JP2014134051A - 上向き施工されたグラウト材の空気量測定方法 - Google Patents
上向き施工されたグラウト材の空気量測定方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】容器本体22をせん断補強部材挿入孔に見たてて、容器本体22の開口22aを下向きとして該容器本値22を上下方向に配置する。容器本体22の開口22aを通じて、容器本体22内にグラウト材を上向きで注入して充填する。容器本体22の開口22aに蓋体を取り付け、容器本体22を密閉し、グラウト材が充填された容器本体22内の圧力を測定する。これにより、上向き施工されたグラウト材の空気量を測定する。
【選択図】図6
Description
(2)削孔内に、可塑性グラウトと呼ばれる粘性が高いセメント系グラウト材を充填し、補強鉄筋を人力で押し込む施工方法。
(3)注入ホースおよび排気ホースを削孔内に配置し、注入ホースを用いて、流動性のあるセメント系グラウト材を注入する施工方法(例えば、特許文献2参照)。
(4)削孔内に、流動性のグラウト材を充填し、補強鉄筋を人力で挿入する施工方法。
まず、上向き施工されたグラウト材の空気量測定方法を説明する前に、上向き施工のせん断補強部材の定着方法について説明する。上向き施工のせん断補強部材の定着方法では、図1に示すように、既設のコンクリート構造体1に上向きのせん断補強部材挿入孔2を穿孔し、上向きのせん断補強部材挿入孔2にせん断補強部材3(図4参照)を挿入して、グラウト材Gを用いて定着させる。
上向き施工のせん断補強部材の定着方法では、有底のせん断補強部材挿入孔2を、下方に向く施工面4から穿孔する。せん断補強部材挿入孔2は、施工面4から上方に延びるように形成されている。せん断補強部材挿入孔2が延在する方向は、鉛直上向きでもよく、斜め上向きに延在していてもよい。施工面4は、斜め下方に向く面でもよい。施工面4の法線方向は、鉛直方向と交差していてもよい。せん断補強部材挿入孔2の開口部近傍には、他の部分よりも内径が大きい拡径孔2bが形成されている。なお、せん断補強部材挿入孔2の内径は、長手方向において同一でもよい。
図4に示すように、せん断補強部材挿入孔2に挿入されるせん断補強部材3は、長尺のねじ節鉄筋からなり、全長にわたって雄ねじ部が形成されている。せん断補強部材3を定着する際には、せん断補強部材3の先端部に先端定着体5が取り付けられ、後端部に後端定着体6が取り付けられる。これらの定着体5,6はセラミックス製であり、防錆性を備えている。
本実施形態では、図1,2に示すように、グラウト材注入ホース7を用いてグラウト材Gをせん断補強部材挿入孔2内に注入する。せん断補強部材挿入孔2の削孔径は、30〜50mm程度である。図3では、グラウト材注入ホースの先端部を示している。グラウト材注入ホース7の先端部は、筒体7aを有している。筒体7aの外周面には、外方に張出すつば部7bが形成されている。つば部7bは、例えば鋼製リングである。鋼製リングを筒体7aに装着することで、つば部7bが形成される。つば部7bは、筒体7aの外周面に固定されている。
本実施形態では、可塑性のグラウト材を使用する。可塑性のグラウト材Gは、せん断補強部材挿入孔2に充填する直前に、可塑剤、添加剤が入れられて、練り混ぜられる。練り混ぜ後のグラウト材をホッパーに移し、バイブレータをかけて混入された空気を抜いたのちに、可塑性のグラウト材を注入する工程を実行する。なお、グラウト材は、可塑性のグラウト材に限定されず、例えば、流動性を有するグラウト材を使用してもよい。
作業者は、図2に示すように、グラウト材注入ホース7をせん断補強部材挿入孔2内に挿入する。まず、グラウト材注入ホース7は、せん断補強部材挿入孔2の奥まで挿入されて天端2aに押し当てられる。グラウト材注入ホース7の先端を、せん断補強部材挿入孔2の天端2aに押し当てた状態で、グラウト材の注入を開始する。
せん断補強部材3をせん断補強部材挿入孔2に挿入するにあたり、せん断補強部材挿入孔2の開口部の直下にせん断補強部材3を配置する。せん断補強部材3を所定の位置に配置した後に、せん断補強部材3を上昇させて、せん断補強部材挿入孔2内に挿入する。
せん断補強部材3の挿入が完了したら、養生治具10を施工面4に当接させて施工面4に取り付け、せん断補強部材挿入孔2の開口部を閉止する。せん断補強部材挿入孔2内におけるグラウト材を所定期間、たとえば1日程度養生する。さらに、養生期間が経過した後、養生治具10を撤去し、適宜コンクリート構造体1の表面を清掃する。こうして、せん断補強部材3の定着が完了する。
次に、上向き施工されたグラウト材の空気量測定方法について図5〜7を参照して説明する。図5は、本実施形態のグラウト材の空気量測定方法に使用される空気量測定器の容器本体を示す斜視図である。図6は、開口部が下向きとなるように設置された空気量測定器の容器本体に、グラウト材を注入している様子を示す概略図である。図7は、グラウト材が充填された空気量測定器を示す断面図である。
まず、空気量の測定に使用される空気量測定器21を準備する。空気量測定器21は、容器本体22(筒体)と、容器本体22の開口部を閉止する蓋体23とを備えている。容器本体22は、せん断補強部材挿入孔2を模擬した内部形状を有する。容器本体22は、有底の筒体である。容器本体22の開口部22a側には、せん断補強部材挿入孔2の拡径孔2bに対応する部分22b(他の部分よりも内径が大きい部分)が形成されている。
次に、容器本体22を配置する。容器本体22の開口部を下向きとして、容器本体22の長手方向が上下方向となるように配置する。実際のせん断補強部材挿入孔2が形成されているように、配置する。容器本体22は、図6に示すように、棒状の支持部材26によって、支持されている。
グラウト材の注入は、上述したように、実際の施工と同様に実行する。例えば、グラウト材注入ホース7を用いて、グラウト材の注入を行う。容器本体22内に充填されるグラウト材は、上述したように、実際の施工と同じものを使用することができる。例えば、可塑性のグラウト材を、グラウト材注入ホース7を用いて注入する。例えば、容器本体22内がグラウト材によって満たされるまで、グラウト材が充填される。
次に空気量測定器21の蓋体23について説明する。図7に示すように、蓋体23には、空気室31が形成されている。容器本体22と反対方向に窪む凹部によって空間(空気室)が形成されている。蓋体23には、圧力計32、作動弁33が設けられている。圧力計32は、空気量測定器21の内部(容器本体22及びこれに連通する空気室31)の圧力を測定する。作動弁33は、空気室内と容器外とを連通可能な弁である。
蓋体23を容器本体22に取り付けた後、所定の方法(蓄圧、開放、圧力計の指示値の読み取り)により、圧力計32の指針を読み、容器本体22に充填された空気量を測定する。このときの空気量を施工時の空気量とする。なお、所定の方法(蓄圧、開放、圧量計の指示値の読み取り)は、JIS A1128「フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法−空気室圧力方法」を参考にすることができる。
グラウト材の空気量A(%)
=グラウト材の見掛けの空気量A1(%)−骨材修正係数G(%)…(1)
なお、骨材修正係数G(%)は、グラウト材に細骨材などが含まれる場合に考慮するものであり、骨材を含まないセメントグラウトの場合にはこれを考慮する必要はない。
また、基準値を測定し、測定された基準値の空気量と、施工時の空気量とを比較することで、上向き施工されたグラウト材の空気量を判定してもよい。基準値の測定は、施工時の空気量の測定前に実行してもよく、施工時の空気量の測定後に実行してもよい。
上記の二つの空気量の差(上向き施工された空気量と基準値との差)を確認し、優位な差がなければ、上向き施工されたグラウト材に、空気の混入がないと判定することができる。これにより、空気の混入を抑制して、グラウト材を上向き施工することができる技量を備えた作業員を判定することができる。
22…容器本体(筒体)
22a…容器本体の開口
23…蓋体
24…フランジ
25…締結部
26…支持部材
27…連結部
Claims (7)
- 上向きに施工されたグラウト材の空気量を測定する方法であって、
有底の筒体の開口を下向きとして当該筒体を上下方向に配置し、
前記開口を通じて、前記筒体内にグラウト材を上向きで注入して充填し、
前記筒体の開口に蓋体を取り付け、前記筒体を密閉し、
前記グラウト材が充填された筒体内の圧力を測定することを特徴とする上向き施工されたグラウト材の空気量測定方法。 - 前記筒体を支持する支持部材に前記筒体を取り付けた状態で、前記筒体内にグラウト材を注入して充填し、
前記グラウト材の注入後、前記筒体を前記支持部材から取り外し、
前記蓋体を用いて、前記筒体を密閉し、
前記筒体内の圧力を測定することを特徴とする請求項1に記載の上向き施工されたグラウト材の空気量測定方法。 - 前記筒体の開口を上向きとして当該筒体を上下方向に配置し、
前記開口を通じて、前記筒体内にグラウト材を下向きで注入して充填し、
前記筒体の開口に蓋体を取り付け、前記筒体を密閉し、
前記グラウト材が充填された筒体内の圧力を測定して、基準値とし、
前記基準値と、上向き施工後の圧力の測定値とを比較することを特徴とする請求項1又は2に記載の上向き施工されたグラウト材の空気量測定方法。 - グラウト材の上向き施工及び当該上向き施工後の圧力の測定を複数回行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の上向き施工されたグラウト材の空気量測定方法。
- 前記筒体内にグラウト材を上向きで注入して充填した後、
前記筒体内に、せん断補強部材を挿入し、
前記せん断補強部材の挿入後、前記筒体の開口に前記蓋体を取り付け、
前記グラウト材が充填され前記せん断補強部材が挿入された前記筒体内の圧力を測定することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の上向き施工されたグラウト材の空気量測定方法。 - 注入パイプを前記筒体内に挿入し、前記注入パイプを用いて、可塑性グラウト材を前記筒体内に充填し、
前記可塑性グラウト材が充填された筒体内の圧力を測定することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の上向き施工されたグラウト材の空気量測定方法。 - 横向きに施工されたグラウト材の空気量を測定する方法であって、
有底の筒体の開口を横向きとして当該筒体を水平方向に配置し、
前記開口を通じて、前記筒体内にグラウト材を横向きで注入して充填し、
前記筒体の開口に蓋体を取り付け、前記筒体を密閉し、
前記グラウト材が充填された筒体内の圧力を測定することを特徴とする横向き施工されたグラウト材の空気量測定方法。
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