JP2014140802A - 窒素式脱酸素装置 - Google Patents

窒素式脱酸素装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014140802A
JP2014140802A JP2013009718A JP2013009718A JP2014140802A JP 2014140802 A JP2014140802 A JP 2014140802A JP 2013009718 A JP2013009718 A JP 2013009718A JP 2013009718 A JP2013009718 A JP 2013009718A JP 2014140802 A JP2014140802 A JP 2014140802A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
raw water
nitrogen gas
nitrogen
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013009718A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5972805B2 (ja
Inventor
Kiyoshi Taniguchi
清士 谷口
Akihito Umeda
明史 梅田
Hideki Tokunaga
秀樹 徳永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Engineering Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Engineering Co Ltd filed Critical Toyobo Engineering Co Ltd
Priority to JP2013009718A priority Critical patent/JP5972805B2/ja
Publication of JP2014140802A publication Critical patent/JP2014140802A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5972805B2 publication Critical patent/JP5972805B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Physical Water Treatments (AREA)

Abstract

【課題】1塔構造であり、しかも、窒素ガスの使用量を制限した状態であっても、薄膜式を凌ぎ、2塔構造に逼迫する脱酸素性能を発揮することができる経済的で高性能な窒素式脱酸素装置を提供する。
【解決手段】 流下原水と上昇窒素ガスとが向流接触する対向流型の気液接触筒10を水槽20上に単独で立設する。気液接触筒10の下部を水槽20内の原水30中に浸漬する。水槽20内の原水30中にエジェクター50を配置し、当該エジェクター50に原水30を循環させることにより窒素ガスを吸引して原水30中に注入する。エジェクター50による窒素ガス吸込み可能量を気液接触筒10における窒素ガス必要量より大とし、余剰の窒素ガスをエジェクター50に還流する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ボイラー等へ供給する原水中の溶存酸素を窒素ガスとの接触により事前に除去する窒素式脱酸素装置に関する。
ボイラー給水等の水処理分野では、水中の溶存酸素に起因するボイラーや配管の腐食を防止するために、脱酸素処理が行われており、その一つの方式として窒素式がある。窒素式脱酸素装置は、特許文献1に記載されているように、原水を窒素ガスと接触させることにより、原水中の溶存酸素を除去する。原水と窒素ガスとの接触方式は様々であり、特許文献1では、水槽上に気液接触筒を接続した対向流型の処理塔が使用されている。
対向流型の処理塔を使用した従来の窒素式脱酸素装置の典型的な構成を、特許文献1に記載されたボイラー水用脱酸素装置について図2により説明する。図2に示された脱酸素装置は、対向流型の処理塔1A,1Bを2塔併置連結した2塔構造になっており、各処理塔は、流下原水と上昇窒素ガスとが向流接触する対向流型の気液接触筒2を水槽3上に立設した構成になっている。
脱酸処理すべき原水は、図示されない原水タンクからボイラーポンプを経て第1処理塔1Aの気液接触筒2内へ上部から流入し、その内部を下降して下方の水槽3内に流入する。第1処理塔1Aの水槽3内の原水は、循環ポンプ5により第2処理塔1Bの気液接触筒2内へ上部から流入し、その内部を下降して下方の水槽3内に流入する。一方、窒素ガスは、第1処理塔1Aの水槽3内の水面より下に設けられた回転羽根型の自吸式散気装置6を作動させることにより、第2処理塔1Bの水槽3内の水面より上の空間部に導入され、上方の気液接触筒2内を下から上へ通過した後、その自吸式散気装置6を経て第1処理塔1Aの水槽3内の原水中に拡散注入され、更にその原水中から第1処理塔1Aの気液接触筒2内を下から上へ通過して気液接触筒2の上部から外部へ排出される。
かくして、原水は第1処理塔1Aの気液接触筒2内と第2処理塔1Bの気液接触筒2内との2ヶ所で2回、窒素ガスと向流接触することにより、原水中の溶存酸素量を効果的に減少させて、第2処理塔1Bの水槽3から排水ポンプ7により処理水として外部へ排出される。両塔の気液接触筒2内には、原水と窒素ガスとの接触効率を高めるために充填材4が装填されている。また、第1処理塔1Aの水槽3内の水面より下に設けられた自吸式散気装置6は、その水槽3内の原水中へ窒素ガスを細かな気泡状態で吐出して原水と接触させると共に、その原水を攪拌することにより、原水と窒素ガスとの接触効率を高める。
しかしながら、このような2塔構造の窒素式脱酸素装置は、少量の窒素ガスの使用で高い脱酸素性能を得ることができるものの装置が大掛かりであり、高コストなる。一方、1塔構造の窒素式脱酸素装置は構造簡易で低コストであるが、脱酸素性能に劣る。その脱酸素性能を高める手段としては、2塔構造と同様の機能を得るべく、水槽内の原水をその上方の気液接触筒内に循環させる構成が一般に採用される(特許文献2参照)。しかし、窒素ガスの使用量が制限された状況下では、2塔構造に迫るような脱酸素性能向上効果を期待することはできない。
なぜなら、気液接触筒内に原水を循環させると、気液接触筒内における原水量が増加し、気液比が低下するからである。すなわち、気液接触筒内では、原水量に対する窒素ガス量の容積比率である気液比が高くなるにつれて脱酸素性能が上がる傾向があるが、窒素ガスの使用量が制限された状況下では、気液接触筒内に原水を循環させると、原水量が増加し、気液比が下がるため、期待するほどの脱酸素性能が得られないのである。もとより、窒素ガスの使用量を増加させれば脱酸素性能は上昇するが、窒素ガスの使用量増加によるランニングコストの上昇を避け得ない。
なお、窒素ガス式とは別に薄膜式の脱酸素装置は存在する。薄膜式の脱酸素装置は小型で安価であるが、脱酸素性能が本質的に低く、最近の高い要求レベルを満たすことが困難になりつつある。ちなみに、脱酸素処理後の処理水中の酸素濃度は、OD値で表して薄膜式の場合が0.5が限度であり、窒素式の場合は2塔構造で0.2以下まで低下する(水温が20℃の場合)。
特開2005−95791号公報 特開2006−263641号公報
本発明の目的は、1塔構造であり、しかも、窒素ガスの使用量を制限した状態であっても、薄膜式を凌ぎ、2塔構造に迫る脱酸素性能を発揮することができる経済的で高性能な窒素式脱酸素装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明者は、1塔構造の窒素ガス式脱酸素装置の性能を向上させるためには、多方面からのアプローチが必要であると考え、様々な構成要件について鋭意検討を重ねた。そして最初に着目したのが、脱酸素装置内へ窒素ガスを供給する手段であり、第2には気液接触筒と水槽との位置関係である。これらについての検討結果は以下のとおりである。
気液接触筒と水槽を組み合わせた1塔構造の窒素ガス式脱酸素装置では、気液接触筒の上部から筒内に原水が投入され、塔内の充填材を通過して下方の水槽内に流入する。一方、窒素ガスは水槽内に注入され、上方の気液接触筒内を上昇し、筒内を流下する原水と向流接触して筒上部から筒外へ排出される。
ここにおける窒素ガスは、水槽内の原水中に窒素ガスを気泡状態で拡散混合するのが有効とされ、特許文献1に記載の脱酸素装置で採用された回転羽根型の自吸式散気装置はその有効手段の一つで高性能である。窒素ガスを水槽内の原水中に拡散注入することにより、気液接触筒の上部から筒内に投入された原水は、塔内の特に充填材層中で窒素ガスと向流接触することにより脱酸素一次処理を受け、水槽内では、原水中に注入された窒素ガスにより脱酸素二次処理を受ける。
しかしながら、この自吸式散気装置は高価である。そこで安価な窒素ガス注入手段として、本発明者はエジェクターに着目した。エジェクターは内部を液体が高速で通過することに生じる負圧によりガスを吸引し、気液混合状態で高速噴出するものであり、構造が簡単で安価であるので、低価格品でも大量のガス吸引能力を確保できる。
具体的に言うと、10トン/時間の通液量で100L/分のガス吸込み量を確保できる。気液接触筒への原水供給量が5トン/時間(5m3 /時間)である場合、気液接触筒での理想的な気液比は0.3前後であるから、フレッシュな窒素ガス量としては1.5m3 /時間(25L/分)が必要となり、75L/分の余剰能力が生じる。水槽内の原水をエジェクターに循環させて、水槽内の使用済み窒素ガスを余剰能力により再利用するならば、10トン/時間という大量の原水がエジェクターにおいて100L/分という多量の窒素ガスと繰り返し接触し、原水は気液接触筒内での脱酸素一次処理に加えて、水槽内でも効果的な脱酸素二次処理を受けることになる。
ちなみに、水槽内の使用済み窒素ガスは、水槽内の原水中での脱酸素二次処理に使用された後とは言え、酸素濃度は0.2%程度と十分に低い。この低酸素濃度の窒素ガスが、気液接触筒内での脱酸素一次処理に使用されるわけであるから当然のことである。気液接触筒内での脱酸素一次処理に使用された後でも、窒素ガス中の酸素濃度は2%程度である。
かくして、水槽内の原水中への窒素ガス混合手段としてエジェクターを使用することにより、1塔構造の脱酸素装置で、しかも窒素ガス量が制限された状況下でも、極めて高い脱酸素能力が発揮されることになる。
また、前述したとおり、エジェクターの能力が窒素ガスの供給量より大きく、例えば前者が100L/分で後者が25L/分の場合、水槽内の原水面より上方の空間部からエジェクターへの還流経路を設けることにより、差し引き75L/分の窒素ガスが水槽内からエジェクターに戻り、残りの25L/分が気液接触筒内へ流入する。すなわち、エジェクターの余剰能力に相当する窒素ガスを循環再利用するためには、水槽内の原水面より上方の空間部からエジェクターへの窒素ガス還流経路を設けることが有効である。
次に、気液接触筒と水槽との位置関係であるが、気液接触筒の下端部が水槽の天板に接続される場合と、天板より下に延長されて槽内の原水中に浸漬される場合とがある(特許文献1の図2、及び特許文献2の部3参照)。気液接触筒の下端部を水槽内の原水中に浸漬する場合は、水槽内から気液接触筒内へ窒素ガスを導入するために、水槽内の原水面より上方の空間部と接する箇所に窒素ガス導入口が設けられる。
水槽内の原水中へ窒素ガスを供給する手段としてエジェクターを採用した場合は、前述したとおり、水槽内の原水中での脱酸素二次処理が締める比重が大きくなる。気液接触筒の下端部が水槽の天井に接続されている場合は、気液接触筒内を流下して脱酸素一次処理を終えた原水、すなわち一次処理水が水槽内の原水面に落下し、その原水中での脱酸素二次処理を受けずに槽外へ排出される傾向が強まる。特に、水槽内の二次処理部を堰により区画し、二次処理を終えた二次処理部内の原水、すなわち処理水を堰からオーバーフローさせ、その受け部を経て槽外へ排出する場合は、一次処理水の多くが堰を乗り越え、二次処理を受けることができず、処理効率の低下が顕著となる。
このため、エジェクターにより水槽内の原水中で効率的な脱酸素二次処理を行う場合は、その二次処理を効率的に受けるために、気液接触筒の下端部を水槽内の原水中に深く浸漬するのがよい。気液接触筒の下端部を水槽内の原水中に浸漬すれば、その原水の水面からの跳ね上がりがなく、前述した窒素ガス還流経路の管内に、跳ね上がった原水が侵入する危険がなくなり、その還流系統の機能が安定する。
本発明の窒素式脱酸素装置は、かかる知見を基礎として完成されたものであり、流下原水と上昇窒素ガスとが向流接触する対向流型の気液接触筒を水槽上に単独で立設接続した1塔構造の窒素式脱酸素装置であって、当該脱酸素装置内へ窒素ガスを供給する手段として、前記水槽内の原水中にあって当該原水を循環させることにより窒素ガスを吸引するエジェクターを具備している。
本発明の窒素式脱酸素装置においては、気液接触筒の上部から筒内に原水が投入され、塔内を通過して下方の水槽内に流入する。一方、窒素ガスは水槽内の原水中に設置されたエジェクターにその原水を循環させることより吸引されて水槽内の原水中に注入され、水槽内の原水面上の空間をへて上方の気液接触筒内を上昇し、筒上部から筒外へ排出される。かくして、気液接触筒内へ投入された原水は、筒内を流下する過程で、同塔内を上昇する窒素ガスと向流接触することにより脱酸素一次処理を受け、水槽内のエジェクター及びその近傍で窒素ガスと接触することにより脱酸素二次処理を受ける。水槽内でのエジェクターよる脱酸素二次処理が処理水中の酸素濃度低下に効果的に寄与することは前述したとおりである。
望ましくは、エジェクターとしては、これによる窒素ガス吸込み可能量が気液接触筒における窒素ガス必要量より多くなる能力のもの、具体的には3〜10倍程度の能力ものを選択し、余剰能力により水槽内の原水面より上の空間部に滞留する窒素ガスを吸引する。このために、水槽内の原水面より上の空間部からエジェクターへの窒素ガス還流経路を設ける。この構造により、水槽内でのエジェクターよる脱酸素二次処理効率が更に向上する。
気液接触筒については、その下部が水槽内の原水中に浸漬するように水槽と連結するのが望ましい。これにより水槽内でのエジェクターよる脱酸素二次処理効率が更に向上するも前述したとおりである。この場合、水槽内を堰により二次処理部と受け部とに区画し、堰からオーバーフローする二次処理水が受け部を経由して槽外へ排出する構成を採用するのが望ましい。エジェクターに循環させる原水としては、この受け部内の二次処理水、又は受け部から排出される最終的な処理水を用いるのが望ましい。
本発明の窒素式脱酸素装置は、流下原水と上昇窒素ガスとが向流接触する対向流型の気液接触筒を水槽上に単独で立設接続した1塔構造の脱酸素装置でありながら、当該脱酸素装置内へ窒素ガスを供給する手段として、水槽内の原水の循環により窒素ガスを吸引するエジェクターを使用することにより、窒素ガスの使用量を制限した状態であっても、薄膜式を凌ぎ、2塔構造の脱酸素装置に逼迫する脱酸素性能を発揮することができるので、脱酸素装置の小型化、経済性向上に多大の効果を発揮する。
本発明の一実施形態を示す窒素式脱酸素装置の構成図である。 従来の高性能な窒素式脱酸素装置である2塔構造の脱酸素装置の構成図である。
以下に本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の窒素式脱酸素装置は、原水タンク内の原水を原水消費部であるボイラーへ供給するにあたり、ボイラーの腐蝕防止を目的として、その原水を窒素源からの窒素ガスとの混合により脱酸素処理するものであり、このために前記原水タンクから前記ボイラーへの給水系統に介装される。
この窒素式脱酸素装置は、図1に示すように、円筒状をした向流接触型の気液接触筒10を水槽20上に垂直に立設した構成になっており、気液接触筒10内を流下し水槽20に溜まる原水を、水槽20内の原水30中に注入されて気液接触筒10内を上昇する窒素ガスと、気液接触筒10内及び水槽20内で接触させることにより、原水30の脱酸素二段階処理を行う。
この脱酸素二段階処理のために、一次処理部である気液接触筒10の内部には、分散板11及び充填材12が2段に装填されている。充填材12は気体である窒素ガスと液体である原水との接触効率を高めるもので、ラシヒスーパーリングと呼ばれる線構造ピースの集合体からなり、そのピースを筒内の中間部より上に、所定高さにわたって充填することにより窒素ガスと原水の接触面積増大を図る。
気液接触筒10の上端面は、使用済みの窒素ガスの排出口を残して閉止されている。気液接触筒10の上端部周面には、筒内へ原水を導入するための原水導入系90が、分散板11より上方に位置して接続されている。原水導入系90には流量制御弁91が介装されている。
一方、気液接触筒10の中間部より下は、水槽20の天板を貫通して槽内の底面近傍まで深く挿入され、この状態で水槽20の天板に固定されると共に、水槽20内の図示されない支持部材により槽底に固定されている。これにより、気液接触筒10の下部は、水槽20内の原水30中に深く浸漬される。
気液接触筒10の下端面は原水30の排出のために全面的に開口している。また、水槽20内の原水30中に注入された窒素ガスを気液接触筒10内に導入するために、気液接触筒10には、水槽20内の水面より上の空間部に接して窒素ガス導入口13が設けられている。
他方、水槽20の内部は、気液接触筒10の直下に位置して気液接触筒10からの流下原水を溜める二次処理部21と、その側方に堰状の隔壁22により仕切られて形成された受け部23とからなる。受け部23は、二次処理部21で二次処理を終えて隔壁22をオーバーフローした処理水を一時的に溜めるものである。この受け部23には、処理水を槽外へ取り出してボイラーへ送るために送水ポンプ41及び流量制御弁42を備えた送水系40が接続されている。
水槽20内の二次処理部21内には、二次処理部21内の原水30中に窒素ガスを注入することを目的としてエジェクター50が設置されている。エジェクター50には、送水系40の送水ポンプ41と流量制御弁42との間から分岐した原水循環系60と、窒素ガス導入系70が接続されている。また、水槽20と窒素ガス導入系70との間には、水槽20内の水面より上の空間部からエジェクター50へ窒素ガスを還流させるために窒素ガス還流系80が架設されている。
そして、循環ポンプを兼ねる送水ポンプ41が駆動されることにより、水槽20内で脱酸素二次処理を終えた原水、すなわち処理水がエジェクター50に供給され通過すると共に、これに伴って窒素ガス導入系70及び窒素ガス還流系80から窒素ガスがエジェクター50に吸引される。結果、エジェクター50からは、窒素ガスが細かな気泡となって処理水と共に高速で二次処理部21内の原水30中に噴出される。
原水30及び窒素ガスの流量制御のために、前記原水循環系60、窒素ガス導入系70及び窒素ガス還流系80には流量制御弁61,71及び81がそれぞれ介装されている。また、水槽20内の受け部23には水面のレベル管理のためにレベル計24が設けられている。
次に、本実施形態の窒素式脱酸素装置の動作及び機能並びに効能を説明する。前提条件は以下のとおりである。
処理しなければならない原水量は5トン/時間であり、したがって、原水導入系90から気液接触筒10内へ最上部から5トン/時間の原水30が注入される。気液接触筒10での気液比は理想的な0.3とする。その結果、フレッシュな窒素ガスの供給量としては1.5m3 /時間(25L/分)が要求される。ここでのエジェクター50のガス吸引能力は、気液接触筒10での必要量の4倍の100L/分としており、これに必要なエジェクター50への原水30の循環量は10トン/時間である。
先ず、原水30の流れから説明する。処理すべき原水30は、原水導入系90から気液接触筒10内へ最上部から注入される。筒内最上部に注入された原水30は、筒内を流下し、筒内の分散板11及び充填材12を通過して水槽10内の特に二次処理部21に流入し溜まる。二次処理部21が原水30で満たされると、堰状の隔壁22を越えて隣の受け部23に流入する。受け部23内の原水30は送水系40にて槽外へ排出され、その一部がボイラーへ送られると共に、残りが送水系40の途中から原水循環系60を介して水槽20内に戻され、より具体的には、受け部23内のエジェクター50へ送られる。
受け部23内の水面レベルを適正値に管理するために、レベル計24により受け部23内の水面レベルが測定され、それが適正レベルとなるように、送水系40内の流量制御弁42が開度制御される。
一方、窒素ガスは、エジェクター50への原水30の流通に伴う負圧により当該エジェクター50に吸引され、原水30との混合状態、すなわち細かな気泡となって水槽20内の二次処理部21における原水30中に噴出される。二次処理部21における原水30中に噴出された窒素ガスは、一部が原水30の脱酸素処理に使用され、残りが水槽20の水面より上方の空間部を経て気液接触筒10の窒素ガス導入口13から筒内へ流入し、筒内の充填材12及び分散板11を通過して上端面の排出口から筒外へ排出される。
この結果、気液接触筒10内に上端部から導入された原水30は、気液接触筒10内及び水槽20内で以下の脱酸素処理を受ける。
気液接触筒10内を通過する過程、特に充填材12のところを通過する過程で気液接触筒10内を上昇する窒素ガスと向流接触することにより、窒素ガスの溶解に伴って溶存酸素が放出される脱酸素処理を受ける。これが脱酸素一次処理である。この脱酸素一次処理に使用される窒素ガスは、水槽20の二次処理部21での脱酸素処理に使用された後のものであるが、酸素含有量は0.2%程度と低位である。また、気液接触筒10を上昇して排出される窒素ガス量は、窒素ガス導入系70からエジェクター50へ新たに供給する量(25L/分)であり、気液接触筒10への原水30の導入量が5トン/時間であるから、気液接触筒10における気液比は理想的な0.3に維持される。
気液接触筒10での脱酸素一次処理を終えた原水30は、水槽20の二次処理部21の深い位置に流入し、エジェクター50から噴出する窒素ガスにより脱酸素処理を受ける。特に、この窒素ガスはエジェクター50から原水流と共に高速で噴出するので、原水30に強い攪拌作用を与える。しかも、その窒素ガス量は、系内に新規導入される窒素ガス量(25L/分)の4倍の100L/分である。このうちの25L/分は気液接触筒10へ流入するが、残りの75L/分は、窒素ガス還流系80を経由して窒素ガス導入系70へ戻される。
こうして水槽20の二次処理部21で多重的な脱酸素処理を受けた原水30、すなわち処理水は堰状の隔壁22を越えて隣の受け部23へ流入し、送水系40にて槽外へ排出さる。このとき、系内へ導入される原水量(5トン/時間)の2倍に相当する10トン/時間の処理水が、送水ポンプ41と流量制御弁42との間から原水循環系60を経由してエジェクター50に送られる。すなわち、系内へ導入される原水量は5トン/時間であるが、二次処理部21から受け部23を経て水槽10の外へ排出される処理水は15トン/時間であり、このうちの10トン/時間がエジェクター50に循環するのである。
その結果、気液接触筒10での脱酸素一次処理を終えた原水30は、水槽20の二次処理部21で繰り返し、エジェクター50からの窒素ガスによる脱酸素二次処理を受ける。しかも、その原水30はエジェクター50内でも窒素ガスとの攪拌を伴う強力な混合作用を受ける。
すなわち、水槽20の二次処理部21内での脱酸素二次処理は、エジェクター50からの窒素ガスの微細気泡及び高速水流による脱酸素処理と、エジェクター50内での窒素ガスと原水30の混合攪拌による脱酸素処理と、原水30がエジェクター50に循環することによるこれらの繰り返しとの三重多元処理となるのである。したがって、本脱酸素装置は1塔構造であるにもかかわらず、2塔構造の脱酸素装置に逼迫する優れた脱酸素性能を示す。
数値的に示せば、本脱酸素装置の気液接触筒10に導入される原水30の温度が20℃、原水中の酸素量がOD値で8.8の場合、気液接触筒10から水槽20の二次処理部21へ流入する段階では1.1程度となり、本脱酸素装置から排出される段階では0.3程度となる。窒素ガス中の酸素濃度は水槽10の二次処理部21での脱酸素処理を終えて気液接触筒10内へ導入される過程で0.2%であり、気液接触筒10の上端部から筒外へ排出される段階で2%程度である。
これは図2に示した2塔構造の窒素ガス式脱酸素装置に逼迫する性能である。ちなみに、図2に示した2塔構造の窒素ガス式脱酸素装置の場合、気液接触筒の規模、原水処理量、窒素ガス使用量等の諸仕様、諸条件が同一では、処理水の酸素濃度はOD値で0.2程度となる。ただし、設備コストは、本脱酸素装置の約2倍となる。また、薄膜式脱酸素装置の場合は処理水の酸素濃度はOD値で0.5が限度である。これに対する本脱酸素装置の設備コストはほぼ同じである。
10 気液接触筒
11 分散板
12 充填材
13 窒素ガス導入口
20 水槽
21 二次処理部
22 堰状の隔壁(堰)
23 受け部
24 レベル計
30 原水
40 送水系
41 送水ポンプ
42 流量制御弁
50 エジェクター
60 原水循環系(原水循環経路)
61 流量制御弁
70 窒素ガス導入系
71 流量制御弁
80 窒素ガス還流系(窒素ガス循環経路)
81 流量制御弁
90 原水導入系
91 流量制御弁

Claims (6)

  1. 流下原水と上昇窒素ガスとが向流接触する対向流型の気液接触筒を水槽上に単独で立設接続した1塔構造の窒素式脱酸素装置であって、当該脱酸素装置内へ窒素ガスを供給する手段として、前記水槽内の原水中にあって当該原水を循環させることにより窒素ガスを吸引するエジェクターを具備する窒素式脱酸素装置。
  2. 請求項1に記載の窒素式脱酸素装置において、エジェクターは、これによる窒素ガス吸込み可能量が気液接触筒における窒素ガス必要量より大である窒素式脱酸素装置。
  3. 請求項2に記載の窒素式脱酸素装置において、水槽内の原水面より上の空間からエジェクターへ窒素ガスを還流させる窒素ガス還流経路を具備する窒素式脱酸素装置。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の窒素式脱酸素装置において、気液接触筒は、その下部が水槽内の原水中に浸漬するように水槽と連結されている窒素式脱酸素装置。
  5. 請求項4に記載の窒素式脱酸素装置において、水槽は堰により、気液接触筒直下の二次処理部と、堰をオーバーフローした二次処理水が流入する受け部とに区画されている窒素式脱酸素装置。
  6. 請求項5に記載の窒素式脱酸素装置において、エジェクターへの原水循環経路は、受け部内の二次処理水、又は受け部から排出された処理水をエジェクターへ循環させるように構成されている窒素式脱酸素装置。
JP2013009718A 2013-01-23 2013-01-23 窒素式脱酸素装置 Active JP5972805B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013009718A JP5972805B2 (ja) 2013-01-23 2013-01-23 窒素式脱酸素装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013009718A JP5972805B2 (ja) 2013-01-23 2013-01-23 窒素式脱酸素装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014140802A true JP2014140802A (ja) 2014-08-07
JP5972805B2 JP5972805B2 (ja) 2016-08-17

Family

ID=51422606

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013009718A Active JP5972805B2 (ja) 2013-01-23 2013-01-23 窒素式脱酸素装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5972805B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019520977A (ja) * 2016-07-19 2019-07-25 3ヴィー グリーン イーグル ソシエタ ペル アチオニ 廃棄物の湿式酸化のための方法及び装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5597284A (en) * 1979-01-18 1980-07-24 Shin Meiwa Ind Co Ltd Aerator for polluted water
JPS6320902U (ja) * 1986-07-25 1988-02-12
JPH06254538A (ja) * 1993-03-01 1994-09-13 Japan Organo Co Ltd 溶存酸素除去装置
JP2000140881A (ja) * 1998-11-16 2000-05-23 Nippon Sanso Corp 酸素溶解装置
JP2006263641A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Toyobo Engineering Kk ガス溶解方法とその装置
JP2010005484A (ja) * 2008-06-24 2010-01-14 Kurita Water Ind Ltd 窒素置換式脱酸素装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5597284A (en) * 1979-01-18 1980-07-24 Shin Meiwa Ind Co Ltd Aerator for polluted water
JPS6320902U (ja) * 1986-07-25 1988-02-12
JPH06254538A (ja) * 1993-03-01 1994-09-13 Japan Organo Co Ltd 溶存酸素除去装置
JP2000140881A (ja) * 1998-11-16 2000-05-23 Nippon Sanso Corp 酸素溶解装置
JP2006263641A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Toyobo Engineering Kk ガス溶解方法とその装置
JP2010005484A (ja) * 2008-06-24 2010-01-14 Kurita Water Ind Ltd 窒素置換式脱酸素装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019520977A (ja) * 2016-07-19 2019-07-25 3ヴィー グリーン イーグル ソシエタ ペル アチオニ 廃棄物の湿式酸化のための方法及び装置
JP7083517B2 (ja) 2016-07-19 2022-06-13 3ヴィー グリーン イーグル ソシエタ ペル アチオニ 廃棄物の湿式酸化のための方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5972805B2 (ja) 2016-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105273771B (zh) 脱硫装置
US20190083904A1 (en) Apparatus and Method for Separation of Oil From Oil-Containing Produced Water
JP5972805B2 (ja) 窒素式脱酸素装置
JP2013043113A (ja) 溶解分離タンクおよび気液混合溶解装置
CA2980923C (en) Degasser and method of stripping gas from a liquid
JP2005144320A (ja) 流体混合装置
US20020144598A1 (en) Mechanical oxygen scavenger device
JP4018099B2 (ja) 液体中の溶存酸素除去装置および溶存酸素除去方法
TW201503948A (zh) 海水脫硫裝置及海水脫硫系統
US20150135959A1 (en) Deoxidation apparatus
KR101708552B1 (ko) 가스 용해 장치
JP4793167B2 (ja) 加圧浮上分離装置
WO2004043866A1 (en) Apparatus for the biological treatment of wastewater
US20090184060A1 (en) System and Process for Forming Micro Bubbles in Liquid
CN206940803U (zh) 一种油品在线快速精制装置
RU59042U1 (ru) Устройство дегазации жидкой серы
US11254595B2 (en) Microbubble aerator
KR102005018B1 (ko) 무동력 교반기를 이용한 생물학적 처리 장치
KR200346814Y1 (ko) 기액 접촉 반응장치
JP2015003291A (ja) 生物脱硫方法及び生物脱硫装置
US2177706A (en) Apparatus for processing motion picture film
CN211837319U (zh) 一种水处理装置
US20170144910A1 (en) Multistage aeration system
JP6861951B2 (ja) 越流式凝集混和装置
KR20100133150A (ko) 수처리용 약품 혼합공급장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160413

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160413

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160527

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160617

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160713

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5972805

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250