本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
(1) 請求項1に記載の遊技機において、
前記配線収納用切欠き部は、その切欠き開口から配線が外側にはみ出ることを規制する規制部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(1)に記載の発明によれば、規制部は、配線収納用切欠き部に収納された配線が、その切欠き開口から外側にはみ出ることを規制するので、配線が配線収納用切欠き部に収納された状態を維持できる。
(2) 前記(1)に記載の遊技機において、
前記配線収納用切欠き部は、その切欠き開口から奥側に延びた、配線収納用の内部壁となる壁部を備え、
前記規制部は、前記配線収納用切欠き部の前記壁部での切欠き開口側に当該開口平面と平行に突出した突出片を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(2)に記載の発明によれば、配線収納用切欠き部は、その切欠き開口から奥側に延びた、配線収納用の内部壁となる壁部を備えている。規制部は、配線収納用切欠き部の壁部での切欠き開口側に当該開口平面と平行に突出した突出片を備えているので、突出片は、配線収納用切欠き部に収納された配線がその切欠き開口からはみ出ることを規制することができ、配線収納用切欠き部に配線が収納された状態を維持できる。
(3) 前記(2)に記載の遊技機において、
前記突出片は、前記配線収納用切欠き部のその切欠き経路に沿って間隔を空けて前記両壁部に交互に複数個設けられている
ことを特徴とする遊技機。
前記(3)に記載の発明によれば、突出片は、配線収納用切欠き部のその切欠き経路に沿って間隔を空けて両壁部に交互に複数個設けられているので、突出片は、配線収納用切欠き部に収納された配線がその切欠き開口からはみ出ることを、切欠き経路に亘って規制することができ、配線収納用切欠き部のその切欠き経路に亘って配線が収納された状態を維持できる。
(4) 前記(2)または(3)に記載の遊技機において、
前記配線収納用切欠き部は、その両壁部間の長さを遊技球の直径よりも小さくしている
ことを特徴とする遊技機。
前記(4)に記載の発明によれば、配線収納用切欠き部は、その両壁部間の長さを遊技球の直径よりも小さくしているので、配線収納用切欠き部に遊技球が入り込むことがなく、被覆部材は確実に基板を保護することができる。
(5) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記被覆部材に覆われた基板は、当該基板への配線のコネクタと接続されるコネクタ部を備え、
前記コネクタ部は、当該基板面と平行方向で、かつ前記配線収納用切欠き部に向く方向をコネクタの抜く方向とするように前記基板に実装されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(5)に記載の発明によれば、被覆部材に覆われた基板は、当該基板への配線のコネクタと接続されるコネクタ部を備えている。このコネクタ部は、当該基板面と平行方向で、かつ配線収納用切欠き部に向く方向をコネクタの抜く方向とするように基板に実装されている。したがって、被覆部材に覆われた基板に接続される配線のそのコネクタ側を配線収納用切欠き部に好適に収納させることができる。また、他の基板への配線は、従来においては邪魔なものに過ぎなかったが、この他の基板への配線を、被覆部材に覆われた基板の配線の少なくとも一部を収納した状態の配線収納用切欠き部にさらに収納しているので、被覆部材に覆われた基板への配線のその基板側のコネクタが抜け方向に移動することを収納された他の基板への配線で規制でき、よりコネクタ抜けを低減することができる。つまり、コネクタの抜く側に配線が収納されているので、コネクタを抜け難くすることができる。
(6) 前記(5)に記載の遊技機において、
前記配線収納用切欠き部は、その切欠き開口から奥側に延びた、配線収納用の内部壁となる壁部を備え、
前記配線収納用切欠き部の前記両壁部のうちで前記コネクタ部に近い壁部の所定箇所に配線を通すための切欠きを備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(6)に記載の発明によれば、配線収納用切欠き部は、その切欠き開口から奥側に延びた、配線収納用の内部壁となる壁部を備えている。配線収納用切欠き部の両壁部のうちでコネクタ部に近い壁部の所定箇所に配線を通すための切欠きを備えている。したがって、配線収納用切欠き部に収納された配線を壁部で規制でき、コネクタ部に接続された配線のコネクタを抜こうとしても他の配線などが壁部より奥側に移動できないので、コネクタ抜けを低減できる。
(7) 前記(5)または(6)に記載の遊技機において、
前記被覆部材は、前記配線収納用切欠き部から前記基板の前記コネクタ部が対応する領域までをコネクタ挿抜空間として開口したコネクタ挿抜用開口部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(7)に記載の発明によれば、被覆部材のコネクタ挿抜用開口部は、配線収納用切欠き部から基板のコネクタ部が対応する領域までをコネクタ挿抜空間として開口したものである。したがって、被覆部材に基板が覆われたままの状態で、コネクタ挿抜用開口部を利用して配線の挿抜を行うことができる。つまり、基板から被覆部材を外さずに、コネクタ挿抜用開口部で配線の挿抜を行うことができる。
(8) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(7)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記被覆部材は、当該被覆部材で覆われるべき前記基板を、前記配線収納用切欠き部に収納された配線の一部を当該基板の一部で支えるようにして固定する基板固定部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(8)に記載の発明によれば、被覆部材の基板固定部は、被覆部材で覆われるべき基板を、配線収納用切欠き部に収納された配線の一部を当該基板の一部で支えるようにして固定するので、配線収納用切欠き部に収納された配線の一部を基板の一部で支持するだけで、配線収納用切欠き部に収納された配線全体を所定深さ位置で支持できる。例えば、配線収納用切欠き部に収納された配線が配線収納用切欠き部に深く沈み込み過ぎてしまうと、それが邪魔になったり、配線収納用切欠き部からの取り出しに苦労したりするということを防止できる。
(9) 前記(8)に記載の遊技機において、
前記基板固定部は、前記被覆部材で覆われるべき前記基板を、前記配線収納用切欠き部に収納された配線の一部を当該基板の両端で支えるようにして固定する
ことを特徴とする遊技機。
前記(9)に記載の発明によれば、基板固定部は、被覆部材で覆われるべき基板を、配線収納用切欠き部に収納された配線の一部を当該基板の両端で支えるようにして固定するので、配線収納用切欠き部に収納された配線の一部を基板の両端で支持するだけで、配線収納用切欠き部に収納された配線全体を所定深さ位置で支持できる。例えば、配線収納用切欠き部に収納された配線が配線収納用切欠き部に深く沈み込み過ぎてしまうと、それが邪魔になったり、配線収納用切欠き部からの取り出しに苦労したりするということを防止できる。
(10) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(9)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技部品は、前記遊技盤の所定箇所に設けられた、図柄を変動表示する図柄表示装置の表示画面の周囲を覆うセンターフレームである
ことを特徴とする遊技機。
前記(10)に記載の発明によれば、遊技部品は、遊技盤の所定箇所に設けられた、図柄を変動表示する図柄表示装置の表示画面の周囲を覆うセンターフレームとしている。つまり、センターフレームの背面側には、複数枚の基板が設けられ、複数枚の基板のうちの少なくとも一つの基板を覆うように被覆部材が設けられ、この被覆部材に覆われた基板と接続される配線の少なくとも一部が収納される、当該被覆部材に設けられた配線収納用切欠き部が備えられ、配線収納用切欠き部は、被覆部材に覆われた基板の配線の少なくとも一部を収納した状態で、他の基板への配線をさらに収納している。
したがって、被覆部材に覆われた基板の配線は、配線収納用切欠き部に収納されるのみならず、他の基板への配線が上乗せされた状態で収納されているので、製造作業中やホールでの点検中などにおいて、配線収納用切欠き部に収納された配線が引っかかることが無いので、その収納された配線のコネクタが基板から抜けたり、その収納された配線が断線したりすることを低減できる。また、配線を専用に覆う配線専用カバーやコネクタ抜け防止部材を別途設けたりする必要もないし、センターフレームが特に裏面側の奥行き方向に大型化してしまうという別異の問題も生じない。その結果、センターフレームを大型化させることなく、配線の断線・コネクタ抜けを防止できるセンターフレームを備えた遊技機を提供することができる。
(11) 前記(10)に記載の遊技機において、
前記センターフレームは、前記図柄表示装置の正面視で矩形状の表示画面の周囲を覆うものであり、正面視で前記表示画面の上側に位置する上側部と、正面視で前記表示画面の下側に位置する下側部と、正面視で前記表示画面の左側に位置する左側部と、正面視で前記表示画面の右側に位置する右側部とからなる4つの構成部を備え、
前記4つの構成部のうちの一つを第1構成部とし、この第1構成部に連接する他の構成部を第2構成部とし、この第2構成部に連接する他の構成部であって前記第1構成部以外の構成部を第3構成部とし、
前記第1構成部と前記第2構成部と前記第3構成部とは、その背面側にそれぞれ基板が配設され、
前記第2構成部は、前記被覆部材および前記配線収納用切欠き部を備え、
前記配線収納用切欠き部は、前記第2構成部の前記被覆部材に覆われた基板と前記第1構成部の基板とを結ぶ配線の前記第2構成部側の少なくとも一部を収納した状態で、前記第1構成部の基板と前記第3構成部の基板とを結ぶ配線をさらに収納している
ことを特徴とする遊技機。
前記(11)に記載の発明によれば、センターフレームは、正面視で、図柄表示装置の矩形状の表示画面の上側に位置する上側部と、表示画面の下側に位置する下側部と、表示画面の左側に位置する左側部と、表示画面の右側に位置する右側部とからなる4つの構成部を備えている。この4つの構成部のうちの一つを第1構成部とし、この第1構成部に連接する他の構成部を第2構成部とし、この第2構成部に連接する他の構成部であって第1構成部以外の構成部を第3構成部としている。第1構成部と第2構成部と第3構成部とは、その背面側にそれぞれ基板が配設されている。第2構成部は、被覆部材および配線収納用切欠き部を備えている。配線収納用切欠き部は、第2構成部の被覆部材に覆われた基板と第1構成部の基板とを結ぶ配線の第2構成部側の少なくとも一部を収納した状態で、第1構成部の基板と第3構成部の基板とを結ぶ配線をさらに収納している。
したがって、第2構成部の被覆部材に覆われた基板と第1構成部の基板とを結ぶ配線の第2構成部側の少なくとも一部は、配線収納用切欠き部に収納されるのみならず、第1構成部の基板と第3構成部の基板とを結ぶ配線が上乗せされた状態で収納されているので、他の基板への配線(第1,第3構成部間の配線)の所定部分(第2構成部を横切る部分)も配線収納用切欠き部に収納することができる。製造作業中やホールでの点検中などにおいて、配線収納用切欠き部に収納された配線が引っかかることが無いので、その収納された配線のコネクタが基板から抜けたり、その収納された配線が断線したりすることを低減できる。また、配線を専用に覆う配線専用カバーやコネクタ抜け防止部材を別途設けたりする必要もないし、センターフレームが特に裏面側の奥行き方向に大型化してしまうという別異の問題も生じない。その結果、センターフレームを大型化させることなく、配線の断線・コネクタ抜けを防止できるセンターフレームを備えた遊技機を提供することができる。
(12) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(11)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(12)に記載の遊技機によれば、遊技部品を大型化させることなく、配線の断線・コネクタ抜けを防止できる遊技部品を備えたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
(13)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(11)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
前記(13)に記載の遊技機によれば、遊技部品を大型化させることなく、配線の断線・コネクタ抜けを防止できる遊技部品を備えた、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、所定の入賞手段への遊技球の入賞などに起因して始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作が可能な状態となり、この始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」が挙げられる。
なお、本明細書は、次のような遊技部品の組み付け方法に係る発明も開示している。
(14) 遊技球が打ち込まれる遊技領域を有する遊技盤に配設されるものであって、背面側に複数枚の基板が配設された遊技部品の組み付け方法において、
前記遊技部品は、
前記複数枚の基板のうちの少なくとも一つの基板を覆うように設けられる被覆部材と、
前記被覆部材に覆われた基板と接続される配線の少なくとも一部が収納される、当該被覆部材に設けられた配線収納用切欠き部と、
を備えるものであり、
前記複数枚の基板をそれぞれ繋ぐための複数の配線を、それぞれ位置合わせして結束する第1工程と、
前記複数枚の基板のうちで前記被覆部材で覆われるべき所定の基板のコネクタ部に、当該基板に接続されるべき配線のコネクタを接続する第2工程と、
前記複数枚の基板のうちで前記被覆部材で覆われるべき所定の基板を前記被覆部材に固定する第3工程と、
前記被覆部材で覆われた基板以外の基板を前記遊技部品にそれぞれ取り付ける第4工程と、
前記被覆部材で覆われた基板以外の基板のコネクタ部に、当該基板に接続されるべき配線のコネクタを接続する第5工程と、
前記被覆部材を前記遊技部品に取り付ける第6工程と、
前記第1工程で結束された配線のうち、前記被覆部材に覆われた基板と接続される配線の少なくとも一部を、前記配線収納用切欠き部に収納し、さらに他の基板への配線を前記配線収納用切欠き部に収納する第7工程と、
を有することを特徴とする遊技部品の組み付け方法。
前記(14)に記載の発明によれば、遊技球が打ち込まれる遊技領域を有する遊技盤に配設される遊技部品は、その背面側に複数枚の基板が配設され、この複数枚の基板のうちの少なくとも一つの基板を覆うように被覆部材が設けられ、被覆部材に覆われた基板と接続される配線の少なくとも一部が、当該被覆部材に設けられた配線収納用切欠き部に収納されるというものである。この遊技部品の組み付け方法は、以下の工程を有する。まず、第1工程は、複数枚の基板をそれぞれ繋ぐための複数の配線を、それぞれ位置合わせして結束する。第2工程は、複数枚の基板のうちで被覆部材で覆われるべき所定の基板のコネクタ部に、当該基板に接続されるべき配線のコネクタを接続する。第3工程は、複数枚の基板のうちで被覆部材で覆われるべき所定の基板を当該被覆部材に固定する。第4工程は、被覆部材で覆われた基板以外の基板を遊技部品にそれぞれ取り付ける。第5工程は、被覆部材で覆われた基板以外の基板のコネクタ部に、当該基板に接続されるべき配線のコネクタを接続する。第6工程は、被覆部材を遊技部品に取り付ける。第7工程は、第1工程で結束された配線のうち、被覆部材に覆われた基板と接続される配線の少なくとも一部を、配線収納用切欠き部に収納し、さらに他の基板への配線を配線収納用切欠き部に収納する。
したがって、前述の請求項1の遊技部品を好適に組み付けることができる。その結果、被覆部材に覆われた基板の配線は、配線収納用切欠き部に収納されるのみならず、他の基板への配線が上乗せされた状態で収納されているので、製造作業中やホールでの点検中などにおいて、配線収納用切欠き部に収納された配線が引っかかることが無いので、その収納された配線のコネクタが基板から抜けたり、その収納された配線が断線したりすることを低減できる。また、配線を専用に覆う配線専用カバーやコネクタ抜け防止部材を別途設けたりする必要もないし、遊技部品が特に裏面側の奥行き方向に大型化してしまうという別異の問題も生じない。その結果、遊技部品を大型化させることなく、配線の断線・コネクタ抜けを防止できる遊技部品を備えた遊技機を提供することができる。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の各種の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤30の正面図であり、図3は、パチンコ機10の裏面図である。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図5は、第3図柄表示装置42の表示内容を示す説明図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
図1に示すように、内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、外形が矩形状の樹脂ベース(図示省略)に着脱自在に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。
図1に示すように、下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図4参照)などで構成されている。音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
また、前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
図1に示すように、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。また、前面枠セット14には、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている略楕円形状で中央が空洞とした枠体であり、その枠体の空洞部分に略楕円形状のガラス板137が取り付けられたものである。このガラス板137は二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
また、前面枠セット14は、図1に示すように、上皿19の左下側の箇所に、遊技者による操作指示(例えば、押下指示)を受ける枠ボタン20(演出ボタン)を備えている。図4に示すように、枠ボタン20はサブ制御装置262に接続されている。例えば、所定の操作有効条件成立時には、当該枠ボタン20の操作が有効となり、枠ボタン20を押下するなどにより、第3図柄表示装置42の画面表示が変化したり、出力音を変更したり、ランプ表示を変更したりするなど、遊技者が遊技に積極的に参加できるようになっている。
加えて、前面枠セット14は、その前面側で窓部101の周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
遊技盤30は、図2に示すように、四角形状の合板よりなり、その周縁部が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33a,33bに遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。なお、前述したように、上部側の第1の始動口33aには作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。また、下部側の第2の始動口33bにも作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第2の始動口33bへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。すなわち、遊技球の第1の始動口33aへの入球または遊技球の第2の始動口33bへの入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無い。
その他に、図2に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。
第1図柄表示装置40は、例えば、複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40a,40bと、このLED40a,40bでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40cとを備えている。このLED40a,40bは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40a,40bの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも3色以上の発光が可能なタイプの単一のLEDを採用してもよく、各色の発光を交互などに行うようにすることで、第1図柄の変動表示状態を発生させ、LEDが第1の色の発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、LEDが第2の色の発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、LEDが第3の色の発光状態で停止すると外れを示すようにしてもよい。なお、上述した第1図柄表示装置40が本発明における識別情報変動表示手段に相当する。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第1の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示されるようになっている。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。なお、上述した第2図柄表示装置41が本発明における普通識別情報変動表示手段に相当する。
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば後述する図5に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、9.3インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第3図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。なお、上述した第3図柄表示装置42が本発明における装飾識別情報(図柄)変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
図2に示すように、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当たりの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特別遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
より詳しくは、第1の始動口33a,33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bが変動表示され、その変動停止後のLED40a,40bの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特別遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、確変大当り(特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特別遊技状態に落選したこと)を示す。
そして、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(ラウンド数)繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33a,33bを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40cにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ40cは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示等される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、正面視した状態で周囲外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域30aの拡張が図られるようになっている。
内レール51及び外レール52間の球案内通路49の入口には、当該球案内通路49の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域30aまで至らず球案内通路49内を逆流してくるファール球を内枠12に設けられたファール球通路(図示省略)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図2のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
従って、本実施の形態では、遊技領域30aの幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域30aの高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図3に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、後述する図4に示した主制御装置261とサブ制御装置262とを一方の取付台(図示省略)に搭載してユニット化すると共に、後述する図4に示した払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313を他方の取付台(図示省略)に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構部352及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチが設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチが設けられている。カウントスイッチは入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,33bに対応する位置には作動口スイッチがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入球を当該作動口スイッチで検出される。第2の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第2の始動口34への遊技球の通過を当該作動口スイッチで検出される。ている。なお、上述した作動口スイッチが本発明における入賞検出手段に相当する。
入賞口スイッチ及びゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(図4参照)に接続されている。また、カウントスイッチは大入賞口中継端子基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板(図示省略)がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、作動口スイッチは中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、下部側の第1の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に主制御装置261とサブ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、図4に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベース(図示省略)と該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(図示省略)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット(図示省略)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印手段としての封印ユニットはボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、本実施例では、例えば5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニットによる封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット(図示省略)を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板261aの不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)に収容されて構成されている。サブ制御装置262上には電源中継基板(図示省略)が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板(図示省略)を介してサブ制御装置262および表示制御装置45に出力されるようになっている。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板(図示省略)が搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、発射制御装置312は発射制御基板を具備しており、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞品球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(図4参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。本実施例の発射装置229は、発射ソレノイド(図示省略)への通電 /非通電に従って進退自在な発射槌部(図示省略)で遊技球を打ちつけて発射させるソレノイド式発射部品を採用しているが、それ以外の発射装置229としては、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものが採用できる。カードユニット接続基板(図示省略)は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板(図示省略)は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ(図示省略)が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ(図示省略)が押下されると、払出モータ358a(図4参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図3に示すように、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示省略)等を通じて前記上皿19に供給される。
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
なお、図3に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図4を用いて説明する。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、通常処理を最後までを実行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理と払出制御処理の後半部分のステップとによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
図4に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間において、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)の制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レール401に遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
図4に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が24ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図5に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主装飾図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
次に、実施例2のパチンコ機10のさらなる特徴部分の構成について図6〜図13を用いて説明する。図6は、実施例2のパチンコ機10の遊技盤30の概略正面図である。図7は、実施例2の遊技盤30のセンターフレーム47Aの概略斜視図である。図8は、実施例2のセンターフレーム47Aの概略正面図である。図9は、実施例2のセンターフレーム47Aの裏面図である。図10は、図9に示したセンターフレーム47Aの裏面側に各種の配線が取り付けられた状態の概略裏面図である。図11は、センターフレーム47Aの前方からみた分解斜視図である。図12は、センターフレーム47Aの後方からみた分解斜視図である。図13は、センターフレーム47Aの後方部材48bの要部を後方からみた分解斜視図である。
実施例2のパチンコ機10は、前述の実施例1のセンターフレーム47に替えて、センターフレーム47Aを採用している点が前述の実施例1とは異なっている。なお、前述の実施例1と同様の内容については、ここでの説明を省略する。
実施例2のパチンコ機10は、前述の実施例1と同様に、遊技球Bが打ち込まれる遊技領域30aを有する遊技盤30と、遊技領域30a内に設けられ、遊技球Bが第1の始動口33a,33bに入球することに基づいて第3図柄(識別情報)を変動表示する第3図柄表示装置42と、この第3図柄表示装置42の表示画面を覆うように遊技盤30の貫通孔(図示省略)に配設されるセンターフレーム47Aとを備えている。
本実施例2のセンターフレーム47Aは、図6に示すように、前述の実施例1での第1図柄表示装置40(LED40a,40bと保留ランプ40cとからなる)や第2図柄表示装置41(表示部41a,41bと保留ランプ41cとからなる)が所定箇所にそれぞれ設けられている。具体的には、第1図柄表示装置40(LED40a,40bと保留ランプ40cとからなる)は、センターフレーム47Aの上側部の右側箇所に設けられている。また、第2図柄表示装置41の表示部41a,41bは、センターフレーム47Aの右側部の箇所に設けられ、第2図柄表示装置41の保留ランプ41cは、センターフレーム47Aの下側部の箇所に設けられている。
第1の始動口33a,33bは、前述の実施例1と同様に、センターフレーム47Aの下方に配設されている。具体的には、センターフレーム47Aの下方位置で、図6に示すようにセンターフレーム47Aの縦方向に延びる中央線(図6に示す一点鎖線)の延長上に、第1の始動口33a,33bが配設されている。
センターフレーム47Aは、図7,図11,図12に示すように、大別すると、前方側に位置する前方部材48aと、後方側に位置する後方部材48bとを備えている。また、図8に示すように、センターフレーム47は、略正面視でその機能を大別すると、上側部400と左側部420と右側部430と下側部440とを備えている。
まず、上側部400について説明する。図7,図8に示すように、上側部400は、図6に示した遊技領域30aに打ち込まれた遊技球Bが入球可能な入口部402と、この入口部402に入球した遊技球Bを案内する傾斜案内通路部404とを備えている。入口部402は、センターフレーム47Aの幅方向の略中央で、かつ、上部に設けられている。傾斜案内通路部404は、センターフレーム47Aの幅方向の中央でかつ上部の入口部402から右側部430にかけて傾斜する案内通路となっている。傾斜案内通路部404は、その最下流側が、図8の紙面に垂直方向である奥側に向かってやや下り傾斜する奥行き通路部406(図11,図12参照)を備えている。
図7に示すように、上側部400の入口部402および傾斜案内通路部404は、遊技領域30a(図6参照)の前面側に突出した状態となっており、遊技領域30aに打ち込まれた遊技球Bが入口部402に入球することがあり、入球した遊技球Bは傾斜案内通路部404を通って左側部420の方に案内される。
なお、図7,図11,図12に示すように、傾斜案内通路部404の上方には、正面側に飾り部材を有する天部408が備えられている。この天部408は、入口部402に入球せず当該天部408に乗って来た遊技球Bを右側部430の外方へ流下させるように、右下り傾斜している。また、上側部400は、その入口部402より左側に屋根部410を有する上側飾り部412を備えている。この上側飾り部412の屋根部410は、入口部402に入球せず当該屋根部410に乗って来た遊技球Bをセンターフレーム47Aの左側部420の外方へ流下させるように、左下り傾斜している。つまり、上側部400の入口部402以外の箇所に当たった遊技球Bは、この上側部400の傾斜案内通路部404の天部408により右側部430の外方に案内されたり、上側部400の屋根部410により左側部420の外方に案内されたりするようになっている。
傾斜案内通路部404は、例えば着色された透明部材で形成されている。なお、無着色の透明部材としたり、半透明部材としたりしても良い。また、図7,図8に示すように、上側部400の傾斜案内通路部404の正面側(遊技者から見える側)に当該傾斜案内通路部404に沿うようにして視認開口部414が設けられている。具体的には、天部408と上側飾り部412とが、傾斜案内通路部404の正面側(遊技者から見える側)で、かつ、所定の間隔を空けて配設することで、視認開口部414が形成されている。遊技者は、入口部402に入球して傾斜案内通路部404を通過する遊技球Bを視認開口部414により見ることができる。
図7,図8に示すように、上側部400の傾斜案内通路部404の正面側(遊技者から見える側)の視認開口部414により、傾斜案内通路部404を通過する遊技球Bを視認可能としているが、傾斜案内通路部404の正面側(遊技者から見える側)を、遊技球Bが出ないような形状の開口を設けたりするなどしてもよい。
続いて、左側部420について説明する。左側部420は、屋根部410の下端側から下方向に延びる左側下方板部422を備えている。左側下方板部422の下端は、例えば、センターフレーム47Aの高さ方向の中央位置よりもさらに下がった位置に位置している。この左側下方板部422により、左側部420よりも外側から下側部440の後述するステージ441に遊技球Bが飛び込んでくることを低減できる。つまり、左側部420よりも外側からステージ441に向かおうとする遊技球Bがあってもこの遊技球Bは左側下方板部422に衝突し、その進行方向を垂下方向などに変更できる。なお、左側下方板部422の下端をセンターフレーム47Aの下側(下側部440)までとしてもよい。
続いて、右側部430について説明する。右側部430は、傾斜案内通路部404からの遊技球Bをステージに案内する垂下通路部432を備えている。この垂下通路部432は、その上端側が傾斜案内通路部404の奥行き通路部406に連通しており、その下端側が後述するステージ441の揺動面450に向けて開口するものである。垂下通路部432は、通過中の遊技球Bが遊技者により視認できるように透明部材で構成されている。なお、垂下通路部432として、半透明としたりあるいは隙間を設けたりした部材を採用してもよい。
図7,図8,図11に示すように、右側部430は、天部408の下端側から下方向に延びる右側下方板部434を備えている。右側下方板部434の下端は、例えば、センターフレーム47Aの高さ方向の中央位置よりもさらに下がった位置に位置している。この右側下方板部434により、右側部430よりも外側から下側部440の後述するステージ441に遊技球Bが飛び込んでくることを低減できる。つまり、右側部430よりも外側からステージ441に向かおうとする遊技球Bがあってもこの遊技球Bは右側下方板部434に衝突し、その進行方向を垂下方向などに変更できる。なお、右側下方板部434の下端をセンターフレーム47Aの下側(下側部440)までとしてもよい。
続いて、下側部440について説明する。下側部440は、遊技球Bが揺動(転動)する揺動面450を備えたステージ441を有しており、上側部400の入口部402に入力された遊技球Bが傾斜案内通路部404,奥行き通路部406および垂下通路部432を通ってこのステージ441の揺動面450に供給されるようになっている。
つまり、入口部402に入った遊技球Bは、図7に示すように、傾斜案内通路部404を通り(このとき、遊技球Bの視認が可能となっている)、そして奥行き通路部406で奥行き方向に遊技球Bの進行方向が変更されて、垂下通路部432を通って(このときも、遊技球Bの視認が可能となっている)、ステージ441の揺動面450上へと案内される。従って、このステージ441の揺動面450における遊技球Bの挙動が遊技者により視認できるようになっている。
ここで、上述したセンターフレーム47Aの下側部440のステージ441について、さらに詳細に説明する。
図7,図8に示すように、ステージ441の揺動面450は、センターフレーム47Aを正面視した状態での幅方向(図8では紙面の幅方向)に遊技球Bが揺動する主揺動領域をそれぞれ備えており、かつ、主転動領域は、遊技球Bの転動(揺動)経路上で起伏するように波形にそれぞれ形成されている。
図7,図8に示すように、揺動面450は、当該揺動面450の幅方向の中央箇所が山部451となっており、その山部451の両側は谷となった底部452となっている。揺動面450の幅方向の中央箇所、つまり、揺動面450の山部451には、当該揺動面450を転動して当該山部451に達した遊技球Bを捉えるための窪み部453を備えている。この窪み部453は、手前側から奥側へ下り傾斜している。窪み部453の下流側には、入球口454が形成されている。この入球口454は、揺動面450の下方位置の排出口455から遊技球Bを排出する貫通通路部456の入口に相当する。貫通通路部456を通った遊技球Bは、遊技領域30aの第1の始動口33a,33bの方に向けて排出口455から排出される。
図7,図8に示すように、揺動面450は、導入された遊技球Bの流下経路を選択する選択部457を備え、この選択部457は、主転動領域の少なくとも一部が主転動領域の幅方向と直交する奥行き方向の手前側に傾斜した傾斜面458を、主転動領域の複数箇所(本実施例では2箇所)に設けることと、窪み部453を備えることとで構成されている。
具体的には、揺動面450での選択部457は、揺動面450の主揺動領域の少なくとも一部が、主揺動領域の幅方向と直交する奥行き方向の手前側に傾斜した傾斜面458(例えば、手前側が低くなるように傾斜した傾斜面458)を、揺動面450の主揺動領域の複数箇所(本実施例では2箇所)に設けることと、窪み部453(例えば、奥側が低くなるように傾斜した案内溝)を備えることとで構成されている。つまり、揺動面450の主揺動領域の2個の底部451にそれぞれ傾斜面458が設けられ、揺動面450の中央部分の山部452に窪み部453が設けられている。こうすることで、揺動面450に導入された遊技球Bは、この揺動面450の主揺動領域を揺動して一の傾斜面458または窪み部453により遊技球Bの流下経路が選択され、揺動面450の外、つまり、遊技盤30の遊技領域30aに送出される。なお、揺動面450の2箇所の底部451の傾斜面458の幅は、例えば、遊技球Bの2個半程度としており、揺動面450の中央部分の山部452の窪み部453の幅は、遊技球Bの半個(半径)程度としている。揺動面450の2箇所の底部451の傾斜面458は、例えば曲面状の傾斜面としており、揺動面450の中央部分の山部452の窪み部453は、例えば平面状の傾斜面としている。
図6に示すように、揺動面450の窪み部453と、揺動面450の下方の排出口455とは、同一の垂直軸線(図6に示す一点鎖線)上に位置している。
さらに、本実施例2のセンターフレーム47Aの裏面側(背面側)の構造等について説明する。図9に示すように、センターフレーム47Aの裏面側には、複数枚の基板としての中継基板461,462や各種のLED基板(後述する保留ランプ用LED基板463、第1図柄用LED基板464、第2図柄用LED基板465、LED基板466〜468など)が配設されている。
具体的には、図9に示すように、センターフレーム47Aの上側部400の裏面側には、2枚の中継基板461,462が横並びに設けられている。また、センターフレーム47Aの上側部400の裏面側には、その中継基板461よりも奥側に、保留ランプ40cを点灯させるための保留ランプ用LED基板463が設けられている。また、センターフレーム47Aの上側部400の裏面側で左側箇所には、LED40a,40b(第1図柄:特別図柄)を点灯させるための第1図柄用LED基板464が設けられている。
また、センターフレーム47Aの右側部430の裏面側には、図13に示すように、表示部41a,41b(第2図柄:普通図柄)を点灯させるための第2図柄用LED基板465と、2枚のLED基板466,467とが、それぞれの箇所に設けられている。また、センターフレーム47Aの下側部440の裏面側には、図9,図13に示すように、1枚のLED基板468が設けられている。
また、センターフレーム47Aの右側部430の裏面側には、図13に示すように、当該右側部430の第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467を覆うようにしてカバー体470が設けられている。カバー体470は、例えば、透明部材としている。なお、カバー体470を半透明部材、不透明部材などとしてもよい。
カバー体470は、図10に示すように、このカバー体470に覆われた基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)と接続される配線465a,466a,467aの少なくとも一部が収納される配線収納用切欠き部472を備えている。
配線収納用切欠き部472は、カバー体470に覆われた基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)の配線465a,466a,467aの少なくとも一部を収納した状態で、下側部440のLED基板468への配線をさらに収納(例えば上乗せ収納)している。
具体的には、配線収納用切欠き部472は、図10に示すように、センターフレーム47Aの右側部430のカバー体470に覆われた基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)と上側部400の2枚の中継基板461,462とを結ぶ配線465a,466a,467aの少なくとも一部(右側部430の方の一部)を収納した状態で、上側部400の2枚の中継基板461,462と下側部440のLED基板468とを結ぶ配線468aをさらに収納(例えば上乗せ収納)している。
ここで、配線収納用切欠き部472の構造について、さらに図14〜図20も用いて説明する。図14は、カバー体470とこれに収納される第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467を基板側から見た斜視図である。図15は、カバー体470とこれに収納される第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467をカバー体470の側から見た斜視図である。図16は、センターフレーム47Aの右側部430の裏面側を示す図である。図17は、第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467を収納した状態のカバー体470を示す図である。図18は、図17のカバー体470の配線収納用切欠き部472に配線を収納した状態を示す図である。図19は、図17のカバー体470の斜視図である。図20は、図19に示したA−A線断面図である。
配線収納用切欠き部472は、図17に示すように、例えばその上側から下側にかけて14cm程度の縦方向長さで、その下側で切り欠き方向が右側に向けられた形状としている。なお、配線収納用切欠き部472の長さや形状は図17に示したものに限定されるものではない。
図15,図18に示すように、配線収納用切欠き部472は、その切欠き開口から配線465a,466a,467a,468aが外側にはみ出ることを規制する規制部473を備えている。
具体的には、配線収納用切欠き部472は、図14,図15,図20に示すように、その切欠き開口から奥側に延びた、配線収納用の内部壁となる壁部474を備えている。また、規制部473は、配線収納用切欠き部472の壁部474での切欠き開口側に当該開口平面と平行に突出した突出片475を備えたものとしている。突出片475は、配線収納用切欠き部472のその切欠き経路に沿って間隔を空けて両壁部474,474に交互に複数個設けられている。
図16,図20に示すように、配線収納用切欠き部472は、その両壁部474,474の間の長さdを、遊技球の直径よりも小さくしている。
また、図17,図19に示すように、カバー体470に覆われた基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)は、当該基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)への配線465a,466a,467aのコネクタ465b,466b,467bと接続されるコネクタ部465c,466c,467cをそれぞれ備えている。そして、このコネクタ部465c,466c,467cは、当該基板面と平行方向で、かつ配線収納用切欠き部472に向く方向をコネクタの抜く方向とするように基板に実装されている。
具体的には、第2図柄用LED基板465のコネクタ部465cは、当該第2図柄用LED基板465の基板面と平行方向で、かつ配線収納用切欠き部472に向く方向をコネクタ465bの抜く方向とするようにこの第2図柄用LED基板465に実装されている。同様に、一方のLED基板466のコネクタ部466cは、当該LED基板466の基板面と平行方向で、かつ配線収納用切欠き部472に向く方向をコネクタ466bの抜く方向とするようにこのLED基板466に実装されている。他方のLED基板467のコネクタ部467cもこれと同様である。
図16,図19に示すように、カバー体470は、配線収納用切欠き部472から左側のLED基板467のコネクタ部467cが対応する領域までをコネクタ挿抜空間として開口したコネクタ挿抜用開口部476を備えている。また、図15に示すように、配線収納用切欠き部472の両壁部474,474のうちでコネクタ部467cに近い壁部474の所定箇所に配線を通すための切欠きを備えている。つまり、図15からも分かるように、コネクタ挿抜用開口部476に対応する箇所には壁部474が無く、切欠きとなっている。
カバー体470は、当該カバー体470で覆われるべき基板(第2図柄用LED基板465および右側のLED基板466)を、配線収納用切欠き部472に収納された配線465a,466a,467a,468aの一部を当該基板の一部で支えるようにして固定する基板固定部480を備えている。
図14に示すように、基板固定部480は、基板(第2図柄用LED基板465および右側のLED基板466)を端面で支持し、かつ、その端面に、雌ネジが円筒内に螺刻されたネジ孔481を備えた受部482と、基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)の貫通孔を介して受部482のネジ孔481に螺入されるネジ483とで構成されている。なお、基板固定部480として、種々の締結部品や締結機構などを採用してもよい。
第2図柄用LED基板465についての基板固定部480は、第2図柄用LED基板465を、配線収納用切欠き部472に収納された配線465a,466a,467a,468aの一部をこの第2図柄用LED基板465の一部である支持領域部分465dで支えるようにして固定している。同様に、右側のLED基板466についての基板固定部480は、右側のLED基板466を、配線収納用切欠き部472に収納された配線465a,466a,467a,468aの一部をこの右側のLED基板466の一部である支持領域部分466dで支えるようにして固定している。
左側のLED基板467は、その一部で配線465a,466a,467a,468aを支えることを目的としておらず、カバー体470の所定箇所に固定されている。
なお、上述したセンターフレーム47Aは本発明の遊技部品に相当し、上述した中継基板461,462、LED基板466〜468、第2図柄用LED基板465は本発明の複数枚の基板に相当し、上述したカバー体470は本発明の被覆部材に相当し、上述した第3図柄表示装置42は本発明の図柄表示装置に相当し、上述した上側部400は本発明の第1構成部に相当し、上述した右側部430は本発明の第2構成部に相当し、上述した下側部440は本発明の第3構成部に相当する。
ここで、本実施例2のセンターフレーム47Aの組み付け方法(工程)について説明する。
<第1工程>
複数枚の基板(中継基板461,462や各種のLED基板)をそれぞれ繋ぐための複数の配線465a,466a,467a,468aを、それぞれ位置合わせして例えば結束部品等で例えば1本に結束する第1工程を行う。なお、この複数枚の基板としては、図9に示すように上側部400における2枚の中継基板461,462、保留ランプ用LED基板463および第1図柄用LED基板464と、図16に示すように右側部430における第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467と、図9に示すように下側部440におけるLED基板468となどが挙げられる。
<第2工程>
前述した複数枚の基板のうちでカバー体470で覆われるべき所定の基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)のコネクタ部465c,466c,467cに、当該基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)に接続されるべき配線465a,466a,467aのコネクタ465b,466b,467bを接続する第2工程を行う。
<第3工程>
図14に示すように、カバー体470で覆われる第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467を、基板固定部480によりカバー体470に固定する第3工程を行う。
<第4工程>
カバー体470で覆われた基板以外の基板(上側部400における2枚の中継基板461,462、保留ランプ用LED基板463および第1図柄用LED基板464と、下側部440のLED基板468など)をセンターフレーム47Aにそれぞれ取り付ける第4工程を行う。
<第5工程>
カバー体470で覆われた基板以外の基板(上側部400における2枚の中継基板461,462、保留ランプ用LED基板463および第1図柄用LED基板464と、下側部440のLED基板468など)のコネクタ部に、当該基板に接続されるべき配線のコネクタを接続する第5工程を行う。
<第6工程>
カバー体470をセンターフレーム47Aの右側部430の裏面側に取り付ける第6工程を行う。
<第7工程>
第1工程で結束された配線465a,466a,467a,468aのうち、カバー体470に覆われた基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)と接続される配線465a,466a,467aの少なくとも一部(その基板側の部分)を、配線収納用切欠き部472に収納し、さらに他の基板への配線(上側部400の2枚の中継基板461,462と下側部440のLED基板468とを結ぶ配線468a)を配線収納用切欠き部472に収納(例えば上乗せ収納)する第7工程を行う。
上述の第1工程〜第7工程を行うことで、センターフレーム47Aの組み付け、特に、センターフレーム47Aの裏面側における各種基板と配線465a,466a,467a,468aとカバー体470についての組み付けが完了する。
上述したように、本実施例2のパチンコ機10によれば、センターフレーム47Aは、その背面側(裏面側)に配置される複数枚の基板(中継基板461,462や各種のLED基板)と、この複数枚の基板のうちの少なくとも一つの基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)を覆うように設けられるカバー体470と、このカバー体470に覆われた基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)と接続される配線465a,466a,467aの少なくとも一部が収納される、当該カバー体470に設けられた配線収納用切欠き部472とを備え、配線収納用切欠き部472は、カバー体470に覆われた基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)の配線465a,466a,467aの少なくとも一部を収納した状態で、他の基板への配線(上側部400の2枚の中継基板461,462と下側部440のLED基板468とを結ぶ配線468a)をさらに収納しているので、製造作業中やホールでの点検中などにおいて、配線収納用切欠き部472に収納された配線465a,466a,467a,468aが引っかかることが無く、その収納された配線465a,466a,467a,468aのコネクタ465b,466b,467b,468bが基板から抜けたり、その収納された配線465a,466a,467a,468aが断線したりすることを低減できる。また、配線465a,466a,467a,468aを専用に覆う配線専用カバーやコネクタ抜け防止部材を別途設けたりする必要もないし、遊技部品(例えばセンターフレーム)が特に裏面側の奥行き方向に大型化してしまうという別異の問題も生じない。その結果、遊技部品を大型化させることなく、配線465a,466a,467a,468aの断線・コネクタ抜けを防止できる遊技部品(例えばセンターフレーム)を備えたパチンコ機を提供することができる。
また、規制部473は、配線収納用切欠き部472に収納された配線465a,466a,467a,468aが、その切欠き開口から外側にはみ出ることを規制するので、配線465a,466a,467a,468aが配線収納用切欠き部472に収納された状態を維持できる。
また、配線収納用切欠き部472は、その切欠き開口から奥側に延びた、配線収納用の内部壁となる壁部474を備え、規制部473は、配線収納用切欠き部472の壁部474での切欠き開口側に当該開口平面と平行に突出した突出片475を備えているので、突出片475は、配線収納用切欠き部472に収納された配線465a,466a,467a,468aがその切欠き開口からはみ出ることを規制することができ、配線収納用切欠き部472に配線465a,466a,467a,468aが収納された状態を維持できる。
また、突出片475は、配線収納用切欠き部472のその切欠き経路に沿って間隔を空けて両壁部474,474に交互に複数個設けられているので、突出片475は、配線収納用切欠き部472に収納された配線465a,466a,467a,468aがその切欠き開口からはみ出ることを、切欠き経路に亘って規制することができ、配線収納用切欠き部472のその切欠き経路に亘って配線465a,466a,467a,468aが収納された状態を維持できる。
また、配線収納用切欠き部472は、その両壁部474,474の間の長さを遊技球の直径よりも小さくしているので、配線収納用切欠き部472に遊技球が入り込むことがなく、カバー体470は確実に基板を保護することができる。
また、カバー体470に覆われた基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)は、当該基板への配線465a,466a,467aのコネクタ465b,466b,467bと接続されるコネクタ部465c,466c,467cを備え、コネクタ部465c,466c,467cは、当該基板面と平行方向で、かつ配線収納用切欠き部472に向く方向をコネクタの抜く方向とするように基板に実装されている。したがって、カバー体470に覆われた基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)に接続される配線465a,466a,467aのそのコネクタ側を配線収納用切欠き部472に好適に収納させることができる。また、他の基板への配線468aは、従来においては邪魔なものに過ぎなかったが、この他の基板への配線(上側部400の2枚の中継基板461,462と下側部440のLED基板468とを結ぶ配線468a)を、カバー体470に覆われた基板の配線465a,466a,467aの少なくとも一部を収納した状態の配線収納用切欠き部472にさらに上乗せ収納しているので、カバー体470に覆われた基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)への配線465a,466a,467aのその基板側のコネクタが抜け方向に移動することを上乗せ収納された他の基板への配線(上側部400の2枚の中継基板461,462と下側部440のLED基板468とを結ぶ配線468a)で規制でき、よりコネクタ抜けを低減することができる。
また、カバー体470は、配線収納用切欠き部472から基板のコネクタ部467cが対応する領域までをコネクタ挿抜空間として開口したコネクタ挿抜用開口部476を備えているので、カバー体470に基板が覆われたままの状態で、コネクタ挿抜用開口部476を利用して配線467aの挿抜を行うことができる。つまり、基板からカバー体470を外さずに、コネクタ挿抜用開口部476で配線467aの挿抜を行うことができる。
また、カバー体470は、当該カバー体470で覆われるべき基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)を、配線収納用切欠き部472に収納された配線465a,466a,467a,468aの一部を当該基板の一部で支えるようにして固定する基板固定部480を備えているので、配線収納用切欠き部472に収納された配線465a,466a,467a,468aの一部を基板の一部で支持するだけで、配線収納用切欠き部472に収納された配線465a,466a,467a,468a全体を所定深さ位置で支持できる。例えば、配線収納用切欠き部472に収納された配線465a,466a,467a,468aが配線収納用切欠き部472に深く沈み込み過ぎてしまうと、それが邪魔になったり、配線収納用切欠き部472からの取り出しに苦労したりするということを防止できる。
また、遊技球が打ち込まれる遊技領域を有する遊技盤30に配設されるものであって、背面側に複数枚の基板が配設されたセンターフレーム47Aの組み付け方法において、センターフレーム47Aは、複数枚の基板(中継基板461,462や各種のLED基板)のうちの少なくとも一つの基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)を覆うように設けられるカバー体470と、カバー体470に覆われた基板と接続される配線465a,466a,467aの少なくとも一部が収納される、当該カバー体470に設けられた配線収納用切欠き部472と、を備えるものであり、複数枚の基板をそれぞれ繋ぐための複数の配線465a,466a,467a,468aを、それぞれ位置合わせして結束する第1工程と、複数枚の基板のうちでカバー体470で覆われるべき所定の基板のコネクタ部465c,466c,467cに、当該基板に接続されるべき配線465a,466a,467aのコネクタ465b,466b,467bを接続する第2工程と、複数枚の基板のうちでカバー体470で覆われるべき所定の基板をカバー体470に固定する第3工程と、カバー体470で覆われた基板以外の基板をセンターフレーム47Aにそれぞれ取り付ける第4工程と、カバー体470で覆われた基板以外の基板のコネクタ部に、当該基板に接続されるべき配線468aのコネクタ468bを接続する第5工程と、カバー体470をセンターフレーム47Aに取り付ける第6工程と、前記第1工程で結束された配線のうち、カバー体470に覆われた基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)と接続される配線465a,466a,467aの少なくとも一部を、配線収納用切欠き部472に収納し、さらに他の基板への配線(上側部400の2枚の中継基板461,462と下側部440のLED基板468とを結ぶ配線468a)を配線収納用切欠き部472に収納する第7工程と、を備えている。
したがって、センターフレーム47Aを好適に組み付けることができる。その結果、カバー体470に覆われた基板(第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467)の配線465a,466a,467aは、配線収納用切欠き部472に収納されるのみならず、他の基板への配線(上側部400の2枚の中継基板461,462と下側部440のLED基板468とを結ぶ配線468a)が上乗せされた状態で収納されているので、製造作業中やホールでの点検中などにおいて、配線収納用切欠き部472に収納された配線465a,466a,467a,468aが引っかかることが無いので、その収納された配線465a,466a,467a,468aのコネクタ465b,466b,467b,468bが基板から抜けたり、その収納された配線465a,466a,467a,468aが断線したりすることを低減できる。また、配線465a,466a,467a,468aを専用に覆う配線専用カバーやコネクタ抜け防止部材を別途設けたりする必要もないし、センターフレームが特に裏面側の奥行き方向に大型化してしまうという別異の問題も生じない。その結果、センターフレームを大型化させることなく、配線465a,466a,467a,468aの断線・コネクタ抜けを防止できるセンターフレームを備えたパチンコ機を提供することができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例2では、カバー体470は、第2図柄用LED基板465および2枚のLED基板466,467の合計3枚の基板を覆うものとしているが、少なくとも1枚以上の基板を覆うものとしてもよい。
(2)上述した実施例2の配線収納用切欠き部472を溝部としてもよい。
(3)上述した実施例2では、突出片475は、配線収納用切欠き部472の壁部474での切欠き開口側に当該開口平面と平行に突出したものとしているが、略平行に突出したものとしてもよい。
(4)上述した実施例2では、カバー体470で覆われる基板のコネクタ部465c,466c,467cは、当該基板面と平行方向で、かつ配線収納用切欠き部472に向く方向をコネクタの抜く方向とするように基板に実装されているが、基板面と略平行方向としてもよい。
(5)上述した実施例2では、上側部400を第1構成部とし、右側部430を第2構成部とし、下側部440を第3構成部としているが、右側部430、下側部440、左側部420のうちの一つを第1構成部とし、上側部400、右側部430、下側部440、左側部420のうちで第1構成部に連接するものを第2構成部とし、上側部400、右側部430、下側部440、左側部420のうちで第2構成部に連接するものを第3構成部と第3構成部としてもよい。
(6)本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、スロットマシン、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定されるものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。