JP2014140825A - 廃水処理方法 - Google Patents

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秀司 関
Hiroko Abe
紘子 阿部
Naoki Tajima
直樹 田嶋
Kenji Tsutsumi
剣治 堤
Taro Fukaya
太郎 深谷
Atsushi Yamazaki
厚 山崎
Takahiro Soma
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Abstract

【課題】ろ材を使用して廃水中の懸濁物を捕集して除去する廃水の処理方法において、ろ材を洗浄する際の水回収率を向上させる。
【解決手段】実施形態の廃水処理装置は、ろ過装置内において、非磁性粒子からなる第1の層及び磁性粒子からなる第2の層を順次に形成し、ろ過装置内に懸濁物を含有する廃水を導入して第2の層に通水させ、第2の層において懸濁物を捕集する。次いで、第2の層の上方に配設された磁場印加手段のオン動作及びオフ動作を繰り返すことにより、第2の層を構成する磁性粒子と懸濁物とを混合し、磁性粒子及び懸濁物からなるスラリーを形成し、ろ過装置の、第1の層と磁場印加手段との間に配設された排出口からスラリーをろ過装置外に排出した後、磁性粒子及び懸濁物に分離し、磁性粒子を回収する。
【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、廃水処理方法に関する。
電子部品製造業、機械加工業、食品加工業などの一般産業では、製品製造過程において水洗浄工程を有しており、廃水が発生する。通常、製造過程で発生した廃水は工場内の廃水処理施設に送られて化学的あるいは物理的な処理を行った後、下水として放流されたり、あるいは工場内で再使用されたりするのが一般的である。
例えば、廃水に含まれる懸濁物はフィルタによるろ過処理で捕集・除去されるが(非特許文献1)、懸濁物が難ろ過性の場合には、短時間の処理(=少量の懸濁物捕集)でフィルタのろ過流量が低下したり(定圧ろ過)、ろ過差圧の急増(定流量ろ過)が生じたりして、短期間でのフィルタ交換が必要となり、ランニングコストが増大する。
このような問題に鑑みて、ろ過処理の前段で化学的な処理、例えばポリ硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(+高分子凝集剤)などの凝集剤を添加して元々含有されている懸濁物をろ過・脱水し易い性状に変えた後に、当該懸濁物を脱水機により汚泥として回収する。
懸濁物をろ過する際には、固定床ろ過装置等を用いて行う。この固定床ろ過装置等は、例えばろ材を下側に位置する砂の層と上側に位置するアンスラサイトの層との2層構造として用いるが、このとき懸濁物の大部分は沈降してろ材の表面に透水性の悪いフィルムを形成するため、ろ過流量の低下がたびたび生じる。ろ過流量の低下が生じた際には固定床ろ過装置等の下部から水と空気を導入してろ材と懸濁物とを浮遊させてこれらを剥離し、さらに密度差を利用してろ材よりも軽い懸濁物をろ過装置外に流出させる(逆洗操作)。
例えば、特許文献1では、排水にポリ塩化アルミニウムなどの凝集剤を添加し、さらに永久磁石化させた磁性粒子を添加して凝集剤と磁性粒子が一体化したフロックをつくり、空隙率80%のろ材充填層に下方から水を導入して上方流を形成し、フロックを充填層内で捕集する技術が提案されている。しかしながら、この方法においては逆洗を行うために、捕集した懸濁物をろ材から剥離してろ過装置外に排出するために多量の水を使用することから水回収率が低くなるという課題がある。
特開2002−113470号
本発明は、ろ材を使用して廃水中の懸濁物を捕集して除去する廃水の処理方法において、ろ材を洗浄する際の水回収率を向上させることを目的とする。
実施形態の廃水処理装置は、ろ過装置内において、非磁性粒子からなる第1の層及び磁性粒子からなる第2の層を順次に形成するステップと、前記ろ過装置内に懸濁物を含有する廃水を導入して前記第2の層に通水させ、前記第2の層において前記懸濁物を捕集するステップとを具える。また、前記第2の層の上方に配設された磁場印加手段の印加動作及び解除動作を繰り返すことにより、前記第2の層を構成する前記磁性粒子と前記捕集した懸濁物とを混合し、前記磁性粒子及び前記懸濁物からなるスラリーを形成するステップと、前記ろ過装置の、前記第1の層と前記磁場印加手段との間に配設された排出口から前記スラリーを前記ろ過装置外に排出するステップと、前記ろ過装置外において、前記スラリーを前記磁性粒子及び前記懸濁物に分離し、前記磁性粒子を回収するステップと、を具える。
第1の実施形態における水処理装置の概略構成図である。 第1の実施形態における水処理方法を説明するための図である。 第1の実施形態における水処理方法を説明するための図である。 第1の実施形態における水処理方法を説明するための図である。 第1の実施形態における水処理方法を説明するための図である。 第1の実施形態における水処理方法を説明するための図である。 第2の実施形態における水処理方法を説明するための図である。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態で使用する水処理装置の概略構成図であり、図2〜図6は、本実施形態における水処理方法を説明するための図である。
図1に示すように、本実施形態で使用する水処理装置10は、ろ過装置11と、ろ過装置の上流側に配設された磁性粒子貯留槽13と、ろ過装置11の下流側に配設された磁気分離槽14と、この磁気分離槽14の下流側に配設された脱水槽15とを有している。
ろ過装置11の底部には図示しない保持網が配設されており、以下に説明する水処理方法においてろ過装置11内に導入する非磁性粒子を保持し、これら非磁性粒子の集合体からなる層(第1の層)を形成するように構成されている。また、ろ過装置11の中央部近傍には、磁場印加手段としての電磁石12が、ろ過装置11の長さ方向と垂直に配設されている。さらに、ろ過装置11の下部には圧力計111が配設されており、ろ過装置11の下方に連結された配管24には流量計112が配設され、以下に説明するように、ろ過装置11におけるろ過の状態を適宜モニタリングできるようになっている。
なお、ろ過装置11の上部には、磁性粒子x及び被処理水W1導入するための導入口11Aが形成されており、オーバーフローした被処理水W1を外部に放出するための排出口11Bが形成されている。また、ろ過装置11の中央部には、以下に説明するように、スラリーSUを外部に排出するための排出口11Cが形成されている。
磁気分離槽14内には、磁気分離槽14内に導入されたスラリーSUの量を計測するための液位計141が配設されており、また、電磁石等を含む磁気分離装置142が配設されている。磁気分離槽14は、以下に説明するように、ろ過装置11より取り出されたスラリーSUから磁気粒子xと懸濁物とに分離するためのものであるが、磁気分離槽14の代わりに沈降槽や遠心分離機等を用いることもできる。但し、磁気粒子x及び懸濁物をより簡易かつ廉価に分離することができ、かつ分離効率にも優れることから、本実施形態では、磁気分離槽14を用いている。
また、磁気分離槽14では、後に説明する洗浄液とスラリーSUとを撹拌混合して、磁気粒子xと懸濁物との分離を促進させるために図示しない攪拌機を設けることもできる。
脱水機15はプレスフィルター等汎用のものから構成することができる。
ろ過装置11及び磁性粒子貯留槽13は配管21及び22を介して接続されており、各配管にはバルブ31及び32が配設されている。なお、ろ過装置11には以下に説明するように、配管23及び22を介して被処理水W1が供給され、配管23にはバルブ33が配設されている。
ろ過装置11及び磁気分離槽14は配管25を介して接続されており、配管25にはバルブ35が配設されている。磁気分離槽14及び脱水機15は配管26を介して接続されており、配管26にはバルブ36が配設されている。また、磁性粒子貯留槽13及び磁気分離槽14は、以下に説明する磁性粒子還流ラインとして機能する配管27を介して接続されており、配管27にはバルブ37が配設されている。
脱水機15には配管28が接続されている。配管28は、脱水機15で得た水を被処理水W1に向けて還流させ、当該被処理水W1と混合して新たな被処理水W1とするものであるが、以下に説明するように、被処理水W1は、原水を当該被処理水W1として直接配管23に導入することもできるし、磁性粒子貯留槽13内に一時的に貯留した後、配管23に導入することもできる。前者の場合、配管28は配管23に接続されることになり、後者の場合、配管28は磁性粒子貯留槽13に接続されることになる。このため、本実施形態における図面では、上記事情を鑑みて、配管28の先端部を省略して描いている。
なお、ろ過装置11の上流側に別途図示しない被処理水W1の収集タンクを配設し、当該収集タンクからろ過装置11に対して被処理水W1を供給し、配管28を介して収集タンクに還流させるようにすることもできる。
また、特に図示しないが各配管には必要に応じて適宜ポンプを配設することもできる。
次に、本実施形態における水処理方法を図2〜図6を参照しながら説明する。
図2に示すように、最初にろ過装置11内に非磁性粒子を導入し、当該非磁性粒子からなる第1の層S1を形成する。非磁性粒子としては、ろ材砂、けい砂、活性炭、軽石等汎用のものから構成する。
次いで、磁性粒子貯留槽13より、バルブ31及び32を開とすることにより、配管21及び22並びにろ過装置11の導入口11Aを介してろ過装置11内に磁性粒子xを導入し、第1の層S1上に第2の層S2を形成する。
磁性粒子は、本実施形態の水処理方法において使用できるものであれば特に限定されないが、一般式AFe(A:Mn,Co,Ni,Cu,Zn,Fe等)で表わされる組成を有するスピネルフェライトから構成される粒子であることが好ましく、特にA=Feである一般式Feで表わされるマグネタイトであることが好ましい。これらの磁性粒子は、安価であるだけでなく、水中での安定性に優れるので、水処理に対して好ましく用いることができる。
マグネタイト粒子等、上記スピネルフェライト粒子は、球状、多面体、不定形など種々の形状を取り得るが特に限定されない。望ましい形状は、製造コストなどを鑑みて適宜選択すればよく、特に球状または角が丸い多面体構造が好ましい。
本実施形態では、第2の層S2が被処理水W1のろ材として機能し、第1の層S1は第2の層S2の支持体として機能するとともに、被処理水W1のろ材として機能せず、当該被処理水W1を単に通過させる程度の空隙が形成されていればよい。したがって、第2の層S2を構成する磁性粒子の平均粒子径は例えば1μm〜1000μmとすることができ、第2の層S1を構成するろ材砂等の非磁性粒子の平均粒子径は例えば1μm〜1000μmとすることができる。
平均粒子径は、レーザー回折法により測定することができ、具体的には、株式会社島津製作所製のSALD−3100型測定装置(商品名)などにより測定することができる。
なお、特に限定されないが、第2の層S2の厚さは、例えば10mm〜100mmとすることができる。また、第1の層S1の厚さは、ろ過装置11の大きさに依存して決定されるが、以下に説明するように、形成されたスラリーSUが排出口11Cよりろ過装置11の外部に速やかに排出することができるように、第1の層S1の表面が排出口11Cの直下に位置し、排出口11Cが第1の層S1及び電磁石12間に位置するような厚さとする。
次いで、図3に示すように、バルブ31を閉とし、バルブ33及び32を開とすることにより、被処理水W1を導入口11Aからろ過装置11内に導入し、第2の層S2を通水させることにより、被処理水W1に含まれる懸濁物を第2の層S2で捕集する。なお、被処理水W1の導入量がろ過装置11の容積を上回る場合は、排出口11Bより適宜外部に排出され、配管23に戻されて再度ろ過装置11内に供給される。
また、本実施形態にける懸濁物とは、アオコ、セリナイト、その他微生物等の有機物を含む汚泥成分やアルミナ、水酸化鉄などの無機物を含む汚泥成分を挙げることができる。
被処理水W1に含まれる懸濁物が第2の層S2で捕集された後は、ろ過水(処理水)W2として第1の層S1を通過し、ろ過装置11の下部に配設された配管24(バルブ34開)を介して外部に放出される。
被処理水W1に含まれる懸濁物は主として第2の層S2の表層部分で捕集されるので、図3に示すような操作を所定時間行うと、第2の層S2の表層部分に懸濁物の膜が形成されるようになり、第2の層S2に対する被処理水W1の通水量が減少するようになる。被処理水W1の通水量の減少は、ろ過装置11の下部に配設した圧力計111による、ろ過装置11内に貯留される被処理水W1の量が増大することによる圧力上昇、及び配管24に配設した流量計112におけるろ過水(処理水)W2の流量の低下においてモニタリングすることができる。
したがって、ろ過装置11の通水量が減少してきた場合は、ろ過装置11の導入口11A及び排出口11B,11Cを閉じた状態で、電磁石12のオンオフを繰り返す。このとき、図4に示すように、電磁石12がオン状態のときは、第2の層S2を構成する磁性粒子xが電磁石12に引き寄せられ、電磁石12がオフ状態のときは、電磁石12より解放させるようになるので、磁性粒子xと捕集された懸濁物、例えば汚泥とが混合され、図5に示すようなスラリーSUを形成し、当該スラリーSUは電磁石12に吸引され、固定される。
なお、上述したスラリーSUを形成する際には、第2の層S2の厚さを上述のような範囲に設定した場合、電磁石12から第2の層S2の磁性粒子xに印加される磁場の強度が例えば10kA/m〜1000kA/mとなるように、第2の層S2と電磁石12との距離を調整したり、電磁石12に流す電流を調整したりする。
その後、電磁石12をオフとすることにより、電磁石12に固定されていたスラリーSUは、排出口11Cを介してろ過装置11外に排出される。排出されたスラリーSUは、配管25を介して(バルブ35開)磁気分離槽14に移送される。
磁気分離槽14では、磁気分離装置142を駆動させて、スラリーSUを磁気分離装置142に固定させた状態において、図示しない洗浄水供給ラインより、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、ヘキサン、アセトンなどの有機溶剤や、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などの洗浄液を供給し、磁性粒子xに付着した懸濁物を洗浄する。このとき、図示しない攪拌機を駆動させることによって、スラリーSUには洗浄液によるせん断力が作用するようになるので、スラリーSUからの懸濁物除去を効率的に行うことができる。
なお、磁気分離槽14では、液位計141により当該磁気分離槽14内に移送されるスラリーSUの量が磁気分離槽14の容積を超えないようにモニタリングする。
次いで、磁気分離槽14で分離された懸濁物は、バルブ36を開とし配管26を介して脱水機15に移送され、当該脱水機15で水分除去された後、固形物SSは脱水機15の下部より排出され、埋設処理や所定の後処理に供される。一方、除去された水分W3は配管28を介して被処理水W1と混合され、新たな被処理水W1として再度上述した処理に供され、水分W3中に残留する微細な懸濁物を除去する。
なお、上述したように、被処理水W1が原水として直接配管23から供給される、あるいは貯留槽を介して配管23から供給される等の、被処理水W1のろ過装置11への導入方法の相違に基づき、水分W3は、配管28を介して配管23に移送され、あるいは配管28を介して貯留槽へ移送される。
また、磁気分離槽14で分離された磁性粒子xは、バルブ37を開とすることにより配管27を介して磁性粒子貯留槽13に送られ、上述した処理に再利用される。
本実施形態の水処理方法によれば、ろ材として機能する磁性粒子xを第2の層S2で捕集した懸濁物が含有する水のみを用いてスラリー化し、当該スラリーSUを磁気分離槽14で磁性粒子xと懸濁物とに分離して、洗浄するようにしている。すなわち、ろ過装置内に保有する原水のみを用いてスラリー化およびスラリーの外部排出を行うので、従来のように、ろ過装置の下部から水を供給して逆洗する場合に比較して水回収率が極めて高くなる。
(第2の実施形態)
図7は、本実施形態における水処理方法を説明するための図である。なお、本実施形態で使用する水処理装置の概略構成は、第1の実施形態の、図1に示す水処理装置と同一であるので、記載及び説明を省略する。また、図2〜図6に示す構成要素と同一あるいは類似の構成要素に関しては同一の参照数字を用いている。
図7に示すように、第1の実施形態と同様に、ろ過装置11内に非磁性粒子を導入し、当該非磁性粒子からなる第1の層S1を形成する。非磁性粒子としては、ろ材砂、けい砂、活性炭、軽石等汎用のものから構成する。
次いで、バルブ31を開とし、バルブ33を開とすることにより、磁性粒子貯留槽13からの磁性粒子xと被処理水W1とを配管21及び23を介して混合し、被処理水W1中の懸濁物の少なくとも一部を磁性粒子xの表面に吸着、あるいは磁性粒子x間で挟持した状態で、バルブ32を開とすることにより、配管22及びろ過装置11の導入口11Aを介して、ろ過装置11内に懸濁物を含む磁性粒子xを導入し、第1の層S1上に第2の層S3を形成する。
磁性粒子は、第1の実施形態と同様に、一般式AFe(A:Mn,Co,Ni,Cu,Zn,Fe等)で表わされる組成を有するスピネルフェライトから構成される粒子であることが好ましい。
本実施形態でも、第2の層S3が被処理水W1のろ材として機能し、第1の層S1は第2の層S3の支持体として機能するとともに、被処理水W1のろ材として機能せず、当該被処理水W1を単に通過させる程度の空隙が形成されていればよい。したがって、第2の層S3を構成する磁性粒子の平均粒子径及び第2の層S1を構成するろ材砂等の非磁性粒子の平均粒子径は第1の実施形態と同様に決定する。
なお、第2の層S3の厚さは、例えば10mm〜100mmとすることができる。また、第1の層S1の厚さは、ろ過装置11の大きさに依存して決定され、上述したように、形成されたスラリーSUが排出口11Cよりろ過装置11の外部に速やかに排出することができるように、第1の層S1の表面が排出口11Cの直下に位置し、排出口11Cが第1の層S1及び電磁石12間に位置するような厚さとする。
本実施形態では、上述したように、被処理水W1及び懸濁物を含む磁性粒子xを同時にろ過装置11内に導入するため、第2の層S3の形成と、当該第2の層S3によるろ過とは同時に行われることになる。また、第2の層S3が形成された後は、バルブ31を閉として被処理水W1のみをろ過装置11内に導入するので、第1の実施形態と同様に、被処理水W1に含まれる懸濁物は第2の層S3で捕集されるようになる。懸濁物が第2の層S3で捕集された後、被処理水W1はろ過水(処理水)W2として第1の層S1を通過し、ろ過装置11の下部に配設された配管24(バルブ34開)を介して外部に放出される。
その後、第2の層S3の表層部分に懸濁物の膜が形成されるようになり、第2の層S3、すなわちろ過装置11における被処理水W1の通水量が減少した場合は、ろ過装置11の導入口11A及び排出口11B,11Cを閉じた状態で、電磁石12のオンオフを繰り返す。すると、第1の実施形態における図4で説明したように、電磁石12がオン状態のときは、第2の層S2を構成する磁性粒子xが電磁石12に引き寄せられ、電磁石12がオフ状態のときは、電磁石12より解放させるようになるので、磁性粒子xと捕集された懸濁物、例えば汚泥とが混合され、図5に示すようなスラリーSUを形成し、当該スラリーSUは電磁石12に吸引され、固定される。
その後、電磁石12をオフとすることにより、第1の実施形態における図6に示すように、電磁石12に固定されていたスラリーSUは、排出口11Cを介してろ過装置11外に排出される。排出されたスラリーSUは、配管25を介して(バルブ35開)磁気分離槽14に移送される。磁気分離槽14では、第1の実施形態の場合と同様に、磁気分離装置142を駆動させて洗浄し、スラリーSUを磁性粒子x及び懸濁物に分離し、分離された懸濁物は、脱水機15に移送され、当該脱水機15で水分除去された後、固形物SSとして脱水機15の下部より排出され、埋設処理や所定の後処理に供される。一方、除去された水分W3は配管28を介して被処理水W1と混合され、新たな被処理水W1として再度上述した処理に供され、水分W3中に残留する微細な懸濁物を除去する。
また、磁気分離槽14で分離された磁性粒子xは、バルブ37を開とすることにより配管27を介して磁性粒子貯留槽13に送られ、上述した処理に再利用される。
なお、その他の条件及び特徴については第1の実施形態で説明した場合と同様であるので、説明を省略する。
本実施形態の水処理方法においても、ろ材として機能する磁性粒子xを第2の層S2で捕集した懸濁物が含有する水のみを用いてスラリー化し、当該スラリーSUを磁気分離槽14で磁性粒子xと懸濁物とに分離して、洗浄するようにしている。すなわち、ろ過装置内に保有する原水のみを用いてスラリー化およびスラリーの外部排出を行うので、従来のように、ろ過装置の下部から水を供給して逆洗する場合に比較して水回収率が極めて高くなる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 水処理装置
11 ろ過装置
12 電磁石(磁場印加手段)
13 磁性粒子貯留槽
14 磁気分離槽
141 液位計
142 磁気分離装置
21〜28 配管
31〜37 バルブ
S1 第1の層
S2,S3 第2の層
W1 被処理水
W2 処理水
W3 水

Claims (4)

  1. ろ過装置内において、非磁性粒子を含む第1の層及び磁性粒子を含む第2の層を順次に形成するステップと、
    前記ろ過装置内に懸濁物を含有する廃水を導入して前記第2の層に通水させ、前記第2の層において前記懸濁物を捕集するステップと、
    前記第2の層の上方に配設された磁場印加手段の印加動作及び解除動作を繰り返すことにより、前記第2の層を構成する前記磁性粒子と前記捕集した懸濁物とを混合し、前記磁性粒子及び前記懸濁物からなるスラリーを形成するステップと、
    前記ろ過装置の、前記第1の層と前記磁場印加手段との間に配設された排出口から前記スラリーを前記ろ過装置外に排出するステップと、
    前記ろ過装置外において、前記スラリーを前記磁性粒子及び前記懸濁物に分離し、前記磁性粒子を回収するステップと、
    を具えることを特徴とする、廃水処理方法。
  2. ろ過装置内において、非磁性粒子からなる第1の層を形成するステップと、
    前記ろ過装置内に懸濁物を含有する廃水及び磁性粒子を導入して、前記第1の層上に前記懸濁物を含む前記磁性粒子からなる第2の層を形成するとともに、前記第2の層に前記廃水を通水させて前記懸濁物を捕集するステップと、
    前記第2の層の上方に配設された磁場印加手段の印加動作及び解除動作を繰り返すことにより、前記第2の層を構成する前記磁性粒子と前記懸濁物とを混合し、前記磁性粒子及び前記懸濁物からなるスラリーを形成するステップと、
    前記ろ過装置の、前記第2の層と前記磁場印加手段との間に配設された排出口から前記スラリーを前記ろ過装置外に排出するステップと、
    前記ろ過装置外において、前記スラリーを前記磁性粒子及び前記懸濁物に分離し、前記磁性粒子を回収するステップと、
    を具えることを特徴とする、廃水処理方法。
  3. 前記磁性粒子は、スピネルフェライト粒子であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の廃水処理方法。
  4. 前記スピネルフェライト粒子は、マグネタイト粒子であることを特徴とする、請求項3に記載の廃水処理方法。
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