JP2014134365A - 冷媒回路切換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】均圧の過程における圧力差の減少を促進する。
【解決手段】冷媒回路は、冷房のための冷凍サイクル回路と、暖房のためのヒートポンプ回路とに切換え可能である。冷媒回路は、冷媒回路切換装置としての三方弁9を備える。高圧通路40aには、冷媒回路が冷凍サイクル回路であるときに高圧が導入される。低圧通路40bには、冷凍サイクル回路であるときに低圧が導入される。三方弁9は、高圧通路40aと低圧通路40bとの間に設けられたバイパス弁70を備える。バイパス弁70は、高圧通路40aと低圧通路40bとの間の差圧が所定の上限差圧を下回るときに開くことによって高圧通路40aと低圧通路40bとの間を連通する。冷凍サイクル回路として運転された後に、冷媒回路内の均圧が促進される。特に、差圧が低くなった後に開くバイパス弁70によって、差圧が低下した後の均圧が促進される。
【選択図】図3

Description

ここに開示される発明は、冷媒回路を切換える冷媒回路切換装置に関する。
特許文献1および特許文献2は、冷媒回路を切換える冷媒回路切換装置を開示する。これらの従来技術では、冷媒回路を、低温を利用するための冷凍サイクル回路と、高温を利用するためのヒートポンプ回路とに切替えている。これらの従来技術は、冷媒の圧力、より具体的には圧力差(以下、差圧と呼ぶことがある)を利用して開閉される弁(以下、差圧弁と呼ぶ)を備える冷媒回路切換装置を開示する。
特許第4238656号公報 特開2011−235753号公報
冷凍サイクル回路とヒートポンプ回路とを切換える場合、冷媒回路内に残留する圧力差に起因して不具合を生じることがある。そこで、冷媒回路内の残留圧力差が所定水準まで減少した後に、冷凍サイクル回路とヒートポンプ回路とを切換えるための弁操作が実行される。このような圧力差の減少を待つ制御は、均圧制御と呼ばれることがある。
冷媒回路切換装置として、差圧弁が用いられる場合、均圧制御の進展につれて差圧が変化すると、差圧弁の開度も変化することがある。このとき、差圧弁が望ましくない挙動を示すことがあった。例えば、均圧制御において、特に均圧制御の終期においては、差圧がゆっくりと減少する。このため、差圧弁の開度が望ましくない開度の近傍に長時間にわたって維持されることがあった。
例えば、均圧制御の期間中においても、差圧弁のわずかな開度を通して冷媒が流れる。このような冷媒流は、望ましくない騒音、例えば笛のような音を生じることがあった。このような観点から、冷媒回路切換装置にはさらなる改良が求められている。
発明の目的のひとつは、均圧の過程における圧力差の減少を促進することができる冷媒回路切換装置を提供することである。
発明の目的の他のひとつは、均圧の過程において差圧弁が迅速に閉弁することができる冷媒回路切換装置を提供することである。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示された発明のひとつは、冷凍サイクル回路とヒートポンプ回路とに切換え可能な冷媒回路(2)に用いられる冷媒回路切換装置において、冷凍サイクル回路であるときに高圧が導入される高圧通路(40a)と冷凍サイクル回路であるときに低圧が導入される低圧通路(40b)との間に設けられ、高圧通路と低圧通路との間の差圧が所定の上限差圧を下回るときに開くことによって高圧通路と低圧通路との間を連通するバイパス弁(70、270、370)を備えることを特徴とする。
この構成によると、冷媒回路が冷凍サイクル回路として運転された後に、高圧通路と低圧通路との間の差圧が所定の開弁差圧である上限差圧を下回るとバイパス弁が開く。これによって高圧通路と低圧通路との間が連通されるから、冷凍サイクル回路として運転された後に、冷媒回路内の均圧が促進される。特に、差圧が低くなった後に開くバイパス弁によって、差圧が低下した後の均圧が促進される。これにより、均圧の過程における圧力差の減少を促進することができる。
発明の第1実施形態に係る冷媒回路を示すブロック図である。 第1実施形態の制御処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の三方弁を示す断面図である。 第1実施形態の三方弁を示す部分拡大断面図である。 第1実施形態の三方弁を示す部分拡大断面図である。 第1実施形態の弁の状態の変化を示す表である。 第1実施形態の冷房時における三方弁の状態を示すブロック図である。 第1実施形態の均圧時における三方弁の状態を示すブロック図である。 第1実施形態の暖房時における三方弁の状態を示すブロック図である。 発明の第2実施形態の三方弁を示す断面図である。 第2実施形態の冷房時における三方弁の状態を示すブロック図である。 第2実施形態の均圧時における三方弁の状態を示すブロック図である。 第2実施形態の暖房時における三方弁の状態を示すブロック図である。 発明の第3実施形態の三方弁を示す断面図である。
以下に、図面を参照しながら発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。また、後続の実施形態においては、先行する実施形態で説明した事項に対応する部分に百以上の位だけが異なる参照符号を付することにより対応関係を示し、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1において、車両に搭載された車両用の空調装置1は、冷媒回路2と、空調ユニット3とを備える。冷媒回路2は、低温を利用するための冷凍サイクル回路と、高温を利用するためのヒートポンプ回路とに切替え可能である。冷媒回路2は、車両の室内を冷房する冷房運転において冷凍サイクル回路に切換えられる。冷媒回路2は、車両の室内を暖房する暖房運転においてヒートポンプ回路に切換えられる。空調ユニット3は、車両の室内に供給される空気の温度を調節することによって室内を冷房、または暖房する。
冷媒回路2は、冷媒回路2から低圧冷媒を吸入し、圧縮し、高圧冷媒を吐出する圧縮機4を備える。圧縮機4は、電動モータによって駆動される電動圧縮機である。圧縮機4は、車両に搭載された内燃機関によって駆動されるエンジン駆動圧縮機でもよい。
冷媒回路2は、利用側熱交換器のひとつである暖房用熱交換器5を備える。暖房用熱交換器5は、第1の室内熱交換器である。暖房用熱交換器5は、冷媒流れにおける圧縮機4の下流に配置されている。暖房用熱交換器5は、高温の高圧冷媒と室内に供給される空気とを熱交換させる。
冷媒回路2は、冷媒回路切換装置の一部でもある可変絞り6を備える。可変絞り6は、並列回路6aを備える。可変絞り6は、並列回路6aの一方の通路に設けられた暖房用減圧器6bと、並列回路6aの他方の通路に設けられた電磁弁7を備える。電磁弁7は通路を開閉する二方弁である。暖房用減圧器6bと電磁弁7とは、冷媒回路2において互いに並列に設けられている。可変絞り6は、冷媒流れにおける暖房用熱交換器5の下流に配置されている。
電磁弁7が開閉されることにより、冷媒は、電磁弁7または暖房用減圧器6bを選択的に通過する。冷房時には電磁弁7が開かれることにより冷媒は電磁弁7だけを通過する。暖房時には電磁弁7が閉じられることにより冷媒は暖房用減圧器6bだけを通過する。暖房用減圧器6bは、冷媒回路2がヒートポンプ回路として運転されているときに冷媒回路2内の高圧部と低圧部との間の圧力差を生じさせる。
冷媒回路2は、非利用側熱交換器である室外熱交換器8を備える。室外熱交換器8は、冷媒流れにおける可変絞り6の下流に配置されている。室外熱交換器8は、冷媒と、車両の室外の空気とを熱交換させる。冷房時には室外熱交換器8は放熱器として機能する。暖房時には室外熱交換器8は吸熱器として機能する。
冷媒回路2は、冷媒回路切換装置の一部でもある三方弁9を備える。三方弁9は、冷媒流れにおける室外熱交換器8の下流に配置されている。三方弁9は、ひとつの入口41と、2つの出口42、43とを備える。2つの出口42、43は、低圧出口42と高圧出口43とを備える。三方弁9は、入口41と低圧出口42との間を連通し、入口41と高圧出口43との間を遮断する暖房状態と、入口41と高圧出口43との間を連通し、入口41と低圧出口42との間を遮断する冷房状態とを選択的に提供する切換弁である。
冷媒回路2は、冷房用減圧器10を備える。冷房用減圧器10は、冷媒回路2が冷凍サイクル回路として運転されているときに冷媒回路2内の高圧部と低圧部との間の圧力差を生じさせる。冷房用減圧器10は、冷媒流れにおける三方弁9、すなわち高圧出口43の下流に配置されている。
冷媒回路2は、利用側熱交換器(室内熱交換器)のひとつである冷房用熱交換器11を備える。冷房用熱交換器11は、第2の室内熱交換器である。冷房用熱交換器11は、冷媒流れにおける冷房用減圧器10の下流に配置されている。冷房用熱交換器11は、低温の低圧冷媒と室内に供給される空気とを熱交換させる。
冷媒回路2は、アキュムレータ12を備える。アキュムレータ12は、余剰冷媒を貯留する冷媒タンクとして機能する。アキュムレータ12は、ガス冷媒と液冷媒とを分離し、ガス冷媒を流し出す気液分離器として機能する。アキュムレータ12は、冷媒流れにおける冷房用熱交換器11の下流に配置されている。アキュムレータ12の下流には、圧縮機4が配置されている。アキュムレータ12から流出したガス冷媒は圧縮機4に吸入され、圧縮される。
冷媒回路2は、冷房用熱交換器11をバイパスする通路を提供するバイパス通路13を備える。三方弁9の低圧出口42は、バイパス通路13を経由してアキュムレータ12に連通している。この結果、冷房時には、三方弁9の高圧出口43から流出した冷媒は冷房用減圧器10によって減圧され、冷房用熱交換器11に供給される。冷媒は、冷房用熱交換器11において空気を冷却し、アキュムレータ12に供給される。暖房時には、三方弁9の低圧出口42から流出した冷媒はアキュムレータ12に供給される。
以上に述べたように、この実施形態によると、冷凍サイクル回路とヒートポンプ回路とに切換え可能な冷媒回路2が提供される。冷媒回路2は、冷媒が循環する閉回路に、圧縮機4、暖房用熱交換器5、室外熱交換器8、冷房用熱交換器11が配置された冷媒回路2である。冷媒回路2は、暖房用熱交換器5と室外熱交換器8との間に、室外熱交換器8を放熱器(凝縮器)と吸熱器(蒸発器)とに切換える弁機構である可変絞り6と、冷房用熱交換器11をバイパスするか否かを切換える弁機構である三方弁9とを備える。
空調ユニット3は、車室に向けて空調用の空気を流す空調ダクト21を備える。空調ユニット3は、内外気切換装置22を備える。内外気切換装置22は、空調ダクト21の上流部に設けられている。内外気切換装置22は、室外空気と室内空気とを選択的に空調ダクト21内に導入する。空調ユニット3は、送風機23を備える。送風機23は、空調ダクト21内に車室に向けて流れる空気流を生成する。
空調ダクト21内には、冷房用熱交換器11と暖房用熱交換器5とが配置されている。冷房用熱交換器11は、空気冷却用の熱交換器である。暖房用熱交換器5は、空気加熱用の熱交換器である。冷房用熱交換器11は、空調ダクト21内を流れる空気のすべてと熱交換するように空調ダクト21内を横切って配置されている。暖房用熱交換器5は、空調ダクト21内の流れる空気の一部だけと熱交換するように空調ダクト21内の一部に配置されている。暖房用熱交換器5は、空気流れにおいて冷房用熱交換器11の下流に配置されている。
空調ユニット3は、吹出温度調節手段としてのエアミックスダンパ24を備える。エアミックスダンパ24は、暖房用熱交換器5を通過する空気量と、暖房用熱交換器5を通過することなくパイパスする空気量との比率を調節することにより、室内への吹出空気温度を調節する。
空調装置1は、冷媒回路2と空調ユニット3とを制御するための制御システムを備える。制御システムは、室内の温度を目標温度に調節するためのフィードバック制御手段を提供する。さらに、制御システムは、冷媒回路2を、冷房のための冷凍サイクル回路と、暖房のためのヒートポンプ回路とに切換える切替制御手段を提供する。
制御システムは、暖房用熱交換器5の下流における冷媒圧力を検出するための圧力センサ31を備える。圧力センサ31は、冷媒回路2における高圧冷媒の圧力を検出する高圧圧力検出手段を提供する。制御システムは、室外熱交換器8の下流における冷媒温度を検出するための温度センサ32を備える。温度センサ32は、室外熱交換器8の下流における冷媒温度を検出する温度検出手段を提供する。制御システムは、圧縮機4の吐出部分における冷媒温度を検出する温度センサ33を備える。温度センサ33は、冷媒回路2における高圧冷媒の温度を検出する高圧冷媒温度検出手段を提供する。
制御システムは、空調装置1を制御する制御装置34を備える。制御装置34は、少なくとも電磁弁7、三方弁9、および圧縮機4を制御することにより、冷媒回路2を冷凍サイクル回路とヒートポンプ回路とに切換える。さらに、制御装置34は、少なくとも冷凍サイクル回路からヒートポンプ回路への切換時に、すなわち冷房から暖房への切換時に、均圧制御を実行する。均圧制御は、冷媒回路2における高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差を減少させるための制御である。均圧制御は、冷媒回路2内の高低圧圧力差が所定の目標状態に到達するまで実行することができる。また、均圧制御は、高低圧圧力差が所定の目標状態に到達すると推定される所定の待機時間にわたって実行することができる。
制御装置34は、電子制御装置(Electronic Control Unit)である。制御装置34は、処理装置(CPU)と、プログラムを記憶する記憶媒体としてのメモリとを有する。制御装置34は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを格納している。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクによって提供されうる。プログラムは、制御装置34によって実行されることによって、制御装置34をこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される制御方法を実行するように制御装置34を機能させる。制御装置34が提供する手段は、所定の機能を達成する機能的ブロック、またはモジュールとも呼ぶことができる。
図2において、制御装置34は、冷媒回路2を制御するための制御処理190を実行する。図中には、冷房から暖房への切換えに関連する制御処理が図示されている。制御処理190は、冷房から暖房への切換時に実行される。
制御装置34は、ステップ191において冷房運転制御を実行する。冷房運転制御においては、圧縮機4が駆動される。冷媒は、圧縮機4から暖房用熱交換器5、電磁弁7、室外熱交換器8、三方弁9、高圧出口43、冷房用減圧器10、冷房用熱交換器11、およびアキュムレータ12を経由して流れる。
制御装置34は、ステップ192において均圧制御を実行する。よって、冷房運転の後に、均圧制御が実行される。均圧制御においては、制御装置34は、冷媒回路2内の高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差が所定圧力差を下回るまで、能動的な機器の制御を実行することなく待機する。均圧制御においては、圧縮機4は駆動されない。均圧制御においては、能動的な弁機構、すなわち電磁弁7、および電磁弁を含む三方弁9は駆動制御されない。均圧制御の間に、受動的な弁機構、すなわち後述する差圧弁60およびバイパス弁70は作動する。
制御装置34は、ステップ193において、均圧制御の後に弁機構6、9を開閉制御することにより、冷凍サイクル回路からヒートポンプ回路への切換制御を実行する。切換制御においては、制御装置34は、電磁弁7を開状態から閉状態へ切換えるように駆動する。切換制御においては、制御装置34は、三方弁9を高圧出口43への連通状態から、低圧出口42への連通状態へ切換えるように駆動する。ここでは、制御装置34は、後述する三方弁9内の電磁弁50を閉状態から開状態へ切換えるように駆動する。
ステップ193において弁機構6、9が駆動されても、冷媒回路2内における高低圧冷媒間の圧力差は所定圧力差を下回るように低下している。よって、高低圧間の圧力差が高い状態で弁が開閉されることに起因する不具合が抑制される。例えば、大きい圧力差に起因する異音の発生が抑制される。
制御装置34は、ステップ194において、暖房運転制御を実行する。暖房運転制御においては、圧縮機4が駆動される。冷媒は、圧縮機4から暖房用熱交換器5、暖房用減圧器6b、室外熱交換器8、三方弁9、低圧出口42、バイパス通路13、およびアキュムレータ12を経由して流れる。
図3は、三方弁9の断面を示す。三方弁9は、アルミ製のボディ40を備える。三方弁9は、ボディ40に形成された電磁弁50、差圧弁60、およびバイパス弁70を備える。ボディ40には、ひとつの入口41、および二つの出口42、43が開設されている。ボディ40には、複数の通路部分40a、40b、40cが形成されている。
入口通路40aは、入口41に連通している。入口通路40aは、入口41から真っ直ぐに延びる主通路と、主通路から斜めに延びる延長通路とを含む。入口通路40aは、冷媒回路2が冷凍サイクル回路であるときに高圧が導入される高圧通路40aとも呼ばれる。
低圧出口通路40bは、低圧出口42に連通している。低圧出口通路40bは、低圧出口42から真っ直ぐに延びる主通路と、主通路に対して直角に延びる通路部分とを有する。入口通路40aと低圧出口通路40bとの間を連通または遮断するように、すなわち開閉するように、電磁弁50が設けられている。低圧出口通路40bは、冷媒回路2が冷凍サイクル回路であるときに低圧が導入される低圧通路40bとも呼ばれる。
高圧出口通路40cは、高圧出口43に連通している。高圧出口通路40cは、高圧出口43から真っ直ぐに延びる主通路と、主通路に対して直角に延びる通路部分とを有する。図中には高圧出口43の開口は表れていない。高圧出口通路40cは、冷媒回路2が冷凍サイクル回路であるときに高圧が導入される高圧通路の一部でもある。
入口通路40aと高圧出口通路40cとの間を連通または遮断するように、すなわち開閉するように、差圧弁60が設けられている。バイパス弁70は、入口通路40aと低圧出口通路40bとの間を連通または遮断するように、すなわち開閉するように設けられている。さらに、ボディ40は、後述する電磁弁50の主弁52を駆動するための背圧室40dを提供する。図示の例においては、背圧室40dは、電磁弁50に属する部品によって区画されている。
電磁弁50は、入口通路40aと低圧出口通路40bとの間を連通または遮断する、すなわち開閉する主弁と、この主弁を開閉するための背圧室40dの圧力を調節するための副弁、すなわちパイロット弁とを有する。電磁弁50は、いわゆるパイロット式電磁弁である。電磁弁50は、冷凍サイクル回路を形成するときに閉じることによって高圧通路40aと低圧通路40bとの間を遮断し、ヒートポンプ回路を形成するときに開くことによって高圧通路40aと低圧通路40bとの間を連通する。
電磁弁50は、入口通路40aと低圧出口通路40bとの境界部分に設けられた弁座51を備える。弁座51はボディ40に形成されている。電磁弁50は、弁座51に対して着座、または離座することができる弁体52を備える。弁体52はボディ40に対して移動可能に支持されている。電磁弁50は、弁体52を開弁方向へ付勢するコイルスプリング53を備える。弁座51と弁体52とは、主弁を提供する。
弁体52は、弁座51に着座または、離座することによって入口通路40aと低圧出口通路40bとの間を遮断または連通する弁部分52aを有する。弁体52は、電磁弁50のスリーブ57またはボディ40が提供するシリンダ内に移動可能に位置付けられたピストン部分52bを有する。ピストン部分52bは、シリンダ内面に対して気密状態を維持しながら摺動可能である。この結果、ピストン部分52bの背後には背圧室40dが区画形成される。ピストン部分52bは、シリンダ内室を、入口通路40aに連通する室と、背圧室40dとに区画する。
電磁弁50は、入口通路40aと背圧室40dとを連通する絞り通路52cを有する。絞り通路52cは、弁体52に設けられている。絞り通路52cは、ピストン部分52bを貫通する貫通穴である。
電磁弁50は、背圧室40dと低圧出口通路40bとを連通するドレイン通路52dを有する。ドレイン通路52dは、弁体52に設けられている。ドレイン通路52dは、弁体52の中心軸を貫通する貫通孔である。
電磁弁50は、背圧室40dにおけるドレイン通路52dの開口端に設けられた弁座54を備える。弁座54は、弁体52に形成されている。電磁弁50は、弁座54に対して着座、または離座することができる弁体55を備える。弁体55はボディ40に対して移動可能に支持されている。電磁弁50は、弁体55を閉弁方向へ付勢するコイルスプリング56を備える。弁座54と弁体55とは、副弁を提供する。
電磁弁50は、電磁アクチュエータの固定子としてのスリーブ57を備える。弁体55は、電磁アクチュエータの可動子でもある。スリーブ57は、弁体55を軸方向に移動可能に案内する案内部材でもある。スリーブ57は、ピストン部分52bを軸方向に移動可能に案内する案内部材でもある。電磁弁50は、電磁コイル58を備える。電磁コイル58は、通電されることによりスリーブ57および弁体55を通り、弁体55を吸引する磁束を供給する。
電磁コイル58が励磁されるとき、弁体55はコイルスプリング56に抗して図中の下方へ移動し、弁座54に着座する。これにより背圧室40dは低圧出口通路40bと遮断され、絞り通路52cにより入口通路40aと同じ圧力まで上昇するため低圧出口通路40bとの差圧が増加する。さらに、弁体55は弁体52を押すから、弁体52はコイルスプリング53に抗して図中の下方へ移動し、弁座51に着座する。この結果、入口41と低圧出口42との間が遮断される。
電磁コイル58が非励磁のとき、弁体55はコイルスプリング56の力によって図中の上方へ移動し、弁座54から離座する。この結果、背圧室40dは、低圧出口通路40bに開放される。弁体52は入口通路40aの圧力と背圧室40dとの間の圧力差、およびコイルスプリング53の付勢力によって図中の上方へ移動し、弁座51から離座する。この結果、入口41と低圧出口42との間が連通される。
差圧弁60は、入口通路40aの冷媒圧力と低圧出口通路40bの冷媒圧力との間の差圧に応答して、入口通路40aと高圧出口通路40cとの間を連通または遮断、すなわち開閉する。差圧弁60は、高圧通路40aと低圧通路40bとの間の差圧が所定の下限差圧を上回るときに開くことによって冷凍サイクル回路を形成する。
差圧弁60は、入口通路40aと高圧出口通路40cとの境界部分に設けられた弁座61を備える。弁座61はボディ40に形成されている。差圧弁60は、弁座61に対して着座、または離座することができる弁体62を備える。弁体62はボディ40に対して移動可能に支持されている。弁体62は、ボディ40に形成された円形通路内に軸方向に移動可能に支持されている。弁体62は、弁体62の前後を連通するように弁体62を貫通して延びる連通路62aを有する。差圧弁60は、弁体62を閉弁方向へ付勢するコイルスプリング63を備える。コイルスプリング63は、リテーナ64によって支持されている。リテーナ64は円筒状に形成された部材であって、ボディ40に固定されている。リテーナ64とボディ40との間には、短い円筒状のガイド筒65が設けられている。
差圧弁60は、弁体62に連結されたガイド部材72を有する。弁体62とガイド部材72とは、わずかに揺動可能に連結されている。ガイド部材72は、ガイド筒65内に軸方向に移動可能に支持されている。弁体62とガイド部材72とは、入口通路40aと低圧出口通路40bとの間における冷媒の流通を所定量を下回るように抑制しながら、軸方向に移動可能に支持されている。弁体62とガイド部材72とは、入口通路40aと低圧出口通路40bとの間の差圧に感応して軸方向に移動する差圧感応部を提供する。差圧感応部は、ダイヤフラムを備えていてもよい。
差圧感応部とコイルスプリングとは、高圧通路40aと低圧通路40bとの間の差圧が所定の下限差圧を上回るときに弁体62が図中左方へ移動し差圧弁60が開くように設定されている。下限差圧は、冷凍サイクル回路として運転されるときの高圧通路40aと低圧通路40bとの間の差圧より十分に低く設定されている。下限差圧は、冷凍サイクル回路として運転されるときには差圧弁60が確実に開くように設定されている。
図4および図5を参照して、差圧弁60の作動を説明する。弁体62は、コイルスプリング63によって閉弁方向へ付勢されている。その一方で、弁体62は、入口通路40aの圧力と低圧出口通路40bの圧力との差圧に応答して、軸方向、すなわち図中左右方向へ移動可能である。この結果、差圧弁60は、入口通路40aの圧力と低圧出口通路40bの圧力との差圧に応答して、入口通路40aと高圧出口通路40cとの間を連通または遮断する。以下の説明では、入口通路40aの圧力が低圧出口通路40bの圧力より高いときの差圧を正の差圧とする。
図4に図示されるように、差圧が負である場合、および差圧が正の所定の閾値(下限差圧)を下回る場合には、弁体62は差圧およびコイルスプリング63に押されて図中右方へ移動する。この結果、差圧弁60が閉弁し、入口通路40aと高圧出口通路40cとの間が遮断される。
図5に図示されるように、差圧が正の所定の閾値(下限差圧)を上回る場合、弁体62はコイルスプリング63に抗して図中左方へ移動する。この結果、差圧弁60が開弁し、入口通路40aと高圧出口通路40cとの間が連通される。差圧が正方向へさらに大きくなると、弁体62はスプリング63に抗して図中左方へさらに移動する。やがて、ガイド部材72は後述の弁座71に着座する。このときも、差圧弁60は開弁し、入口通路40aと高圧出口通路40cとの間が連通される。
差圧弁60が入口通路40aと高圧出口通路40cとを連通する間は、冷媒回路2における高圧側の冷媒は、差圧弁60から冷房用減圧器10を経由して冷媒回路2における低圧側に流れる。したがって、均圧制御においては、差圧弁60を経由して流れる冷媒が、冷媒回路2内の均圧に少なくとも部分的に貢献する。冷媒回路2内の均圧が進行し、差圧が減少すると、差圧は上記閾値(下限差圧)の近傍に到達する。
差圧が上記閾値(下限差圧)の近傍にあるとき、特に、差圧が上記閾値(下限差圧)よりわずかに大きいとき、弁体62は弁座61と微小な隙間を介して対向する。この結果、差圧弁60は微小開度になることがある。差圧弁60が微小開度になることによって、冷媒回路2の高圧側から低圧側への冷媒流量が減少し、差圧の減少が抑制される。この結果、差圧弁60は、長期間にわたって微小開度に維持される。また、冷媒回路2内における圧力の脈動に起因して、差圧が脈動すると、差圧弁60の開度は上記微小開度を含む領域で変動する。この場合も、差圧弁60が微小開度となる時間は長い時間となる。
差圧弁60の微小開度を通して冷媒が流れると、このような冷媒流は、望ましくない騒音、例えば笛のような音を生じることがある。このような騒音を抑制するために、冷媒回路2はバイパス弁70を備える。
バイパス弁70は、高圧通路40aと低圧通路40bとの間に設けられている。バイパス弁70は、高圧通路40aと低圧通路40bとの間の差圧が所定の上限差圧を下回るときに開くことによって高圧通路40aと低圧通路40bとの間を連通する。バイパス弁70は、高圧通路40aと低圧通路40bとの間に設けられた弁座71を備える。弁座71は、リテーナ64に設けられ、固定されている。弁座71は、環状の樹脂材料によって提供される。弁座71は、ガイド部材72の環状の端面と接触可能に位置付けられている。バイパス弁70は、差圧に応じて変位し、弁座71に着座することにより高圧通路40aと低圧通路40bとの間を遮断し、弁座71から離座することにより高圧通路40aと低圧通路40bとの間を連通する弁体72を備える。弁体72は、ガイド部材72によって提供されている。弁座71とガイド部材72とは、バイパス弁70を提供する。
バイパス弁70は、差圧弁60と連動するように構成されている。バイパス弁70は、差圧弁60と相補的に開閉するように構成されている。バイパス弁70は、差圧弁60に組み込まれている。バイパス弁70と差圧弁60とが共通の弁体62、72によって形成される。弁体62とガイド部材72とは、差圧に応じて変位する共通弁体とも呼ぶことができる。バイパス弁70のための弁座71は、差圧が大きい時に共通弁体72が到達する位置に形成され高圧通路40aと低圧通路40bとの間に設けられたバイパス弁座71とも呼ぶことができる。差圧弁60のための弁座61は、差圧が小さい時に共通弁体62が到達する位置に形成され冷凍サイクル回路を形成するために高圧通路40aから冷媒を流す高圧弁座61とも呼ぶことができる。バイパス弁座71と高圧弁座61とは、共通弁体62、72の移動方向に関して両端に位置付けられている。共通弁体62、72とバイパス弁座71とによってバイパス弁70が形成される。共通弁体62、72と高圧弁座61とによって差圧弁60が形成される。
差圧弁60は差圧が所定の開弁差圧(下限差圧)を上回るときに開弁する。バイパス弁70は差圧が所定の開弁差圧(上限差圧)を下回るときに開弁する。差圧弁60の開度減少に従って、バイパス弁70の開度が増加する。バイパス弁70の開弁差圧(上限差圧)は、差圧弁60の開弁差圧(下限差圧)以上である。この構成によると、均圧の過程において、差圧弁60が閉じる前に、または差圧弁60が閉じると同時に、バイパス弁70が開く。この結果、均圧のための冷媒流路が確保される。
実施形態では、バイパス弁70の開弁差圧(上限差圧)は、差圧弁60の開弁差圧(下限差圧)より高く設定されている。よって、差圧が徐々に減少してゆく過程において、差圧弁60が完全に閉じる前の差圧においてバイパス弁70は開弁するように設定されている。この結果、バイパス弁70は、差圧弁60に代わる均圧のための冷媒流通経路を、差圧弁60が微小開度にあるときから差圧弁60が閉弁しているときにわたって提供する。
バイパス弁70の開弁差圧(上限差圧)は、冷凍サイクル回路として運転されるときの高圧通路40aと低圧通路40bとの間の差圧より十分に低い。この構成によると、冷凍サイクル回路として運転されるときにバイパス弁70が開くことが阻止される。これにより、冷凍サイクル回路として運転されているときにバイパス弁70を通して冷媒がバイパスすることが回避される。
図4に図示されるように、弁座71とガイド部材72とが離れているとき、入口通路40aと低圧出口通路40bとの間が連通される。図5に図示されるように、弁座71とガイド部材72とが接触するとき、入口通路40aと低圧出口通路40bとの間が遮断される。したがって、差圧弁60が微小開度にあるとき、弁座71とガイド部材72とは軸方向に大きく離れるから、バイパス弁70は比較的大きい開度を提供する。
バイパス弁70は、冷媒回路2内における均圧を促進するための、差圧弁60に代わる冷媒通路を提供する。パイパス弁70は、差圧弁60が微小開度となるような比較的低い差圧の領域において入口通路40aと低圧出口通路40bとの間を連通し、これら両者間における冷媒流を許容する。
冷房運転の間中、および冷媒回路2が冷凍サイクル回路である間中、低圧出口通路40bの下流には冷房用減圧器10が有効に機能しているから入口通路40aの圧力は冷媒回路2における高圧圧力である。一方、低圧出口通路40bの圧力は、アキュムレータ12の入口における圧力、すなわち圧縮機4の吸入側における低圧圧力である。このため、冷房運転の間中、差圧弁60には十分に大きい正の差圧が作用している。冷房運転の間中、差圧弁60が図中右方へ移動するような低い差圧が発生することはほとんどない。言い換えると、バイパス弁70は、通常の冷房運転では生じ難いぐらいに低い差圧において入口通路40aと低圧出口通路40bとの間を連通し、これら両者間における冷媒流を許容する。バイパス弁70は、通常の暖房運転に相当する小さい差圧において入口通路40aと低圧出口通路40bとの間を連通し、これら両者間における冷媒流を許容する。
図6に図示されるように、冷房から暖房への切換時に三方弁9の状態は徐々に変化する。冷房から暖房への切換は、冷媒回路2内の圧力差を減少させる均圧制御と、能動的に通路を開閉する電磁弁7、50を電磁的に駆動する切換制御とによって実行される。均圧制御は切換制御の前に実行され、切換制御は均圧制御の後に実行される。
図7に図示されるように、冷房時における三方弁9は、電磁弁50が閉弁することによって提供される高圧と、低圧出口42に供給される低圧との差圧によって差圧弁60を開弁させている。この結果、凝縮器として機能する室外熱交換器8から供給される液冷媒は冷房用減圧器10に供給される。
図6に戻り、均圧制御の間中、電磁弁50は閉弁状態に維持される。電磁弁50が閉弁状態に維持されていても、冷媒回路2内の圧力差は均圧してゆく。均圧制御の間に、差圧弁60の開度は徐々に減少し、微小開度となった後に、完全に閉弁する。均圧制御の間に、バイパス弁70は、差圧弁60とは逆の開度変化を提供する。バイパス弁70の開度は、均圧制御の開始の後に徐々に増加し、全開状態に到達する。
図8に図示されるように、均圧時における三方弁9は、電磁弁50が閉弁状態に維持される。均圧制御の間に、差圧弁60が開状態から閉状態へ移行する。これとは反対に、均圧制御の間に、バイパス弁70が閉状態から開状態へ移行する。差圧弁60がわずかでも閉弁方向へ移動を開始すると、バイパス弁70が開く。差圧弁60が微小開度になるときには、バイパス弁70はほぼ最大の開度を提供している。よって、入口41に供給される高圧側の冷媒は、バイパス弁70を経由して、低圧出口42、すなわち冷媒回路2の低圧側へ流れることができる。よって、バイパス弁70は、差圧弁60に代わる均圧のための冷媒通路を提供する。
図6に戻り、切換制御においては、電磁弁50が閉弁状態から開弁状態へ駆動される。このとき、電磁弁50は、まず弁体55を駆動することにより副弁を開く。これにより、背圧室40dの圧力が低圧である低圧出口通路40bに解放される。この結果、弁体52が駆動され、主弁が開かれる。切換制御が開始されるときには、冷媒回路2内の差圧はほぼ解消されている。このため、主弁が開かれても急激な冷媒の流れは発生しない。よって、主弁を流れる冷媒に起因する騒音が抑制される。また、圧縮機4を起動するときの起動トルクが抑制される。
図9に図示されるように、暖房時における三方弁9は、電磁弁50が開弁することによって差圧弁60に作用する差圧がほぼ消失する。このため、差圧弁60は閉弁する。同時に、バイパス弁70は開弁する。この結果、吸熱器として機能する室外熱交換器8から供給されるガス冷媒はバイパス通路13を経由してアキュムレータ12に供給される。
この実施形態によると、冷媒回路2が冷凍サイクル回路として運転された後に、高圧通路40aと低圧通路40bとの間の差圧が所定の上限差圧を下回るとバイパス弁が開く。これによって高圧通路40aと低圧通路40bとの間が連通されるから、冷凍サイクル回路として運転された後に、冷媒回路2内の均圧が促進される。特に、差圧が低くなった後に開くバイパス弁70によって、差圧が低下した後の均圧が促進される。これにより、均圧の過程における圧力差の減少を促進することができる。
差圧弁60は、高圧通路40aと低圧通路40bとの間の差圧が下限差圧を上回るときに開く。この構成では、冷媒回路2が均圧される過程において、差圧の低下によって差圧弁60が開弁状態から閉弁状態へ移行し、均圧のための冷媒流路の少なくとも一部が閉じられる。しかし、差圧が低下するとバイパス弁70が開くから、均圧のための冷媒流路が提供される。よって、均圧の過程における圧力差の減少を促進することができ、均圧の過程において差圧弁60が迅速に閉弁することができる。
電磁弁50は、入口41と低圧出口42との間を遮断、または連通する。低圧出口42は低圧通路40bに連通している。よって、電磁弁50が遮断しているとき、均圧が進展し差圧が下限差圧を下回るとバイパス弁70は開く。また、電磁弁50が連通しているときには差圧が小さいから、バイパス弁70は開いている。
冷媒回路切換装置は、高圧通路40aと低圧通路40bとを有する三方弁9として構成される。三方弁9は少なくともバイパス弁70を収容することができる。三方弁9は、電磁弁50および差圧弁60を備えることができる。三方弁9は、冷媒回路2の室外熱交換器8から冷媒を受け入れるために設けられた入口41を備える。入口41は、入口通路40a、すなわち高圧通路に連通する。三方弁9は、冷媒回路2の減圧器10を経由して室内熱交換器11に冷媒を供給するために設けられた高圧出口43を備える。高圧出口43は、高圧通路40cに連通する。三方弁9は、入口41に受け入れた冷媒を室内熱交換器11をバイパスして圧縮機4に供給するために設けられた低圧出口42を備える。低圧出口42は、出口通路40b、すなわち低圧通路に連通する。
(第2実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、バイパス弁70は差圧弁60と連動するように構成した。これに代えて、バイパス弁70は、差圧弁60から独立して入口通路40aと低圧出口通路40bとの間の差圧に応答して開閉するように構成することができる。
図10に図示されるように、発明の第2実施形態に係る三方弁9は、差圧弁60から独立したバイパス弁270を有する。バイパス弁270は、ボディ40に配置されている。バイパス弁270は、入口通路40aの圧力と低圧出口通路40bとの間の差圧に応答して開閉する差圧弁でもある。
ボディ40は、入口通路40aと低圧出口通路40bとの間に形成され、入口通路40aと低圧出口通路40bとを連通する連通通路40eを有する。バイパス弁270は、この連通通路40eを開閉するように配置されている。バイパス弁270は、連通通路40e内に配置された弁座271を備える。バイパス弁270は、連通通路40e内に収容され、弁座271に着座、離座可能な弁体272を備える。弁体272は、弁座271によって提供される弁開口を開閉可能な円柱部分を有する。弁体272は、連通通路40eの内面と接触し、弁体272を軸方向に移動可能に案内する傘部分を有する。弁体272には、入口通路40aの冷媒を導入する絞り通路272aが形成されている。絞り通路272aは、傘部分を貫通するように設けられている。
図11、図12、図13は、それぞれ、図7、図8、図9に相当する制御状態における三方弁9の状態を図示している。図示されるように、バイパス弁270は、差圧弁60から独立した差圧弁である。
入口通路40aの圧力と低圧出口通路40bの圧力との間の差圧が所定の閾値を上回っているとき、絞り通路272aは弁体272の前後に十分な差圧を発生させるように流量を制限する。弁体272にはコイルスプリング273に抗して弁体272を図中下方へ移動させることができる差圧が作用する。この結果、弁体272は弁座271に着座し、入口通路40aと低圧出口通路40bとの間を遮断する。
入口通路40aの圧力と低圧出口通路40bの圧力との間の差圧が所定の閾値を下回ると、弁体272はコイルスプリング273によって押されて図中上方へ移動する。この結果、弁体272は弁座271から離座し、入口通路40aと低圧出口通路40bとの間を連通する。
バイパス弁270は差圧が所定の開弁差圧を下回るときに開弁する。差圧弁60は差圧が所定の開弁差圧を上回るときに開弁する。バイパス弁270の開弁差圧は、差圧弁60の開弁差圧より高く設定されている。よって、差圧が徐々に減少してゆく過程において、差圧弁60が完全に閉じる前の差圧においてバイパス弁270は開弁するように設定されている。この結果、バイパス弁270は、差圧弁60に代わる均圧のための冷媒流通経路を、差圧弁60が微小開度にあるときから差圧弁60が閉弁しているときにわたって提供する。
(第3実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、バイパス弁70、270は、差圧弁60に付属して、または差圧弁60から独立して構成されている。この実施形態では、バイパス弁370は、弁体52に配置される。
図14に図示されるように、電磁弁50の弁体52にはバイパス弁370が配置されている。バイパス弁370は、弁体52に形成され、ドレイン通路52dと入口通路40aとを連通する連通通路371を備える。連通通路371は、弁体52を径方向に貫通するように形成されている。連通通路371の径方向外側の端部は、弁座を提供する。弁体52の入口通路40aに面する表面には、リード弁372が設けられている。リード弁372はピン373によって弁体52に固定されている。リード弁372の可動部分は連通通路371の入口通路40a側の開口を覆うことができるように配置されている。
リード弁372は弾性材料によって形成されており、自らの弾性によって初期形状に復元することができる。リード弁372は、図示されるように連通通路371を開放する形状を初期形状としている。リード弁372は、入口通路40aと低圧出口通路40b、すなわち連通通路371内との間の差圧を受けて連通通路371を閉塞する形状に変形する。リード弁372は、冷媒圧力の影響を受けないときに図示の初期形状に復帰する。
入口通路40aの圧力と低圧出口通路40b、すなわちドレイン通路52dの圧力との間の差圧が所定の閾値を上回っているとき、リード弁372は自らの弾力性に抗して連通通路371を閉じる。この結果、リード弁372は、入口通路40aと低圧出口通路40bとの間を遮断する。
入口通路40aの圧力と低圧出口通路40bの圧力との間の差圧が所定の閾値を下回ると、リード弁372は自らの弾性によって初期形状へ復帰する。この結果、リード弁372は入口通路40aと低圧出口通路40bとの間を連通する。
差圧弁60は差圧が所定の開弁差圧を上回るときに開弁する。バイパス弁370は差圧が所定の開弁差圧を下回るときに開弁する。バイパス弁370の開弁差圧は、差圧弁60の開弁差圧より高く設定されている。よって、差圧が徐々に減少してゆく過程において、差圧弁60が完全に閉じる前の差圧においてバイパス弁370は開弁するように設定されている。この結果、バイパス弁370は、差圧弁60に代わる均圧のための冷媒流通経路を、差圧弁60が微小開度にあるときから差圧弁60が閉弁しているときにわたって提供する。
(他の実施形態)
以上、発明の好ましい実施形態について説明したが、発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、発明の技術的範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、それぞれ独立して実施可能である。発明のいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
例えば、可変絞り6に代えて、電磁式の膨張弁を採用することができる。電磁式の膨張弁は、電磁式のアクチュエータによって、通路の開度を調節することができる。電磁式の膨張弁は、暖房用減圧器6bとしての機能を提供する絞り開度状態と、電磁弁7の開状態に相当する機能を提供する全開状態とを提供可能である。
また、三方弁9を構成する構成部品は、図3、図10、図14に具体的に図示された配置および形状に限定されるものではない。例えば、図7−図9、図11―図13のような流体回路図として表すことができる種々の配置および形状の構成部品を採用することができる。また、冷媒回路切換装置は、三方弁9として構成される形態に限定されるものではない。例えば、電磁弁50のユニットと、差圧弁60のユニットと、バイパス弁270のユニットとに分離可能な形態をとることができる。
また、制御装置が提供する手段と機能は、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置をアナログ回路によって構成してもよい。
1 空調装置、2 冷媒回路、3 空調ユニット、4 圧縮機、
5 暖房用熱交換器、6 可変絞り、6b 暖房用減圧器、7 電磁弁、
8 室外熱交換器、9 三方弁、10 冷房用減圧器、11 冷房用熱交換器、
12 アキュムレータ、13 バイパス通路、34 制御装置、
40 ボディ、40a 高圧通路(入口通路)、
40b 低圧通路(低圧出口通路)、40c 高圧出口通路、
50 電磁弁、
60 差圧弁、
70、270、370 バイパス弁。

Claims (9)

  1. 冷凍サイクル回路とヒートポンプ回路とに切換え可能な冷媒回路(2)に用いられる冷媒回路切換装置において、
    前記冷凍サイクル回路であるときに高圧が導入される高圧通路(40a)と前記冷凍サイクル回路であるときに低圧が導入される低圧通路(40b)との間に設けられ、前記高圧通路と前記低圧通路との間の差圧が所定の上限差圧を下回るときに開くことによって前記高圧通路と前記低圧通路との間を連通するバイパス弁(70、270、370)を備えることを特徴とする冷媒回路切換装置。
  2. さらに、前記高圧通路と前記低圧通路との間の差圧が所定の下限差圧を上回るときに開くことによって前記冷凍サイクル回路を形成する差圧弁(60)を備えることを特徴とする請求項1に記載の冷媒回路切換装置。
  3. 前記バイパス弁の前記上限差圧は、前記差圧弁の前記下限差圧以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷媒回路切換装置に記載の冷媒回路切換装置。
  4. さらに、前記冷凍サイクル回路を形成するときに閉じることによって前記高圧通路(40a)と前記低圧通路(40b)との間を遮断し、前記ヒートポンプ回路を形成するときに開くことによって前記高圧通路(40a)と前記低圧通路(40b)との間を連通する電磁弁(50)を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の冷媒回路切換装置。
  5. 前記冷媒回路の室外熱交換器(8)から冷媒を受け入れるために設けられ、前記高圧通路に連通する入口(41)と、
    前記冷媒回路の減圧器(10)を経由して室内熱交換器(11)に冷媒を供給するために設けられた高圧出口(43)と、
    前記入口に受け入れた冷媒を前記室内熱交換器(11)をバイパスして圧縮機(4)に供給するために設けられ、前記低圧通路に連通する低圧出口(42)とを備える三方弁(9)として構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の冷媒回路切換装置。
  6. 前記バイパス弁(70)は、
    前記高圧通路(40a)と前記低圧通路(40b)との間に設けられた弁座(71、271、371)と、
    前記差圧に応じて変位し、前記弁座に着座することにより前記高圧通路と前記低圧通路との間を遮断し、前記弁座から離座することにより前記高圧通路と前記低圧通路との間を連通する弁体(62、72、272、372)とを備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の冷媒回路切換装置。
  7. 前記差圧に応じて変位する弁体(62、72)と、
    前記差圧が大きい時に前記弁体が到達する位置に形成され前記高圧通路(40a)と前記低圧通路(40b)との間に設けられたバイパス弁座(71)と、
    前記差圧が小さい時に前記弁体が到達する位置に形成され前記冷凍サイクル回路を形成するために前記高圧通路(40a)から冷媒を流す高圧弁座(61)とを備え、
    前記弁体と前記バイパス弁座とによって前記バイパス弁(70)が形成され、
    前記弁体と前記高圧弁座とによって前記差圧弁(60)が形成されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の冷媒回路切換装置。
  8. 前記バイパス弁の前記上限差圧は、前記冷凍サイクル回路として運転されるときの前記高圧通路と前記低圧通路との間の差圧より低いことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の冷媒回路切換装置。
  9. 前記バイパス弁の前記上限差圧は、前記差圧弁の前記下限差圧より高いことを特徴とする請求項3に記載の冷媒回路切換装置。
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