を効率良く乾燥し、その乾燥過程で微粒子の乾燥炭を除いて、粗粒子の乾燥炭を乾留処理して、石炭の改質を効率的に行なう。
【解決手段】粉砕炭を下方からの温風で流動化しながら乾燥させる乾燥コンベア装置105、粗粒子の原料炭を加熱して乾留する乾留装置108、乾留炭75を冷却する冷却手段115、乾留炭75にタール分を吸着させて改質炭79を得るタールコーティング手段109、乾燥コンベア装置105からの微粉炭を捕集してボイラ121の燃料として送給するバグフィルタ106を備える。
【選択図】図14
【解決手段】粉砕炭を下方からの温風で流動化しながら乾燥させる乾燥コンベア装置105、粗粒子の原料炭を加熱して乾留する乾留装置108、乾留炭75を冷却する冷却手段115、乾留炭75にタール分を吸着させて改質炭79を得るタールコーティング手段109、乾燥コンベア装置105からの微粉炭を捕集してボイラ121の燃料として送給するバグフィルタ106を備える。
【選択図】図14
Description
本発明は、水分の多い褐炭などの低品位炭を原料として乾留により改質炭を製造する装置に係り、特に乾留の前に原料を効率良く乾燥させる改質炭の製造装置およびそれを備えた火力発電プラントに関するものである。
低品位炭の一種である褐炭などを直接燃料として燃焼させるボイラは、褐炭に含まれる水分量が瀝青炭に含まれる水分量よりも多いので、これを粉砕する手段として、乾燥と搬送の機能を併せ持つビーターミルのようなファンミルが用いられている。
このピーターミルによる褐炭乾燥の熱源は、褐炭焚きボイラの煙道から抽気された約1000℃の燃焼排ガスであるため、瀝青炭焚きボイラと比較して、ボイラ効率が低下する。また、ビーターミルでの乾燥により発生した蒸気(蒸発した水分)は、そのままボイラへ持ち込まれるため、蒸発潜熱損失によってもボイラ効率が低下する。
ボイラ効率の低下を抑制する対策として、前述の燃焼排ガスよりも低温の熱源を利用して乾燥させた褐炭を燃料としてボイラへ供給することが提案されている。
一方、乾燥した褐炭は自然発火しやすいので、輸送したり多量に貯蔵するには適しておらず、前述のボイラおよびそれを備えた火力発電プラントは、主に産炭地に隣接して設置されている。
そこで、遠隔した地域において低品位炭を燃料として利用できるように、輸送性や貯蔵性に優れた改質炭を製造する装置が各種提案されている。
低品位炭を乾留炭とすれば、乾燥炭と比較して、自然発火性が高品位炭と同程度となり、輸送や貯蔵にも適するものとなる。
従来、改質炭の製造に際して、石炭(低品位炭)を乾燥装置で乾燥させた後、その乾燥炭を250℃〜450℃で低温乾留して、その処理により石炭から留出したタール蒸気と水蒸気から構成される混合蒸気を110℃以下に冷却された乾留炭と直接接触させて、改質炭を製造する方法が、特公平4−41198号公報(特許文献1)に開示されている。
また、乾燥炭を乾留工程において、留出分(乾留ガス、タール、およびフェノール類等を含有する水分)と乾留炭に分離する。そして留出分をガスタービン燃料としてガスタービンに供給して発電し、乾留炭をボイラ燃料としてボイラに供給して発生したスチームにより発電し、ボイラ燃焼排ガスを原炭の乾燥用ガスとして利用する発電方法および発電装置が、特許第3530352号公報(特許文献2)に開示されている。
低品位炭の一種である褐炭などの水分量は重量比で全体の40%〜60%程度のものが多く、これまでは、乾留に十分な程度、例えば水分量10%程度に乾燥させるまでには、多くの熱と長い時間を要し、装置が大規模なものとなっていた。
また、最終的に改質炭を得るために必要な熱や各種の装置を動作させるための動力(電力)をできるだけ効率的に賄う必要がある。
本発明の目的は、乾留の前に粉砕炭を効率良く乾燥させることができ、しかも粉砕炭の乾燥過程で微粒子の乾燥炭を除いて粗粒子の乾燥炭を乾留処理でき、石炭の改質が効率的に行われる改質炭の製造装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の第1の手段は、
例えば褐炭などの原炭を粉砕する粉砕手段と、
その粉砕手段によって粉砕された粉砕炭を下方から吹き上げる乾燥用気体によって流動化しながら乾燥させて、粗粒子と微粒子に分けることができる流動層式乾燥手段と、
その流動層式乾燥手段から取り出された粗粒子の原料炭を加熱して乾留炭と、留出分であるタールを含む混合ガスを生成する乾留手段と、
その乾留手段で生成した乾留炭を冷却する乾留炭冷却手段と、
その乾留炭冷却手段から排出された乾留炭に前記乾留手段で生成した前記混合ガスを接触させることによりタール分を吸着させて改質炭を得るタールコーティング手段と、
前記流動層式乾燥手段から取り出された微粒子の原料炭を捕集してボイラの燃料として送給する例えばバグフィルタと微粒子送り配管などからなる微粒子捕集・送給手段を備えたことを特徴とするものである。
例えば褐炭などの原炭を粉砕する粉砕手段と、
その粉砕手段によって粉砕された粉砕炭を下方から吹き上げる乾燥用気体によって流動化しながら乾燥させて、粗粒子と微粒子に分けることができる流動層式乾燥手段と、
その流動層式乾燥手段から取り出された粗粒子の原料炭を加熱して乾留炭と、留出分であるタールを含む混合ガスを生成する乾留手段と、
その乾留手段で生成した乾留炭を冷却する乾留炭冷却手段と、
その乾留炭冷却手段から排出された乾留炭に前記乾留手段で生成した前記混合ガスを接触させることによりタール分を吸着させて改質炭を得るタールコーティング手段と、
前記流動層式乾燥手段から取り出された微粒子の原料炭を捕集してボイラの燃料として送給する例えばバグフィルタと微粒子送り配管などからなる微粒子捕集・送給手段を備えたことを特徴とするものである。
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、
前記流動層式乾燥手段は、
流動層を通過して上方に出た前記乾燥用気体が当該乾燥手段外に排出するまでの間で前記乾燥用気体の温度を計測する温度計測手段と、
その温度計測手段で計測された前記乾燥用気体の温度に基づいて、前記乾燥用気体の温度を調節する温度調節手段を設けて、
前記温度計測手段で計測される前記乾燥用気体の温度が100℃以下になるように、前記温度調節手段で前記乾燥用気体の温度を予め調節する構成になっていることを特徴とするものである。
前記流動層式乾燥手段は、
流動層を通過して上方に出た前記乾燥用気体が当該乾燥手段外に排出するまでの間で前記乾燥用気体の温度を計測する温度計測手段と、
その温度計測手段で計測された前記乾燥用気体の温度に基づいて、前記乾燥用気体の温度を調節する温度調節手段を設けて、
前記温度計測手段で計測される前記乾燥用気体の温度が100℃以下になるように、前記温度調節手段で前記乾燥用気体の温度を予め調節する構成になっていることを特徴とするものである。
本発明の第3の手段は前記第2の手段において、
前記温度計測手段が当該乾燥手段の排気出口付近に設けられて、当該乾燥手段の排気出口付近の温度が100℃以下になるように、前記温度調節手段で前記乾燥用気体の温度を予め調節する構成になっていることを特徴とするものである。
前記温度計測手段が当該乾燥手段の排気出口付近に設けられて、当該乾燥手段の排気出口付近の温度が100℃以下になるように、前記温度調節手段で前記乾燥用気体の温度を予め調節する構成になっていることを特徴とするものである。
本発明の第4の手段は前記第1ないし3のいずれかの手段において、
前記流動層式乾燥手段は、
所定の間隔をおいて配置された一組の駆動用軸体と、
その駆動用軸体間に架設されて、前記駆動用軸体周りに周回させて前記粉砕炭を収容して搬送する搬送部材を備え、
その搬送部材が、それの底部に前記乾燥用気体を噴出させる気体噴出部を設けた流動層形成搬送部材であって、
その移動する流動層形成搬送部材の下方から、前記乾燥用気体を供給するウィンドボックスを設け、
前記流動層形成搬送部材が前記ウィンドボックスの上を通過することにより、前記乾燥用気体が前記気体噴出部から前記流動層形成搬送部材内に噴出して、前記粉砕炭の流動層を形成しながら当該粉砕炭を乾燥させる構成になっていることを特徴とするものである。
前記流動層式乾燥手段は、
所定の間隔をおいて配置された一組の駆動用軸体と、
その駆動用軸体間に架設されて、前記駆動用軸体周りに周回させて前記粉砕炭を収容して搬送する搬送部材を備え、
その搬送部材が、それの底部に前記乾燥用気体を噴出させる気体噴出部を設けた流動層形成搬送部材であって、
その移動する流動層形成搬送部材の下方から、前記乾燥用気体を供給するウィンドボックスを設け、
前記流動層形成搬送部材が前記ウィンドボックスの上を通過することにより、前記乾燥用気体が前記気体噴出部から前記流動層形成搬送部材内に噴出して、前記粉砕炭の流動層を形成しながら当該粉砕炭を乾燥させる構成になっていることを特徴とするものである。
本発明の第5の手段は前記第4の手段において、
前記ウィンドボックスが前記粉砕炭の搬送方向に沿って複数に分割されて、
各ウィンドボックスに供給する前記乾燥用気体の流量を調節する流量調節手段を設けて、
その流量調節手段により、前記粉砕炭の搬送方向下流側に配置されている下流側ウィンドボックスに供給する前記乾燥用気体の流量が、前記粉砕炭の搬送方向上流側に配置されている上流側ウィンドボックスに供給する前記乾燥用気体の流量よりも少なくなるように調節されることを特徴とするものである。
前記ウィンドボックスが前記粉砕炭の搬送方向に沿って複数に分割されて、
各ウィンドボックスに供給する前記乾燥用気体の流量を調節する流量調節手段を設けて、
その流量調節手段により、前記粉砕炭の搬送方向下流側に配置されている下流側ウィンドボックスに供給する前記乾燥用気体の流量が、前記粉砕炭の搬送方向上流側に配置されている上流側ウィンドボックスに供給する前記乾燥用気体の流量よりも少なくなるように調節されることを特徴とするものである。
本発明の第6の手段は前記第1の手段において、
前記乾留炭冷却手段で回収された熱を、前記乾燥用気体を加熱する加熱手段の熱源として用いることを特徴とするものである。
前記乾留炭冷却手段で回収された熱を、前記乾燥用気体を加熱する加熱手段の熱源として用いることを特徴とするものである。
本発明の第7の手段は火力発電プラントにおいて、
前記第1ないし第6のいずれかの手段の改質炭の製造装置と、
その改質炭の製造装置から得られた改質炭ならびに微粒子の原料炭を燃料として燃焼するとともに、生成した燃焼排ガスの熱を回収する排熱回収手段を有するボイラと、
そのボイラで生成した蒸気により駆動する蒸気タービンと、
その蒸気タービンにより駆動する発電機を備え、
前記排熱回収手段によって回収された熱、または(ならびに)前記蒸気タービンを流れる蒸気系統から一部抽気した蒸気を、前記乾燥用気体を加熱する加熱手段の熱源として用いることを特徴とするものである。
前記第1ないし第6のいずれかの手段の改質炭の製造装置と、
その改質炭の製造装置から得られた改質炭ならびに微粒子の原料炭を燃料として燃焼するとともに、生成した燃焼排ガスの熱を回収する排熱回収手段を有するボイラと、
そのボイラで生成した蒸気により駆動する蒸気タービンと、
その蒸気タービンにより駆動する発電機を備え、
前記排熱回収手段によって回収された熱、または(ならびに)前記蒸気タービンを流れる蒸気系統から一部抽気した蒸気を、前記乾燥用気体を加熱する加熱手段の熱源として用いることを特徴とするものである。
本発明の第8の手段は火力発電プラントにおいて、
前記第1ないし第6のいずれかの手段の改質炭の製造装置と、
その改質炭の製造装置から得られた改質炭ならびに微粒子の原料炭を燃料として燃焼するとともに、生成した燃焼排ガスの熱を回収する排熱回収手段を有するボイラと、
そのボイラで生成した蒸気により駆動する蒸気タービンと、
その蒸気タービンにより駆動する発電機を備え、
前記ボイラまたは(ならびに)前記蒸気タービンを流れる蒸気系統から一部抽気した蒸気を、前記乾留手段における粗粒子の原料炭を加熱する加熱手段の熱源として用いることを特徴とするものである。
前記第1ないし第6のいずれかの手段の改質炭の製造装置と、
その改質炭の製造装置から得られた改質炭ならびに微粒子の原料炭を燃料として燃焼するとともに、生成した燃焼排ガスの熱を回収する排熱回収手段を有するボイラと、
そのボイラで生成した蒸気により駆動する蒸気タービンと、
その蒸気タービンにより駆動する発電機を備え、
前記ボイラまたは(ならびに)前記蒸気タービンを流れる蒸気系統から一部抽気した蒸気を、前記乾留手段における粗粒子の原料炭を加熱する加熱手段の熱源として用いることを特徴とするものである。
本発明は前述のような構成になっており、乾留の前に粉砕炭を効率良く乾燥させることができ、しかも粉砕炭の乾燥過程で微粒子の乾燥炭を除いて粗粒子の乾燥炭を乾留処理できるから、改質が効率的に行われる。また、微粒子の乾燥炭はボイラの燃料として用い、発電を行うことができる。
さらに、最終的に改質炭を得るために必要な熱や各種の装置を動作させるための動力(電力)を効率的に賄うことができる。
本発明に係る乾燥コンベア装置においては、搬送部材内での被乾燥物の安定した流動状態の維持と効率的な乾燥を図る必要がある。
特に単なる流動層式の乾燥装置と異なり、搬送中の短時間で比較的低温の乾燥用気体を用いて乾燥処理しなければならないので、搬送部材中に流動停滞する領域が発生しないように運転する必要がある。
このため、乾燥用気体の流量を十分に確保し、その空塔速度を一定以上(一般的な流動層より高め)に保持する必要がある。
一方、空塔速度が高すぎると被乾燥物(流動媒体)が浮遊状態となって飛散し始める。
一方、空塔速度が高すぎると被乾燥物(流動媒体)が浮遊状態となって飛散し始める。
本発明の実施例で使用する褐炭などの低品位炭は、硬くないので、流動層式の乾燥コンベア装置内では特に粉化し易く、微粒子(例えば粒径75μm〜85μm以下の粒子割合が80重量%程度のもの)が飛散し易い。
よって、搬送部材に残留する粗粒子(例えば粒径2mm以下の粒子割合が80重量%程度のもの)と分離して、乾燥用気体と共にその排出部から乾燥コンベア装置外へ排出される。
搬送部材へ投入する粗粒子量は、搬送部材へ投入したときに所定の静止層高さとなるように一定量がロータリーバルブなどによって切り出されて投入される。
また、乾燥用気体は、粗粒子の投入量に見合った量が搬送部材の下部から供給される。
また、乾燥用気体は、粗粒子の投入量に見合った量が搬送部材の下部から供給される。
乾燥コンベア装置による乾燥済み粗粒子(乾燥炭)の製造量は、ボイラ給炭量デマンドに基づいてコンベア移動速度などを増減することで調整される。
このとき、コンベア移動速度に合わせて乾燥用気体量を増減すると、空塔速度が変化して搬送部材内での安定した流動状態の維持が図れなくなるので、本発明では空塔速度を一定にしている。
また、乾燥用気体量を一定にした場合でも、コンベア移動速度が速い条件では、乾燥用気体の量が不足し、乾燥済み粗粒子(乾燥炭)の温度(=排気温度)が低下する。一方、コンベア移動速度が遅い条件では、乾燥用気体の量が過剰となり、乾燥済み粗粒子(乾燥炭)の温度(=排気温度)が上昇することになる。
本実施例では、乾燥コンベアの移動速度に関係なく、乾燥する粗粒子(石炭C)の供給量と乾燥用気体(乾燥用空気A)の供給量を、一定の比率(C/A=一定)で運用し、かつ乾燥済み粗粒子(乾燥炭)の温度を(例えば60℃)に維持することが可能なように、乾燥コンベア装置の出口排気温度を制御する構成になっている。
次に本発明の実施例を図と共に説明する。先ず、乾燥コンベア装置の構成について説明する。
(乾燥コンベア装置の構成)
図1は、本発明の実施例に係る乾燥コンベア装置全体の系統図である。
この乾燥コンベア装置は同図に示すように、乾燥コンベア装置本体1と、その乾燥コンベア装置本体1に例えば石炭(低品位炭)などの未乾燥の粗粒子2を供給する粗粒子供給手段3と、乾燥コンベア装置本体1に乾燥用の温風を供給する温風供給手段4と、飛散した乾燥済みの微粒子を捕集する飛散粒子捕集手段5とから主に構成されている。
前記乾燥コンベア装置本体1の構成などについては、後で説明する。
前記粗粒子供給手段3は、粗粒子2に粉砕する前の原料(原炭)6を貯留する原料サイロ7と、その下に設けられて前記原料6を所定の大きさに粉砕する粉砕機8と、粉砕されて生成した粗粒子2を貯留する乾燥前ホッパ9と、その下に設けられた第1のゲート弁10と、その下に設けられた第2のゲート弁11と、前記第1のゲート弁10と第2のゲート弁11の間に設けられた計量管部12(図2参照)とを備えている。
(乾燥コンベア装置の構成)
図1は、本発明の実施例に係る乾燥コンベア装置全体の系統図である。
この乾燥コンベア装置は同図に示すように、乾燥コンベア装置本体1と、その乾燥コンベア装置本体1に例えば石炭(低品位炭)などの未乾燥の粗粒子2を供給する粗粒子供給手段3と、乾燥コンベア装置本体1に乾燥用の温風を供給する温風供給手段4と、飛散した乾燥済みの微粒子を捕集する飛散粒子捕集手段5とから主に構成されている。
前記乾燥コンベア装置本体1の構成などについては、後で説明する。
前記粗粒子供給手段3は、粗粒子2に粉砕する前の原料(原炭)6を貯留する原料サイロ7と、その下に設けられて前記原料6を所定の大きさに粉砕する粉砕機8と、粉砕されて生成した粗粒子2を貯留する乾燥前ホッパ9と、その下に設けられた第1のゲート弁10と、その下に設けられた第2のゲート弁11と、前記第1のゲート弁10と第2のゲート弁11の間に設けられた計量管部12(図2参照)とを備えている。
図2に示すように、前記第1のゲート弁10ならびに第2のゲート弁11は、それぞれシリンダ13で個別に駆動できるようになっている。また、前記計量管部12の下端部は、乾燥コンベア装置本体1(後述のハウジング20)内に挿入されている(図2参照)。
前記温風供給手段4は、吸引ダンパ14と送風機15と熱交換器16とを備え、熱交換器16に供給された空気は例えば蒸気タービン131(図14参照)から抽気した蒸気などによって間接加熱される。
前記飛散粒子捕集手段5は、サイクロンセパレータ18と、その下に設けられたロータリーシール19を有している。
前記飛散粒子捕集手段5は、サイクロンセパレータ18と、その下に設けられたロータリーシール19を有している。
図2は前記乾燥コンベア装置本体1の概略構成図、図3はその乾燥コンベア装置本体1に用いるエプロンの斜視図、図4は図2A−A線上の拡大断面図、図5は図2B−B線上の拡大断面図、図6はエプロンの配置状態を示す概略側面図である。
この乾燥コンベア装置本体1は、粗粒子2の搬送方向に沿って延びたハウジング20の内側の高さ方向の略中間位置に、エプロンコンベア21が配置されている。このハウジング20は、エプロンコンベア21を格納して、外気と遮断されている。前記エプロンコンベア21は、所定の間隔をおいて配置された駆動プーリ22と従動プーリ23の間に張架されている。
エプロンコンベア21はチェーンコンベアから構成されており、その上には多数のエプロン25が整列して、回動可能に取り付けられている。このエプロン25は図3に示すように、底板26と、その底板26のエプロン25の移動方向下流側端部から立設した背面板27と、補強のために底板26と背面板27を両側面から連結した側面形状が略三角形をした補強板28a,28bを有している。
このエプロン25の移動方向上流側と、左右側面の大半と、上方が解放されている。図3〜図6に示すように、前記エプロン25の移動方向上流側は、隣接する1つ前のエプロン25の背面板27で塞がれる。エプロン25の左右側面は、その左右側面に対応するようにハウジング20内に設けられた板状の吹き抜け防止部材41a,41bによって覆われている。この吹き抜け防止部材41は図2や図6に示すように、駆動プーリ22と従動プーリ23の間隔と略同じ長さ延びている。なお、図3では図面が複雑になるため、手前側の吹き抜け防止部材41bの図示を省略している。
前記底板26と、その底板26から立設した背面板27と、隣接する1つ前のエプロン25の背面板27と、吹き抜け防止部材41a,41bによって、エプロン25の内側に粗粒子2を収容する収容空間32が形成される。図4や図5に示すように、吹き抜け防止部材41a,41bの上端部は開放状態になっている。
前記底板26には、多数の温風吹き出し孔29が形成されている。本実施例では底板26として、多数の温風吹き出し孔29を形成したパンチングプレートを使用したが、金網などでもよい。さらに図4に示すように各エプロン25の左側の補強板28aの下端部近くには、エプロン25の到来を検出するための被検出部31が設けられている。また、エプロン25が計量管部12の下に来たことを検出するための位置センサー43が、エプロン25(被検出部31)の近くに固定されている。
本実施例の場合、駆動プーリ22が配置されている側が粗粒子2の供給側、従動プーリ23が配置されている側が粗粒子2の排出側となっており、粗粒子2は駆動プーリ22から従動プーリ23の方向に間欠的に搬送され、矢印Xがその搬送方向を示している。
そのため図2に示すように、駆動プーリ22の上方のハウジング部分では、前記粗粒子供給手段3の計量管部12の下端部が貫通して、エプロン25近くまで延びている。一方、従動プーリ23の下方のハウジング部分には、乾燥済みの粗粒子2の排出口33が形成されている。
後述するように前記計量管部12の下端部から粗粒子2を落下して、前記エプロン25の収容空間32に収容するとき、粗粒子2の一部がエプロン25の温風吹き出し孔29からエプロンコンベア21内に落下することがある。これを防止するため、図2ならびに図4に示すように、計量管部12の下側に来たエプロン25の温風吹き出し孔29を塞ぐための供給側閉塞板34aが、エプロン25の下に設置されている。また、従動プーリ23の近傍にも、粗粒子2が温風吹き出し孔29から落下するのを防止するための排出側閉塞板34bが設置されている。
図2に示すように、供給側閉塞板34aと排出側閉塞板34bの間には、粗粒子2の搬送方向Xに沿って複数個のウィンドボックス35がエプロン25の下側に連続して設置されている。ウィンドボックス35は図5に示すように、一方の端に向けて低く傾斜した底板36と、その底板36から立設した両側板37a,37bと、短い方の側板37aに取り付けられた温風導入管38を有し、ウィンドボックス35の上方開口部はエプロン25の底板26と対向している。
前記温風導入管38を有する短い方の側板37aとは反対側の長い方の側板37bの下端部付近あるいは底板36の低い方の端部には、落下粒子排出孔39が設けられている。また、図1に示すように、各ウィンドボックス35の温風導入管38には前記温風供給手段4から延びた温風供給管40がそれぞれ接続されている。
さらにハウジング20の内側底面上には、清掃用チェーンコンベア44がハウジング20の長手方向に沿って配置されている。この清掃用チェーンコンベア44は駆動プーリ45と従動プーリ46によって、ハウジング20の内側底面を掃くように常時あるいは所定の時間間隔で矢印Y方向に回転駆動される。
本実施例では、ハウジング20の内側底面が水平状態になっているが、ハウジング20の内側底面を排出口33側に向けて若干低く傾斜するように設けると、前記清掃用チェーンコンベア44による清掃効率が良好になる。
図2に示すように、ハウジング20の上面部には、サイクロンセパレータ18側に延びる微粒子捕集配管47が接続されている。一方、ロータリーシール19から延びた微粒子送り配管48は、後述するようにボイラのバーナに接続されている。
次にこの乾燥コンベア装置の動作について説明する。
(乾燥コンベア装置の動作)
図1に示すように、原料サイロ7に貯留されている例えば水分含有率が40重量%〜50重量%程度の低品位炭(褐炭)からなる原料6が粉砕機8で粉砕されて、粒子の大きさが1mm程度の粗粒子2となり、乾燥前ホッパ9に貯留されている。
(乾燥コンベア装置の動作)
図1に示すように、原料サイロ7に貯留されている例えば水分含有率が40重量%〜50重量%程度の低品位炭(褐炭)からなる原料6が粉砕機8で粉砕されて、粒子の大きさが1mm程度の粗粒子2となり、乾燥前ホッパ9に貯留されている。
そして、下側の第2のゲート弁11を閉じた状態で上側の第1のゲート弁10を開けると、乾燥前ホッパ9内の粗粒子2の一部が第1のゲート弁10を通り、計量管部12(図2参照)内に充填され、計量管部12の容積に相当する粗粒子2の計量がなされる。計量管部12内に粗粒子2を充填した後、第1のゲート弁10を閉じる。これらゲート弁10,11の開閉動作は、個別に付設されたシリンダ13(図2参照)によってなされる。
エプロンコンベア21は図2に示すように、搬送方向Xに間欠的若しくは連続的に周回移動しており、計量管部12の下側にエプロン25が来たことを図4に示すように、エプロン25に付設された被検出部31と位置センサー43の共働で検出する。エプロン25が計量管部12の下側に来たときには、図4に示すように当該エプロン25の全ての温風吹き出し孔29は供給側閉塞板34で塞がれている。
この状態で前記第2のゲート弁11を開くと、計量管部12内に貯留されていた粗粒子2がエプロン25の収容空間32内に落下する。粗粒子2の落下後、第2のゲート弁11は自動的に閉じ、次の計量に備えられる。前述のようにエプロン25の温風吹き出し孔29は閉塞板34で塞がれているから、投入された粗粒子2が温風吹き出し孔29から落ちることはなく、計測量が適正に維持されている。
図4は、このように計量して切り出された粗粒子2をエプロン25内に収容した状態を示しており、この時点ではエプロン25内には後述する温風49は吹き込まれていないから、粗粒子2によって形成された層は静止層になっており、収容空間32の上部には十分な空間部50がある。
図1ならびに図5に示すように、温風供給手段4(図1参照)によって生成、供給された温風49は各ウィンドボックス35に吹き込まれている(図5参照)。一方、前記エプロン25の移動に伴ってそれの底板26に形成されている温風吹き出し孔29が閉塞板34を通過するとウィンドボックス35内で温風吹き出し孔29が開放され、ウィンドボックス35内に導入された温風49がエプロン25の底部から吹き込み、粗粒子2が流動化51し始める。
単純に温風49が粗粒子2の間を通過するだけでは粗粒子2の一面だけしか乾燥されないが、本実施例のように粗粒子2を浮かせて無方向、不規則状に流動化51することにより、粗粒子2の全面を均一にかつ迅速に乾燥させることができる。
流動化して吹き上がった粗粒子2がエプロン25から吹き出ないように、前記吹き抜け防止部材41a,41bが設けられている。
流動化して吹き上がった粗粒子2がエプロン25から吹き出ないように、前記吹き抜け防止部材41a,41bが設けられている。
乾燥する過程で粗粒子2は比重が徐々に低下して軽くなるから、図1に示すようにウィンドボックス35は粗粒子2の搬送方向Xに沿って複数に分割され、粗粒子2の比重に見合って温風49の風量の調整がなされている。
この温風49の調整をしないと、乾燥途中で粗粒子2の一部がウィンドボックス35から吹き出して落下したり、自然発火の危険があるため好ましくない。粗粒子2の乾燥状態に見合った温風49の風量調整については、後で説明する。
粗粒子2は複数のウィンドボックス35の上を通過することにより所望の水分含有率(本実施例に係る低品位炭の場合は、5重量%〜10重量%程度)まで乾燥され、図2に示すようにエプロン25が従動プーリ23の周囲を上側から下側に回るときに自動的に傾倒されて、最終的には逆さまの状態になるから、乾燥された粗粒子2は排出口33側に落下して、ハウジング20から取り出される。
図2に示すように、従動プーリ23の斜め下方には、エプロン25に残っている粗粒子2があるとそれを強制的に吹き落とすための複数本の空気噴出ノズル42が設けられている。そして逆さになったエプロン25がこの空気噴出ノズル42の下を通過するようになっており、空気噴出ノズル42から高速噴射された空気は、エプロン25の底板26に形成されている温風吹き出し孔29を通ってエプロン25内に付着している粗粒子2を吹き落とす。この空気の高速噴射は温風吹き出し孔29ならびにエプロン25の内面の清掃も兼ねており、エプロン25内での粗粒子2の適正な流動化状態を常に維持することができる。
このようにしてハウジング20の底面に落ちた粗粒子2、あるいはウィンドボックス35の落下粒子排出孔39からハウジング20の底面に落ちた粗粒子2は、清掃用チェーンコンベア44により排出口33側に掃き出される。前記ウィンドボックス35の落下粒子排出孔39からハウジング20の底面に落ちる粗粒子2も温風49と十分に接触して乾燥しているから、他の乾燥した粗粒子2と一緒に排出口33から排出しても構わない。
一方、温風49により舞い上がった微粒子24は微粒子捕集配管47を通ってサイクロンセパレータ18で捕集され、ロータリーシール19を経て、微粒子送り配管48により、ボイラのバーナに送られる。なお、温風49により舞い上がった微粒子24は粗粒子2に較べて乾燥時間が速いので、サイクロンセパレータ18へ搬送される過程で乾燥は完了しているから、微粒子送り配管48から直接排出して、他の乾燥した粗粒子2と混合しても支障はない。
図2に示すように、最終のウィンドボックス35(図2において右端のウィンドボックス35)を従動プーリ23に隣接することは構造上難しいから、最終のウィンドボックス35と駆動プーリ22の間には必然的に隙間ができる。そのため本実施例では、最終のウィンドボックス35と従動プーリ23の間に排出側閉塞板34bを設置して、その間を通るエプロン25の温風吹き出し孔29を塞ぐことにより、乾燥された粗粒子2が駆動プーリ22の近辺に落下することを防止している。
図7は、底板に多数の温風吹き出し孔を形成し、上方が開口した搬送部材を作成し、その箱体内で低品位炭粒子を流動化させて乾燥した場合の、低品位炭粒子の水分含有率の変化を示す特性図である。
図中の黒丸印は乾燥前の水分含有率が53重量%で平均粒径が2mmのライン炭(ドイツ産)を使用し、黒四角印は乾燥前の水分含有率が43重量%で平均粒径が2mmのバツロナ炭(スマトラ/インドネシア産)を使用した場合を示している。両者とも温風を送給する前の前記箱体内での低品位炭層厚は50mm、温風の温度は115℃、温風の流速は50L/minに設定して実験を行なった。
この図に示すように低品位炭の産地によって水分含有率は大きく異なるが、前述の温風を前記温風吹き出し孔から箱体内に吹き出しながら、箱体内の低品位炭粒子を流動化させて乾燥すると、5分後には両方の低品位炭粒子とも水分含有率は10重量%以下まで急激に下がり、乾燥時間10分後には水分含有率は5重量%まで下がった。これは低品位炭粒子の流動化による乾燥の効果であると考えられる。
なお、本発明者らの他の実験で、温風(乾燥空気)の温度は約110℃〜160℃、温風の流速は約40L/min〜100L/minの範囲が好ましいことが分かった。
なお、本発明者らの他の実験で、温風(乾燥空気)の温度は約110℃〜160℃、温風の流速は約40L/min〜100L/minの範囲が好ましいことが分かった。
ところで、粒子(流動媒体)の流動状態に関する指標として、流動媒体が充填されていない塔内の断面平均流速、即ち、塔内を通過する空気の体積流量を塔断面積で除した値として示される空塔速度がある。
この空塔速度が流動化開始速度(Umf)より小さい条件では、空気が媒体の隙間を流れるのみで、媒体は流動化しないで静止状態にある。
安定した圧力損失の小さい流動層を形成するため、一般的には空塔速度を0.8m/s〜1.2m/sとすることが多い。
一方、流動層における乾燥の観点からは、空塔速度を高めるほど短時間で乾燥することができ、装置のコンパクト化を図ることができる。
安定した圧力損失の小さい流動層を形成するため、一般的には空塔速度を0.8m/s〜1.2m/sとすることが多い。
一方、流動層における乾燥の観点からは、空塔速度を高めるほど短時間で乾燥することができ、装置のコンパクト化を図ることができる。
空塔速度を粒子の粒子径と質量に依存する浮遊速度(Ut、以下、終末速度と称することもある)よりも高めると、粒子は浮遊状態となって飛散し始める。これに伴い、流動層の圧力損失も増大する。なお、その前段階で媒体全体が塊状での上昇・落下と崩壊を繰り返すスラッキングと呼ばれる状態となり、圧力が変動し不均一な状態となる場合がある。本発明の実施例に係る乾燥コンベア装置には、効率良く乾燥が行われる粒子径として、平均粒径2mm、最大粒径10mm以下程度に粗粉砕した石炭を使用する。
しかし、前記した流動層の一般的な空塔速度の範囲0.8m/s〜1.2m/sでは、搬送部材であるエプロン25内に局部的に流動化しない流動停滞域が発生する場合があることを実験的に確認した。
具体的には、粗粉砕されコンベア上に供給された直後の粒子中の水分が多い段階において、エプロン25の底板26と背面板27および補強板28a,28b(図3参照)とが接合する隅部近傍に流動停滞域が発生した。
なお、搬送部材はエプロン25に限らず、他の形状、例えばバケット状のものでも同様である。
この流動停滞域では、揮発分の多い褐炭などの石炭を使用する場合には、乾燥用空気の熱によって石炭が蓄熱して自然発火する、所謂、熾火燃焼を発生する可能性がある。そこで、エプロン25内の粒子の流動状態に関し、流動停滞域を発生させない空塔速度で運用する必要がある。
具体的には、収容空間32内の空塔速度を1.2m/s〜3.0m/s、好ましくは1.8m/s〜2.5m/sとすれば、流動停滞域の発生が防止でき、圧力損失の増大も最小限に抑制できる。
このように一般的な流動層よりも高い空塔速度にすることで、収容空間32内の粗粒子2を積極的に分級して、乾燥を促進することができる。
前述のように、粗粉砕された粒子には粒径150μm以下の微粒子も含まれ、特定の炭種について前記平均粒径2mm、最大粒径10mm以下程度の粗粉砕した場合には全体の2重量%程度占める。
流動層内では、粒子が乾燥用気体と接触して乾燥が進行する過程で互いに衝突を繰り返しつつ、崩壊して粒径が小さくなっていく。このような微細化の進行により、最終的に乾燥コンベア装置から排出される乾燥炭(例えば、水分10重量%以下)のうち、粒径150μm以下の微粒子の割合は全体の約20重量%程度に達する。
ここで、温風の空塔速度<終末速度である粒子は、収容空間32内で流動しながら乾燥される。水分が減少して軽くなり、温風の空塔速度>終末速度となった粒子は、収容空間32から飛散する。
粒径の小さな微粒子は、粒径の大きな粗粒子よりも乾燥され易く、水分の減少に伴い、短時間で温風の空塔速度>終末速度の条件に到達する。
飛散する粒子は、収容空間32内での流動・乾燥に加えて、飛散移動過程でも温風の残熱で乾燥される。
粒径の小さな微粒子が飛散した後に、流動層に残留する粒径の大きな粗粒子は、粒径の小さな微粒子が存在しない分、相対的により多くの温風で乾燥されることになる。従って、全体として乾燥時間の短縮に繋がる。
図8〜図10は搬送部材の他の実施例を示す図で、図8はその搬送部材であるバケット17の斜視図、図9はバケット17が供給側閉塞板34a上にある状態での断面図、図10はそのバケット17内に温風49を吹き込んで流動化している状態での断面図である。
バケット17は図8に示すように上方が開口した細長い箱型をしており、それの底板26に多数の温風吹き出し孔29が形成されている。
図9に示すように、バケット17が供給側閉塞板34a上にある状態では、バケット17の温風吹き出し孔29は供給側閉塞板34aによって閉塞されているから、バケット17内に投入・収容される粗粒子2が温風吹き出し孔29から落下することはない。
図9に示すように、バケット17が供給側閉塞板34a上にある状態では、バケット17の温風吹き出し孔29は供給側閉塞板34aによって閉塞されているから、バケット17内に投入・収容される粗粒子2が温風吹き出し孔29から落下することはない。
この時点ではバケット17内には温風49は吹き込まれていないから、粗粒子2によって形成された層は静止層になっており、収容空間32の上部には十分な空間部50がある。
バケット17の搬送により、供給側閉塞板34a上を通過してウィンドボックス35の上に来ると、図10に示すように、ウィンドボックス35内に導入された温風49がバケット17の底部から吹き込まれ、粗粒子2が流動化51し始める。単純に温風49が粗粒子2の間を通過するだけでは粗粒子2の一面だけしか乾燥されないが、本実施例のように粗粒子2を浮かせて無方向、不規則状に流動化51することにより、粗粒子2の全面を均一にかつ迅速に乾燥させることができる。
図11は、この乾燥コンベア装置を備えた石炭乾留プラントの概略構成図である。
前述のように効率の良い粗粒子2の乾燥のためには、バケット17内で最適な粗粒子2の流動状態を維持する必要がある。略同一性状の粗粒子2が乾燥コンベア装置へ常時供給される場合、流動層における粗粒子2の流動状態には、バケット17内を流通する乾燥用気体(温風49)の空塔速度が大きく影響する。
例えば、空塔速度が、粗粒子2の最適な流動状態を維持できる値より大きな値となれば、乾燥コンベア装置から飛散する粒子が増加し、一方、粗粒子2の最適な流動状態を維持できる値より小さな値となれば、不均一な流動状態もしくは流動不良となり、効率の良い粗粒子2の乾燥ができなくなる。
そこで、バケット17のサイズが一定なので、粗粒子2の最適な流動状態が維持できる空塔速度の値となるように、空気53を一定流量で供給する(図11参照)。
複数のバケット17は、コンベア21に沿って矢印X方向に周回移動している。周回移動中、バケット17が乾燥前ホッパ9の下方の所定位置に到達すると、コンベア21の移動を停止して、ロータリーバルブ52を起動させ、乾燥前ホッパ9内の粗粒子2をバケット17内に投入する。
粗粒子2の量がバケット17内の所定のレベルに到達すると、ロータリーバルブ52を停止し、コンベア21を再起動させる。このようにして、粗粒子2の供給とコンベア21の移動を同期させる。
粗粒子2が乾燥前ホッパ9からバケット17内へ落下する位置には、ウィンドボックス35ではなく、バケット17の下面を覆う供給側閉塞板34aが設置されているから、粗粒子2が底板26の温風吹き出し孔29から下方に落下することはない。従って、この位置にあるバケット17の内部には、一定レベルの粗粒子2の静止層が形成される。
コンベア21を再起動させて、バケット17が供給側閉塞板34aの上を通過すると、ウィンドボックス35へ導入された温風49がバケット17の底部から吹き込まれて、バケット17内において粗粒子2が流動化51して、効率的な乾燥が行われる(図10参照)。
図11に示す空気53の供給経路上には吸引ダンパ14、送風機15ならびに空気流量計54が設けられており、吸引ダンパ14と空気流量計54により空気流量の一定制御がなされている。
吸引された空気53は熱交換器16を介して加熱流体55で間接的に加熱されて温風49となるので、空気53の加熱度を加熱流体55の保有熱量で調整することが可能である。
また図に示すように、流動状態にある複数のバケット17の内、コンベア21の搬送方向最下流側に来ているバケット17aの上方開口部付近には第1の温度計56が設置され、また熱交換器16の出口側には第2の温度計57が設置されている。
そして両温度計56、57の検出結果に基づいて、前記バケット17aの出口の空気温度が100℃以下になるように、熱交換器16に供給される加熱流体55の保有熱量(流量)が調節されるようになっている。
例えば、
Qin:乾燥コンベア装置への入熱量(空気53が加熱流体55から受け取る熱量)
Qout:乾燥コンベア装置からの持ち出し熱量
Qad:乾燥に必要な熱量(蒸発潜熱)
とすれば、
Qin=Qad+Qout
の関係が成立する。
Qin:乾燥コンベア装置への入熱量(空気53が加熱流体55から受け取る熱量)
Qout:乾燥コンベア装置からの持ち出し熱量
Qad:乾燥に必要な熱量(蒸発潜熱)
とすれば、
Qin=Qad+Qout
の関係が成立する。
Qoutはガスエンタルピー(温度関数)とガス流量(一定)との積なので、バケット17aの出口空気温度とバケット17の入口空気流量を計測すればQoutを算出できる。QinはQadとQoutの和なので、計算で求めることができる。Qadはガスエンタルピー(温度関数)とガス流量(一定)との積なので、所定のQinとなるように、熱交換器16に供給される加熱流体55の保有熱量(流量)で、熱交換器16出口の空気温度を調節する。
前述のように流動状態にある複数のバケット17の内、コンベア21の搬送方向最下流側に来ているバケット17aの出口の空気温度を100℃以下に規制するという運転条件に設定した根拠について説明する。
図12は、乾燥済み褐炭の自然発火性を調べる実験装置の概略説明図である。同図に示す爆発ベント付きの恒温器58内の雰囲気温度を予め所定の温度にした後、乾燥済み褐炭(含水率:15重量% 図示せず)を充填した円柱構造のワイヤーメッシュ反応器59を恒温器58内に入れる。ワイヤーメッシュ反応器59の大きさは、径が50mm、長さが50mmである。
恒温器58内の雰囲気温度(Ta)およびワイヤーメッシュ反応器59内に充填した乾燥済み褐炭の温度(Tc)を計測するため、径が1.6mmのシース熱電対60、61の先端感知部を恒温器58内およびワイヤーメッシュ反応器59内に充填した乾燥済み褐炭層に、それぞれ設置した。
シース熱電対60、61で計測された信号(起電力)は、補償導線62を介してデータロガー63へ伝送された後、起電力が温度データに変換され、その温度データに基づいて乾燥済み褐炭の自然発火性を調べた。
具体的には、恒温器58内の雰囲気温度(Ta)をパラメータとして実験を行い、乾燥済み褐炭の自然発火性と恒温器58内の雰囲気温度を(Ta)との関係を調べた。下記の表1は、実験例1〜実験例5における恒温器58内の温度条件(Ta)を示す表である。
図13は、データロガー63に記録された乾燥済み褐炭の温度(Tc)の経時変化をプロットして纏めた褐炭の自然発火性の特性図である。図13の横軸は、実験例4での乾燥済み褐炭の温度(Tc)が200℃に到達するまでの時間を1とした無次元時間である。
この図13から明らかなように、実験例4(Tc:110℃)および実験例5(Tc:120℃)では、時間の経過に伴って乾燥済み褐炭の温度(Tc)が急激に上昇した。これは、乾燥済み褐炭に蓄積された熱が原因となり、自然発火現象が生じたためである。
これに対して実験例1(Tc:80℃)、実験例2(Tc:90℃)および実験例3(Tc:100℃)では、実験例4の1.5倍の時間で乾燥済み褐炭を加熱したが、乾燥済み褐炭の温度(Tc)が急激に上昇することはなく、自然発火現象は生じなかった。この実験結果に基づいて、本発明の運転条件(100℃以下)を設定した。
空気53は熱交換器16へ供給されて、加熱流体55により間接加熱されて温風49となり、温風供給管58へ導かれる。
バケット17の搬送方向Xの上流側から下流側に向かってウィンドボックス35が固定されており、このウィンドボックス35は、搬送方向Xの上流側から下流側に向かって第1ウィンドボックス35a、第2ウィンドボックス35b、第3ウィンドボックス35c、第4ウィンドボックス35dに区画分割されている。
これに対応して、各ウィンドボックス35a〜35dに温風を供給する温風供給管58も温度計58の温風流れ方向下流側で、第1温風供給管58a、第2温風供給管58b、第3温風供給管58c、第4温風供給管58dに分岐され、それぞれのウィンドボックス35a〜35dに接続されている。
第1温風供給管58aには、第1温風ダンパ59aと第1流量計60aが付設されている。同様に、第2〜第4温風供給管58b〜58dにも、第2〜第4温風ダンパ59b〜59dと第2〜第4流量計60b〜60dが、それぞれ付設されている。
本実施例では、温風供給管58a〜58dとウィンドボックス35a〜35dを1本対1個で個別対応させているが、必要に応じて、幾つかのウィンドボックス35をグループとして扱い、温風供給管58とウィンドボックス35を1本対1グループの対応に変更することもできる。
バケット17に収容された粗粒子2はウィンドボックス35a〜35dの上を通過することにより、所望の水分含有量まで乾燥され、ハウジング20の底部に形成された排出口33(図2参照)から排出されて、乾留装置61に供給される。
乾燥する過程で粗粒子2は比重が徐々に低下して軽くなるから、ウィンドボックス35a〜35dは粗粒子2の搬送方向Xに沿って複数に分割されており、各ウィンドボックス35a〜35dに個別に供給される温風49の風量は、粗粒子2の比重(乾燥度合い)に見合って調節がなされている。
第1ウィンドボックス35a〜第4ウィンドボックス35dに対する温風49の風量調節は、第1温風ダンパ59a〜第4温風ダンパ59dと、第1流量計60a〜第4流量計60dによってなされる。
温風49の流量を調節しない場合、乾燥途中(十分乾燥されないまま)で粗粒子2の一部がバケット17から吹き出して、ハウジング20の底部へ落下し、それらが掻き集められて乾燥済みの粗粒子2と混合されると、粗粒子全体の乾燥度が所望の値にならない可能性がある。
図11に示すように、石炭乾留プラントでは、原炭6の乾燥と乾留のために熱Q1およびQ2が必要である。
本実施例では蒸気タービンからの抽気蒸気で加熱して約150℃〜200℃となった空気(温風)を原炭6の乾燥に使用している。前述のように加熱された空気(温風)は、流動化ガスとしても利用される。この場合、前記熱Q1は、蒸気タービンからの抽気蒸気の保有熱量である。
本実施例では蒸気タービンからの抽気蒸気で加熱して約150℃〜200℃となった空気(温風)を原炭6の乾燥に使用している。前述のように加熱された空気(温風)は、流動化ガスとしても利用される。この場合、前記熱Q1は、蒸気タービンからの抽気蒸気の保有熱量である。
乾留工程での温度条件は、含酸素親水基が熱分解する250℃〜450℃であり、好ましくは含酸素親水基が最も効率良く熱分解する300℃〜400℃である。この温度条件では、熱源として蒸気タービンからの抽気蒸気を利用することができず、本実施例ではボイラで発生した蒸気の一部を抽気して熱源として用いる。この場合、前記熱Q2は、ボイラ出口で抽気した蒸気の保有熱量である。
温度条件から、燃焼排ガスの保有熱量、乾留炭の冷却で生じた顕熱は、熱Q1として利用することができる。このようにすれば、蒸気タービンからの蒸気抽気量を低減することができ、効率良く石炭乾留プラントならびに火力発電プラントを運転することができる。
原炭を粉砕機で細かく粉砕した方が、乾燥コンベア装置の流動化ガス(温風)に同伴されて、乾燥コンベア装置から排出される微粒子の割合が多くなる。
次に、具体例を挙げて作用を説明する。
原炭50t/h(水分含有率:60重量%)を乾燥させて、粗粒子が80重量%、微粒子が20重量%の乾燥炭25t/h(水分含有率:20重量%)を製造する。
原炭50t/h(水分含有率:60重量%)を乾燥させて、粗粒子が80重量%、微粒子が20重量%の乾燥炭25t/h(水分含有率:20重量%)を製造する。
乾燥済みの粗粒子は乾留装置に供給され、微粒子は75μm以下なので、そのままボイラの燃料として利用される。ボイラからの燃料要求量が5t/hから6t/hとなった場合、次の2つの運転方法がある。
(運転方法1)
原炭の供給量が50t/hの場合、粉砕機のローターの回転数を上げて、乾燥コンベア装置の流動化ガスに同伴される微粒子の割合を増加させる。ボイラからの燃料要求量が変わっても、原炭から脱水される水分量は一定なので、乾燥コンベア装置の運転状態には変化を生じない。
原炭の供給量が50t/hの場合、粉砕機のローターの回転数を上げて、乾燥コンベア装置の流動化ガスに同伴される微粒子の割合を増加させる。ボイラからの燃料要求量が変わっても、原炭から脱水される水分量は一定なので、乾燥コンベア装置の運転状態には変化を生じない。
乾留装置に供給される粗粒子の供給量は20t/hから19t/hとなる。乾燥炭の粗粒子と微粒子の割合は、それぞれ76重量%、24重量%になる。
(運転方法2)
乾燥炭の粗粒子と微粒子の割合が、それぞれ80重量%、20重量%の場合、粉砕機のローターの回転数を変えずに、原炭の供給量を50t/hから60t/hとする。これにより、乾燥炭30.0t/h(水分含有率:20重量%)が製造される。乾留装置に供給される粗粒子の供給量は20t/hから24t/hとなる。
乾燥炭の粗粒子と微粒子の割合が、それぞれ80重量%、20重量%の場合、粉砕機のローターの回転数を変えずに、原炭の供給量を50t/hから60t/hとする。これにより、乾燥炭30.0t/h(水分含有率:20重量%)が製造される。乾留装置に供給される粗粒子の供給量は20t/hから24t/hとなる。
乾燥コンベア装置に供給される空気量は一定で、乾燥前ホッパーから乾燥コンベア装置に供給される粗粒子量が増加するので、コンベアの移動速度を遅くして、ボイラからの燃料要求量の変化前後で、単位質量当たりに粗粒子に供給される熱量が一定となるようにする。
図14は、本発明の実施例に係る石炭改質プラントを導入した火力発電プラントの系統図である。
この複合プラントは、石炭改質プラント201と火力発電プラント202から構成されている。そして、原炭6として褐炭、乾燥コンベア装置105の流動化ガスとして空気53、ボイラとして変圧貫流式ボイラ121を用いる。
この複合プラントは、石炭改質プラント201と火力発電プラント202から構成されている。そして、原炭6として褐炭、乾燥コンベア装置105の流動化ガスとして空気53、ボイラとして変圧貫流式ボイラ121を用いる。
火力発電プラント202は、発電部と燃焼排ガス処理部を有している。発電部では、ボイラ121で発生した蒸気71で蒸気タービン131を回転させ、蒸気タービン131と同軸で設置した発電機132で発電する。仕事を終えた蒸気71は、復水器133で飽和水となり、ボイラ121へ供給される。
一方、燃焼排ガス処理部では、ボイラ121からの燃焼排ガス72は、脱硝装置122、エアーヒータ123、ガスヒータ124、電気集塵機125、脱硫装置126の順に流通し、脱硝、脱塵、脱硫された後、煙突127から排出される。
石炭改質プラント201は、原炭バンカ101、原炭フィーダ102、粉砕機103、サブバンカ104、乾燥コンベア装置105、バグフィルター106、供給ホッパ107、乾留装置108、タールコーティング装置109、成型装置110、気水分離器111、タール回収装置112、微粉乾燥炭バンカ118、空気ブロワ141および熱回収部(後述する)から主に構成されており、図に示すような配置関係になっている。
前記空気ブロワ141は、火力発電プラント202へ空気53を供給する手段としても利用される。
前記空気ブロワ141は、火力発電プラント202へ空気53を供給する手段としても利用される。
前記熱回収部を構成する主要機器は、第1熱交換器115a、第2熱交換器115b、第3熱交換器116、第4熱交換器117、ガスヒータ124である。
図に示すように、前記第1熱交換器115aは乾留装置108とタールコーティング装置109の間に設置されている。
前記第2熱交換器115b、第3熱交換器116、第4熱交換器117は、乾燥コンベア装置105に空気53を供給する配管上に、空気流れ方向の上流側から下流側に向けて、この順に設置されている。
前記ガスヒータ124は、火力発電プラント202のエアーヒータ123と電気集塵機125の間の燃焼排ガス72が流通する配管に設置されている。
前記第2熱交換器115b、第3熱交換器116、第4熱交換器117は、乾燥コンベア装置105に空気53を供給する配管上に、空気流れ方向の上流側から下流側に向けて、この順に設置されている。
前記ガスヒータ124は、火力発電プラント202のエアーヒータ123と電気集塵機125の間の燃焼排ガス72が流通する配管に設置されている。
石炭改質プラント201および火力発電プラント202で必要な弁類(一般弁、ダンパ、逆止弁、安全弁など)、計器類(温度計、圧力計、レベル計など)、ロータリーバルブ、警報器およびバイパス配管などは、図面が煩雑になるため図示していない。
まず、石炭改質プラント201における石炭ならびに発生ガスの流れについて説明する。
原炭(原料)6は原炭バンカ101に一時貯留され、原炭フィーダ102へ払い出された後、粉砕機103で粉砕されて粗粒子2となり、サブバンカ104へ払い出される。
原炭(原料)6は原炭バンカ101に一時貯留され、原炭フィーダ102へ払い出された後、粉砕機103で粉砕されて粗粒子2となり、サブバンカ104へ払い出される。
制御装置(図示せず)からの指令に基づいて、サブバンカ104で一時貯留されていた粗粒子2は乾燥コンベア装置105へ供給される温風49によって流動化・乾燥されて、乾燥された粗粒子2と微粒子24になる。
温風49によって舞い上がった微粒子24は、乾燥コンベア装置105から排空気73とともにバグフィルター106へ移送される。
バグフィルター106において排空気73から分離された微粒子24は、微粉乾燥炭バンカ118へ払い出され、一時貯留される。制御装置(図示せず)からの指令に基づいて、微粒子24は微粉乾燥炭バンカ118から切り出されて、気流搬送によりボイラ121のバーナ74へ供給され、燃料として使用される。
一方、乾燥コンベア装置105から排出された約60℃の粗粒子2は、供給ホッパ107で回収され、乾留装置108へ供給される。乾留装置108では、熱源としてボイラ121で発生した蒸気71の一部を用いて、粗粒子2を低温乾留して、約350℃の乾留炭75を得る。
図示していないが、乾留装置108は移動層方式であり、乾留装置108内の上部から下部へ重力で粗粒子2が移動する。乾留装置108の内部には、粗粒子2を間接加熱できるように管式熱交換器(図示せず)が配置され、粗粒子2の移動方向に対して対向流となるように、当該管式熱交換器内を前記蒸気71が流通する。
乾留装置108内で生成したタール76a、水77(蒸気の状態)ならびに乾留ガス78は、乾留装置108の上部から排出され、タールコーティング装置109へ導かれる。
乾留炭75は第1熱交換器115aによって約100℃まで冷却され、タールコーティング装置109へ導かれる。タールコーティング装置109内に設置したスクリューコンベア(図示せず)の回転によって、乾留炭75はタールコーティング装置109内を移動する。
この際、乾留炭75の移動方向に対して並行流となるように、タール76a、水77(蒸気の状態)ならびに乾留ガス78をタールコーティング装置109内に流通させて、乾留炭75と直接接触させることにより、タール76aを乾留炭75にコーティング(吸着)して改質炭79を得る。
改質炭79は、第1冷却器113によって60℃以下に冷却された後、ダブルロール式の成型装置110へ導入して、所定の大きさに成型された成型炭80を得る。この成型炭80は、ボイラ121の燃料として使用してもよい。
タールコーティング装置109から排出された未付着のタール76b、水77(蒸気の状態)ならびに乾留ガス78は第2冷却器114によって冷却された後、気水分離器111において、ガス成分である乾留ガス78と、凝縮成分である未付着タール76bと水77(液体の状態)に分離される。さらに未付着タール76bと水77(液体の状態)は、タール回収装置112において分離され、タールの回収が行われる。
次に、石炭改質プラント201における熱回収について説明する。
第1熱交換器115aと第2熱交換器115bの間、第3熱交換器116とガスヒータ124の間には、熱媒体が循環している。第1熱交換器115aと第2熱交換器115bでは、乾留炭75の冷却で生じた顕熱を回収して、空気53の加熱に利用する。
第1熱交換器115aと第2熱交換器115bの間、第3熱交換器116とガスヒータ124の間には、熱媒体が循環している。第1熱交換器115aと第2熱交換器115bでは、乾留炭75の冷却で生じた顕熱を回収して、空気53の加熱に利用する。
第3熱交換器116とガスヒータ124では、燃焼排ガス72の保有熱(顕熱)を回収して、空気53の加熱に利用する。また、第4熱交換器117では、蒸気タービン131から抽気した蒸気の保有熱(顕熱および潜熱)を回収して、空気53の加熱に利用する。
本実施例において前記実施例1と相違する点は、ボイラ121の形式が変圧貫流式ではなく、貫流流動層式とした点である。これに伴って、火力発電プラントは中規模となり、ボイラ121へ石灰石(脱硫剤)を供給する設備が必要となる。しかし、脱硝装置122および脱硫装置126が不要となり、同程度の発電容量で比較した場合、実施例2の方が実施例1よりもトータルでの設備コストを低く抑えることができる。
2:粗粒子、
4:温風供給手段、
5:被飛散粒子捕集手段、
6:原料(原炭)、
8:粉砕機、
17:バスケット、
18:サイクロンセパレータ、
22:駆動プーリ、
23:従動プーリ、
24:微粒子、
25:エプロン、
29:温風吹き出し孔、
35、35a〜35d:ウィンドボックス、
47:微粒子捕集配管、
48:微粒子送り配管、
49:温風、
51:流動化、
53:空気、
55:加熱流体、
56:第1の温度計、
59:温風ダンパ、
60:温風流量計、
61:乾留装置、
71:蒸気、
72:燃焼排ガス、
74:バーナ、
75:乾留灰、
76:タール、
78:乾留ガス、
79:改質灰、
80:成型灰、
103:粉砕機、
105:乾燥コンベア装置、
106:バグフィルタ、
108:乾留装置、
109:タールコーティング装置、
115、116、117:熱交換器、
121:ボイラ、
124:ガスヒータ、
131:蒸気タービン、
132:発電機、
X:搬送部材の搬送方向。
4:温風供給手段、
5:被飛散粒子捕集手段、
6:原料(原炭)、
8:粉砕機、
17:バスケット、
18:サイクロンセパレータ、
22:駆動プーリ、
23:従動プーリ、
24:微粒子、
25:エプロン、
29:温風吹き出し孔、
35、35a〜35d:ウィンドボックス、
47:微粒子捕集配管、
48:微粒子送り配管、
49:温風、
51:流動化、
53:空気、
55:加熱流体、
56:第1の温度計、
59:温風ダンパ、
60:温風流量計、
61:乾留装置、
71:蒸気、
72:燃焼排ガス、
74:バーナ、
75:乾留灰、
76:タール、
78:乾留ガス、
79:改質灰、
80:成型灰、
103:粉砕機、
105:乾燥コンベア装置、
106:バグフィルタ、
108:乾留装置、
109:タールコーティング装置、
115、116、117:熱交換器、
121:ボイラ、
124:ガスヒータ、
131:蒸気タービン、
132:発電機、
X:搬送部材の搬送方向。
Claims (8)
- 原炭を粉砕する粉砕手段と、
その粉砕手段によって粉砕された粉砕炭を下方から吹き上げる乾燥用気体によって流動化しながら乾燥させて、粗粒子と微粒子に分けることができる流動層式乾燥手段と、
その流動層式乾燥手段から取り出された粗粒子の原料炭を加熱して乾留炭と、留出分であるタールを含む混合ガスを生成する乾留手段と、
その乾留手段で生成した乾留炭を冷却する乾留炭冷却手段と、
その乾留炭冷却手段から排出された乾留炭に前記乾留手段で生成した前記混合ガスを接触させることによりタール分を吸着させて改質炭を得るタールコーティング手段と、
前記流動層式乾燥手段から取り出された微粒子の原料炭を捕集してボイラの燃料として送給する微粒子捕集・送給手段を備えたことを特徴とする改質炭の製造装置。 - 請求項1に記載の改質炭の製造装置において、
前記流動層式乾燥手段は、
流動層を通過して上方に出た前記乾燥用気体が当該乾燥手段外に排出するまでの間で前記乾燥用気体の温度を計測する温度計測手段と、
その温度計測手段で計測された前記乾燥用気体の温度に基づいて、前記乾燥用気体の温度を調節する温度調節手段を設けて、
前記温度計測手段で計測される前記乾燥用気体の温度が100℃以下になるように、前記温度調節手段で前記乾燥用気体の温度を予め調節する構成になっていることを特徴とする改質炭の製造装置。 - 請求項2に記載の改質炭の製造装置において、
前記温度計測手段が当該乾燥手段の排気出口付近に設けられて、当該乾燥手段の排気出口付近の温度が100℃以下になるように、前記温度調節手段で前記乾燥用気体の温度を予め調節する構成になっていることを特徴とする改質炭の製造装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の改質炭の製造装置において、
前記流動層式乾燥手段は、
所定の間隔をおいて配置された一組の駆動用軸体と、
その駆動用軸体間に架設されて、前記駆動用軸体周りに周回させて前記粉砕炭を収容して搬送する搬送部材を備え、
その搬送部材が、それの底部に前記乾燥用気体を噴出させる気体噴出部を設けた流動層形成搬送部材であって、
その移動する流動層形成搬送部材の下方から、前記乾燥用気体を供給するウィンドボックスを設け、
前記流動層形成搬送部材が前記ウィンドボックスの上を通過することにより、前記乾燥用気体が前記気体噴出部から前記流動層形成搬送部材内に噴出して、前記粉砕炭の流動層を形成しながら当該粉砕炭を乾燥させる構成になっていることを特徴とする改質炭の製造装置。 - 請求項4に記載の改質炭の製造装置において、
前記ウィンドボックスが前記粉砕炭の搬送方向に沿って複数に分割されて、
各ウィンドボックスに供給する前記乾燥用気体の流量を調節する流量調節手段を設けて、
その流量調節手段により、前記粉砕炭の搬送方向下流側に配置されている下流側ウィンドボックスに供給する前記乾燥用気体の流量が、前記粉砕炭の搬送方向上流側に配置されている上流側ウィンドボックスに供給する前記乾燥用気体の流量よりも少なくなるように調節されることを特徴とする改質炭の製造装置。 - 請求項1に記載の改質炭の製造装置において、
前記乾留炭冷却手段で回収された熱を、前記乾燥用気体を加熱する加熱手段の熱源として用いることを特徴とする改質炭の製造装置。 - 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の改質炭の製造装置と、
その改質炭の製造装置から得られた改質炭ならびに微粒子の原料炭を燃料として燃焼するとともに、生成した燃焼排ガスの熱を回収する排熱回収手段を有するボイラと、
そのボイラで生成した蒸気により駆動する蒸気タービンと、
その蒸気タービンにより駆動する発電機を備え、
前記排熱回収手段によって回収された熱、または(ならびに)前記蒸気タービンを流れる蒸気系統から一部抽気した蒸気を、前記乾燥用気体を加熱する加熱手段の熱源として用いることを特徴とする火力発電プラント。 - 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の改質炭の製造装置と、
その改質炭の製造装置から得られた改質炭ならびに微粒子の原料炭を燃料として燃焼するとともに、生成した燃焼排ガスの熱を回収する排熱回収手段を有するボイラと、
そのボイラで生成した蒸気により駆動する蒸気タービンと、
その蒸気タービンにより駆動する発電機を備え、
前記ボイラまたは(ならびに)前記蒸気タービンを流れる蒸気系統から一部抽気した蒸気を、前記乾留手段における粗粒子の原料炭を加熱する加熱手段の熱源として用いることを特徴とする火力発電プラント。
Priority Applications (1)
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JP2013012287A JP2014141619A (ja) | 2013-01-25 | 2013-01-25 | 改質炭の製造装置およびそれを備えた火力発電プラント |
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JP2013012287A JP2014141619A (ja) | 2013-01-25 | 2013-01-25 | 改質炭の製造装置およびそれを備えた火力発電プラント |
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JP2013012287A Pending JP2014141619A (ja) | 2013-01-25 | 2013-01-25 | 改質炭の製造装置およびそれを備えた火力発電プラント |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110846060A (zh) * | 2019-12-14 | 2020-02-28 | 陕西煤业化工技术研究院有限责任公司 | 一种粉煤热解与焦粉燃烧发电耦合系统及方法 |
CN111219952A (zh) * | 2020-01-15 | 2020-06-02 | 陶立群 | 一种节能可移动的粮食烘干机 |
CN112585403A (zh) * | 2018-11-21 | 2021-03-30 | 三菱动力株式会社 | 粉煤机的粉煤干燥系统及其粉煤干燥方法以及粉煤干燥程序、粉煤机、气化复合发电设备 |
CN113847617A (zh) * | 2021-10-27 | 2021-12-28 | 西安热工研究院有限公司 | 一种带有预干燥功能的给煤装置 |
-
2013
- 2013-01-25 JP JP2013012287A patent/JP2014141619A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112585403A (zh) * | 2018-11-21 | 2021-03-30 | 三菱动力株式会社 | 粉煤机的粉煤干燥系统及其粉煤干燥方法以及粉煤干燥程序、粉煤机、气化复合发电设备 |
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CN111219952B (zh) * | 2020-01-15 | 2021-07-27 | 陶立群 | 一种节能可移动的粮食烘干机 |
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