JP2014133236A - 摩擦攪拌接合工具、ダブルスキンパネル接合体の製造方法、及び鉄道車両用構体 - Google Patents

摩擦攪拌接合工具、ダブルスキンパネル接合体の製造方法、及び鉄道車両用構体 Download PDF

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Abstract

【課題】長手方向から見たときに、継手部も含めて幅方向に三角形状が連続して構成された完全なトラス構造であるダブルスキンパネル接合体を製造できる摩擦攪拌接合工具を提供すること。
【解決手段】摩擦攪拌接合工具FSは、上部回転体40と下部回転体50の間で突き出ているピン状の攪拌軸60の回転によって、幅方向に突き合わされた二つのダブルスキンパネル10,20の継手部30を摩擦熱で攪拌させて接合するものである。この摩擦攪拌接合工具FSでは、上部回転体40の下端部にスラスト軸受B1を介して上部スライド板70が取付けられ、下部回転体50の上端部にスラスト軸受B2を介して下部スライド板80が取付けられている。そして、下部スライド板80は、ダブルスキンパネル10,20の長手方向から見たときに継手部30で形成される三角形状の頂角部分32の形状に対して、長手方向に連続的に合う曲面部80aを有している。
【選択図】 図8

Description

本発明は、突き合わされた二つのダブルスキンパネルの継手部が長手方向から見たときに三角形状になっている状態で、その継手部の三角形状の頂上部分を摩擦攪拌接合できる摩擦攪拌接合工具に関する。更に、その摩擦攪拌接合工具を用いたダブルスキンパネル接合体の製造方法、及び鉄道車両用構体に関する。
近年、例えば鉄道車両用構体を構成するダブルスキンパネル接合体を製造する際に、摩擦攪拌接合が行われている。この摩擦攪拌接合は、回転体のショルダ面を突き合わされた接合部分の周辺に押し当て、回転するピン状の攪拌軸を接合部分に押し込んで、摩擦熱で接合部分を攪拌(塑性流動)して接合する技術である。この摩擦攪拌接合では、アーク溶接等の溶融溶接とは異なり、固相状態で接合するため、アーク溶接等に比べて入熱量が少なく溶接ひずみを抑えることができる。
この摩擦攪拌接合によって、ダブルスキンパネル接合体を製造する技術は、例えば下記特許文献1又は下記特許文献2に記載されている。下記特許文献1では、図14に示すように、先ず一方のダブルスキンパネル510の上面板511の内側及び下面板512の内側に対して、他方のダブルスキンパネル520の縦リブ524に形成された突出片525を嵌め合わせる。次に、突き合わされた厚肉状の接合部分SGに、回転する攪拌軸560を挿入して、接合部分SGを摩擦攪拌接合する。この摩擦攪拌接合では、縦リブ524及び突出片525によって、摩擦攪拌接合工具FS2から鉛直方向下向き(図14の下向き)に作用する荷重に耐えるようになっている。
また、下記特許文献2では、図15に示すように、先ず、二つのダブルスキンパネル610,620を幅方向(図15の左右方向)に突き合わせる際に、ダブルスキンパネル610の端部リブ614から図15の右向きに突出する突出部611a,612aと、ダブルスキンパネル620の端部リブ624から図15の左向きに突出する突出部621a,622aとを突き合わせる。次に、突き合わされた接合部分SGの周辺を上部回転体640のショルダ面640aと下部回転体650のショルダ面650aで挟み込み、攪拌軸660の回転によって接合部分SGを摩擦攪拌接合する。この摩擦攪拌接合では、下部回転体650を接合部分SGの下側に配置できるように、二つのダブルスキンパネル610,620の継手部630が、図15に示すように、長方形状になっている。
特開平11−90655号公報 特開2010−64634号公報
ところで、上記特許文献1に記載された摩擦攪拌接合では、上述したように、摩擦攪拌接合工具FS2から鉛直方向下向きに作用する荷重に耐えるために、縦リブ524及び突出片525が必要不可欠になっている。これら縦リブ524及び突出片525は、継手部530の強度を上昇させることができるが、摩擦攪拌接合されたダブルスキンパネル接合体の重量を増加させるものである。更に、摩擦攪拌接合中に、接合部分SGの下側が図14のZ部分のように摩擦熱で軟化して逃げて、塊部分が生成されるおそれがあり、この塊部分もダブルスキンパネル接合体の重量を増加させる原因になる。
一方、上記特許文献2に記載された摩擦攪拌接合では、接合部分SGの周辺を上部回転体640のショルダ面640aと下部回転体650のショルダ面650aで挟み込むため、上述した塊部分が生成されるおそれはない。しかしながら、継手部630が長手方向から見たときに長方形状であるため、摩擦攪拌接合された接合部分SGの下側で支持する部分が無くて、継手部630の強度が比較的弱くなる。このため、継手部630の強度を十分に確保するためには、突き合わされる突出部611a,621aの肉厚を厚くする必要があるが、肉厚を厚くするとダブルスキンパネル接合体の重量が増加することになる。
こうして、従来のダブルスキンパネル接合体では、継手部が長手方向から見たときに縦リブを有する台形形状(図14参照)又は長方形状(図15参照)等になっていて、強度面及び重量面で効率的な三角形状になっていなかった。即ち、長手方向から見たときに、継手部も含めて幅方向に三角形状が連続して構成された完全なトラス構造になっていなかった。以上要するに、完全なトラス構造になっているダブルスキンパネル接合体(鉄道車両用構体)は、強度面及び重量面で非常に効率的で優れているにも拘わらず、従来の摩擦攪拌接合によって製造されていなかった。
そこで、本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、長手方向から見たときに、継手部も含めて幅方向に三角形状が連続して構成された完全なトラス構造であるダブルスキンパネル接合体を製造できる摩擦攪拌接合工具を提供することを目的とする。また、その摩擦攪拌接合工具を用いたダブルスキンパネル接合体の製造方法を提供することを目的とする。更に、強度面及び重量面で非常に効率的で優れている鉄道車両用構体を提供することを目的とする。
本発明に係る摩擦攪拌接合工具は、軸周りに回転し且つ軸方向と直交する方向に移動する上部回転体及び下部回転体を備え、前記上部回転体と前記下部回転体の間で突き出ているピン状の攪拌軸の回転によって、幅方向に突き合わされた二つのダブルスキンパネルの継手部を摩擦熱で攪拌させて接合するものであって、前記上部回転体及び前記下部回転体の向かい合う両端部のうち少なくとも一方の端部に、スラスト軸受を介してスライド板が取付けられ、前記スライド板は、ダブルスキンパネルの長手方向から見たときに前記継手部で形成される三角形状の頂角部分の形状に対して、長手方向に連続的に合う曲面部を有することを特徴とする。
本発明に係る摩擦攪拌接合工具によれば、上部回転体と下部回転体によって継手部の三角形状の頂上部分を挟むように配置し、スライド板の曲面部で継手部の三角形状の頂角部分を押し当てる。このとき、スライド板の曲面部が頂角部分の形状に長手方向に連続的に合っていて、スライド板はスラスト軸受によって軸周りに回転しない。このため、スライド板は、頂角部分を削り取ることなく曲面部を頂角部分に押し当て続ける。これにより、頂角部分が摩擦熱で軟化して周りへ逃げることを防止でき、攪拌軸の回転によって頂上部分を摩擦攪拌接合することができる。こうして、継手部が長手方向から見たときに三角形状であっても摩擦攪拌接合することができる。
本発明に係るダブルスキンパネル接合体の製造方法は、二つのダブルスキンパネルを接合してダブルスキンパネル接合体を製造する製造方法であって、上面板と下面板とを連結する複数の斜面板が幅方向に交互に向きを変えて傾いている二つのダブルスキンパネルを幅方向に突き合わせて、二つのダブルスキンパネルの継手部を長手方向から見たときに、隣り合う斜面板と突き合う上面板の端部同士又は下面板の端部同士とによって三角形状になるように形成し、上記した本発明に係る摩擦攪拌接合工具を用いて、前記上部回転体と前記下部回転体によって前記継手部の三角形状の頂上部分を挟むように配置し、前記スライド板の曲面部で前記継手部の三角形状の頂角部分を押し当てながら、前記攪拌軸の回転によって前記頂上部分を接合することを特徴とする。
本発明に係るダブルスキンパネル接合体の製造方法によれば、上部回転体と下部回転体によって継手部の三角形状の頂上部分を挟むように配置し、スライド板の曲面部で継手部の三角形状の頂角部分を押し当てる。このとき、スライド板の曲面部が頂角部分の形状に長手方向に連続的に合っていて、スライド板はスラスト軸受によって軸周りに回転しない。このため、スライド板は、頂角部分を削り取ることなく曲面部を頂角部分に押し当て続ける。これにより、頂角部分が摩擦熱で軟化して周りへ逃げることを防止でき、攪拌軸の回転によって頂上部分を摩擦攪拌接合することができる。こうして、長手方向から見たときに、継手部も含めて幅方向に三角形状が連続して構成された完全なトラス構造であるダブルスキンパネル接合体を製造できる。
また、本発明に係るダブルスキンパネル接合体の製造方法において、前記二つのダブルスキンパネルは、幅方向に同一の二等辺三角形状が連続するトラス構造であり、前記二つのダブルスキンパネルを突き合わせたときに、一方の斜面板の中心線と他方の斜面板の中心線との交点が前記継手部の頂上部分の外表面上又は外表面より内側に位置して、前記継手部を長手方向から見たときに前記二等辺三角形状になるように形成することが好ましい。
この場合には、製造されたダブルスキンパネル接合体では、継手部も含めて同一の二等辺三角形状が幅方向に連続するため、幅方向に亘って均等に強度を確保できる。つまり、縦リブ等のような部材を設けて継手部だけ重量及び強度を増加させる必要がない。更に、一方の斜面板の中心線と他方の斜面板の中心線との交点が頂上部分の外表面上又は外表面より内側に位置しているため、交点が頂上部分の外表面より外側に位置する場合に比べて、各二等辺三角形状の頂角部分の角度が大きい。従って、斜面板の数が少なくなり、ダブルスキンパネル接合体の重量を小さくすることができる。この結果、必要最小限の構成によって、強度面及び重量面の両方で最も効率的で優れているダブルスキンパネル接合体を製造することができる。
本発明に係る鉄道車両用構体は、隣り合うダブルスキンパネルが接合されているものであって、前記隣り合うダブルスキンパネルは、上面板と下面板とを連結する複数の斜面板が幅方向に交互に向きを変えて傾いていて、幅方向に同一の二等辺三角形状が連続するトラス構造であり、幅方向に突き合わされた二つのダブルスキンパネルの継手部を、長手方向から見たときに隣り合う斜面板と突き合う上面板の端部同士又は下面板の端部同士とによって前記二等辺三角形状になるように形成されていて、前記継手部では、一方の斜面板の中心線と他方の斜面板の中心線との交点が頂上部分の外表面上又は外表面より内側に位置して、頂上部分が摩擦攪拌接合によって接合されていることを特徴とする。
本発明に係る鉄道車両用構体によれば、複数の継手部も含めて同一の二等辺三角形状が幅方向に連続するため、幅方向に亘って均等に強度を確保できる。言い換えると、従来の鉄道車両用構体のように、複数の継手部で強度を確保するための縦リブが設けられたものではなく、継手部だけ肉厚が厚いものではない。従って、従来の鉄道車両用構体に比べて、重量を大幅に小さくすることができる。また、一方の斜面板の中心線と他方の斜面板の中心線との交点が頂上部分の外表面上又は外表面より内側に位置しているため、各二等辺三角形状の頂角部分の角度が比較的大きくて、斜面板の数が少ない。こうして、必要最小限の構成によって、強度面及び重量面の両方で最も効率的で優れている鉄道車両用構体になっている。
本発明の摩擦攪拌接合工具、及びダブルスキンパネル接合体の製造方法によれば、長手方向から見たときに、継手部も含めて幅方向に三角形状が連続して構成された完全なトラス構造であるダブルスキンパネル接合体を製造することができる。また、本発明に係る鉄道車両用構体によれば、上述した完全なトラス構造であって、強度面及び重量面で非常に効率的で優れている。
鉄道車両の車体を示した斜視図である。 二つのダブルスキンパネルが幅方向に突き合わされている状態を示した斜視図である。 第1実施形態において突き合わされた二つのダブルスキンパネルを示した正面図である。 二つのダブルスキンパネルの継手部を示した正面図である。 本実施形態の摩擦攪拌接合工具FSを示した正面図である。 本実施形態の下部スライド板を示した斜視図である。 比較例としての下部スライド板を示した斜視図である。 継手部の頂上部分を摩擦攪拌接合する状態を示した図である。 一方の斜面板の中心線と他方の斜面板の中心線との交点が頂上部分の外表面より外側に位置する状態を示した図である。 第2実施形態において突き合わされた二つのダブルスキンパネルを示した正面図である。 第3実施形態において突き合わされた二つのダブルスキンパネルを示した正面図である。 第4実施形態において突き合わされた二つのダブルスキンパネルを示した正面図である。 第5実施形態において突き合わされた二つのダブルスキンパネルを示した正面図である。 従来において縦リブ及び突出片が設けられている継手部を摩擦攪拌接合する状態を示した図である。 従来において長方形状になっている継手部を摩擦攪拌接合する状態を示した図である。
本発明に係る摩擦攪拌接合工具、ダブルスキンパネル接合体、及び鉄道車両用構体の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、鉄道車両の車体STを示した斜視図である。この車体STは、側構体1と屋根構体2と台枠3とが周方向に接合され、これら側構体1と屋根構体2と台枠3の長手方向端部に妻構体4が接合されることによって、構成されている。
側構体1と屋根構体2では、所定の幅を有する長尺状のダブルスキンパネルが幅方向(周方向)に複数個突き合わされている。そして、隣り合うダブルスキンパネル10,20は、車体STの長さである20〜25mの距離で摩擦攪拌接合によって接合されていて、ダブルスキンパネル接合体10Aになっている。本実施形態において、側構体1が、本発明の「鉄道車両用構体」である。ここで、図2は、二つのダブルスキンパネル10,20が幅方向に突き合わされている状態を示した斜視図であり、図3は、第1実施形態において突き合わされた二つのダブルスキンパネル10,20を示した正面図である。
ダブルスキンパネル10,20は、図2及び図3に示すように、平行に配置される上面板11,21及び下面板12,22と、これら上面板11,21と下面板12,22とを連結する複数の斜面板13,23を有している。ダブルスキンパネル10,20は、アルミ材の押出し成形によって形成された中空押出形材であり、押出し方向(図3の紙面に直交する方向)が長手方向であって、押出し方向及び鉛直方向(図3の上方方向)に直交する方向(図3の左右方向)が幅方向である。
上面板11,21と下面板12,22は、湾曲しておらず平面状に形成されている。各斜面板13,23は、上面板11,21と下面板12,22の間で幅方向に連続して傾くように配置されていて、幅方向に交互に向きを変えている。これにより、図3に示すように、ダブルスキンパネル10,20は、幅方向に二等辺三角形状が連続したトラス構造である。ここで、図4は、二つのダブルスキンパネル10,20の継手部30を示した正面図である。
図4に示すように、ダブルスキンパネル10の幅方向の端部(図4の右側端部)では、上面板11の端部11aが斜面板13の上端からほとんど突き出ていないのに対して、下面板12の端部が斜面板13の下端から比較的大きく突き出ている。このため、下面板12のうち、斜面板13の下端から突き出ている部分を突出部12aと呼ぶことにする。上面板11の端部11aの端面及び下面板12の突出部12aの端面は、ダブルスキンパネル10の平面に直交する平面になっている。
同様に、ダブルスキンパネル20の幅方向の端部(図4の左側端部)では、上面板21の端部21aが斜面板23の上端からほとんど突き出ていないのに対して、下面板22の端部が斜面板23の下端から比較的大きく突き出ている。このため、下面板22のうち、斜面板23の下端から突き出ている部分を突出部22aと呼ぶことにする。上面板21の端部21aの端面及び下面板22の突出部22aの端面は、ダブルスキンパネル20の平面に直交する平面になっている。
このような二つのダブルスキンパネル10を幅方向に突き合わすと、上面板11,21の端部11a,21a同士が突き合わされると共に、下面板12,22の突出部12a,22a同士が突き合わされて、継手部30が構成される。そして、この継手部30を長手方向から見ると、隣り合う斜面板13,23と突き合う突出部12a,22a同士によって三角形状になっている。そして、斜面板13の中心線L1と斜面板23の中心線L2との交点P1が、継手部30の頂上部分31の外表面上に位置している。本実施形態では、後述するように、上面板11,21の端部11a,21a同士、即ち継手部30の三角形状の頂上部分31を摩擦攪拌接合すると共に、下面板12,22の突出部12a,22a同士を摩擦攪拌接合するようになっている。
ところで、従来の摩擦攪拌接合では、図4に示す継手部30の頂上部分31を摩擦攪拌接合することが行われていなかった。これは、以下の理由に基づく。先ず、ピン式の摩擦攪拌接合工具を用いる場合、即ち頂上部分31に対して一方側(図4の上側)のみに回転体を配置して摩擦攪拌接合を行う場合には、回転体から頂上部分31に鉛直方向下向きに大きな荷重が作用すると共に、頂上部分31の材料が摩擦熱によって軟化して図4の下側に逃げることになる。このため、頂上部分31の材料を図4の下側に逃がさないためには、例えば図14に示すように、継手部30に縦リブ524のようなものを設ける必要があった。
一方、ボビンツール式の摩擦攪拌接合工具を用いる場合(図15参照)、即ち頂上部分31に対して両側から上部回転体と下部回転体を挟み込んで摩擦攪拌接合を行う場合には、下部回転体によって頂上部分31に作用する鉛直方向下向きの荷重を支持することができる。しかしながら、下部回転体は、一般的に円筒形状であるため、摩擦攪拌接合中の高速回転によって、継手部30の頂角部分32を削り取ることになる。また、仮に下部回転体の形状を頂角部分32の形状に合わせたとしても、継手部30の歪みや製作誤差等によって、頂角部分32が高速回転する下部回転体によって多少削り取られる。この結果、製造されたダブルスキンパネル接合体の継手部30では強度が低下してしまう。こうして、従来のボビンツール式の摩擦攪拌接合工具では、頂上部分31を摩擦攪拌接合することができなかった。
このような技術背景から、従来の摩擦攪拌接合で接合された継手部は、長手方向から見たときに縦リブを有する台形形状(図14参照)又は長方形状(図15参照)等になっていて、強度面及び重量面で効率的な三角形状になっていない。即ち、従来のダブルスキンパネル接合体では、長手方向から見たときに、継手部も含めて幅方向に三角形状が連続して構成された完全なトラス形状になっていない。そこで、本発明者等は、頂角部分32を削り取ることなく、継手部30の頂上部分31を摩擦攪拌接合できる摩擦攪拌接合工具FS及びダブルスキンパネル接合体の製造方法を考案すると共に、強度面及び重量面で非常に効率的で優れている側構体1を考案した。
図5は、本実施形態の摩擦攪拌接合工具FSを示した正面図である。なお、図5では、左半分に断面が示され、右半分で外観が示されている。この摩擦攪拌接合工具FSは、ボビンツール式の工具であり、図5に示すように、軸O1周りに回転する上部回転体40及び下部回転体50と、これら上部回転体40及び下部回転体50から突き出ているピン状の攪拌軸60と、上部回転体40の下端部にスラスト軸受B1を介して取付けられている上部スライド板70と、下部回転体50の上端部にスラスト軸受B2を介して取付けられている下部スライド板80とを備えている。
上部回転体40及び下部回転体50は、図示しない回転駆動機構によって、高速で同軸的に回転可能である。また、上部回転体40及び下部回転体50は、図示しない移動押圧機構によって、図5の上下方向の位置を調整できると共に、軸O1に直交する方向(図5の紙面に直交する方向)、つまりダブルスキンパネル10の長手方向に移動できるようになっている。攪拌軸60は、上部回転体40及び下部回転体50と同軸的に延びていて、上部回転体40及び下部回転体50に一体回転可能に組付けられている。
上部スライド板70は、スラスト軸受B1によって上部回転体40に対して軸O1周りに回転しないようになっていて、突き当てられた上面板11,21の端部11a,21a同士の表面を下面70aで押し当てるものである。但し、上部スライド板70は、実際には摩擦攪拌接合中に塑性流動する材料から抵抗力を受けて、軸O1周りに僅かに回転する。この上部スライド板70では、攪拌軸60が貫通していて、上側が円錐台形状であり、下側が円筒形状である。そして、下面70aは、ダブルスキンパネル10,20の表面に対向する平面であり、摩擦攪拌接合中に塑性流動する材料が逃げないようにショルダ面として機能する大きさになっている。
下部スライド板80は、スラスト軸受B2によって下部回転体50に対して軸O1周りに回転しないようになっている。ここで、図6は、下部スライド板80を示した斜視図である。図6に示すように、下部スライド板80では、攪拌軸60が貫通していて、下側の断面形状が略台形で、上側の断面形状が山形状であり、ダブルスキンパネル10,20の長手方向に所定量延びている。そして、この下部スライド板80は、上側に、継手部30の頂角部分32の形状に対して長手方向に連続的に合う曲面部80aを有している。この曲面部80aは、摩擦攪拌接合中に軸O1周りに回転せずに頂角部分32の長手方向の所定範囲(塑性流動域)を押し当て続けることができ、塑性流動する材料が逃げないようにショルダ面として機能する。
ここで、曲面部80aが頂角部分32の形状に対して長手方向に連続的に合っている理由について説明する。図7は、比較例としてドーム形状になっている下部スライド板90を示した斜視図である。図7に示す下部スライド板90の曲面部90aは、頂角部分32の形状に対して二点鎖線で示した平面HMで部分的に合うが、長手方向に連続的に合わないものである。このため、仮に比較例の下部スライド板90を用いると、摩擦攪拌接合中に曲面部90aが頂角部分32の長手方向の所定範囲を押し当て続けることができず、塑性流動する材料が逃げてしまい、ショルダ面として機能しない。従って、本発明の「長手方向に連続的に合う曲面部」には、ドーム形状の表面や円錐形状の表面が含まれない。
次に、本実施形態のダブルスキンパネル接合体10Aの製造工程について説明する。先ず、図2に示すように、側構体1を構成する二つのダブルスキンパネル10,20を架台5の上に設置して、幅方向に突き合わせる。これにより、図4に示すように、上面板11,21の端部11a,21a同士が突き合わされると共に、下面板12,22の突出部12a,22a同士が突き合わされる。このとき、斜面板13の中心線L1と斜面板23の中心線L2との交点P1が、継手部30の頂上部分31の外表面上に位置して、継手部30が二等辺三角形状になるように形成される。
続いて、本実施形態の摩擦攪拌接合工具FSを用いて、継手部30の頂上部分31を摩擦攪拌接合する。ここで、図8は、継手部30の頂上部分31を摩擦攪拌接合する状態を示した図である。図8に示すように、上部回転体40及び下部回転体50を、頂上部分31を挟み込むように配置して、上部スライド板70の下面70aを上面板11,21の端部11a,21a同士の表面(頂上部分31の周辺の表面)に押し当てると共に、下部スライド板80の曲面部80aを頂角部分32に押し当てる。
そして、上部回転体40及び下部回転体50が軸O1周りに回転しながら長手方向に移動することで、回転する攪拌軸60が頂上部分31に挿入されて接合部30X(図2参照)に沿って移動する。これにより、接合部30Xの材料が摩擦熱によって軟化し、塑性流動しながら攪拌軸60の進行方向後方に回り込む。こうして材料が攪拌した接合部30Xでは、攪拌軸60が通過した直後に、硬化して接合することになる。
ここで、本実施形態の摩擦攪拌接合では、下部スライド板80の曲面部80aが継手部30の頂角部分32の形状に長手方向に連続的に合っていて、下部スライド板80がスラスト軸受B2によって軸O1周りに回転しない。このため、下部スライド板80は、頂角部分32を削り取ることなく曲面部80aを頂角部分32に押し当て続けながら長手方向に移動する。これにより、摩擦熱で塑性流動化した材料が頂上部分31の下側から逃げることを防止でき、攪拌軸60の回転によって頂上部分31を摩擦攪拌接合できる。
また、本実施形態の摩擦攪拌接合では、上述したように、下部スライド板80がスラスト軸受B2によって軸O1周りに回転せずに、曲面部80aを頂角部分32に押し当てると共に、上部スライド板70がスラスト軸受B1によって上部回転体40のように軸O1周りに高速で回転せずに、下面70aを頂上部分31の周辺の表面に押し当てる。これにより、頂角部分32及び頂上部分31の周辺の表面で発生する摩擦熱を抑えることができる。この結果、頂角部分32及び頂上部分31の周辺の表面で、接合痕が生じることを抑制できて、見た目を向上させることができる。
こうして、継手部30の頂上部分31を摩擦攪拌接合した後、ダブルスキンパネル10,20を上下逆に反転して、架台5に配置する。その後、突き合わされている下面板12,22の突出部12a,22a同士を従来のボビンツール式の摩擦攪拌接合工具を用いて摩擦攪拌接合する。これにより、ダブルスキンパネル10,20が接合されたダブルスキンパネル接合体10Aを製造することができ、更に複数のダブルスキンパネル接合体10Aを摩擦攪拌接合することで側構体1を製造することができる。
第1実施形態の作用効果について説明する。
第1実施形態によれば、継手部30が長手方向から見たときに三角形状であっても、上述したように、下部スライド板80がスラスト軸受B2によって軸O1周りに回転しなくて、下部スライド板80の曲面部80aが継手部30の頂角部分32を押し当て続けることができるため、頂角部分32を削り取ることなく攪拌軸60の回転によって頂上部分31を摩擦攪拌接合できる。その結果、図3に示すように、継手部30も含めて幅方向に三角形状が連続して構成された完全なトラス構造であるダブルスキンパネル接合体10Aを製造することができる。
また、第1実施形態によれば、図3に示すように、継手部30は二等辺三角形状になっていて、この継手部30の二等辺三角形状と、ダブルスキンパネル10,20に形成される各二等辺三角形形状とが同一になっている。このため、ダブルスキンパネル接合体10Aでは、継手部30も含めて同一の二等辺三角形状が幅方向に連続するため、幅方向に亘って均等に強度を確保できる。つまり、縦リブのような部材を設けて継手部30だけ重量及び強度を増加させる必要がない。
更に、図4に示すように、継手部30では、斜面板13の中心線L1と斜面板23の中心線L2との交点P1が頂上部分31の外表面上に位置している。このため、図9に示すような交点P1が頂上部分31の外表面より外側に位置する場合に比べて、各二等辺三角形状の頂角部分の角度が大きい。従って、斜面板13,23の数が少なくなり、ダブルスキンパネル接合体10Aの重量を小さくすることができる。この結果、ダブルスキンパネル接合体10Aは、必要最小限の構成によって、強度面及び重量面の両方で最も効率的で優れているものになる。更に、交点P1が頂上部分31の外表面より外側に位置する場合に比べて、各二等辺三角形状の頂角部分の角度が大きいため、下部回転体50を頂角部分32の下側に入り易くすることができる。
そして、第1実施形態の側構体1によれば、複数のダブルスキンパネル接合体10Aで構成されたものであるため、上述したダブルスキンパネル接合体10Aの効果が顕著に表れる。即ち、本実施形態の側構体1では、複数の継手部30も含めて同一の二等辺三角形状が幅方向に長く連続するため、幅方向に亘って均等に強度を確保できる。言い換えると、従来の側構体のように、複数の継手部で強度を確保するための縦リブが設けられたものではなく、継手部だけ肉厚が厚いものではない。従って、従来の側構体に比べて、重量を大幅に小さくすることができる。また、上述したように、各二等辺三角形状の頂角部分の角度が大きいため、斜面板13,23の数が少なくなる。こうして、本実施形態の側構体1は、必要最小限の構成によって、強度面及び重量面の両方で最も効率的で優れているものになっている。
次に、第2実施形態について、図10を参照しながら説明する。図10は、第2実施形態において、突き合わされた二つのダブルスキンパネル110,120の正面図である。図10に示すように、突き合う上面板111,121の端部111a,121aの端面は、ダブルスキンパネル110,120の平面に直交する面に対して時計方向に所定角度θ(例えば20度)傾く斜面になっている。また、突き合う下面板112,122の突出部112a,122aの端面は、ダブルスキンパネル110,120の平面に直交する面に対して反時計方向に所定角度(例えば20度)傾く斜面になっている。第2実施形態のその他の構成は、上記した第1実施形態の構成と同様であるため、100番代の符号を付して、その説明を省略する。
第2実施形態によれば、図10に示すように、二つのダブルスキンパネル110,120を矢印で示した方向(突き合う方向)に押圧しながら突き合わせて、摩擦攪拌接合を行う。これにより、下面板112,122の突出部112a,122aが比較的剛性が低くて板厚方向に歪みが生じていても、押圧力によってその歪みを修正しながら摩擦攪拌接合することができる。第2実施形態のその他の作用効果は、第1実施形態の作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
次に、第3実施形態について、図11を参照しながら説明する。図11は、第3実施形態において、突き合わされた二つのダブルスキンパネル210,220を示した正面図である。図11に示すように、第3実施形態のダブルスキンパネル210,220の構成は、第1実施形態のダブルスキンパネル10,20の構成と上下が逆になっていて、第3実施形態の摩擦攪拌接合工具FS1は、第1実施形態の摩擦攪拌接合工具FSの構成と上下が逆になっている。このため、第3実施形態の構成は、200番代の符号を付して、その説明を省略する。
第3実施形態によれば、図11に示すように、上部スライド板270がスラスト軸受B1によって軸O1周りに回転しなくて、上部スライド板270の曲面部270aが継手部230の頂角部分232を押し当て続けることができるため、頂角部分232を削り取ることなく攪拌軸の回転によって頂上部分231を摩擦攪拌接合できる。第3実施形態のその他の作用効果は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
次に、第4実施形態について、図12を参照しながら説明する。図12は、第4実施形態において、突き合わされた二つのダブルスキンパネル310,320を示した正面図である。図12に示すように、ダブルスキンパネル310,320の上面板311,321及び下面板312,322は、内向き(図12の下向き)に僅かに湾曲している。第4実施形態のその他の構成は、上記した第1実施形態の構成と同様であるため、300番代の符号を付して、その説明を省略する。
第4実施形態によれば、内向きに僅かに湾曲したダブルスキンパネル接合体310A(側構体301)を製造することができる。第4実施形態のその他の作用効果は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
次に、第5実施形態について、図13を参照しながら説明する。図13は、第5実施形態において、突き合わされた二つのダブルスキンパネル410,420を示した正面図である。図13に示すように、ダブルスキンパネル410,420の上面板411,421及び下面板412,422は、内向き(図13の下向き)に僅かに湾曲している。そして、突き合う上面板411,421の端部411a,421の端面は、突き合わせる方向に直交する面に対して時計方向に所定角度θ(例えば20度)傾く斜面になっている。また、突き合う下面板412,422の突出部412a,422aの端面は、突き合わせる方向に直交する面に対して反時計方向に所定角度(例えば20度)傾く斜面になっている。第5実施形態のその他の構成は、上記した第1実施形態の構成と同様であるため、400番代の符号を付して、その説明を省略する。
第5実施形態によれば、図13に示すように、二つのダブルスキンパネル410,420を矢印で示した方向(突き合う方向)に押圧しながら突き合わせて、摩擦攪拌接合を行う。これにより、下面板412,422の突出部412a,422aが比較的剛性が低くて板厚方向に歪みが生じていても、押圧力によってその歪みを修正しながら摩擦攪拌接合することができる。そして、内向きに僅かに湾曲したダブルスキンパネル接合体410A(側構体401)を製造することができる。第5実施形態のその他の作用効果は、第5実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
以上、本発明に係る摩擦攪拌接合工具、ダブルスキンパネル接合体の製造方法、鉄道車両用構体の各実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、第1実施形態において、上部回転体40の下端部にスラスト軸受B1及び上部スライド板70が取付けられている摩擦攪拌接合工具FSを用いたが、上部回転体40の下端部にスラスト軸受B1及び上部スライド板70が取付けられていない摩擦攪拌接合工具を用いても良い。即ち、少なくとも頂角部分32に向かい合う回転体にのみ、スラスト軸受及びスライド板が取付けられていれば良い。
また、第1実施形態において、図4に示すように、斜面板13の中心線L1と斜面板23の中心線L2との交点P1が頂上部分31の外表面上に位置しているが、交点P1が頂上部分31の外表面より内側(図4の下側)に位置していても良い。
また、各実施形態について、鉄道車両用構体として側構体1を例にして説明したが、鉄道車両用構体は側構体に限られるものではなく、例えば屋根構体であっても良い。
1 側構体
10,20 ダブルスキンパネル
10A ダブルスキンパネル接合体
11,21 上面板
11,21a 端部
12,22 下面板
12a,22a 突出部
13,23 斜面板
30 継手部
31 頂上部分
32 頂角部分
40 上部回転体
50 下部回転体
60 攪拌軸
70 上部スライド板
70a 下面
80 下部スライド板
80a 曲面部
B1,B2 スラスト軸受
FS 摩擦攪拌接合工具
本発明に係る鉄道車両用構体は、隣り合うダブルスキンパネルが接合されているものであって、前記隣り合うダブルスキンパネルは、上面板と下面板とを連結する複数の斜面板が幅方向に交互に向きを変えて傾いていて、幅方向に同一の二等辺三角形状が連続するトラス構造であり、幅方向に突き合わされた二つのダブルスキンパネルの継手部を、長手方向から見たときに隣り合う斜面板と突き合う上面板の端部同士又は下面板の端部同士とによって前記二等辺三角形状になるように形成されていて、前記継手部では、一方の斜面板の中心線と他方の斜面板の中心線との交点が頂上部分の外表面上又は外表面より内側に位置して、頂上部分が摩擦攪拌接合によって接合されていて、長手方向から見たときに、前記継手部も含めて幅方向に同一の前記二等辺三角形状が連続していることを特徴とする。

Claims (4)

  1. 軸周りに回転し且つ軸方向と直交する方向に移動する上部回転体及び下部回転体を備え、
    前記上部回転体と前記下部回転体の間で突き出ているピン状の攪拌軸の回転によって、幅方向に突き合わされた二つのダブルスキンパネルの継手部を摩擦熱で攪拌させて接合する摩擦攪拌接合工具において、
    前記上部回転体及び前記下部回転体の向かい合う両端部のうち少なくとも一方の端部に、スラスト軸受を介してスライド板が取付けられ、
    前記スライド板は、ダブルスキンパネルの長手方向から見たときに前記継手部で形成される三角形状の頂角部分の形状に対して、長手方向に連続的に合う曲面部を有することを特徴とする摩擦攪拌接合工具。
  2. 二つのダブルスキンパネルを接合してダブルスキンパネル接合体を製造するダブルスキンパネル接合体の製造方法において、
    上面板と下面板とを連結する複数の斜面板が幅方向に交互に向きを変えて傾いている二つのダブルスキンパネルを幅方向に突き合わせて、二つのダブルスキンパネルの継手部を長手方向から見たときに、隣り合う斜面板と突き合う上面板の端部同士又は下面板の端部同士とによって三角形状になるように形成し、
    請求項1に記載された摩擦攪拌接合工具を用いて、前記上部回転体と前記下部回転体によって前記継手部の三角形状の頂上部分を挟むように配置し、前記スライド板の曲面部で前記継手部の三角形状の頂角部分を押し当てながら、前記攪拌軸の回転によって前記頂上部分を接合することを特徴とするダブルスキンパネル接合体の製造方法。
  3. 請求項2に記載されたダブルスキンパネル接合体の製造方法において、
    前記二つのダブルスキンパネルは、幅方向に同一の二等辺三角形状が連続するトラス構造であり、
    前記二つのダブルスキンパネルを突き合わせたときに、一方の斜面板の中心線と他方の斜面板の中心線との交点が前記継手部の頂上部分の外表面上又は外表面より内側に位置して、前記継手部を長手方向から見たときに前記二等辺三角形状になるように形成することを特徴とするダブルスキンパネル接合体の製造方法。
  4. 隣り合うダブルスキンパネルが接合されている鉄道車両用構体において、
    前記隣り合うダブルスキンパネルは、上面板と下面板とを連結する複数の斜面板が幅方向に交互に向きを変えて傾いていて、幅方向に同一の二等辺三角形状が連続するトラス構造であり、
    幅方向に突き合わされた二つのダブルスキンパネルの継手部を、長手方向から見たときに隣り合う斜面板と突き合う上面板の端部同士又は下面板の端部同士とによって前記二等辺三角形状になるように形成されていて、
    前記継手部では、一方の斜面板の中心線と他方の斜面板の中心線との交点が頂上部分の外表面上又は外表面より内側に位置して、頂上部分が摩擦攪拌接合によって接合されていることを特徴とする鉄道車両用構体。
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