JP2014136549A - 車両用ヒートポンプ装置および電力用半導体過熱保護方法 - Google Patents

車両用ヒートポンプ装置および電力用半導体過熱保護方法 Download PDF

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豊 渡辺
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徹 藤澤
Hirotomo Tsukahara
大朋 塚原
Satoru Itani
悟 井谷
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Abstract

【課題】二系統の冷却液を二次冷媒として用いる場合に、高温側ウォータポンプの駆動回路の過熱保護と、空調能力の維持とを両立する車両用ヒートポンプ装置および電力用半導体過熱保護方法を提供すること。
【解決手段】この車両用ヒートポンプ装置は、高温高圧冷媒と熱交換を行う第1の冷却液を輸送する第1のウォータポンプに電力を供給する電力用半導体の温度が、冷房運転時に所定の温度を超える場合、前記第1の冷却液の熱を車外へ放熱させるラジエータのファン回転数を上昇させる構成を採る。
【選択図】図11

Description

本発明は、車両用ヒートポンプ装置および電力用半導体過熱保護方法に関する。
電気で走行する自動車では、空調装置の冷媒を圧縮する圧縮機として電動圧縮機が採用される。電動圧縮機は、圧縮機構を動かす電動モータと、電動モータを駆動する駆動回路(例えばインバータ回路)とを備える。駆動回路は発熱するため冷却する必要がある。駆動回路を冷却する技術として、例えば、特許文献1に開示の負荷駆動装置の過熱保護装置が知られている。
特許文献1には、温度センサが絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)近傍の金属ケースに固定またはIGBTチップに集積され、金属ケースの反実装面に設けられたフィンが空冷される過熱保護装置が開示されている。この過熱保護装置は、温度センサが検出した温度変化速度が上昇方向に大きい場合に、IGBTの通電電流の減少速度を増大させることでIGBTの過熱を防止する。なお、IGBTは、電力用半導体であり、パワー半導体、パワー素子とも呼ばれる。
一方で、車両用空調装置には、ヒートポンプサイクルによって過熱および冷却される一次冷媒と、この一次冷媒と熱交換を行う二次冷媒として冷却液を用い、空気水熱交換器において二次冷媒と空気との間で熱交換を行って車室内の空調を行うものがある。このような空調装置では、高温高圧冷媒と熱交換を行う高温側の冷却液と、低温低圧冷媒と熱交換を行う低温側の冷却液の二系統があり、それぞれの冷却液を輸送する高温側ウォータポンプと低温側ウォータポンプを備えることになる。
各ウォータポンプは、電動モータと、電動モータを駆動する駆動回路とを有し、駆動回路の過熱保護のため、高温側ウォータポンプの駆動回路を高温側の冷却液にて冷却し、低温側ウォータポンプの駆動回路を低温側の冷却液にて冷却する。高温側ウォータポンプの駆動回路は、高温側の冷却液にて冷却するため、十分な過熱保護が期待できないことがある。そこで、上述した特許文献1に開示の技術を適用し、高温側ウォータポンプの回転数を減少させることが考えられる。
特開2000−83383号公報
Kowsky et al., "Unitary HPAC System", SAE International J. Passeng. Cars - Mech. Syst., 2012, doi:10.4271/2012-01-1050.
しかしながら、高温側ウォータポンプの回転数を減少させた場合、高温側の冷却液の流量も減少するため、暖房時には、空気水熱交換器において空気と交換される熱量が減少してしまう。また、冷房時には、冷媒の熱を車外に排出できなくなり、冷媒が十分に冷えないまま、低温側の冷却液と熱交換することになってしまう。これらの結果、空調能力を維持することができないという問題がある。
本発明の目的は、二系統の冷却液を二次冷媒として用いる場合に、高温側ウォータポンプの駆動回路の過熱保護と、空調能力の維持とを両立する車両用ヒートポンプ装置および電力用半導体過熱保護方法を提供することである。
本発明の一態様に係る車両用ヒートポンプ装置は、冷却液と冷媒との間で熱交換を行う車両用ヒートポンプ装置であって、吸入した前記冷媒を圧縮して吐出する圧縮機構および前記圧縮機構を駆動する電動圧縮機用電動モータを有する電動圧縮機と、前記電動圧縮機が吐出した高温高圧冷媒と熱交換を行う第1の冷却液を輸送するインペラおよび前記インペラを駆動するウォータポンプ用電動モータを有する第1のウォータポンプと、電源から給電される電力を前記ウォータポンプ用電動モータへ供給する電力用半導体と、前記電動圧縮機の回転数、前記第1のウォータポンプの回転数、および、前記第1の冷却液の熱を車外へ放熱させるラジエータのファン回転数を制御する制御部と、を具備し、前記制御部は、冷房運転時に前記電力用半導体の温度が所定の温度を超える場合、前記ラジエータのファン回転数を上昇させる構成を採る。
本発明の一態様に係る車両用ヒートポンプ装置は、冷却液と冷媒との間で熱交換を行う車両用ヒートポンプ装置であって、吸入した前記冷媒を圧縮して吐出する圧縮機構および前記圧縮機構を駆動する電動圧縮機用電動モータを有する電動圧縮機と、前記電動圧縮機が吐出した高温高圧冷媒と熱交換を行う第1の冷却液を輸送するインペラおよび前記インペラを駆動するウォータポンプ用電動モータを有する第1のウォータポンプと、電源から給電される電力を前記ウォータポンプ用電動モータへ供給する電力用半導体と、前記電動圧縮機の回転数、前記第1のウォータポンプの回転数、および、前記第1の冷却液の熱を車外へ放熱させるラジエータのファン回転数を制御する制御部と、を具備し、前記制御部は、暖房運転時に前記電力用半導体の温度が所定の温度を超える場合、前記第1のウォータポンプの回転数を減少させ、かつ、前記電動圧縮機の回転数を上昇させる構成を採る。
本発明の一態様に係る電力用半導体過熱保護方法は、冷却液と冷媒との間で熱交換を行う車両用ヒートポンプ装置における電力用半導体過熱保護方法であって、制御部は、高温高圧冷媒と熱交換を行う第1の冷却液を輸送する第1のウォータポンプに電力を供給する電力用半導体の温度を取得し、冷房運転時に前記電力用半導体の温度が所定の温度を超える場合、前記第1の冷却液の熱を車外へ放熱させるラジエータのファン回転数を上昇させるようにした。
本発明の一態様に係る電力用半導体過熱保護方法は、冷却液と冷媒との間で熱交換を行う車両用ヒートポンプ装置における電力用半導体過熱保護方法であって、制御部は、高温高圧冷媒と熱交換を行う第1の冷却液を輸送する第1のウォータポンプに電力を供給する電力用半導体の温度を取得し、暖房運転時に前記電力用半導体の温度が所定の温度を超える場合、前記第1のウォータポンプの回転数を減少させ、かつ、前記冷媒を圧縮して吐出する電動圧縮機の回転数を上昇させるようにした。
本発明によれば、二系統の冷却液を二次冷媒として用いる場合に、高温側ウォータポンプの駆動回路の過熱保護と、空調能力の維持とを両立することができる。
本発明の実施の形態に係る車両用ヒートポンプ装置を示す斜視図 本発明の実施の形態の車両用ヒートポンプ装置を示す一部破断図 本発明の実施の形態の車両用ヒートポンプ装置の冷媒および冷却液の流れについて説明する図 車両用ヒートポンプ装置を用いた車両温度調整システムについて説明する図 車両用ヒートポンプ装置を用いた車両温度調整システムについて説明する図 車両用ヒートポンプ装置のコンプレッサ筐体側の構成を示す一部破断の斜視図 車両用ヒートポンプ装置のコンプレッサ筐体側の構成を示す断面図 図7のD−D線断面図 車両用ヒートポンプ装置のインバータの周辺を示す一部破断の斜視図 図9のE−E線断面図 車両用ヒートポンプ装置の駆動系および駆動制御の構成を示すブロック図 車両用ヒートポンプ装置における制御部の過熱保護モードを説明するための図 車両用ヒートポンプ装置における制御部の冷房時における処理手順を示すフロー図 車両用ヒートポンプ装置における制御部の暖房時における処理手順を示すフロー図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一要素は原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。
<車両用ヒートポンプ装置の構成>
まず、本発明の実施の形態における各構成について、図1および図2を用いて説明する。図1および図2は、本実施の形態に係る車両用ヒートポンプ装置の構成を示す図である。
車両用ヒートポンプ装置1は、車両に搭載される装置であり、低温側水冷媒熱交換器110と、高温側水冷媒熱交換器111と、冷媒を圧縮し吐出する電動圧縮機112と、コンプレッサ筐体109等を備える。ここで、車両とは、例えば、電気自動車である。電気自動車とは、例えば、EV(Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、またはHEV(Hybrid Electric Vehicle)等、車両に搭載されている蓄電池を用いて走行する車両である。
車両用ヒートポンプ装置1は、その内部にヒートポンプサイクルを有し、ヒートポンプの冷媒と高温側の冷却液(第1の冷却液に相当)および低温側の冷却液(第2の冷却液に相当)との間で熱交換を行う。低温側の冷却液と高温側の冷却液とは、車両用ヒートポンプ装置1の外部から導入される。
冷媒は、例えば、二酸化炭素(CO)など、電気自動車に要求される極低温の環境下でもヒートポンプサイクルの効率を向上できる一方、作動圧力が高くなるものが採用される。
冷却液は、例えば、エチレングリコール水溶液などの液体である。冷却液は、不凍液であればよく、エチレングリコール水溶液以外にプロピレングリコール水溶液を用いることも可能である。
高温側の冷却液は、高温側導入管104を介してコンプレッサ筐体109の外部から導入される(図1の矢印B)。この導入された冷却液は、高温側水冷媒熱交換器111にて加熱され、高温側導出管105から導出される(図1の矢印B)。冷却液は、高温側ウォータポンプ101が備えるウォータポンプ用電動モータの駆動力にて輸送される。
高温側水冷媒熱交換器111は、高温高圧の冷媒が流れる通路と高温側の冷却液が流れる通路とを備え、これら通路の間で熱を移動させるように構成されている。
低温側の冷却液は、低温側導入管106を介して車両用ヒートポンプ装置1の外部から導入される(図1の矢印A)。導入された冷却液は、低温側水冷媒熱交換器110にて冷却され、低温側導出管107から導出される(図1の矢印A)。冷却液は、低温側ウォータポンプ102が備えるウォータポンプ用電動モータの駆動力にて輸送される。
低温側水冷媒熱交換器110は、低温低圧の冷媒が流れる通路と低温側の冷却液が流れる通路とを備え、これらの通路の間で熱を移動させるように構成されている。
電動圧縮機112は、電動圧縮機用電動モータ112aと圧縮機構112bとにより構成される。圧縮機構112bは、電動圧縮機用電動モータ112aが発生する駆動力により冷媒を圧縮して吐出する機構である。圧縮機構112bは、例えば、スクロール型を用いることができる。電動圧縮機用電動モータ112aは、インバータ(駆動回路に相当)113により電気的に駆動される。インバータ113は電力用半導体(例えばIGBT:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を搭載する電動圧縮機用モータ駆動部を有しており、給電部103から給電される直流電力を3相交流電力に変換して電動圧縮機用電動モータ112aへ供給する。電力用半導体は、パワー半導体、パワー素子とも呼ばれる。
また、車両用ヒートポンプ装置1は、電動圧縮機112の冷媒の入口の上流にアキュムレータ108を備える。アキュムレータ108は、冷媒を気体と液体に分離させることで、電動圧縮機112へ気体の冷媒のみを供給する役割をなす。電動圧縮機112の破壊を防止するためである。
また、車両用ヒートポンプ装置1は、低温側水冷媒熱交換器110の冷媒の入口の上流に膨張弁114を備える。膨張弁114は、熱量を変化させずに高圧の冷媒を膨張させて低圧にすることで、冷媒を低温にして低温側水冷媒熱交換器110へ送る。
また、車両用ヒートポンプ装置1は、車両用ヒートポンプ装置1の外部から電源供給を受けるための給電部103を備える。給電部103は、コンプレッサ筐体109の外壁に備える。給電部103へ供給された電気エネルギーは、電動圧縮機112、高温側ウォータポンプ101、および、低温側ウォータポンプ102のそれぞれが備えるウォータポンプ用電動モータの駆動に用いられる。
<車両用ヒートポンプ装置の動作>
次に、図3を用いて車両用ヒートポンプ装置1の冷媒と冷却液の流れについて説明する。
始めに、冷媒の流れを説明する。図3の矢印Cは冷媒の流れる方向を示している。冷媒は、電動圧縮機112、高温側水冷媒熱交換器111、膨張弁114、低温側水冷媒熱交換器110を、この順で流れる。この冷媒の流れにより、ヒートポンプサイクルが構成される。
電動圧縮機112で圧縮された高温高圧の冷媒は、高温側水冷媒熱交換器111にて熱を放出して液体となる。液体となった冷媒は、膨張弁114にて急激に膨張され、低温低圧の冷媒となる。この低温低圧の冷媒は、低温側水冷媒熱交換器110にて熱を吸収して蒸発する。蒸発した冷媒はアキュムレータ108を通過して電動圧縮機112にて再度、圧縮される。
続いて、冷却液の流れを説明する。高温側導入管104を介してコンプレッサ筐体109の外部から導入された冷却液は、インバータ113から発せられた熱を吸熱し、高温側水冷媒熱交換器111にて高温の冷媒と熱交換を行って加熱される。加熱された冷却液は、高温側導出管105から導出される。
低温側導入管106を介して車両用ヒートポンプ装置1の外部から導入された冷却液は、低温側水冷媒熱交換器110にて低温の冷媒と熱交換を行って冷却され、低温側導出管107から導出される。
このように、実施の形態の車両用ヒートポンプ装置1では、装置内だけで冷媒を循環させてヒートポンプサイクルを実現している。さらに、高温側水冷媒熱交換器111および低温側水冷媒熱交換器110は、空気ではなく液体(冷却液)と冷媒との間で熱交換を行う。この構成により、車両用ヒートポンプ装置1は、冷却液を介して車両用ヒートポンプ装置1から離れた箇所から熱を吸収し、車両用ヒートポンプ装置1から離れた箇所へ熱を放出することができる。
<車両温度調整システム>
次に、図4および図5を用いて、車両用ヒートポンプ装置1を用いた車両温度調整システムについて説明する。図4は車両温度調整システムの暖房運転時の説明図、図5は車両温度調整システムの冷房運転時の説明図である。
高温側導出管105から導出した加熱された冷却液、および、低温側導出管107から導出した冷却された冷却液は車両用空調装置2へ導入され、冷房もしくは暖房に用いられる。車両用空調装置2は、ファイアウォール7の車室側に配置され、車室内の空調を行う装置である。車両用ヒートポンプ装置1は、ファイアウォール7の車室外の側に配置される。
車両用空調装置2は、冷房用空気水熱交換器200、暖房用空気水熱交換器201、ブロワファン202、および、切換ドア203を備える。
冷房用空気水熱交換器200は、ブロワファン202により送風された空気と、低温側導出管107から導出した冷却された冷却液との間で熱交換を行い、空気を冷却するものである。冷却された空気は車室内へ導かれ、車室内の冷房に用いられる。
冷房用空気水熱交換器200にて加熱された冷却液は、低温側導入管106を介して、再度、車両用ヒートポンプ装置1へ導入される。
暖房用空気水熱交換器201は、ブロワファン202により送風された空気と、高温側導出管105から導出した加熱された冷却液との間で熱交換を行い、空気を加熱するものである。加熱された空気は車室内へ導かれ、車室内の暖房に用いられる。
暖房用空気水熱交換器201にて冷却された冷却液は、高温側導入管104を介して、再度、車両用ヒートポンプ装置1へ導入される。なお、第1のラジエータ5は、冷房時の冷却液の放熱に用いられる。
車両用ヒートポンプ装置1が導出する冷却液は、発熱体3の冷却に用いることも可能である。ここで、発熱体3とは、例えば、電気自動車に用いられる走行用モータ、走行用モータを駆動するためのインバータ、走行用モータへ電気エネルギーを供給するための蓄電池、車両外部から蓄電池を充電するための充電器、蓄電池の電圧変換を行うためのDC−DC変換器などの、発熱部材である。これら発熱部材は電気自動車の走行中等に冷却を必要とする。
発熱体3から放出される熱は、冷却液に吸熱させる。すなわち、冷却液は加熱される。この加熱された冷却液は、低温側導入管106へ導かれ、車両用ヒートポンプ装置1にて冷却される。この加熱された冷却液は、第2のラジエータ6で放熱させることで、冷却することもできる。
車両用空調装置2を車室内の暖房に用いる場合は、発熱体3から放出された熱を、冷却液に吸熱させる。すなわち、冷却液は加熱される。この加熱された冷却液は、低温側導入管106へ導かれ、低温側水冷媒熱交換器110にて冷却される。
この際、冷媒に回収(吸熱)された熱を、高温側水冷媒熱交換器111にて高温側の冷却液に回収(吸熱)させ、この冷却液を高温側導出管105から導出させ、暖房用空気水熱交換器201に導くことで、車室内の空気の加熱に利用する事も可能である。
車両温度調整システムでは、図4と図5とに示すように、複数の三方弁Tによる冷却液の経路の切り替え、ならびに、切換ドア203による車室内へ向かう空気の経路の切り替えにより、車室内の暖房および冷房等の切り替えを行うことができる。
<高温側水冷媒熱交換器の詳細>
次に、実施の形態の車両用ヒートポンプ装置1におけるコンプレッサ筐体109側の構成を詳細に説明する。
図6は、車両用ヒートポンプ装置のコンプレッサ筐体側の構成を示す一部破断の斜視図である。図7は、車両用ヒートポンプ装置のコンプレッサ筐体側の構成を示す断面図である。図8は、図7のD−D線断面図である。
高温側水冷媒熱交換器111および電動圧縮機112は、コンプレッサ筐体109に収められて一体化されている。コンプレッサ筐体109は、密閉性を有し、冷却液および冷媒の各導入口および各導出口を除いて、高温側水冷媒熱交換器111と電動圧縮機112とを内部に閉じ込める。
高温側水冷媒熱交換器111は、図6〜図8に示すように、冷媒が流れる通路111aと、冷却液が流れる通路111bとを備えている。
冷却液の通路111bは、例えば、電動圧縮機112の周囲に沿って二次元方向(図6のX−R方向)に広がる空間により構成され、通路111bの一端および他端に冷却液の導入口111binと導出口111boutとが設けられている。導出口111boutは、高温側ウォータポンプ101に通じている。また、通路111bの一部は、コンプレッサ筐体109の壁体により構成されている。
冷媒の通路111aは、例えば、複数の直線状且つ筒状の配管により構成され、冷却液の通路111bを横切るように通路111bを囲う空間内に配置されている。図8に示すように、複数の通路111aは、電動圧縮機112の周方向(図6のR方向)に分散して配置されている。各通路111aの一端は、図7に示すように、電動圧縮機112の冷媒導出口につながる冷媒室111cに通じ、各通路111aの他端は、膨張弁114につながる冷媒室111dに通じている。冷媒室111c、111dの一部は、コンプレッサ筐体109の壁体により構成されている。
高温側水冷媒熱交換器111は、図6〜図8に示すように、電動圧縮機112(電動圧縮機用電動モータ112aおよび圧縮機構112b)の周囲を囲うように配置され、電動圧縮機112と高温側水冷媒熱交換器111とは熱的に結合している。
冷媒は、導入口142(図7を参照)を介して、低温側水冷媒熱交換器110から電動圧縮機112へ導入される。また、冷媒は、導出口141(図7を参照)を介して、高温側水冷媒熱交換器111から膨張弁114へ導出される。
<インバータの冷却構造>
図9は、車両用ヒートポンプ装置のインバータの周辺を示す一部破断の斜視図である。図10は、図9のE−E線断面図である。
本実施の形態の車両用ヒートポンプ装置1は、図9に示すように、回路収容部120と、回路冷却用通路130とを備えている。
回路冷却用通路130は、図10に示すように、高温側の冷却液が迂回して流れる通路であり、コンプレッサ筐体109に設けられている。回路冷却用通路130は、コンプレッサ筐体109と一体成型された構成としてもよいし、別の金属成型部品をコンプレッサ筐体109に溶接または締結した構成としてもよい。
回路冷却用通路130は、上流端が冷却液の導入口111binにつながり、下流端が高温側水冷媒熱交換器111の通路111bの入口につながっている。回路冷却用通路130は、壁121を挟んで回路収容部120と隣接し、且つ、壁121と接触する面積が大きく構成されている。具体的には、回路冷却用通路130は、壁121側から見た回路冷却用通路130の通路幅が広く形成されている。
回路収容部120は、インバータ113を収容する空間であり、コンプレッサ筐体109に設けられている。回路収容部120は、コンプレッサ筐体109と一体成型された構成としてもよいし、別の金属成型部品をコンプレッサ筐体109に溶接または締結した構成としてもよい。
回路収容部120は、低温側水冷媒熱交換器110と電動圧縮機112との間に配置され、壁121を挟んで回路冷却用通路130と隣接している。なお、回路収容部120は、電動圧縮機112の近傍で、且つ、高温側の冷却液の通路に近接できればどのような配置としてもよい。
インバータ113は、回路収容部120の中で、壁121に接触して固定されている。具体的には、インバータ113に含まれる電動圧縮機用モータ駆動部133が、壁121に直接に接触して固定されている。なお、インバータ113の電動圧縮機用モータ駆動部133が、熱伝導の高い放熱体を介して壁121に接触した構成としてもよい。
このような構成により、インバータ113は、壁121を介して回路冷却用通路130の冷却液に熱を放出し、高温側の冷却液によって冷却される。
<インバータ周辺の機能ブロック>
次に、実施の形態の車両用ヒートポンプ装置1の駆動系および駆動制御に係る機能ブロックについて説明する。
図11は、車両用ヒートポンプ装置の駆動系および駆動制御の構成を示すブロック図である。なお、図11では、12V程度の電圧を供給する低電圧バッテリ301、200〜300V程度の電圧を供給する高電圧バッテリ302、エアコンを制御するエアコン制御装置303、および、高温側の冷却液の放熱を行う第1のラジエータ5も記載する。なお、低電圧バッテリ301および高電圧バッテリ302は、給電部103(図11では図示せぬ)と接続されている。
インバータ113は、基板13に電源部131、制御部132、電動圧縮機用モータ駆動部133を備えてなる。インバータ113は、図示せぬエアコン制御装置からエアコン制御信号を取得し、取得した制御信号に基づいて、電動圧縮機112、高温側ウォータポンプ101、および、低温側ウォータポンプ102に対して駆動制御を行う。
インバータ113において、電源部131は、低電圧バッテリ301から供給される電圧を制御部用の電源電圧に変換して制御部132に供給する。
制御部132は、図示せぬエアコン制御装置からエアコン制御信号を取得すると、後述する温度検出部101eから出力されたウォータポンプ用モータ駆動部101aの温度に基づいて、電動圧縮機用モータ駆動部133、ウォータポンプ用モータ駆動部101a、102a、および、図示せぬ第1のラジエータ5を制御する。ただし、第1のラジエータ5の制御は、制御部132がエアコン制御信号をエアコン制御装置303に出力し、エアコン制御装置303が第1のラジエータ5を制御する。なお、制御部132の詳細な制御については後述する。
電動圧縮機用モータ駆動部133は、制御部132からの制御に従って、高電圧バッテリ302から供給される電圧を通電または遮断して、電動圧縮機用電動モータ112aに交流電力を供給する。
電動圧縮機112において、電動圧縮機用電動モータ112aは、電動圧縮機用モータ駆動部133から供給される交流電力によって回転し、圧縮機構112bを駆動させる。圧縮機構112bは、電動圧縮機用電動モータ112aの駆動力により冷媒を圧縮して吐出する。
電動圧縮機用モータ駆動部133に隣接する回路冷却用通路130には、冷却フィン130aが設けられる。電動圧縮機用モータ駆動部133から放熱された熱を、回路冷却用通路130を流れる高温側の冷却液が冷却フィン130aを介して吸熱することにより、電動圧縮機用モータ駆動部133を冷却する。
高温側ウォータポンプ101において、ウォータポンプ用モータ駆動部101aは、制御部132からの制御に従って、低電圧バッテリ301から供給される電圧を通電または遮断して、ウォータポンプ用電動モータ101bに交流電力を供給する。
ウォータポンプ用電動モータ101bは、ウォータポンプ用モータ駆動部101aから供給される交流電力によって回転して、インペラ101cを駆動する。インペラ101cは、ウォータポンプ用電動モータ101bの駆動力によって高温側の冷却液を輸送する。
ウォータポンプ用モータ駆動部101aには、冷却フィン101dが設けられており、ウォータポンプ用モータ駆動部101aから放熱された熱を、高温側の冷却液が冷却フィン101dを介して吸熱することにより、ウォータポンプ用モータ駆動部101aを冷却する。
温度検出部101eは、ウォータポンプ用モータ駆動部101aの温度を検出し、検出した温度を制御部132に出力する。
また、低温側ウォータポンプ102において、ウォータポンプ用モータ駆動部102aは、制御部132からの制御に従って、低電圧バッテリ301から供給される電圧を通電または遮断して、ウォータポンプ用電動モータ102bに交流電力を供給する。
ウォータポンプ用電動モータ102bは、ウォータポンプ用モータ駆動部102aから供給される交流電力によって回転して、インペラ102cを駆動する。インペラ102cは、ウォータポンプ用電動モータ102bの駆動力によって低温側の冷却液を輸送する。
ウォータポンプ用モータ駆動部102aには、冷却フィン102dが設けられており、ウォータポンプ用モータ駆動部102aから放熱された熱を、低温側の冷却液が冷却フィン102dを介して吸熱することにより、ウォータポンプ用モータ駆動部102aを冷却する。
なお、ここでは、ウォータポンプ用電動モータ101b、102bが交流モータの場合について説明したが、これは直流モータでもよい。その場合、ウォータポンプ用モータ駆動部101a、102aは、低電圧バッテリ301から供給される直流電圧に対して、必要に応じて適当な電圧変換を行い、電圧変換を行った直流電力をウォータポンプ用電動モータ101b、102bに供給すればよい。
<制御部における過熱保護モード>
次に、実施の形態の車両用ヒートポンプ装置1における制御部132が高温側ウォータポンプ101のウォータポンプ用モータ駆動部101aの過熱保護を行う過熱保護モードについて説明する。
図12は、車両用ヒートポンプ装置における制御部の過熱保護モードを説明するための図である。図12において、ラジエータ回転数は第1のラジエータ5のファン回転数を示し、高温側および低温側ウォータポンプ回転数はウォータポンプ用電動モータ101b、102bの回転数をそれぞれ示し、電動圧縮機回転数は電動圧縮機用電動モータ112aの回転数を示す。また、図12において、上向きの矢印は回転数を上昇させることを示し、右向きの矢印は回転数を維持させることを示し、下向きの矢印は回転数を減少させることを示す。さらに、図12において、各性能(空調能力、過熱保護能力、省電力性)についてモード間で相対的に優れているほど多くの+で表している。
図12に示すように、冷房時には、制御部132はモード1〜4を切り替えて、ラジエータ回転数、高温側ウォータポンプ回転数、電動圧縮機回転数、低温側ウォータポンプ回転数を制御する。
具体的には、モード1では、ラジエータ回転数のみを上昇させ、その他の回転数を維持させる。これにより、第1のラジエータ5における高温側の冷却液からの放熱量が増加し、高温側の冷却液を冷却することができる。このため、高温側の冷却液によって冷却されるウォータポンプ用モータ駆動部101aの過熱保護に寄与することができる。また、この制御による低温側の冷却液への影響はほとんどないため、空調能力が低下することはない。
また、モード2では、ラジエータ回転数および低温側ウォータポンプ回転数を上昇させ、高温側ウォータポンプ回転数を減少させる。高温側ウォータポンプ回転数の減少により、高温側ウォータポンプ101のウォータポンプ用モータ駆動部101aの発熱量を抑えることができるので、ウォータポンプ用モータ駆動部101aの過熱保護能力をモード1に対して高めることができる。これに伴い、高温高圧冷媒と高温側の冷却液との熱交換量が減少し、冷媒が冷えなくなるので、低温側の冷却液の温度が上昇してしまい、空調能力が低下する傾向がある。そのため、低温側ウォータポンプ回転数を上昇させることにより、低温側の冷却液と空気との熱交換量を増大させ、空調能力の低下を補填することができる。
また、モード3では、ラジエータ回転数を上昇させ、高温側ウォータポンプ回転数を減少させ、その他の回転数を維持させる。これにより、ウォータポンプ用モータ駆動部101aの過熱保護能力をモード2と同等に高めることができる。一方で、低温側ウォータポンプ回転数を維持するため、モード2に対して空調能力は低下するが、省電力性を向上させることができる。
さらに、モード4では、ラジエータ回転数および低温側ウォータポンプ回転数を上昇させ、高温側ウォータポンプ回転数および電動圧縮機回転数を減少させる。電動圧縮機回転数の減少により、冷媒の温度が低下し、高温側の冷却液の温度も低下する。このため、ウォータポンプ用モータ駆動部101aの過熱保護能力をモード2に対して高めることができる。一方で、空調能力は大きく低下するが、省電力性を大きく向上させることができる。
また、図12に示すように、暖房時には、制御部132は、ラジエータ回転数を0、すなわち、第1のラジエータ5を停止させる。これは、暖房時には、高温側の冷却液の経路が、第1のラジエータ5を通らない経路に切り替えられるためである。また、制御部132は、高温側ウォータポンプ回転数を減少させ、電動圧縮機回転数を上昇させ、低温側ウォータポンプ回転数を維持または上昇させる。高温側ウォータポンプ回転数の減少により、高温側ウォータポンプ101のウォータポンプ用モータ駆動部101aの発熱量を抑えることができるので、ウォータポンプ用モータ駆動部101aの過熱保護を行うことができる。これに伴い、高温側の冷却液と空気との熱交換量が減少し、空調能力が低下する傾向がある。そのため、電動圧縮機回転数を上昇させることにより、冷媒および高温側の冷却液の温度を上昇させ、高温側の冷却液と空気との熱交換量を増大させ、空調能力の低下を補填することができる。このとき、低温側ウォータポンプ回転数を上昇させた場合には、冷媒を冷却することができ、冷媒の過熱を抑制することができる。
このように、制御部132には、ラジエータ回転数、高温側および低温側ウォータポンプ回転数、および、電動圧縮機回転数を制御する組み合わせが予め用意され、制御部132がこれらの組み合わせを切り替えることにより、高温側ウォータポンプ101のウォータポンプ用モータ駆動部101aの過熱保護を行っている。特に、冷房時には、制御部132がこれらの組み合わせを示すモード1〜4を切り替えることにより、トレードオフの関係にある空調能力と過熱保護能力とを段階的に調整し、高温側ウォータポンプ101のウォータポンプ用モータ駆動部101aの過熱保護と、空調能力維持との両立を図っている。
<冷房時の制御部における処理手順の詳細>
次に、実施の形態の車両用ヒートポンプ装置1における冷房時の制御部132の処理手順を詳細に説明する。
図13は、車両用ヒートポンプ装置における制御部の冷房時における処理手順を示すフロー図である。図13において、ステップ(以下、「ST」と省略する)401では、制御部132は、エアコン制御装置から冷房運転ONのエアコン制御信号を取得したか否かを判定し、このエアコン制御信号を取得した(YES)場合には、ST402に移行し、このエアコン制御信号を取得していない(NO)場合には、ST401に戻る。
ST402では、制御部132は、制御モード(モード1〜4)を示す制御モードフラグFを初期値0に設定し、ST403では、通常モードによる制御を行う。なお、通常モードとは、ウォータポンプ用モータ駆動部101aの過熱保護を行わず、既存の一般的な制御を指す。
ST404では、制御部132は、温度検出部101eからウォータポンプ用モータ駆動部101aの温度Tを取得し、ST405では、温度Tが所定の温度閾値Tthを超えるか否かを判定する。温度Tが温度閾値Tthを超える(YES)場合にはST406に移行し、超えない(NO)場合にはST419に移行する。
ST406では、制御部132は、現在の制御モードフラグFが0であるか否かを判定し、0である(YES)場合には、モード1による制御を行い(ST407)、制御モードフラグFを1に設定して(ST408)、ST418に移行する。
ST406において0ではない(NO)場合には、ST409において、制御部132は、現在の制御モードフラグFが1であるか否かを判定する。1である(YES)場合には、モード2による制御を行い(ST410)、制御モードフラグFを2に設定して(ST411)、ST418に移行する。
ST409において1ではない(NO)場合には、ST412において、制御部132は、現在の制御モードフラグFが2であるか否かを判定する。2である(YES)場合には、モード3による制御を行い(ST413)、制御モードフラグFを3に設定して(ST414)、ST418に移行する。
ST412において2ではない(NO)場合には、ST415において、制御部132は、現在の制御モードフラグFが3であるか否かを判定する。3である(YES)場合には、モード4による制御を行い(ST416)、制御モードフラグFを4に設定して(ST417)、ST418に移行する。また、ST415において、3ではない(NO)場合には、ST418に移行する。
ST418では、制御部132は、エアコン制御装置から冷房運転OFFのエアコン制御信号を取得したか否かを判定し、このエアコン制御信号を取得した(YES)場合には、ST422において運転を停止し、処理を終了する。一方、このエアコン制御信号を取得していない(NO)場合には、ST404に戻る。
ST419では、制御部132は、通常モードによる制御を行い、ST420では、制御モードフラグFを0に初期化する。
ST421では、制御部132は、エアコン制御装置から冷房運転OFFのエアコン制御信号を取得したか否かを判定し、このエアコン制御信号を取得した(YES)場合には、ST422において運転を停止し、処理を終了する。一方、このエアコン制御信号を取得していない(NO)場合には、ST401に戻る。
このように、ウォータポンプ用モータ駆動部101aの温度Tが温度閾値Tthを超える場合には、制御部132は、過熱保護を行う制御モードに移行し、温度Tが温度閾値Tth以下となるまで過熱保護能力の高い制御モードに順次移行する。これにより、高温側ウォータポンプ101のウォータポンプ用モータ駆動部101aの過熱保護と、空調能力維持との両立を図ることができる。
<暖房時の制御部における処理手順の詳細>
次に、実施の形態の車両用ヒートポンプ装置1における暖房時の制御部132の処理手順を詳細に説明する。
図14は、車両用ヒートポンプ装置における制御部の暖房時における処理手順を示すフロー図である。図14において、ST501では、制御部132は、エアコン制御装置から暖房運転ONのエアコン制御信号を取得したか否かを判定し、このエアコン制御信号を取得した場合には、ST502に移行し、このエアコン制御信号を取得していない場合には、ST501に戻る。
ST502では、通常モードによる制御を行う。なお、通常モードとは、ウォータポンプ用モータ駆動部101aの過熱保護を行わず、既存の一般的な制御を指す。
ST503では、制御部132は、温度検出部101eからウォータポンプ用モータ駆動部101aの温度Tを取得し、ST504では、温度Tが所定の温度閾値Tthを超えるか否かを判定する。温度Tが温度閾値Tthを超える(YES)場合にはST505に移行し、超えない(NO)場合にはST507に移行する。
ST505では、制御部132は、ウォータポンプ用モータ駆動部101aの過熱保護モードによる制御を行う。なお、過熱保護モードとは、図12に示した各回転数を制御するモードを指す。
ST506では、エアコン制御装置から暖房運転OFFのエアコン制御信号を取得したか否かを判定し、このエアコン制御信号を取得した(YES)場合には、ST509において運転を停止し、処理を終了する。一方、このエアコン制御信号を取得していない(NO)場合には、ST503に戻る。
ST507では、制御部132は、通常モードによる制御を行い、ST508では、エアコン制御装置から暖房運転OFFのエアコン制御信号を取得したか否かを判定し、このエアコン制御信号を取得した(YES)場合には、ST509において運転を停止し、処理を終了する。一方、このエアコン制御信号を取得していない(NO)場合には、ST501に戻る。
このように、ウォータポンプ用モータ駆動部101aの温度Tが温度閾値Tthを超える場合には、過熱保護を行う制御モードに移行することにより、高温側ウォータポンプ回転数を減少させ、高温側ウォータポンプ101のウォータポンプ用モータ駆動部101aの発熱量を抑えることができるので、ウォータポンプ用モータ駆動部101aの過熱保護を行うことができる。一方で、電動圧縮機回転数を上昇させることにより、冷媒および高温側の冷却液の温度を上昇させ、高温側の冷却液と空気との熱交換量を増大させ、空調能力の低下を抑制することができる。すなわち、暖房時においても、高温側ウォータポンプ101のウォータポンプ用モータ駆動部101aの過熱保護と、空調能力維持との両立を図ることができる。
<実施の形態の効果>
このように、実施の形態の車両用ヒートポンプ装置1では、高温側ウォータポンプ101のウォータポンプ用モータ駆動部101aの温度Tが所定の温度閾値Tthを超える場合に、制御部132が、ラジエータ回転数、高温側および低温側ウォータポンプ回転数、および、電動圧縮機回転数を制御する。
具体的には、制御部132は、冷房時には、ラジエータ回転数、高温側および低温側ウォータポンプ回転数、および、電動圧縮機回転数を制御する組み合わせを切り替える。また、暖房時には、制御部132は、高温側ウォータポンプ回転数を減少させ、電動圧縮機回転数を上昇させる。
この結果、冷房時でも暖房時でも、ウォータポンプ用モータ駆動部101aの過熱保護と、空調能力の維持とを両立することができる。
なお、本実施の形態では、インバータ113が有する電動圧縮機用モータ駆動部133が高温側水冷媒熱交換器111の導入側の冷却液により冷却される構成を例にとって説明した。しかし、電動圧縮機用モータ駆動部133は、高温側水冷媒熱交換器111の導出側の冷却液(図3のS1の位置)、低温側水冷媒熱交換器110の導入側の冷却液(図3のS2の位置)、もしくは、低温側水冷媒熱交換器110の導出側の冷却液(図3のS3の位置)により冷却される構成を採用してもよい。
また、本実施の形態では、温度検出部101eがウォータポンプ用モータ駆動部101aの温度を検出する方法を例にとって説明した。しかし、ウォータポンプ用モータ駆動部101aの温度を検出する方法はこれに限るものでもなく、推定によって求めてもよい。
また、本実施の形態では、車両用ヒートポンプ装置1を一体化した場合を例に説明した。しかし、本発明は、車両用ヒートポンプ装置1を一体化せず、各構成部材をそれぞれ離間して配置してもよい。
本発明にかかる車両用ヒートポンプ装置および電力用半導体過熱保護方法は、車両内の各部の温度を調整するシステム等に用いるのに好適である。
1 車両用ヒートポンプ装置
101 高温側ウォータポンプ
102 低温側ウォータポンプ
103 給電部
104 高温側導入管
105 高温側導出管
106 低温側導入管
107 低温側導出管
108 アキュムレータ
109 コンプレッサ筐体
110 低温側水冷媒熱交換器
111 高温側水冷媒熱交換器
111a 冷媒の通路
111b 冷却液の通路
111c、111d 冷媒室
112 電動圧縮機
112a 電動モータ
112b 圧縮機構
113 インバータ
114 膨張弁
120 回路収容部
121 壁
130 回路冷却用通路
141 導出口
142 導入口
2 車両用空調装置
200 冷房用空気水熱交換器
201 暖房用空気水熱交換器
202 ブロワファン
203 切替ドア
3 発熱体
5 第1のラジエータ
6 第2のラジエータ
7 ファイアウォール
13 基板
131 電源部
132 制御部
133 電動圧縮機用モータ駆動部
101a、102a ウォータポンプ用モータ駆動部
101b、102b ウォータポンプ用電動モータ
101c、102c インペラ
130a、101d、102d 冷却フィン
101e 温度検出部
301 低電圧バッテリ
302 高電圧バッテリ
303 エアコン制御装置

Claims (9)

  1. 冷却液と冷媒との間で熱交換を行う車両用ヒートポンプ装置であって、
    吸入した前記冷媒を圧縮して吐出する圧縮機構および前記圧縮機構を駆動する電動圧縮機用電動モータを有する電動圧縮機と、
    前記電動圧縮機が吐出した高温高圧冷媒と熱交換を行う第1の冷却液を輸送するインペラおよび前記インペラを駆動するウォータポンプ用電動モータを有する第1のウォータポンプと、
    電源から給電される電力を前記ウォータポンプ用電動モータへ供給する電力用半導体と、
    前記電動圧縮機の回転数、前記第1のウォータポンプの回転数、および、前記第1の冷却液の熱を車外へ放熱させるラジエータのファン回転数を制御する制御部と、
    を具備し、
    前記制御部は、冷房運転時に前記電力用半導体の温度が所定の温度を超える場合、前記ラジエータのファン回転数を上昇させる、
    車両用ヒートポンプ装置。
  2. 前記制御部は、冷房運転時に前記電力用半導体の温度が前記所定の温度を超える場合、前記ラジエータのファン回転数を上昇させ、かつ、前記第1のウォータポンプの回転数を減少させる、
    請求項1に記載の車両用ヒートポンプ装置。
  3. 低温低圧冷媒と熱交換を行う第2の冷却液を輸送する第2のウォータポンプをさらに具備し、
    前記制御部は、冷房運転時に前記電力用半導体の温度が前記所定の温度を超える場合、前記ラジエータのファン回転数を上昇させ、前記第1のウォータポンプの回転数を減少させ、かつ、前記第2のウォータポンプの回転数を上昇させる、
    請求項2に記載の車両用ヒートポンプ装置。
  4. 前記制御部は、冷房運転時に前記電力用半導体の温度が前記所定の温度を超える場合、前記ラジエータのファン回転数を上昇させ、前記第1のウォータポンプの回転数を減少させ、前記第2のウォータポンプの回転数を上昇させ、かつ、前記電動圧縮機の回転数を減少させる、
    請求項3に記載の車両用ヒートポンプ装置。
  5. 低温低圧冷媒と熱交換を行う第2の冷却液を輸送する第2のウォータポンプをさらに具備し、
    前記制御部は、前記電動圧縮機の回転数、前記第1のウォータポンプの回転数、前記第2のウォータポンプの回転数、および、前記ラジエータのファン回転数を制御する組み合わせを複数有し、冷房運転時に前記電力用半導体の温度が前記所定の温度を超える場合、前記組み合わせを切り替えて、前記電動圧縮機の回転数、前記第1のウォータポンプの回転数、前記第2のウォータポンプの回転数、および、前記ラジエータのファン回転数を制御する、
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の車両用ヒートポンプ装置。
  6. 冷却液と冷媒との間で熱交換を行う車両用ヒートポンプ装置であって、
    吸入した前記冷媒を圧縮して吐出する圧縮機構および前記圧縮機構を駆動する電動圧縮機用電動モータを有する電動圧縮機と、
    前記電動圧縮機が吐出した高温高圧冷媒と熱交換を行う第1の冷却液を輸送するインペラおよび前記インペラを駆動するウォータポンプ用電動モータを有する第1のウォータポンプと、
    電源から給電される電力を前記ウォータポンプ用電動モータへ供給する電力用半導体と、
    前記電動圧縮機の回転数、前記第1のウォータポンプの回転数、および、前記第1の冷却液の熱を車外へ放熱させるラジエータのファン回転数を制御する制御部と、
    を具備し、
    前記制御部は、暖房運転時に前記電力用半導体の温度が所定の温度を超える場合、前記第1のウォータポンプの回転数を減少させ、かつ、前記電動圧縮機の回転数を上昇させる、
    車両用ヒートポンプ装置。
  7. 低温低圧冷媒と熱交換を行う第2の冷却液を輸送する第2のウォータポンプをさらに具備し、
    前記制御部は、暖房運転時に前記電力用半導体の温度が前記所定の温度を超える場合、前記第1のウォータポンプの回転数を減少させ、前記電動圧縮機の回転数を上昇させ、かつ、前記第2のウォータポンプの回転数を維持または上昇させる、
    請求項6に記載の車両用ヒートポンプ装置。
  8. 冷却液と冷媒との間で熱交換を行う車両用ヒートポンプ装置における電力用半導体過熱保護方法であって、
    制御部は、
    高温高圧冷媒と熱交換を行う第1の冷却液を輸送する第1のウォータポンプに電力を供給する電力用半導体の温度を取得し、
    冷房運転時に前記電力用半導体の温度が所定の温度を超える場合、前記第1の冷却液の熱を車外へ放熱させるラジエータのファン回転数を上昇させる、
    電力用半導体過熱保護方法。
  9. 冷却液と冷媒との間で熱交換を行う車両用ヒートポンプ装置における電力用半導体過熱保護方法であって、
    制御部は、
    高温高圧冷媒と熱交換を行う第1の冷却液を輸送する第1のウォータポンプに電力を供給する電力用半導体の温度を取得し、
    暖房運転時に前記電力用半導体の温度が所定の温度を超える場合、前記第1のウォータポンプの回転数を減少させ、かつ、前記冷媒を圧縮して吐出する電動圧縮機の回転数を上昇させる、
    電力用半導体過熱保護方法。
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