図1〜図3に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールの島構造に取付けられる外枠(図示略)に開閉枠2(内枠2)が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着されている。開閉枠2の左端部に開閉扉3の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉3の右端部には、開閉扉3を開閉枠2に施錠するキーシリンダ3cが装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4とその前側の透明板3bとの間に遊技球が流下可能な遊技領域4aが形成され、この遊技領域4aが開閉扉3により開閉される。
開閉扉3には、窓3aの下側に遊技球を貯留する貯留皿5が設けられ、その貯留皿5に遊技者が操作可能な演出ボタンSW6(「SW」はスイッチを意味する)が装着され、貯留皿5の右下側に発射ハンドル7が装着されている。発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿5から発射位置に導入された遊技球が発射され、貯留皿5に複数の遊技球が貯留されている場合には、複数の遊技球が約0.6 秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール8で案内され遊技領域4aの上部に導入される。
図2〜図4に示すように、遊技領域4aには、多数の障害釘(図示略)の他、第1始動口10、開閉式の第2始動口11aを有する始動口装置11、1対のゲート12、開閉式の大入賞口13aを有する大入賞口装置13、複数の一般入賞口14が、夫々遊技球が通過(入賞)可能に図示の配置で設けられている。第1始動口10、1対のゲート12、複数の一般入賞口14には、夫々、そこに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW10a、1対のゲートSW12a、複数の一般入賞口SW14aが付設されている。
始動口装置11は、第2始動口11a、第2始動口11aを開閉する開閉部材11b、第2始動口11aに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW11c、開閉部材11bを開閉駆動する第2始動口SOL11d(「SOL」はソレノイドアクチュエータを意味する)を有し、第2始動口11aは、通常は遊技球が入賞し難い(入賞不可能な)閉状態となり、この閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに作動し得る。
大入賞口装置13は、大入賞口13a、大入賞口13aを開閉する開閉部材13b、大入賞口13aに入賞した遊技球を検出する大入賞口SW13c、開閉部材13bを開閉駆動する大入賞口SOL13dを有し、大入賞口13aは、通常は遊技球が入賞し難い(入賞不可能な)閉状態となり、この閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに作動し得る。
遊技球が入賞口10,11a,13a,14に入賞した場合、遊技球1個の入賞につき入賞口10,11a,13a,14毎に設定された数(数個〜10数個)の遊技球が賞球として貯留皿5に払出される。遊技球が始動口10,11aに入賞した場合に大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選した場合、大入賞口13aが開放する大当り遊技が発生する。遊技球がゲート12を通過した場合に当り抽選が行われ、その当り抽選で当選した場合、第2始動口11aが開放する補助遊技が発生する。
遊技盤4にはセンタ役物15が取付けられ、このセンタ役物15に遊技演出用の画像表示器16及び可動役物17が装備されている。センタ役物15は、その枠体15aが遊技盤4に比較的大きく形成されたセンタ開口部(図示略)に嵌合装着され、その枠体15aの下部には遊技球が転動するステージ15bが形成されている。
画像表示器16は、画面をパチンコ遊技機1の前側からセンタ役物15の枠体15aの内側を通して視認可能に配置され、この画像表示器16には主に遊技演出が表示される。可動役物17は、画像表示器16に表示される所定の遊技演出の一環として作動して、左右1対の役物部材17a,17bを、枠体15aの左右両側部の裏側に退避させた図2に示す退避位置から、画像表示器16の画面前側に出現させ合体させた図3に示す出現位置へ移動させ、その後、この出現位置から退避位置へ移動させる。
遊技盤4の右下部に遊技表示盤19が設けられ、この遊技表示盤19は、第1特図表示器19a、第2特図表示器19b、普図表示器19c、第1特図保留ランプ19d、第2特図保留ランプ19e、普図保留ランプ19fを備えている。
第1特図表示器19aには第1特別図柄が変動可能に表示され、第1特図保留ランプ19dには第1特図保留数が表示され、その第1特図保留数は4未満の場合に第1始動口10に遊技球が入賞する毎に1加算される。第2特図表示器19bには第2特別図柄が変動可能に表示され、第2特図保留ランプ19eには第2特図保留数が表示され、その第2特図保留数は4未満の場合に第2始動口11aに遊技球が入賞する毎に1加算される。
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1特図保留数が1以上の場合、第2特図保留数が0の場合には、第1特図保留数が1減算されて第1特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第2特図保留数が1以上の場合、第1特図保留数に関わらず、第2特図保留数が1減算されて第2特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。
普図表示器19cには普通図柄が変動可能に表示され、普図保留ランプ19fには普図保留数が表示され、その普図保留数は4未満の場合にゲート12に遊技球が入賞する毎に1加算される。普通図柄が変動停止状態で、普図保留数が1以上の場合、普図保留数が1減算されて普通図柄が変動開始され、その後の停止図柄で当り抽選の結果が表示される。
次に、パチンコ遊技機1の制御系について説明する。
図4に示すように、制御装置20は、遊技制御基板21、払出制御基板22、演出制御基板23、画像制御基板24、ランプ制御基板25を備え、これら制御基板21〜25に夫々CPUとROMとRAMを含むコンピュータを備えて構成され、演出制御基板23は更にRTC(「RTC」はリアルタイムクロックを意味する)を備え、画像制御基板24は更にVDP(Video Display Processor)を備えている。
遊技制御基板21のコンピュータは、第1,第2始動口SW10a,11c、1対のゲートSW12a、大入賞口SW13c、複数の一般入賞口SW14aからの信号、払出制御基板22からの制御情報を受けて、第2始動口SOL11d、大入賞口SOL13d、図柄表示器19a〜19c、図柄保留ランプ19d〜19fを制御し、払出制御基板22、演出制御基板23に制御情報を出力する。
払出制御基板22のコンピュータは、遊技制御基板21からの制御情報、払出球検出SW26b、球有り検出SW26c、満タン検出SW26dからの信号を受けて、払出モータ26aを制御し、遊技制御基板21に制御情報を出力する。演出制御基板23のコンピュータは、遊技制御基板21、画像制御基板24、ランプ制御基板25からの制御情報、演出ボタンSW6からの信号を受けて、画像制御基板24、ランプ制御基板25に制御情報を出力する。
画像制御基板24のコンピュータは、演出制御基板23からの制御情報を受けて、VDPを介して遊技演出用の画像表示器16、スピーカ27a(左)とスピーカ(右)27b(音声出力手段)を制御し、演出制御基板23に制御情報を出力する。ランプ制御基板25のコンピュータは、可動役物17(図示略の原点SW)からの信号、演出制御基板23からの制御情報を受けて、遊技演出用の枠ランプ28a、盤ランプ28b、可動役物17を制御し、演出制御基板23に制御情報を出力する。
図5に示すように、遊技制御基板21の主にコンピュータにより、図示の各手段30〜37,40〜47,50が構成されている。
特図カウンタ手段30は、16ビット構成の所謂ハード乱数である大当り判定値を、設定範囲(0 〜65535 )内で微小時間(0.1 μs )毎に順次更新し、また、8 ビット構成の所謂ソフト乱数である特図判定値を、設定範囲(0 〜199 )内で微小時間(4 ms )毎に順次更新する。更に、ソフト乱数であるリーチ判定値と変動パターン判定値を、夫々設定範囲内で微小時間毎に順次更新する。
特図取得手段31は、遊技球が第1始動口10に入賞したときに第1特図保留数が4未満の場合に特図始動条件が成立して、特図カウンタ手段30により更新された大当り判定値、特図判定値、リーチ判定値、及び変動パターン判定値を、1組の第1特図判定情報として取得する。また、遊技球が第2始動口11aに入賞したときに第2特図保留数が4未満の場合に特図始動条件が成立して、特図カウンタ手段30により更新された大当り判定値、特図判定値、リーチ判定値、及び変動パターン判定値を、1組の第2特図判定情報として取得する。この特図取得手段31により取得された特図判定情報が特図保留記憶手段32に一旦記憶(保留)される。
特図保留消化手段33は、特図保留記憶手段32に記憶されている特図判定情報を、特図表示器19a,19bでの特別図柄の変動開始毎に順次1ずつ特図判定手段34(大当り判定手段34a、図柄判定手段34b)による判定に供して特図保留記憶手段32から消去(保留消化)する。その際、特図保留記憶手段32に複数の特図判定情報が記憶されている場合、それら複数の特図判定情報を特図保留記憶手段32に記憶された順番(即ち、特図取得手段31により取得された順番)で消化し、但し、第1,第2特図判定情報の両方が記憶されている場合には、第2特図判定情報を第1特図判定情報よりも優先して消化する。
特図判定手段34においては、特図始動条件の成立により特図取得手段31により取得された(特図保留記憶手段32に記憶された)特図判定情報に基づいて、詳しくは、特別図柄が変動表示される際、当該特別図柄の変動表示に係る特図判定情報、つまり特図保留消化手段33により消化された特図判定情報に基づいて、大当り判定手段34aが、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定し、大当り判定手段34aにより特別遊技を行うと判定された場合、図柄判定手段34bが、当該特別遊技中の大入賞口13aの開閉パターン、つまり有利度合いの異なる複数種類の特別遊技の何れを行うかを判定すると共に、当該特別遊技終了後の遊技状態を判定する。
具体的に、先ず、大当り判定手段34aが、特図判定情報の大当り判定値に基づいて、特別遊技である大当り遊技を行うか否かを、また、大当り遊技と部類が異なる特別遊技である小当り遊技を行うか否かを判定する。この場合、図6に示すように、大当り判定テーブルとして低確テーブルと高確テーブルの何れかを用いて判定する。
低確テーブルを用いる場合、大当り判定値が約1/320 の割合で大当り特定値(3,247 ・・・)の何れかと一致する場合に、大当り遊技を行うと判定し、高確テーブルを用いる場合、大当り判定値が約10/320の割合で大当り特定値(3,7 ・・・)の何れかと一致する場合に、大当り遊技を行うと判定し、低確テーブルと高確テーブルの何れを用いる場合でも、大当り判定値が約3/320 の割合で小当り特定値(4,44・・・)の何れかと一致する場合に、小当り遊技を行うと判定する。
大当り遊技を行うと判定した場合には、次に、図柄判定手段34bが、当該特図判定情報の特図判定値に基づいて、複数種類の大当り図柄(図7に示す8種類の大当り図柄A〜H)の何れか1つを選択する。ここで、その特図判定値が第1特図判定情報である場合は、図7に示す第1図柄選択テーブルにより規定される選択率で図柄選択を行い、第2特図判定情報である場合は、図7に示す第2図柄選択テーブルにより規定される選択率で図柄選択を行う。そして、選択された大当り図柄によって、当該特別遊技中の大入賞口13aの開閉パターン、及び当該特別遊技終了後の遊技状態が決定される。
特図表示制御手段35は、特図判定手段34(大当り判定手段34a、図柄判定手段34b)による判定結果に基づいて、特図保留消化手段33により第1特図判定情報が消化されたことを契機に、第1特図表示器19aに第1特別図柄を変動表示させた後に当該判定結果を示す判定図柄を停止表示させ、特図保留消化手段33により第2特図判定情報が消化されたことを契機に、第2特図表示器19bに第2特別図柄を変動表示させた後に当該判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。
大当り判定手段34aにより大当り遊技を行うと判定された場合には、図柄判定手段34bにより選択された大当り図柄A〜Hの何れか1つを停止表示させ、小当り遊技を行うと判定された場合には、小当り図柄を停止表示させ、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行わないと判定された場合には、ハズレ図柄を停止表示させる。
変動時間決定手段35aは、大当り判定手段34a、図柄判定手段34bによる判定結果に基づいて選択された図柄(大当り図柄A〜H、小当り図柄、ハズレ図柄の何れか)、当該特図判定情報のリーチ判定値と変動パターン判定値、及び第1,第2特図保留数等に基づいて、特図表示制御手段35が特別図柄を変動表示させる特図変動時間を複数の特図変動時間(図8に示す特図変動時間1,2,3・・・n)の何れかに決定する。
ところで、特図表示制御手段35により特別図柄が変動表示されているときに特図始動条件が成立することにより、特図取得手段31により取得された特図判定情報が特図保留記憶手段32に記憶される。但し、特図表示制御手段35により特別図柄が変動表示されていないときに特図始動条件が成立することにより、特図取得手段31により取得された特図判定情報も、直ちに大当り判定手段34a、図柄判定手段34bによる判定に供する場合でも特図保留記憶手段32に一時記憶される。
ここで、特図判定手段34の事前判定手段34cは、特図保留記憶手段32に記憶されている判定情報(即ち、後に特図保留消化手段33により消化される特図判定情報)に基づいて、具体的には、特図取得手段31により特図判定情報が取得された際に、大当り判定手段34a、図柄判定手段34b、変動時間決定手段35aによる前記判定、決定と同等の判定、決定(即ち、特別遊技を行うか否かの判定、大当り図柄A〜H、小当り図柄、ハズレ図柄の判定、特図変動時間の決定)を事前に行うことが可能である。
特別遊技実行手段36は、大当り判定手段34aにより特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行うと判定された場合、特図表示制御手段35により、当該判定結果を示す判定図柄、つまり図柄判定手段34bにより選択された判定図柄(大当り図柄、小当り図柄)が停止表示された後、その判定図柄に応じた開閉パターンで大入賞口13aを開閉させる遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行う。
図9に示すように、大当り遊技中の大入賞口13aの開閉パターンは、大当り図柄の種類に応じて図示のように設定され、小当り遊技中の大入賞口13aの開閉パターンは、大当り図柄D,E,G,Hに対応する開閉パターンと同様に設定される。
具体的に、16R(ラウンド)長期開放では、大入賞口13aが16Rに亙って開閉され、各ラウンドは、大入賞口13aを開放して開始後、大入賞口13aに遊技球が例えば10個入賞する、或いは例えば30秒経過するR終了条件が成立すると、大入賞口13aを閉塞して終了する。8 R長期開放では、大入賞口13aが8 Rに亙って開閉され、各ラウンドは開始後、16R長期開放と同様のR終了条件が成立すると終了する。8 R短期開放では、大入賞口13aが8 Rに亙って開閉され、各ラウンドは開始後、大入賞口13aに遊技球が例えば10個入賞する、或いは例えば0.1 秒経過するR終了条件が成立すると終了する。
確率設定手段37は、特図判定手段34(大当り判定手段34a)により大当り遊技を行うと判定される大当り確率を、図6に示す低確テーブルを用いて低確率(約1/320 )又は図6に示す高確テーブルを用いて高確率(約10/320)に設定する。
一方、普図カウンタ手段40は、8 ビット構成のソフト乱数である当り判定値を、設定範囲(0 〜199 )内で微小時間(4 ms )毎に順次更新し、また、8 ビット構成の所謂ソフト乱数である普図判定値を、設定範囲(0 〜9 )内で微小時間(4 ms )毎に順次更新する。
普図取得手段41は、遊技球がゲート12を通過したときに普図保留数が4未満の場合に普図始動条件が成立して、普図カウンタ手段40により更新された当り判定値、及び普図判定値を、1組の普図判定情報として取得する。この普図取得手段41により取得された普図判定情報が普図保留記憶手段42に一旦記憶(保留)される。
普図保留消化手段43は、普図保留記憶手段42に記憶されている普図判定情報を普図表示器19cでの普通図柄の変動開始毎に順次1ずつ普図判定手段44による判定に供して普図保留記憶手段42から消去(保留消化)する。その際、保留記憶手段42に複数の普図判定情報が記憶されている場合、それら複数の普図判定情報を普図保留記憶手段42に記憶された順番(即ち、普図取得手段41により取得された順番)で消化する。
普図判定手段44は、普図始動条件の成立により普図取得手段41により取得された(普図保留記憶手段42に記憶された)普図判定情報に基づいて、詳しくは、普通図柄が変動表示される際、当該普通図柄の変動表示に係る普図判定情報、つまり普図保留消化手段43により消化された普図判定情報に基づいて、補助遊技を行うか否かを判定する。
具体的に、先ず、普図判定情報の当り判定値に基づいて、補助遊技を行うか否かを判定する。補助遊技を行うと判定した場合には、次に、当該普図判定情報の普図判定値に基づいて、複数種類の当り図柄(図11に示す2種類の当り図柄a,b)の何れか1つを選択する。ここで、図11のテーブルにより規定される選択率で図柄選択を行う。
普図表示制御手段45は、普図判定手段44による判定結果に基づいて、普図保留消化手段43により普図判定情報が消化されたことを契機に、普図表示器19cに普通図柄を変動表示させた後に当該判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。普図判定手段44により補助遊技を行うと判定された場合には、選択された当り図柄a,bの何れかを停止表示させ、補助遊技を行わないと判定された場合には、ハズレ図柄を停止表示させる。
ところで、普図表示制御手段45により普通図柄が変動表示されているときに普図始動条件が成立することにより、普図保留記憶手段42に普図取得手段41により取得された普図判定情報が記憶される。但し、普図表示制御手段45により普通図柄が変動表示されていないときに普図始動条件が成立することにより、普図取得手段41により取得された普図判定情報も、直ちに普図判定手段44による判定に供する場合でも普図保留記憶手段42に一時記憶される。
補助遊技実行手段46は、普図判定手段44により補助遊技を行うと判定された場合、普図表示制御手段45により、その判定結果を示す判定図柄(当り図柄)が停止表示された後、第2始動口11aを開閉させる補助遊技を行う。図10、図11に示すように、補助遊技中の第2始動口11aの開閉パターンは、当り図柄の種類、及び第2始動口作動モードに応じて図示のように設定される。
作動モード設定手段47は、図10に示すように、第2始動口作動モードとして、第2始動口11aを開状態に作動させ難い低作動モード又は開状態に作動させ易い高作動モードを設定する。
具体的に、低作動モードでは、普図判定手段44により補助遊技を行うと判定される当り確率が1/10、普図表示器19cでの普通図柄の普図変動時間が12秒、補助遊技中の第2始動口11aの始動口開閉パターンが0.1 秒×1 回又は0.1 秒×1 回+5.6 秒×1 回に設定され、高作動モードでは、当り確率が10/10 、普図変動時間が0.5 秒、始動口開閉パターンが1.0 秒×6 回又は2.0 秒×3 回に設定される。
遊技状態制御手段50は、複数種類の遊技状態(図12に示す4種類の通常遊技状態、時短遊技状態、潜確遊技状態、確変遊技状態)の何れか1つを択一的に設定し、その遊技状態で遊技を制御する。尚、電源投入時には前回の電源遮断時に設定されていた遊技状態を継続的に設定し、電源投入時に所謂RAMクリアが実行された場合には通常遊技状態を設定する。
図12に示すように、通常遊技状態、時短遊技状態が設定された場合、確率設定手段37により低確率が設定され、潜確遊技状態、確変遊技状態が設定された場合、確率設定手段37により高確率が設定される。また、通常遊技状態、潜確遊技状態が設定された場合、作動モード設定手段47により低作動モードが設定され、時短遊技状態、確変遊技状態が設定された場合、作動モード設定手段47により高作動モードが設定される。
遊技状態制御手段50は、特別遊技実行手段36により大当り遊技が行われた場合、その大当り遊技終了後の遊技状態を図9に示すように設定変更する。大当り図柄A〜Cの何れかが停止表示されて、所謂「確変大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に確変遊技状態が設定され、大当り図柄A,Bの停止からは、その後、特図表示器19a,19bでの特別図柄の特図変動回数が10000 回に達すると、通常遊技状態へ移行され、大当り図柄Cの停止からは、その後、特図変動回数が50回に達すると、潜確遊技状態へ移行され、更に、特図変動回数が10000 回に達すると、通常遊技状態へ移行される。
大当り図柄Dが停止表示されて、所謂「突確大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に確変遊技状態が設定され、その後、特図変動回数が10000 回に達すると、通常遊技状態へ移行される。大当り図柄Eが停止表示されて、所謂「潜確大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に潜確遊技状態(又は確変遊技状態)が設定され、その後、特図変動回数が10000 回に達すると、通常遊技状態へ移行される。
大当り図柄Fが停止表示されて、所謂「通常大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に時短遊技状態が設定され、その後、特図変動回数が50回に達すると、通常遊技状態へ移行される。大当り図柄G,Hの何れかが停止表示されて、所謂「突通大当り」になった場合、大当り図柄Gの停止からは、当該大当り遊技終了後に時短遊技状態が設定され、その後、特図変動回数が50回に達すると、通常遊技状態へ移行され、大当り図柄Hの停止からは、当該大当り遊技終了後に通常遊技状態が設定される。小当り図柄が停止表示されて、所謂「小当り」になった場合、当該小当り遊技終了後に当該小当り遊技開始前の遊技状態が設定される(即ち、遊技状態は設定変更されない)。
図5に示すように、演出制御基板23、画像制御基板24、ランプ制御基板25のコンピュータ等により、図示の各手段60〜64が構成されている。
演出制御手段60は、特図判定手段34(大当り判定手段34a、図柄判定手段34b、事前判定手段34c)による判定結果等に基づいて、所定の演出手段69に遊技演出を行わせる。尚、演出手段69は、画像表示器16、可動役物17、スピーカ27a,27b、ランプ28a,28bにより構成されている。
図柄変動演出制御手段61は、大当り判定手段34a、図柄判定手段34bによる判定結果に基づいて、特図表示制御手段35により特図表示器19a,19bに特別図柄が変動表示されているときに、当該特図変動時間(変動時間決定手段35aにより決定された特図変動時間)に対応する図柄変動演出を、複数種類の図柄変動演出(図13(a)に示す図柄変動演出1,2,3・・・n)の中から選択して行わせる。
図柄変動演出制御手段61は、図柄変動演出の画像を画像表示器16に表示させるが、基本的に、図2に示すように、画像表示器16には3つの図柄表示部16aが設定され、図14に示すように、各図柄変動演出においては、これら図柄表示部16aに、(1)3組の演出図柄列が縦スクロールにて変動表示された後、先ず、(2)左側の演出図柄「X」が停止表示され、次に、(3)右側の演出図柄「Y」が停止表示され、最後に、(4)中央の演出図柄「Z」が停止表示され、これら3つの演出停止図柄「XZY」が、特図判定手段34による判定結果を示す組み合わせ態様になる。
具体的には、図15に示すように、(1)3組の演出図柄列が変動表示された後、(2)左側の演出図柄「7」が停止表示され、(3)右側の演出図柄「1」が停止表示され、これら演出図柄「7」「1」が揃わない非リーチ状態になり、発展演出が行われることなく、(4)中央の演出図柄「6」が停止表示される(非当選時)。
或いは、(2)左側の演出図柄「7」が停止表示された後、(5)右側の演出図柄「7」が停止表示され、これら演出図柄「7」「7」が揃ってリーチ状態になるが、発展演出が行われることなく、(6)中央の演出図柄「6」が停止表示される(非当選時)、又は、(7)中央の演出図柄「7」が停止表示される(当選時)。
或いは、(5)右側の演出図柄「7」が停止表示され、リーチ状態になった後、(8)演出図柄「7」「7」が画面隅側へ移動して縮小表示され、(9)発展演出であるSPリーチ演出が行われる。そこで、SPリーチ演出に特有の大当り期待度が異なる複数種類のSPリーチ演出画像の何れかが表示され、その後、SPリーチ演出の終了を以て、(10)中央の演出図柄「6」が停止表示される(非当選時)、又は、(11)中央の演出図柄「7」が停止表示される(当選時)。
尚、「SP」はスペシャルを意味し、SPリーチ演出は、基本的に、発展演出に移行しない演出よりも大当り期待度が高い演出である。ここで、(8)演出図柄「7」「7」が縮小表示された後、(9)SPリーチ演出が開始される迄の間のタイミングP1、或いは、(9)SPリーチ演出が開始された後、(11)中央の演出図柄「7」が停止表示される(大当りになる)迄の間のタイミングP2において、可動役物17が作動し得る。
或いは、図16に示すように、(1)3組の演出図柄列が変動表示された後、(2)左側の演出図柄「7」が停止表示され、(3)右側の演出図柄「7」が停止表示され、リーチ状態になった後、(7)演出図柄「7」「7」が画面隅側へ移動して縮小表示され、(8)発展演出であるSP・SPリーチ演出が行われる。尚、SP・SPリーチ演出は、基本的に、SPリーチ演出よりも大当り期待度が高い演出である。
或いは、(3)右側の演出図柄「7」が停止表示され、リーチ状態になった後、(4)演出図柄「7」「7」が画面隅側へ移動して縮小表示され、先ず、(5)発展演出であるSPリーチ演出が行われる。そして、SPリーチ演出の終了を以て、(6)中央の演出図柄「6」が停止表示された後、再始動し、(7)演出図柄「7」「7」が画面隅側へ移動して縮小表示され、(8)SP・SPリーチ演出が行われる。
SP・SPリーチ演出が行われると、そこで、SP・SPリーチ演出に特有の大当り期待度が異なる複数種類のSP・SPリーチ演出画像の何れかが表示され、その後、SP・SPリーチ演出の終了を以て、(9)中央の演出図柄「6」が停止表示される(非当選時)、又は、(10)中央の演出図柄「7」が停止表示される(当選時)。
ここで、(4)演出図柄「7」「7」が縮小表示された後、(5)SPリーチ演出が開始される迄の間のタイミングP3、或いは、(7)演出図柄「7」「7」が縮小表示された後、(8)SP・SPリーチ演出が開始される迄の間のタイミングP4、或いは、(8)SP・SPリーチ演出が開始された後、(10)中央の演出図柄「7」が変動表示される(大当りになる)迄の間のタイミングP5において、可動役物17が作動し得る。
或いは、図17に示すように、(1)3組の演出図柄列が変動表示された後、(2)左側の演出図柄「7」が停止表示され、(3)右側の演出図柄「1」が停止表示され、(4)中央の演出図柄「続」が停止表示される。こうして中央の演出図柄「続」が停止表示されると、それ迄を擬似1回目として、次に擬似2回目となるように、(5)3組の演出図柄列が再始動して変動表示される。
その後、擬似2回目にいて(2)→(3)→(4)が行われ、(4)中央の演出図柄「続」が停止表示されると、次に擬似3回目となるように、(5)3組の演出図柄列が再始動して変動表示され、更にその後、擬似3回目において(2)→(3)→(4)が行われ、(4)中央の演出図柄「続」が停止表示されると、次に擬似4回目となるように、(5)3組の演出図柄列が再始動して変動表示される。
擬似2回目又は擬似3回目又は擬似4回目において、(5)3組の演出図柄列が再始動して変動表示された後、中央の演出図柄「続」が仮停表示されない場合、図15(2)へ移行して、図15と同等の表示が行われ、或いは、図16(2)へ移行して、図16と同等の表示が行われる。
ここで、スピーカ27a,27bからは、図柄変動演出の画像が表示されている間、SPリーチ演出、SP・SPリーチ演出が行われていないときには、変動BGMが出力され、SPリーチ演出が行われているときには、そのSPリーチ演出画像に合ったSPリーチ演出音声が出力され、SP・SPリーチ演出が行われているときには、そのSP・SPリーチ演出画像に合ったSP・SPリーチ演出音声が出力される。
特別遊技演出制御手段62は、特別遊技実行手段36により特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)が行われているときに、特別遊技演出(大当り演出、小当り演出)を、複数種類の特別遊技演出(図13(b)に示す特別遊技演出1,2,3・・・n)の中から選択して行わせる。尚、複数種類の特別遊技演出は、16R長期開放に対応の演出、8 R長期開放に対応の演出、8 R短期開放に対応の演出の何れかに分類される。
また、特別遊技演出制御手段62は、特別遊技実行手段36により行われた特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)の最後に、特別遊技演出に続くエンディング演出を、複数種類のエンディング演出(図13(c)に示すエンディング演出1,2,3・・・n)の中から選択して行わせる。
保留演出制御手段63は、画像表示器16の左下部に、特図保留記憶手段32に記憶されている第1特図判定情報に対応する、第1特図保留数と相当数(図2では3個)の保留図柄16bを表示させ、特図保留記憶手段32に記憶されている第2特図判定情報に対応する、第2特図保留数と相当数(図2では1個)の保留図柄16cを表示させる。
先読み演出制御手段64は、事前判定手段34cによる判定結果に基づいて、先読み演出を行うか否かを判定し、先読み演出を行うと判定した場合に、その先読み演出の対象とされた特図判定情報に対して、主にその特図判定情報の消化前から、その特図判定情報に係る特別図柄の変動表示が終了する迄の間に、図柄変動演出制御手段61又は保留演出制御手段63を介して、大当り期待度を高め得る先読み演出を行わせる。
図18に示すように、演出制御手段60においては、画像制御基板24のCPU24aからの指令に従って、画像制御手段70が、画像制御基板24のROM24bに記憶された複数の画像情報の何れかを読み取り再生処理して画像(動画)を画像表示器16に表示させ、音声制御手段71が、ROM24b(音声情報記憶手段)に記憶された複数の音声情報の何れかを読み取り再生処理して音声をスピーカ27a,27bから出力させる。
特に、音声制御手段71においては、複数(40)の再生処理部71aが音声情報の再生処理を個別に行い、これら複数(例えば、2〜40の何れか)の再生処理部71aにより夫々再生処理された複数の音声をスピーカ27a,27bから重ね合わせて出力させることが可能である。尚、画像制御手段70、音声制御手段71が、画像制御基板24のVDPを構成する共に、前記の図柄変動演出制御手段61、特別遊技演出制御手段62の一部を構成している。
ところで、演出制御手段60の図柄変動演出制御手段61は、図13(a)に示す複数の図柄変動演出のうち、画像制御手段70による特定画像の表示を中断させ且つ音声制御手段71による特定音声の出力を中断させる第1,第2遊技演出であって、特定画像の表示及び特定音声の出力を中断後復帰させる可能性がある第1遊技演出と、特定画像の表示及び特定音声の出力を中断後復帰させる可能性がない第2遊技演出の何れかを行わせることが可能である。
第1遊技演出では、具体的に、図15、図16、図17に示すように、(1)特定画像として3組の演出図柄列が変動表示され、特定音声として変動BGMが出力されているときに、(1−1)この特定画像の表示及び特定音声の出力が中断され、画面が黒色表示(ブラックアウト)されてから、数秒後に、同特定画像の表示及び同特定音声の出力が復帰して、(1)3組の演出図柄列が変動表示され、変動BGMが出力される。
第2遊技演出では、具体的に、図17に示すように、(1)特定画像として3組の演出図柄列が変動表示され、特定音声として変動BGMが出力されているときに、(1−1)この特定画像の表示及び特定音声の出力が中断され、画面が黒色表示(ブラックアウト)されてから、数秒後に、同特定画像の表示及び同特定音声の出力が復帰せずに、(4)3組の演出図柄列が「7続1」が停止表示され、擬似連続演出になる。
そして、音声制御手段71は、図柄変動演出制御手段61により第1遊技演出が行われているときに特定音声(変動BGM)の出力を中断させる場合に、特定音声の音声情報の再生処理を続行しつつ特定音声を消音する第1特定音声制御を行い、図柄変動演出制御手段61により第2遊技演出が行われているときに特定音声(変動BGM)の出力を中断させる場合に、特定音声の音声情報の再生処理を中止する第2特定音声制御を行う。
また、演出制御手段60の図柄変動演出制御手段61は、図13(a)に示す複数の図柄変動演出の何れかにおいて、具体的には、前記の図15、図16に示すタイミングP1〜P5の何れかにおいて、可動役物17を作動させる(1対の役物部材17a,17bが図2に示す退避位置から図3に示す出現位置へ移動し、その後、この出現位置から退避位置へ移動する)特定の遊技演出を行わせることが可能である。
そして、音声制御手段71は、図柄変動演出制御手段61により特定の遊技演出が行われているときに、複数(例えば、2)の再生処理部71aに複数の同一の特殊音声(特定音声;可動役物17の作動音)の音声情報を並行処理(再生処理)させて、その並行処理された同一の特殊音声を同一のスピーカ17a,17bから重ね合わせて出力させて、特殊音声の音量を他の音声の音量よりも大きくなるように増大させる特定音声制御を行う。
次に、画像制御基板24のVDPの音声出力に関して詳細に説明する。
先ず、図19に示すように、画像制御基板24のROM24bには、プログラム領域に複数のプログラムが記録され、画像情報領域に複数の画像情報(動画情報)が収録され、音声情報領域に複数の音声情報(音声情報1,2,3・・・n)が収録されている。
複数の音声情報の中に、特定音声(変動BGM)の音声情報と、特殊音声(可動役物17の作動音)の音声情報が含まれている。また、各音声情報には、その音声の音量を指定する音量指定情報が含まれている。
図20に示すように、画像制御基板24のVDPは、複数(40)の再生処理部71aを備え、各再生処理部71aに、シーケンサ80、トラック81、音量調整部82、パン制御部83が設けられ、複数の再生処理部71aに共通のマスターボリューム90、オーディオ出力I/F91、アンプ92が装備されている。
各再生処理部71aにおいて、シーケンサ80が、画像制御基板24のCPU24aから受けるコマンド、或いは、ROM24bから読み取った情報から発行されるコマンドに基づいて、トラック81、音量調整部82、パン制御部83を制御することで、音声情報の再生処理を行う。
そこで、所定タイミングで、再生対象となる音声情報がトラック81によりROM24bから読み取られ、その音声情報が音量調整部82により指定音量の音声になるように調整され、その音量情報がパン制御部83により複数のチャンネルの何れかから出力される。ここで、複数のチャンネルの1のチャンネルがスピーカ(左)27aに対応し、他の1のチャンネルがスピーカ(右)27bに対応している。
複数の再生処理部71aから出力された音声情報は、マスターボリューム90により総括的に指定倍率の音量の音声になるように調整され、オーディオ出力I/F91によりDA変換されて出力され、アンプ92を介して増幅されて、スピーカ27a,27bの少なくとも一方から音声出力される。
さて、第1遊技演出が行われているときに特定音声(変動BGM)の出力を中断させる場合には、音量調整部82により音量0となるように調整して、特定音声の音声情報の再生処理を続行させ、第2遊技演出が行われているときに特定音声(変動BGM)の出力を中断させる場合には、トラック81による特定音声の音声情報の読み取りを中止させることで、特定音声の音声情報の再生処理を中止させる。
また、特殊音声(可動役物17の作動音)の音量を増大させる場合には、複数(2)の再生処理部71aに特殊音声の音声情報を並行処理(再生処理)させて、各再生処理部71aにおいて、処理された特殊音声の音声情報をパン制御部83により同一のチャンネルから出力させる。これにより、複数(2)の再生処理部71aにより並行処理された特殊音声が同一のスピーカ27a,27bの少なくとも一方から重ね合わせて出力される。
次に、図5に示す各手段30〜37,40〜47,50,60〜64の機能を達成するために、制御装置20(遊技制御基板21、演出制御基板23)が実行する主要な処理についてフローチャートに基づいて説明する。
図21に示すように、遊技制御基板21のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間(4 ms )毎に開始され、そのタイマ割込処理において、乱数更新処理(S1)、スイッチ処理(S2)、図柄処理(S3)、電動役物処理(S4)、賞球処理(S5)、出力処理(S6)が順次実行される。
図22に示すように、S2のスイッチ処理で実行される始動口SW処理では、第1始動口SW10aがオンの場合(S11;Yes )、第1特図保留数U1が4未満の場合に(S12;Yes )、第1特図保留数U1がU1+1に加算され(S13)、大当り判定値、図柄判定値、リーチ判定値、及び変動パターン判定値(第1特図判定情報)が取得・格納され(S14)、次に、事前判定処理(S15)が実行され、第1特図保留数増加コマンドがセットされる(S16)。
第2始動口SW11cがオンの場合(S17;Yes )、第2特図保留数U2が4未満の場合に(S18;Yes )、第2特図保留数U2がU2+1に加算され(S19)、大当り判定値、図柄判定値、リーチ判定値、及び変動パターン判定値(第2特図判定情報)が取得・格納され(S20)、次に、事前判定処理(S21)が実行され、第2特図保留数増加コマンドがセットされる(S22)。
S15、S21の事前判定処理では、基本的に、次に説明するS3の特別図柄処理のS38とS39と同等の処理が行われ、S16、S22では、S15、S21の事前判定処理の判定結果に関する情報を含む特図保留数増加コマンドがセットされる。S16、S22でセットされたコマンド、及び、その他のステップでセットされたコマンドについては、S6の出力処理により演出制御基板43に送信される。
図23に示すように、S3の図柄処理で実行される特別図柄処理では、特別遊技フラグがONか否か判定され(S31)、S31の判定がNoの場合、つまり大当り遊技や小当り遊技が実行中でない場合、特別図柄が変動中か否か判定され(S32)、S32の判定がYes の場合、S42へ移行する。
S32の判定がNoの場合、第2特図保留数U2が1以上か否か判定され(S33)、S33の判定がYes の場合、第2特図保留数U2がU2−1に減算される(S34)。S33の判定がNoの場合、第1特図保留数U1が1以上か否か判定され(S35)、S35の判定がYes の場合、第1特図保留数U1がU1−1に減算される(S36)。S35の判定がNoの場合、客待ち設定処理(S46)が実行される。S34又はS36の実行後、客待ちフラグがOFFにされ(S37)、大当り判定処理(S38)が実行され、続いて、変動パターン選択処理(S39)が実行される。
S38の大当り判定処理では、先ず、大当り判定値処理において、特図保留記憶手段52に記憶されている特図判定情報のうち消化優先順位が最も高い特図判定情報の大当り判定値が、図6を用いて説明したように、大当り特定値か否か判定され、大当り特定値である場合、次に、図柄判定値処理において、当該特図判定情報の図柄判定値に基づいて、図7を用いて説明したように、複数種類の大当り図柄の何れかが選択設定される。
大当り判定値処理において、前記大当り判定値が大当り特定値でない場合、次に、同大当り判定値が、図6を用いて説明したように、小当り特定値か否か判定され、小当り特定値である場合、小当り図柄が設定され、前記大当り判定値が大当り特定値でも小当り特定値でもない場合、ハズレ図柄が設定される。尚、この大当り判定処理に供された特図判定情報は、特図保留記憶手段52から消去(消化)される。
S39の変動パターン選択処理では、S38の大当り判定処理で設定された図柄、及び、大当りか否かの判定に供された大当り判定値と組のリーチ判定値、変動パターン判定値等に基づいて、図8を用いて説明したように、変動パターンとして複数の特図変動時間の何れかが選択決定される。その後、第1又は第2特別図柄が変動開始され(S40)、S38で設定された判定図柄とS39で決定された変動パターン(特図変動時間)の情報を含む特図変動開始コマンドがセットされる(S41)。
次に、S39で決定された特図変動時間が経過した場合(S42;Yes )、第1又は第2特別図柄が変動停止され(S43)、ここで、S38で設定された図柄が第1又は第2特図表示器19a又は19bに表示される。続いて、特図変動停止コマンドがセットされ(S44)、停止中処理(S45)が実行される。尚、S45の停止中処理では、遊技状態に関する処理が実行される。
その後、S4の電動役物処理で実行される大入賞口処理において、特別遊技フラグがONの場合、図9を用いて説明したように、大当りの場合には、大当り図柄の種類に応じて、16R長期開放、8 R長期開放、8 R短期開放の何れかの開閉パターンにて大入賞口14aを開放する大当り遊技が実行され、小当りの場合には、8 R短期開放の開閉パターンにて大入賞口14aを開放する小当り遊技が実行される。
この大入賞口処理では、特別遊技の開始時に、実行する大入賞口14aの開閉パターン(或いは対応する大当り図柄)の情報を含むオープニングコマンドがセットされる。また、特別遊技の終了時に、図9を用いて説明したように、大当り図柄の種類に応じた遊技状態を設定する遊技状態設定処理が実行され、そこで設定された遊技状態の情報を含むエンディングコマンドがセットされる。
図24に示すように、演出制御基板23のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間(4 ms )毎に開始され、そのタイマ割込処理において、コマンド受信処理(S101)、演出操作処理(S102)、コマンド送信処理(S103)が順次実行される。
次に、図25に示すように、S101のコマンド受信処理では、保留数増加コマンドを受信か否か判定され(S111)、S111の判定がYes の場合、保留数加算処理(S112)が実行され、続いて、保留数増加コマンドがセットされ(S113)、その後、保留数加算時先読み関連処理(S114)が実行される。S113でセットされたコマンド、及び、その他のステップでセットされたコマンドについては、S103のコマンド送信処理により画像制御基板44、ランプ制御基板45に送信される。
S114の保留数加算時先読み関連処理では、受信した保留数増加コマンドが解析され、その解析情報に基づいて、先読み演出として、通常とは異なる先読みゾーン演出を行うか否か判定され、また、通常とは異なる先読み保留図柄を表示するか否か判定され、先読み演出を行うと判定された場合には、その先読み演出の開始タイミングが設定される。
次に、S111の判定がNoの場合、或いはS114の実行後、特図変動開始コマンドを受信か否か判定され(S115)、S115の判定がYes の場合、図柄変動演出選択処理(S116)が実行される。この図柄変動演出選択処理では、受信した特図変動開始コマンドが解析され、その解析情報に基づいて、図13(a)を用いて説明したように、その解析情報の特図変動時間に対応する図柄変動演出が複数種類の図柄変動演出の中から選択され、その図柄変動演出の情報を含む図柄変動演出開始コマンドがセットされる。
次に、S115の判定がNoの場合、或いはS116の実行後、特図変動停止コマンドを受信か否か判定され(S117)、S117の判定がYes の場合、遊技演出終了中処理(S118)が実行される。この遊技演出終了中処理では、受信した特図変動停止コマンドが解析され、その解析情報に基づいて演出モード処理が行われると共に、図柄変動演出終了コマンドがセットされる。
次に、S117の判定がNoの場合、又は、S118の実行後、オープニングコマンドを受信した場合(S119;Yes )、特別遊技演出選択処理(S120)が実行される。この特別遊技演出選択処理では、受信したオープニングコマンドが解析され、その解析情報に基づいて、図13(b)を用いて説明したように、その解析情報の大入賞口14aの開閉パターンに対応する特別遊技演出が複数種類の特別遊技演出の中から選択され、その特別遊技演出の情報を含む特別遊技演出開始コマンドがセットされる。
次に、S119の判定がNoの場合、又は、S120の実行後、エンディングコマンドを受信した場合(S121;Yes )、エンディング演出選択処理(S122)が実行される。このエンディング演出選択処理では、受信したエンディングコマンドが解析され、その解析情報に基づいて、図13(c)を用いて説明したように、その解析情報の遊技状態に対応するエンディング演出が複数種類のエンディング演出の中から選択され、そのエンディング演出の情報を含むエンディング演出開始コマンドがセットされる。S121の判定がNoの場合、又は、S122の実行後、客待ちコマンド処理(S125)が実行される。
図示省略するが、画像制御基板24のコンピューター(CPU)は、演出制御基板23からコマンドを受信すると、そのコマンドを加工して、或いは加工しないでVDPに出力し、前記のように、VDPは、そのコマンド(或いはROMから読み取った情報から発行されるコマンド)に基づいて、各種画像(動画)を画像表示器16に表示させ、各種音声をスピーカ17a,17bから出力させる。
以上説明したパチンコ遊技機1の作用・効果について説明する。
遊技者は、通常遊技状態又は潜確遊技状態が設定されているときには、発射ハンドル7を操作して遊技球がセンタ役物15の左側を落下するように、遊技球を発射させる所謂左打ちにより遊技を行い、時短遊技状態又は確変遊技状態が設定されているとき、或いは大当り遊技が行われているときには、発射ハンドル7を操作して遊技球がセンタ役物15の右側を落下するように、遊技球を発射させる所謂右打ちにより遊技を行う。
左打ちにより第1始動口10を狙うことができ、第1特図保留数が4未満のときに、遊技球が第1始動口10に入賞すると、第1特図判定情報が取得され特図保留記憶手段32に記憶され、特図保留記憶手段32に記憶された第1特図判定情報は第1特別図柄の変動開始毎に順次消化(消去)される。
右打ちにより開放した第2始動口11aを狙うことができ、第2特図保留数が4未満のときに、遊技球が第2始動口11aに入賞すると、第2特図判定情報が取得され特図保留記憶手段32に記憶され、特図保留記憶手段32に記憶された第2特図判定情報は第2特別図柄の変動開始毎に順次消化(消去)される。
左打ちにより左側のゲート12を、また、右打ちにより右側のゲート12を狙うことができ、普図保留数が4未満のときに、遊技球が左側又は右側のゲート12を通過すると、普図判定情報が取得され普図保留記憶手段42に記憶され、普図保留記憶手段42に記憶された普図判定情報は、普通図柄の変動開始毎に順次消化(消去)される。ここで先ず、普図判定情報の消化により当り抽選が行われ、その当り抽選で当選した場合、普図表示器19cに当り図柄が変動停止後、第2始動口11aが開放する補助遊技が発生する。
通常遊技状態又は潜確遊技状態が設定されている場合には、右打ちを行っても第1始動口10への遊技球の入賞を殆ど期待できないうえ、第2始動口作動モードとして低作動モードが設定され、第2始動口11aへの遊技球の入賞も殆ど期待できないため、左打ちにより所有の遊技球の数を減らしながら遊技を行うことになる。時短遊技状態又は確変遊技状態が設定されている場合には、第2始動口作動モードとして高作動モードが設定され、右打ちを行って第2始動口11aへの比較的多くの遊技球の入賞を期待できるため、右打ちにより所有の遊技球の数を略維持して遊技を行うことができる。
特図保留記憶手段32に記憶された特図判定情報は特別図柄の変動開始毎に順次消化(消去)されるが、その際、特図保留記憶手段32に複数の特図判定情報が記憶されている場合には、それら複数の特図判定情報は取得された順番で消化され、但し、第1,第2特図判定情報の両方が記憶されている場合には、第2特図判定情報が第1特図判定情報よりも優先消化される。そして、この特図判定情報の消化により大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選した場合、特図表示器19a,19bcに大当り図柄が変動停止後、大入賞口13aが開放する大当り遊技が発生する。
大当り遊技が発生すると、変動停止した大当り図柄の種類によって、当該大当り遊技中の大入賞口13aの開閉パターンとして、16R長期開放、8 R長期開放、8 R短期開放の何れかが選択実行される。右打ちを行うことにより、16R長期開放では、例えば約2000個の遊技球を獲得でき、8 R長期開放では、例えば約1000個の遊技球を獲得できる。但し、8R短期開放では、右打ちを行なっても、遊技球を実質獲得できない。
ところで、特図判定手段34(大当り判定手段34a、図柄判定手段34b)による判定結果に基づいて、特図表示器19a,19bに特別図柄が変動表示された後に当該判定結果を示す判定図柄が停止表示されるが、特別図柄が変動表示されているとき、図柄変動演出制御手段61が、大当り期待度を示唆する図柄変動演出を画像表示器16での表示を主体に行うため、この図柄変動演出により、遊技性、並びに遊技興趣が高められる。
図柄変動演出において、図15、図16、図17に示すように、(1)特定画像として3組の演出図柄列が変動表示され、特定音声として変動BGMが出力されているときに、(1−1)この特定画像の表示及び特定音声の出力が中断されるブラックアウト演出が行われることで、大当り期待度が高くなる擬似連続演出への移行を期待させてから、(1)擬似連続演出へ移行させないで特定画像の表示及び特定音声の出力を復帰させて、或いは、図17の(4)特定画像の表示及び特定音声の出力を復帰させないで擬似連続演出へ移行させて、演出効果を高めることができる。
その際、特定音声の出力を中断後復帰させる可能性がある第1遊技演出が行われているときに、特定音声の出力を中断させる場合には、特定音声の音声情報の再生処理を続行しつつ特定音声を消音する第1特定音声制御を行い、特定音声の出力を中断後復帰させる可能性がない第2遊技演出が行われているときに、特定音声の出力を中断させる場合には、特定音声の音声情報の再生処理を中止する第2特定音声制御を行っている。
つまり、特定音声の出力を中断後復帰させる可能性がある第1遊技演出を行う場合と、特定音声の出力を中断後復帰させる可能性がない第2遊技演出を行う場合とで、特定音声に係る音声制御を適宜異ならせて、つまり、前記の第1,第2特定音声制御を使い分けることができ、特に、第2遊技演出を行う場合に、音声制御負荷を軽減でき、故に、音声制御の自由度が低下する虞を抑制できる。
また、図柄変動演出において、図15、図16に示すタイミングP1〜P5の何れかにおいて、可動役物17を作動させる(1対の役物部材17a,17bが図2に示す退避位置から図3に示す出現位置へ移動し、その後、この出現位置から退避位置へ移動する)特定の遊技演出を行わせることで、大当り期待度を高めたり、大当り抽選で当選したことを報知したりして、演出効果を高めることができる。
ここで、可動役物17の作動音となる特殊音声をスピーカ17a,17bから出力させるが、その特殊音声を他の音声の音量よりも大きくして、その特殊音声により可動役物17が作動する演出効果を一層高めることができる。
その際、複数(例えば、2)の再生処理部71aに複数の同一の特殊音声(可動役物17の作動音)の音声情報を並行処理(再生処理)させて、その並行処理された同一の特殊音声を同一のスピーカ17a,17bから重ね合わせて出力させて、特殊音声の音量を他の音声の音量よりも大きくなるように増大させる特定音声制御を行っている。尚、この特定音声制御において、元々は小さな特定音声の音量を、例えば他の音声の音量と同じくらいに、増大させることもできる。
従来より、画像制御基板24のROMに記憶された各音声情報が再生処理されて音声が出力される際、その音声の音量は、各音声情報に含まれる音量指定情報により予め指定された音量となるように制御され、従って、特定音声の音量を、その音量指定情報により指定された音量よりもよりも大きくした場合、その音量指定情報を修正する必要がある。
しかし、特に遊技演出の演出性向上を図り得るROMは大容量である故、ROMを作成し(多数のプログラム、画像情報、音声情報の焼付け)、そのROMを検証するのに多大な労力並びに時間を要する。つまり、音量指定情報を修正することは、再度、ROMを作成し直すことになるため、多大な労力並びに時間を要するが、本実施例では、そうする必要性がなくなり、特殊音声の音量を確実に容易に大きくするように制御できる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前記実施例に種々の変更を付加して実施が可能である。尚、本発明については、その他の種々のパチンコ遊技機等の遊技機に適用可能である。