JP2014133682A - 発光ガラス、当該発光ガラスを備えた発光装置及び発光ガラスの製造方法 - Google Patents

発光ガラス、当該発光ガラスを備えた発光装置及び発光ガラスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】暖色系の白色発光を示す、発光強度の高い発光ガラス及びその製造方法、当該発光ガラスを備えた発光装置を提供する。
【解決手段】ガラス形成酸化物として少なくともB及びMO(Mは第2族元素を示す。)を含有するガラスを母ガラスとし、当該母ガラス中にCuクラスタ、Cu、及びCuクラスタから選択される少なくとも1種類が存在している発光ガラスは、紫外光〜紫色光の励起によって、600nm付近に強い強度の黄色〜橙色発光を示す。特に、MOとしてMgO、CaO、SrOを用いると黄色発光の発光強度が強くなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、発光ガラス、当該発光ガラスを備えた発光装置及び発光ガラスの製造方法に関する。
近年照明機器用の光源は、従来の白熱電球や蛍光灯から、エネルギー消費量が少なく長寿命であるという特徴を持つ白色発光ダイオードに移行しつつある。白色発光ダイオードの構成としては、黄色発光蛍光体を練りこんだ有機樹脂と青色発光ダイオードとを組み合わせたものが主流となっており、蛍光体としては、例えばイットリウム・アルミニウム・ガーネット系のものが用いられている。現在の白色発光ダイオードは青色系の演色となっており、一般照明用にはより温かみのある暖色系(黄色〜橙色)の演色域を示す発光ダイオードが求められている。また、照度を向上させるために大きな電力を投じると、発熱が増えて高温になり、発光効率が落ちたり樹脂や蛍光体が劣化したりするため、発光強度がより高い発光ダイオードが求められている。
上記の課題解決のために、近紫外光の照射により暖色系(黄色〜橙色)の白色発光を示す遷移金属イオンクラスタがドープされた発光ガラスが提案されている(特許文献1を参照)。具体的には、分相構造を有するアルカリ金属ホウケイ酸ガラスに銅、金、銀等の遷移金属イオンクラスタを含んだものが提案されている。
特開2011−116633号公報
上記のガラスは、分相構造を有する材料であるために、白色発光に寄与する遷移金属イオンクラスタが生じやすく、また、分相構造界面では多重散乱が生じやすく高輝度に発光するため、発光強度が比較的高いものとなった。しかし、一般照明に用いるためには、発光強度がまだ不十分であった。そこで、より発光強度の高い発光ガラスが求められていた。
本発明は、暖色系の白色発光を示す、発光強度の高い発光ガラス及びその製造方法、当該発光ガラスを備えた発光装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねたところ、第2族元素の酸化物を含有する発光ガラスとすることにより、発光強度を高めることができることを見出し、更に当該発光ガラスでは、近紫外光より長波長の紫色光の照射によっても発光することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)ガラス形成酸化物として少なくともB及びMO(Mは第2族元素を示す。)を含有するガラスを母ガラスとし、当該母ガラス中にCuクラスタ、Cu、及びCuクラスタから選択される少なくとも1種類が存在している発光ガラス。
(2)前記母ガラスがガラス形成酸化物として更にSiOを含有する(1)記載の発光ガラス。
(3)前記母ガラスがガラス形成酸化物として更にRO(Rはアルカリ金属元素を示す。)を含有する(1)又は(2)記載の発光ガラス。
(4)(1)から(3)のいずれか1項に記載の発光ガラスと、発光素子とを発光源として備える発光装置。
(5)上記発光素子が発光ダイオードである(4)に記載の発光装置。
(6)MO(Mは第2族元素を示す。)又は溶融工程においてMOに変換される化合物;B又は溶融工程においてBに変換される化合物;及び銅化合物を含有する原料成分を乾式混合する混合工程と、
混合した上記原料成分を溶融する溶融工程と、
溶融した上記原料成分を急冷する冷却工程と、
を含む発光ガラスの製造方法。
(7)上記原料成分が還元剤として酸化スズを含む(6)に記載の製造方法。
本発明によれば、暖色系の白色発光を示す、発光強度の高い発光ガラス及びその製造方法、当該発光ガラスを備えた発光装置を提供することができる。
本発明の発光装置の一態様を示す概略図である。 評価1における励起スペクトル及び発光スペクトルを示す図である。 評価2における励起スペクトル及び発光スペクトルを示す図である。 評価2におけるMgOの含有率と蛍光スペクトルの強度の最大値との関係を示す図である。 評価3における励起スペクトル及び発光スペクトルを示す図である。 評価4における励起スペクトル及び発光スペクトルを示す図である。 評価4におけるCaOの含有率と蛍光スペクトルの強度の最大値との関係を示す図である。 評価5における励起スペクトル及び発光スペクトルを示す図である。 評価6における励起スペクトル及び発光スペクトルを示す図である。 評価7における励起スペクトル及び発光スペクトルを示す図である。 評価8における励起スペクトル及び発光スペクトルを示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<発光ガラス>
本発明に係る発光ガラスは、ガラス形成酸化物として少なくともB及びMO(Mは第2族元素を示す。)を含有するガラスを母ガラスとし、当該母ガラス中にCuクラスタ、Cu、及びCuクラスタから選択される少なくとも1種類が存在している発光ガラスである。
本発明の発光ガラスにおいて、母ガラスにガラス形成酸化物として含有されるMOは第2族元素の酸化物であり、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムが好ましく用いられ、酸化マグネシウム、酸化カルシウムがより好ましく用いられる。これらを単独で用いても組み合わせて用いてもよい。上記MOを含有することにより、得られた発光ガラスは高い発光強度を得ることができる。また、励起光として近紫外光〜紫色光を用いることができる。
上記MOは、母ガラスに対し、5〜40モル%含有することが好ましく、10〜35モル%含有することがより好ましい。
本発明の発光ガラスにおいて、母ガラスは、ガラス形成酸化物として、上記MOのほかにRO(Rはアルカリ金属元素を示す。)で表されるアルカリ金属酸化物を含有してもよい。ROとしては、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化リチウムを用いることが好ましい。
上記ROは、上記MOの一部を置き換えて含有することができる。MOとROとのモル比MO/ROは、10/90〜100/0が好ましく、50/50〜100/0がより好ましい。
本発明の発光ガラスにおいて、母ガラスは、ガラス形成酸化物として、Bを含有する。Bは上記母ガラスに対し、10〜100モル%含有することが好ましく、30〜100モル%含有することがより好ましい。
本発明の発光ガラスにおいて、母ガラスは、ガラス形成酸化物として、更にSiOを含有してもよい。BとSiOとのモル比B/SiOは、20/80〜100/0が好ましく、40/60〜100/0がより好ましい。
上記のガラス形成酸化物を含有する母ガラスとしては、MO−B系、MO−RO−B系のホウ酸ガラス、MO−B−SiO系、MO−RO−B−SiO系のホウケイ酸ガラスが挙げられる。
本発明の発光ガラスにおいて、上記母ガラス中に存在しているCuクラスタ、Cu、及びCuクラスタから選択される少なくとも1種類は、賦活剤として働き発光の中心となる。例えば365nmの紫外光励起において、600nm付近で黄色〜橙色発光を示す。
本発明に係る発光ガラスは、他の成分として、P等のガラス網目形成酸化物や、酸化スズ(SnO)や、Al、TiO、ZnO、ZrO、Y、PbO、V等の中間酸化物を含有してもよい。上記の酸化物は、その組成によってガラス網目(骨格)を形成したり、あるいはガラス網目を修飾したりする。また、酸化スズは製造時の還元剤としても作用する。これらの成分は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。酸化スズは母ガラスに対して外割りで0.1〜10mol%用いることが好ましく、0.5〜10.0mol%用いることがより好ましく、0.5〜5.0mol%用いることが更に好ましい。また、上記ガラス網目形成酸化物は、母ガラスに対して外割りで0〜50mol%用いることが好ましく、0〜30mol%用いることがより好ましく、0〜10mol%用いることが更に好ましい。上記中間酸化物は、母ガラスに対して外割りで0〜10mol%用いることが好ましく、0〜5mol%用いることがより好ましく、0〜3mol%用いることが更に好ましい。
本発明の発光ガラスは、分相構造を有することが好ましい。ここで、分相構造を有するガラス材料とは、分相組織を形成しているガラス、又は不混和領域組織からなるガラスをいう。例えば、液相線以下の温度で2相に分離する不混和領域がある系において、高温での均一な液相状態から急冷すれば見かけ上は均質なガラスが得られるが、潜在的には不混和傾向であるため、物質の拡散による移動が可能な温度で保持すれば相分離が進行する。このような相分離は準安定不混和(metastable−immiscibility)と呼ばれ、この準安定不混和では、核生成−成長機構領域内の組成・温度でガラスを熱処理すると液滴状の分相構造(分相組織)が、またスピノーダル分解領域では3次元的に絡み合った分相構造が形成される。また、液相線以上の温度域、すなわち高温融液の状態で2相に分離する系においては、このような分相は安定不混和(stable−immiscibility)と呼ばれ、融液状態では物質の拡散速度が速いため容易に相分離が進行する。ガラス材料中の分相構造の存在の確認手段としては、例えば、電子顕微鏡による組織観察、X線小角散乱法又は紫外−可視光散乱法等が挙げられる。
本発明の発光ガラスが分相構造を有すると、効率的にCuクラスタ、Cu、及びCuクラスタから選択される少なくとも1種類を形成しやすく、分相構造の界面において多重散乱が生じやすいため、発光強度を向上させることができる。
<発光ガラスの製造方法>
本発明の発光ガラスの製造方法は、MO又は溶融工程においてMOに変換される化合物;B又は溶融工程においてBに変換される化合物;及び銅化合物を含有する原料成分を乾式混合する混合工程と、混合した上記原料成分を溶融する溶融工程と、溶融した上記原料成分を急冷する冷却工程と、を含むことを特徴とする。
溶融工程においてMOに変換される化合物としては、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム等の第2族元素の炭酸塩が挙げられる。なお、このような第2族元素の炭酸塩を用いた場合には、ガラスの脱泡、均質度が促進されるため好ましい。
溶融工程においてBに変換される化合物としては、ホウ酸等が挙げられる。
また、母ガラスがガラス形成酸化物としてROを含有する場合、上記原料成分には、RO又は溶融工程においてROに変換される化合物が含まれる。溶融工程においてROに変換される化合物としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属元素の炭酸塩が挙げられる。
また、母ガラスがガラス形成酸化物としてSiOを含有する場合、上記原料成分にはケイ砂、シリカゲル等が含まれる。
各ガラス形成酸化物の割合が上記発光ガラスの所定の割合となるように、上記の各化合物を用いればよい。
上記銅化合物としては、銅の酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物等を用いることができる。この中でも、特にCuOを用いることが好ましい。CuOを、母ガラスに対し、外割で0.01〜2.0モル%含有することが好ましく、0.1〜1.0モル%含有することがより好ましい。上記銅化合物は上記母ガラス中で、Cuクラスタ、Cu、及びCuクラスタから選択される少なくとも1種類として存在することが可能である。
他に発光ガラスに含有してもよい成分として挙げられる、P等のガラス網目形成酸化物や、酸化スズ(SnO)や、Al、TiO、ZnO、ZrO、Y、PbO、V等の中間酸化物を、上記原料成分に加えることができる。
これらのうち、酸化スズは製造時において還元剤として働き、Cuクラスタ、Cu、及びCuクラスタから選択される少なくとも1種類を還元雰囲気で安定化することができるため、上記原料成分に加えることが好ましい。酸化スズは、ガラス材料中でSn2+からSn4+となることによって、還元剤としての機能を発揮する。酸化スズのほか、還元剤としては、金属ケイ素(Si)、スクロース等の糖、デキストリン等のでんぷん、炭素粉等を使用することができる。
混合工程では、上記原料成分を乾式混合する。
溶融工程では、混合した上記原料成分を加熱により溶融状態にし、所定の時間保持する。溶融温度は、母ガラスの組成等により適宜決定することができるが、1000〜1700℃が好ましく、1100〜1500℃がより好ましい。また、溶融状態で保持する時間は、上記原料成分に含有される化合物がすべて酸化物に変換され、各成分を均一に溶融混合することができる時間であればよく、0.5〜2.0時間が好ましい。
溶融状態とするには、上記原料成分をるつぼ等の容器に入れ、電気炉等の加熱炉に入れて加熱する。このとき、窒素ガスや窒素希釈水素ガスを流通させて還元雰囲気を形成することで、金属イオンの還元状態を維持するようにしてもよい。また、窒素ガスや窒素希釈水素ガスの代わりに、一酸化炭素ガスを使用して還元雰囲気を形成するようにしてもよい。
冷却工程では、溶融した上記原料成分を急冷する。急冷方法としては、例えば真鍮板上に流し出す方法等をとることができる。
また、必要により、所定の形状に加工、鏡面研磨等の研磨等といった後処理を施すようにしてもよい。
<発光装置>
本発明に係る発光装置は、上記発光ガラスと、発光素子とを発光源として備えることを特徴とする。かかる発光装置は、暖色系(黄色〜橙色)の白色発光を示し、発光強度が高く、耐候性及び耐熱性に優れるため、白熱電灯や蛍光灯に代替できる省エネルギー、省希少資源に対応した発光装置となる。
本発明に係る発光装置を構成する発光素子は、電気エネルギーを光に換える光電変換素子であり、具体的には、紫外−可視発光ダイオード等の発光ダイオード、レーザーダイオード、面発光レーザーダイオード、無機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子等を使用することができ、特に、半導体発光素子の高出力化の面からは、紫外−可視発光ダイオード等の発光ダイオードとすることが好ましい。また、発光源となる発光素子が放つ光の波長については、基本的には特に限定されるものではなく、本発明に係る発光ガラスを励起しうる波長範囲内であれば問題なく、例えば、330〜450nmとすることができる。
本発明に係る発光装置の構成としては、上記発光ガラスと発光素子とを発光源として用いるものであれば特に限定されず、例えば、上記発光ガラスが発光素子を覆うように、発光ガラスと発光素子とを組み合わせて構成するようにしてもよい。図1は、本発明に係る発光装置の一態様を示した概略図である。図1に示す本発明に係る発光装置1は、本発明に係る発光ガラス11と、発光ダイオード等からなる発光素子12とを発光源とし、サブマウント素子14の上に発光素子12を導通を維持した状態で搭載し、本発明に係る発光ガラス11によるパッケージによってかかる発光素子12を封止した構成である。
以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を備え、目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状等としても問題はない。
例えば、上記の図1に示した本発明に係る発光装置1の構成については、あくまでも一例であり、発光装置1がかかる構成に限定されるものではなく、本発明に係る発光ガラス11と、発光素子12とを発光源とする任意の構成を採用することができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範
囲で他の構造としてもよい。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例等になんら限定されるものではない。
[実施例1]
炭酸カルシウム6.91g(69mmol)、ホウ酸19.91g(332mmol)、酸化銅(I)0.17g(1.1mmol)、酸化スズ1.08g(8.0mmol)、アルミナ0.88g(8.5mmol)を秤量し、乾式混合して原料成分とした。この原料成分をアルミナ製ルツボにいれ、電気炉内において1100℃で60分加熱して溶融状態を保持した後、真鍮板上に流し出して急冷した。得られた粗ガラスをダイヤモンド切断機及び研磨機で加工して、厚さ0.65mmの30CaO−70B(mol%)に外割で0.5CuO−3.5SnO−3.0Al(mol%)を含むガラス試料を調製した。
[実施例2〜13]
母ガラス及び添加剤の種類や配合割合を表1及び2のように変える他は、実施例1と同様の方法でガラス試料を調製した。ただし、MgOは溶融工程において変換される炭酸塩ではなく酸化マグネシウムとして添加した。
Figure 2014133682
Figure 2014133682
[実施例14]
炭酸カルシウム2.72g(27mmol)、ホウ酸12.85g(208mmol)、二酸化ケイ素6.29g(105mmol)、酸化銅(I)0.07g(0.47mmol)、酸化スズ1.59g(12mmol)を秤量し、乾式混合して原料成分とした。この原料成分をアルミナ製ルツボにいれ、電気炉内において1100℃で60分加熱して溶融状態を保持した後、真鍮板上に流し出して急冷した。得られた粗ガラスをダイヤモンド切断機及び研磨機で加工して、厚さ0.60mmの11.5CaO−44.0B−44.5SiO(mol%)に外割で0.2CuO−5.0SnO(mol%)を含むガラス試料を調製した。
[実施例15〜23及び比較例1]
母ガラス及び添加剤の種類や配合割合を表3及び4のように変える他は、実施例14と同様の方法でガラス試料を調製した。ただし、MgOは溶融工程において変換される炭酸塩ではなく酸化マグネシウムとして添加した。
Figure 2014133682
Figure 2014133682
[評価1]
実施例1〜3で調製したガラス試料について、モニター波長を600nmとしたときの励起スペクトル(PLE)、及び励起波長を365nmとしたときの蛍光スペクトル(PL)を測定した。結果を図2に示す。第2族元素の酸化物の種類を変えたいずれの試料においても、600nm付近を中心とした黄色発光が得られた。発光強度は、MgOを用いた場合が最も高く、次いでCaO、SrOの順となった。
[評価2]
実施例2、4、5で調製したガラス試料について、励起波長を365nmとしたときの蛍光スペクトル及び最大発光波長をモニター波長としたときの励起スペクトルを測定した。結果を図3に示す。MgOの含有率を変えたいずれの試料においても、600nm付近を中心とした黄色発光が得られた。
これらのガラス試料では、励起波長を385nmとすると605nm付近を、励起波長を405nmとすると630nm付近を、それぞれ中心とする蛍光スペクトルが得られた。MgOの含有率と蛍光スペクトルの強度の最大値との関係を図4に示す。励起波長によらず、MgOを30mol%含有するときが、最も発光強度が高かった。また、紫外光による励起だけでなく、405nmの紫色光による励起の場合も、十分高い発光強度を示していた。
[評価3]
実施例1、6〜10で調製したガラス試料について、モニター波長を600nmとしたときの励起スペクトル、及び励起波長を365nmとしたときの蛍光スペクトルを測定した。結果を図5に示す。CuOの添加量を0.1〜1.0mol%と変化させたところ、いずれの試料においても、600nm付近を中心とした黄色発光が得られた。発光強度は、CuOの添加量0.5〜0.6mol%付近で最も高かった。
[評価4]
実施例1、11〜13で調製したガラス試料について、モニター波長を600nmとしたときの励起スペクトル、及び励起波長を365nmとしたときの蛍光スペクトルを測定した。結果を図6に示す。CaOの含有率を20〜40mol%で変化させたところ、25mol%、30mol%で発光強度が最も高かった。
これらのガラス試料では、励起波長を385nmとすると620nm付近を、励起波長を405nmとすると650nm付近を、それぞれ中心とする蛍光スペクトルが得られた。CaOの含有率と蛍光スペクトルの強度の最大値との関係を図7に示す。励起波長によらず、CaOを30mol%含有するときが、最も発光強度が高かった。また、CaO含有率が20〜30mol%の試料では、紫外光による励起だけでなく、405nmの紫色光による励起の場合も、十分高い発光強度を示していた。
[評価5]
実施例14〜16で調製したガラス試料について、モニター波長を600nmとしたときの励起スペクトル、及び励起波長を365nmとしたときの蛍光スペクトルを測定した。結果を図8に示す。第2族元素の酸化物の種類を変えたいずれの試料においても、600nm付近を中心とした黄色発光が得られた。発光強度は、MgOを用いた場合が最も高く、次いでCaO、SrOの順となった。
[評価6]
実施例14、17、18、比較例1で調製したガラス試料について、モニター波長を600nmとしたときの励起スペクトル、及び励起波長を365nmとしたときの蛍光スペクトルを測定した。結果を図9に示す。第2族元素の酸化物であるCaOに代えてアルカリ金属酸化物であるNaOを含有したガラス材料でも、600nm付近を中心とした黄色発光が得られたが、その発光強度は低かった。NaOの一部をCaOに代えていくにしたがって、黄色発光強度が増し、すべてCaOに置き換わったとき最も発光強度が高かった。
[評価7]
実施例14、19〜22で調製したガラス試料について、モニター波長を600nmとしたときの励起スペクトル、及び励起波長を365nmとしたときの蛍光スペクトルを測定した。結果を図10に示す。SnOの添加量を2.0〜5.0mol%と変化させたところ、いずれの試料においても、600nm付近を中心とした黄色発光が得られた。発光強度は、SnOの添加量3.0〜4.0mol%付近で最も高かった。
[評価8]
実施例21,23で調製したガラス試料について、モニター波長を600nmとしたときの励起スペクトル、及び励起波長を365nmとしたときの蛍光スペクトルを測定した。結果を図11に示す。添加剤としてAlを3mol%添加した試料でも高い発光強度が得られた。
1 発光装置
11 発光ガラス
12 発光素子
14 サブマウント素子

Claims (7)

  1. ガラス形成酸化物として少なくともB及びMO(Mは第2族元素を示す。)を含有するガラスを母ガラスとし、当該母ガラス中にCuクラスタ、Cu、及びCuクラスタから選択される少なくとも1種類が存在している発光ガラス。
  2. 前記母ガラスがガラス形成酸化物として更にSiOを含有する請求項1に記載の発光ガラス。
  3. 前記母ガラスがガラス形成酸化物として更にRO(Rはアルカリ金属元素を示す。)を含有する請求項1又は2に記載の発光ガラス。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の発光ガラスと、発光素子とを発光源として備える発光装置。
  5. 前記発光素子が発光ダイオードである請求項4に記載の発光装置。
  6. MO(Mは第2族元素を示す。)又は溶融工程においてMOに変換される化合物;B又は溶融工程においてBに変換される化合物;及び銅化合物を含有する原料成分を乾式混合する混合工程と、
    混合した上記原料成分を溶融する溶融工程と、
    溶融した上記原料成分を急冷する冷却工程と、
    を含む発光ガラスの製造方法。
  7. 前記原料成分が還元剤として酸化スズを含む請求項6に記載の製造方法。
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