JP2014134262A - 動力伝達機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転伝達の安定性および円滑性が向上し、良好な伝達効率を達成し、かつ振動および騒音の低減化に資する動力伝達機構1を提供する。
【解決手段】二個の第1ピンピニオン3は、互いに1/2ピッチずつ位置ずれした状態で二層に重ね合わされた第1重合歯車4を構成する。二個の第2平歯車6は、互いに1/2ピッチずつ位置ずれした状態で二層に重ね合わされた第2重合歯車5を構成する。第1重合歯車4と第2重合歯車5との間で回転力を伝達する際、第1ピンピニオン3と第2平歯車6とが成す全体の回転伝達点が、各層で一箇所ずつの二箇所となり、回転伝達の安定性および円滑性が向上し、良好な伝達効率を達成し、かつ振動および騒音の低減化が可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】二個の第1ピンピニオン3は、互いに1/2ピッチずつ位置ずれした状態で二層に重ね合わされた第1重合歯車4を構成する。二個の第2平歯車6は、互いに1/2ピッチずつ位置ずれした状態で二層に重ね合わされた第2重合歯車5を構成する。第1重合歯車4と第2重合歯車5との間で回転力を伝達する際、第1ピンピニオン3と第2平歯車6とが成す全体の回転伝達点が、各層で一箇所ずつの二箇所となり、回転伝達の安定性および円滑性が向上し、良好な伝達効率を達成し、かつ振動および騒音の低減化が可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、歯車同士が噛み合って回転を伝達する動力伝達機構に係り、とりわけ複数個の歯車同士を基準円に沿って所定のピッチずつ位置ずれさせた状態で重ね合わせた構造の動力伝達機構に関する。
ラックとピニオンとを組合せた作動機構は、「回転運動と直線運動の変換装置」として知られたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の変換装置は、二個のローラ保持部材の間に複数のピンを設けたローラピニオンを構成している。
ローラピニオンのピンは、ラックに噛合し、ローラピニオンの回転に伴ってローラピニオンがラックに沿って長手方向に往復移動する。
ピンとラックの噛み合わせにより、低騒音かつ低振動で、伝達抵抗が小さく、がたつきが発生せず、剛性の高いラック・ピニオン機構を実現している。
この種の変換装置では、ラック・ピニオン機構を工作機械、精密装置、ロボットの走行、ストッカー搬送や洗浄ライン搬送などに組込むことにより生産能率を高めて生産性の向上を図っている。
ローラピニオンのピンは、ラックに噛合し、ローラピニオンの回転に伴ってローラピニオンがラックに沿って長手方向に往復移動する。
ピンとラックの噛み合わせにより、低騒音かつ低振動で、伝達抵抗が小さく、がたつきが発生せず、剛性の高いラック・ピニオン機構を実現している。
この種の変換装置では、ラック・ピニオン機構を工作機械、精密装置、ロボットの走行、ストッカー搬送や洗浄ライン搬送などに組込むことにより生産能率を高めて生産性の向上を図っている。
特許文献2に開示された歯車は、2枚の歯車板と該2枚の歯車板の間に挟着された弾性材製の制振材とから成る3層構造を有している。2枚の歯車板は、互いの歯面を円周方向に沿って所定距離ずらした非同一位相で取り付けられ、制振材はシリコーンゴムやブチルゴムなどのように良好な減衰特性を有する弾性材料から成っている。
3層構造の歯車板が相手側の歯車に噛み合って回転伝達が行われると、2枚の歯車板が制振材を介して相対的に位置ずれすることにより、歯車板に生じるバックラッシュを除去している。
3層構造の歯車板が相手側の歯車に噛み合って回転伝達が行われると、2枚の歯車板が制振材を介して相対的に位置ずれすることにより、歯車板に生じるバックラッシュを除去している。
特許文献3に開示されたバックラッシュ除去機構は、一対の重畳歯車を構成し、重畳歯車の一方の歯車と他方の歯車との間に捩りコイルばねを設けている。捩りコイルばねの復元力により、一方の歯車と他方の歯車とが互いに歯厚方向に沿って離反するように付勢されている。重畳歯車が相手側の歯車に噛み合って回転伝達が行われると、一方の歯車と他方の歯車とが円周方向へ相対的に変位することにより、歯車に生じるバックラッシュを消去するようにしている。
特許文献1では、図5(a)に示すように、一方のピンピニオン50から相手側の歯車51への回転伝達時、ピンピニオン50の基準円P1と歯車51の基準円P2とが点P3で接触して接線P4を形成する。すなわち、回転伝達時にあっては、点P3でピン50aおよび歯面51aに対する法線P5と接線P4とが成す圧力角αでピンピニオン50の回転力が歯車51に伝達される。
特許文献2、3では、図5(b)に示すように、歯車52から相手側の歯車53への回転伝達時、歯車52の基準円P6と歯車53の基準円P7とが点P8で接触して接線P9を形成する。すなわち、回転伝達時に、点P8で歯車52の歯面52aおよび歯車53の歯面53aに対する法線P10と接線P9とが成す圧力角βで歯車52の回転力が歯車53に伝達される。
特許文献1では、歯車51に対してピンピニオン50の回転力が所定の圧力角αで点P3の一箇所において伝達され、特許文献2、3では歯車53に対して歯車52の回転力が所定の圧力角βで点P8の一箇所において伝達される。
特許文献1〜3のいずれでも、歯車同士が同時に噛み合う回転伝達点が一箇所であるため、伝達の安定性および円滑性に改善の余地があり、また良好な伝達効率を達成し、かつ低振動および低騒音を実現するうえで工夫の余地を残していた。
特許文献1〜3のいずれでも、歯車同士が同時に噛み合う回転伝達点が一箇所であるため、伝達の安定性および円滑性に改善の余地があり、また良好な伝達効率を達成し、かつ低振動および低騒音を実現するうえで工夫の余地を残していた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、第1重合歯車を複数個の第1歯車から構成し、第2重合歯車を複数個の第2歯車から構成し、第1重合歯車と第2重合歯車との間で回転力を伝達する際、第1重合歯車と第2重合歯車とが同時に噛み合う回転伝達点を複数箇所とすることにより、回転伝達の安定性および円滑性が向上し、良好な伝達効率を達成し、かつ振動および騒音の低減化が可能となる動力伝達機構を提供することにある。
(請求項1について)
第1重合歯車では、互いに同一で複数個の第1歯車を相互に複数分の1ピッチずつ基準円に沿って位置ずれさせた状態で複数層に重ね合わせて固定状態に形成されている。
第2重合歯車では、互いに同一で複数個の第2歯車を相互に複数分の1ピッチずつ基準円に沿って位置ずれさせた状態で複数層に重ね合わせて固定状態に形成されている。第1重合歯車の複数個の第1歯車と第2重合歯車の複数個の第2歯車とが互いに対応する位置で噛合するように構成している。
第1重合歯車では、互いに同一で複数個の第1歯車を相互に複数分の1ピッチずつ基準円に沿って位置ずれさせた状態で複数層に重ね合わせて固定状態に形成されている。
第2重合歯車では、互いに同一で複数個の第2歯車を相互に複数分の1ピッチずつ基準円に沿って位置ずれさせた状態で複数層に重ね合わせて固定状態に形成されている。第1重合歯車の複数個の第1歯車と第2重合歯車の複数個の第2歯車とが互いに対応する位置で噛合するように構成している。
請求項1では、複数個の第1歯車は、互いに複数分の1ピッチずつ位置ずれした状態で重ね合わされており、複数個の第2歯車は、互いに複数分の1ピッチずつ位置ずれした状態で重ね合わされている。
第1重合歯車と第2重合歯車とを噛合させた時、互いに対応して噛み合う一層の第1歯車と第2歯車とが成す圧力角が一箇所であっても、一層を成す第1歯車および第2歯車が複数層にわたっているため、第1重合歯車と第2重合歯車とが成す圧力角は全体で複数箇所に存する。
すなわち、複数個の第1歯車と複数個の第2歯車とは、これら複数の歯面において複数箇所で同時に所定の圧力角を成し、第1重合歯車と第2重合歯車との間で回転伝達が行われる。これにより、第1重合歯車と第2重合歯車との間で回転力を伝達する際、相互の歯車の回転伝達点が複数箇所となり、回転伝達の安定性および円滑性が向上し、良好な伝達効率を達成し、かつ振動および騒音の低減化が可能となる。
しかも、新たな別部材を付加することなく、複数個の第1歯車を基準円に沿って位置ずれさせて重ね合わせ、かつ複数個の第2歯車を基準円に沿って位置ずれさせて重ね合わせるといった簡素な構造となり、動力伝達機構のコンパクト化を達成できる上に、コスト的にも有利となる。
第1重合歯車と第2重合歯車とを噛合させた時、互いに対応して噛み合う一層の第1歯車と第2歯車とが成す圧力角が一箇所であっても、一層を成す第1歯車および第2歯車が複数層にわたっているため、第1重合歯車と第2重合歯車とが成す圧力角は全体で複数箇所に存する。
すなわち、複数個の第1歯車と複数個の第2歯車とは、これら複数の歯面において複数箇所で同時に所定の圧力角を成し、第1重合歯車と第2重合歯車との間で回転伝達が行われる。これにより、第1重合歯車と第2重合歯車との間で回転力を伝達する際、相互の歯車の回転伝達点が複数箇所となり、回転伝達の安定性および円滑性が向上し、良好な伝達効率を達成し、かつ振動および騒音の低減化が可能となる。
しかも、新たな別部材を付加することなく、複数個の第1歯車を基準円に沿って位置ずれさせて重ね合わせ、かつ複数個の第2歯車を基準円に沿って位置ずれさせて重ね合わせるといった簡素な構造となり、動力伝達機構のコンパクト化を達成できる上に、コスト的にも有利となる。
(請求項2について)
複数個の第1歯車は、二個で1/2ピッチだけ位置ずれし、複数個の第2歯車も二個で1/2ピッチだけ位置ずれしている。
このため、請求項1と同様に、第1歯車(第1重合歯車)と第2歯車(第2重合歯車)との間の回転伝達点は二箇所となり、回転伝達の安定性および円滑性が向上し、良好な伝達効率を達成し、かつ低振動および低騒音を実現することができる。
複数個の第1歯車は、二個で1/2ピッチだけ位置ずれし、複数個の第2歯車も二個で1/2ピッチだけ位置ずれしている。
このため、請求項1と同様に、第1歯車(第1重合歯車)と第2歯車(第2重合歯車)との間の回転伝達点は二箇所となり、回転伝達の安定性および円滑性が向上し、良好な伝達効率を達成し、かつ低振動および低騒音を実現することができる。
(請求項3について)
複数個の第1歯車は、三個で1/3ピッチずつ位置ずれし、複数個の第2歯車も三個で1/3ピッチずつ位置ずれしている。
このため、第1歯車(第1重合歯車)と第2歯車(第2重合歯車)との間の回転伝達点は三箇所となり、回転伝達の安定性および円滑性が向上し、良好な伝達効率を達成し、かつ低振動および低騒音を実現することができる。
複数個の第1歯車は、三個で1/3ピッチずつ位置ずれし、複数個の第2歯車も三個で1/3ピッチずつ位置ずれしている。
このため、第1歯車(第1重合歯車)と第2歯車(第2重合歯車)との間の回転伝達点は三箇所となり、回転伝達の安定性および円滑性が向上し、良好な伝達効率を達成し、かつ低振動および低騒音を実現することができる。
(請求項4について)
第1歯車は、二個の円盤の間に複数のピンを円周方向に沿って立設して成るピンピニオンであり、第2歯車は平歯車である。
この場合、ピンピニオンと平歯車との間の回転伝達となり、ラック・ピニオン機構への使用に好適である。
第1歯車は、二個の円盤の間に複数のピンを円周方向に沿って立設して成るピンピニオンであり、第2歯車は平歯車である。
この場合、ピンピニオンと平歯車との間の回転伝達となり、ラック・ピニオン機構への使用に好適である。
(請求項5について)
第1歯車は、二個の円盤の間に複数のピンを円周方向に沿って立設して成るピンピニオンであり、第2歯車は、上面に多数の歯部を並列させたラックである。
この場合、ピンピニオンとラックとの間の動力伝達が円滑になり、良好な伝達効率で振動および騒音の低減化に資することができる。
第1歯車は、二個の円盤の間に複数のピンを円周方向に沿って立設して成るピンピニオンであり、第2歯車は、上面に多数の歯部を並列させたラックである。
この場合、ピンピニオンとラックとの間の動力伝達が円滑になり、良好な伝達効率で振動および騒音の低減化に資することができる。
(請求項6について)
第1重合歯車および第2重合歯車は、割出テーブルを間欠的に回転駆動させるインデックス装置に内設されている。
この場合、インデックス装置の間欠回転運動が円滑になり、良好な伝達効率で振動および騒音の低減化に資することができる。
第1重合歯車および第2重合歯車は、割出テーブルを間欠的に回転駆動させるインデックス装置に内設されている。
この場合、インデックス装置の間欠回転運動が円滑になり、良好な伝達効率で振動および騒音の低減化に資することができる。
本発明の動力伝達機構では、第1歯車と第2歯車との間で回転力を伝達する際、相互の歯車の回転伝達点が複数箇所となり、回転伝達の安定性および円滑性が向上する技術的特徴を有する。
〔実施例1の構成〕
図1および図2に基づいて本発明の実施例1を説明する。以後の説明では、特に断らない限り、各部材の位置および方向の特定は、各実施例を通して対応する図面の左右および上下方向に従う。
実施例1の動力伝達機構1は、図1に示すように、外殻をケーシング2aとするインデックス装置2に組み込まれている。かかる動力伝達機構1において、第1重合歯車4は、例えば二個の第1歯車として第1ピンピニオン3を上下二層に重ね合わせて一体的に固定することにより構成されている。第1ピンピニオン3同士は、互いに固定されているため、相互に周方向に移動することなく不動状態になっている。
図1および図2に基づいて本発明の実施例1を説明する。以後の説明では、特に断らない限り、各部材の位置および方向の特定は、各実施例を通して対応する図面の左右および上下方向に従う。
実施例1の動力伝達機構1は、図1に示すように、外殻をケーシング2aとするインデックス装置2に組み込まれている。かかる動力伝達機構1において、第1重合歯車4は、例えば二個の第1歯車として第1ピンピニオン3を上下二層に重ね合わせて一体的に固定することにより構成されている。第1ピンピニオン3同士は、互いに固定されているため、相互に周方向に移動することなく不動状態になっている。
第1ピンピニオン3は、二個の円盤3b、3cの間に、例えば10本のピン3aを歯面として円周方向に立設し、ニードルベアリング3eを介して回転可能に支持している。
上層の第1ピンピニオン3のピン3aと下層の第1ピンピニオン3のピン3aとは、図2に符号R1で示すように、例えば1/2ピッチ(半ピッチ)だけ基準円T1に沿って位置ずれしている。
上層の第1ピンピニオン3のピン3aと下層の第1ピンピニオン3のピン3aとは、図2に符号R1で示すように、例えば1/2ピッチ(半ピッチ)だけ基準円T1に沿って位置ずれしている。
第2重合歯車5は、例えば二個の第2歯車として第2平歯車6を上下二層に重ね合わせて一体的に固定することにより構成されている。第2平歯車6同士は、互いに固定されているため、相互に移動することなく不動状態になっている。
第2平歯車6は、外周部にトロコイド曲線系のプロフィールに沿って形成した歯面6aを有している。上層の第2平歯車6の歯面6aと下層の第2平歯車6の歯面6aとは、図2に符号R2で示すように、例えば1/2ピッチ(半ピッチ)だけ基準円T2に沿って位置ずれしている。
第2平歯車6は、外周部にトロコイド曲線系のプロフィールに沿って形成した歯面6aを有している。上層の第2平歯車6の歯面6aと下層の第2平歯車6の歯面6aとは、図2に符号R2で示すように、例えば1/2ピッチ(半ピッチ)だけ基準円T2に沿って位置ずれしている。
上層の第1ピンピニオン3は、ピン3aを上層の第2平歯車6の歯面6aに噛合させるとともに、下層の第1ピンピニオン3は、ピン3aを下層の第2平歯車6の歯面6aに噛合させることにより、第1重合歯車4と第2重合歯車5とを動力伝達可能に噛み合わせている。すなわち、二個の第1ピンピニオン3と二個の第2平歯車6とは、二層構造体として互いに対応する位置で噛合するように構成されている。
第1ピンピニオン3から第2平歯車6への回転伝達時、第1ピンピニオン3の基準円T1と第2平歯車6の基準円T2とが点T3で外接状態に接触して接線T4を形成する(図2参照)。
すなわち、第1ピンピニオン3と第2平歯車6との回転伝達時にあっては、点T3で第1ピンピニオン3および第2平歯面6が成す接触面T5を形成する。接触面T5に対する法線T6と接線T4とが成す圧力角θで第1ピンピニオン3の回転力が第2平歯車6に伝達される。
すなわち、第1ピンピニオン3と第2平歯車6との回転伝達時にあっては、点T3で第1ピンピニオン3および第2平歯面6が成す接触面T5を形成する。接触面T5に対する法線T6と接線T4とが成す圧力角θで第1ピンピニオン3の回転力が第2平歯車6に伝達される。
インデックス装置2の使用時、第1重合歯車4は、図1に示すように、駆動軸7を介して制御用モータ(図示せず)により間欠的に回転駆動され、第1重合歯車4の回転力は第2重合歯車5に伝達され、回転軸8を介して割出テーブル9を所定の角度ずつ間欠的に回転するようになっている。
〔実施例1の効果〕
実施例1では、二個の第1ピンピニオン3は、互いに1/2ピッチだけ位置ずれした状態で重ね合わされた二層構造体として固定され、二個の第2平歯車6は、互いに1/2ピッチだけ位置ずれした状態で重ね合わされた二層構造体として固定されている。
第1重合歯車4と第2重合歯車5とを噛合させた時、互いに噛み合う一層の第1ピンピニオン3と第2平歯車6とが成す圧力角θが一箇所であっても、これら第1ピンピニオン3と第2平歯車6が上下に二層あるため、第1重合歯車4と第2重合歯車5とが同時に成す圧力角θは全体で二箇所に存する。
実施例1では、二個の第1ピンピニオン3は、互いに1/2ピッチだけ位置ずれした状態で重ね合わされた二層構造体として固定され、二個の第2平歯車6は、互いに1/2ピッチだけ位置ずれした状態で重ね合わされた二層構造体として固定されている。
第1重合歯車4と第2重合歯車5とを噛合させた時、互いに噛み合う一層の第1ピンピニオン3と第2平歯車6とが成す圧力角θが一箇所であっても、これら第1ピンピニオン3と第2平歯車6が上下に二層あるため、第1重合歯車4と第2重合歯車5とが同時に成す圧力角θは全体で二箇所に存する。
すなわち、二個の第1ピンピニオン3と二個の第2平歯車6とは、これらの歯面3a、6aにおいて二箇所で同時に所定の圧力角θを成し、第1重合歯車4と第2重合歯車5との間で回転伝達が行われる。
これにより、第1重合歯車4と第2重合歯車5との間で回転力を伝達する際、相互の歯車4、5の回転伝達点Tpが二箇所となり、回転伝達の安定性および円滑性が向上し、良好な伝達効率を達成し、かつ振動および騒音の低減化が可能となる。
これにより、第1重合歯車4と第2重合歯車5との間で回転力を伝達する際、相互の歯車4、5の回転伝達点Tpが二箇所となり、回転伝達の安定性および円滑性が向上し、良好な伝達効率を達成し、かつ振動および騒音の低減化が可能となる。
しかも、新たな別部材を付加することなく、二個の第1ピンピニオン3を基準円T1に沿って位置ずれさせた状態で重ね合わせ、かつ二個の第2平歯車6を基準円T2に沿って位置ずれさせた状態で重ね合わせるといった簡素な構造となり、動力伝達機構1のコンパクト化を達成できる上に、コスト的にも有利となる。
実施例1では、互いに対応する一層の第1ピンピニオン3と第2平歯車6との回転伝達点Tpとしての噛み合いが一箇所である場合に適用した。互いに対応する一層の第1ピンピニオン3と第2平歯車6との噛み合いが二箇所の場合は、全体の回転伝達点Tpは、両者の噛み合い箇所の数(二箇所)と両者を重ね合わせた個数である二個との積だけの値となる。
なお、第1ピンピニオン3および第2平歯車6は二個ずつに限らず、三個、四個など複数個だけ複数層に重ね合わせてもよい。
この場合、第1ピンピニオン3は互いに複数分の1ピッチずつ位置ずれした状態で複数層に固定され、第2平歯車6は互いに複数分の1ピッチずつ位置ずれした状態で複数層に固定されている。このため、全体の回転伝達点Tpは、互いに対応する第1ピンピニオン3と第2平歯車6との噛み合い箇所の数と両者を重ね合わせた個数である複数個との積だけの値に相当する。
この場合、第1ピンピニオン3は互いに複数分の1ピッチずつ位置ずれした状態で複数層に固定され、第2平歯車6は互いに複数分の1ピッチずつ位置ずれした状態で複数層に固定されている。このため、全体の回転伝達点Tpは、互いに対応する第1ピンピニオン3と第2平歯車6との噛み合い箇所の数と両者を重ね合わせた個数である複数個との積だけの値に相当する。
〔実施例2の構成〕
図3は本発明の実施例2を示す。実施例2が実施例1と異なるところは、二個の第1ピンピニオン3および二個の第2平歯車6に代わって、三個の第1ピンピニオン3および三個の第2平歯車6を適用したことである。
図3は本発明の実施例2を示す。実施例2が実施例1と異なるところは、二個の第1ピンピニオン3および二個の第2平歯車6に代わって、三個の第1ピンピニオン3および三個の第2平歯車6を適用したことである。
すなわち、三個の第1ピンピニオン3は、図3に符号Sで示すように、基準円T1に沿って1/3ピッチずつ位置ずれし、三個の第2平歯車6は、基準円T2に沿って1/3ピッチずつ位置ずれしている。 実施例4では、三個の第1ピンピニオン3と三個の第2平歯車6とは、1/3ピッチずつ位置ずれしているため、第1ピンピニオン3(第1重合歯車4)と第2平歯車6(第2重合歯車5)との間の回転伝達点Tpは、全部で三箇所となり、回転伝達の安定性および円滑性が向上し、良好な伝達効率を達成し、かつ低振動および低騒音を実現することができる。
〔実施例3の構成〕
図4は本発明の実施例3を示す。実施例3が実施例1と異なるところは、第2平歯車6に代わって、上面に多数の歯面14aを並列させたラック14を設けたことである。
この場合、桿状のラック14は、基準線T10に沿って1/2ピッチT11だけ位置ずれしており、左右二列に分かれて並設された分割ラック14b、14cとして平坦な基盤15上に設置されている。第1重合歯車4は、左右に重ね合わせた二個の第1ピンピニオン3を基盤15の上方で水平な支軸16に回転可能に設け、それぞれのピン3aを分割ラック14b、14cに噛み合わせている。第1重合歯車4とラック14との噛み合いは、動力伝達機構1としてラック・ピニオン機構17を構成する。
図4は本発明の実施例3を示す。実施例3が実施例1と異なるところは、第2平歯車6に代わって、上面に多数の歯面14aを並列させたラック14を設けたことである。
この場合、桿状のラック14は、基準線T10に沿って1/2ピッチT11だけ位置ずれしており、左右二列に分かれて並設された分割ラック14b、14cとして平坦な基盤15上に設置されている。第1重合歯車4は、左右に重ね合わせた二個の第1ピンピニオン3を基盤15の上方で水平な支軸16に回転可能に設け、それぞれのピン3aを分割ラック14b、14cに噛み合わせている。第1重合歯車4とラック14との噛み合いは、動力伝達機構1としてラック・ピニオン機構17を構成する。
左側の第1ピンピニオン3のピン3aが所定の圧力角で分割ラック14bに噛み合うと同時に、右側の第1ピンピニオン3のピン3aが所定の圧力角で分割ラック14cに噛み合うため、ラック14に対する第1重合歯車4の回転伝達点は複数箇所に存することになる。
これにより、第1重合歯車4とラック14との間の動力伝達を円滑にし、良好な伝達効率で振動および騒音の低減化が図られる。
これにより、第1重合歯車4とラック14との間の動力伝達を円滑にし、良好な伝達効率で振動および騒音の低減化が図られる。
〔変形例〕
(a)実施例1〜3では、第1重合歯車4から第2重合歯車5に回転伝達したが、これとは逆に第2重合歯車5から第1重合歯車4に回転伝達してもよく、要は第1重合歯車4と第2重合歯車5との間で回転伝達を行うことができればよい。
(b)実施例1では、第1ピンピニオン3を上下二層に重ね合わせ第1重合歯車4を構成したが、これに限らず、互いに半ピッチだけ位置ずれさせた第1螺旋溝と第2螺旋溝とから成る二重螺旋状を呈するウォーム歯車を設け、第1螺旋溝と第2螺旋溝とが対応する上下の第2平歯車6にそれぞれ噛み合う構造の動力伝達機構にしてもよい。
(a)実施例1〜3では、第1重合歯車4から第2重合歯車5に回転伝達したが、これとは逆に第2重合歯車5から第1重合歯車4に回転伝達してもよく、要は第1重合歯車4と第2重合歯車5との間で回転伝達を行うことができればよい。
(b)実施例1では、第1ピンピニオン3を上下二層に重ね合わせ第1重合歯車4を構成したが、これに限らず、互いに半ピッチだけ位置ずれさせた第1螺旋溝と第2螺旋溝とから成る二重螺旋状を呈するウォーム歯車を設け、第1螺旋溝と第2螺旋溝とが対応する上下の第2平歯車6にそれぞれ噛み合う構造の動力伝達機構にしてもよい。
(c)第1ピンピニオン3から第1重合歯車4を構成したり、第2平歯車6から第2重合歯車5を構成する際、単体の第1ピンピニオン3同士や単体の第2平歯車6同士をそれぞれ溶接などの取付手段により固定してもよい。また、第1重合歯車4や第2重合歯車5は、それぞれ鉄などの金属材料から冶金や切削方法などにより一体物として形成してもよい。
(d)動力伝達機構1における第1ピンピニオン3のピン3aの個数を10本としたが、その個数は10本に限らず、使用対象や取付状況などに応じて所望に変更してもよい。
(e)動力伝達機構1をインデックス装置2に適用したが、適用対象としては、ギアトレインや減速装置など一方の歯車から他方の歯車に回転伝達する伝達機構であればよい。
(e)動力伝達機構1をインデックス装置2に適用したが、適用対象としては、ギアトレインや減速装置など一方の歯車から他方の歯車に回転伝達する伝達機構であればよい。
本発明の動力伝達機構では、複数の第1歯車は、互いに複数分の1ピッチずつ位置ずれした状態で重ね合わされている。複数の第2歯車は、互いに複数分の1ピッチずつ位置ずれした状態で重ね合わされている。このため、第1重合歯車4と第2重合歯車との間で回転力を伝達する際、相互の歯車の回転伝達点が複数箇所となり、回転伝達の安定性および円滑性が向上し、良好な伝達効率を達成し、かつ振動および騒音の低減化が可能となる。動力伝達機構の有用な効果に着目する業者の需要を喚起し、関連部品の流通を介して機械産業に利用することができる。
1 動力伝達機構
2 インデックス装置
3 第1ピンピニオン(第1歯車)
3a 第1ピンピニオンのピン(歯面)
3b、3c 第1ピンピニオンの円盤
4、11、13 第1重合歯車
5 第2重合歯車
6 第2平歯車(第2歯車)
6a 第2平歯車の歯面
10 第1平歯車(第1歯車)
12 第1内歯歯車(第1歯車)
14 ラック(第2歯車)
14a ラックの歯面
14b、14c 分割ラック
17 ラック・ピニオン機構
θ 第1ピンピニオンと第2平歯車とが成す圧力角
T1 第1ピンピニオンの基準円
T2 第2平歯車の基準円
2 インデックス装置
3 第1ピンピニオン(第1歯車)
3a 第1ピンピニオンのピン(歯面)
3b、3c 第1ピンピニオンの円盤
4、11、13 第1重合歯車
5 第2重合歯車
6 第2平歯車(第2歯車)
6a 第2平歯車の歯面
10 第1平歯車(第1歯車)
12 第1内歯歯車(第1歯車)
14 ラック(第2歯車)
14a ラックの歯面
14b、14c 分割ラック
17 ラック・ピニオン機構
θ 第1ピンピニオンと第2平歯車とが成す圧力角
T1 第1ピンピニオンの基準円
T2 第2平歯車の基準円
Claims (6)
- 互いに同一で複数個の第1歯車を相互に複数分の1ピッチずつ基準円に沿って位置ずれさせた状態で複数層に重ね合わせて固定状態に形成した第1重合歯車と、
互いに同一で複数個の第2歯車を相互に複数分の1ピッチずつ基準円に沿って位置ずれさせた状態で複数層に重ね合わせて固定状態に形成した第2重合歯車とを備え、
前記第1重合歯車の前記複数個の第1歯車と前記第2重合歯車の前記複数個の第2歯車とが互いに対応する位置で噛合するように構成したことを特徴とする動力伝達機構。 - 前記複数個の第1歯車は、二個で1/2ピッチだけ位置ずれし、前記複数個の第2歯車も二個で1/2ピッチだけ位置ずれしていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達機構。
- 前記複数個の第1歯車は、三個で1/3ピッチずつ位置ずれし、前記複数個の第2歯車も三個で1/3ピッチずつ位置ずれしていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達機構。
- 前記第1歯車は、二個の円盤の間に複数のピンを円周方向に沿って立設して成るピンピニオンであり、前記第2歯車は平歯車であることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達機構。
- 前記第1歯車は、二個の円盤の間に複数のピンを円周方向に沿って立設して成るピンピニオンであり、前記第2歯車は、上面に多数の歯部を並列させたラックであることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達機構。
- 前記第1重合歯車および前記第2重合歯車は、割出テーブルを間欠的に回転駆動させるインデックス装置に内設されていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013003412A JP2014134262A (ja) | 2013-01-11 | 2013-01-11 | 動力伝達機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013003412A JP2014134262A (ja) | 2013-01-11 | 2013-01-11 | 動力伝達機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014134262A true JP2014134262A (ja) | 2014-07-24 |
Family
ID=51412693
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013003412A Pending JP2014134262A (ja) | 2013-01-11 | 2013-01-11 | 動力伝達機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014134262A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105552013A (zh) * | 2014-10-28 | 2016-05-04 | Snu精度株式会社 | 基板旋转对准装置 |
JP2017100819A (ja) * | 2015-11-30 | 2017-06-08 | 東芝エレベータ株式会社 | 乗客コンベア |
-
2013
- 2013-01-11 JP JP2013003412A patent/JP2014134262A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105552013A (zh) * | 2014-10-28 | 2016-05-04 | Snu精度株式会社 | 基板旋转对准装置 |
JP2016084532A (ja) * | 2014-10-28 | 2016-05-19 | エスエヌユー プレシジョン カンパニー リミテッドSnu Precision Co., Ltd. | 基板回転整列装置(apparatusforaligningrotationofsubstrate) |
JP2017100819A (ja) * | 2015-11-30 | 2017-06-08 | 東芝エレベータ株式会社 | 乗客コンベア |
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