実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤30の正面図であり、図3は、パチンコ機10の裏面図である。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図5は、第3図柄表示装置42の表示内容を示す説明図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
図1に示すように、内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、外形が矩形状の樹脂ベース(図示省略)に着脱自在に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。
図1に示すように、下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図4参照)などで構成されている。音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
また、前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
図1に示すように、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。また、前面枠セット14には、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている略楕円形状で中央が空洞とした枠体であり、その枠体の空洞部分に略楕円形状のガラス板137が取り付けられたものである。このガラス板137は二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
また、前面枠セット14は、図1に示すように、上皿19の左下側の箇所に、遊技者による操作指示(例えば、押下指示)を受ける枠ボタン20(演出ボタン)を備えている。図4に示すように、枠ボタン20はサブ制御装置262に接続されている。例えば、所定の操作有効条件成立時には、当該枠ボタン20の操作が有効となり、枠ボタン20を押下するなどにより、第3図柄表示装置42の画面表示が変化したり、出力音を変更したり、ランプ表示を変更したりするなど、遊技者が遊技に積極的に参加できるようになっている。
加えて、前面枠セット14は、その前面側で窓部101の周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿通されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
遊技盤30は、図2に示すように、四角形状の合板よりなり、その周縁部が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33a,33bに遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。なお、前述したように、上部側の第1の始動口33aには作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。また、下部側の第2の始動口33bにも作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第2の始動口33bへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。すなわち、遊技球の第1の始動口33aへの入球または遊技球の第2の始動口33bへの入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無い。
その他に、図2に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。
第1図柄表示装置40は、例えば、複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40a,40bと、このLED40a,40bでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40cとを備えている。このLED40a,40bは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40a,40bの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも3色以上の発光が可能なタイプの単一のLEDを採用してもよく、各色の発光を交互などに行うようにすることで、第1図柄の変動表示状態を発生させ、LEDが第1の色の発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、LEDが第2の色の発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、LEDが第3の色の発光状態で停止すると外れを示すようにしてもよい。なお、上述した第1図柄表示装置40が本発明における識別情報変動表示手段に相当する。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第1の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示されるようになっている。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。なお、上述した第2図柄表示装置41が本発明における普通識別情報変動表示手段に相当する。
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば後述する図5に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、9.3インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第3図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。なお、上述した第3図柄表示装置42が本発明における装飾識別情報(図柄)変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
図2に示すように、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当たりの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特別遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
より詳しくは、第1の始動口33a,33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bが変動表示され、その変動停止後のLED40a,40bの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特別遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、確変大当り(特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特別遊技状態に落選したこと)を示す。
そして、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(ラウンド数)繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33a,33bを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40cにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ40cは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示等される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、正面視した状態で周囲外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域30aの拡張が図られるようになっている。
内レール51及び外レール52間の球案内通路49の入口には、当該球案内通路49の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域30aまで至らず球案内通路49内を逆流してくるファール球を内枠12に設けられたファール球通路(図示省略)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図2のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
従って、本実施の形態では、遊技領域30aの幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域30aの高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図3に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー354等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、後述する図4に示した主制御装置261とサブ制御装置262とを一方の取付台430に搭載してユニット化すると共に、後述する図4に示した払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構部352及び保護カバー354も1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチが設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチが設けられている。カウントスイッチは入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,33bに対応する位置には作動口スイッチがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入球を当該作動口スイッチで検出される。第2の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第2の始動口34への遊技球の通過を当該作動口スイッチで検出される。ている。なお、上述した作動口スイッチが本発明における入賞検出手段に相当する。
入賞口スイッチ及びゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(図4参照)に接続されている。また、カウントスイッチは大入賞口中継端子基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板(図示省略)がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、作動口スイッチは中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、下部側の第1の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台430を有し、この取付台430に主制御装置261とサブ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、図4に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる主制御基板ボックス263に収容されて構成されている。なお、主制御基板ボックス263は、略直方体形状の主制御基板ボックスベース264と該主制御基板ボックスベース264の開口部を覆う主制御基板ボックスカバー265とを備えている。これら該主制御基板ボックスベース264と主制御基板ボックスカバー265とは封印ユニット418によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印手段としての封印ユニット418は主制御基板ボックスベース264と主制御基板ボックスカバー265とを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、本実施例では、例えば5つの封印部材419(後述の図15参照)が連結された構成となっており、この封印部材419の長孔に係止爪を挿通することで主制御基板ボックスベース264と主制御基板ボックスカバー265とが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット418による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット418(図示省略)を構成する5つの封印部材419のうち、少なくとも一つの封印部材419の長孔に係止爪を挿通することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板261aの不具合などにより主制御基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿通された封印部材419と他の封印部材419との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材419の長孔に係止爪を挿通する。主制御基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該主制御基板ボックス263に残しておけば、主制御基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)に収容されて構成されている。サブ制御装置262上には電源中継基板(図示省略)が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板(図示省略)を介してサブ制御装置262および表示制御装置45に出力されるようになっている。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板(図示省略)が搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、発射制御装置312は発射制御基板を具備しており、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞品球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(図4参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。本実施例の発射装置229は、発射ソレノイド(図示省略)への通電 /非通電に従って進退自在な発射槌部(図示省略)で遊技球を打ちつけて発射させるソレノイド式発射部品を採用しているが、それ以外の発射装置229としては、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものが採用できる。カードユニット接続基板(図示省略)は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板(図示省略)は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、主制御基板ボックス263を構成する主制御基板ボックスベース264と主制御基板ボックスカバー265とが封印ユニット418によって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ(図示省略)が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ(図示省略)が押下されると、払出モータ358a(図4参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図3に示すように、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示省略)等を通じて前記上皿19に供給される。
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
なお、図3に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図4を用いて説明する。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、通常処理を最後までを実行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理と払出制御処理の後半部分のステップとによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
図4に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間において、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)の制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レール401に遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
図4に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が24ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図5に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主装飾図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
次に、本発明のパチンコ機のさらなる特徴部分の構成について図3,図6〜図9を用いて説明する。図6は主制御基板ボックスと払出・発射制御基板ボックスとが取り外し防止接続ケーブルで接続されたパチンコ機裏面の斜視図である。図7(a)は取り外し防止接続ケーブルを示す概略断面図であり、図7(b)は、第2接続部を拡大した斜視図である。図8は主制御基板ボックスを示す概略側面図である。図9は払出・発射制御基板ボックスを示す概略側面図である。
まず、パチンコ機10の裏面の構成について図6を用いて説明する。図6に示すようにパチンコ機10の裏面の上部から中央部にかけて表示制御装置45(図示省略)、サブ制御装置262(図10参照)などを保護する保護カバー354が取付られている。さらに、この保護カバー354の下側には、主制御基板261aと電源監視基板261bとを被包する主制御基板ボックス263が配設され、さらに、その下側には払出制御基板311aと発射制御基板312aとを被包する払出・発射制御基板ボックス270が配設されている。
さらに、主制御基板ボックス263と払出・発射制御基板ボックス270とは、取り外し防止接続ケーブル410にて接続されている。
この取り外し防止接続ケーブル410は、図7(a)に示すように主制御基板ボックス263に接続される側の第1接続部411と、払出・発射制御基板ボックス270に接続される側の第2接続部412と、第1接続部411と第2接続部412とを結ぶ部材としてのケーブル部413とを備えている。また、ケーブル部413は、切断が困難な材質のものが用いられており、例えば、金属製(アルミニウムなど)の細長いワイヤーを編んだものである。また、このワイヤーの長さは、主制御基板ボックス263と払出・発射制御基板ボックス270と接続するのに十分な長さとし、必要以上に長くないようにしている。
ここで、主制御基板ボックス263は、その所定箇所に、取り外し防止接続ケーブル410の一端側の第1接続部411が挿通可能な大きさの孔である第1挿通孔を備えており、例えば、この第1挿通孔は主制御左端挿通孔415である。また、払出・発射制御基板ボックス270は、その所定箇所に、取り外し防止接続ケーブル410の他端側の第2接続部412が挿通可能な大きさの孔である第2挿通孔を備えており、例えば、この第2挿通孔は払出・発射制御挿通孔416である。
さらに、取り外し防止接続ケーブル410の第1接続部411の先端には、係止部414が取付けられ、例えば、この係止部414は主制御左端挿通孔415よりも大きな大きさであり、主制御基板ボックス263の縦方向に長いの板状のものである。
また、取り外し防止接続ケーブル410の第2接続部412の先端には、図7(b)に示すようにその外形が先細りの円錐台形状で、かつ、その先端側から底面の方に向けて空洞部分を備えた形状のものであって、その母線方向に切れ目(切り欠き)が入ったものとしており、第2接続部412が払出・発射制御挿通孔416に挿通された状態となるとその第2接続部412の円錐台形状の底面側が払出・発射制御挿通孔416に引っ掛かって抜けないようになっている。つまり、第2接続部412の円錐台形状の底面側が返し部417に対応する。
つまり、第1接続部411が主制御左端挿通孔415に挿通された状態および第2接続部412が主制御左端挿通孔415に挿通された状態から抜け出ることを防止する抜け防止手段である係止部414と返し部417とを備えている構成となっている。なお、上述した取り外し防止接続ケーブル410は本発明の接続部材に相当する。
また、図3に戻り、主制御基板ボックス263と払出・発射制御基板ボックス270とは、横に長い長方形形状としている。主制御基板ボックス263の右端部および払出・発射制御基板ボックス270の左端部には、主制御基板ボックス263および払出・発射制御基板ボックス270を封印するための封印ユニット418が備えられている。なお、上述した封印ユニット418は本発明の封印手段に相当する。
次に、主制御基板ボックス263は、図8に示すように、主制御基板ボックスベース264とこの主制御基板ボックスベース264の開口部を覆う主制御基板ボックスカバー265とを備えている。これら主制御基板ボックスベース264と主制御基板ボックスカバー265とは封印ユニット418によって開封不能に連結され、これにより主制御基板ボックス263が封印されている。また、主制御基板ボックス263は、図8の右側に示す、遊技利益に関わる抽選を行うCPU501(図4参照)を備えた主制御基板261aと停電等による電源遮断を監視する電源監視基板261bとを被包する空間である第1制御空間部420と、図8の左側に示す、取り外し防止接続ケーブル410の第1接続部411側に取付けられた係止部414が主制御基板ボックス263内で係止するための空間である第1接続空間部421とに区切られている。
第1接続空間部421を形成する箇所の主制御基板ボックスカバー265には、取り外し防止接続ケーブル410の第2接続部412の挿通が可能な大きさで、かつ、係止部414よりも小さい大きさの主制御左端挿通孔415が備えられている。また、第1接続空間部421を形成する箇所の主制御基板ボックスベース264には、係止部414を載せる係止台422が備えられている。つまり、板状の係止部414を係止台422に載せ、係止部ネジ423で締め付けることにより係止台422に固定される構成になっている。したがって、第1接続部411側に取付けられた係止部414が主制御基板ボックス263内で係止され、第1接続部411が主制御左端挿通孔415に挿通された状態から抜け出ることが防止された状態となっている。なお、係止部414が係止台422に固定されていない状態であっても、係止部414は主制御左端挿通孔415よりも大きいので、取り外し防止接続ケーブル410が引っ張られても、主制御基板ボックス263から抜け出ない構成になっている。
なお、係止部414が第1接続部411を主制御基板ボックス263内で係止される状態とは、係止部414と主制御基板ボックス263とが常に当接している状態だけでなく、現在当接はしていないが係止部414に何らかの力が加わった場合に、係止部414と主制御基板ボックス263とが当接し第1接続部411が主制御左端挿通孔415に挿通された状態から抜け出ることが防止された状態も含むものである。
なお、上述した主制御基板261aは本発明の第1制御手段に相当する。上述したCPU501は本発明の抽選手段に相当する。上述した主制御基板ボックス263は本発明の第1被包部材に相当する。上述した係止部ネジ423および係止台422は本発明の固定部材に相当する。
次に、払出・発射制御基板ボックス270は、図9に示すように、払出・発射制御基板ボックスベース271と、この払出・発射制御基板ボックスベース271の開口部を覆う払出・発射制御基板ボックスカバー272とを備えている。これら払出・発射制御基板ボックスベース271と払出・発射制御基板ボックスカバー272とは封印ユニット418によって開封不能に連結され、これにより払出・発射制御基板ボックス270が封印されている。また、払出・発射制御基板ボックス270は、払出制御基板311aおよび発射制御基板312aを被包する空間である第2制御空間部424と、取り外し防止接続ケーブル410の第2接続部412側に取付けられた返し部417が払出・発射制御基板ボックス270内で引っ掛かる空間である第2接続空間部425とに区切られている。
第2接続空間部425を形成する箇所の払出・発射制御基板ボックスカバー272には、取り外し防止接続ケーブル410の第2接続部412に取付けられた返し部417が挿通可能な大きさの円形状の孔である払出・発射制御挿通孔416が備えられている。また、返し部417は、第2接続部412を払出・発射制御挿通孔416に挿通する際には弾性変形することで当該挿通を許容し、かつ、第2接続部412を払出・発射制御挿通孔416から抜こうとする際には払出・発射制御挿通孔416に引っ掛かるものである。
取外し防止接続ケーブルの第2接続部412は、中央が空洞で先細りの円錐台形状としているので、この第2接続部412を払出・発射制御挿通孔416に挿通する際にはその第2接続部412自体が弾性変形することで当該挿通が許容され、払出・発射制御挿通孔416に挿通される。また、第2接続部412が一旦に払出・発射制御挿通孔416に挿通された後は、払出・発射制御挿通孔416から抜こうとする際には、第2接続部412の返し部417(第2接続部412の底面部分)が払出・発射制御挿通孔416に引っ掛かることになり、引き抜けないようになっている。
なお、上述した払出制御基板311aおよび発射制御基板312aは本発明の第2制御手段に相当する。上述した払出・発射制御基板ボックス270は本発明の第2被包部材に相当する。
また、これら主制御基板ボックス263,払出・発射制御基板ボックス270は、透明な部材(例えば透明樹脂材料など)からなり、主制御基板ボックス263により被包されている主制御基板261a、電源監視基板261b、係止部414を含む第1接続部411および払出・発射制御基板ボックス270により被包されている払出制御基板311a、発射制御基板312a、返し部417を含む第2接続部412などを視認可能な構成となっている。
上述したように、本実施例1のパチンコ機10によれば、遊技に関する所定の制御である第1制御を司る主制御基板261aと、遊技に関する所定の制御であって第1制御とは別の第2制御を司る払出制御基板311a,発射制御基板312aと、主制御基板261aを被包する主制御基板ボックス263と、払出制御基板311a,発射制御基板312aを被包する払出・発射制御基板ボックス270と、主制御基板ボックス263と払出・発射制御基板ボックス270とを繋ぐ取り外し防止接続ケーブル410と、を備え、主制御基板ボックス263は、その所定箇所に、取り外し防止接続ケーブル410の一端側の第1接続部411が挿通可能な大きさの孔である主制御左端挿通孔415を備え、払出・発射制御基板ボックス270は、その所定箇所に、取り外し防止接続ケーブル410の他端側の第2接続部412が挿通可能な大きさの孔である払出・発射制御挿通孔416を備え、第1接続部411が主制御左端挿通孔415に挿通された状態および第2接続部412が払出・発射制御挿通孔416に挿通された状態から抜け出ることを防止する第1接続部411の係止部414および第2接続部412の返し部417を備えている。したがって、主制御基板ボックス263と払出・発射制御基板ボックス270とが取り外し防止接続ケーブル410で繋がれており、係止部414によって、第1接続部411が主制御左端挿通孔415に挿通された状態およびおよび返し部417によって、第2接続部412が払出・発射制御挿通孔416に挿通された状態から抜け出ることを防止しているので、取り外し防止接続ケーブル410を切断しなければ、不正行為者が主制御基板261aを被包した主制御基板ボックス263だけを取り外したり、払出制御基板311a,発射制御基板312aを被包した払出・発射制御基板ボックス270だけを取り外したりすることができない。ここで、取り外し防止接続ケーブル410を切断することで、主制御基板ボックス263または払出・発射制御基板ボックス270を取り外し、主制御基板261aまたは払出制御基板311a,発射制御基板312aに不正行為を施したり、主制御基板261aまたは払出制御基板311a,発射制御基板312aごと不正品に交換したりしても、取り外し防止接続ケーブル410が切断された状態であるため、当該切断により不正があったことやその恐れがあったことを確認でき、主制御基板261aを被包した主制御基板ボックス263または払出制御基板311a,発射制御基板312aを被包した払出・発射制御基板ボックス270ごと不正品に交換されていることなどの不正行為の発見ができる。
また、取り外し防止接続ケーブル410を損傷させず、主制御基板ボックス263または払出・発射制御基板ボックス270を破壊し、不正品である主制御基板ボックス263または不正品である払出・発射制御基板ボックス270の何れかと交換し、不正が行われたことを発見させないようにすることが考えられるが、この取り外し防止接続ケーブル410を損傷させず、主制御基板ボックス263または払出・発射制御基板ボックス270を破壊する作業は、大変な手間隙がかかる。したがって、不正行為者は、主制御基板ボックス263または払出・発射制御基板ボックス270を破壊する作業を行うことをあきらめることになる。その結果、主制御基板ボックス263または払出・発射制御基板ボックス270に不正行為が行われることを抑止することができる。
また、取り外し防止接続ケーブル410を切断せず、主制御基板ボックス263と払出・発射制御基板ボックス270との両方を取り外し、主制御基板261aまたは払出制御基板311a,発射制御基板312aに不正行為を施したり、主制御基板261aまたは払出制御基板311a,発射制御基板312aごと不正品に交換したりするには、主制御基板261aを被包した主制御基板ボックス263と払出制御基板311a,発射制御基板312aを被包した払出・発射制御基板ボックス270との両方を模倣等して製造しなければならず、不正行為にさらに手間隙がかかることから、主制御基板ボックス263と払出・発射制御基板ボックス270との両方に不正行為が行われることを抑止することができる。
その結果、不正対策に優れた遊技機を提供することができる。
また、抜け防止手段は、第1接続部411を主制御基板ボックス263内で係止する係止部414と、第2接続部412を払出・発射制御挿通孔416に挿通する際には弾性変形することで当該挿通を許容し、かつ、第2接続部412を払出・発射制御挿通孔416から抜こうとする際に払出・発射制御挿通孔416に引っ掛かる返し部417と、を備え、主制御基板ボックス263の主制御左端挿通孔415は、第2接続部412の挿通が可能な大きさで、かつ、係止部414よりも小さい大きさのものであり、取り外し防止接続ケーブル410は、第2接続部412を主制御基板ボックス263の内側から主制御左端挿通孔415に通して外側に出し、当該主制御左端挿通孔415を介した第2接続部412が払出・発射制御基板ボックス270の払出・発射制御挿通孔416に挿通されるので、主制御基板ボックス263と払出・発射制御基板ボックス270とが取り外し防止接続ケーブル410で繋がれており、抜け防止手段の係止部414により、取り外し防止接続ケーブル410の一端である第1接続部411が主制御基板ボックス263内で係止され、抜け防止手段の返し部417により、取り外し防止接続ケーブル410の他端である第2接続部412が払出・発射制御挿通孔416に引っ掛かるので、第1接続部411が主制御左端挿通孔415に挿入された状態および第2接続部412が払出・発射制御挿通孔416に挿入された状態から抜け出ることが防止される。つまり、取り外し防止接続ケーブル410を切断しなければ、不正行為者が主制御基板261aを被包した主制御基板ボックス263だけを取り外したり、払出制御基板311a,発射制御基板312aを被包した払出・発射制御基板ボックス270だけを取り外したりすることができない。ここで、取り外し防止接続ケーブル410を切断することで、主制御基板ボックス263または払出・発射制御基板ボックス270を取り外し、主制御基板261aまたは払出制御基板311a,発射制御基板312aに不正行為を施したり、主制御基板261aまたは払出制御基板311a,発射制御基板312aごと不正品に交換したりしても、取り外し防止接続ケーブル410が切断された状態であるため、当該切断により不正があったことやその恐れがあったことを確認でき、主制御基板261aを被包した主制御基板ボックス263または払出制御基板311a,発射制御基板312aを被包した払出・発射制御基板ボックス270ごと不正品に交換されていることなどの不正行為の発見ができる。
また、取り外し防止接続ケーブル410を切断せず、かつ取り外し防止接続ケーブル410の係止部414を損傷させず、主制御基板ボックス263を破壊し、不正品である主制御基板ボックス263ごと交換しようとする場合、主制御基板ボックス263の主制御左端挿通孔415は係止部414よりも小さい大きさであるため、係止部414を不正品である主制御基板ボックス263の外側から内側に主制御左端挿通孔415を介して挿通することができない。つまり、主制御基板ボックス263と払出・発射制御基板ボックス270とを取り外し防止接続ケーブル410で繋ぐことができない。したがって、主制御基板ボックス263と払出・発射制御基板ボックス270とが取り外し防止接続ケーブル410で繋がれていない状態であることから、不正があったことやその恐れがあったことを確認でき、主制御基板261aを被包した主制御基板ボックス263または払出制御基板311a,発射制御基板312aを被包した払出・発射制御基板ボックス270ごと不正品に交換されていることなどの不正行為の発見ができる
また、取り外し防止接続ケーブル410を切断せず、主制御基板ボックス263と払出・発射制御基板ボックス270との両方を取り外し、主制御基板261aまたは払出制御基板311a,発射制御基板312aに不正行為を施したり、主制御基板261aまたは払出制御基板311a,発射制御基板312aごと不正品に交換したりするには、主制御基板261aを被包した主制御基板ボックス263と払出制御基板311a,発射制御基板312aを被包した払出・発射制御基板ボックス270との両方を模倣等して製造しなければならず、不正行為にさらに手間隙がかかることから、主制御基板ボックス263と払出・発射制御基板ボックス270との両方に不正行為が行われることを抑止することができる。
また、主制御基板ボックス263は、主制御基板261aを被包する空間である第1制御空間部420と、第1接続部411または係止部414を被包する空間である第1接続空間部421と、に区切られ、第1接続空間部421には、取り外し防止接続ケーブル410の係止部414を固定する固定部材が配設されているので、取り外し防止接続ケーブル410の第1接続部411が第1制御空間部420内の主制御基板261aに接触する恐れがなくなる。つまり、主制御基板261aを損傷させ、主制御基板261aが動作しなくなることを防ぐことができる。また、主制御基板261aの一部が取り外し防止接続ケーブル410で隠れて見えないということを防止でき、不正行為を低減させることができる。
また、主制御基板261aは遊技機本体10a(図1参照)を主として制御する主制御基板261aであり、主制御基板261aは、遊技利益に関わる抽選を行うCPU501を備えているので、主制御基板261aは、遊技機本体10aを主として制御し、遊技利益に関わる抽選が行われるため、不正行為者により不正が行われる可能性が高い。したがって、主制御基板261aを被包した主制御基板ボックス263と、払出・発射制御基板ボックス270とが取り外し防止接続ケーブル410で繋がれているので、不正が行われる可能性が高い主制御基板261aについて、不正行為が行われることを抑止することができる。
また、払出・発射制御基板ボックス270は、透明な部材であり、払出・発射制御基板ボックス270は当該払出・発射制御基板ボックス270を封印するための封印ユニット418を備えているので、取り外し防止接続ケーブル410を切断し、主制御基板ボックス263だけを不正品と交換された場合、払出・発射制御基板ボックス270には、第2接続部412が収容された状態となっている。ここで、払出・発射制御基板ボックス270は、透明な部材であることから第2接続部412が収容されている状態を確認できる。つまり、不正があったことやその恐れがあったことを確認でき、主制御基板261aを被包した主制御基板ボックス263または払出制御基板311a,発射制御基板312aを被包した払出・発射制御基板ボックス270ごと不正品に交換されていることなどの不正行為の発見ができる。また、払出・発射制御基板ボックス270は封印ユニット418で封印されているので、不正行為者が払出・発射制御基板ボックス270を開け、払出・発射制御基板ボックス270に収容されている第2接続部412だけを取り除くことができない。したがって、不正を行ったことを隠蔽することができない。
次に、実施例4では、取り外し防止接続ケーブル410が主制御基板ボックス263とサブ制御基板ボックス280を接続しているか否かの接続状態を監視する監視手段を備えていることが前述した実施例1とは異なっている。したがって、実施例4では、実施例1と同様の内容については説明を省略し、以下に、主制御基板ボックス263とサブ制御基板ボックス280を接続しているか否かの接続状態を監視する監視手段を詳細に説明することにする。
実施例4のパチンコ機10について図18を用いて説明する。図18は主制御基板ボックスとサブ制御基板ボックスとの接続状態を監視する監視手段を説明するブロック図である。
実施例4のパチンコ機10では、図18に示すように取り外し防止接続ケーブル410が主制御基板ボックス263とサブ制御基板ボックス280とを接続しているか否かの接続状態を監視する監視手段と、監視手段で監視している接続状態を報知する報知手段とを備えている。
さらに、この監視手段は、主制御基板261aに備えられた監視に用いる監視情報を生成する監視情報生成部450と監視情報生成部450で生成された監視情報を送信する送信部451と、サブ制御基板262aに備えられた主制御基板261aから送信された監視情報を受信する受信部452と、受信部452で受信した監視情報に基づいて取り外し防止接続ケーブル410が接続されているか否かの判定を行う判定部453と、送信部451からの監視情報を受信部452に伝達するための光ケーブル454であり、取り外し防止接続ケーブル410と光ケーブル454とは、同じ経路に配設されている構成である。以下、これらについて詳細に説明する。
監視情報生成部450は、主制御基板261aに備えられた所定の信号を発生させる信号発生回路と、この信号発生回路で発生させた信号を所定のタイミングで送信する制御を行う主制御基板261aのCPUの一機能からなるものである。また、監視に用いる監視情報としては、例えば、所定のパターンを持つパルス信号が用いられる。
送信部451は、監視情報生成部450からの電気信号を光の信号に変換して、光ケーブル454を介してサブ制御基板262aに送信する。また、この光ケーブル454は、取り外し防止接続ケーブル410であるワイヤーにより囲まれており、取り外し防止接続ケーブル410と一体化して形成された構造になっている。また、サブ制御基板262aの受信部452は、送信部451からの光信号を受信し、光信号を電気信号に変換した後に判定部453に出力する。
判定部453は、サブ制御基板262aのCPUの一機能からなるものであり、主制御基板261aから送信された信号が正常か異常であるかを判定し、判定結果が異常の場合に、異常であることを示す報知を行うように報知部を制御する。また、取り外し防止接続ケーブル410が切断された場合など正常な信号が入力されない場合、判定部453は、異常であると判定し、報知手段で報知を行うように制御する。
報知手段は、サブ制御装置262に接続されたスピーカ455や前面枠セット14の前面側で窓部101の周囲に備えられたランプ456であり、このスピーカ455やランプ456はサブ制御基板262aからの制御に基づいて音声やランプ表示を行う。例えば、スピーカでは異常であることがわかるように、「接続ケーブルが異常です」などの報知を行い、ランプでは、点滅表示をさせ、正常な状態になるまで、報知を継続する構成となっている。
なお、上述した監視手段での監視および報知手段での報知は、パチンコ機10に電源が供給された状態にて実行されるようになっている。
なお、上述した監視情報生成部450は本発明の情報生成手段に相当する。上述した送信部451は本発明の送信手段に相当する。上述した判定部453は本発明の判定手段に相当する。光ケーブル454は本発明の伝達手段に相当する。
上述したように、実施例4のパチンコ機10によれば、取り外し防止接続ケーブル410が主制御基板ボックス263とサブ制御基板ボックス280とを接続しているか否かの接続状態を監視する監視手段と、監視手段で監視している接続状態を報知する報知手段とを備えているので、例えば、不正行為者が取り外し防止接続ケーブル410を切断した場合は、取り外し防止接続ケーブル410を切断したことが報知手段により報知されるので、不正行為者が不正を行うことをあきらめ、不正行為が行われることが低減される。また、取り外し防止接続ケーブル410を切断したことが報知手段により報知されので、遊技場関係者は不正がされた状態を認識することができ、不正行為がされたことを確認し、正常な基板や部材と交換し、遊技者に正常な遊技を提供することができる。
また、監視手段は、主制御基板261aに備えられた、監視に用いる監視情報を生成する監視情報生成部450と監視情報生成部450で生成された監視情報を送信する送信部451と、サブ制御基板262aに備えられた、送信部451から送信された監視情報を受信する受信部452と受信部452で受信した監視情報に基づいて取り外し防止接続ケーブル410が接続されているか否かの判定を行う判定部453と、送信部451からの監視情報を受信部452に伝達するための光ケーブル454とであり、取り外し防止接続ケーブル410と光ケーブル454とは、一体に配設されているので、取り外し防止接続ケーブル410を切断し、主制御基板ボックス263とサブ制御基板ボックス280とを切り離そうとすると、光ケーブル454も切断されることになり、送信部451から送信された監視情報が受信部452で受信することができず、判定部453で取り外し防止接続ケーブル410が接続されていない判定がされる。つまり、監視手段は、取り外し防止接続ケーブル410が切断された状態を確実に監視することができる。
また、伝達手段は光ケーブルであるので、光ケーブル454は一度切断すると、切断された箇所を繋ぎ、元の状態に戻すことが難しいので、光ケーブル454を切断し不正な行為を行った場合は、不正を行ったことを発見されないようにすることは難しい。つまり、不正行為の低減の抑止力となる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例1,2では、抜け防止手段は、取り外し防止接続ケーブル410側の係止部414、返し部417により、第1接続部411が主制御左端挿通孔415または主制御上部挿通孔431に挿通された状態および第2接続部412が払出・発射制御挿通孔416またはサブ制御挿通孔432aに挿通された状態から抜け出ることを防止することを実現するようにしていたが、主制御基板ボックス263、払出・発射制御基板ボックス270、サブ制御基板ボックス280側などに、第1接続部411が主制御左端挿通孔415または主制御上部挿通孔431に挿通された状態および第2接続部412が払出・発射制御挿通孔416またはサブ制御挿通孔432aに挿通された状態から抜け出ることを防止するものを備えるようにしてもよい。
(2)上述した実施例1では、第2制御手段を払出制御基板311aと発射制御基板312aとし、実施例2,3では、第2制御手段をサブ制御基板262aとしていたが、第2制御手段をその他の制御基板、例えば電源基板などとして実施するようにしてもよい。
(3)上述した実施例1,4では、取り外し防止接続ケーブル410の第1接続部411に係止部414を備え、第2接続部412に返し部417を備えるようにしていたが、取り外し防止接続ケーブル410の第1接続部411および第2接続部412とも返し部417を備えるようにしてもよい。つまり、第1接続部411を第1挿通孔に挿通する際には弾性変形することで当該挿通を許容し、かつ、第1接続部411を第1挿通孔から抜こうとする際に第1挿通孔に引っ掛かる第1返し部と、第2接続部412を第2挿通孔に挿通する際には弾性変形することで当該挿通を許容し、かつ、第2接続部412を第2挿通孔から抜こうとする際に第2挿通孔に引っ掛かる第2返し部と備えるようにしてもよい。したがって、第1接続部411が第1挿通孔から抜け出ることを防止でき、第2接続部412が第2挿通孔から抜け出ることを防止でき、抜け防止手段を好適に実現できる。
(4)上述した各実施例では、本体部材として遊技盤30としているが、内枠12等としても良い。
(5)本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
(0)遊技に関する所定の制御である第1制御を司る第1制御手段と、
遊技に関する所定の制御であって前記第1制御とは別の第2制御を司る第2制御手段と、
前記第1制御手段を被包する第1被包部材と、
前記第2制御手段を被包する第2被包部材と、
前記第1被包部材と前記第2被包部材とを繋ぐ接続部材と、
を備え、
前記第1被包部材は、その所定箇所に、前記接続部材の一端側の第1接続部が挿通可能な大きさの孔である第1挿通孔を備え、
前記第2被包部材は、その所定箇所に、前記接続部材の他端側の第2接続部が挿通可能な大きさの孔である第2挿通孔を備え、
前記第1接続部が前記第1挿通孔に挿通された状態および前記第2接続部が前記第2挿通孔に挿通された状態から抜け出ることを防止する抜け防止手段を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(0)に記載の発明によれば、第1制御手段は、遊技に関する所定の制御である第1制御を司るものであって、第1被包部材により被包される。第2制御手段は、遊技に関する所定の制御であって第1制御とは別の第2制御を司り、第2被包部材により被包される。接続部材は第1被包部材と第2被包部材とを繋ぐ。第1被包部材は、その所定箇所に、接続部材の一端側の第1接続部が挿通可能な大きさの孔である第1挿通孔を備え、第2被包部材は、その所定箇所に、接続部材の他端側の第2接続部が挿通可能な大きさの孔である第2挿通孔を備えている。抜け防止手段は、第1接続部が第1挿通孔に挿通された状態および第2接続部が第2挿通孔に挿通された状態から抜け出ることを防止する。
したがって、第1被包部材と第2被包部材とが接続部材で繋がれており、抜け防止手段によって、第1接続部が第1挿通孔に挿通された状態および第2接続部が第2挿通孔に挿通された状態から抜け出ることを防止しているので、接続部材を切断しなければ、不正行為者が第1制御手段を被包した第1被包部材だけを取り外したり、第2制御手段を被包した第2被包部材だけを取り外したりすることができない。ここで、接続部材を切断することで、第1被包部材または第2被包部材を取り外し、第1制御手段または第2制御手段に不正行為を施したり、第1制御手段または第2制御手段ごと不正品に交換したりしても、接続部材が切断された状態であるため、当該切断により不正があったことやその恐れがあったことを確認でき、第1制御手段を被包した第1被包部材または第2制御手段を被包した第2被包部材ごと不正品に交換されていることなどの不正行為の発見ができる。
また、接続部材を損傷させず、第1被包部材または第2被包部材を破壊し、不正品である第1被包部材または不正品である第2被包部材の何れかと交換し、不正が行われたことを発見させないようにすることが考えられるが、この接続部材を損傷させず、第1被包部材または第2被包部材を破壊する作業は、大変な手間隙がかかる。したがって、不正行為者は、第1被包部材または第2被包部材を破壊する作業を行うことをあきらめることになる。その結果、第1被包部材または第2被包部材に不正行為が行われることを抑止することができる。
また、接続部材を切断せず、第1被包部材と第2被包部材との両方を取り外し、第1制御手段または第2制御手段に不正行為を施したり、第1制御手段または第2制御手段ごと不正品に交換したりするには、第1制御手段を被包した第1被包部材と第2制御手段を被包した第2被包部材との両方を模倣等して製造しなければならず、不正行為にさらに手間隙がかかることから、第1被包部材と第2被包部材との両方に不正行為が行われることを抑止することができる。
これらの結果、不正対策に優れた遊技機を提供することができる。
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
(1) 前記(0)に記載の遊技機において、
前記抜け防止手段は、
前記第1接続部を前記第1挿通孔に挿通する際には弾性変形することで当該挿通を許容し、かつ、前記第1接続部を前記第1挿通孔から抜こうとする際に前記第1挿通孔に引っ掛かる第1返し部と、
前記第2接続部を前記第2挿通孔に挿通する際には弾性変形することで当該挿通を許容し、かつ、前記第2接続部を前記第2挿通孔から抜こうとする際に前記第2挿通孔に引っ掛かる第2返し部と、
を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(1)に記載の発明によれば、抜け防止手段は、第1返し部と第2返し部とを備えている。第1返し部は、第1接続部を第1挿通孔に挿通する際には弾性変形することで当該挿通を許容し、かつ、第1接続部を第1挿通孔から抜こうとする際に第1挿通孔に引っ掛かる。第2返し部は、第2接続部を第2挿通孔に挿通する際には弾性変形することで当該挿通を許容し、かつ、第2接続部を第2挿通孔から抜こうとする際に第2挿通孔に引っ掛かる。したがって、第1接続部が第1挿通孔から抜け出ることを防止でき、第2接続部が第2挿通孔から抜け出ることを防止でき、抜け防止手段を好適に実現できる。
(2) 前記(0)に記載の遊技機に記載の遊技機において、
前記抜け防止手段は、
前記第1接続部を前記第1被包部材内で係止する係止部と、
前記第2接続部を前記第2挿通孔に挿通する際には弾性変形することで当該挿通を許容し、かつ、前記第2接続部を前記第2挿通孔から抜こうとする際に前記第2挿通孔に引っ掛かる返し部と、
を備え、
前記第1被包部材の前記第1挿通孔は、前記第2接続部の挿通が可能な大きさで、かつ、前記係止部よりも小さい大きさのものであり、
前記接続部材は、前記第2接続部を前記第1被包部材の内側から前記第1挿通孔に通して外側に出し、当該第1挿通孔を介した前記第2接続部が前記第2被包部材の前記第2挿通孔に挿通される
ことを特徴とする遊技機。
前記(2)に記載の発明によれば、抜け防止手段は係止部と返し部と備え、係止部第1接続部を第1被包部材内で係止する。返し部は、第2接続部を第2挿通孔に挿通する際には弾性変形することで当該挿通を許容し、かつ、第2接続部を第2挿通孔から抜こうとする際に第2挿通孔に引っ掛かる。第1被包部材の第1挿通孔は、第2接続部の挿通が可能な大きさで、かつ、係止部よりも小さい大きさのものであり、接続部材は、第2接続部を第1被包部材の内側から第1挿通孔に通して外側に出し、当該第1挿通孔を介した第2接続部が第2被包部材の第2挿通孔に挿通される。
したがって、第1被包部材と第2被包部材とが接続部材で繋がれており、抜け防止手段の係止部により、接続部材の一端である第1接続部が第1被包部材内で係止され、抜け防止手段の返し部により、接続部材の他端である第2接続部が第2挿通孔に引っ掛かるので、第1接続部が第1挿入孔に挿入された状態および第2接続部が第2挿入孔に挿入された状態から抜け出ることが防止される。つまり、接続部材を切断しなければ、不正行為者が第1制御手段を被包した第1被包部材だけを取り外したり、第2制御手段を被包した第2被包部材だけを取り外したりすることができない。ここで、接続部材を切断することで、第1被包部材または第2被包部材を取り外し、第1制御手段または第2制御手段に不正行為を施したり、第1制御手段または第2制御手段ごと不正品に交換したりしても、接続部材が切断された状態であるため、当該切断により不正があったことやその恐れがあったことを確認でき、第1制御手段を被包した第1被包部材または第2制御手段を被包した第2被包部材ごと不正品に交換されていることなどの不正行為の発見ができる。
また、接続部材を切断せず、かつ接続部材の係止部を損傷させず、第1被包部材を破壊し、不正品である第1被包部材ごと交換しようとする場合、第1被包部材の第1挿通孔は係止部よりも小さい大きさであるため、係止部を不正品である第1被包部材の外側から内側に第1挿通孔を介して挿通することができない。つまり、第1被包部材と第2被包部材とを接続部材で繋ぐことができない。したがって、第1被包部材と第2被包部材とが接続部材で繋がれていない状態であることから、不正があったことやその恐れがあったことを確認でき、第1制御手段を被包した第1被包部材または第2制御手段を被包した第2被包部材ごと不正品に交換されていることなどの不正行為の発見ができる。
また、接続部材を切断せず、第1被包部材と第2被包部材との両方を取り外し、第1制御手段または第2制御手段に不正行為を施したり、第1制御手段または第2制御手段ごと不正品に交換したりするには、第1制御手段を被包した第1被包部材と第2制御手段を被包した第2被包部材との両方を模倣等して製造しなければならず、不正行為にさらに手間隙がかかることから、第1被包部材と第2被包部材との両方に不正行為が行われることを抑止することができる。
(3) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)または(2)のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1被包部材は、
前記第1制御手段を被包する空間である第1制御空間部と、
前記第1接続部または前記係止部を被包する空間である第1接続空間部と、
に区切られ、
前記第1接続空間部には、前記接続部材の前記係止部を固定する固定部材が配設されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(3)に記載の発明によれば、第1被包部材は、第1制御手段を被包する空間である第1制御空間部と、接続部材の第1接続部または係止部を被包する空間である第1接続空間部と、に区切られている。第1接続空間部に配設された固定部材は、接続部材の第1接続部または係止部を固定する。したがって、接続部材の第1接続部が第1制御空間部内の第1制御手段に接触する恐れがなくなる。つまり、第1制御手段を損傷させ、第1制御手段が動作しなくなることを防ぐことができる。また、第1制御手段の一部が接続部材で隠れて見えないということを防止でき、不正行為を低減させることができる。
(4) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記第1被包部材と前記第2被包部材とが取り付けられる被取付部材と、
前記被取付部材が所定箇所に設けられる本体部材と、
を備え、
前記接続部材は、前記被取付部材に配設されていることを特徴とする遊技機。
前記(4)に記載の発明によれば、被取付部材は第1被包部材と第2被包部材とを取り付ける。本体部材は被取付部材が所定箇所に設けられる。接続部材は被取付部材に配設されている。したがって、接続部材は、被取付部材の以外の遊技機本体に配設された配線などと干渉させることなく配設することができる。
(5) 前記(4)に記載の遊技機において、
前記本体部材は、
前記第2接続部が挿通可能な大きさの孔である本体部挿通孔と、
前記本体部挿通孔に挿通された状態での前記接続部材の前記第2接続部を収容する収容手段と
を備え、
前記第2被包部材は、その所定箇所に、前記接続部材の他端側の前記第2接続部が挿通可能な大きさの孔である前記第2挿通孔を2個備え、
前記接続部材の一端側の前記第1接続部は、前記第1被包部材の前記第1挿通孔に挿通された状態とし、
前記接続部材の他端側の前記第2接続部は、前記本体部材の前記本体部挿通孔に挿通された状態とし、
前記接続部材は、前記第2被包部材に備えられた2個の前記第2挿通孔を介して、前記第1被包部材と前記第2被包部材と前記本体部材とを繋ぐものである
ことを特徴とする遊技機。
前記(5)に記載の発明によれば、本体部材は、本体部挿通孔と収容手段とを備え、本体部挿通孔は、第2接続部が挿通可能な大きさの孔である。収容手段は、本体部挿通孔に挿通された状態での接続部材の第2接続部を収容する。第2被包部材は、その所定箇所に、接続部材の他端側の第2接続部が挿通可能な大きさの孔である第2挿通孔を2個備えている。接続部材の一端側の第1接続部は、第1被包部材の第1挿通孔に挿通された状態とする。接続部材の他端側の第2接続部は、本体部材の本体部挿通孔に挿通された状態とする。接続部材は、第2被包部材に備えられた2個の第2挿通孔を介して、第1被包部材と第2被包部材と本体部材とを繋ぐものである。したがって、第1被包部材と第2被包部材と本体部材とが接続部材により繋がった状態であり、第1被包部材と第2被包部材とを取り外すために接続部材を切断し、第1被包部材と第2被包部材とが取り外され、再び不正な第1被包部材と第2被包部材とが取付られた場合でも、収容手段に第2接続部が収容されていることから、不正行為が行われたことがわかる。つまり、不正がされた痕跡が残ることになり、不正行為者が不正を行うことをあきらめ、不正行為が行われることが低減される。
(6) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記第2被包部材は透明な部材であり、
前記第2被包部材は当該第2被包部材を封印するための封印手段を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(6)に記載の発明によれば、第2被包部材は、透明な部材である。封印手段は、第2被包部材を封印する。したがって、接続部材を切断し、第1被包部材だけを不正品と交換された場合、第2被包部材には、第2接続部が収容された状態となっている。ここで、第2被包部材は、透明な部材であることから第2接続部が収容されている状態を確認できる。つまり、不正があったことやその恐れがあったことを確認でき、第1制御手段を被包した第1被包部材または第2制御手段を被包した第2被包部材ごと不正品に交換されていることなどの不正行為の発見ができる。また、第2被包部材は封印手段で封印されているので、不正行為者が第2被包部材を開け、第2被包部材に収容されている第2接続部だけを取り除くことができない。したがって、不正を行ったことを隠蔽することができない。
(7) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(6)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記第1制御手段は遊技機本体を主として制御する主制御基板であり、
前記主制御基板は、遊技利益に関わる抽選を行う抽選手段を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(7)に記載の発明によれば、第1制御手段である主制御基板は、遊技機本体を主として制御し、さらに主制御基板に備えられた抽選手段は、遊技上の利益を得ることができるか否かの抽選を行う。したがって、主制御基板は、遊技機本体を主として制御し、遊技利益に関わる抽選が行われるため、不正行為者により不正が行われる可能性が高い。したがって、主制御基板を被包した第1被包部材と第2被包部材とが接続部材で繋がれているので、不正が行われる可能性が高い主制御基板について、上述した前記(0)と同様の効果を得ることができる。
(8) 前記(6)または(7)に記載の遊技機において、
前記主制御基板を被包する前記第1被包部材に備えられた前記第1挿通孔と、前記第2被包部材に備えられた前記第2挿通孔と、前記接続部材とを覆う保護部材を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(8)に記載の発明によれば、保護部材は、主制御基板を被包する第1被包部材に備えられた第1挿通孔と、第2被包部材に備えられた第2挿通孔と、接続部材とを覆っている。したがって、接続部材が保護部材により覆われているので、容易に接続部材に触れることができず、不正により接続部材が切断されることを防止することができ、またパチンコ機の組み立て作業時に不用意に接続部材と接触することがなく、接続部材を損傷させたりすることがない。
(9) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記接続部材が前記第1被包部材と前記第2被包部材とに接続されているか否かの接続状態を監視する監視手段と、前記監視手段で監視している接続状態を報知する報知手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
前記(9)に記載の発明によれば、監視手段は、接続部材が第1被包部材と第2被包部材に接続されているか否かの接続状態を監視する。報知手段は、監視手段で監視している接続状態を報知する。したがって、例えば、不正行為者が接続部材を切断した場合は、接続部材を切断したことが報知手段により報知されるので、不正行為者が不正を行うことをあきらめ、不正行為が行われることが低減される。また、接続部材を切断したことが報知手段により報知されので、遊技場関係者は不正がされた状態を認識することができ、不正行為がされたことを確認し、正常な基板や部材と交換し、遊技者に正常な遊技を提供することができる。
(10) 前記(9)に記載の遊技機において、
前記監視手段は、
前記第1制御手段に備えられた、監視に用いる監視情報を生成する監視情報生成手段と前記監視情報生成手段で生成された監視情報を送信する送信手段と、
前記第2制御手段に備えられた、前記送信手段から送信された監視情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した監視情報に基づいて前記接続部材が接続されているか否かの判定を行う判定手段と、
前記送信手段からの監視情報を前記受信手段に伝達するための伝達手段と、
を備え、
前記接続部材と前記伝達手段とが一体に配設されていることを特徴とする遊技機。
前記(10)に記載の発明によれば、監視手段は、第1制御手段に備えられた、監視情報生成手段と送信手段、第2制御手段に備えられた受信手段と判定手段、伝達手段とであり、監視情報生成手段は、第1制御手段に備えられた監視に用いる監視情報を生成する。送信手段は、監視情報生成手段で生成された監視情報を送信する。受信手段は、送信手段から送信された監視情報を受信する。判定手段は、受信手段で受信した監視情報に基づいて接続部材が接続されているか否かの判定を行う。伝達手段は、送信手段からの監視情報を受信手段に伝達する。接続部材と伝達手段とが一体に配設されている。したがって、接続部材を切断し、第1被包部材と第2被包部材とを切り離そうとすると、伝達手段も切断されることになり、送信手段から送信された監視情報が受信手段で受信することができず、判定手段で接続部材が接続されていない判定がされる。つまり、監視手段は、接続部材が切断された状態を確実に監視することができる。
(11) 前記(10)に記載の遊技機において、
前記伝達手段は光ケーブルであることを特徴とする遊技機。
前記(11)に記載の発明によれば、伝達手段は光ケーブルである。したがって、光ケーブルは一度切断すると、切断された箇所を繋ぎ、元の状態に戻すことが難しいので、光ケーブルを切断し不正な行為を行った場合は、不正を行ったことを発見されないようにすることは難しい。つまり、不正行為の低減の抑止力となる。
(12) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(11)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(12)に記載の遊技機によれば、不正対策に優れたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
(13) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(11)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
前記(13)に記載の遊技機によれば、不正対策に優れたスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記(14) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(11)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
前記(14)に記載の遊技機によれば、不正対策に優れた、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。