JP2014137072A

JP2014137072A - 車両用ディスクブレーキ

Info

Publication number: JP2014137072A
Application number: JP2013004438A
Authority: JP
Inventors: Toshihito Ito; 寿仁伊東; Tomoyuki Ipponyari; 智之一本鎗
Original assignee: Nissin Kogyo Co Ltd
Current assignee: Nissin Kogyo Co Ltd
Priority date: 2013-01-15
Filing date: 2013-01-15
Publication date: 2014-07-28
Anticipated expiration: 2033-01-15
Also published as: JP6092632B2

Abstract

【課題】シム板により、ブレーキ鳴きの防止を図ると共に、摩擦パッドに対してシム板がガタ付くことを防止し、異音や振動の発生を抑制することができる車両用ディスクブレーキを提供する。
【解決手段】摩擦パッド６の裏板６ａの背面に、シム板装着用突起６ｄを突設する。シム板７に、シム板装着用突起６ｄに係合する係合孔７ｄを設ける。係合孔７ｄに、シム板装着用突起６ｄの外形に応じた保持部７ｅと、該保持部７ｅよりもシム板装着用突起側に突出する弾性係止部７ｆとを交互に複数設ける。
【選択図】図１

Description

本発明は、車両用ディスクブレーキに係り、詳しくは、表面にライニングを固着した摩擦パッドの裏板の背面に、シム板を装着した車両用ディスクブレーキに関する。

車両用ディスクブレーキでは、ブレーキ鳴きを防止するために、摩擦パッドの裏板の背面にシム板を装着したものがあり、シム板に、裏板に形成された突起に挿通される挿通孔と、突起に弾接する弾性爪とを設け、シム板の取付性の向上を図ると共に、弾性爪により、摩擦パッドとシム板とが相対移動できるようにして、摩擦パッドの摩耗を軽減させるようにしたものがあった（例えば、特許文献１参照。）。

特開平７−２９３６０８号公報

しかし、上述の特許文献１のものでは、弾性爪により、摩擦パッドとシム板とが相対移動可能な構造となっていることから、車両走行時や制動時に、摩擦パッドに対してシム板がガタ付き、異音や振動を発生させる虞があった。

そこで本発明は、シム板により、ブレーキ鳴きの防止を図ると共に、摩擦パッドに対してシム板がガタ付くことを防止し、異音や振動の発生を抑制することができる車両用ディスクブレーキを提供することを目的としている。

上記目的を達成するため、本発明の車両用ディスクブレーキは、摩擦パッドの裏板の表面に、ディスクロータに摺接するライニングを固着し、前記裏板の背面に、シム板装着用突起を突設し、該シム板装着用突起に係合する係合孔を備えたシム板を、前記裏板の背面に装着した車両用ディスクブレーキにおいて、前記係合孔は、前記シム板装着用突起の外形に応じた形状で、前記シム板装着用突起に当接可能な保持部と、該保持部よりも前記シム板装着用突起側に突出する弾性係止部とを交互に複数備えていることを特徴としている。

また、前記シム板装着用突起は円筒状に形成され、前記保持部の先端部は、前記シム板装着用突起の外周部に当接して、該外周部を保持可能な円弧状に形成されると良い。さらに、前記弾性係止部の先端部は、前記シム板装着用突起の外周部と同軸で小径の円に沿った円弧状に形成されると好ましい。また、前記保持部の周方向の長さは、前記弾性係止部の周方向の長さよりも短く形成されると共に、隣り合う前記保持部と前記弾性係止部との間に、前記係合孔の外周側に向けて切欠き部が形成され、前記弾性係止部の両側に配置される２つの切欠き部の係合孔外周側端部間の周方向の長さは、前記保持部の両側に配置される２つの切欠き部の係合孔外周側端部間の周方向の長さよりも短く形成されていると好適である。

本発明の車両用ディスクブレーキによれば、シム板に設けた係合孔は、摩擦パッドの裏板に設けたシム板装着用突起の外形に応じた形状で、シム板装着用突起に当接可能な保持部と、該保持部よりもシム板装着用突起側に突出する弾性係止部とを交互に複数備え、保持部がシム板装着用突起の外形に応じて形成されていることにより、シム板装着用突起を係合孔に挿通すると、弾性係止部が弾性変形し、シム板を容易にシム板装着用突起に係合させて固定させることができる。さらに、車両走行時や制動時に、保持部とシム板装着用突起とが当接することにより、摩擦パッドに対してシム板がガタ付くことを抑制し、異音や振動の発生を抑制することができる。

また、シム板装着用突起を円筒状に形成し、保持部の先端部を、シム板装着用突起の外周部に当接して、該外周部を保持可能な円弧状に形成することにより、車両走行時や制動時に、シム板装着用突起と保持部とが当接して、摩擦パッドに対してシム板がガタ付くことを確実に防止できる。

さらに、弾性係止部の先端部を、シム板装着用突起の外周部と同軸で小径の円に沿った円弧状に形成することにより、シム板装着用突起を係合孔に挿通する際に、弾性係止部を容易に弾性変形させることができると共に、シム板装着用突起に係合孔を確実に係合させることができる。

また、保持部の周方向の長さを、弾性係止部の周方向の長さよりも短く形成することにより、保持部が変形し難くなり、車両走行時や制動時に、摩擦パッドに対してシム板がガタつくことをより確実に抑制し、異音や振動の発生を防止することができる。さらに、隣り合う保持部と弾性係止部との間に、係合孔の外周側に向けて切欠き部を形成し、弾性係止部の両側に配置される２つの切欠き部の係合孔外周側端部間の周方向の長さを、保持部の両側に配置される２つの切欠き部の係合孔外周側端部間の周方向の長さよりも短く形成したことにより、弾性係止部が弾性変形し易くなり、また、弾性係止部の両側に配置される２つの切欠き部の係合孔外周側端部間の周方向の長さや、切欠き部の、係合孔中心から係合孔外周側端部までの長さを調整することによって、弾性係止部の弾性力を調整することが可能となる。

本発明の一形態例を示すシム板の要部拡大断面図である。同じく摩擦パッドとシム板の分解斜視図である。同じく車両用ディスクブレーキの正面図である。同じく車両用ディスクブレーキの一部断面背面図である。同じく車両用ディスクブレーキの一部断面平面図である。図３のVI−VI断面図である。

図１乃至図６は、本発明の車両用ディスクブレーキの一形態例を示す図で、矢印Ａは車両前進時に車輪と一体に回転するディスクロータの回転方向である。

この車両用ディスクブレーキ１は、車輪と一体に回転するディスクロータ２と、該ディスクロータ２の一側部で車体に固設されるキャリパブラケット３と、該キャリパブラケット３のキャリパ支持腕３ａ，３ａに、一対のスライドピン４，４を介してディスク軸方向へ移動可能に支持されるキャリパボディ５と、該キャリパボディ５の作用部５ａと反作用部５ｂとの内側で、ディスクロータ２を挟んで対向配置される一対の摩擦パッド６，６とを備え、摩擦パッド６，６には、シム板７，７が装着されている。

キャリパボディ５は、ディスクロータ２の両側に配設される前記作用部５ａ及び反作用部５ｂと、これらをディスクロータ２の外周を跨いで連結するブリッジ部５ｃとを備え、作用部５ａには、ディスクロータ２側が開口したシリンダ孔５ｄが設けられている。シリンダ孔５ｄには、有底円筒状のピストン８が、開口部を摩擦パッド側に向けて内挿され、ピストン８とシリンダ孔底部との間には、液圧室９が画成されている。また、作用部５ａの両側部には、スライドピン取付腕５ｅ，５ｅが突設されており、各スライドピン取付腕５ｅの先端には、それぞれ前記スライドピン４が、取付ボルト１０にて取り付けられている。

シリンダ孔５ｄの内周面には、軸方向中間部にピストンシール装着溝５ｆが、シリンダ孔開口側にダストシール装着溝５ｇがそれぞれ周設され、ピストンシール装着溝５ｆには、ピストン８をロールバックさせるピストンシール１１が、ダストシール装着溝５ｇには、シリンダ孔内への塵埃の侵入を防止するダストシール１２がそれぞれ嵌着されている。

キャリパ支持腕３ａ，３ａは、キャリパブラケット３の両側部から、ブリッジ部５ｃの両側を挟みながらディスクロータ２の外周をディスク軸方向に跨いでいる。各キャリパ支持腕３ａには、前記スライドピン４を収容するガイド孔３ｂが穿設され、また、双方のキャリパ支持腕３ａには、ディスクロータ２の側面で互いに向き合う一対のパッドガイド部３ｃがそれぞれ設けられ、各パッドガイド部３ｃには、互いに対向するトルク受け面３ｄが設けられている。さらに、パッドガイド部３ｃのディスク半径方向外側には、パッドリテーナ１３を取り付けるパッドリテーナ取付部３ｅが設けられている。

各摩擦パッド６は、裏板６ａと、該裏板６ａの表面に貼着されるライニング６ｂとで形成されている。裏板６ａのディスク回転方向両側部には耳片６ｃ，６ｃがそれぞれ突設されると共に、裏板６ａのディスク回転方向両側部の背面には、円筒状のシム板装着用突起６ｄがそれぞれ突設されている。各摩擦パッド６は、シム板装着用突起６ｄにシム板７を装着し、各耳片６ｃ，６ｃをディスク回入側と回出側のパッドガイド部３ｃ，３ｃにそれぞれパッドリテーナ１３を介して挿入することにより、ディスクロータ２の両側に配置される。

図２に示す作用部側のシム板７は、ステンレス鋼等の金属製の薄板により形成され、裏板６ａの形状に略沿った本体部７ａと、裏板６ａのディスク半径方向外側の外端よりディスク半径方向外側に突出するピストン８の形状に沿った突出部７ｂとを備え、本体部中央の、ピストン８の開口部８ａと対応する位置に、開口部８ａよりも小径の通孔７ｃが形成され、ディスク回転方向両側部には、前記裏板６ａのシム板装着用突起６ｄ，６ｄに係合する係合孔７ｄ，７ｄが形成されている。

係合孔７ｄは、図１に示されるように、シム板装着用突起６ｄの外形に応じた保持部７ｅと、保持部７ｅよりもシム板装着用突起６ｄ側に突出する弾性係止部７ｆとを交互に３個ずつ備え、隣り合う保持部７ｅと弾性係止部７ｆとの間に、係合孔７ｄの外周側に向けて切欠き部７ｇがそれぞれ形成されている。保持部７ｅは、先端部が、シム板装着用突起６ｄの外周部Ｒ１に当接して、外周部Ｒ１を保持可能な円弧状に形成され、弾性係止部７ｆの先端部は、シム板装着用突起６ｄの外周部Ｒ１と同軸で小径の円に沿った円弧状に形成される。さらに、保持部７ｅの周方向の長さＬ１は、弾性係止部７ｆの周方向の長さＬ２よりも短く形成されると共に、弾性係止部７ｆの両側に配置される２つの切欠き部７ｇ，７ｇの係合孔外周側端部間の周方向の長さＬ３は、保持部７ｅの両側に配置される２つの切欠き部７ｇ，７ｇの係合孔外周側端部間の周方向の長さＬ４よりも短く形成されている。

反作用部側のシム板７は、突出部７ｂを除いて、その他の構造は作用部側のシム板７と同一の構造となっている。

上述のように形成されたシム板７は、シム板装着用突起６ｄ，６ｄの位置に、係合孔７ｄ，７ｄを合わせて、係合孔７ｄ，７ｄを裏板側に押し付けることにより、弾性係止部７ｆが弾性変形して、係合孔７ｄ，７ｄがシム板装着用突起６ｄ，６ｄにカシメられることから、シム板７を裏板６ａに容易に装着させることができる。また、車両走行時や制動時に、シム板装着用突起６ｄと保持部７ｅとが当接することにより、摩擦パッド６に対してシム板７がガタ付くことを防止でき、異音や振動の発生を抑制することができる。さらに、保持部７ｅの周方向の長さＬ１は、弾性係止部７ｆの周方向の長さＬ２よりも短く形成されていることから、保持部７ｅが変形し難くなり、摩擦パッド６に対してシム板７がガタつくことをより確実に防止することができる。また、弾性係止部７ｆの両側に配置される２つの切欠き部７ｇ，７ｇの係合孔外周側端部間の周方向の長さＬ３を、保持部７ｅの両側に配置される２つの切欠き部７ｇ，７ｇの係合孔外周側端部間の周方向の長さＬ４よりも短く形成したことにより、弾性係止部７ｆが弾性変形することを促進できる。さらに、弾性係止部７ｆの両側に配置される２つの切欠き部７ｇ，7ｇの係合孔外周側端部間の周方向の長さＬ３や、各切欠き部７ｇの、係合孔中心Ｐ１から係合孔外周側端部までの長さＬ５を調整することによって、弾性係止部７ｆの弾性力を調整することが可能となる。

尚、本発明は上述の形態例に限るものではなく、シム板装着用突起の数や、突設する場所等は任意で、係合孔の位置も、シム板装着用突起に対応して適宜形成すれば良い。また、シム板装着用突起は円筒状でなくても良く、係合孔もシム板装着用突起に形状に応じて形成すれば良い。さらに、本発明は、上述の形態例のように、ピンスライド型のディスクブレーキに限らずピストン対向型のディスクブレーキにも適用でき、ピストンの数も任意である。

１…車両用ディスクブレーキ、２…ディスクロータ、３…キャリパブラケット、３ａ…キャリパ支持腕、３ｂ…ガイド孔、３ｃ…パッドガイド部、３ｄ…トルク受け面、３ｅ…パッドリテーナ取付部、４…スライドピン、５…キャリパボディ、５ａ…作用部、５ｂ…反作用部、５ｃ…ブリッジ部、５ｄ…シリンダ孔、５ｅ…スライドピン取付腕、５ｆ…ピストンシール装着溝、５ｇ…ダストシール装着溝、６…摩擦パッド、６ａ…裏板、６ｂ…ライニング、６ｃ…耳片、６ｄ…シム板装着用突起、７…シム板、７ａ…本体部、７ｂ…突出部、７ｃ…通孔、７ｄ…係合孔、７ｅ…保持部、７ｆ…弾性係止部、７ｇ…切欠き部、８…ピストン、８ａ…開口部、９…液圧室、１０…取付ボルト、１１…ピストンシール、１２…ダストシール、１３…パッドリテーナ

Claims

摩擦パッドの裏板の表面に、ディスクロータに摺接するライニングを固着し、前記裏板の背面に、シム板装着用突起を突設し、該シム板装着用突起に係合する係合孔を備えたシム板を、前記裏板の背面に装着した車両用ディスクブレーキにおいて、前記係合孔は、前記シム板装着用突起の外形に応じた形状で、前記シム板装着用突起に当接可能な保持部と、該保持部よりも前記シム板装着用突起側に突出する弾性係止部とを交互に複数備えていることを特徴とする車両用ディスクブレーキ。
前記シム板装着用突起は円筒状に形成され、前記保持部の先端部は、前記シム板装着用突起の外周部に当接して、該外周部を保持可能な円弧状に形成されることを特徴とする請求項１記載の車両用ディスクブレーキ。
前記弾性係止部の先端部は、前記シム板装着用突起の外周部と同軸で小径の円に沿った円弧状に形成されることを特徴とする請求項２記載の車両用ディスクブレーキ。
前記保持部の周方向の長さは、前記弾性係止部の周方向の長さよりも短く形成されると共に、隣り合う前記保持部と前記弾性係止部との間に、前記係合孔の外周側に向けて切欠き部が形成され、前記弾性係止部の両側に配置される２つの切欠き部の係合孔外周側端部間の周方向の長さは、前記保持部の両側に配置される２つの切欠き部の係合孔外周側端部間の周方向の長さよりも短く形成されていることを特徴とする請求項２又は３記載の車両用ディスクブレーキ。