JP2014140330A - 乳酒の製造方法及び乳酒 - Google Patents

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Abstract

【課題】乳臭さや好ましくない酸味が低減された乳酒及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】乳成分を含有する基質を乳酸菌と酵母で発酵させる、乳酒の製造方法であって、乳酸菌が、ラクトバチラス・デルブレッキ(Lactobacillus delbureckii)又はストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)に属し、該乳酸菌をMRS培地に1.1×10cfu/mLで播種し、30℃で30時間好気培養したときの培養液のOD600の値が1.0以下であり、かつ、該乳酸菌を50g/Lのラクトースを含む10%(w/v)スキムミルク水溶液に1.0×10cfu/mLで播種し、43℃で24時間好気培養したときのラクトース分解率が55%以上である、乳酒の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、乳酒の製造方法及び乳酒に関する。
乳酒は、家畜等の動物の乳を原料とし、酵母及び乳酸菌により発酵させて造られる。中央アジアの遊牧民族の間で貴重な栄養源として古くから飲用されており、例えば、馬乳、ヤク乳、ラクダ乳を原料とした乳酒がある。
乳酒の製造方法はいくつか知られており、例えば、特許文献1には、酒類の製造工程において、発酵直前の醪が牛乳等の飲用される動物の乳、粉乳、脱脂乳を含み、この醪に酵母又は酵母及び乳酸菌を添加して発酵させることを特徴とする栄養酒の製造方法が記載されている。また、特許文献2には、栄養酒の製造方法において、動物乳成分及び糖類を含有する発酵原料を、2種以上の乳酸菌によって乳酸発酵を先行させ、次に乳酸発酵と併行して1種又は2種以上の酵母によりアルコール発酵を行うか、又はアルコール発酵を先行させ、次にアルコール発酵と併行して乳酸発酵を行うことを特徴とする栄養酒の製造方法が記載されている。
特開昭59−154979号公報 特開昭63−7774号公報
乳酒はビタミンやミネラル等を豊富に含んでおり、飲料として魅力的である。しかしながら、特有の乳臭さがある、強い酸味が感じられるなど、風味の点で改良の余地がある。
そこで、本発明は、乳臭さや好ましくない酸味が低減された乳酒及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、乳成分を含有する基質を乳酸菌と酵母で発酵させる、乳酒の製造方法であって、上記乳酸菌が、ラクトバチラス・デルブレッキ(Lactobacillus delbureckii)又はストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)に属し、上記乳酸菌をMRS培地に1.1×10cfu/mLで播種し、30℃で30時間好気培養したときの培養液のOD660の値が1.0以下であり、かつ、上記乳酸菌を50g/Lのラクトースを含む10%(w/v)スキムミルク水溶液に1.0×10cfu/mLで播種し、43℃で24時間好気培養したときのラクトース分解率が55%以上である、乳酒の製造方法を提供する。
乳成分はラクトース(乳糖)を多く含むが、酵母はラクトースを資化することができない。一方、乳酸菌はラクトースを資化してグルコースとガラクトースを生成することができ、生成したグルコースを酵母が資化することでエタノール等が生成する。従来の乳酒の製造方法においても酵母と乳酸菌による発酵を組合わせていたが、乳臭さや好ましくない酸味の低減には到っていなかった。一方、本発明の乳酒の製造方法によれば、上記特定の乳酸菌を用いることにより、乳臭さが低減され、かつ好ましくない酸味が低減された風味のよい乳酒を得ることができる。また、上記特定の乳酸菌によるグルコース生成量が多いため、通常の乳酒よりもエタノール濃度が高い乳酒を得ることができる。
上記乳酸菌は、ラクトバチラス・デルブレッキ又はストレプトコッカス・サーモフィラスに属する菌株を変異原処理して得られたものであってもよい。
上記乳酸菌は、ラクトバチラス・デルブレッキ亜種ブルガリカス(Lactobacillus delbureckii subsp. bulgaricus)の変異株であり、該変異株は、比増殖速度が親株の0.5倍未満であり、且つ単位菌量当たりのβ−ガラクトシダーゼ活性が親株の9倍以上であるものであってもよい。
上記乳酸菌は、ラクトバチラス・デルブレッキ亜種ブルガリカス48A12株であってもよい。
なお、ラクトバチラス・デルブレッキ亜種ブルガリカス48A12株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8(郵便番号292−0818))に寄託されており、受領番号がNITE AP−1515(受領日:2013年1月21日)の菌株である。
上記製造方法は、上記基質を上記乳酸菌及び上記酵母で並行複発酵させてもよい。すなわち、乳酸菌による発酵と酵母による発酵を同時進行させてもよい。並行複発酵を行うことにより、製造工程を簡略化できると共に工期を短縮することができる。また、乳酸菌がラクトースを資化して生成したグルコースを、酵母が速やかに分解するため、培地中のラクトースが高濃度になるのを避けることができ、代謝阻害の点からも有利である。
上記製造方法は、上記基質を上記乳酸菌及び上記酵母で発酵させて得られた発酵物にエタノールを添加するエタノール添加工程を更に備えていてもよい。上記乳酒は、エタノールの添加によるアルコール感の向上が顕著である。また、エタノールの添加によって乳臭さや好ましくない酸味をより低減できる。さらに、香味やのみ口も向上する。
上記製造方法は、上記乳酸菌及び上記酵母で発酵させる前、又は発酵中に前記基質にグルコースを添加するグルコース添加工程を更に備えていてもよい。これにより、乳臭さや好ましくない酸味がより低減され、よりアルコール感のある乳酒を得ることができる。
上記酵母は、サッカロマイセス・セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・ウバルム(Saccharomyces uvarum)、サッカロマイセス・バヤヌス(Saccharomyces bayanus)及びサッカロマイセス・パストリアヌス(Saccharomyces pastorianus)からなる群より選択される少なくとも1種とすることができる。
本発明はまた、上記製造方法により得られた乳酒を提供する。本発明の乳酒は、上記製造方法により製造されているため、乳臭さや好ましくない酸味が低減されている。
本発明はさらに、ラクトバチラス・デルブレッキ亜種ブルガリカス48A12株又は下記(1)及び(2)を満たすその変異株を提供する。
(1)MRS培地に1.1×10cfu/mLで播種し、30℃で30時間好気培養したときの培養液のOD660の値が1.0以下。
(2)50g/Lのラクトースを含む10%(w/v)スキムミルク水溶液に1.0×10cfu/mLで播種し、43℃で24時間好気培養したときのラクトース分解率が99%以上。
本発明によれば、乳臭さや好ましくない酸味が低減された乳酒及びその製造方法を提供することができる。
ラクトース分解率の測定結果の一例を示すグラフである。 増殖曲線及び乳酸産生量を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の乳酒の製造方法は、乳成分を含有する基質を特定の乳酸菌と酵母で発酵させるものである。
〔乳酸菌〕
本発明に係る乳酸菌は、ラクトバチラス・デルブレッキ又はストレプトコッカス・サーモフィラスに属し、下記(1)かつ(2)の特性を有する。
(1)乳酸菌をMRS培地に1.1×10cfu/mLで播種し、30℃で30時間好気培養したときの培養液のOD660の値が1.0以下。
(2)乳酸菌を50g/Lのラクトースを含む10%(w/v)スキムミルク水溶液(以下、「ラクトース分解率測定用溶液」ともいう。)に1.0×10cfu/mLで播種し、43℃で24時間好気培養したときのラクトース分解率が55%以上。
培養液のOD660の値は、培養液の濁度を表し、培養液中の菌数と相関する。したがって、上記(1)の特性は、少なくとも増殖速度と相関するものである。通常乳酸菌をMRS培地に1.1×10cfu/mLで播種し、30℃で30時間好気培養したときの培養液のOD660の値は、5前後であるため、上記(1)の特性を有する乳酸菌は増殖速度が遅いといえる。培養液のOD660の値は、吸光度計(例えば、自記分光光度計U−3210(日立株式会社))により、波長660nmにおける吸光度を測定することにより求めることができる。
上記(1)の特性における培養液のOD660の値は、得られる乳酒の好ましくない酸味をより低減する観点から、0.9以下であることが好ましく、0.8以下であることがより好ましく、0.7以下であることが更に好ましい。下限に特に制限はないが、通常0.1以上である。
上記(2)の特性におけるラクトース分解率とは、乳酸菌を播種した時点でのラクトース分解率測定用溶液中のラクトース濃度をC、24時間好気培養した時点でのラクトース分解率測定用溶液中のラクトース濃度をC24としたとき、下記式(I)で表される値を意味する。
(C−C24)×100/C (I)
乳酸菌はラクトースを資化し、グルコースとガラクトースを生成する。上記(2)の特性は、乳酸菌によるラクトース分解活性(例えば、分解反応速度)と相関する。通常市販されている乳酸菌を50g/Lのラクトースを含む10%(w/v)スキムミルク水溶液に1.0×10cfu/mLで播種し、43℃で24時間好気培養したときのラクトース分解率は、10〜30%程度であるため、上記(2)の特性を有する乳酸菌はラクトース分解活性が強いといえる。
ラクトース濃度は、高速液体クロマトグラフ(HPLC)等により測定することができる。HPLCによる測定は、例えば、下記方法により行うことができる。
ラクトース分解率測定用溶液200μLを2,000rpmで5分間遠心分離し、得られた上清20μLに希釈液(イノシトール(660mg/L)含有67%アセトニトリル溶液)500μLを添加し、振とう、静置する。続いて、この溶液を2,000rpmで5分間遠心分離し、得られた上清80μLに超純水を120μL添加し、振とうし、フィルターろ過して固形分を除去したものを、HPLC分析用試料とする。
HPLC分析用試料を、以下の条件で、内部標準(イノシトール)法によりHPLC分析することにより、ラクトース濃度を定量することができる。
<HPLC分析条件>
カラム:Asahipak NH2P−50 4E 4.6×250mm
サンプル注入量:10μL
移動相:アセトニトリル70.0%
移動相流速:1.0mL/分
カラムオーブン温度:40℃
検出器:ELSD
上記(2)の特性におけるラクトース分解率は、得られる乳酒の乳臭さをより低減する観点から、60%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましく、70%以上であることが更に好ましい。上限に特に制限はなく、100%であってもよい。
また、乳酸菌のラクトース分解活性は、β−ガラクトシダーゼ活性と相関する。したがって、上記(2)の特性は、β−ガラクトシダーゼ活性に関する特性と置き換えることもできる。例えば、下記(3)の特性であってもよい。
(3)乳酸菌をβ−ガラクトシダーゼの基質であるONPG(o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド)を含む緩衝液に懸濁させたときの懸濁液のOD660と、当該懸濁液を37℃で30分間遮光した状態で反応させたときのOD420との吸光度比(OD420/OD660)が、10.0以上。
上記OD420の値は、ONPGとβ−ガラクトシダーゼとの反応により生成するo−ニトロフェニルによる吸光を示す。したがって、吸光度比(OD420/OD660)は、単位菌体あたりのβ−ガラクトシダーゼ活性と相関する。
懸濁液のOD660の値及びOD420の値は、吸光度計(例えば、自記分光光度計U−3210(日立株式会社))により、それぞれ波長660nm及び420nmにおける吸光度を測定することにより求めることができる。
上記(3)の特性における吸光度比(OD420/OD660)は、得られる乳酒の乳臭さをより低減する観点から、20.0以上であることが好ましく、30.0以上であることがより好ましく、40.0以上であることが更に好ましい。上限に特に制限はないが、通常100.0以下である。
本発明に係る乳酸菌は、ラクトバチラス・デルブレッキ又はストレプトコッカス・サーモフィラスに属する菌株を変異原処理して得られた乳酸菌(変異株)であってもよい。
変異原処理は、例えば、紫外線照射、放射線照射等の物理的処理、活性酸素、ニトロソ化合物(例えば、ニトロソアミン、ニトロソグアニジン)、アルキル化剤(例えば、メチルメタンスルホネート、エチルメタンスルホネート)等に暴露することによる化学的処理が挙げられる。
上記変異株は、例えば、変異原処理後の生存率が1%程度となる条件で、乳酸菌に変異原処理を施した後、塗抹培養して単一コロニーを形成させて純化し、得られたコロニーに対して、上記(1)の特性、及び上記(2)の特性(又は上記(3)の特性)について、試験し、目的とする特性を有するコロニーを選別することにより得ることができる。
上記変異株としては、ラクトバチラス・デルブレッキ亜種ブルガリカス(Lactobacillus delbureckii subsp. bulgaricus)の変異株であり、該変異株は、比増殖速度が親株の0.5倍未満であり、且つ単位菌量当たりのβ−ガラクトシダーゼ活性が親株の9倍以上であるものであってもよい。
比増殖速度は、例えば、次のようにして求められる。乳酸菌をMRS培地に1.1×10cfu/mLで播種し、30℃で好気培養する。培養開始から12時間後及び30時間後に培養液をサンプリングし、それぞれOD660の値を測定する。測定されたOD660の値から下記式(II)により比増殖速度を算出する。
(ln(OD66030/OD66012))/(30−12) (II)
OD66030は培養開始30時間後のOD660の値、OD66012は培養開始12時間後のOD660の値である。「ln」は自然対数である。
単位菌量当たりのβ−ガラクトシダーゼ活性は、例えば、次のようにして求められる。乳酸菌をβ−ガラクトシダーゼの基質であるONPG(o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド)を含む緩衝液に懸濁させ、懸濁液のOD660の値を測定する。当該懸濁液を37℃で30分間遮光した状態で反応させ、OD420の値を測定する。得られたOD660の値及びOD420の値から吸光度比(OD420/OD660)を算出する。
上記乳酸菌は、ラクトバチラス・デルブレッキ亜種ブルガリカス48A12株であってもよい。48A12株は、(1)MRS培地に1.1×10cfu/mLで播種し、30℃で30時間好気培養したときの培養液のOD660の値が1.0以下、(2)50g/Lのラクトースを含む10%(w/v)スキムミルク水溶液に1.0×10cfu/mLで播種し、43℃で24時間好気培養したときのラクトース分解率が99%以上、(3)β−ガラクトシダーゼの基質であるONPG(o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド)を含む緩衝液に懸濁させたときの懸濁液のOD660と、当該懸濁液を37℃で30分間遮光した状態で反応させたときのOD420との吸光度比(OD420/OD660)が、70.0以上という優れた特性を有する。
また、上記乳酸菌は、ラクトバチラス・デルブレッキ亜種ブルガリカス48A12株の変異株であってもよい。当該変異株は、48A12株の上記(1)及び(2)の特性を維持しているもの、48A12株の上記(1)及び(3)の特性を維持しているもの、又は48A12株の上記(1)〜(3)の特性を維持しているもののいずれであってもよい。
上記乳酸菌は、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を用いてもよい。
〔酵母〕
上記酵母としては、アルコール発酵を行う酵母であればよく、例えば、ビール酵母、ワイン酵母、清酒酵母、焼酎酵母、ウイスキー酵母等の醸造用酵母が挙げられる。より具体的には、例えば、サッカロマイセス・セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・ウバルム(Saccharomyces uvarum)、サッカロマイセス・バヤヌス(Saccharomyces bayanus)及びサッカロマイセス・パストリアヌス(Saccharomyces pastorianus)からなる群より選択される少なくとも1種とすることができる。酵母は、市販されているものであってもよい。
〔乳成分を含有する基質〕
本明細書において、乳成分とは、乳糖(ラクトース)を含む獣乳由来の成分を意味する。獣乳に含まれる全成分であってもよく、一部の成分であってもよい。乳成分としては、具体的には、牛乳、馬乳、ヤク乳、ラクダ乳、ヤギ乳、ヒツジ乳等の獣乳の生乳、並びに生乳を脱脂、濃縮、乾燥、凍結、滅菌、乳糖分解、加熱等により処理した処理乳が挙げられる。処理乳としては、例えば、全粉乳、調製粉乳、脱脂粉乳(スキムミルク)、全脂粉乳、濃縮乳、滅菌乳、乳糖分解乳等が挙げられる。乳成分は1種単独であってもよく、2種以上を組合わせてもよい。
基質は上記乳成分を含有する。基質は乳成分以外の成分を更に含有していてもよく、例えば、ビタミン、ミネラル、フレーバー、果実エキス、果汁、野菜汁、豆乳等を添加してもよい。
〔乳酒の製造方法〕
(発酵工程)
本発明の乳酒の製造方法は、乳成分を含有する基質を上述した乳酸菌と酵母で発酵させる工程(発酵工程)を含む。乳酸菌がラクトースを資化しグルコース及びガラクトースが生成する。また、酵母がグルコースを資化し、エタノール等が生成する。
発酵工程は、乳成分を含有する基質を乳酸菌で発酵させる工程と、乳酸菌の発酵を終了させた後、酵母を添加し、酵母で発酵させる工程とを備えていてもよい。また、当初から、又は乳酸菌の発酵が一定程度進んだ後、乳酸菌による発酵と酵母による発酵を同時進行させる並行複発酵工程であってもよい。
基質に対する乳酸菌及び酵母の添加量は、用いる乳酸菌の種類、酵母の種類、基質の種類等に応じて適宜設定すればよい。これに限られるものではないが、例えば、乳酸菌は1.0×10〜1.0×10cfu/mLとすることができ、酵母は1.0×10〜1.0×10cfu/mLとすることができる。また、乳酸菌として48A12株を用いる場合、1.0×10〜1.0×10cfu/mLである。
発酵温度は、用いる乳酸菌の種類、酵母の種類、基質の種類等に応じて適宜設定すればよい。これに限られるものではないが、例えば、乳酸菌による発酵と酵母による発酵を順次行う場合、乳酸菌による発酵を25〜45℃で行い、酵母による発酵を10〜30℃で行うことができる。また、乳酸菌による発酵と酵母による発酵を同時進行させる場合、発酵を25〜30℃で行うことができる。また、乳酸菌として48A12株を用いる場合、25〜30℃である。
発酵時間は、用いる乳酸菌の種類、酵母の種類、基質の種類等に応じて適宜設定すればよい。これに限られるものではないが、例えば、乳酸菌による発酵と酵母による発酵を順次行う場合、乳酸菌による発酵を24〜72時間行い、酵母による発酵を48〜96時間行うことができる。また、乳酸菌による発酵と酵母による発酵を同時進行させる場合、発酵を24〜168時間行うことができる。また、乳酸菌として48A12株を用いる場合、24〜168時間である。
(エタノール添加工程)
上記製造方法は、基質を乳酸菌及び酵母で発酵させて得られた発酵物にエタノールを添加する工程(エタノール添加工程)を備えていてもよい。エタノールの添加量は、最終エタノール濃度を決定し、当該最終エタノール濃度になるように添加すればよい。最終エタノール濃度は、例えば、消費者の嗜好に合わせて決定すればよい。具体的には、例えば、最終エタノール濃度は、1.0〜10.0v/v%とすることができる。
(グルコース添加工程)
上記製造方法は、乳酸菌及び酵母で発酵させる前、又は発酵中に基質にグルコースを添加する工程(グルコース添加工程)を更に備えていてもよい。添加したグルコースを酵母が資化するため、得られる乳酒のエタノール濃度をより高めることができる。添加するグルコースの量は、例えば、得られる乳酒のエタノール濃度が1.0〜10.0v/v%となるように決定することができる。これに限られるものではないが、例えば、グルコースを0.01〜0.2g/mLとなるように添加することができる。
〔乳酸菌のスクリーニング〕
(実験例1:変異株の取得)
市販されている乳酸菌(ヨーグルトスターター菌)(クリスチャンハンセン社)7種から、ラクトバチラス・デルブレッキに属する乳酸菌13株及びストレプトコッカス・サーモフィラスに属する乳酸菌15株を分離した。分離した株をこれらの株のラクトース分解率と併せて下記表1に示す。
Figure 2014140330
[ラクトース分解率の測定]
50g/Lのラクトースを含む10%(w/v)スキムミルク水溶液に、上記乳酸菌株をそれぞれ1.0×10cfu/mLで播種し、43℃で24時間好気培養した。播種直後及び培養終了後直ちに上記スキムミルク中のラクトース濃度を、高速液体クロマトグラフ(HPLC)により測定した。HPLCによる分析条件は以下のとおりである。
スキムミルク200μLを2,000rpmで5分間遠心分離し、得られた上清20μLに希釈液(イノシトール(660mg/L)含有67%アセトニトリル溶液)500μLを添加し、振とうし、静置した。続いて、この溶液を2,000rpmで5分間遠心分離し、得られた上清80μLに超純水を120μL添加し、振とうし、フィルターろ過して固形分を除去した。これをHPLC分析用試料とし、内部標準(イノシトール)法により、ラクトース濃度を測定した。HPLC分析条件は以下のとおりである。
<HPLC分析条件>
カラム:Asahipak NH2P−50 4E 4.6×250mm
サンプル注入量:10μL
移動相:アセトニトリル70.0%
移動相流速:1.0mL/分
カラムオーブン温度:40℃
検出器:ELSD
得られたラクトース濃度から、ラクトース分解率を、下記式(I)により計算した。
ラクトース分解率=(C−C24)×100/C (I)
は乳酸菌を播種した時点での10%(w/v)スキムミルク水溶液中のラクトース濃度、C24は24時間好気培養した時点での10%(w/v)スキムミルク水溶液中のラクトース濃度である。
表1に示した乳酸菌株の中から、ラクトバチラス・デルブレッキに属する乳酸菌3株(No.10137、No.10142及びNo.10148)、ストレプトコッカス・サーモフィラスに属する乳酸菌2株(No.10141及びNo.10150)を選択し、変異原処理に供した。
[変異原処理]
各乳酸菌株にニトロソグアニジン処理を施し、変異株を作製した。MRS培地に10〜10cfu/mLとなるよう各乳酸菌株を播種し、37℃、24〜48時間前培養した。培養液に、生存率が1%程度となるように、ニトロソグアニジンを添加し、60分間攪拌することによりニトロソグアニジン処理を行った。ニトロソグアニジンの添加量は、No.10137が800質量ppm、No.10142が800質量ppm、No.10148が800質量ppm、No.10141が400質量ppm、No.10150が400質量ppmであった。
ニトロソグアニジン処理後の乳酸菌をアナログ培地(1%イーストエキストラクト(日本BD)、1%ペプトン(日本BD)、2%2−デオキシ−D−グルコース(東京化成)、1.5%寒天(Wako))のプレート上で塗抹培養した後、別のアナログ培地のプレート上で純化し、単一コロニーを得た。
[発酵試験]
変異原処理により得たコロニーを50g/Lのラクトースを含む10%(w/v)スキムミルク水溶液中で37℃、16時間前培養した後、50g/Lのラクトースを含む10%(w/v)スキムミルク水溶液0.2mLに1.0×10cfu/mLとなるよう前培養液を添加し、43℃で24時間培養した。播種時点でのスキムミルク水溶液中のラクトース濃度、及び24時間培養後のスキムミルク水溶液中のラクトース濃度を測定し、上記式(I)に従ってラクトース分解率を測定した。また、各変異株の親株についても同様にラクトース分解率を測定した。
ラクトース分解率の測定結果の一例を下記表2及び図1に示す。下記表2及び図1中、「Ld37親株」は、No.10137の株、「Ld37−1〜Ld37−12」は、それぞれLd37親株から得られた変異株、「Ld42親株」は、No.10142の株、「Ld42−1〜Ld42−3」は、それぞれLd42親株から得られた変異株、「Ld48親株」は、No.10148の株、「Ld48−2〜Ld48−12」は、それぞれLd48親株から得られた変異株である。
Figure 2014140330
ラクトバチラス・デルブレッキに属する乳酸菌3株、ストレプトコッカス・サーモフィラスに属する乳酸菌2株を変異原処理することにより、ラクトース分解率が55%を超える変異株を得ることができた。これらの変異株の中からラクトース分解率が特に高いLd48−5株を選択し、以下の実験に供した。
なお、Ld48−5株は、ラクトバチラス・デルブレッキ亜種ブルガリカス48A12株として、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターに寄託した(受領番号:NITE AP−1515、受領日:2013年1月21日)。本明細書中、Ld48−5株を「48A12株」とも称する。また、親株であるNo.10148の株を「48P株」とも称する。
(実験例2:48A12株の特性)
[増殖速度]
48A12株(変異株)及び48P株(親株)をMRS培地200mLに1.1×10cfu/mLで播種し、30℃で56時間好気培養した。経時的に培養液をサンプリングし、OD660の値及び乳酸濃度を測定した。OD660の値は、サンプリングした培養液を必要に応じて希釈し、自記分光光度計U−3210(日立株式会社)で測定した。乳酸濃度は高速液体クロマトグラフ(HPLC)により測定した。
OD660の値及び乳酸濃度の測定結果を下記表3及び表4に示す。また、OD660の値の測定結果を図2に示す。
Figure 2014140330
Figure 2014140330
48A12株(変異株)の増殖速度は遅く、30時間培養した時点でOD660の値が0.670であった。また、培養開始12時間後から培養開始30時間後までの比増殖速度をOD660の値から下記式(II)により算出し、48P株(親株)と比較した。
(ln(OD66030/OD66012))/(30−12) (II)
OD66030は培養開始30時間後のOD660の値、OD66012は培養開始12時間後のOD660の値である。
その結果、48A12株(変異株)の比増殖速度/48P株(親株)の比増殖速度=ln(0.670/0.134)/ln(4.79/0.159)=ln(5)/ln(30.13)=0.473であった。すなわち、48A12株(変異株)の比増殖速度は、48P株(親株)の比増殖速度の0.473倍程度であった。
[β−ガラクトシダーゼ活性]
β−ガラクトシダーゼ定量システム(β−Galactosidase Enzyme Assay System with Reporter Lysis Buffer、プロメガ社)を使用して、β−ガラクトシダーゼ活性を測定した。上記システムは、β−ガラクトシダーゼが、基質であるONPG(o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド)を加水分解することにより、黄色のo−ニトロフェニルを生成することを利用するものである。o−ニトロフェニルは420nmの波長の光を吸収するため、OD420の値は、β−ガラクトシダーゼ活性と相関する。
MRS培地10mLを用いて、48A12株(変異株)及び48P株(親株)を、それぞれ30℃で24時間好気培養した。48A12株(変異株)及び48P株(親株)の菌体を遠心分離(12,000rpm、3分)にて集菌した後、リン酸緩衝液(PBS)で3回洗浄し、1mLのPBSに再懸濁した。菌懸濁液のOD660の値を自記分光光度計U−3210(日立株式会社)で測定した後、菌懸濁液にガラスビーズ(φ0.1mm)を300mg添加して、ビーズ式破砕装置(FastPrep24、MP biomedicals社)を用いて菌体を破砕した。その後、上記システムのマニュアルに従い、遠心分離(12,000rpm、3分)した上清50μLをONPGを含む反応液に懸濁させた。反応液は37℃で30分間遮光した状態で静置し、反応終了後直ちに反応液のOD420の値をマイクロプレートリーダー(μQuant、BIO−TEK INSTRUMENTS社)で測定した。
測定結果を表5に示す。OD420/OD660で示される48A12株(変異株)の単位菌量当たりのβ−ガラクトシダーゼ活性は70.4であり、48P株(親株)のβ−ガラクトシダーゼ活性(7.38)の約9.5倍であった。
Figure 2014140330
〔乳酒の製造1〕
(実施例1)
10%(w/v)スキムミルク(森永乳業社製)水溶液を基質とし、乳酸菌48A12株(変異株)を10cfu/mL、酵母Saccharomyces cerevisiae UA株を10cfu/mLとなるように添加した。25℃で72時間並行複発酵させ、実施例1の乳酒を製造した。
(実施例2)
10%(w/v)スキムミルク水溶液に代えて20%(w/v)スキムミルク水溶液を基質としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の乳酒を製造した。
(比較例1)
乳酸菌48A12株(変異株)に代えて乳酸菌48P株(親株)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の乳酒を製造した。
(比較例2)
乳酸菌48A12株(変異株)に代えて乳酸菌48P株(親株)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、比較例2の乳酒を製造した。
〔乳酒の評価1〕
実施例1〜2及び比較例1〜2の乳酒について、pH、エタノール濃度及びラクトース分解率を測定した。また、実施例1〜2及び比較例1〜2の乳酒の風味について官能試験により評価した。
(pHの測定)
乳酒のpHは、pHメーター(F−51、堀場製作所)により測定した。結果を表7に示す。
(エタノール濃度の測定)
乳酒のエタノール濃度は、F−kit(エタノール、JKインターナショナル社)により測定した。結果を表7に示す。
(ラクトース分解率の測定)
ラクトース分解率は、酵母及び乳酸菌添加前のラクトース含有量(C)(g/100mL)及び乳酒のラクトース含有量(C)(g/100mL)を、高速液体クロマトグラフ(HPLC)により測定し、得られた測定値から下記式により算出した。
(ラクトース分解率)=(C−C)×100/C
結果を表7に示す。
(官能試験)
官能評価は、15名の訓練されたパネルにより、下記表6に示す基準で、乳臭さ、アルコール感及び総合評価について評点を付け、15名のパネルの評点の平均値を求めた。結果を表7に示す。なお、乳臭さ、アルコール感及び総合評価のいずれも点数が高い程評価が高いことを意味する。また、各パネルには各乳酒の風味に関して自由にコメントしてもらった。代表的なコメントを併せて表7に示す。
Figure 2014140330
Figure 2014140330
同濃度のスキムミルクを基質とした場合、実施例1及び2の乳酒は比較例1及び2の乳酒と比較して、乳臭さが低減され、アルコール感が強く、かつ総合評価も高かった。また、実施例1及び2の乳酒は比較例1及び2の乳酒と比較してpHが高く、ラクトース分解率が高く、エタノール濃度が高い傾向にあった。
比較例1及び2の乳酒は、「酸味」、「ピリピリ感」等のフリーコメントが寄せられ、好ましくない酸味があった。一方、実施例1及び2の乳酒では、酸味に関して否定的なフリーコメントはなく、好ましくない酸味が低減されていた。また、実施例1及び2の乳酒では香りやその他風味に関しても肯定的なフリーコメントが多く、風味が向上していた。
〔乳酒の製造2〕
(実施例3)
実施例1の乳酒にエタノールを添加して、エタノール濃度を3v/v%に調整し、実施例3の乳酒を製造した。
(実施例4)
10%(w/v)スキムミルク水溶液に代えて、10%(w/v)スキムミルク水溶液に、発酵後の乳酒のエタノール濃度が3v/v%となるようにグルコースを0.05g/mL添加したものを基質としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の乳酒を製造した。
(比較例3)
比較例1の乳酒にエタノールを添加して、エタノール濃度を3v/v%に調整し、比較例3の乳酒を製造した。
(比較例4)
10%(w/v)スキムミルク水溶液に代えて、10%(w/v)スキムミルク水溶液に、発酵後の乳酒のエタノール濃度が3v/v%となるようにグルコースを0.05g/mL添加したものを基質としたこと以外は比較例1と同様にして、比較例4の乳酒を製造した。
〔乳酒の評価2〕
上述した〔乳酒の評価1〕と同様にして、実施例3〜4及び比較例3〜4の乳酒を評価した。結果を、実施例1及び比較例1の結果と併せて表8に示す。
Figure 2014140330
同じ製造工程を経た場合、変異株を用いた実施例の乳酒は比較例の乳酒と比較して、乳臭さが低減され、アルコール感が強く、かつ総合評価も高かった。また、フリーコメントから明らかなとおり、好ましくない酸味が低減されていた。
エタノールを添加してエタノール濃度を3.0v/v%に調整することにより、アルコール感の向上に加えて、乳臭さの低減が認められ、より総合評価の高い乳酒が得られた(実施例3)。実施例1及び3の比較(アルコール感の評点が0.8向上)、並びに比較例1及び3の比較(アルコール感の評点が0.2向上)から、変異株を用いた乳酒では、アルコール添加によるアルコール感の相乗的な向上効果が認められた。
基質にグルコースを添加することにより、乳臭さが顕著に低減され、アルコール感も向上した乳酒が得られた(実施例4)。実施例1及び4の比較(乳臭さの評点が0.9向上)、並びに比較例1及び4の比較(乳臭さの評点が0.3低下)から、変異株を用いた乳酒では、グルコースを基質に添加することによる乳臭さの低減という顕著な効果が認められた。
なお、ラクトバチラス・デルブレッキ亜種ブルガリカス48A12株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8(郵便番号292−0818))に寄託されており、受託番号がNITE−1515(受託日:2013年1月21日)の菌株である。
なお、Ld48−5株は、ラクトバチラス・デルブレッキ亜種ブルガリカス48A12株として、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターに寄託した(受託番号:NITE−1515、受託日:2013年1月21日)。本明細書中、Ld48−5株を「48A12株」とも称する。また、親株であるNo.10148の株を「48P株」とも称する。

Claims (10)

  1. 乳成分を含有する基質を乳酸菌と酵母で発酵させる、乳酒の製造方法であって、
    前記乳酸菌が、ラクトバチラス・デルブレッキ(Lactobacillus delbureckii)又はストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)に属し、
    前記乳酸菌をMRS培地に1.1×10cfu/mLで播種し、30℃で30時間好気培養したときの培養液のOD600の値が1.0以下であり、かつ、
    前記乳酸菌を50g/Lのラクトースを含む10%(w/v)スキムミルク水溶液に1.0×10cfu/mLで播種し、43℃で24時間好気培養したときのラクトース分解率が55%以上である、
    乳酒の製造方法。
  2. 前記乳酸菌が、ラクトバチラス・デルブレッキ(Lactobacillus delbureckii)又はストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)に属する菌株を変異原処理して得られたものである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記乳酸菌が、ラクトバチラス・デルブレッキ亜種ブルガリカス(Lactobacillus delbureckii subsp. bulgaricus)の変異株であり、
    前記変異株は、比増殖速度が親株の0.5倍未満であり、且つ単位菌量当たりのβ−ガラクトシダーゼ活性が親株の9倍以上である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記乳酸菌がラクトバチラス・デルブレッキ亜種ブルガリカス(Lactobacillus delbureckii subsp. bulgaricus)48A12株(NITE AP−1515)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記基質を前記乳酸菌及び前記酵母で並行複発酵させる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記基質を前記乳酸菌及び前記酵母で発酵させて得られた発酵物にエタノールを添加するエタノール添加工程を更に備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記乳酸菌及び前記酵母で発酵させる前、又は発酵中に前記基質にグルコースを添加するグルコース添加工程を更に備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記酵母がサッカロマイセス・セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・ウバルム(Saccharomyces uvarum)、サッカロマイセス・バヤヌス(Saccharomyces bayanus)及びサッカロマイセス・パストリアヌス(Saccharomyces pastorianus)からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項の製造方法により得られた乳酒。
  10. ラクトバチラス・デルブレッキ亜種ブルガリカス(Lactobacillus delbureckii subsp. bulgaricus)48A12株(NITE AP−1515)又は下記(1)及び(2)を満たす、その変異株。
    (1)MRS培地に1.1×10cfu/mLで播種し、30℃で30時間好気培養したときの培養液のOD660の値が1.0以下
    (2)50g/Lのラクトースを含む10%(w/v)スキムミルク水溶液に1.0×10cfu/mLで播種し、43℃で24時間好気培養したときのラクトース分解率が99%以上
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