JP2014141210A - 高速鉄道車両用スノープラウとそれを搭載した高速鉄道車両 - Google Patents

高速鉄道車両用スノープラウとそれを搭載した高速鉄道車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2014141210A
JP2014141210A JP2013011932A JP2013011932A JP2014141210A JP 2014141210 A JP2014141210 A JP 2014141210A JP 2013011932 A JP2013011932 A JP 2013011932A JP 2013011932 A JP2013011932 A JP 2013011932A JP 2014141210 A JP2014141210 A JP 2014141210A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
snow
plow
track
railway vehicle
speed railway
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013011932A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5970383B2 (ja
Inventor
Shinichiro Yoshimura
慎一朗 吉村
Shinya Mashita
伸也 眞下
Ryutaro Kanda
隆太郎 神田
Yasushi Okamoto
育志 岡本
Tomomi Nishino
知己 西野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kinki Sharyo Co Ltd
West Japan Railway Co
Original Assignee
Kinki Sharyo Co Ltd
West Japan Railway Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kinki Sharyo Co Ltd, West Japan Railway Co filed Critical Kinki Sharyo Co Ltd
Priority to JP2013011932A priority Critical patent/JP5970383B2/ja
Publication of JP2014141210A publication Critical patent/JP2014141210A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5970383B2 publication Critical patent/JP5970383B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cleaning Of Streets, Tracks, Or Beaches (AREA)

Abstract

【課題】従来のスノープラウは、積雪の多い区間を高速で走行する際に、排障され飛散する雪の障害が発生するおそれがあった。また、この対策を施した翼フィン付スノープラウでは、フィンが空力騒音の音源となる可能性があった。
【解決手段】高速鉄道車両の先頭下部に設けられ、軌道上の積雪を排除する高速鉄道車両用スノープラウであって、前記軌道の中心線からそれぞれ軌道幅方向の外側後方に向かって延設される一対の側板を有し、前記一対の側板前縁の交差稜線が前記軌道に対して所定のすくい角で傾斜するV字型プラウと、前記V字型プラウ上縁からそれぞれ前記軌道幅方向の外側に向かって連続的に設けられ、上向きに凸の曲面状をなし、前記曲面の頂部稜線が前記V字型プラウ上縁に沿って伸びる押さえ翼と、前記押さえ翼の前記軌道幅方向の外側の側端縁から前記軌道外側に向けて水平に延設された水平部を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、高速鉄道車両の先頭車に装着され、冬季の降雪時に軌道上の積雪を排除するスノープラウに関するものである。
冬季に積雪のある軌道上を走行する場合がある高速鉄道車両は、積雪をかき分け、排除しながら走行しなければならない。このため先頭車両の下部にはスノープラウと呼ばれる排障装置が配設される。たとえば、特許文献1には、V字型のスノープラウが示されている。このV字型スノープラウは、従来使用されている基本的な形状である。
V字型スノープラウは、一対の直線状側板の先端を鋭角状になるように突き合わせ、軌道の中心に突き合わせ部分を車両の進行方向に合わせて配置する。このようにすることで、車両が走行すると、軌道上の積雪をV字型に突き合わされた直線状側板に沿って、軌道の中心から軌道の外へ押し流し、積雪を排除しながら走行することができる。
また、特許文献2には、200系新幹線電車に採用されているスノープラウとして、V字型スノープラウの側板の上縁から軌道幅方向外側に向けて連続的に設けられ、上方に凸の曲面形状をなす押さえ翼を備えたもの(以後「押さえ翼付スノープラウ」と呼ぶ。)が示されている。
押さえ翼付スノープラウは、軌道上の積雪をV字に沿って軌道と平行に両側後方へ押し流すことによって、高速鉄道車両の自力排雪走行を可能とするとともに、側板上縁から延設された湾曲(押さえ翼部分)によって雪が飛散するのを防止するという効果があるとされた。
しかし、この押さえ翼付スノープラウは、車両が積雪中を高速走行すると、排障される積雪が押さえ翼を下から押し上げる力が働くため、上下方向のピッチングモーションが生じてしまうという問題があった。
特許文献2はこの問題を解決するために、押さえ翼付スノープラウに、軌道幅方向に延在する前縁から後方へ向かう上向きのすくい面を有するすくいプレートをさらに付加したスノープラウが開示されている。
また、200系新幹線電車に採用されていた押さえ翼付スノープラウは、車両速度が速い場合に、排障される雪の運動エネルギーが非常に大きくなるので、跳ね上がった雪による障害も問題とされた。すなわち、押さえ翼付スノープラウでは押さえ翼によって雪の飛散が防止されるが、車両の走行速度が早くなると、押さえ翼だけでは雪の跳ね上がりを抑えきれなくなる。高速で跳ね上げられた雪の運動エネルギーは高いので、対向列車や地上機器に飛雪が高速で衝突すると、これらに障害を与えるおそれがあったわけである。さらに、高架の側壁を越えて、線路外の建造物、自動車、通行人にまで飛雪があたるといったおそれもあった。
特許文献3は、この問題を解決するために想到された発明で、押さえ翼付スノープラウに、押さえ翼後縁から連続的に設けられ、外側後方に向かうにつれて下方に向かって傾斜するフィンとをさらに備えるスノープラウ(以後「押さえ翼フィン付スノープラウ」と呼ぶ)が開示されている。
この押さえ翼フィン付スノープラウは、V字側板と押さえ翼によって、車両下方に向かって排雪しながら、V字スノープラウの外側に向かって押し流し、押さえ翼の後縁に設けられたフィンによって軌道外に排雪する。したがって、排除した雪が飛散して対向列車や地上設備に衝突することを回避することができるとされている。
特開2006−327452号公報 特開2010−120555号公報 特開2010−201984号公報
積雪の多い区間を高速で走行するには、排雪抵抗を低くし、排雪時の上下方向の力を低減させることが自力排雪走行には必要である。その点、特許文献1および2(特に特許文献2)に開示されたスノープラウは、有効であると考えられる。しかし、走行速度が速くなった場合には、飛散する雪による障害の問題は非常に重要となる。特に駅を通過する際に、プラットフォームまで雪が跳ね上げられると、乗車待ちの乗客に高速の雪があたり、怪我をするおそれもある。また、雪が高架外に飛び出すと、沿線の家屋に損傷を与え住民の安全を損なうおそれもある。
この点特許文献3は、排障され飛散する雪の障害を低減するという課題を解決する発明を開示してはいる。しかしながら、特許文献3に示される押さえ翼フィン付スノープラウは、フィンが空力騒音の原因となる可能性があった。
本発明に係るスノープラウは、上記の課題に鑑みて想到されたものであり、従来構造と比較して空力騒音を増大させることなく、跳ね上げる雪の高さを低くすることのできるスノープラウを提供するものである。
具体的に本発明に係るスノープラウは、
高速鉄道車両の先頭下部に設けられ、軌道上の積雪を排除する高速鉄道車両用スノープラウであって、
前記軌道の中心線からそれぞれ軌道幅方向の外側後方に向かって延設される一対の側板を有し、前記一対の側板前縁の交差稜線が前記軌道に対して所定のすくい角で傾斜するV字型プラウと、
前記V字型プラウ上縁からそれぞれ前記軌道幅方向の外側に向かって連続的に設けられ、上向きに凸の曲面状をなし、前記曲面の頂部稜線が前記V字型プラウ上縁に沿って伸びる押さえ翼と、
前記押さえ翼の前記軌道幅方向の外側の側端縁から前記軌道外側に向けて水平に延設された水平部を備えることを特徴とする。
本発明に係るスノープラウは押さえ翼付スノープラウであって、押さえ翼の端部から軌道外側に向かう水平部を延設させたので、軌道の外側に向かって、押さえ翼によって押さえつけられながら押し流される雪の上向き方向の運動エネルギーが、水平部を通過している間に消失させられ、横向き方向の力だけに変えられる。したがって、水平面からの飛雪の角度が小さくなり、跳ね上がる雪の高さを低くすることができる。
また、雪の飛散を抑えるためにフィン付とした場合には、突起状のフィンが主流に曝されるため、空力騒音の音源となる可能性があった。しかし本発明に係る水平部の存在によって雪の飛散を抑える方式では、水平部を車体の一部として構成することが可能であるため、突起が主流に曝されることがなく騒音の音源にはならない。
本発明に係るスノープラウの斜視図である。 本発明に係るスノープラウの平面図である。 本発明に係るスノープラウの側面図と正面図である。 図3(a)の断面を示す図である。 本発明に係るスノープラウを実際の車両に組み込んだところを示す図である。 スノープラウの側面図を示す図である。 実施例のプラウの断面を示す図である。 比較例のプラウの断面を示す図である。
以下に本発明に係るスノープラウについて図を用いて説明を行う。なお、以下の説明は、本発明の1実施形態を例示したものであり、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて改変することができる。
図1に本発明に係るスノープラウ1の斜視図を示す。本発明のスノープラウ1は、V字型プラウ10と、押さえ翼21、22と、水平部31、32を含む。なお、以後の説明では、車両進行方向を「前方F」といい、軌道に沿って前方の反対方向を「後方Bk」といい、軌道から鉛直上方方向を「上方U」、鉛直方向で軌道に近づく方向を「下方D」とする。また軌道幅方向で軌道中央から外側方向を「軌道幅方向S」と呼ぶ。また、図中にはそれぞれのアルファベットを付した矢印で表す場合もある。
V字型プラウ10は、一対の側板(主排障板)11、12によって構成されている。一対の側板11、12は、同形であり、三辺がそれぞれ長さの違う鈍角三角形をしている。最も短い辺を「短辺(それぞれ11a、12a)」(図1(b)の拡大図参照。)、最も長い辺を「長辺(それぞれ11c、12c)」、残りの辺を「中辺(それぞれ11b、12b)」と呼ぶ。以後、短辺を前縁、長辺を下縁、中辺を上縁と呼ぶ。
V字型プラウ10は、側板11、12の下縁11c、12cを、軌道と平行な平面上に配置させ、前縁11a、12aを前方F(車両進行方向)に向かって凸状に突き合わせ、一体とすることで、形成されている。前縁11a、12a同士が突き合わされた部分を「突き合わせ部13」と呼ぶ。
図2には図1の平面図を示す。突き合わせ部13では、両側板11、12の前縁11a、12a同士が会合し、交差稜線13Lを形成する。側板11、12同士は、突き合わせ部13から後方Bkに向かうにしたがい、側板11、12同士が軌道幅方向Sに離れるように形成されている。すなわち、突き合わせ部13を挟んで、側板11、12同士は所定の角度で突き合わされている。この角度をひらき角αと呼ぶ。
図3(a)には、図1の側面図を示す。側板11、12同士は鈍角三角形状であるので、前縁11a、12a同士を突き合わせ、下縁11c、12c同士を軌道面9に対して水平に配置し、突き合わせ部13から後方に行くに従い側板11、12同士が広がるように配置すると、交差稜線13Lは、側板11、12の下縁11c、12cから後方かつ上方に向かって立ち上がる。この角度をすくい角βという。これは言い換えると、一対の側板11、12の前縁11a、12aによって形成される交差稜線13Lが軌道面9に対して所定のすくい角βで傾斜していると言える。
また、側板11、12同士の上縁11b、12bは、後方Bkに向かうに従い、下縁11c、12cからの距離が短くなる。すなわち、側板11、12の上縁11b、12bは後方に向かうに従い、下方Dに下がる。
V字型プラウ10は、図3(a)のように側面視した際に、突き合わせ部13の上方先端15から、下縁11c、12cの最後部(「後端16」と呼ぶ)までを全長L0と呼ぶ。この全長L0を4等分し、上方先端15からの全長L0に対する距離がそれぞれ1/4、2/4、3/4になる長さを、L1、L2、L3とする。なお、L1、L2、L3は、長さであるとともに、上方先端15から、それぞれの距離だけ離れた点の位置をもいうものとする。以後スノープラウの形状はL1、L2、L3の位置での断面形状で表す。
図1を再び参照して、両側板11、12の上縁11b、12bには、それぞれ軌道幅方向Sの外側に向かって連続的に設けられ、上向きに凸の曲面状をなし、曲面の頂部稜線21t、22tが上縁11b、12bに沿って伸びる押さえ翼21、22が設けられている。この押さえ翼21、22の下方Dを向く面(以後「内面21f、22f」という。図1(b)参照。)は、側板11、12の上縁11b、12bとスムーズに接続されている。押さえ翼21、22が上縁11b、12bと接続している側の端部を基翼端21b、22bとよぶ。
図4(a)、(b)、(c)には、図3(a)のA−A、B−B、C−Cの断面図を示す。図3(a)のA−A、B−B、C−Cは、突き合わせ部13の上方先端15から後方Bkに向かって距離L1、L2、L3だけ離れた部分の断面である。押さえ翼21、22は、上向きに凸の曲面状をしているので、側板11、12の上縁11b、12bと接続していない押さえ翼21、22の側端縁21s、22sは、軌道幅方向外側かつ下方に向かっている。押さえ翼21、22の側端縁21s、22sが軌道面9となす角度をおさえ角δと呼ぶ。
図3(a)を再度参照して、押さえ翼21の曲面の頂部稜線21tは、接続している側板11の上縁11bに沿い、かつ平行に形成される。なお、ここで図3(a)では見えている側の側板11についてだけで説明するが、隠れている側の側板12についても同様であるのは言うまでもない。側板11の上縁11bは、交差稜線13Lから後方Bkに向かうに従い、下方Dに傾斜しているので、押さえ翼21の曲面の頂部稜線21tも、後方Bkに行くに従い軌道面9からの高さは低くなる。
押さえ翼21の頂部稜線21tは、側板11の上縁11bと平行に形成されているが、押さえ翼21を形成する曲面は車両進行方向の断面で一定若しくは相似形でなくてもよい。図4を再度参照するとわかるように、図4(a)、(b)、(c)では、押さえ翼21、22の内面21f、22fの曲面形状は、後方Bkに行くに従い(図4(a)から(c))曲面部分が小さくなるだけでなく、形状も変わっている。
ただし、側板11、12から連続的に形成されている部分(内面21f、22fであって、上縁11b、12bの近傍)は、場所によらず、同じ半径の円弧で構成されている。この点、押さえ翼21、22は、側板11、12の上縁11b、12bから、同一円筒の側面形状で連続的に形成されていると言ってもよい。
再度図1を参照して、押さえ翼21、22の側端縁21s、22sからは、水平部31、32が延設されている。水平部31、32は、軌道面9に垂直な面でスノープラウ1を切った時に、断面が軌道面9(図4(a)参照。)と平行になるように形成されている。水平部31、32の基端31b、32bは、押さえ翼21、22の側端縁21s、22sと連結されており、一体となっている。また、水平部31、32の外端31c、32cは、軌道幅方向Sに向かって水平に延設されている。また、水平部31、32の基端31b、32bから外端31c、32cを水平部31、32の幅31w、32wと呼ぶ。
図4を再度参照すると、突き合わせ部13の上方先端15からの距離が離れるに従い(図4(a)から(c))、水平部31、32の下縁11c、12cからの高さh1、h2が低くなる。また、水平部31、32の幅31w、32wも、突き合わせ部13の上方先端15からの距離が離れるに従い(図4(a)から(c))、幅が狭くなる。
図5には、車両の先端形状も含めた本発明に係るスノープラウ1の斜視図を示す。これは、車両の進行方向正面から見て右斜め下方向から見た斜視図である。ここでは、前頭オオイ40に続く、車両本体前下部に水平部31、32と押さえ翼21、22が形成され、押さえ翼21、22の基翼端21b、22bが側板11、12の上縁11b、12bと連続的になるように連結されている。
また、側板11、12によってV字型プラウ10が形成されている。なお、側板11、12の突き合わせ部13の近傍では、車両の先端形状に合わせるように、水平部31、32の幅31wx、32wxが狭くなってもよい。なお、前頭オオイ40の形状は特に限定されるものではない。
次に本発明のスノープラウ1の効果について説明する。図3(b)には、本発明に係るスノープラウ1の正面図を示す。図3(b)を参照して、軌道面9に積もった雪は、スノープラウ1が前方Fに移動すると、交差稜線13Lを境にして、側板11、12に沿って後方Bkかつ上方Uに向かって押し流される。この時積雪は、傾斜した側板11、12を上縁11b、12bに向かって駆け上がり、押さえ翼21、22の内面21f、22fに沿いながら下方に向かう(符号18)。
側板11、12と押さえ翼21、22で囲まれた空間(図4(b)の符号28参照)からあふれた雪は、水平部31、32へ押し出される。そして水平部31、32から軌道外側に放出される。この時、軌道面9と水平部31、32の間の空間(図4(b)の符号29参照)は、軌道面9と平行な方向に向いているので、あふれた雪は、大部分が軌道面9と平行な方向に向かって放出される。
より詳細には、次のように考えられる。水平部31、32を設けたことにより、スノープラウ1の容積が増大するため、雪が溢れだしにくくなる。図8に示す水平部のない比較例では、押さえ翼(21)22から雪が溢れだす場合は、雪が内面(21f)22fの円筒面に沿って送り出される。この雪が押さえ翼(21)22の側端縁(21s)22sから開放された空間に排出されると、雪が拡散するという現象が起こる。
このため、押さえ翼(21)22の側端縁(21s)22sの接線方向は斜め下向き(図4(a)参照。)に設けられる。しかし、その方向に雪が押し出されても、排出される際に拡散するため斜め上方に跳ね上げられる雪が存在する。ここで、図3(b)を参照して、スノープラウ1の正面視において、斜め上方に跳ね上げられる雪が、水平方向となす角度のうち最も大きな角度を跳ね上げ角度ψとする。一方、図7に示す実施例のように押さえ翼(21)22の側端縁(21s)22sに水平部(31)32を設けると、拡散し斜め上方に跳ね上げられようとした雪は水平部(31)32に衝突し、この間に面に対して垂直な方向の運動エネルギ(押し付けられる力)は減衰する。したがって、雪が排出される際には、ほぼ水平な方向に向かって放出される。
したがって、車両が高速走行して、スノープラウ1が軌道上の積雪を巻き上げても、その跳ね上げ角度ψを低く抑えることができる。また、このスノープラウ1を取り付けた鉄道車両は、積雪のある軌道上を高速で走行しても、飛雪は高く跳ね上げられることがない。
図6にスノープラウ56の1例の側面図を示す。モデルスノープラウ56は実車の前頭オオイの一部に相当する前頭オオイ40が形成されている。V字型プラウ10の前方先端15から、左右の後端16までの長さを全長L0とし、全長L0の4分の1の位置までの長さをL1、4分の2の長さをL2、4分の3の長さをL3とするのはすでに説明した通りである。このL1、L2、L3の距離の位置での断面形状で、実施例および比較例のスノープラウ56の形状を説明する。
図7には実施例のスノープラウ56を示す。なお、図7(a)〜(c)の各図は、軌道中心から左半分だけの断面図を示す。また、図7(a)は、図6で距離L1での断面であり、図7(b)は、距離L2での断面、図7(c)は、距離L3での断面をそれぞれ示す。なお、以下図8もこの表示方法およびこの順番で断面を示す。
図7に示す実施例は、図4で示したスノープラウ1と同じスノープラウ56である。実施例のスノープラウ56は、側板12に連続して形成された押さえ翼22と、押さえ翼22の側端縁22sから延設された大きな水平部32を有しているのが特徴である。
図8に示す比較例は、押さえ翼22だけを有するスノープラウ57である。つまり、比較例は水平部を有していない。
図7を再度参照して、水平部32の長さをスノープラウ56のL3の位置におけるV字型プラウ10の幅の半分で規格化した値(規格化幅SWとする。)で示す。この位置に注目するのは、雪の跳ね上げは、スノープラウの後方Bk側での水平部32の影響が大きいと考えられるからである。
このL3の位置におけるV字型プラウ10の幅の半分とは、図7(c)で示すと、W3の長さである。すなわち、水平部32の規格化幅SWとは、32w/W3で表される。なお、符号32wとは、水平部32の幅である。(図4参照)。本発明に係るスノープラウはSWが0.2以上あればよい。
また、水平部32の高さh2は、走行が想定される最大積雪深さ(「排雪深」とする)に対し、スノープラウ56が搭載される車両が、仮に車両の空気バネの異常などで、車高が低くなっても積雪上面と干渉しない高さに設定するのが望ましい。そもそも水平部32が埋まってしまうほどの積雪ならば、車両は走行できないからである。
以上のようにスノープラウ56を装着した鉄道車両は、積雪状態の軌道上を高速で走行しても、軌道周囲の機器やすれ違う対向電車に損傷を与えるおそれが少なく、プラットフォーム上の利用客に雪を飛ばすおそれも小さい。また、スノープラウ56を装着した場合、飛雪の跳ね上げられる角度が低いので、雪が高架外に飛び出し、沿線の家屋に損傷を与え住民の安全を損なうおそれも小さい。
本発明は積雪のある箇所を有する高速鉄道車両のスノープラウとして、好適に利用することができる。
1 スノープラウ
9 軌道面
10 V字型プラウ
11、12 側板(主排障板)
11a、12a 前縁(短辺)
11b、12b 上縁(中辺)
11c、12c 下縁(長辺)
13 突き合わせ部
13L 交差稜線
14 下方先端
15 上方先端
16 後端
18 雪の流れ
21、22 押さえ翼
21b、22b 基翼端
21f、22f 内面
21s、22s 側端縁
21t、22t (曲面の)頂部稜線
28 (側板と押さえ翼で囲まれた)空間
29 (軌道面と水平部の間の)空間
31、32 水平部
31b、32b 基端
31c、32c 外端
31w、32w (水平部の)幅
39 傾斜部
40 前頭オオイ
L0 スノープラウの全長
L1、L2、L3 (L0に対して)1/4、2/4、3/4の位置または長さ
SW 規格化幅
α ひらき角
β すくい角
δ おさえ角
ψ 跳ね上げ角度

Claims (3)

  1. 高速鉄道車両の先頭下部に設けられ、軌道上の積雪を排除する高速鉄道車両用スノープラウであって、
    前記軌道の中心線からそれぞれ軌道幅方向の外側後方に向かって延設される一対の側板を有し、前記一対の側板前縁の交差稜線が前記軌道に対して所定のすくい角で傾斜するV字型プラウと、
    前記V字型プラウ上縁からそれぞれ前記軌道幅方向の外側に向かって連続的に設けられ、上向きに凸の曲面状をなし、前記曲面の頂部稜線が前記V字型プラウ上縁に沿って伸びる押さえ翼と、
    前記押さえ翼の前記軌道幅方向の外側の側端縁から前記軌道外側に向けて水平に延設された水平部を備えることを特徴とする高速鉄道車両用スノープラウ。
  2. 前記V字型プラウの下縁から前記水平部までの高さが、対象とする排雪深に対し、前記V字型プラウを搭載する車両の空気バネ故障などの異常時に、前記水平部が積雪上面と干渉しない高さである請求項1に記載された高速鉄道車両用スノープラウ。
  3. 請求項1または2のいずれかの請求項に記載された高速鉄道車両用スノープラウを搭載した高速鉄道車両。
JP2013011932A 2013-01-25 2013-01-25 高速鉄道車両用スノープラウとそれを搭載した高速鉄道車両 Active JP5970383B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013011932A JP5970383B2 (ja) 2013-01-25 2013-01-25 高速鉄道車両用スノープラウとそれを搭載した高速鉄道車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013011932A JP5970383B2 (ja) 2013-01-25 2013-01-25 高速鉄道車両用スノープラウとそれを搭載した高速鉄道車両

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014141210A true JP2014141210A (ja) 2014-08-07
JP5970383B2 JP5970383B2 (ja) 2016-08-17

Family

ID=51422916

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013011932A Active JP5970383B2 (ja) 2013-01-25 2013-01-25 高速鉄道車両用スノープラウとそれを搭載した高速鉄道車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5970383B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4897209A (ja) * 1972-03-24 1973-12-11
US20070084089A1 (en) * 2005-10-19 2007-04-19 Snowbear Limited Mounting assembly for coupling snowplow or the like to a vehicle
JP2010120555A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Railway Technical Res Inst 高速鉄道車両用スノープラウ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4897209A (ja) * 1972-03-24 1973-12-11
US20070084089A1 (en) * 2005-10-19 2007-04-19 Snowbear Limited Mounting assembly for coupling snowplow or the like to a vehicle
JP2010120555A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Railway Technical Res Inst 高速鉄道車両用スノープラウ

Also Published As

Publication number Publication date
JP5970383B2 (ja) 2016-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9126603B2 (en) Vehicle component having a recess overflowed with air
WO2013099809A1 (ja) 車両用リヤスポイラ装置
JP2014113956A (ja) 車両下部構造
US9963845B2 (en) Rail vehicle comprising snow plow
JP5970383B2 (ja) 高速鉄道車両用スノープラウとそれを搭載した高速鉄道車両
JP5824295B2 (ja) 空力ブレーキを有する鉄道車両
JP6824683B2 (ja) 鉄道車両
JP2009056942A (ja) 移動体の着氷雪抑制構造
CN208306765U (zh) 一种车辆及其防飞溅挡泥装置
JP5328314B2 (ja) 高速鉄道車両用スノープラウ
JP2006273294A (ja) 移動体の風速低減構造
JP5301319B2 (ja) 高速鉄道車両用スノープラウ
JP6779094B2 (ja) 排障器
JP6831761B2 (ja) 騒音低減装置
JP2011168158A (ja) 移動体の気流はく離抑制構造
CN113481926A (zh) 一种铁轨表面冰雪去除装置
KR100721606B1 (ko) 철도차량용 자갈 날림판
JP2009184380A (ja) 車両用スノープラウ
US9889864B2 (en) Railway vehicle and head vehicle barrier-removing device thereof
JP6887316B2 (ja) 鉄道車両の端部フサギ板及び端部フサギ板を有する鉄道車両
JPH0742163Y2 (ja) 列車屋上機器の騒音防止構造
JP2021079838A (ja) 補助排障器
CN2801864Y (zh) 可减振、消音祛除异物的钢轨
JP5315329B2 (ja) 作業装置、作業装置を装着した軌道走行車両
US1491606A (en) Car replacer

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160711

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5970383

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250