JP2014133818A - ポリエチレンナフタレートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】固相重合速度を向上し、低コスト、低熱劣化条件によって高重合度のポリエチレンナフタレート樹脂を提供する。
【解決手段】下記数式(I)〜(III)のすべてを満たすことを特徴とするポリエチレンナフタレート。0.2≦[COOH末端]/[OH末端]≦0.6…(I)。0.45dL/g≦[η]≦0.68dL/g…(II)。1.0g≦[チップサイズ]≦4.0g…(III)(上記数式中、[チップサイズ]とは、前記ポリエチレンナフタレートのチップ100粒の重量(グラム)を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明はポリエチレンナフタレートに関する。さらに詳しくは、固相重合反応の処理を実施するプレポリマーのポリエチレンナフタレートに関する。固相重合速度が速く、短時間、固相重合プロセスにおいて与える熱履歴熱を低く抑えることが可能なポリエチレンナフタレートおよびその製造方法に関する。
ポリエチレンナフタレート(以下、PENと称することがある。)樹脂は強度、伸度、ヤング率若しくは弾性回復率等の機械的性質、耐熱性若しくは寸法安定性等の物理的性質、または耐薬品性若しくは耐水性等の化学的性質が優れ、安価であるために工業的に大きな価値を有していることは良く知られており、例えば、繊維、包装容器もしくはハウジング等の樹脂成形品、シートおよびフィルム等で多く用いられている。また、PENはより高重合度化したものが、物理的性質が良好であり、繊維用途、樹脂成型品用途に使用されている。この高重合度化処理方法としては、従来公知の固相重合方法が一般に適用されている(例えば、特許文献1参照。)。
固相重合は、コスト上の観点、熱劣化の観点から、固相重合速度を早くすることが望ましい。これまで、プロセス条件による固相重合速度の改良(例えば、特許文献2、3参照。)、ポリエチレンナフタレートコポリマーに対する検討(例えば、特許文献4参照。)は各種実施されてきたが、ポリエチレンナフタレートの触媒組成に特徴を有するもの(例えば、特許文献5,特許文献6参照。)者を除き、ポリエチレンナフタレートホモポリマー自体の構成を改良する検討は従来ほとんど実施されてこなかった。
特開平04−236219号公報 特開平03−111423号公報 特開平07−258393号公報 特開2000−119380号公報 特開平11−060704号公報 特開平11−060705号公報
本発明は上記問題点に注目してなされたものであり、ポリエチレンナフタレートのポリマー物性を適切な範囲にすることにより、ポリエチレンナフタレートの固相重合速度を向上せしめ、低コスト、低熱劣化条件によって高重合度のポリエチレンナフタレート樹脂を提供することにある。
本発明者らは、前記本発明の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、エチレンナフタレートの繰り返し単位を有するポリエステルであり、下記数式(I)〜(III)のすべてを満たすことを特徴とするポリエチレンナフタレートによって、固相重合速度を向上せしめることを明らかとした。
0.2≦[COOH末端]/[OH末端]≦0.6 …(I)
(上記数式中、[COOH末端]は、前記ポリエチレンナフタレート中に含まれるカルボキシル末端基(COOH末端基)濃度[当量/トン]を示す。[OH末端]は前記ポリエチレンナフタレート中に含まれるヒドロキシ末端基(OH末端基)濃度[当量/トン]を示す。但し[OH末端基濃度]=[全末端基濃度]−[Me末端基濃度]−[COOH末端基濃度])式より算出される。[全末端基濃度]は前記ポリエチレンナフタレート中に含まれるすべての末端基濃度[当量/トン]を示し、[Me末端基濃度]は前記ポリエチレンナフタレート中に含まれるカルボキシアルキルエステル末端基濃度[当量/トン]を示す。)
0.45dL/g≦[η]≦0.68dL/g …(II)
(上記数式中、[η]は、前記ポリエチレンナフタレートの固有粘度を示す。)
1.0g≦[チップサイズ]≦4.0g …(III)
(上記数式中、[チップサイズ]とは、前記ポリエチレンナフタレートのチップ100粒の重量(グラム)を示す。)
かくして本発明によれば、主たる繰り返し単位がポリエチレンナフタレートのポリマーにおいて、固相重合プロセスを短時間で低コストに実施することができ、固相重合プロセスにおけるポリマーの熱劣化を抑制した条件下において、高重合度のポリエチレンナフタレートを得ることができる。
以下本発明を詳しく説明する。
本発明のポリエチレンナフタレートとはエチレンナフタレートの繰り返し単位を有するポリエステル、好ましくは主たる繰り返し単位がエチレンナフタレート、すなわちジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールを用いたポリエステルポリマーを示している。主たる繰り返し単位とはポリエステルを構成する全繰り返し単位のうち70モル%以上がエチレンナフタレート単位であることを表す。より好ましくは80モル%以上である。最も好ましくは90モル%以上である。
本発明のポリエステルには、全ジカルボン酸成分の30モル%以下の範囲で共重合成分を共重合することが可能である。共重合可能なジカルボン酸成分としては、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1、4−ナフタレンジカルボン酸、1、5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、パモイン酸、アントラセンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸のアルカリ金属塩、5−ナトリウムスルホイソフタル酸のアルカリ金属土類金属塩、5−ナトリウムスルホイソフタル酸の4級アンモニウム塩、5−ナトリウムスルホイソフタル酸の4級ホスホニウム塩等に代表される芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸等に代表される脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルトフタル酸、デカリンジカルボン酸、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジカルボン酸等に例示される脂環族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体が好ましい。また、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の3官能以上のカルボン酸成分を共重合させても良い。また、前記ジカルボン酸は、分子鎖中に置換基や脂環構造を含んでいても良く、同時に2種以上を使用しても良い。
エステル形成性誘導体とは、上記ジカルボン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル、ジブチルエステル、ジヘキシルエステル等に代表されるジアルキルエステル、ジフェニルエステル、ジナフチルエステル等に代表されるジアリールエステル、ジカルボン酸クロライド、ジカルボン酸ブロマイド、ジカルボン酸ヨーダイド等に代表されるジカルボン酸ハライドを挙げることができる。これらの化合物群の中で好ましくは上記ジカルボン酸のジメチルエステルを採用することができる。
第3成分のグリコールとしては、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタメチレングリコール、1,10−デカメチレングリコール、1,12−ドデカンジオールなどのアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどに例示される脂肪族グリコールや、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール等に例示される脂環族グリコールや、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシメチルビスフェノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、2,5−ナフタレンジオール、これらのグリコールにエチレンオキシドが付加したグリコール(例えば、1,3−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシエトキシフェニル)プロパン)等に例示される芳香族基含有グリコールが挙げられる。また、前記グリコールは、分子鎖中に置換基や脂環構造を含んでいても良く、同時に2種以上を使用しても良い。
上記のようなジカルボン酸成分および/またはグリコール成分の共重合量が30モル%を超える場合、ポリエチレンナフタレート本来の物性、例えば強度、モジュラス、ヤング率、寸法安定性などが劣ることがある。そのため、共重合量は本発明のポリエチレンナフタレートポリエステルを構成する全繰り返し単位のうち、好ましくは、20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下である。更に、本発明のポリエステルはこれら共重合成分を2種類以上組み合わせて使用しても構わない。
<COOH/OH比について>
本発明に用いるポリエチレンナフタレートは下記一般式(I)を満たすことを特徴とする。
0.2≦[COOH末端]/[OH末端]≦0.6 …(I)
(上記数式中、[COOH末端]は、前記ポリエチレンナフタレート中に含まれるカルボキシル末端基(COOH末端基)濃度[当量/トン]を示す。[OH末端]は前記ポリエチレンナフタレート中に含まれるヒドロキシ末端基(OH末端基)濃度[当量/トン]を示す。但し[OH末端基濃度]=[全末端基濃度]−[Me末端基濃度]−[COOH末端基濃度])式より算出される。[全末端基濃度]は前記ポリエチレンナフタレート中に含まれるすべての末端基濃度[当量/トン]を示し、[Me末端基濃度]は前記ポリエチレンナフタレート中に含まれるカルボキシアルキルエステル末端基濃度[当量/トン]を示す。)
後述するように、本発明のポリエチレンナフタレート(以下、PENと称することがある。)は、ジカルボン酸成分としてナフタレンジカルボン酸およびナフタレンジカルボン酸エステル形成性誘導体からなる群から少なくとも1種選ばれるジカルボン酸成分と、ジオール成分としてエチレングリコールを原料として製造する。ジカルボン酸成分としてナフタレンジカルボン酸を採用した場合には、得られるポリエチレンナフタレートは、全末端基としてはカルボキシル末端とヒドロキシ末端が主となるであろう。一方、ジカルボン酸成分としてナフタレンジカルボン酸エステル形成性誘導体、特にナフタレンジカルボン酸ジアルキルエステルを採用した場合には、全末端基としてはカルボキシアルキルエステル末端基、カルボキシル末端基とヒドロキシ末端基が主となるであろう。そして、後述するように全末端基濃度は、得られたPENについて溶媒に溶解しGPC測定をすることにより、数平均分子量を概算・算出し、その値から全末端基濃度を算出することができる。カルボキシアルキルエステル末端基濃度は得られたPENを抱水ヒドラジンにて分解し、その分解生成物中の対応するアルコールをガスクロマトグラフにて検出することにより算出することができる。カルボキシル末端基濃度は得られたPENを弁じるアルコールに溶解し、指示薬の存在下水酸化ナトリウムの弁じるアルコール溶液にて酸塩基滴定を行うことにより算出することができる。これらの値からヒドロキシ末端基濃度も上記数式により算出することができる。
溶融重縮合、固相重合を問わず一般的な重縮合反応によりエステル結合が形成される場合には、ジカルボン酸成分の末端基(カルボキシアルキルエステル末端基またはカルボキシル末端基)とジオール成分の末端基(ヒドロキシ末端基)の量のバランスが取れている状態、すなわち双方の末端基濃度の比率、[COOH末端]/[OH末端]が1.0に近い状態が、最も重縮合反応が進行し、高重合度、高分子量、高固有粘度のポリエステルが製造できると思われる。しかし驚くべきことに、本願発明においてはヒドロキシ末端基が相対的に過剰に存在する場合、すなわち上記数式(I)で表したような場合の方が固相重合速度が速いことを見出して、本願発明に到達した。
<固有粘度について>
本発明に用いるポリエチレンナフタレートの固有粘度(ポリエステルチップをフェノール/テトラクロロエタン=6/4(重量比)混合溶媒に溶解した希薄溶液を、35℃でオストワルド型粘度計を用いて測定した値)は、下記一般式(II)を満たすことを特徴とする。
0.45dL/g≦[η]≦0.68dL/g …(II)
(上記数式中、[η]は、前記ポリエチレンナフタレートの固有粘度を示す。)
固有粘度が0.45dL/g未満の場合、固相重合処理によって高重合度のポリエチレンナフタレートを得るために必要な重合時間が長時間となり、固相重合プロセスにおける生産性が低下し、固相重合速度が向上する効果が発現しにくいため好ましくない。固有粘度が0.68dL/gを超える場合、溶融重縮合において長時間あるいは高温の重合反応が必要となるため、得られるポリエチレンナフタレートの熱劣化を引き起こし、同様に固相重合速度が向上する効果が発現しにくいため好ましくない。その固有粘度値は、より好ましくは0.46〜0.64dL/g、さらに好ましくは0.50〜0.60dL/gの範囲である。
<チップサイズについて>
本発明のポリエチレンナフタレートは溶融重縮合反応後、従来公知のチップカッターを用い、チップ化される。カッティング後のポリエチレンナフタレートのチップサイズとしては、下記一般式(III)を満たすことを特徴とする。
1.0g≦[チップサイズ]≦4.0g …(III)
(上記数式中、[チップサイズ]とは、前記ポリエチレンナフタレートのチップ100粒の重量(グラム)を示す。)
チップサイズが小さいと、結果としてチップの比表面積が増加し、チップの中心部にまで効率的に熱が伝わること、重縮合反応により生成・脱離する低分子化合物成分のチップ外への拡散が容易になる等の理由から、固相重合速度が増加することが知られているため、小サイズ化することが好ましい。ただし、1.0未満の場合、チップを細かくカッティングすることが生産上困難である。またチップサイズが小さいと、チップサイズのバラツキによる固相重合後のチップの固有粘度のバラツキが大きくなり、得られるPENの成形性等の品質が好ましくなくなることがある。一方、チップサイズが、4.5を超える場合、固相重合速度が低下するため、好ましくない。チップサイズは、1.2以上4.0以下が好ましく、1.4以上3.5以下が最も好ましい。
<DEGについて>
本発明に用いるポリエチレンナフタレートは、そのポリエチレンナフタレート中に含まれるジエチレングリコール(DEG)の含有量が0.30〜2.0重量%であることが好ましい。DEGはポリマーの溶融成形のしやすさ、強度・弾性率等の力学的物性に影響するため、目的とする成形品(繊維・成型品・フィルム)によって、コントロールすることが望ましい。ただし、DEGが2.0重量%を超える場合、得られる成形品の機械的物性が低下するため、好ましくない。また0.3重量%未満とするには、DEGの生成を抑制するために特殊な条件でPENを製造する必要があり、その場合には仮にDEG含有量を抑制することができても、他の物性が基本物性が劣ることがあり、PENをフィルム、シート、繊維、包装容器、各種ハウジングに用いるにあたって使用に耐えうるものが得られない場合がある。DEGの含有量は、0.35重量%以上1.75重量%以下が好ましく、0.40重量%以上1.30重量%以下が最も好ましい。
本発明に用いるポリエステルには、ジエチレングリコールの生成を抑制するため、溶融重縮合の開始時期から初期段階において、必要に応じて塩基成分を加えることができる。その塩基成分としては、酢酸ナトリウム、酢酸リチウム、酢酸カリウムをはじめとする有機酸アルキル金属塩、またはトリエチルアミンをはじめとするアミン化合物、水酸化テトラエチルアンモニウムをはじめとするアンモニウム系化合物を例示することができる。また、DEG量を増加させるため、エステル交換反応またはエステル化反応終了後にジエチレングリコールを添加し、DEG量を増加させることが可能である。
<製造方法について>
本発明のポリエチレンナフタレートの製造方法は、ジカルボン酸成分としてナフタレンジカルボン酸およびナフタレンジカルボン酸エステル形成性誘導体からなる群から少なくとも1種選ばれるジカルボン酸成分と、ジオール成分としてエチレングリコールをエステル化反応またはエステル交換反応後、溶融重縮合反応させることにより製造することができる。より好ましくは上述したように2,6−ナフタレンジカルボン酸または2,6−ナフタレンジカルボン酸エステル形成性誘導体をジカルボン酸成分として選択し、エチレングリコールをジオール成分として選択して、エステル化反応またはエステル交換反応後溶融重縮合させることである。より具体的に本発明で用いられるポリエステルポリマーの製造方法を述べると、概略としては従来公知のポリエチレンナフタレートの製造方法を挙げることができる。すなわち製造方法としては、まずジカルボン酸成分として、ナフタレン−2,6―ジメチルカルボキシレートに代表されるジカルボン酸のジアルキルエステルとグリコール成分であるエチレングリコールとでエステル交換反応させる。その後、この反応の生成物を減圧下で加熱して、余剰のジオール成分を除去しつつ重縮合させる方法である。あるいは従来公知の直接重合法により、まずジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸とジオール成分であるエチレングリコールとでエステル化させる。その後、この反応の生成物を減圧下で加熱して、余剰のジオール成分を除去しつつ重縮合させる方法で製造することもできる。
<エステル交換触媒について>
エステル交換反応を利用した方法の場合に用いるエステル交換触媒としては、特に限定はないが、一般的に用いられるマンガン、マグネシウム、チタン、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、コバルト、ナトリウム、リチウム、鉛化合物を用いることができる。このような化合物としては、例えばマンガン、マグネシウム、チタン、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、コバルト、ナトリウム、リチウム、鉛の酸化物、酢酸塩、カルボン酸塩、水素化物、アルコラート、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩等を挙げることができる。中でも、ポリエステルの溶融安定性、色相、ポリマー不溶異物の少なさ、紡糸の安定性の観点から、マンガン、マグネシウム、亜鉛、チタン、コバルト化合物が好ましく、さらにマンガン、マグネシウム、亜鉛化合物が好ましい。また、これらの化合物は二種以上を併用してもよい。
エステル交換反応の触媒量としては、上記のジカルボン酸成分1モルに対して好ましくは1.0〜200mmol%の範囲である。さらに好ましくは1.5〜80mmol%の範囲である。1.0mmol%未満の場合、エステル交換の反応速度が遅く生産上、好ましくない。200mmol%を超える場合、触媒が熱劣化を引き起こすため、好ましくない。これらの結果、十分な固有粘度を有するPENを得ることができないことがある。
<重合触媒について>
重合触媒については、特に限定されるものではないが、アンチモン、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム、ジルコニウム、すず化合物を用いることができる。このような化合物としては、例えばアンチモン、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム、ジルコニウム、すずの酸化物、酢酸塩、カルボン酸塩、水素化物、アルコラート、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩等を挙げることができる。また、これらの化合物は二種以上を併用してもよい。重合活性が高く、また入手容易である点からチタン化合物、アンチモン化合物が好ましく用いられる。中でも、ポリエステルの重合活性、固相重合活性、溶融安定性、色相に優れ、かつ得られる繊維が高強度で、優れた製糸性、延伸性を有する点で、アンチモン化合物が特に好ましい。
重合反応触媒がアンチモン化合物の場合、触媒量としては、好ましくは10〜200mmol%の範囲である。さらに好ましくは15〜150mmol%の範囲、さらに好ましくは、15〜100mmol%である。5mmol%未満の場合、溶融重縮合の反応速度が遅く生産上、好ましくない。また固相重合速度も低下するため、好ましくない。200mmol%を超える場合、触媒が溶融時にポリマーの熱劣化を引き起こすため、好ましくない。
<安定剤について>
本発明には、ポリエステルを製造する任意の段階で、ポリエステルを構成する酸成分のモルに対して1〜500ミリモル%含むように、リン化合物を添加することができる。リン化合物としては、特に限定はないが、亜リン酸、リン酸、リン酸トリメチル、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、トリエチルホスホノアセテートなど、ポリエステルに使用される一般のリン化合物を挙げることが出来る。
そのリン化合物の添加時期は、好ましくはポリエステルの製造工程において、エステル交換反応またはエステル化反応を開始当初から終了するまでであり、より好ましくはエステル交換反応またはエステル化反応を終了から重縮合反応工程の開始前である。
<ポリエステルの重合温度について>
本発明のポリエチレンナフタレートを製造する段階の、溶融重縮合の温度としては、295℃以上325℃以下が好ましい。295℃未満の場合、得られるポリマーのCOOH末端濃度が低くなり、好ましくない。また重合反応が遅く、ポリエステルの生産性の点からも好ましくない。325℃を超える場合、得られるポリマーのCOOH末端濃度が高くなり好ましくない。また325℃を超える場合、ポリエステルの熱劣化によるゲル状異物が発生するため、好ましくない。297℃以上320℃以下がより好ましく、300℃以上、310℃以下が最も好ましい。
<ポリエステルの重合時間について>
本発明のポリエチレンナフタレートを製造する段階の、溶融重縮合の時間は、真空吸引開始して真空吸引を終了するまでの時間は、90分以上180分以下が好ましい。90分未満以下の場合、得られるポリマーのCOOH末端濃度が低くなり、好ましくない。180分を超える場合、得られるポリマーのCOOH末端濃度が高くなり好ましくない。また重合反応が遅く、ポリエステルの生産性の点からも好ましくない。95分以上、160分以下が好ましく、100分以上150分以下が最も好ましい。
<ポリエステルの熱保持時間について>
本発明のポリエチレンナフタレートを溶融重縮合した後、熱保持することが好ましい。熱保持条件としては、下記一般式(IV)〜(V)を満たすことが好ましい。
280℃≦熱保持温度≦320℃ …(IV)
5分≦熱保持時間≦50分 …(V)
熱保持温度が280℃未満の場合、得られるポリマーのCOOH末端濃度が低くなり、好ましくない。また、ポリエチレンナフタレートを反応装置から取り出す際の溶融粘度が高くなり、反応装置から取り出す作業効率が低下する点からも好ましくない。320℃を超える場合、得られるポリマーのCOOH末端濃度が高くなり好ましくない。また320℃を超える場合、ポリエステルの熱劣化による異物が発生するため、好ましくない。285℃以上315℃以下が好ましく、290℃以上310℃以下が最も好ましい。また熱保持を行う際の圧力としては、5〜101.3kPa下、好ましくは6〜100kPa下、更に好ましくは7〜20kPa下に維持して熱保持を行う事である。
<熱保持の方法について>
熱保持の方法は特に限定されるものではない。例えば、溶融重縮合反応終了後にポリマーを反応装置内部で保持させる方法、溶融重縮合反応終了後に反応装置からポリマーを加熱された配管中に流入・滞留させる方法など、を例示することが可能である。
固相重合(固相重縮合)の前にチップどうしの融着を防ぐためにガラス転移温度以上結晶融点以下、好ましくは結晶融点以下であって結晶融点に近い温度下で加熱することによりチップの結晶化を進行させ、結晶化度を上げる技術はすでに知られている。しかし、本願の製造方法の発明においては、このような従来技術と異なり、驚くべきことに溶融重縮合後のポリエチレンナフタレートをその結晶融点(268〜273℃)以上の温度で、溶融状態下で熱保持を行うことにより目的とする、固相重合速度の速いポリエチレンナフタレートを得ることができる。この結晶融点(268〜273℃)以上の温度で溶融状態下で熱保持を行う事の作用・効果としては、熱保持を行うことにより、溶融重合終了後のポリエチレンナフタレートが若干熱分解反応を起こすこととなり、ポリエチレンナフタレート中に含まれるカルボキシル末端基(COOH末端基)濃度[当量/トン]を増やすことによるものであると考えられる。その結果[COOH末端]/[OH末端]の値が増加し、本発明の目的が達成できるものと考える。
<ナフタレンジカルボン酸の添加>
本発明のポリエチレンナフタレートの製造方法としては、主たるジカルボン酸成分としてナフタレンジカルボン酸誘導体から選ばれるジカルボン酸成分と、主たるジオール成分としてエチレングリコールをエステル交換反応させた後、ナフタレンジカルボン酸を添加することができる。本方法を採用するとエステル交換反応の場合、高温での溶融重縮合反応・長時間の熱保持が不要となり、上記の温度・時間の範囲内においてより低温且つ短時間で、COOH末端濃度を増加させることが可能である。高温での重合反応・長時間の熱保持は、高い熱エネルギーであり、ポリマーの生産性が低下し、好ましくない。
そのエステル交換反応後に添加するナフタレンジカルボン酸の量としては、ポリエチレンナフタレートの製造初期に反応装置内に添加されるナフタレンジカルボン酸誘導体から選ばれるジカルボン酸成分に対して0.1〜8.0モル%であることが好ましい。より好ましくは1.0〜7.0モル%であり、更に好ましくは2.0〜6.0モル%である。この範囲において、重縮合反応速度を低下させることなく、また固相重合の前に実施する溶融重縮合の段階で十分に高い固有粘度を有するポリエチレンナフタレートを得ることができる。そのポリエチレンナフタレートは上述のように十分に高い固有粘度を有しつつ、同時にCOOH末端濃度が増加しているので、固相重合速度を向上させることができる。
<固相重合の実施>
本発明に用いるポリマーは、固相重合を実施することができる。すなわち液相重合反応にて固有粘度0.45〜0.68dL/gのポリエステルチップを製造した後、そのポリエステルチップを結晶化処理をした後、220〜260℃の温度および真空下で0.70〜1.50dL/gの固有粘度を有するように固相重合することもできる。そして上記のような要件を具備したポリエチレンナフタレートは固相重縮合速度が速いので、高固有粘度のポリエチレンナフタレートを得ることができる。その高固有粘度のポリエチレンナフタレートは、より高強度、高弾性率が要求される繊維、フィルム、中空成形体等の各種成形体を得るのに好適に用いられる。その各種成形体は高固有粘度のポリエチレンナフタレートを、従来の溶融成形法による成形法又は若干溶融温度を上げたり、高い溶融粘度に対応可能な成形機を用いることで製造することができる。
本発明に用いるポリエチレンナフタレートは、機械的強度、寸法安定性、耐熱性を高めるために、補強剤としてフィラーを添加することが出来る。フィラーとしては、ガラス繊維、アラミド繊維、アリレート繊維、炭素繊維、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、板状酸化鉄、板状炭酸カルシウム、板状ベーマイト、針状ベーマイト、またはカーボンナノチューブ等を挙げることができる。
本発明に用いるポリエチレンナフタレートには必要に応じて、各種の添加剤、例えば、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、蛍光増白剤、可塑剤または耐衝撃剤等の添加剤を共重合、または混合してもよい。
本発明をさらに下記実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により限定されるものではない。また各種特性は下記の方法により測定した。
(ア)固有粘度([η]):
ポリエチレンナフタレート粉砕処理し、フェノール・テトラクロロエタン=6/4(重量比)混合溶媒に溶解した希薄溶液を、35℃でオストワルド型粘度計を用いて測定した。
(イ)ジエチレングリコール含有量:
ヒドラジンヒドラート(抱水ヒドラジン)を用いて得られたPENチップを分解し、この分解生成物中のジエチレングリコールの含有量をガスクロマトグラフィ−(ヒューレットパッカード社製(HP6850型))を用いて測定した。
(ウ)チップサイズ:
カッティング処理後のチップを、脱水機によって脱水し、その後 デシケーター内で24時間以上水分を除去したチップ100粒の重量を秤量した。
(エ)COOH末端濃度の定量:
粉砕機を用いて粉末状にしたポリエチレンナフタレート40.00グラムおよびベンジルアルコール100mLをフラスコに加え、窒素気流下で215±1℃の条件下、4分間サンプルを溶解させた。溶解後、室温にまでサンプル溶液が冷却し、フェノールレッドのベンジルアルコール0.1質量%を添加し、N規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液によって、速やかに滴定し、滴下量をAmLとした。ブランクとして100mLのベンジルアルコールにフェノールレッドのベンジルアルコール0.1質量%を添加し、N規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液によって、速やかに滴定し、滴下量をBmLとした。
COOH末端量(eq/ton)=(A−B)×10−3×N×10/40
なお、ここで使用したベンジルアルコールは試薬特級グレートの物を蒸留し、遮光瓶に保管したものを利用した。N規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液は、定法により事前に濃度既知の硫酸溶液によって滴定し、N規定度を正確に求めたものを使用した。上記数式中、「40」とは水酸化ナトリウムの分子量を表している。
(オ)Me末端濃度の定量:
ヒドラジンヒドラート(抱水ヒドラジン)を用いてポリエチレンナフタレートチップを分解し、この分解生成物中のジエチレングリコールの含有量をガスクロマトグラフィ−(ヒューレットパッカード社製(HP6850型))を用いて測定した。
(カ)全末端濃度の定量:
ポリエチレンナフタレートサンプルを常温で粉砕後ヘキサフルオロイソプロパノール:クロロホルム=1:1の混合溶媒に溶解し、溶液をGPCにて測定した。数平均分子量は、標準ポリスチレンサンプルを用いてあらかじめ作成した検量線より算出した。得られた数平均分子量を次式に代入し、全末端濃度を算出した。
[全末端濃度]=2×1000000/(数平均分子量)
(1トン(1000000グラム)を数平均分子量で除することで、ポリマー1トン中に存在する分子の等量が算出できる。今回、1つの分子は2つの末端を有するとの仮定し、算出を行った。)
(キ)ポリエチレンナフタレート中の元素量:
ポリエチレンナフタレートを圧縮プレス機でサンプルを2分間260℃に加熱しながら、7MPaの加圧条件下で平坦面を有する試験成形体を作成し、測定を実施した。
(ク)固相重合速度:
ポリエチレンナフタレートチップを、窒素導入口・真空吸引口・熱媒による加熱ジャケット・サンプリング口を有するタンブラー型固相重合装置に封入し、タンブラーを回転させながら窒素雰囲気下130℃・3時間で乾燥実施し、160℃・3時間で予備結晶化を実施した。次いでタンブラー内のチップ温度を230℃、真空度=0.5mmHgになるよう真空吸引・窒素封入しながら、24時間固相重合反応を実施した。固相反応中は、3時間ごとに、チップサンプリングを実施し、得たサンプルの固有粘度を測定した。測定結果を、縦軸に固有粘度(dL/g)、横軸に反応時間の平方根(√rt)(rtとはreaction timeの略)をプロットした結果、得られる直線の傾きから、固相重合速度(dL/g・√rt)を算出した。
[実施例1]
・ポリエチレンナフタレートの製造
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100質量部とエチレングリコール50質量部との混合物に酢酸マンガン四水和物0.030質量部を撹拌機、精留塔およびメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、150℃から245℃まで徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを反応器外に留出させながら、エステル交換反応を行った。その後、ほぼ理論量のメタノールの留出が完了した段階で、リン酸トリメチル0.023質量部を添加し、エステル交換反応を終了させた。その後、三酸化二アンチモン0.024質量部を添加して、このエステル交換反応物を撹拌装置、窒素導入口、減圧口および蒸留装置を備えた反応容器に移し、反応装置を加熱する熱媒温度は300℃設定とし、装置内の物を加熱しながら、30Pa以下の高真空で縮合重合反応を行い、撹拌装置への負荷が目標の値になった段階で、反応を終了とした。この段階でポリマーの樹脂温は303℃であった。次いで、9.3kPaの真空下で10分間無撹拌状態で熱保持を行った。無撹拌終了後のポリマー樹脂温は303℃であった。熱保持開始の温度と熱保持終了時の温度の平均値を熱保持温度として、記録した。値は303℃であった。さらに定法に従い、反応装置からチップ化したポリマーを得た。結果を表に示した。
[実施例2〜7、比較例1〜8]
実施例1において、熱媒の温度設定、熱保持時間、目標のポリマー粘度を変更したこと以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示した。
[実施例8]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100質量部とエチレングリコール50質量部との混合物に酢酸マンガン四水和物0.030質量部を撹拌機、精留塔およびメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、150℃から245℃まで徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを反応器外に留出させながら、エステル交換反応を行った。その後、ほぼ理論量のメタノールの留出が完了した段階で、2,6−ナフタレンジカルボン酸4.42質量部とエチレングリコール1.69質量部を加え、5分間エステル化反応を行い、反応によって得られる水を留出させた後、リン酸トリメチル0.023質量部を添加し、エステル交換反応を終了させた。その後、三酸化二アンチモン0.025質量部を添加して、このエステル交換反応物を撹拌装置、窒素導入口、減圧口および蒸留装置を備えた反応容器に移し、反応装置を加熱する熱媒温度は295℃設定とし、装置内の物を加熱しながら、30Pa以下の高真空で縮合重合反応を行い、撹拌装置への負荷が目標の値になった段階で、反応を終了とした。この段階でポリマーの樹脂温は295℃であった。次いで、9.3kPaの真空下で10分間無撹拌状態で熱保持を行った。無撹拌終了後のポリマー樹脂温は295℃であった。熱保持開始の温度と熱保持終了時の温度の平均値を熱保持温度として、記録した。値は303℃であった。さらに定法に従い、反応装置からチップ化したポリマーを得た。結果を表1に示した。
Figure 2014133818
本発明によれば、固相重合速度が速く、固相重合プロセスにおいて、短時間で反応可能で省エネルギーに反応可能であり、固相重合プロセスにおける熱劣化の原因となる熱履歴を抑制可能なポリエチレンナフタレートを生産することが可能となる。

Claims (8)

  1. エチレンナフタレートの繰り返し単位を有するポリエステルであり、下記数式(I)〜(III)のすべてを満たすことを特徴とするポリエチレンナフタレート。
    0.2≦[COOH末端]/[OH末端]≦0.6 …(I)
    (上記数式中、[COOH末端]は、前記ポリエチレンナフタレート中に含まれるカルボキシル末端基(COOH末端基)濃度[当量/トン]を示す。[OH末端]は前記ポリエチレンナフタレート中に含まれるヒドロキシ末端基(OH末端基)濃度[当量/トン]を示す。但し[OH末端基濃度]=[全末端基濃度]−[Me末端基濃度]−[COOH末端基濃度])式より算出される。[全末端基濃度]は前記ポリエチレンナフタレート中に含まれるすべての末端基濃度[当量/トン]を示し、[Me末端基濃度]は前記ポリエチレンナフタレート中に含まれるカルボキシアルキルエステル末端基濃度[当量/トン]を示す。)
    0.45dL/g≦[η]≦0.68dL/g …(II)
    (上記数式中、[η]は、前記ポリエチレンナフタレートの固有粘度を示す。)
    1.0g≦[チップサイズ]≦4.0g …(III)
    (上記数式中、[チップサイズ]とは、前記ポリエチレンナフタレートのチップ100粒の重量(グラム)を示す。)
  2. 前記ポリエチレンナフタレート中のジエチレングリコール含有量が0.30〜2.0重量%であることを特徴とする請求項1記載のポリエチレンナフタレート。
  3. ジカルボン酸成分としてナフタレンジカルボン酸およびナフタレンジカルボン酸エステル形成性誘導体からなる群から少なくとも1種選ばれるジカルボン酸成分と、ジオール成分としてエチレングリコールをエステル化反応またはエステル交換反応後、重縮合反応させることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のポリエチレンナフタレートの製造方法。
  4. 前記重縮合反応の終了後、熱保持することを特徴とする請求項3記載のポリエチレンナフタレートの製造方法。
  5. 熱保持条件が下記数式(IV)および数式(V)を満たすことを特徴とする請求項4記載のポリエチレンナフタレートの製造方法。
    280℃≦熱保持温度≦320℃ …(IV)
    5分≦熱保持時間≦50分 …(V)
  6. 前記重縮合反応の最終温度が295℃以上325℃以下であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のポリエチレンナフタレートの製造方法。
  7. 前記重縮合反応の反応時間が90分以上180分以下であることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のポリエチレンナフタレートの製造方法。
  8. ナフタレンジカルボン酸エステル形成性誘導体と、ジオール成分としてエチレングリコールをエステル化反応またはエステル交換反応後、ナフタレンジカルボン酸を添加し重縮合反応させることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載のポリエチレンナフタレートの製造方法。
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