JP2014138947A - 鋳造物の製造方法および鋳造物 - Google Patents

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利治 平井
Takeshi Miyagawa
武 宮川
Susumu Kurosaki
晋 黒崎
Chikashi Takahashi
史 高橋
Koji Kobiki
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Abstract

【課題】簡単、かつ高精度に連通路を形成することができるようにして、生産性の向上および製造コストの低減を図ることができる小型な鋳造物の製造方法および鋳造物を提供すること。
【解決手段】リヤカバーを鋳造する製造方法として、一部が可動金型42に向かって折り曲げられた除去部46Aを有する管46を準備し、固定金型41に管46の一端部46aおよび他端部46bを支持してキャビティ43に管46を設置した後、キャビティ43に鋳造材料を流し込み、次いで、固定金型41および可動金型42から取り外されたリヤカバー11から除去部46Aおよびリヤカバー11の一部を除去することにより、リヤカバー11の一側面と他側面とを連通する2つの独立した吸入通路および吐出通路を形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、鋳造物に管を鋳包んで連通路を形成する鋳造物の製造方法および鋳造物に関する。
一般に、車両のトランスアクスルケース等の鋳造物に潤滑油用または冷却水用の屈曲した連通路に形成する場合には、連通路の一部を機械加工あるいはスライドピン等によって穿設した後、連通路の一端部をプラグで閉塞するようにしている。
このため、連通路を形成するための加工工数が増大して鋳造物の生産性や品質が悪化してしまう。また、プラグとプラグによって閉塞される不要な連通路とが存在してしまい、その分だけ鋳造物が大型化してしまう。
これに対して、鋳造物からなるトランスアクスルケースに、連通路を構成する屈曲した管を鋳包んだインホイールモータの駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このトランスアクスルケースは、連通路を形成するための加工工数を低減してトランスアクスルケースの生産性が悪化するの抑制することができるとともに、プラグとプラグによって閉塞される連通路とを不要にできる分だけ、トランスアクスルケースを小型化することができる。
特開2012−171420号公報
管を鋳包んだトランスアクスルケースを鋳造する場合には、固定金型と可動金型に管の端部を支持し、固定金型および可動金型の合わせ面に形成されたキャビティに鋳造材料を流し込んで管を鋳包むことが考えられる。
しかしながら、固定金型および可動金型に管の端部を支持すると、固定金型および可動金型の型合わせ時に可動金型に管の一端部を高精度に位置合わせする必要がある。
このため、可動金型と可動金型に管の一端部を支持するために可動金型と配管の一端部との間に隙間を確保しなければならず、その隙間から鋳造材料が漏れてしまい、鋳造物の品質が悪化するおそれがある。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、簡単、かつ高精度に連通路を形成することができるようにして、生産性の向上および製造コストの低減を図ることができる小型な鋳造物の製造方法および鋳造物を提供することを目的とする。
本発明に係る鋳造物の製造方法は、上記目的を達成するため、(1)鋳造物に屈曲した管を鋳包んで前記管によって前記鋳造物の一側面と他側面とを連通する連通路を形成する鋳造物の製造方法であって、一方の鋳型に少なくとも1つの前記管の両端を支持して前記一方の鋳型および他方の鋳型の合わせ面に形成されたキャビティに前記管を設置した後、前記キャビティに鋳造材料を流し込み、次いで、前記一方の鋳型および前記他方の鋳型から取り外された鋳造物から少なくとも前記管の一部を除去するようになっている。
この鋳造物の製造方法は、一方の鋳型に少なくとも1つの管の両端を支持してキャビティに鋳造材料を流し込んだ後、鋳型から取り外された鋳造物から少なくとも管の一部を除去することにより、管によって鋳造物の一側面と他側面とを連通する連通路を形成しているので、他方の鋳型と管とを高精度に位置決めするのを不要にでき、鋳造材料の漏れが発生するのを防止して鋳造物に連通路を形成することができる。
したがって、鋳造物に連通路を簡単、かつ高精度に形成することができ、鋳造物の生産性を向上させることができるとともに、鋳造物の製造コストを低減することができる。また、従来のようにプラグとプラグが挿通される連通路とが不要になり、鋳造物を小型化することができる。
上記(1)に記載の鋳造物の製造方法において、(2)一部が前記一方の鋳型から前記他方の鋳型に向かって折り曲げられた除去部を有する前記管を準備し、前記一方の鋳型に前記管の両端を支持して前記キャビティに前記管を設置した後、前記キャビティに鋳造材料を流し込み、次いで、前記一方の鋳型および前記他方の鋳型から取り外された鋳造物から少なくとも前記除去部を除去することにより、前記鋳造物の一側面と他側面とを連通する少なくとも2つの独立した連通路を形成するようにしている。
この鋳造物の製造方法は、一方の鋳型に管の両端を支持してキャビティに鋳造材料を流し込んだ後、鋳型から取り外された鋳造物から少なくとも除去部を除去することにより、鋳造物に簡単、かつ高精度で少なくとも2つの独立した連通路を同時に形成することができる。
上記(1)に記載の鋳造物の製造方法において、(3)一部が閉鎖された前記管を準備し、前記管の両端部が前記一方の鋳型に支持された状態で前記管を前記キャビティに設置し、次いで、前記キャビティに鋳造材料を流し込んだ後、前記一方の鋳型および前記他方の鋳型から取り外された前記鋳造物の一部と前記管の一部とを除去することにより、前記鋳造物の一側面と他側面とを連通する少なくとも1つの連通路を形成するようにしている。
この鋳造物の製造方法は、一部が閉鎖された管の両端部を一方の鋳型に支持した状態でキャビティに鋳造材料を流し込んだ後、鋳型から取り外された鋳造物の一部と管の一部とを除去することにより、鋳造物に簡単、かつ高精度で鋳造物の一側面と他側面とを連通する少なくとも1つの連通路を形成することができる。
上記(1)または(2)に記載の鋳造物の製造方法によって製造された鋳造物であって、(4)前記管の一側面と他側面とを連通する少なくとも独立した2つの連通路を有するものから構成されている。
この鋳造物は、管の一側面と他側面とを連通する独立した2つの連通路を有するので、例えば、連通路の一方を流体の吸入口から構成し、連通路の他方を流体の排出口とする等して鋳造物の用途を広げることができる。
また、鋳造物に管が内蔵されているため、鋳造物の剛性を高めることができる。さらに、管の形状を可変することにより、連通路を形成するための自由度を向上させることができる。これに加えて、管の長さを可変にして連通路の長さを変更することができるため、連通路の長さを短くして連通路を流れる流体の流通抵抗を小さくすることができる。
上記(3)に記載の鋳造物の製造方法によって製造された鋳造物であって、(5)前記管の一端部と前記鋳造物の他側面とを連通する主連通路を有し、前記管の他端部と閉鎖された前記管の部位との間のダミー連通路が前記主連通と非連通であるものから構成されている。
この鋳造物は、鋳造物に管が内蔵されているため、鋳造物の剛性を高めることができる。また、ダミー連通路を構成する管の部位を有する分だけ、鋳造物の剛性をより一層大きくすることができる。
上記(3)または(4)に記載の鋳造物において、前記鋳造物がトランスアクスルのケースの一部を構成している。
この鋳造物は、管を内蔵しているため、トランクアクスルケースの剛性を高めることができ、トランスアクスルケースに振動が発生するのを抑制することができる。
本発明によれば、簡単、かつ高精度に連通路を形成することができるようにして、生産性の向上および製造コストの低減を図ることができる小型な鋳造物の製造方法および鋳造物を提供することができる。
本発明に係る鋳造物の製造方法および鋳造物の第1の実施の形態を示す図であり、動力伝達装置の概略断面図である。 本発明に係る鋳造物の製造方法および鋳造物の第1の実施の形態を示す図であり、(a)は、リヤカバーの断面図、(b)は、管の構成図である。 本発明に係る鋳造物の製造方法および鋳造物の第1の実施の形態を示す図であり、リヤカバーを鋳造する金型の断面図である。 本発明に係る鋳造物の製造方法および鋳造物の第1の実施の形態を示す図であり、リヤカバーの鋳造手順を示す図である。 本発明に係る鋳造物の製造方法および鋳造物の第1の実施の形態を示す図であり、図4(b)に後続するリヤカバーの鋳造手順を示す図である。 本発明に係る鋳造物の製造方法および鋳造物の第1の実施の形態を示す図であり、従来の金型を示す図である。 本発明に係る鋳造物の製造方法および鋳造物の第2の実施の形態を示す図であり、(a)は、リヤカバーの断面図、(b)は、管の構成図である。 本発明に係る鋳造物の製造方法および鋳造物の第2の実施の形態を示す図であり、金型の断面図である。 本発明に係る鋳造物の製造方法および鋳造物の第2の実施の形態を示す図であり、リヤカバーの鋳造手順を示す図である。 本発明に係る鋳造物の製造方法および鋳造物の第2の実施の形態を示す図であり、図9(b)に後続するリヤカバーの鋳造手順を示す図である。
以下、本発明に係る鋳造物の製造方法および鋳造物の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図6は、本発明に係る鋳造物の製造方法および鋳造物の第1の実施の形態を示す図であり、鋳造物を車両のトランスアクスルケースに適用した例を示している。
まず、構成を説明する。
図1において、動力伝達装置1は、トランスアクスルケース2を有しており、トランスアクスルケース2内には、変速機構を構成する複合遊星歯車装置3と、ドライブシャフト4a、4bへの差動出力が可能なディファレンシャル装置5と、蓄電された電力により車両を駆動させる駆動用モータ6と、内燃機関としての図示しないエンジンからの動力により発電可能なモータジェネレータ7と、動力伝達装置1の各部にオイルを供給するオイルポンプ8とが収容されている。
トランスアクスルケース2は、エンジン側に締結支持されるハウジング9と、ハウジング9のエンジン側とは反対側の開口端に固定された本体ケース10と、本体ケース10の ハウジング9側とは反対側の開口端を閉塞するリヤカバー11とを含んで構成されている。
本実施の形態のリヤカバー11は、トランスアクスルケース2の一部を構成しており、リヤカバー11の本体ケース10側の反対側にはポンプカバー12が装着されている。
ハウジング9にはハウジングカバー13が装着されており、ハウジングカバー13は、ハウジング9内をモータジェネレータ7の収容部とエンジンからの駆動力伝達機構であるダンパー装置14の収容部とに画成している。
複合遊星歯車装置3は、駆動用モータ6から出力された動力を伝達する第1の遊星歯車装置15と、エンジンから出力された動力を伝達する第2の遊星歯車装置16とを含んで構成されている。第1の遊星歯車装置15は、駆動用モータ6に接続され、駆動用モータ6から出力された動力を減速するようになっている。
また、第2の遊星歯車装置16は、モータジェネレータ7に接続されており、エンジン側からの動力をモータジェネレータ7とディファレンシャル装置5とに分配するようになっている。
また、第1の遊星歯車装置15および第2の遊星歯車装置16は、第1の遊星歯車装置15のリングギヤと第2の遊星歯車装置16のリングギヤとを回転軸方向に連ねたカウンタドライブギヤ17により接続されている。
モータジェネレータ7および第2の遊星歯車装置16の回転中心部分には、モータジェネレータ7および第2の遊星歯車装置16を貫通するように延在するインプットシャフト18が配設されており、駆動用モータ6および第1の遊星歯車装置15の回転中心部分には、駆動用モータ6および第1の遊星歯車装置15を貫通するように延在するポンプ駆動軸19が配設されている。
インプットシャフト18は、一端部がクランクシャフト20に回転方向一体に係合されるとともに、他端部が第2の遊星歯車装置16に接続されており、エンジンからの動力を第2の遊星歯車装置16に伝達するようになっている。
ポンプ駆動軸19は、一端部がインプットシャフト18に回転方向一体に係合されるとともに、他端部がオイルポンプ8に接続されており、インプットシャフト18からの動力をオイルポンプ8に伝達するようになっている。
また、ポンプ駆動軸19およびインプットシャフト18内には、複数の油路が形成されており、この油路を通じてオイルポンプ8により汲み上げられたオイルが動力伝達装置1の各部に送り出されるようになっている。
また、トランスアクスルケース2内には、複合遊星歯車装置3から出力された動力をディファレンシャル装置5に伝達するカウンタドリブンギヤ21およびファイナルドライブギヤ22が設けられており、カウンタドリブンギヤ21に伝達される動力は、ディファレンシャル装置5を介してドライブシャフト4a、4bに伝達される。
ポンプ駆動軸19は、一端部がインプットシャフト18に回転方向一体に係合されるとともに、他端部がオイルポンプ8に接続されており、インプットシャフト18からの動力をオイルポンプ8に伝達するようになっている。
ポンプ駆動軸19およびインプットシャフト18内には、油路19aおよび油路18aが形成されており、この油路19aおよび油路18aを通じてオイルポンプ8により汲み上げられたオイルが第1の遊星歯車装置15および第2の遊星歯車装置16に送り出されるようになっている。ここで、油路19aおよび油路18aは、ポンプ駆動軸19およびインプットシャフト18の半径方向に延在する油路も含む。
一方、オイルポンプ8は、ポンプ駆動軸19の端部に装着されたインナロータ23と、インナロータ23の半径方向外方に設けられたアウタロータ24とを備えており、ポンプカバー12およびリヤカバー11の一部によって画成されるロータ室25に回転自在に収納されている。
ポンプカバー12には、インナロータ23の軸線方向の一方の面に対向するようにして吸入通路26が設けられており、吸入通路26には、リヤカバー11に形成された吸入通路27を介して図示しないリザーバからのオイルが導入されるようになっている。
また、ポンプカバー12には、吐出通路28が設けられている。この吐出通路28は、オイルポンプ8によって吐出されるオイルが導入されるようになっており、吐出通路28に導入されたオイルは、ポンプ駆動軸19の油路19aおよびリヤカバー11に形成された吐出通路29に分配されて導入される。
また、吐出通路28は、オイルパイプ30が接続されており、このオイルパイプ30には吐出通路28からオイルが導入されるようになっている。オイルパイプ30には駆動用モータ6に対向する下方側に噴射孔30a、30b、30cが形成されており、吐出通路28から吐出通路29を介してオイルパイプ30に供給されたオイルは、噴射孔30a、30b、30cから駆動用モータ6に供給されることで駆動用モータ6が冷却される。
一方、本実施の形態のリヤカバー11は、鋳造物から構成されている。図2(a)に示すように、リヤカバー11にはそれぞれ連通路としての吸入通路27および吐出通路29が形成されており、この吸入通路27および吐出通路29は、それぞれ屈曲形状を有し、リヤカバー11の一側面11aと他側面11bとを連通している。また、この吸入通路27および吐出通路29は、リヤカバー11に内蔵された管46から構成されている。
次に、図3〜図5に基づいて鋳造物であるリヤカバー11の製造方法を説明する。
図3において、一方の鋳型としての固定金型41および他方の鋳型としての可動金型42は、それぞれの対向面にリヤカバー11の外周形状に沿ったキャビティ面41a、42aが形成されている。
この固定金型41および可動金型42は、合わせ面41b、42bが合わされて型締めされることにより、キャビティ面41a、42aによってアルミニウム、あるいはアルミニウム合金等の金属性の鋳造材料が流し込まれるキャビティ43が画成される。
また、固定金型41にはスプルー44が形成されており、このスプルー44を通してキャビティ43に鋳造材料が流し込まれる。固定金型41のキャビティ面41aには、突部41A、41B、41C、41Dが形成されている。
突部41A、41Bには吸入通路27および吐出通路29を構成するクランク形状の管46の両端が支持されるようになっている。また、突部41C、41Dは、リヤカバー11の中央部に形成されてポンプ駆動軸19が挿通される挿通穴11cおよびリヤカバー11を本体ケース10に締結するボルト穴11dに対応している(図1、図2(a)参照)。
可動金型42には逃げ溝42Aが形成されており、この逃げ溝42Aには管46の延在方向中央部の折り曲げ部位である除去部46Aが挿通されるようになっている。すなわち、図2(b)に示すように、本実施の形態の管46は、一端部46aおよび他端部46bに対して可動金型42側に折り曲げられ除去部46Aを有している。
図4、図5は、リヤカバー11の鋳造手順を説明する図である。
図4(a)において、管46の両端部、すなわち、管46の一端部46aおよび他端部46bを固定金型41の突部41A、41Bに挿通して、管46の一端部46aおよび他端部46bを固定金型41に支持する。
次いで、可動金型42の合わせ面42bを固定金型41の合わせ面41bに合わせるようにして可動金型42を固定金型41に型締めする。このとき、管46の除去部46Aが可動金型42の逃げ溝42Aに挿通される。
逃げ溝42Aは、除去部46Aよりも幅が大きく形成されているため、除去部46Aの位置と逃げ溝42Aの位置とを高精度に位置決めする必要はない。
次いで、図4(b)に示すように、スプルー44を通してキャビティ43に鋳造材料47を流し込むことにより、管46を鋳造材料47に鋳包む。鋳造材料47が固化されると、図5(a)に示すように、固定金型41および可動金型42からリヤカバー11を取り外す。
次いでリヤカバー11から管46の除去部46Aおよび除去部46Aの周囲のリヤカバー11の部位を切削等の機械加工により除去し、リヤカバー11の表面を研磨することにより、図5(b)に示す最終形状のリヤカバー11が完成する。
このように本実施の形態のリヤカバー11の製造方法によれば、一部が可動金型42に向かって折り曲げられた除去部46Aを有する管46を準備し、固定金型41に管46の一端部46aおよび他端部46bを支持してキャビティ43に管46を設置した後、キャビティ43に鋳造材料を流し込む。
次いで、固定金型41および可動金型42から取り外されたリヤカバー11から除去部46Aおよびリヤカバー11の一部を除去することにより、リヤカバー11の一側面11aと他側面11bとを連通する2つの独立した吸入通路27および吐出通路29を形成した。
このため、可動金型42と管46とを高精度に位置決めするのを不要にでき、鋳造材料47の漏れが発生するのを防止してリヤカバー11に吸入通路27および吐出通路29を形成することができる。
したがって、リヤカバー11に吸入通路27および吐出通路29を簡単、かつ高精度に形成して、リヤカバー11の生産性を向上させることができるとともに、リヤカバー11の製造コストを低減することができる。
具体的には、図6に示すように、固定金型51と可動金型52とに管53の一端部53aおよび他端部53bを支持する場合には、可動金型52に管53の挿通を許容するための開口部52aを形成する必要がある。
このようにすると、可動金型52と管53の他端部53bの位置決め精度を高くする必要がある上に、管53の他端部53bと開口部52aとの間から鋳造材料54が漏れるおそれがある。
本実施の形態のリヤカバー11の製造方法では、固定金型41に管46の一端部46aおよび他端部46bを支持して、鋳造を行うので、可動金型42と管46とを高精度に位置決めするのを不要にでき、鋳造材料47の漏れが発生するのを防止することができる。
また、従来、リヤカバー11に屈曲形状の吸入通路27および吐出通路29を形成する場合には、可動金型42の型締め、型開き方向(図4中、左右方向)と直交する方向に延在する吸入通路27および吐出通路29の一部に機械加工を施すか、この方向にスライドピンを設ける必要がある。
しかしながら、機械加工またはスライドピンを設けると、可動金型や固定金型の端面からドリルやスライドピンを挿通する必要があり、リヤカバー11に可動金型42の型締め、型開き方向と直交する方向に延在する不要な連通路が空いてしまい、この連通路をフラグで閉塞する必要がある。したがって、リヤカバー11に不要な連通路およびプラグが必要な分だけ、リヤカバー11が大型化してしまう。
これに対して、本実施の形態のリヤカバー11の製造方法は、リヤカバー11に吸入通路27および吐出通路29を構成する管46を鋳包むようにしたので、従来のようにプラグとプラグが挿通される連通路とが不要になり、リヤカバー11を小型化することができる。
また、本実施の形態のリヤカバー11の製造方法によって製造されたリヤカバー11は、管46が内蔵されているため、リヤカバー11の剛性を高めることができる。特に、本体ケース10の開口端を閉止するリヤカバー11は、面積が大きく剛性が低いため、動力伝達装置1の構成部品の挙動によって振動が発生し易く、動力伝達装置1のNV(Noise and Vibration;振動と騒音)性能を悪化させる要因となる。
これに対して、本実施の形態のリヤカバー11は、内蔵された管46によってリヤカバー11の剛性を高めることができるため、振動を抑制することができ、動力伝達装置1のNV性能が悪化するのを抑制することができる。
また、本実施の形態の製造方法によって製造されたリヤカバー11は、管46によって吸入通路27および吐出通路29を構成しているので、管46の形状を可変することにより、吸入通路27および吐出通路29を形成するための自由度を向上させることができる。
これに加えて、管46の長さを可変にして吸入通路27および吐出通路29の長さを変更することができるため、吸入通路27および吐出通路29の長さを短くして吸入通路27および吐出通路29を流れる流体の流通抵抗を小さくすることができる。この結果、オイルポンプ8の駆動力を小さくすることができ、エンジンの燃費が悪化するのを防止することができる。
なお、本実施の形態の固定金型41は、突部41A、41Bを有しているが、固定金型41に、突部41A、41Bに代えて管46の一端部46aおよび他端部46bが挿通される凹部を形成してもよい。
また、本実施の形態のリヤカバー11は、除去部46Aおよび除去部46Aの周囲のリヤカバー11の一部を除去しているが、固定金型41および可動金型42の形状を変更して、除去部46Aのみを除去するようにしてもよい。
また、本実施の形態のリヤカバー11の製造方法は、連通路として2つの吸入通路27および吐出通路29を形成しているが、1つまたは3つ以上の連通路を形成するようにしてもよい。
(第2の実施の形態)
図7〜図10は、本発明に係る鋳造物の製造方法および鋳造物の第2の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同一の構成には同一番号を付して説明を省略する。
本実施の形態のリヤカバーは、動力伝達装置1のトランスアクスルケース2の形状によっては、吐出通路のみでよい場合があるため、吐出通路のみを有するものである。なお、本実施の形態のリヤカバーは、ポンプ駆動軸19が挿通される挿通穴を避けた断面を示している。
図7において、鋳造物としてのリヤカバー61は、連通路としての1つの吐出通路62を備えており、この吐出通路62は、リヤカバー61の一側面61aと他側面61bとを連通している。また、吐出通路62は、管63から構成されている。
図8は、リヤカバー61を鋳造するための金型を示す図であり、金型は、一方の鋳型としての固定金型64および他方の鋳型を構成する可動金型65を備えている。固定金型64および可動金型65は、それぞれの対向面にリヤカバー61の外周形状に沿ったキャビティ面64a、65aが形成されている。
この固定金型64および可動金型65は、合わせ面64b、65bが合わされて型締めされることにより、キャビティ面64a、65aによってアルミニウム、あるいはアルミニウム合金等の金属性の鋳造材料が流し込まれるキャビティ66が画成される。
また、固定金型64にはスプルー67が形成されており、このスプルー67を通してキャビティ66に鋳造材料68が流し込まれる。また、固定金型64のキャビティ面41aには、例えば、突部64A、64Bが形成されており、この突部64A、64Bには吐出通路62を構成する屈曲した管63の両端である一端部63aおよび他端部63b(図7(b)参照)が支持されるようになっている。
図7に示すように、管63には閉鎖部63Aが形成されており、この閉鎖部6Aは、例えば、管63の一部が押し潰されることより管63の一部を閉鎖している。また、閉鎖部63Aと他端部63bと間の吐出通路62の部位は、ダミー連通路62Aを構成している。
図9、図10、リヤカバー61の鋳造手順を説明する図である。
図9(a)において、管63の一端部63aおよび他端部63bを固定金型64の突部64A、64Bに挿通して、管63の一端部63aおよび他端部63bを固定金型64に支持する。
次いで、可動金型65の合わせ面65bを固定金型64の合わせ面64bに合わせるようにして可動金型65を固定金型64に型締めする。
次いで、図9(b)に示すように、スプルー67を通してキャビティ66に鋳造材料68を流し込むことにより、管63を鋳造材料68に鋳包む。鋳造材料68が固化されると、図10(a)に示すように、固定金型64および可動金型65からリヤカバー61を取り外す。
次いで、図10(b)に示すように、リヤカバー61の他側面61bから一側面61aに向かって穴62aを加工するとともに、管63の一部に穴を開ける。この結果、リヤカバー61に一側面61aから他側面61bに連通される連通路の一部を構成する穴62aを含んだ吐出通路62が形成される。
すなわち、リヤカバー61に形成される吐出通路62は、管63の一端部とリヤカバー61の他側面61bとを連通する主連通路62Bを有し、主連通路62Bの一部は、リヤカバー61の一部が除去されることによって形成された穴62aから構成されている。また、管63の他端部63bと閉鎖部63Aとの間のダミー連通路62Aは、管63の一部から構成されており、このダミー連通路62Aは、主連通路62Bと非連通となっている。
このように本実施の形態のリヤカバー61の製造方法によれば、一部分が閉鎖された管63の一端部63aおよび他端部63bを固定金型64に支持してキャビティ66に鋳造材料68を流し込んだ後、固定金型64および可動金型65から取り外されたリヤカバー61の一部と管63の一部とを除去することにより、リヤカバー61に簡単、かつ高精度でリヤカバー61の一側面61aと他側面61bとを連通する1つの吐出通路62を形成することができる。
また、本実施の形態の製造方法によって製造されたリヤカバー61は、管63を鋳包むようにして鋳造されるので、従来のようにプラグとプラグが挿通される連通路とが不要になり、リヤカバー61を小型化することができる。
また、本実施の形態の製造方法によって製造されたリヤカバー61は、管63が内蔵されているため、リヤカバー61の剛性を高めることができ、リヤカバー61から振動が発生するのを抑制して動力伝達装置1のNV性能が低下するのを防止することができる。
特に、本実施の形態の製造方法によって製造されたリヤカバー61は、ダミー連通路62Aを構成する管63の部位を有する分だけ、リヤカバー61の剛性をより一層大きくすることができ、リヤカバー61から振動が発生するのをより効果的に抑制することができる。
ここで、本実施の形態の固定金型64は、突部64A、64Bを有しているが、固定金型64に、突部61A、61Bに代えて管63の一端部63aおよび他端部63bが挿通される凹部を形成してもよい。
また、上記各実施の形態では、トランスアクスルケースの一部であるリヤカバー11、61を鋳造する製造方法について説明したが、これに限定されるものではない。要は、鋳造物に屈曲した管を鋳包んで管によって鋳造物の一側面と他側面とを連通する連通路を形成する鋳造物の製造方法であれば、どのような鋳造物にも適用することができる。また、連通路を流れる流体は、オイルに限定されるものではなく、冷却水等の流体であってもよい。
以上のように、本発明に係る鋳造物の製造方法および鋳造物は、簡単、かつ高精度に連通路を形成することができるようにして、鋳造物の生産性の向上および製造コストの低減を図ることができるとともに、鋳造物の小型化を図ることができるという効果を有し、鋳造物に管を鋳包んで連通路を形成する鋳造物の製造方法および鋳造物等として有用である。
11,61…リヤカバー(鋳造物、トランスアクスルケースの一部)、11a,61a…一側面(鋳造物の一側面)、11b,61b…他側面(鋳造物の他側面)、27…吸入通路(連通路)、29,62…吐出通路(連通路)、41,64…固定金型(一方の鋳型)、41b,42b,64b,65b…合わせ面、42,65…可動金型(他方の鋳型)、43,66…キャビティ、46,63…管、46A…除去部、62A…ダミー連通路、62B…主連通路、63A…閉鎖部

Claims (6)

  1. 鋳造物に屈曲した管を鋳包んで前記管によって前記鋳造物の一側面と他側面とを連通する連通路を形成する鋳造物の製造方法であって、
    一方の鋳型に少なくとも1つの前記管の両端を支持して前記一方の鋳型および他方の鋳型の合わせ面に形成されたキャビティに前記管を設置した後、前記キャビティに鋳造材料を流し込み、次いで、前記一方の鋳型および前記他方の鋳型から取り外された鋳造物から少なくとも前記管の一部を除去することを特徴とする鋳造物の製造方法。
  2. 一部が前記一方の鋳型から前記他方の鋳型に向かって折り曲げられた除去部を有する前記管を準備し、前記一方の鋳型に前記管の両端を支持して前記キャビティに前記管を設置した後、前記キャビティに鋳造材料を流し込み、次いで、前記一方の鋳型および前記他方の鋳型から取り外された鋳造物から少なくとも前記除去部を除去することにより、前記鋳造物の一側面と他側面とを連通する少なくとも2つの独立した連通路を形成することを特徴とする請求項1に記載の鋳造物の製造方法。
  3. 一部が閉鎖された前記管を準備し、前記管の両端部が前記一方の鋳型に支持された状態で前記管を前記キャビティに設置し、次いで、前記キャビティに鋳造材料を流し込んだ後、前記一方の鋳型および前記他方の鋳型から取り外された前記鋳造物の一部と前記管の一部とを除去することにより、前記鋳造物の一側面と他側面とを連通する少なくとも1つの連通路を形成することを特徴とする請求項1に記載の鋳造物の製造方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の鋳造物の製造方法によって製造された鋳造物であって、前記管の一側面と他側面とを連通する少なくとも独立した2つの連通路を有することを特徴とする鋳造物。
  5. 請求項3に記載の鋳造物の製造方法によって製造された鋳造物であって、前記管の一端部と前記鋳造物の他側面とを連通する主連通路を有し、前記管の他端部と閉鎖された前記管の部位との間のダミー連通路が前記主連通と非連通であることを特徴とする鋳造物。
  6. 前記鋳造物がトランスアクスルケースの一部を構成することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の鋳造物。
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