[構成および基本動作]
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態に係る監視装置の外観を示す図である。図1を参照して、監視装置100は、撮像部10と、監視部11と、外部モニタ12と、記憶部13とを備える。
撮像部10は、たとえば、監視の対象とされている領域である監視領域、および、当該監視領域の周辺の領域が写る画像を常時撮像して、撮像画像のデータを監視部11へ出力する。なお、撮像部10は、監視領域のみを撮像対象の領域として撮像してもよい。撮像部10は、たとえば、上下左右に撮影方向を移動させることができ、かつ、画角を調整可能なPTZ(パン・チルト・ズーム)カメラ等である。
監視部11は、撮像部10により撮像された撮像画像に対して、フレームレートの変更、画質の変更または当該撮像画像の一部の抽出など種々の画像処理を行い、画像処理後の監視画像を記憶部13へ出力する。
さらに、監視部11は、撮像画像を外部モニタ12へ出力する。これにより、外部モニタ12には、監視領域の撮像画像がリアルタイムで表示され、監視員等がこの外部モニタ12を目視することにより監視領域を監視することができる。なお、外部モニタ12は、監視装置100の構成要素の一部であるものに限らず、他の装置として設けられていても良い。
記憶部13には、撮像部10により撮像された画像が監視部11から出力されて、順次記憶される。この記憶部13は、たとえば1週間分の監視領域の画像を記憶することができ、古い画像から順に新たな画像で上書きされる。これにより、たとえば事件の発生後に記憶部13に記憶されている監視領域の画像を確認することによって不審者の顔または持ち物等を特定することができ、有力な証拠として用いることができる。なお、記憶部13は、監視部11と一体型に形成されていてもよい。また、記憶部13は、監視装置100の構成要素の一部であるものに限らず、他の装置として設けられていても良い。
[監視部の構成]
図2は、本発明の実施の形態に係る監視装置の監視部の構成を示すブロック図である。図2を参照して、監視部11は、映像入力部21と、A/D変換部22と、RAM(Random Access Memory)23と、D/A変換部24と、出力部25と、検出部26と、出力パラメータ設定部27と、出力部29とを含む。
映像入力部21は、撮像部10により撮像された撮像画像のアナログ信号を受けて、このアナログ信号をA/D変換部22へ出力する。A/D変換部22は、映像入力部21から受けた撮像画像のアナログ信号をデジタル信号に変換し、RAM23へ出力する。RAM23には、撮像部10により撮像された撮像画像のデジタル信号が順次記憶される。
D/A変換部24は、RAM23から撮像画像のデジタル信号を取得して、このデジタル信号をアナログ信号に変換し、出力部25へ出力する。出力部25は、D/A変換部24から出力された撮像画像のアナログ信号を外部モニタ12へ出力する。これにより、撮像画像が外部モニタ12に表示される。
検出部26は、RAM23に記憶された撮像画像のデジタル信号を取得し、当該撮像画像に含まれる監視領域の中から、通常時とは異なる状態の領域である1または複数の不審領域を検出する。そして、検出部26は、検出した不審領域毎に不審レベルを算出する。
この不審レベルとは、不審領域の検出に用いられる撮像画像に含まれる監視領域の画像と、通常時における監視領域の画像との差異の程度を示すものであり、不審レベルが高いほど差異の程度が大きいことを示す。そして、検出部26は、所定閾値以上の不審レベルの不審領域を検出した場合、異常が発生したと判断する。
また、検出部26は、異常が発生したと判断した場合、監視領域において異常状態が継続しているか否かを判断する。たとえば、検出部26は、異常発生後、不審者が監視領域のいずれかの場所に存在している場合、異常状態が継続していると判断する。このような検出部26による異常が発生したか否かの判断動作および異常状態が継続しているか否かの判断動作の詳細については、後述する。
また、検出部26は、異常が発生したか否かを示す信号、撮像画像における不審領域の座標等を示す信号、および、不審領域の不審レベルを示す信号などを出力パラメータ設定部27へ出力する。また、検出部26は、異常が発生したと判断した後、異常状態が継続しているか否かの判断結果を示す信号を出力パラメータ設定部27へ出力する。
出力パラメータ設定部27は、検出部26により算出された不審レベルに基づいて、記憶部13へ出力される画像の出力パラメータを設定する。この出力パラメータとは、たとえば記憶部13へ出力される監視画像のフレームレート、記憶部13へ出力される監視画像の画質、または、記憶部13へ出力される監視画像に写るべき領域(以下、「出力対象領域」とも称する)の位置を示す。そして、出力パラメータ設定部27は、設定した出力パラメータを出力部29へ出力する。
出力部29は、RAM23に記憶された撮像画像のデジタル信号を取得し、出力パラメータ設定部27から受けた出力パラメータに基づいて、当該撮像画像に対して画像処理を行った後の画像を記憶部13へ出力する。
たとえば、出力パラメータ設定部27は、検出部26により所定閾値以上の不審レベルの不審領域が検出されない場合、すなわち異常が発生したことを示す信号を受けない場合、撮像画像よりもデータ量の小さい画像が出力部29から記憶部13へ出力されるように、フレームレート、画質または出力対象領域を設定する。
また、たとえば、出力パラメータ設定部27は、検出部26から異常が発生したことを示す信号を受けた場合、または、異常状態が継続していることを示す信号を受けた場合、不審領域の状況が明確となる画像、たとえばフレームレートの高い複数の画像または画質の高い画像等が出力部29から記憶部13へ出力されるように、フレームレート、画質または出力対象領域を設定する。このような出力パラメータ設定部27による出力パラメータの設定、および、出力部29による記憶部13への画像の出力の詳細については、後述する。
なお、出力パラメータ設定部27は、出力対象領域として、監視領域よりも広い領域または監視領域よりも狭い領域のいずれを設定することも可能である。
また、図2において破線で示される構成要素、すなわち撮像部10、外部モニタ12、記憶部13、映像入力部21、A/D変換部22、RAM23、D/A変換部24および出力部25は、本発明において必須の構成要素ではない。本発明の実施の形態に係る監視装置100は、これらの構成要素を備えなくても、証拠能力を損なうことなく、記憶容量の増大を抑えることができるという本発明の目的を達成することが可能である。
[検出部の詳細な構成]
検出部26は、異常発生検出部31と、異常継続判断部32とを有する。
(a)異常発生検出部
異常発生検出部31は、RAM23から撮像画像のデジタル信号を取得して、この撮像画像に含まれる監視領域の中から、1または複数の不審領域を検出する。具体的には、異常発生検出部31は、RAM23から取得した撮像画像に含まれる監視領域の画像と、通常時における監視領域の撮像画像との差異の程度を、たとえば背景差分法を用いることにより算出する。
詳細には、まず、異常発生検出部31は、RAM23から取得した撮像画像のデジタル信号に基づいて、監視領域の画像における各画素の輝度値を取得し、取得した各画素の輝度値と、予め作成された通常時の監視領域の画像における各画素の輝度値と、の差の絶対値である背景差分値D1(i,j)を算出する。
そして、異常発生検出部31は、撮像画像に含まれる監視領域の画像について、背景差分値D1(i,j)に基づき「1」または「0」の二値化処理を行う。そして、異常発生検出部31は、二値化処理された撮像画像について、たとえば人物の大きさ程度の枠を検出枠として読み出し、読み出した検出枠において「1」が与えられている割合P1が所定値Pa以上である場合には、この検出枠に人物が写っていると判断する。
なお、異常発生検出部31は、監視領域内に存在する人物だけでなく、たとえば人物が手にしていた物体など、監視領域内に存在する他の被写体を上記と同様の演算処理によって検出することができる。このように、異常発生検出部31により検出された被写体が写る領域が、通常とは異なる状況の領域、すなわち不審領域に相当する。
また、異常発生検出部31は、検出した不審領域毎に不審レベルを算出する。ここで、不審レベルは、例えば、人物の移動経路、重要文化財などの保護対象が存在する場所に対する人物の位置、特定の場所の徘徊、所定時間以上の滞在、人物が手にしている物、人物の移動速度、および、人物の密集の度合いなどに基づく値であり、予め設定されている。
例えば、ある人物が、所定時間以上同じ位置に滞在し、さらに、この滞在している位置が重要文化財の存在する場所に近いような場合には、それぞれの行動に対する不審レベルが合算される。
そして、異常発生検出部31は、算出した不審レベルに基づいて、異常発生の検出を行う。具体的には、異常発生検出部31は、閾値A1以上の不審レベルの不審領域を検出した場合、撮像画像が異常発生条件を満たしている、すなわち監視領域において異常が発生したと判断する。そして、この場合、異常発生検出部31は、異常が発生したことを示す信号、当該不審領域の不審レベルおよび当該不審領域の撮像画像における座標等を示す信号を出力パラメータ設定部27へ出力する。
一方、異常発生検出部31は、監視領域の画像中に閾値A1以上の不審レベルの不審領域を検出しなかった場合、撮像画像が異常発生条件を満たしていない、すなわち監視領域において異常が発生していないと判断する。そして、異常発生検出部31は、異常が発生していないことを示す信号を出力パラメータ設定部27へ出力する。
(b)異常継続判断部
異常継続判断部32は、異常発生検出部31により異常発生が検出された場合、RAM23から撮像画像のデジタル信号を取得する。そして、異常継続判断部32は、取得した撮像画像に基づいて、監視領域における異常状態が継続しているか否かを判断する。
具体的には、異常継続判断部32は、異常発生検出部31による異常発生の検出後、異常発生検出部31と同様に、RAM23から取得した撮像画像のデジタル信号に基づいて、監視領域内に存在する被写体を検出し、検出した被写体が写る領域である不審領域の不審レベルを算出する。
そして、異常継続判断部32は、監視領域の画像のうちの少なくとも一部に関して、閾値A2以上の不審レベルの不審領域を検出した場合、撮像画像が異常継続条件を満たしている、すなわち異常発生後に異常状態が継続していると判断し、判断結果を出力パラメータ設定部27へ出力する。
一方、異常継続判断部32は、監視領域の画像中に閾値A2以上の不審レベルの不審領域を検出しなかった場合、撮像画像が異常継続条件を満たしていない、すなわち異常発生後に異常状態が継続していない判断する。そして、異常継続判断部32は、判断結果を出力パラメータ設定部27へ出力する。
なお、閾値A2は、上述した閾値A1よりも小さい値に設定されている。すなわち、異常継続条件は、異常発生条件よりも緩く設定されている。
ここで、異常発生条件と異常継続条件との関係を、図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る監視装置の検出部における異常発生条件の判断基準と、異常継続条件の判断基準との関係を示す図である。
図3を参照して、まず、(a)に示す「異常発生が検出される前の状況」において、異常発生検出部31は、閾値A1以上の不審レベルが得られた場合、異常が発生したと判断する。そして、この場合、(b)に示す「異常発生が検出された後の状況」に移行する。
一方、異常発生検出部31は、閾値A1以上の不審レベルが得られない場合、異常が発生していないと判断し、(a)に示す「異常発生が検出される前の状況」が継続し、異常発生検出部31による不審レベルの算出が繰り返される。
また、(b)に示す「異常発生が検出された後の状況」に移行した後、異常継続判断部32は、閾値A2以上の不審レベルが得られた場合、異常が継続していると判断する。そして、この場合、(b)に示す「異常発生が検出された後の状況」が継続し、異常継続判断部32による不審レベルの算出が繰り返される。
一方、(b)に示す「異常発生が検出された後の状況」に移行した後、異常継続判断部32は、閾値A2以上の不審レベルが得られない場合、異常が継続していないと判断する。そして、この場合、(a)に示す「異常発生が検出される前の状況」に移行し、異常発生検出部31による不審レベルの算出が再び行われる。
たとえば、人物が特定の場所に所定時間以上滞在している場合、異常発生検出部31が閾値A1以上の不審レベルを算出すると仮定する。また、人物が監視領域のいずれかの場所に存在している場合、異常継続判断部32が閾値A2以上であり閾値A1未満の不審レベルを算出すると仮定する。この場合、当該人物が写る領域が異常発生の領域として異常発生検出部31により検出された後、当該人物が監視領域のいずれかの場所に存在している限り、異常継続判断部32は、異常状態が継続していると判断する。
[出力パラメータ設定部および出力部の詳細な構成]
出力パラメータ設定部27は、フレームレート設定部41と、画質設定部42と、領域設定部43とを有する。
(a)フレームレート設定部
フレームレート設定部41は、検出部26により算出された不審レベルに基づいて、記憶部13へ出力される画像のフレームレートを設定する。すなわち、フレームレート設定部41は、検出部26により算出された不審レベルが高いほど、フレームレートを高い値に設定する。
たとえば、フレームレート設定部41は、検出部26の異常発生検出部31により算出された不審レベルが閾値A1未満であった場合、すなわち異常発生検出部31から異常の発生を検出しなかったことを示す信号を受けた場合、フレームレートを10fpsなどの低い値に設定する。そして、フレームレート設定部41は、設定内容を出力部29に通知する。そして、出力部29は、設定内容に従ったフレームレートに変更されるように、複数の撮像画像から一部の画像を間引いた画像を監視画像として記憶部13へ出力する。これにより、記憶部13へ出力される画像のデータ量が、撮像画像のデータ量よりも小さい値になる。
また、フレームレート設定部41は、異常発生後に、検出部26の異常継続判断部32により算出された不審レベルが閾値A2未満であった場合、すなわち異常継続判断部32から異常状態が継続していないことを示す信号を受けた場合も同様に、フレームレートを10fpsなどの低い値に設定する。そして、フレームレート設定部41は、設定内容を出力部29に通知する。
一方、フレームレート設定部41は、異常発生検出部31により算出された不審レベルが閾値A1以上であった場合、すなわち異常発生検出部31から異常発生を検出したことを示す信号を受けた場合、フレームレートを30fpsなどの高い値に設定する。また、フレームレート設定部41は、異常発生後に、異常継続判断部32により算出された不審レベルが閾値A2以上であった場合、すなわち異常継続判断部32から異常状態が継続していないことを示す信号を受けた場合も同様に、フレームレートを30fpsなどの高い値に設定する。そして、フレームレート設定部41は、設定内容を出力部29に通知する。
なお、異常発生検出部31により算出された不審レベルが閾値A1未満である場合、または、異常継続判断部32により算出された不審レベルが閾値A2未満である場合、すなわち、図3に示す(a)の状況が継続している場合または図3に示す(a)の状況に移行した場合を、以下「通常時」とも称する。
また、異常発生検出部31により算出された不審レベルが閾値A1以上である場合、または、異常継続判断部32により算出された不審レベルが閾値A2以上である場合すなわち、図3に示す(b)の状況が継続している場合または図3に示す(b)の状況に移行した場合を、以下「異常時」とも称する。
(b)画質設定部
画質設定部42は、検出部26により算出された不審レベルに基づいて、記憶部13へ出力される画像の画質を設定する。すなわち、画質設定部42は、検出部26により算出された不審レベルが高いほど、高い画質を設定する。
たとえば、画質設定部42は、通常時には、記憶部13へ出力される画像の画質を撮像画像より低い0.02メガバイトなどの値に設定する。そして、画質設定部42は、設定内容を出力部29に通知する。そして、出力部29は、設定内容に従って撮像画像に対して画質の変更処理を行った画像を監視画像として記憶部13へ出力する。これにより、記憶部13へ出力される画像のデータ量が、撮像画像のデータ量よりも小さい値になる。
一方、画質設定部42は、異常時には、通常時と比べて、記憶部13へ出力される画像の画質を0.05〜0.2メガバイトほどの高い値に設定する。そして、画質設定部42は、設定内容を出力部29に通知する。
なお、画質設定部42は、不審レベルに応じた段階的な画質の設定を行うだけでなく、たとえば、検出部26により算出された不審レベルが閾値A1未満である場合、撮像画像に対して圧縮処理を行うパラメータ値を設定し、上記不審レベルが閾値A1以上である場合、撮像画像に対して圧縮処理を行わないパラメータ値を設定し、設定内容を出力部29に通知することも可能である。そして、出力部29は、設定内容に従い、撮像画像に対して圧縮処理を行った画像または撮像画像に対して圧縮処理を行わない画像を、監視画像として記憶部13へ出力する。
(c)領域設定部
(i)異常時に監視領域よりも広い領域を設定する場合
図4(a)は、本発明の実施の形態に係る監視装置の撮像部により撮像された撮像画像を示す図であり、図4(b)は、通常時において、本発明の実施の形態に係る監視装置の領域設定部により設定された出力パラメータに従って記憶部へ出力された画像の一例を示す図である。
図4(a)を参照して、撮像部10は、監視領域および当該監視領域の周辺領域が写る画像を常時撮像する。そして、撮像部10により撮像された撮像画像のデータは、映像入力部21およびA/D変換部22を介してRAM23に記憶される。
そして、検出部26は、RAM23に記憶された画像、すなわち監視領域および周辺領域が写る画像の中から、監視領域における1または複数の不審領域を検出し、検出した不審領域ごとの不審レベルを算出する。
そして、領域設定部43は、通常時には、たとえば監視領域を、出力対象領域として設定する。そして、領域設定部43は、設定した出力対象領域の位置を示す出力パラメータを出力部29へ出力する。
そして、出力部29は、RAM23に記憶された撮像画像のデジタル信号を取得し、領域設定部43から受けた出力パラメータに基づいて、撮像画像のうち監視領域が写る画像を抽出する。そして、出力部29は、図4(b)に示すように、抽出した監視領域の画像を記憶部13へ出力する。
図5(a)は、本発明の実施の形態に係る監視装置の撮像部により撮像された撮像画像を示す図であり、図5(b)は、異常時において、本発明の実施の形態に係る監視装置の領域設定部により設定された出力パラメータに従って記憶部へ出力された画像の一例を示す図である。
図5(a)および図5(b)を参照して、領域設定部43は、異常時には、たとえば図5(a)に示す撮像画像に写る全ての領域を、出力対象領域として設定する。そして、領域設定部43は、設定した出力対象領域の位置を示す出力パラメータを出力部29へ出力する。
そして、出力部29は、RAM23に記憶された撮像画像のデジタル信号を取得し、領域設定部43から受けた出力パラメータに基づいて、図5(b)に示すように、監視領域および周辺領域が写る監視画像を記憶部13へ出力する。
(ii)異常時に監視領域よりも狭い領域を設定する
図6(a)は、本発明の実施の形態に係る監視装置の撮像部により撮像された撮像画像を示す図であり、図6(b)は、通常時において、本発明の実施の形態に係る監視装置の領域設定部により設定された出力パラメータに従って記憶部へ出力された画像の一例を示す図である。
図6(a)を参照して、撮像部10は、上記と同様に、監視領域および周辺領域が写る画像を常時撮像する。そして、撮像部10により撮像された撮像画像のデータは、映像入力部21およびA/D変換部22を介してRAM23に記憶される。
そして、検出部26は、RAM23に記憶された画像、すなわち監視領域および周辺領域が写る画像の中から、監視領域内における1または複数の不審領域を検出し、検出した不審領域ごとの不審レベルを算出する。
そして、領域設定部43は、通常時には、たとえば監視領域を、出力対象領域として設定する。そして、領域設定部43は、設定した出力対象領域の位置を示す出力パラメータを出力部29へ出力する。
そして、出力部29は、RAM23に記憶された撮像画像のデジタル信号を取得し、領域設定部43から受けた出力パラメータに基づいて、撮像画像のうち監視領域が写る画像を抽出する。そして、出力部29は、図6(b)に示すように、抽出した監視領域の画像を記憶部13へ出力する。
図7(a)は、本発明の実施の形態に係る監視装置の撮像部により撮像された撮像画像を示す図であり、図7(b)は、異常時において、本発明の実施の形態に係る監視装置の領域設定部により設定された出力パラメータに従って記憶部へ出力された画像の一例を示す図である。
図7(a)および図7(b)を参照して、領域設定部43は、異常時には、たとえば不審領域を、出力対象領域として設定する。そして、領域設定部43は、設定した出力対象領域の位置を示す出力パラメータを出力部29へ出力する。
そして、出力部29は、RAM23に記憶された撮像画像、すなわち図7(a)に示す撮像画像のデジタル信号を取得し、領域設定部43から受けた出力パラメータに基づいて、撮像画像に写る領域のうち不審領域が写る画像を抽出する。そして、出力部29は、図7(b)に示すように、抽出した不審領域の画像を記憶部13へ出力する。
なお、出力部29は、撮像画像の中から抽出した監視領域の画像または不審領域の画像を、たとえば撮像画像と同程度の大きさまで拡大して記憶部13へ出力してもよい。
(d)出力部
出力部29は、フレームレート設定部41からフレームレートに関する設定内容を受けた場合、RAM23に記憶された複数の撮像画像のデジタル信号を取得し、設定内容に従ったフレームレートに変更されるように、取得した複数の撮像画像から一部の画像を間引いた残りの画像を監視画像として記憶部13へ出力する。
また、出力部29は、画質設定部42から画質に関する設定内容を受けた場合、RAM23に記憶された撮像画像のデジタル信号を取得し、この撮像画像に対して圧縮処理などを行うことによって、設定内容に従った画質に変更し、変更後の画像を記憶部13へ出力する。
なお、画質設定部42が、たとえば、検出部26により算出された不審レベルが閾値A1未満であるか否かに応じて、撮像画像に対する圧縮処理を行うか否かを決定する場合もある。この場合、出力部29は、画質設定部42から受けた決定内容に従い、撮像画像に対して圧縮処理を行った画像または撮像画像に対して圧縮処理を行わない画像を、記憶部13へ出力する。
また、出力部29は、領域設定部43から出力対象領域の位置に関する設定内容を受けた場合、RAM23に記憶された撮像画像のデジタル信号を取得する。そして、出力部29は、たとえば、この撮像画像の中の一部を抽出し、抽出した画像を撮像画像と同程度の大きさまで拡大し、拡大した画像を記憶部13へ出力する。
また、出力部29は、記憶部13への画像の出力の際、異常時において設定された出力パラメータに従って記憶部13へ出力した画像を除き、古い画像から順に新たな画像で上書きする。すなわち、出力部29は、通常時における画像を新たな画像で上書きすることは許可し、異常時における画像を新たな画像で上書きすることは禁止する。
なお、上述した例では、出力パラメータ設定部27は、フレームレート、画質または出力対象領域のいずれかを設定しているが、出力パラメータ設定部27は、不審領域の不審レベルに基づいて、フレームレート、画質および出力対象領域のうち2つ以上の出力パラメータを設定することが可能である。そして、2つ以上の出力パラメータが設定された場合、出力部29は、設定された2つ以上の出力パラメータに基づいて記憶部13に画像を出力する。
たとえば、出力部29は、フレームレート設定部41により高いフレームレートが設定され、さらに、領域設定部43により不審領域を含む狭い領域が設定された場合、撮像画像の中から抽出した当該狭い領域の画像を高いフレームレートで記憶部13へ出力する。
また、出力部29は、異常時には、RAM23に記憶されている撮像画像のデジタル信号のうち、異常発生が検出されたタイミングよりもわずかに遡ったタイミング、たとえば数十秒から数分前のタイミング以降にRAM23に記憶された撮像画像について、異常時における出力パラメータに基づいて記憶部13へ画像を出力してもよい。
また、出力部29は、異常時である場合のみ記憶部13への画像の出力を行い、通常時には、たとえば画像の出力を行うことなく、通常時であることを示すテキスト文を記憶部13へ出力することも可能である。
[動作]
次に、本発明の実施の形態に係る監視装置100による監視領域の画像の記憶動作について説明する。図8は、本発明の実施の形態に係る監視装置による画像の記憶動作の手順を示すフローチャートである。
監視装置100は、以下の各フローチャートの各ステップを含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。このインストールされるプログラムは、たとえば記憶媒体に格納された状態で流通する。
図8を参照して、まず、撮像部10により監視領域および周辺領域が撮像されると、撮像画像のデジタル信号が、映像入力部21およびA/D変換部22を介してRAM23に出力される。そして、検出部26は、RAM23に記憶された撮像画像のデジタル信号を取得する(ステップS1)。
次に、検出部26は、撮像画像のデジタル信号に基づいて、撮像画像に写る領域のうち監視領域に存在する人物等の被写体の検出を行う。そして、検出部26は、検出した被写体が写る領域、すなわち不審領域の不審レベルを算出し、算出した不審レベルに基づいて監視領域において異常が発生したか否かを判断する(ステップS2)。
次に、検出部26は、監視領域が写る画像中に閾値A1以上の不審レベルの不審領域が検出されない場合、すなわち異常が発生していないと判断した場合(ステップS3において「No」)、出力パラメータ設定部27へ判断結果を出力する。そして、出力パラメータ設定部27は、判断結果に基づいて、通常時における出力パラメータの設定を行う。
そして、出力パラメータ設定部27は、設定した出力パラメータを出力部29へ出力する。そして、出力部29は、出力パラメータ設定部27から受けた出力パラメータに基づいて画像処理を行った後の画像を記憶部13へ出力する。たとえば、出力部29は、画質の低い画像を低いフレームレートで記憶部13へ出力する(ステップS4)。
そして、出力部29から出力された画像が記憶部13に記憶される(ステップS5)。
次に、検出部26は、撮像部10により新たに撮像された撮像画像のデジタル信号を取得し(ステップS1)、上述の動作が繰り返される。
一方、検出部26は、監視領域が写る画像中に閾値A1以上の不審レベルの不審領域が検出された場合、すなわち異常が発生したと判断した場合(ステップS3において「Yes」)、出力パラメータ設定部27へ判断結果を出力する。そして、出力パラメータ設定部27は、判断結果に基づいて、異常時における出力パラメータの設定を行う。
そして、出力パラメータ設定部27は、設定した出力パラメータを出力部29へ出力する。そして、出力部29は、出力パラメータ設定部27から受けた出力パラメータに基づいて画像処理を行った後の画像を記憶部13へ出力する。たとえば、出力部29は、画質の高い画像を高いフレームレートで記憶部13へ出力する(ステップS6)。
そして、出力部29から出力された画像が記憶部13に記憶される(ステップS7)。
次に、検出部26は、撮像部10により新たに撮像された撮像画像のデジタル信号を取得する(ステップS8)。
次に、検出部26は、撮像画像のデジタル信号に基づいて、ステップS2と同様に不審領域の検出を行い、検出した不審領域の不審レベルに基づいて監視領域において異常状態が継続しているか否かを判断する(ステップS9)。
次に、検出部26は、監視領域の画像中に閾値A2以上の不審レベルの不審領域が検出されない場合、すなわち異常状態が継続していないと判断した場合(ステップS10において「No」)、出力パラメータ設定部27へ判断結果を出力する。そして、出力パラメータ設定部27は、判断結果に基づいて、通常時における出力パラメータの設定を行い、設定した出力パラメータを出力部29へ出力する。そして、出力部29は、出力パラメータ設定部27から受けた出力パラメータに基づいて画像処理を行った後の画像を記憶部13へ出力する(ステップS4)。
そして、出力パラメータ設定部27から出力された画像が記憶部13に記憶され(ステップS5)、上述したステップS1からの動作が繰り返される。
一方、検出部26は、監視領域の画像中に閾値A2以上の不審レベルの不審領域が検出された場合、すなわち異常状態が継続していると判断した場合(ステップS9において「Yes」)出力パラメータ設定部27へ判断結果を出力する。そして、出力パラメータ設定部27は、判断結果に基づいて、異常時における出力パラメータの設定を行い、設定した出力パラメータを出力部29へ出力する。そして、出力部29は、出力パラメータ設定部27から受けた出力パラメータに基づいて画像処理を行った後の画像を記憶部13へ出力する(ステップS6)。
そして、出力パラメータ設定部27から出力された画像が記憶部13に記憶され(ステップS7)、上述したステップS8からの動作が繰り返される。
(変形例)
上述した本発明の実施の形態に係る監視装置100では、監視部11の出力部29は、撮像部10により撮像された画像に対して、出力パラメータ設定部27により設定された出力パラメータに基づいて画像処理を行い、記憶部13へ出力する。具体的には、監視部11の出力部29は、領域設定部43から出力対象領域の位置に関する設定内容を受けた場合、RAM23に記憶された撮像画像の中の一部を抽出し、抽出した画像を撮像画像と同程度の大きさまで拡大した画像を記憶部13へ出力する。
これに対して、本発明の実施の形態の変形例に係る監視装置200では、監視部11の出力部29は、出力パラメータ設定部27により設定された出力パラメータに基づいて、監視領域の一部または全部を含む新たに撮像された画像を取得し、この画像を監視画像として記憶部13へ出力する。
図9は、本発明の実施の形態の変形例に係る監視装置の監視部の構成を示すブロック図である。
図9を参照して、本発明の実施の形態の変形例に係る監視装置200の監視部11は、図2に示す監視装置100の監視部11が含む構成要素に加えて、さらに、撮像制御部28を含む。
監視部11の領域設定部43は、上述した本発明の実施の形態に係る監視装置100の領域設定部43と同様に、検出部26により算出された不審レベルに基づいて出力対象領域を設定する。そして、領域設定部43は、設定した出力対象領域の位置を示す設定内容を撮像制御部28へ出力する。
撮像制御部28は、領域設定部43から出力対象領域の位置を示す設定内容を受けると、当該設定内容に基づいて撮像部10を制御する。これにより、撮像部10は、領域設定部43により設定された出力対象領域を撮像する。
そして、撮像部10は、撮像制御部28による制御に従って撮像した画像を映像入力部21へ出力し、A/D変換部22を介して当該画像のデジタル信号がRAM23に記憶される。そして、出力部29は、RAM23に記憶された当該画像のデジタル信号を取得し、このデジタル信号を記憶部13へ出力する。
以下、「異常時に監視領域よりも広い領域を設定する場合」と「異常時に監視領域よりも狭い領域を設定する場合」とに分けて、より具体的な説明を行う。
(i)異常時に監視領域よりも広い領域を設定する場合
図10(a)は、本発明の実施の形態の変形例に係る監視装置の撮像部により撮像された撮像画像を示す図であり、図10(b)は、異常時において、本発明の実施の形態の変形例に係る監視装置の領域設定部により設定された出力パラメータに従って記憶部へ出力された画像の一例を示す図である。
図10(a)を参照して、監視装置200の撮像部10は、監視領域の画像を常時撮像する。そして、撮像部10により撮像された監視領域の画像のデータは、映像入力部21およびA/D変換部22を介してRAM23に記憶される。
そして、検出部26は、RAM23に記憶された画像、すなわち監視領域の画像の中から、当該監視領域内に含まれる1または複数の不審領域を検出し、検出した不審領域ごとの不審レベルを算出する。
そして、領域設定部43は、異常時には、たとえば監視領域を含み、かつ、監視領域より広い領域を、出力対象領域として設定する。そして、領域設定部43は、設定した出力対象領域の位置を示す出力パラメータを撮像制御部28へ出力する。撮像制御部28は、領域設定部43から出力対象領域の位置を示す設定内容を受けると、当該設定内容に基づいて撮像部10を制御する。
そして、撮像部10は、図10(a)に示す監視領域の画像よりも画角の大きい画像、たとえば図10(b)に示す監視領域および周辺領域が写る広角画像を新たに撮像する。そして、撮像部10により新たに撮像された広角画像のデータが、映像入力部21およびA/D変換部22を介してRAM23に記憶される。そして、出力部29は、当該広角画像のデジタル信号をRAM23から取得し、取得した拡大画像を記憶部13へ出力する。
(ii)異常時に監視領域よりも狭い領域を設定する場合
図11(a)は、本発明の実施の形態の変形例に係る監視装置の撮像部により撮像された撮像画像を示す図であり、図11(b)は、異常時において、本発明の実施の形態の変形例に係る監視装置の領域設定部により設定された出力パラメータに従って記憶部へ出力された画像の一例を示す図である。
図11(a)を参照して、撮像部10は、上記と同様に、監視領域の画像を常時撮像する。そして、撮像部10により撮像された監視領域の画像のデータは、映像入力部21およびA/D変換部22を介してRAM23に記憶される。
そして、検出部26は、RAM23に記憶された画像、すなわち監視領域の画像の中から、当該監視領域内に含まれる1または複数の不審領域を検出し、検出した不審領域ごとの不審レベルを算出する。
そして、領域設定部43は、異常時には、たとえば検出部26により検出された不審領域を含み、かつ、監視領域より狭い領域を、出力対象領域として設定する。そして、領域設定部43は、設定した出力対象領域の位置を示す出力パラメータを撮像制御部28へ出力する。撮像制御部28は、領域設定部43から出力対象領域の位置を示す設定内容を受けると、当該設定内容に基づいて撮像部10を制御する。
そして、撮像部10は、図11(a)に示す監視領域の画像よりも画角の小さい画像、たとえば図11(b)に示す不審領域の拡大画像を新たに撮像する。そして、撮像部10により新たに撮像された拡大画像のデータが、映像入力部21およびA/D変換部22を介してRAM23に記憶される。そして、出力部29は、当該拡大画像のデジタル信号をRAM23から取得し、取得した拡大画像を記憶部13へ出力する。
なお、上述した例では、領域設定部43により出力対象領域が設定された後、撮像部10が撮像制御部28により制御されて新たな画像を撮像する。しかしながら、このような形態に限定されず、たとえば撮像部10が複数設けられ、監視領域の画像と監視領域の一部の拡大画像とを並行して撮像することができる場合などには、出力対象領域の設定後、新たな画像を撮像することなく設定内容に従った拡大画像を出力部29が取得することができる。
ところで、監視領域の撮像画像を記憶装置に記憶させることにより、たとえば記憶された画像の中から有力な証拠が事件発生後に得られるなど、記憶された画像が重要な役割を担うことがある。しかしながら、監視領域の撮像は常時行われているため、順次得られる撮像画像の全てを記憶装置へ記憶させる場合、莫大な記憶容量が必要となる。
一方、撮像画像の画質を低下させるなどの画像処理を行うことにより、撮像画像のデータ量を少なくして記憶することが考えられるが、事件等の証拠として使用する場合、撮像画像の画質が低いことが要因となって証拠能力が損なわれてしまう虞がある。
これに対して、本発明の実施の形態に係る監視装置100では、検出部26が、監視の対象とされている領域である監視領域の撮像画像の中から1または複数の不審領域を検出し、検出した不審領域の不審レベルを算出する。また、出力パラメータ設定部27が、検出部26により算出された不審レベルに基づいて、記憶部13へ出力する画像の出力パラメータを設定する。また、出力部29が、出力パラメータ設定部27により設定された出力パラメータに基づいて、監視領域の画像を監視画像として記憶部13へ出力する。
このような構成により、たとえば異常時には詳細な画像を得るために高い画質を設定し、通常時にはデータ量を少なくするために低い画質を設定するなど、監視領域の状況に応じた適切な出力パラメータで画像を記憶部13へ出力することができるため、証拠能力を損なうことなく、記憶容量の増大を抑えることができる。
また、本発明の実施の形態に係る監視装置100では、出力部29は、撮像画像に対して出力パラメータに基づく画像処理を行った後の画像を、監視画像として記憶部13へ出力する。
このような構成により、不審領域の検出に用いられた撮像画像を再び用いて、設定された出力パラメータに応じた適切な画像を記憶部へ出力することができる。
また、本発明の実施の形態に係る監視装置100では、出力部29は、出力パラメータに基づいて取得した監視領域の一部もしくは全部を含む画像を、監視画像として記憶部13へ出力する。
このような構成により、多様な画像の中から、設定された出力パラメータに応じた適切な画像を記憶部13へ出力することができる。
また、本発明の実施の形態に係る監視装置100では、出力パラメータ設定部27は、検出部26により算出された不審レベルが閾値A1未満である場合、撮像画像よりもデータ量の小さい監視画像が記憶部13へ出力されるように出力パラメータを設定する。
このように、通常時における監視領域の画像のデータ量を小さくして記憶部13へ出力する構成により、記憶容量の増大を適切に抑えることができる。
また、本発明の実施の形態に係る監視装置100では、出力パラメータ設定部27は、検出部26により算出された不審レベルが高いほど、高いフレームレートで記憶部13へ監視画像が出力されるように出力パラメータを設定する。
このような構成により、事件の証拠取得などに用いられる可能性の高い映像ほど、被写体の動き等が明確となる滑らかな映像で記憶されるため、高い証拠能力を実現することができる。
また、本発明の実施の形態に係る監視装置100では、出力パラメータ設定部27は、検出部26により算出された不審レベルが高いほど、画質の高い監視画像が記憶部13へ出力されるように出力パラメータを設定する。
このように、不審レベルに応じた段階的な画質の設定を行う構成により、事件の証拠取得などに用いられる可能性の高い画像ほど鮮明な画像で記憶されるため、高い証拠能力を実現することができる。
また、本発明の実施の形態に係る監視装置100では、出力パラメータ設定部27は、検出部26により算出された不審レベルが閾値A1以上である場合、不審レベルが閾値A1未満である場合と比較して、画質の高い監視画像が記憶部13へ出力されるように出力パラメータを設定する。
このように、不審レベルが閾値A1以上であるか否かに応じて画質の設定を切り替える構成により、事件の証拠取得などに用いられる可能性の高い画像を鮮明な画像で記憶させることができるため、高い証拠能力を実現することができる。
また、本発明の実施の形態に係る監視装置100では、出力パラメータ設定部27は、検出部26により算出された不審レベルが閾値A1以上である場合、監視領域を含み、かつ、監視領域よりも広い領域の画像が監視画像として記憶部13へ出力されるように出力パラメータを設定する。
このような構成により、事件に関する不審者が監視領域から離れる方向に移動する場合であっても、当該不審者の移動方向などを特定することができるため、一層有力な証拠となる画像を保存することができる。
また、本発明の実施の形態に係る監視装置100では、出力パラメータ設定部27は、検出部26により算出された不審レベルが閾値A1以上である場合、不審領域を含み、かつ、監視領域よりも狭い領域の画像が監視画像として記憶部13へ出力されるように出力パラメータを設定する。
このような構成により、記憶部13に記憶された画像を監視員等が確認する際、異常が発生している箇所の特定を容易に行うことができる。また、不審領域を含み、かつ、監視領域よりも狭い領域の画像として、たとえば不審領域の拡大画像を記憶部13へ出力する場合、不審領域の詳細な画像が記憶されるため、一層高い証拠能力を実現することができる。
また、本発明の実施の形態に係る監視装置100では、出力部29は、出力パラメータ設定部27により設定された出力パラメータに基づいて新たに撮像された画像であって、不審領域を含み、かつ、監視領域よりも狭い領域の画像を取得し、取得した画像を監視画像として記憶部13へ出力する。
このように、出力パラメータに従って新たに撮像された画像を監視画像とする構成により、不審領域の検出に用いられた撮像画像に対する画像処理では得ることのできないより適切な画像を記憶させることができる。
また、本発明の実施の形態に係る監視装置100では、検出部26は、撮像画像が異常発生条件を満たす場合に、監視領域において異常が発生したと判断し、異常が発生したと判断した後に撮像画像が異常継続条件を満たす場合に、監視領域において異常状態が継続していると判断する。また、異常発生条件および異常継続条件は、検出部26により算出された不審レベルに関する条件である。また、出力パラメータ設定部27は、撮像画像が異常発生条件を満たしている、または、撮像画像が異常継続条件を満たしていると検出部26により判断された場合、判断結果に基づいて出力パラメータを設定する。また、異常継続条件を満たすか否かの閾値となる不審レベルは、異常発生条件を満たすか否かの閾値となる不審レベルよりも低い。
このような構成により、異常発生条件が満たされた後は、異常発生条件が満たされるほど通常時と大きく異なる状況でなくても、たとえば通常時とわずかに異なる状況であれば異常状態が継続していると判断することができる。このため、不審者が事件を起こした直後だけでなく、たとえば当該不審者が監視領域内に存在する期間は継続して異常時における出力パラメータ、すなわち高いフレームレートまたは高い画質などの設定で画像を記憶部13へ出力することができるため、一層高い証拠能力を実現することができる。
また、本発明の実施の形態に係る監視装置100では、検出部26は、算出した不審レベルに基づいて、監視領域において異常が発生したか否かを判断する。また、出力部29は、検出部29により異常が発生したと判断されたことによって出力パラメータ設定部27が設定した出力パラメータ、に基づいて記憶部13へ出力した監視画像を除き、古い監視画像から順に新たな監視画像で上書きする。
このような構成により、異常状態が写る画像が新たな画像で上書きされることを防ぐことができるため、異常発生後、長時間経過した後であっても記憶部13に記憶された画像の中から事件の証拠取得などを行うことができる。
また、本発明の実施の形態に係る監視装置100では、検出部26は、異常が発生したと判断した後、新たに算出した不審レベルに基づいて、監視領域において異常状態が継続しているか否かを判断する。また、出力部29は、検出部26により異常が発生したと判断されたことによって出力パラメータ設定部27が設定した出力パラメータ、または、検出部26により異常状態が継続していると判断されたことによって出力パラメータ設定部27が設定した出力パラメータ、に基づいて記憶部13へ出力された監視画像を除き、古い監視画像から順に新たな監視画像で上書きする。
このような構成により、異常が発生した直後だけでなく、異常状態が継続している限り、当該異常状態が写る画像が新たな画像で上書きされることを防ぐことができるため、異常発生後、長時間経過した後であっても有力な証拠となる画像を保存することができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。