JP2010201405A - 濾過装置、並びに濾過装置を用いて、スラリー状物質を脱水する方法、固形物で汚染された水を浄化する方法、重油を脱硫する方法及び使用済みの油を精製する方法 - Google Patents

濾過装置、並びに濾過装置を用いて、スラリー状物質を脱水する方法、固形物で汚染された水を浄化する方法、重油を脱硫する方法及び使用済みの油を精製する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】広範囲にわたる様々な流体中に含まれる0.3μ又はそれ以下の粒度に至るまでの微細な粒度の固形物を濾過できる構造が簡単でコンパクトであり、被処理流体の濾過と濾過部材の洗浄とを自動的に交互に繰り返すことができる濾過装置を提供する。
【解決手段】リング状のフィルターを複数個重ね合わされたフィルターを濾過本体とし、そしてこのリングフィルターの互いに隣合うフィルターの互いに向かい合う面の間を通る被処理流体を濾過する濾過装置であって、この濾過本体を通って排出される処理済の流体が排出される管路と、前記の濾過によって分離された固形物を含む流体を排出するための管路とにそれぞれ設けられた自動的に開閉する電磁弁を交互に操作することによって、処理済の流体が排出される濾過工程と、濾過によって分離された固形物含有流体の排出を伴う濾過本体の洗浄工程とを交互に遂行する。
【選択図】図2

Description

本発明は、濾過装置、並びに濾過装置を用いて、スラリー状物質を脱水する方法、固形物で汚染された水を浄化する方法、重油を脱硫する方法及び使用済みの油を精製する方法に関するものである。
従来、水もしくは油のような流体に懸濁している極く微細な固形物をこれらの流体から分離して、その流体を浄化もしくは精製するか、又はスラリー状物質中に含まれる水を除去してそのスラリー状物質を脱水するために、カーボン製、合成樹脂製又は多孔質セラミック製等の濾過材を利用した高性能の濾過装置が提案されている。
これらの種々の濾過材のうち、セラミックを濾過材とした濾過装置として、例えば、多数の流路(セル)が形成された円柱状のセラミック製フィルタエレメント(濾過要素)を有する濾過装置が、図面の図6及び図7に示されるように、特開2005−270832号公報に提案されている。
この濾過装置20は図7に示されるような多数の流路(セル)21aが形成されたハニカム構造を有する円柱状の多孔質セラミック製フィルタエレメント21が、図6に示されるように、ケーシング22の中に収納された構造を有し、そして被処理流体はそのケーシング22の下方に位置する下部ヘッダ23の開口部24からフィルタエレメント21の縦軸方向に流入し、その被処理流体がフィルタエレメント21の半径方向に流れることによってフィルタエレメント21で濾過され、それによって分離された流体はケーシング22の側壁に形成された開口部25から排出される。
濾過の結果、分離してフィルタエレメント21に付着し、堆積した懸濁物質等をこのフィルタエレメント21から剥離させて除去する逆洗の場合には、ケーシング22のキャップ部26の頂に形成された開口部27が圧縮空気を供給するための供給口として利用される。
特開2005−270832号公報
しかし、従来技術による上記の濾過装置では濾過材となるフィルタエレメントの製作及び取扱が面倒であるばかりでなく、濾過と逆洗との切り換えに手間がかかり、更に、逆洗によってもフィルタエレメントに付着した微細な固形物を十分に除去するのが困難な結果、運転を止めて装置の内部をオーバーホールする必要が頻繁に生じ、したがって十分な濾過性能を維持しながら長期間にわたって濾過処理を継続することはできなかった。
それで、本発明は、粒度が、例えば0.2〜3μmのような微細な固形物を濾過することができ、しかも、製作に格別高度な技術も、また、運転に煩雑で特殊な操作を必要とすることなく、そして、簡単な操作によって濾過材の目詰まりを解消することができ、したがって、濾過材の交換又は再生のためにしばしば運転を中止しないで長時間にわたって運転を継続することができる、比較的簡単な構造を有する濾過装置を提供することを課題としている。
上記の課題は、複数個のリング状のフィルター(以下、リングフィルターと称する。)が重ね合わされ、そしてその隣り合うリングフィルターの互いに向かい合う面が濾過面となって、この向かい合う面の間を通る被処理流体を濾過する濾過装置であって、前記の重ね合わされた複数個のリングフィルターによって構成される濾過本体と、この濾過本体を囲んでその濾過本体の外側周囲に間隙を空けて、この濾過本体を収納するためのハウジングと、前記リングフィルターの内側に管路を介して前記被処理流体を供給する搬送ポンプと、加圧装置を作動させて前記濾過本体の一方の端部と他方の端部との間に圧力をかけるための加圧ポンプと、管路を介して圧縮空気を前記ハウジングと前記濾過本体との間の前記間隙の中に供給するためのコンプレッサーと、前記濾過本体の外側から処理済の流体を排出するための管路に設けられて、この処理済の流体の通過に対して自動的に開閉する電磁弁と、前記被処理流体から分離された固形物を含む流体を前記濾過本体の内側から排出するための管路に設けられて、この固形物を含む流体の通過に対して自動的に開閉する電磁弁とを具えていることを特徴とする、前記濾過装置によって解決される。
本発明によれば、広範囲にわたる様々な流体中に含まれる0.3μm又はそれ以下のような粒度に及ぶような微細な固形物までも濾過できる、構造が簡単でコンパクトであり、また、自動的な制御を利用する簡単な操作によって被処理流体の濾過と濾過要素(濾過部材)、すなわち濾過本体の洗浄とを交互に繰り返すことができ、それにより、運転を止めて濾過要素の交換もしくは再生、又は濾過装置のオーバーホールのような作業を長期間にわたって省くことができ、その結果、メンテナンスが楽で、長期間にわたり運転を継続できる、濾過性能及び作業能率に優れた濾過装置、及び、この濾過装置を用いた、例えば、水の浄化方法、スラリー状物資の脱水方法、重油の脱硫方法及び切削工程で使用された切削油の精製方法のような固体と液体とを分離するための様々な方法が提供される。
本発明による濾過装置で用いられるリングフィルターの一例を示す斜視図 本発明による濾過装置の一例の主要部を模式的に示す側面図 本発明による濾過装置のリングフィルターの両端に圧力がかけられる態様の一例を示す縦断側面図 本発明の濾過装置による逆洗工程中に流体が流れる状態を示す縦断側面図 本発明の濾過装置による濾過工程中に流体が流れる状態を示す縦断側面図 先行技術による濾過装置の一例を模式的に示す縦断側面図 上記の先行技術による濾過装置で用いられるフィルタエレメントの一例を模式的に示す斜視図
本発明が対象としている被処理流体は、微細な固形物を懸濁状態で含む水性流体及び油性の流体を包含する広範囲にわたる様々な流体であって、その水性流体としては典型的には懸濁した微細な固形物で汚染されている水及び汚泥のようなスラリー状物質が挙げられ、また、油性の流体としては典型的には重油及び使用済みの油が挙げられる。
本発明の濾過装置で使われるリングフィルターは、例えば図1の斜視図で符号2によって示されるような環状を呈しており、一般に、その内径2dが100〜300mm、幅2wが8〜20mm、そして高さ2hが3〜20mmのものが使われるが、リングフィルターの寸法は勿論これに限られることはなく、また、複数個のリングフィルターの高さは必ずしも互いに同一でなくてもよいが、一般にその複数個のリングフィルターの高さは同一であるのが、したがって、複数個のリングフィルターは全て同一形状及び同一寸法であるのが、通常好ましい。
図1には、環状の、すなわち円い形状のリングフィルターが示されているが、このリングフィルターは、本発明の基本的な技術思想から見て、円い形状に限られることなく、例えば楕円又は多角形であっても、また、その他の適当な形状であってもよく、本発明におけるリングフィルターは、これらの形状のものも包含しているものと解釈すべきであるが、図1に示されるような円い形状であるものが一般に好ましく用いられる。
上記のリングフィルターは複数個重ね合わされて用いられ、その重ね合わされた複数個のリングフィルターで互いに隣り合うリングフィルターどうしの向かい合う面2fが濾過面となって、その向かい合う面2fと2fとの間を通る被処理流体がこの濾過面によって、すなわち、複数個のリングフィルターによって濾過される。
このリングフィルターの材料としては、一般にステンレス鋼、または圧縮強度及び引っ張り強度の大きいプラスチック、例えばナイロン66のようなナイロンが適しており、特にステンレス鋼が好ましく用いられる。
一般に圧延によって製造されたステンレス鋼板の表面は通常0.2〜2μmの仕上げ精度となっていて、その表面には微細な凹凸が形成されているので、このステンレス鋼板から、例えば環状の部材を打ち抜けば、この部材はその仕上げ精度に見合った粒度の固形物を濾過するリングフィルターとすることができる。
表面が上記のような仕上げ精度になっているステンレス鋼板では、一般に0.3〜4μm程度又はそれを超える粒度の固形物を濾過することができるが、この0.3〜4μmの大きさを境とする固形物を濾過によって分離する代わりに、別の大きさを境とする固形物の濾過を意図する場合には、ステンレス鋼板から例えば環状の部材、すなわちリングフィルターを打ち出す前に、このステンレス鋼板の表裏両面又はそのいずれかの面にパフ研磨などの研磨を施すことによって、すなわち、ステンレス鋼板の表裏両面又はそのいずれかの面の仕上げ精度を上げることによって、濾過によって分離する固形物の前記境界値を適宜変えることこともできる。
図2は本発明による濾過装置の一例の要点を模式的に示す側面図であって、この濾過装置1においては、図1に示されるような前記のリングフィルター2が複数個重ね合わされて、濾過本体3が形成さされている。これらのリングフィルター2を重ね合わせる数が多過ぎると、濾過本体3にかける圧力を大きくする必要があり、一方、その数が少な過ぎると、処理量が少なくなるので、この重ね合わせる数は一般に100〜250個程度が適当であるが、勿論この範囲外の数とすることもできる。
上記の濾過本体3はハウジング4の中に、そのハウジング4との間に所定の間隙aを空け、かつ、この濾過本体3の上面及び底面がそれぞれハウジング4中で、それの上下両端部4a,4b、又はこの両端部4a,4bのいずれか一方又は双方とリングフィルターとの間に介在する翁圧部材(図2では図示せず)によって押さえ込まれるように、収納されている。
一方、被処理流体の貯槽5からこの被処理流体Fを前記濾過本体3の内側bに管路6を通して供給するための搬送ポンプ7、及び濾過本体3の外側周囲に形成されている前記の間隙aの中に管路8を通して圧縮空気を供給するためのコンプレッサー9が、濾過装置1に設けられている。
前記ハウジング4の中に収納されている濾過本体3の上端部と下端部との間に圧力をかけるために加圧装置11、加圧ポンプ12及びこれらの加圧装置と加圧ポンプとの間を連絡する管路10が設けられている。
加圧ポンプ12は、管路10及び加圧装置11を介して濾過本体3の上端部と下端部との間に圧力をかけることによって、互いに隣り合うリングフィルター2の濾過面2fと2fとの間の接触圧力、したがって濾過面2fと2fとの間の間隙の大きさが調節され、それによって所望の大きさまでの固形物を分離するための濾過を達成することができる。
このように互いに向かい合う濾過面2fと2fとの間の間隙の大きさを調節するに当たっては、例えば、3〜10μmの間隙を空けてリングフィルター2が重なり合っている濾過本体3に対しては一般に、例えば40kg/cm前後の圧力をかけるのが適当である。
上記の加圧装置としては、例えば油圧シリンダー及び水圧シリンダーを用いることができ、また、加圧ポンプとしては、例えば油圧ポンプ、水圧ポンプ及び空圧ポンプを使用することができる。
ここで、上記のように濾過本体3の上端部と下端部との間に圧力をかけるための態様は、具体的には、例えば、図3の縦断側面図によって示されており、この図3は、濾過本体3の上端部と下端部との間に圧力をかけるための仕組みを示すことを目的としているので、その仕組みに直接関係していない部分の表現は省かれている。
加圧装置11は棒状の連結部材11aを介して円盤状の押圧部材11bと結合しており、被処理流体を搬送するための管路6の先端部は、オーリングのような密封部材(図示せず)を介して押圧部材11bに装着されている。
また、濾過装置1には、濾過本体3の外側aに流出した処理済の流体、すなわち、濾過によって分離された流体を濾過本体3の前記外側aから排出するための管路13の途中に電磁弁14が、そして前記被処理流体Fから分離された固形物を含む流体を濾過本体3の内側bから排出するための管路15の途中に電磁弁16が、それぞれ設けられており、そしてこれらの電磁弁14及び16は、それぞれ前記の処理済の流体の排出、及び被処理流体Fから分離された固形物を含む前記の流体の排出を自動制御するための開閉弁であって、この自動制御はこれらの流体の圧力を検知する圧力センサーもしくはハウジング4内に流入する被処理流体Fの供給量について監視するタイマー、又はこの両者の指示に応じて作動する。
このように構成される濾過装置1によれば、被処理流体Fは次のような操作によって濾過され、そしてリングフィルター2は次のような操作によって洗浄される。
例えば、15〜30kg/cmの範囲の圧力で作動する加圧ポンプ12で濾過本体3にかける圧力を予め、例えば18kg/cmにセッティングしておいて、この加圧ポンプ12の作動圧力範囲とほほ同じ15〜30kg/cmの範囲の圧力で作動する搬送ポンプ7によって被処理流体Fを濾過本体3の内側bに15kg/cmの内部圧力で供給している間に被処理流体Fは濾過本体3のリングフィルター2で濾過され、そしてその濾過された流体は管路13を通ってハウジング4の外に排出される。このような濾過工程中に流体が流れる状態を縦断側面図で示すと、図4のような矢印のようになる。
その後、被処理流体Fから分離した固形物によってリングフィルター2の濾過面の間の空隙で次第に目詰まりを起こすことによって、搬送ポンプ7の前記内部圧力が前記のセッティング圧力の18kg/cmに達したとき搬送ポンプ7の運転が止まって電磁弁14が閉じ、それによって処理済の流体の排出が止まり、リングフィルター2による濾過工程は終了する。
上記のように電磁弁14が閉じるのに応じて、コンプレッサー9が作動することによって圧縮空気が濾過本体3とハウジング4との間に形成されている前記の間隙aの中に管路8を通して供給され、それと同時に電磁弁16が開いて、圧縮空気がリングフィルター2の濾過面の間に溜まった固形物、すなわちスラッジを前記の間隙aから濾過本体3の内側の前記間隙bへと押し出し(逆洗)、そしてこの固形物を含んだ流体は管路16を通って排出され、これによってリングフィルター2の濾過面は洗浄される。
このように濾過しているときに間隙bから間隙aに向かう流体の流れの向きと逆の向きの間隙aから間隙bへとスラッジを押し出す工程、すなわち、濾過のときとは逆向きにスラッジを押し出す工程、すなわち逆洗工程によって濾過面は洗浄され、それによって、濾過本体3の濾過能力は回復して、濾過装置1は前記の濾過工程へと移ることができる。このような逆洗工程中に流体が流れる状態を縦断側面図で示すと、図5に示されるの矢印のようになる。
上記の逆洗工程の時間をタイマーによって、例えば、5分以内の適当な時間、例えば、2分間に設定しておいて、その時間後に前記の内部圧力が前記の18kg/cmよりも低い元の圧力に戻ると、電磁弁16が閉じて管路15を通って排出されるスラッジの流れが停止し、それに伴って電磁弁14が開いて被処理流体Fが搬送ポンプ7によって濾過本体3の内側に供給され、それによって濾過工程が再開される。
上記の図2ではリングフィルターが垂直方向に重ね合わされている濾過本体3が示されているが、この濾過本体3は本来どのような方向に置かれていてもよく、例えば、濾過本体3は水平方向に置かれていてもよい。
本発明によれば、自動制御による簡単な操作によって上記の濾過工程と逆洗工程とを連続して交互に繰り返すことができ、したがって、装置の運転を止めて実施されるフィルターの交換又は掃除のような作業が長期間にわたって不要となって、メンテナンスが楽であり、したがって濾過を能率的に遂行することができる、コンパクトな割りには処理能力及び処理能率の大きい濾過装置が提供される。
被処理流体が汚泥のようなスラリー状物質である場合、前記の搬送ポンプとしてはギヤポンプ、スラッジ専用ポンプ又はスネーキーポンプ(ネーモーポンプ)が使用され、このスラリー状物質は本発明の濾過装置によって脱水することができる。
以上のような本発明の濾過装置は広範囲にわたる様々な流体、すなわち被処理流体を処理することができ、例えば、スラリー状物質及び固形物で汚染されている水のような水性流体並びに重油又は使用済みの油のような油性の流体を濾過することができ、このスラリー状物質としては上記のように汚泥が挙げられ、そして使用済みの油としては切削中に繰り返して使われる切削油が挙げられ、また、固形物で汚染されている水を被処理流体とする場合は、飲用水を製造する場合の一つの浄化工程に本発明の濾過装置を利用することができる。また、重油の中に混入している微細な硫黄又は硫化物含有固形物も本発明の濾過装置によって分離できるので、この濾過装置は、固形物となっている硫黄分を分離除去することによって、重油の脱硫にも使用することができる。
また、場合によっては、濾過性能を高めるために、被処理流体に凝集剤を適宜加えるのが有利である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
アルミニウム加工工場から廃水として排出される、約3〜100μmの範囲の大きさの固形物を懸濁して含む電着液を本発明によって次のように処理した。この処理においては、先に説明した図2に示されるような濾過装置が使用され、この濾過装置においては、図1に示されるような内径(2d):136mm、幅(2w):10mm、そして高さ(2h):5mmの直円筒状、すなわち環状のステンレス鋼製のリングフィルター2を150個重ね合わせたものを濾過本体3として使用した。
リングフィルター2は表裏両面が0,3μmの仕上げ精度に仕上げられたステンレス綱板から打ち抜かれており、リングフィルター2の濾過面2fにはこの仕上げ精度に対応する粗さの凹凸が形成されていた。
上記の濾過本体3は、高さ:800mm及び内径:160mmの大きさのステンレス綱製の円筒状ハウジング4の中に、このハウジング4の内壁から2mmの間隙(a)を空け、かつ、それの上面及び底面がそれぞれハウジング4の中で上下方向に沿って圧縮されるように押さえ込んで、収納させた。
この濾過装置はまた、加圧装置として油圧シリンダー11を、そして加圧ポンプとして油圧ポンプ12を備えており、また、圧縮空気を送り込むために吐出圧:8〜10kg/cm及び吐出量:2.1m/hrのコンプレッサー9を備えていた。
上記の濾過装置に対し、吐出圧:15kg/cm及び吐出量:1m/hrの高圧ポンプ7で上記の廃水を供給することによって、この廃水を処理し、そして、一般に規定されている測定法により濾過処理の前と後の廃水のBOD及びCODを測定し、また、廃水中に含まれる懸濁固形物の含有量を濾過処理の前と後で測定したところ、次の結果が得られた。
処理前の廃水
BOD 447ppm
COD 7608ppm
SS(懸濁した固形物)含有量 423ppm
処理後の廃水
BOD 13ppm
COD 26ppm
SS(懸濁した固形物)含有量 6ppm
上記の濾過処理を30分間続けた後、前述のように行われる逆洗工程を2分間実施する操作を繰り返すことによって、この濾過装置の濾過性能を落とすことなく、23時間の間運転を連続して濾過を続けることができた。
実施例2
アルマイトに電着塗装を施す工程が実施される工場において生ずる電着液の廃液からなる沈殿汚泥を、実施例1で使用したのと同じ濾過装置を用い、そして搬送ポンプとして、吐出圧:20kg/cm及び搬送量は500m/hrの性能を有するネーモーポンプ(通称スネーキーポンプ)を用い、そして濾過本体に対し8.5kg/coの圧力をかけることによって、この汚泥を脱水した。
この脱水処理の前の汚泥と、脱水処理が済んだ後の汚泥からそれぞれ80gの試料を蒸発皿に採取した後、これらの試料が沸騰を起こさないように注意しながら、その試料を蒸発皿の中で加熱して2時間乾燥させ、ついで30分間放冷した。この放冷後に蒸発皿の中に残った残渣の重量(g)をそれぞれ試料中の固形分の重量とし、そして乾燥前の重量、すなわち80gからこの固形分の重量を差し引いた重量を水分量とし、この水分量の80gに対する割合を汚泥の含水率とした。このような測定方法によれば、上記の脱水処理は次のような脱水効果を示した。
処理前の汚泥の含水率 98%
処理後の汚泥の含水率 63%
上記の汚泥の脱水処理を30分間続けた後、前述のように行われる逆洗工程を2分間実施することによって、この濾過装置の脱水性能を落とすことなく、6時間の間連続して脱水処理を続けることができた。
発明の利用可能性
本発明の濾過装置、および、それを用いる濾過処理は、上記の実施例及び説明で述べたような目的又は用途以外に、例えば、池、プール、水槽などの水、空調又は冷凍冷蔵倉庫のような熱交換用の冷却水が循環する装置、飲用水または排水などの様々な水において、その水の浄化、水質改善もしくは水質維持のために利用でき、また、硫黄分が微細な粒子の状態で懸濁している、例えば重油の脱硫にも利用できる。
1 濾過装置
2 リングフィルター
3 濾過本体
4 ハウジング
5 貯槽
6 管路
7 搬送ポンプ
8 管路
9 コンプレッサー
10 管路
11 加圧装置
11a 連結部材
11b 押圧部材
12 加圧ポンプ
13 管路
14 電磁弁
15 管路
16 電磁弁
20 濾過装置
21 フィルタエレメント
22 ケーシング
23 下部ヘッダ
24 開口部
25 開口部
26 キャップ部
F 被処理流体

Claims (11)

  1. 複数個のリングフィルターが重ね合わされ、そしてその隣合うリングフィルターの互いに向かい合う面が濾過面となって、この向かい合う面の間を通る被処理流体を濾過する濾過装置であって、前記の重ね合わされた複数個のリングフィルターによって構成される濾過本体と、この濾過本体を囲んでその濾過本体の外側周囲に間隙を空けて、この濾過本体を収納するためのハウジングと、前記リングフィルターの内側に管路を介して前記被処理流体を供給する搬送ポンプと、加圧装置を作動させて前記濾過本体の一方の端部と他方の端部との間に圧力をかけるための加圧ポンプと、管路を介して圧縮空気を前記ハウジングと前記濾過本体との間の前記間隙の中に供給するためのコンプレッサーと、前記濾過本体の外側から処理済の流体を排出するための管路に設けられて、この処理済の流体の通過に対して自動的に開閉する電磁弁と、前記被処理流体から分離された固形物を含む流体を前記被処理流体の内側から排出するための管路に設けられて、この固形物を含む流体の通過に対して自動的に開閉する電磁弁とを備えていることを特徴とする、前記濾過装置。
  2. 前記リングフィルターがステンレス鋼で造られている、請求項1に記載の濾過装置。
  3. 前記電磁弁の自動的な開閉が、濾過本体を収納しているハウジング内の圧力もしくは前記ハウジング内に流入する被処理流体の供給量について監視するタイマー、又はこの両者によって制御される、請求項1又は2に記載された濾過装置。
  4. 前記被処理流体が、懸濁した固形物を含む水性流体もしくは油性の流体であるか、又はスラリー状物質である、請求項1ないし3のいずれかに記載された濾過装置。
  5. 前記懸濁した固形物を含む水性流体もしくは油性の流体が、それぞれ廃水又は廃油である、請求項4に記載の濾過装置。
  6. 前記スラリー状物質が汚泥である、請求項4に記載の濾過装置。
  7. 前記油性の流体が切削工程で使用された切削油である、請求項4に記載の濾過装置。
  8. 請求項1ないし3に記載された濾過装置を用いて、懸濁した固形物で汚染された水を浄化する方法。
  9. 請求項1ないし3に記載された濾過装置を用いて、スラリー状物質を脱水する方法。
  10. 請求項1ないし3に記載された濾過装置を用いて、切削工程で使用された切削油を精製する方法。
  11. 請求項1ないし3に記載された濾過装置を用いて、重油を脱硫する方法。
JP2009077466A 2009-03-04 2009-03-04 濾過装置、並びに濾過装置を用いて、スラリー状物質を脱水する方法、固形物で汚染された水を浄化する方法、重油を脱硫する方法及び使用済みの油を精製する方法 Withdrawn JP2010201405A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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